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日二日 - Core

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日二日 - Core
-437大阪市立大学生活科学部紀要・第3
9
巻(
19
9
1
)
〔総説 )F
群(19
番
,2
0番)、 G群 (
2
1番 ,
2
2番)染色体欠失の
疫学と臨床像
孟建国・川村みや子・石井ふみ代・藤甲弘子
Epidemiology and C
l
i
n
i
c
a
l Findings of Oeletions of F (No. 1
9,
2
0)
and G (No. 2
1,
2
2
)Groups Chromosome
I
T
A
KENKOKU Mou,MIYAKOKAWAMURA,FUMIYOISHII andHIROKOFUJ
7巻 (
1
9
8
9
)及び3
8
巻(19
9
0
)に掲
今回の研究は、本紀要3
はじめに
載 した A-C
欝染色体欠失症の総説と同じ方法を用 いて考
察する 。
近年、染色体分析技術は著しく進歩し、高精度分染法
により既知の症候群においても微細な染色体欠失が発見
I 切 断 点、と染色 体 異 常
された。しかし F群 (
1
9
番
、 2
0
番)G
群(
2
1番
、 2
2番)染色
体欠失症例は少なく、独立した疾患単位はまだ認められ
1
、F群染色体
ていない。
A) 1
9
醤染色体
ここでは我々は F群 (
N
o
.
1
9,
2
0
)、G群 (No. 2
1
,
2
2
)染
1
9
番染色体欠失の報告は非常に少ない。 1
9
7
7年以降、
色体欠失について、 I
n
d
e
xMedicus(
1
9
7
7-1
9
9
1
)に収
Okajimaら(19
8
3
)、Hurgoirら(19
8
4
)2
例の短腕欠失
5
9
)をまとめ、各番染色体欠失の切断部
録された文献例 (
の報告のみである。
位による臨床像 と疫学との相互関係を検討した。なお、
B) 2
0
番染色体
2
0
番染色体欠失症は現在までに少なくとも 1
9
例以上の
モザイク、環状染色体などの異常を伴っている症例は原
症例が報告されている。部分欠失としては次の 4群に分
則として除いた。
)
l
(
)
1
(
欠失グルー プ
p13p
t
e
r
切断点
c
e
np
t
e
r
日
二
日
口
欠失点を含むバンド
口
知れている組
図1 1
9
番染色体欠失の郎位
、‘,,
,z
、
‘
l
一 438-
人間福祉学
)
l
(
)
l
(
欠失グループ
(
1
)
(
2
)
(
2
)
(
2
)
切断点
pl
1p
t
e
r
υ
口
5門川円
一一
症例数
欠失点を含むバンド
口知れている蜘
症例数
q
l1
.2
3q
1
3
.
1
1q
1
3
q
t
e
r
切断点
欠失グループ
(
3
)
(
4
)
国2 2
0
番染色体欠失の部位
類する。
である。 Kogameら(
1
9
7
8
)
のp
l
l→ pt
e
r
、G
arcia
・
Cruz
(1)短腕中間部欠失 d
e
l(
2
0
p
11
.2
p
1
2.
1
、p
1
2
.
1
p
1
2
.
3
)
ら(1
9
8
5
)
のp
1
2.
2
→p
t
e
r
、Byrneら(
1
9
8
6
)のp
l
l.
2
→p
t
e
r
、
81)が最初、 2
0
番染色体短腕中間欠
VanDyke ら(19
Vianna-Morganteら(987)の p
l
l→ p
t
e
r、S
i
l
e
n
g
oら
失l
伊j
を報告し、現在までに 1
0例の報告が認められる 。
(
19
8
8
)
、Ki
s
sら09
飽)及び L
egius(
19
9
0)のp
l
l→ pt
e
r
Babuら(19
8
4
)1例
、 Krizmanら(1
9
8
5
)6例、 S
c
h
n
i
t
t
19
8
9
)及びZhangら(
1
9
9
0
)の l例ずーって・ある。
g
e
r(
欠失、それぞれ l例である。
(
2
)短腕端部欠失 d
e
l(
20pl1-p12.
2
・p
t
e
r
)
短腕端部欠失は 1
9
7
6
年K
alousek及 び T
h
e
r
i
e
nが初め
て 1O
l
J
を報告した。その後症例の報告が少なくとも 7例
欠失グループ
切断点
症例数
(
1
)
(
1
)
c
e
n p
t
e
r q
2
1 p
t
e
r
2
(
3
)長腕中間部欠失 d
e
l(
2
0
q
l
l
.
2
3
-q1
3
.
