Comments
Description
Transcript
〈要素解説〉ホットスタンピングラインの最新動向
要 素 解 説 1 ホットスタンピングラインの 最新動向 AP&T㈱ 藍田和雄* ホットスタンピングプロセスは、90 年後半か らドイツ自動車メーカーで本格的に使用され始め、 現在多くの欧米自動車部品製造会社・自動車メー カーで使用されている。近年欧米のみでなく、日 本、中国、韓国においてもホットスタンピングの 需要が飛躍的に増大している。過去約 20 年間で の 2 倍の生産容量(約 20 ライン/年)を持つに至 っている。 ホットスタンプ各プロセスの 最新動向 1.ブランク材 全世界において約 200 ラインが設置され、これか 主にアルミシリコンコーティングのボロン鋼が らの 5 年間でそれと同数の 200 ラインの納入が見 使用される。現状引張強さ 1, 500 MPa の材料が 込まれており、AP&T は、約 70 ラインを納入し、 主流であるが 1, 800 MPa の材料も開発・実用化 ホットスタンピング用金型も約 80 台納入してい されている(写真 1) 。このほかに GI、GA コー る。AP&T はラインおよび金型の増加需要に応 ティングボロン鋼、鋼コイルに塗装する X−Tec えるため、2014 年初頭に新工場をつくり、13 年 コーティング材もナノテクノロジーを駆使して開 発されている。以前は非コーティング材を用いた * (あいだ かずお):代表取締役 〒231−005 横浜市中区本町 4−43 セボン関内第 2 ビル TEL : 045−663−9681 FAX : 045−663−9682 ○ブランク・デスタッキング ○炉へブランク投入 ○加熱 ○プレスへブランク投入 ○成形・冷却(プレス内) ○成形品取出し・積載 間接式ホットプレス式も納入されたが、表面スケ ール発生による金型摩耗、ブラスト作業追加など の短所により、現在はコーティングボロン鋼の直 接式ホットプレスが主流である。 アルミシリコンコーティングボロン鋼の加熱速 度はコーティング層保護のため制限があり、通常 300 秒程度の加熱時間が必要であるが、近年の短 サイクル要求により、コーティング層の開発で 240 秒程度に削減できている。 2.取入れ・取出し用自動機 短サイクル要求により、6 軸産業ロボットから 高速リニア専用自動機への使用変換が通常となり、 2 個取、4 個取に対応して複数ブランクを送れる ことは必須である。 3.加熱炉 加熱炉の種類は主に、ローラー移送式、多段炉、 写真 1 ホットスタンピングライン 34 通電加熱式などがある(写真 2) 。現状ではロー プ レ ス 技 術