Comments
Description
Transcript
CPA(2016年度版)
2016 年度版 M ission of CPA 公認会計士の使命・意義・役割 公認会計士は、監査及び会計の専門家として、 独立した立場において、 財務書類その他の財務に関する 情報の信頼性を確保することにより、 会社等の公正な事業活動、 投資者及び債権者の保護等を図り、 もって国民経済の健全な発展に 寄与することを使命とする。 公認会計士法第1条 01 公認会計士は、監査及び 会計の専門家 財務情報の信頼性を保証する会計・監査のスペシャリスト。 それが、公認会計士です。 公認会計士は、その主な業務である 「監査」 の専門家、及び 「会計」 の専門家として、我が国の経済活動の基盤を支える 幅広い役割を果たしています。 独立した立場 公認会計士は、被監査会社のみならず何人からも独立した 立場で、公正性と信頼性を確保しています。 世界の至るところで刻々と変化するグローバル経済のなか、公認会計士に求められ る役割はますます重要度を増しています。 会計・監査及び経営に関する専門的知識と豊富な経験を生かし、企業が作成した 財務諸表の監査を行い、独立した立場から監査意見を表明し、その情報の信頼性を 確保することで、企業の社会的信用を高めるためのサポートを行う。又は税務業務(た だし、税理士登録をすることが必要) や経営コンサルティング等により、健全な経済社 財務書類その他の財務に関する 情報の信頼性を確保する 会社等が作成する貸借対照表、損益計算書等の財務書 会の維持と発展に寄与する。 公認会計士は、これからも多彩な活動を通じて、社会の根幹を支える重要な役割を 担い続けていきます。 類はもちろんのこと、広く財務に関する情報の信頼性(会 社等の経営の内容を正しく表していること) を公認会計士 が監査を通じて付与しています。 会社等の公正な事業活動、投資者 及び債権者の保護等を図り 公認会計士は、監査を通じて、 「会社等」 における不正の 発見等により公正な事業活動を図っています。 「会社等」 公会計の対象となる事業体なども含まれ、その対象は ますます広がっています。 同時に、投資者(企業に出資している株主) と債権者(会 社法の対象となる大会社の利害関係者)の保護、合わせ て資本市場に対する信認の確保が、期待されています。 もって国民経済の健全な発展に寄与 することを使命とする 公認会計士について とは私企業に限られるのではなく、学校法人、公益法人、 Mission of CPA 公認会計士の使命・意義・役割 01 公認会計士制度とは 03 System of CPA History of CPA 公認会計士の成り立ちと変遷 とを主な業務としていることによって、最終的には国民経 CPA Services 済全体の健全な発展に貢献することが位置付けられたも 公認会計士の仕事 のであり、公認会計士の存在が「公共の利益の擁護」 に貢 About JICPA 公認会計士が監査証明という公共性の高い業務を行うこ 日本公認会計士協会について 献するという意味も含んでいます。 05 07 日本公認会計士協会について 公認会計士数とその推移 日本公認会計士協会の活動 About Self-regulation 13 14 日本公認会計士協会の自主規制の取り組み 職業規範の整備 継続的専門研修制度 品質管理レビュー制度 上場会社監査事務所登録制度 監査業務審査・規律調査制度 綱紀審査制度 日本公認会計士協会の組織・業務 本部及び地域会連絡先 15 16 17 18 19 20 21 22 02 S ystem of CPA 公認会計士制度とは 監査の信用性を確保するために、公認会計士は " 強固な独立性 " を保っています。 現代のような高度化した資本主義社会においては、会社の運営 (経営者) と所有(株主) は分離しています。経営者は年 1 回以上、 定期的に株主に経営状況を報告しなければならず、その際に用 いる正確な状況を報告するための資料=財務諸表の信頼性を確 保する 「公正な立場でのチェック機構」 として誕生し、発展を遂げ てきたのが、公認会計士制度です。 独立性を守るために 監査の結果である監査報告書が広く信頼されるためには、監査 を行う監査人は、監査を受ける会社等から独立した立場にいなけ ればなりません。