1
1)
1
9
8
7
)は長腕中間部欠失の l
例の報告のみ
P
e
t
e
r
s
e
nら(
である。
(
4
)長腕端部欠失 d
e
l(
2
0
q
1
3
q
t
e
r
)
口 欠 失点を含むバ ンド
コ
仁
3
症例数
切断点
欠失グループ
失われている部位
3
3
2
q
1
1q
2
1 q
l1
.
2q
2
2
.
1q
2
1q
2
2
.
0q
2
2.
3
q
t
e
r
(
2
)
図3 2
1
番染色体欠失の館位
(2)
(
2
)
(
2
)
(
3
)
-439ー
孟他:
F群 (
1
9
番
、2
0
番
)
、 G群 (
21
番
、2
2
番)染色体欠失
数は 7例である。
Fr
a
i
s
s
eら(19
81
)
は2
0
番長腕端部欠失の l例を報告し
た。また、 D
avisら(19
8
4
)
の2
0
例の血液病を伴う報告が
(
3
)長腕端部欠失 d
e
l(
2
1
q
2
2
.
3
q
t
e
r
)
あり、ここではそれらの症例を除いた。
9
0
)の 2例のみである。
Estabrookら(19
(
4
)2
1モ/ソミー
2
. G群染色体
7
9)
、 Wi
s
n
i
e
w
s
k
iら
現在までに 6例で、 Leeら(19
1
9
6
4
年L
e
j
e
u
n
eらによって最初に G群染色体欠失の報
(
1
9
8
3
)
、G
a
r
z
i
c
i
cら(19
8
8
)、He
r
vaら(
1
9
8
3)
、 Da
l
g
8
8
)及 ひ:Jamehdorら(
1
9
8
9
)の l例ずつで
l
e
i
s
hら(19
告がされており、 1
9
7
0
年W
arren及 び RimoinはG群染
色体欠失症の臨床像が異なる 2つのグループに大別し、
ある。
B) 2
2
番染色体
G1は2
1番染色体欠失で、 GIIは2
2番染色体欠失と分類
した。 その多くは 2
1、2
2
番のモザイク、あるいは環状染
2
2
番染色体欠失症例は 1
8
例の報告がある。
(
1
)短腕端部欠失 d
e
l(
2
2
q
l
l
.
0-p
t
e
r、 q
l
l
.
2-p
t
e
r、
色体欠失の症例である。 ここでは単純欠失症 について、
q1
1
.3
p
t
e
r
、q1
2.
0
p
t
e
r
)
切断部位により欠失グループを以下のように分けて述べる。
A) 2
1番染色体
短腕端部欠失は現在までに1
2
例の報告がある。 Cha
2
1番染色体欠失症例は現在までに 2
0
例になる。
81)の 1家系 2代に 5人の q
l
l-p
t
e
r欠
p
e
l
l
e
r
gら(19
失症例の報告があり 、そ のほか、 Pongら(19
8
5
)の同
(
1)短腕端部欠失 d
e
l(
21
c
e
n
p
t
e
r
、q
2
1
p
t
e
r
、q
2
1.
0
5
-
p
t
e
r
)
、 G
reenbergら
じ切断部位欠失の l例がある。 また
現在までに少なくとも 5
例の報告がある。切断点は少
(
19
8
4
)は母の世代に 2人の q
11
.2-p
t
e
r欠失の報告が
1短腕欠失は 1
家系2
例 (EI-Badramanyら
し異なり、 2
l
l
e
yら(
19
8
2
)は世代に 3人の ql
1.
2
p
t
e
rの
あり、 Ke
1
9
8
9
)、q
2
1
p
t
e
rは 2例 (
R
i
v
e
r
aら 1
9
8
3
、Ackermn
症例を報告してい る。 kirshenbaumyら(19
8
8
)の
ら1
9
8
8
)、q21
.
0
5
p
t
e
rは1
例(
Ca
r
p
e
n
t
e
rら 1
9
8
8
)が報
q1
2
.
0
p
t
e
rのl
例報告もある。
(
2
)長腕腕内欠失 de
l
(
2
2
q
l
l.
2
1
・
ql
1.
2
3
)
告されている。
Mascarelloら(19
8
9
)はql
l
.
2
-ql
l
.2
3の欠失 l例が
(
2
) 長腕腕内欠失 d
e
l(
21
q1
1
.
0
-q
21
.0、 q110
q
21
.3、
ql
1.
2・q22
.1
、q21
.
0
q
2
2.
0
)
ある。
切断点により q110
・q
210の欠失は 1例 (
F
r
i
e
dら
(
3
)長腕端部欠失 d
e
l(
2
2
q
1
3.
