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資料3 - 東京都
平成 23 年度 東京湾産魚介類の化学物質汚染実態調査結果(概要版) 資 料 3 はじめに 東京湾では現在も漁業が営まれ、江戸前の魚として流通しているほか、都民が、釣りや潮干 狩りなどのレジャーを通じて湾内の魚介類を摂食する機会は少なくない。 一方、東京湾は首都圏大都市に囲まれており、廃棄物の焼却過程等で非意図的に生成された PCDD、PCDF や、過去に製造された PCB 製品に由来すると思われるコプラナーPCB などの ダイオキシン類が河川から流入しやすい環境にある。 そこで、福祉保健局では都民の食の安全性確保の一環として、東京湾で漁獲される魚介類の ダイオキシン類及び内分泌かく乱作用が疑われる化学物質の調査を行っている。 平成 23 年度の調査結果は以下のとおりである。 1 調査方法 (1) 調査対象生物及び検体数 ボラ8検体(隅田川河口2検体、城南島北側、羽田空港北側各3検体)、スズキ、マアナゴ、 マコガレイ各8検体(隅田川河口2検体、城南島北側、羽田空港北側各3検体) 、アサリ6検 体(三枚洲、羽田沖各3検体) (2) 計38検体 採取地点 ① 魚 ② アサリ:三枚洲、羽田沖(多摩川河口部) (3) 類:隅田川河口、城南島北側、羽田空港北側 検査機関 東京都健康安全研究センター (4) ① 分析項目 ダイオキシン類 水分含有量、脂肪含有量、ダイオキシン類濃度 ② 内分泌かく乱作用が疑われる化学物質 水分含有量、脂肪含有量、PCB、DDT 及びその代謝物、TBT、TPT、アルキルフェノー ル類、ベンゾフェノン、アジピン酸ジ−2−エチルへキシル、ペンタクロロフェノール、 2,4−ジクロロフェノールとした。 2 調査結果及びまとめ (1) ダイオキシン類 ア 魚類全体のダイオキシン類濃度は、隅田川河口が 2.56pg−TEQ/g、城南島北側が 2.55pg −TEQ/g、羽田空港北側が 1.71pg−TEQ/g であった。 イ アサリのダイオキシン類濃度は、0.14pg−TEQ/g であり、魚類より低い値を示した。 ウ 今年度も、比較的脂肪分が高いマアナゴやボラで平均濃度が高くなる傾向がみられた。 エ 東京都福祉保健局が実施した「平成 22 年度 食事由来の化学物質曝露量推計調査(トー タルダイエット調査)」によると、都民の平均的な食事から摂取されるダイオキシン類は、 0.78pg−TEQ/kg・bw/day であった(魚介類からの摂取は 0.63pg−TEQ/kg・bw/day)。 食事由来の化学物質曝露量推計調査では、通常の食生活における調理加工した食品を調 1 査対象としているため単純に比較はできないが、仮に、都民が東京湾産魚類を加熱調理せ ず生で摂取するものとして置き換えて一日のダイオキシン類摂取量を試算した。 その結果、魚介類全体からのダイオキシン類摂取量は 1.03 pg−TEQ/kg・bw/day、食事全 体からのダイオキシン類摂取量は 1.18 pg−TEQ/kg・bw/day となり、 「ダイオキシン類対策 特別措置法」における耐容一日摂取量:4 pg−TEQ/kg・bw/day を下回った。 (2) 内分泌かく乱作用が疑われる化学物質 PCB は全ての検体から検出された。TBT は漁場1と漁場2のボラそれぞれ2検体、計 ア 4検体を除くすべての検体から検出された。 p,p’-DDE、TPT は全ての魚類から検出した。アルキルフェノール類は全ての魚類から イ 検出されなかった。 用語説明 ダイオキシン類 コプラナーPCB (Co-PCB) pg (ピコグラム) ng (ナノグラム) TEQ (毒性等量) PCB TBT TPT ppb (ピーピービー) kg・bw/day(日) ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジ ベンゾフラン(PCDF)及びコプラナーPCB(Co-PC B)の総称 PCDD及びPCDFと類似した生理作用を示す一群のPCB 類 1兆分の1グラム 10億分の1グラム 毒性等価係数(ダイオキシン類の中で最も毒性の強い2,3,7,8四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)の毒性を1 として、他のダイオキシン類の仲間のそれぞれの毒性の強さを 換算した係数)を用いて、ダイオキシン類の毒性を総計した値を 示す単位 ポリ塩化ビフェニールの略 トリブチルスズの略 トリフェニルスズの略 濃度の単位で 10 億万分の 1 を表す(1ppb=0.0000001%) な お 、 ppm ( ピ ー ピ ー エ ム ) も 濃 度 の 単 位 で 、 1 ppm = 1,000ppb 1日当たり体重1kg 当たりの量 2