この独立性をいっそう強固にするため、公認会 計士法は次のような制度を設けています。 1 大会社等を対象とした監査業務と一定の非監査 証明業務(記帳代行業務等)の同時提供の禁止 監査人自らが行った業務を対象として監査を行うという自己監 査や、経営判断に関与するおそれのある監査以外の業務から 報酬を得ることにより不公正な監査が行われる危険を排除する ため、非監査証明業務の同時提供を禁止する。 2 大会社等の監査を対象とした長期間継続監査の 禁止 (ローテーション制) 大会社等の監査を行う監査責任者である公認会計士は、7会計 期間(大規模監査法人の筆頭業務執行社員等は、5会計期間) をもってその担当を交代することが義務付けられる。 3 公認会計士の就職制限 公認会計士が監査人を辞任した後に、監査を実施した会社等 の役員等へ就任することを、監査を担当した会計期間の翌会 計期間が終了するまで禁止する。 その他日本公認会計士協会の倫理規則において、公認会計士 は、保証業務を受嘱又は継続するに際し、依頼人から独立した 立場を保持しなければならないと規定されている。 03 厳格な国家試験と継続的な研修制度 厳格な国家試験と継続的な研修制度が、 公認会計士の社会的責任と能力を物語ります。 公認会計士試験は、社会人をはじめ多様な人々が受験しやすい試験となっています。公認会計士になるためには、公認 会計士試験(短答式試験、論文式試験) に合格し、2年以上の業務補助等の期間があり、一般財団法人会計教育研修機 構が実施する実務補習を受けて日本公認会計士協会による修了考査に合格した 後、内閣総理大臣の確認を受け、公認会計士名簿への登録を受けることが必要で す。更に登録後は公認会計士としての使命及び職責を全うし、監査業務等の質的 向上を図るため、日本公認会計士協会が実施する 「継続的専門研修」 (CPE) を 毎年受講して必要な単位数を取得することが必要です。 公認会計士試験制度と継続的専門研修制度 公認会計士 スキル 【継続的専門研修制度】 公認会計士試験合格者 【実務補習】 ●必要単位 CPA ●日本公認会計士協会による修了考査 公認会計士試験 【業務補助等】 ●期間2年以上 ●試験合格前後不問 経験値 短答式試験 4科目 合格者/免除者 論文式試験 5科目 合格者/免除者 修了考査 ※1 修了の確認 公認会計士登録 ※2 短答式試験科目 ※年2回実施(12月中旬及び5月下旬の日曜日) 論文式試験科目 ※年1回実施(8月下旬の3日間(平日1日及び土日)) 科目名 配点 試験時間 問題数 科目の位置付け 科目名 配点 試験時間 問題数 財務会計論 200点 満点 120分 40問以内 簿記、財務諸表論、企業等の外部の利害関係 者の経済的意思決定に役立つ情報を提供する ことを目的とする会計の理論 会計学 300点 満点 300分 「大問」 5問 財務会計論及び管理会計論 100点 満点 「大問」 2問 短答式試験科目に同じ 20問以内 100点 満点 120分 60分 原価計算、企業等の内部の経営者の意思決定 及び業績管理に役立つ情報を提供することを 目的とする会計の理論 監査論 管理会計論 企業法 120分 「大問」 2問 短答式試験科目に同じ 20問以内 金融商品取引法及び会社法に基づく監査制度 及び監査諸基準その他の監査理論 100点 満点 監査論 100点 満点 租税法 100点 満点 120分 「大問」 2問 法人税法、所得税法、租税法総論及び 消費税法、相続税法その他の租税法各論 20問以内 会社法、商法 (海商並びに手形及び小切手に関 する部分を除く) 、金融商品取引法 (企業内容等 の開示に関する部分に限る) 、監査を受けるべき こととされる組合その他の組織に関する法 企業法 100点 満点 60分 60分 ※1 日本公認会計士協会が行う修了考査の受験資格として、全ての実務補習の課程を終えて いることが必要です。 ※2 業務補助等の期間が2年以上であり、かつ、日本公認会計士協会による修了考査に合格し、 内閣総理大臣の確認を受けた者は公認会計士となる資格を有し、公認会計士及び税理士の 登録をすることができます。 