1
q
t
er
)
1
9
7
8
)、q
l
l.
0q
21
.3は 2例 (Rol
andら 1
9
9
0
)、q
l
l
.
2
-
9
9
0
年q
1
3
.
1
q
t
e
r
欠失 1例を報告して
Romainらは 1
9
8
5
、 Wulfsberg 1
9
8
3、
q
2
2
.
1は 3例 (Reynolds 1
F
r
y
n
s
1
9
7
7
)、q21
.0
・q
2
2.
0は 1O
1
J
(Mo
d
i
1
9
8
7
)で、総
)
l
(
q12p
t
e
r
(
4
)2
2モノソミ ー
)
l
{
切断点
}
l
(
欠失グループ
いる。
ql
l
.
2p
t
e
r
pI
1p
t
e
r
6
症例数
切断点
q
11
.2
1q
l1
.2
3
q
1
3.
1
q
t
e
r
欠失グループ
(
2
)
(
3
)
図4 2
2
番染色体欠失の部位
(3)
口
欠矧を含むバンド
口
失われている蜘
-4
4
0一
人 間福祉学
2
2モノソミーの報告例は 4例であり、 Garchら
表2 2
0
番染色体欠失症の臨床像
8
9
)、 V
e
r
l
o
e
sら(19
8
7
)、 Nukinaら(19
槌)及び
(
19
切断部位
Mirandaら(19
8
3
)のそれぞれ 1例ず.つである。
日臨
欠失グループ
床像
l
→
2
q
t
e
r
3
顔面
前額突出
内服角賛皮、眼裂
斜下、両眼爾能、
幅広い扇平鼻梁、
低位耳介、耳介変
形
前額突出、眼華日
斜下、低い扇平
鼻線、口角斜下
長い人低位
耳介低位
短い耳介
体幹 :
短頚
1
1
肋骨
脊椎異常
筋緊張低下
関節拘結
脊権側湾、脊椎 筋緊張低下
分様、骨格異常
四肢 :
第 5指内容
屈指
第 5指内軍事
内蔵と
内分泌
肝臓鉱大
肝胞内管欠損
A
l
a
g
i
l
l
e
症候群
F群 (No1
9
、
2
0
)、G群 (No2
1、2
2
)染色体欠失症の臨
床像を表 l、表 2に示す。精神発達遅滞や小奇形の合併
が大部分の症例に含まれるが、特徴的とされる症例を以
下に述べる。
1、F群染色体
p11-p12.1
p
l
1p
I2
.
2
p
1
2.
l-p13 → p
(
e
r
→
A) 1
9
番染色体短腕欠失
小頭
前額突出、
上向き鼻孔
低位耳介
小額症
表1 1
9
番染色体欠失症の臨床像
切断部位
19cen-pter
欠失グループ
頭部、顔面:
体幹:
四肢:
内蔵:
小頭
眼球突出
両眼隔離
低い算梁
厚い口唇
耳介低位
小顎
両乳頭隔離
系:
発達 .
死亡.
関節拘縮
筋緊張増加
皮膚の過伸展
腹ヘルニア
湾幽足
M5指内容
肝動脈異形成
肝胞内管欠損
F
a
l
l
o
t四徴、 PDA
A
l
a
g
i
l
l
e
症候群
PDA-V痩
中度、重度発達 中度、重度遅滞
不全
l才:心奇形
1
6
才:肺炎
中度、重度遅滞
新生児期黄色強膜、肝臓拡大、第 5指内湾、 1
1
肋骨がみ
られる 。 1
6才 時肝臓精査で肝胆内管欠失がみられ、
低血糖
A
l
a
g
i
l
l
e
症候群が認められる。
重度発達遅滞
低体重
聴力低下
(
2
)短腕端部欠失 de
1
(
2
0
p
l
l
p
1
2
.
2
p
t
e
r
)
特徴的な臨床像は前額突出、内眼角賛皮、限裂斜下、
眼球陥没、低い前向き鼻梁、長い人中、短い耳及び耳
Oka
jimaら(19
8
3)の症例は著しい精神運動発育遅滞、
介低位下向き口唇で、短頚、脊椎側室否、脊椎分離、屈
斜視、乳歯のエナメル質低形成などがみられた。 Hurg
指内寄、爪低形成、皮膚紋理異常など、心奇
指、第5
1
6
0
0
g
)であり 、 子 宮
oi
u(
1
9
8
4
)の症例は生下時低体重 (
PS
、VSD
、 Fa
l
!
