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汎用性の高い立体映像技術
汎用性の高い立体映像技術 筑波大学システム情報工学研究科 知能機能システム専攻 准教授 掛谷 英紀 1 目次 1.従来のテレビを3Dテレビ化する立体眼鏡 2.眼が疲れない裸眼立体ディスプレイ 2 液晶シャッタ方式 • 右眼用・左眼用画像を時分割で高速に切り替える • 120Hzのリフレッシュレートが必要 左目画像 立体像 偶数Frame シャッタ眼鏡 右目画像 左目画像 立体像 奇数Frame 右目画像 シャッタ眼鏡 3 補色の時分割提示による立体視 偶数Frame + 左眼用視差画像 右眼用視差画像 4 補色の時分割提示による立体視 偶数Frame + 左眼用視差画像(補色成分RB) 右眼用視差画像(特定色成分G) 5 補色の時分割提示による立体視 偶数Frame 6 補色の時分割提示による立体視 奇数Frame + 左眼用視差画像 右眼用視差画像 7 補色の時分割提示による立体視 奇数Frame + 左眼用視差画像(特定色成分G) 右眼用視差画像(補色成分RB) 8 補色の時分割提示による立体視 奇数Frame 9 時系列順での画像提示 フレネルレンズ 液晶パネル バックライト モニタ 偶数フレーム 奇数フレーム G:RBの輝度(比視感度)はほぼ等しい(0.59:0.30+0.11) →フリッカーを抑える可能性 10 クロストークノイズ:ゴースト像 • 右眼用画像が提示される位置から観察すると、薄く左眼用画像が表 示されてしまう。 従来の時分割表示( ) 提示条件1( ) 提示条件2( ) 特に提示条件2( )が特に目立つ バックライトモニタのカラーフィルタが一因 11 カラーフィルタ • 液晶ディスプレイ断面(簡略図) B G R 1 透過率 0.8 B G R 0.6 0.4 0.2 0 バックライト 液晶 波長(nm) カラーフィルタ 色再現度が低いモニターのフィルタ 緑成分の波長のみを通しても、R,B成分の波長が両端にかかる → G&RBのゴーストが強く出る 12 解決策 • バックライト部に狭帯域フィルタを用いてR、G、Bに分光すること でそれぞれに他の色成分の波長が混ざることを防ぐ。 透過率 B G R 波長(nm) 13 実用化に向けて • 眼鏡式にすることで従来のモニタ(60Hz)を使い、立体視ができる。 • 液晶シャッタ眼鏡はカラー液晶を用いて緑と紫を交互に出力 • 複数の波長(色)のみを通すマルチバンドパスを使う。 奇数Frame 偶数Frame 液晶シャッタ眼鏡 液晶モニタ 左目用視差画像 右目用視差画像 液晶シャッタ眼鏡 液晶モニタ 左目用視差画像 右目用視差画像 14 目次 1.従来のテレビを3Dテレビ化する立体眼鏡 2.眼が疲れない裸眼立体ディスプレイ 15 粗インテグラルボリューム表示(CIVI) • 『多視点表示法』+『体積表示法』 • 多視点(多眼)表示法 光沢面・隠蔽関係の表現が可能 眼が疲れる • 体積(ボリューム)表示法 輻輳調節矛盾のない自然な立体視 光沢面・隠蔽関係が表現できない 両者の短所を消し、長所を生かす 16 CIVI方式の概要 大口径レンズ 多層パネル 実像 凸レンズアレイ カラー カラー カラー カラー 17 ハーフミラーによる合成 ハーフミラー 凸レンズアレイ モニタ 大口径レンズ 18 観察される立体像 19 問題点 • 装置のサイズが大きくなる • ボリューム像を十分多層化できない (現実的には4層程度) →深い奥行きを表現するのは困難 20 装置の小型化 実像 多層パネル カラー モノクロ モノクロ モノクロ 21 実機の映像 22 実用化に向けて • 装置の薄型化と画質の維持の両立 →透過率の高いパネルの利用 →継ぎ目の目立たないレンズシートの利用 →その他、新規方式を開発中 23 24