科目の位置付け 経営管理及び財務管理の基礎的理論 経営学* ミクロ経済学、 マクロ経済学その他の経済理論 経済学* 100点 満点 120分 「大問」 2問 民 法* 民法典第1編から第3編を主とし、第4編及び 第5編並びに関連する特別法を含む 統計学* 記述統計及び推測統計の理論並びに金融工学 の基礎的理論 *印は、 4科目中1科目選択 04 H istory of CPA 公認会計士の成り立ちと変遷 経済の変化・変遷とともに。 公認会計士制度は"市場の番人"として進化を続けています。 日本における職業会計人制度は、1927年の 「計理士法」 に基づく計理士の誕生から 始まります。終戦後には財閥解体などによる経済民主化が進められ、1948年に証券 取引法が導入されると、同年、計理士法が廃止され、新たに 「公認会計士法」 が制定 されました。翌年1949年には東京、大阪、名古屋をはじめとする8箇所に証券取引 所が開設され、1951年、初の証券取引法に基づく公認会計士監査が開始されました。 公認会計士制度は、証券市場における財務諸表の信頼性確保のために誕生したの です。 以後、証券市場の拡大とともに公認会計士監査の重要度は増し、公認会計士法の改 正が加えられていきました。1966年には、企業の事業活動の大規模化に対応する組 織的な監査を行うため、無限連帯責任を負う監査法人が誕生。1967年には学校法 人監査導入、1974年には商法に基づく公認会計士監査導入など公認会計士への 要請は証券市場だけでなく社会全般に拡大されていきました。2003年の公認会計 士法改正においては、公認会計士の使命条項が第1条に掲げられ、独立性の更なる 強化も図られています。更に、2007年の公認会計士法再改正においては、監査法人 の品質管理・ガバナンス・ディスクロージャーの強化、監査人の独立性と地位の強化、 監査法人等に対する監督・責任の在り方の見直しが行われました。 ※公認会計士法(1948 年制定)には、公認会計士試験制度、登録手続、公認会計士の義務及び責任、監査法人、 公認会計士・監査審査会、日本公認会計士協会、罰則など、我が国の公認会計士制度の根幹に関する事項が定められています。 公認会計士制度は財閥解体、証券の民主化、個人株主の増大化政策の一環として1948 年に創設されて以来、60 年以上の歩みを重ねてきました。この間、様々な段階を経て 今日に至っているわけですが、大きく 「揺籃期」 「成長期」 「転換期」 「伸展期」 「変革期」 に区分することができます。それぞれの区分における主な出来事は、下記のとおりです。 揺籃期 成長期 転換期 伸展期 公認会計士制度の基礎が作られる 日本の高度成長と歩調を合わせ成長 監査基準等の改訂と監査法人制度の創設 連結財務諸表や中間財務諸表が制度化 (1945 年∼) 1945 05 1948 1949 (1955 年∼) 1950 1951 1955 1956 (1965年∼) 1961 1962 1965 1966 1967 (1975年∼) 1973 1974 1975 1977 1987 変革期 信頼の未来へ向けた改革期 (1989 年∼) 1989 1991 1998 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2013 2014 2016 06 C PA Services 公認会計士の仕事 会計監査から経営コンサルティングに至るまで。 会計プロフェッションとしての活動は多岐にわたります。 公認会計士は、監査及び会計の専門家として、依頼人から独立した立場において行 う 「監査証明」 を主たる業務とし、 「会計」 「税務」 「コンサルティング」の業務も行って います。また、その知識の豊富さと社会的役割の重要性から、活躍する分野はます ます拡大しており、中小企業支援、事業再生、事業承継の業務などがその例として あげられます。他に、監査役(又は監査委員)や会計参与などの会社の役員として 業務に携わることもあれば、地方公共団体の監査委員、また、各省庁の審議会委員 等にも就任しています。 IT 化、コンプライアンス、コーポレート・ガバナンス、環境・CSR 情報など企業を取 り巻く環境は常に変化し、新たなニーズが生まれている経済社会において、専門的 知識と確かな分析力・判断力をもつ公認会計士は、そうした変化の動向を的確に 捉えた指導・助言を行う存在として、重要な役割を担っているのです。 