o
t四徴、 PDA、 A-V痩)の合併
形(
内発育不全を認めた。臨床像としては、顔貌は小頭症、
症がみられる。精神発達は全例重度遅滞であり 、聴力
両眼隔離、扇平易梁、高口蓋、下向き河口角、耳介低位、
減退がみられる。
小顎などがみられる。躯幹、四肢の異常では腹ヘルニア、
Byrne(
19
8
6
)の症例は肝胆内管欠失による胆汁阻滞
四肢拘縮、筋緊張カ増加、筋反射地加、皮膚紋理異常な
eichen
及ひe
がみられ、肝動脈異形成が認められる。 R
どがみられる。精神発達は重度遅滞であり、聴力低下を
Simon(
l9
8
2
)は胆総管過延長による胆汁阻滞の報告
伴う。
もある。先天性肝動脈異形成の発生は新也尼の1/
1
0
0
.
B) 2
0
番染色体欠失
0
0
0の頻度であるが (Bermanら1
9
8
1
)
、 2
0p11-pt
e
r
e
l(
2
0
p
l
l
.
2
p
I
2
.
1、 p
1
2
.
1・p
1
2
.
3
)
(1)短腕中間部欠失 d
欠失症は先天性肝動脈異形成を合併症とする一つの疾
B
y
r
n
e
1
9
8
6
)。
患単位と指摘される (
臨床症状は疎密な毛、前額突出、両眼隔離、眼裂斜
0
番染色体短腕部 (
2
0
p
l
l
)欠失症は A
l
a
g
i
l
l
e
掻近、 2
下、鼻根部は広く扇平で、耳介低位及び耳介変形など
19
8
5
)の報告では 7例 が 2
0
p
1
2
.
1
がある。 Kerzman(
症候群を伴う報告がある C
S
c
h
n
i
t
t
g
e
r
、L
egiusら1
9
9
0
)
。
p
1
2
.
3
の欠失であり、全例に甲状腺腫湯 (MCT)が認め
臨床像的な特徴では、慢性的な肝内胆汁阻滞、顔貌奇
c
h
n
i
t
t
g
e
rら(19
8
9
)の報告による女児例は
られる。 S
形(前額突出、内眼角質皮、限裂斜下、眼球陥没など)、
(4)
孟他 F群 (
1
9
番
、2
0
番
)
、 G群 (
2
1番
、2
2
番)染色体欠失
-4
4
1-
れである。 EI-Badramanyら(19
8
9
)が報告した 1
家系
脊椎異常(側替、脊椎分離など〉、肺動脈狭窄、性線
は
、 3
5
才の女性と 5
7
才の母であり、二者共にManic-
機能低下、知能発達、成長発育遅滞などがある。
(
3
)長腕中間部欠失 d
e
l(
2
0
q
l
l
.
2
3
1
3
.
1
1
)
型精神病を持っていた。また 、前者は 1
5
D
e
p
r
e
s
s
i
v
e
8
7
)の症例は 3才の男児であり、斜
P
e
t
e
r
s
e
nら(19
才時窪筆発作が始まり、排尿排便の自律はまだできて
いない。
視、上向き鼻孔、耳介低位、大きい口など顔貌奇形を
伴う。
(
2
) 長腕腕内欠失 d
e
l(
2
1
q1
1
.O
q2
1
.
0
、q
l
l
.
0
q
21
.3、
q
11
.2
・
q
2
2
.
1、q
2
1
.
0
・
q
2
2.
0
)
(
4
) 長腕端部欠失 d
e
l(
2
0
q1
3
q
t
e
r
)
大多数の症例は顔貌異常の共通症状がある。小量見E
、
81)の症例は小頭、前頭突出、上向
Bertheasら(19
き輿干し、小顎、第5
指寄曲変形、筋緊張低下などがみ
前額突出、外下りの限裂、小眼球、内限角質皮、低位
られる。
F
付着性の大きい耳介、高く前向き鼻梁、高口蓋、小顎
症、短頚など、 Down
症と逆の症状がみられる。躯幹、
2、G群染色体
四肢の異常では、両乳頭隔離、第 5指内湾、外反足及
A) 2
1番染色体欠失
び第 2-3f
止合E
止、筋緊張低下、皮膚の過伸展が見ら
(1)短腕端部欠失 d
e
l(
2
1
c
e
r
トp
t
e
r
、q
2
1
p
t
e
r
、 q2
1
.0
5
-
れる。内臓奇形は心奇形 (ASD
、 PS)を伴う。
p
t
e
r
)
切断点 2
1
q
l
l
.
2
q
2
2.
1欠失の症例は骨格の異常が目
立つ。 Reynoldsら(19
8
5
)の症例は 9才の男児で 、騒
重度精神運動発達遅滞及び筋緊張力低下は必発する
骨、勝骨発育不全、股部発育不全及び股関節脱臼、関
表3 2
1番染色体欠失症の臨床像
切断部位
q
2
1→ q
t
e
r
q
l1
.2
2
1→ q
2
1
2
2
欠失グループ
1
2
i
止合祉などがみられる。
節拘縮、外反足、第 4-5
また、多くの症例は乳幼児期に崎乳困難、肺炎に羅
患しやすい。精神、運動発達は重度遅滞がみられ、骨
小頭
前頭突出
内限角質皮
低い庫梁
大きいロ
耳介低位
網膜異常
限裂斜下
小量郎主
前額突出
小眼球
高い鼻背
耳介変形と低位
高口蓋
体幹
両乳頭隔雛
骨格異常
鼻梁、耳介低位および変形などがみられる。精神発達
四肢.
筋緊張低下
第 5指脊曲
は遅滞であり、 2才 1カ月時運動発達は 1
0カ月のレベ
頭部、顔面・
年齢が非常に遅れる。
(
3
) 長腕端部欠失 d
e
l
(
2
1
q
2
2
.
3
q
t
e
r
)
9
0
)の症例は 2才 3カ月の女児 1
Estabrookら(19
例で、単脳室前脳症が認められる。顔貌の異常では長
頭症、前額突出、両眼隔離、内眼角質皮、低く幅広い
関節拘縮
ルに相当する。
外反足
内蔵:
心奇形 (
V
S
D
.
A
S
D
)
F
a
U
o
t
図徴
(
4
)2
1モノソミ ー
心奇形 (
A
S
D
.
P
S
)
脳裏趨
2
1モノソミー症例の臨床症状としては部分欠失症よ
り重篤であり、主な顔貌異常は小頭症、両眼隔離、眼
脳皮質萎縮
発達
重度遅滞
低身長
鐙単発作
裂斜下、大きい耳介、高く前向き鼻梁、高口叢、口蓋
中、重度遅滞
発達遅滞
裂、小顎症、筋緊張低下、関節拘縮などである。また、
眼裂水平、鼻根部低形成、深い人中など、典型的逆 Do
症とは異なる症状をもっ症例がある。
wn
多発奇形の合併症は多く、心奇形 (ASD、VSD、 P
症状である。顔貌は特異であり、小頭症、高い前額、
内眼角賛皮、短い鼻梁、長くて浅い人中、大きい口、
S、心室鉱大、肺動脈狭窄)、肺形成不全、脳奇形(脳
小顎、短頚などがみられる。先天性心奇形を伴うこと
梁欠損)、消化器奇形(紅門閉鎖、腸腫痕)、骨格異常
が多く、 4例のうち 3例は心奇形を合併した。 Acker
(胸骨狭小、先天性退化)、四肢異常(欠指/駈、裂足
)
、
manら(19
8
8
)の症例は ASDであり、 Carpenterら(1
腎尿生殖器奇形(尿道下裂、停留皐丸)などがある。大
9
8
8
)の症例は心臓 5-6級雑音がきかれる。 Rivera
奇形による乳幼児期死亡例が 6例のうち、半数を 占め
ら(
1
9
8
3
)の症例は F
a
l
l
o
t四徴症があり、 2才時心機
る
。
能不全により死亡した。 その他、脳皮質萎縮 (
R
i
v
e
r
a
)
B) 2
2
番染色体欠失
C
a
r
p
e
n
t
e
r
)、網膜仮性水腫及び水晶体
及び脳波異常 (
(1)短腕端部欠失 d
e
l(
2
2
q1
1
.0-p
t
e
r
、 ql
1
.2-p
t
e
r
、
混濁 (
R
i
v
e
r
a
)の報告がある。精神病を伴う症例はま
q
l
l
.
3
p
t
e
r
、q
1
2
.
0
p
t
e
r
)
(5)
-4
4
2一
人間福祉学
短腕端部欠失の切断点 2
2
q
l
l、 q
11
.2
、q
11
.3
、q
1
2
.
0
表4
脈狭窄、
2
2
番染色体欠失症の臨床像
q
1
1→ q
t
e
r
切断部位
欠失グループ
斜視
限裂斜下
不対称顔面
耳介変形と低位
両眼隔離
体幹.
両乳頭隔離
骨格異常
四肢
筋緊張低下
第 5指官事幽
運動発達は正常である。
2
ql1欠失、あるいは 2
2p欠 失
また、最近、染色体 2
i
G
e
o
r
g
e
症候群(胸腺欠失、胸腺発育不全、高J
I
症は D
甲状腺発育不全、自己免疫機能低下、血清 T細胞値
低下、主動脈狭窄など多発心奇形)を伴う症例の報告
C
h
a
p
e
l
l
eら1
9
8
1、 G
r
e
e
n
b
e
r
gら1
9
8
4、
が増えている (
Annerenら1
9
8
9
、S
c
h
w
a
n
i
t
zら1
9
8
7
、N
ukinaら1
9
8
9
、D
a
l
l
a
p
i
c
c
o
l
aら1
9
8
9
)。
(
3
)長腕端部欠失 d
e
l(
2
2
q
1
3
.
1
q
t
e
r
)
関節拘縮
外反足
内蔵
心奇形
胸腺欠損
大動脈狭窄
心奇形
(
V
S
D
.
A
S
D
)
重度発達遅滞
低身長
発達 ・
長腕端部欠失症例の報告が稀れであり、臨床像の共
通点が少ない。
(
A
S
D,
P
S
)
腎臓低形成
VSD
、 PDA
、 PS
及び両心室起始出口など
がみられる。また、胸腺発育不全が認められる。精神
q
11
.2→ q
1
1
.
2
3
2
小頭
眼裂水平
内眼角質皮
低い鼻梁
高口蓋
耳介低位
小顎
頭部、顔函:
対称耳介など、大奇形では多発心奇形が目立つ。主動
Romain(19
9
0
)の症例は2
2
q
1
3
.
1
q
t
er
の欠失で、身体肥満、内限角質皮、眼裂水平、長い人
才6
カ月時歩
中、厚い口唇、筋緊張低下がみられる。 1
D
i
G
e
o
r
g
e
症候群
くことができず、勝、力、視力は良好である。
中、重度遅滞
発達遅滞
(
4
)2
2モ ノ ソ ミ ー
臨床像としては後頭扇平、内眼角質皮、眼裂斜下、
Miranda
らの症例(19
8
3
)は1
1才の女児で、血清IgA
欠失及び I
g
M
.
I
g
E
.
I
g
G
値の低下が認められる。
長い人中、筋緊張低下、合指などがある。
の聞に臨床症状の基本的差異が認められないことより、
症状の発現には 2
2
q
1
1
p
t
e
rの欠失が重要である。
2
2
q
1
1
p
t
e
r
欠失臨床像につ いては顔貌の異常が特徴的で
E 疫 学
ある。顔貌は小頭症、限裂水平、両眼隔離、内眼角賛
皮、低い鼻梁、高口蓋、耳介低位、小顎、短頚などが
1)性別、年齢
1
9
番染色体欠失は2
例すべて男性で、ある 。 2
0
番染色体
みられる。
2
2
番染色体欠失の家系症例は多く、多発奇形を伴う。
C
h
a
p
e
l
l
eら(19
81)が報告した l家 系 は 兄 妹 5人が発
症し、多発奇形としては腎臓、肺葉発育不全, VSD
及
欠失は 1
9
例のうち、男性 1
1例女性 8例であり、最年長は
Nukinaら(19
8
9
)の症例は VSD、 両 心 室
r
e
e
n
b
e
r
gら(19
8
4
)の症例は 1
才の
起始出口があり、 G
1
1才の女性であった。 2
1番染色体欠失は、2
0
例中男性 9
例女性 1
1例、最年長は5
7
才の女性であ った。 2
2
番染色体
8
例のうち、男性 1
0
例女性 8例であり、最年長は
欠失は 1
3
0
才の女性であった。
2
)生下時体重と両親の年蹴
生下時体重については、 1
9
番の欠失が2
例のうち、 l
例
低体重 (
2
0
0
0
g
以下)であり、 1f
7
t
J
3
4
0
0
gであった。 2
0番
男児で、動脈早期硬化が認められる。
欠失症例は早期産がみられず、生下体重はすべて正常で
び主動脈狭窄、胸腺欠失、口蓋唇裂などがみられる。
K
e
l
l
e
yら(
1
9
8
2
)の症例はl
家系に 3人が2
2
番染色体短
腕欠失で、心奇形、腎水腫、腹ヘルニアなどがみられ
る。また、
2
2
p
t
e
r
q
l
l欠失はムコホ・リサッカリドー
ある (
2
0
0
0
g以上)。生下時親の年齢では、父の年齢は
シスの酸性 ムコ多糖類の分解に関与する各種酵素の欠
2
0
才から 2
7
才まで、母の年歯告は 2
0
才から 2
9
才までに分布
した。 2
1番欠失症例は出生時2
0
0
0
g
以下の症例は 2
0例中
3例、最年長の父は4
4
才で、最年長の母は3
2
才であ った。
2
2
番欠失の全症例は 2
0
0
0
gで出生、最年長の父は3
1才で、
最年長の母は 3
4
才であった。
また、
K
a
j
i
i1
9
8
2
)。症例は大きい頭、
損症例の報告がある (
前額突出、低い鼻梁、眼間隔離、内眼角賛皮、厚い口
唇、歯列不整などがみられる。
(
2
)長腕腕内欠失 d
e
l(
2
2
q
11
.2
1
q
l1
.2
3
)
M
a
s
c
a
r
e
l
l
oらの症例は D
i
G
e
o
r
g
e症候群を伴うと
指摘されている。症例は 2才 6カ月の女児で、切断部
3
)死亡原因と生命予後
l1
.2
q
l
l
.
2
3
欠失である。小奇形としては、不対
位は q
称顔貌、斜頭、眼裂斜下やや眼裂下垂、両眼隔離、 不
死亡症例は 1
3
例で、男性8
例女性5
例である。
2
0
番染色
9
例中 2例が死亡、死亡原因と しては心奇形
体欠失では 1
(6)
。
。
44B
A
U
τ
孟他 :
F群(19
番
、2
0
番
)
、 G群 (
21
番
、2
2
番)染色体欠失
による心機能不全、肺炎であった。 2
1番染色体欠失では、
前額突出、特くに外下りの眼裂、小眼球、内眼角質皮、
2
0
例中 5例、死亡原因としては、肺炎、脳梁欠損、心奇
低位附着性の大きい耳介、高く前向き鼻梁、高口輩、小
2番染色体欠失欠失症は 1
8
例中 6例、心奇
形であった。 2
顎症、短頚など、 Down
症と逆の疲状がみられる。その
形、感染、脳奇形の合併症などが死亡の原因である。死
他、心奇形 (AS
D、PSなど)の合併症が多 く、切断点 q
l
亡年齢は半数乳幼児期であり、生命予後についは不良で
1
.2
・
q
2
2
.1
欠失の症例では、骨格の異常が目立つ。
2
2
番染色体欠失は顔貌異常に注目され、小頭症、眼裂
ある。
4
)遺伝性
水平、両限隔離、内眼角質皮、低い輿梁、高ロ益、耳介
i
宣伝性については G群染色体欠失症例は少部分 (
2
1番
低位、小顎、短頚などがみられる。また、 2
2
番染色体の
3例
、 2
2
番6
例)親の転座由来であるが、その中でも、 4
q
l
lp
t
e
r
欠失は DiGeorge
症候群(
胸腺欠失、胸腺発育
番と 2
1番 (
t
(
4
;
21
)
)、 9番と 2
1番 (
t
(
9
;
21
)、
) 1
4番と 2
1番
不全、副甲状腺発育不全、自己免疫機能低下、 血消 T
-
(
14
;
2
1
))
、あるいは 4
番と 2
2
番(
t(
14
;
2
2
)
),
2
0番と 2
2番
(
t
細胞値低下、大動脈狭窄など)を伴う 。
(
t
(
2
0;
2
2
))
の染色体転座由来のものが多い。 この場合は、
(
4
)発達と生命予後
親の転座の 3
:
1
分離に基づくもので、染色体の部分モ ノ
全症例は精神発途中度から重度遅滞である 。死亡例は
1番染色体欠失は 2家系、 2
2
番染色
ソミーを発生する。 2
1
3
W
t
]
で
、 2
0
番欠失症2
例
、 2
1番欠失症5
例
、 2
2
番欠失症 6
体欠失は 3家系であり、そのうち 2
2
番染色体欠失は I
家
例である。死亡原因としては先天性心奇形、脳奇形、感
系に 5人を発生し、高い発症頻度とみられる。その他の
染症であり、性差は男性例がやや多かった。
enovoの欠失である。
症例は、すべて d
(
5
)遺伝性
大部分の症例は孤発例であった。 2
1番欠失 3例
、 2
2
番
最近、遺伝子の研究により染色体欠失部位の座位が続
0
番染色体欠失では、 2
0
q
1
3
q
t
e
r
いて確定されている。2
は6
例、両親のいずれかの相互転座から発生した。 2
1番
遺伝子座位がある (
B
e
r
t
h
e
a
sら1
9
81
)0 2
1
番
部位の ADA
欠失は 2家系、 2
2
番染色体欠失は 3
家系であ った。
1
q
2
1部位についてD21
s
1,
D
2
1
s
1
1,
D2
染色体欠失では、 2
1
s
8,
D21
s
2
2のDNA異常の報告があり (Roland1990)、
がある (
D
a
l
g
l
e
i
s
h
1
9
8
8
)。ま
遺伝子座位では PPW245D
た
、 B繊維細胞の活性の測定により 2
1
q
2
1
.
0
5
部位に遺伝
文 献
子座位があると推測された (Ca
rpent
e
r1
9
8
4
)。
W 結
1 HurgoiuV e
ta
l
: AnnGenet2
7
,
5
6
一7 (
1
9
8
4
)
量五
回目
高精度染色体分析技術導入以来(19
7
7年以後 )
I
n
d
e
x
2 OkajimaSe
ta
l
:C
1
i
n
.
P
e
d
i
a3
6
,1
9
4-8 (
1
9
8
9
、
2
0
、
2
1
、
Me
di
c
u
sに褐載された F-G群染色体欠失 (No1
3
)
2
2
)症例 (
5
9
)を整理 し、切断部位と臨床症状との相互関
3 ViannaMorganteA Me
ta
l
:C
l
i
n
.
G
e
n
e
t 3
1
,
係を検討した。
4
0
6-9 (
19
8
7)
(
1
)
奇形発生の頻度
4 KogameKTe
ta
l
: Jpn.J.Hum
1
9
番決色体欠失は常染色体欠失のうちもっとも低い頻
9
7
7
年以来2
例のみである。 2
0
番欠失 1
9
例
、 2
度であり、 1
5 ByrneJZBe
tal
:Am.J.Med.Genet 2
4
,
6
7
3一
8(
1
9
8
6
)
番2
0
例
、 2
2
番欠失 1
8
例で、総数は 5
9
例になる。
1
(
2
)切断部位
6 Garcia・CruzD e
tal
: Ann.Ge
n
e
t
1
9
番染色体はすべて短腕欠失である。 2
0
番染色体は
2
8,231-
1
9
8
5
)
4(
qll-pterの端部欠失、 2
1
番染色体は q
l
lq
2
2の中間欠
7 B
e
r
t
h
e
a
sMFe
ta
l
: Ann.Gen
e
t 2
4
,2
1
6-9
2
番染色体は pter-q
l1の欠失例が多く、それらは
失、2
(
1
9
8
1
)
切断され易いバンドと認めた。
8 KissP e
ta
l
:Cl
i
n
.
Ge
n
et 3
3
,140-3 (
1
9
8
8)
(
3
)臨床症状
9 LegiusE e
ta
l:Am.J.Med.Genet
0
番染色体短腕欠失症の顔貌
臨床症状の共通点では、 2
異常と共に、先天性肝動脈異形成の特徴的な A
l
a
g
i
l
l
e
症候群を伴う。
2
3,1
5
3-60
(
19
7
8
)
3
23
5,5
19
9
0
)
5(
3
9-4
4
1
0 Schni
l
l
ger S e
t al
:Hum.Gen
e
t 邸 ,2
(
19
8
9
)
2
1番決色体長腕腕内欠失の大多数の症例は、小頭症、
(7)
-4
4
4-
人間福祉学
1
1 DavisMPe
ta
l
: Can.Genet.Cyto 1
2
.
6
3一7
1
(
19
8
4
)
1
9
9
0
)
1
2 ZhangF e
ta
l
:J
.
P
e
d
i
a
t
r 1
1
6
.
7
3-7 (
1
3 KrizmanDBe
ta
l
:A
n
t
i
c
a
n
c
e
r
.
R
e
s 6.191-
3
2F
r
i
e
de
ta
l
:J.Med.Genet 1
5
.
1
5
2
6
4(
19
7
8
)
3
3 Wulfsberge
ta
l
: Hum.Genet 6
4
.
2
7
1
-2
(
1
9
8
3
)
3
4 Frynse
ta
l
:Hum.Genet 37.155-9 (
19
7
7
)
4(
1
9
8
5
)
3
5 EI-BadramanyM e
ta
l
:B
r
i
t
i
s
h
.
J
o
u
r
.
P
1
5
1
4P
e
t
e
r
s
e
nMBe
ta
l
:J.M.Genet 24.93-6
(
1
9
8
7
)
5
.
8
5
6一 7 (
1
9
8
9
)
3
6 EstabrookLLe
ta
l
: Am.J.Me
d
.
G
e
n
e
t 3
6
.
1
5 BabuVRe
ta
l
:Proc.NatI
.A
c
a
d
.
s
c
i 81
.
2
5
2
5-8 (
1
9
8
4
)
306-9 (
19
9
0
)
3
7 LejeuneJe
tal
:Cr.Aca
d
.
S
c
i 259.4187-90
y
t
o
.
C
e
ll
.Genet 3
2
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