07 1 監査 企業から学校法人、公益法人など幅広い対 象について、独立した立場から監査意見を表 明し、財務情報の信頼性を担保します。 2 税務 公認会計士は税理士登録をすることにより、 税務業務を行うことができます。各種税務申 告書の作成や税務相談のほか、幅広い知識 を生かしてM&Aに係る税務や国際税務など 特殊な税務に関する相談や、助言を行います。 3 コンサルティング 経営戦略の立案、組織再編、システムコンサ ルティングなど、経営全般にわたる相談・助 言を行います。 4 組織内会計士 企業やその他の法人又は行政機関において 業務に従事している公認会計士です。 08 1 公認会計士の 仕事 監査 監査証明は 「公認会計士だけ」 に与えられた業務。 上場企業、非営利法人等、様々な監査を行っています。 監査には、組織体内部で実施される監査役の監査や内部監査、組 果たすものです。公認会計士監査は金融商品取引法、会社法をは 織体から独立した外部の監査人によって実施される外部監査があ じめ様々な法令によって企業及び団体に義務付けられ、財務情報 ります。公認会計士による外部監査は、独立した第三者として企 の信頼性確保に役立てられています。 業等の財務情報について監査を行い、財務情報が会計基準等に 平成 26 年 2月の監査基準の改訂により、新たに特別目的の財務 従って作成されていることを利害関係者に対して保証する役割を 諸表に対する監査が導入され、監査の対象が広がりました。 監査 法定監査 (法令等に基づく監査) 法律により義務付けられる監査制度の主要なものとしては以下の2つがあります。 ●金融商品取引法に基づく監査 1.金融商品取引法に基づく監査 金融商品取引所等に上場している会社など 表や損益計算書等) には、公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならないとされています 特定の有価証券発行者等*が提出する有価証券報告書等に含まれる財務計算に関する書類 (貸借対照 ●会社法に基づく監査 (金融商品取引法第193条の2第1項、同第2項) 。 ※特定の有価証券発行者は主として下記 (1) 、 (2) に ●保険相互会社の監査 (1)総額1億円以上の有価証券の募集又は売出し (開示されている有価証券の売出しを除く) の届出をし ●特定目的会社の監査 (2)有価証券報告書の提出義務のある者 ●投資法人の監査 ●投資事業有限責任組合の監査 ●受益証券発行限定責任信託の監査 ●国や地方公共団体から補助金を受けている学校法人の監査 ●寄附行為等の認可申請を行う学校法人の監査 ●信用金庫の監査 ●信用組合の監査 ●労働金庫の監査 該当する者となります。 ようとする者 ①金融商品取引所に上場されている有価証券の発行会社 ②総額1億円以上の募集又は売出し (開示されている有価証券の売出しを除く) の届出をした有価証 券の発行会社 ③当該事業年度又は当該事業年度前4年以内に開始した事業年度のいずれかの末日における所有 者が1,000人以上である株券又は優先出資証券の発行会社 2.会社法に基づく監査 大会社 (最終の貸借対照表の資本金の額が5億円以上、又は最終の貸借対照表の負債総額が200億 円以上の会社をいう) 及び委員会設置会社は、会計監査人を置くことが義務付けられています。 (会社法 第327条、同第328条) また、会計監査人を置く旨を定款に定めれば、全ての株式会社は会計監査人を置くことができます。 会計監査人の資格は、公認会計士又は監査法人でなければいけません。 会計監査人設置会社である時は、 その旨と会計監査人名は登記事項です (会社法第911条) 。 ●独立行政法人の監査 ●地方独立行政法人の監査 ●国立大学法人・大学共同利用機関法人の監査 ●公益社団・財団法人の監査 ●一般社団・財団法人の監査 ●消費生活協同組合の監査 ●放送大学学園の監査 ●農業信用基金協会の監査 ●農林中央金庫の監査 ●政党助成法に基づく政党交付金による支出などの報告書の監査 09 法定監査以外の監査 (法令等に基づかない監査) ●医療法人※、社会福祉法人、宗教法人などの監査 ※一部法定監査が導入されている。 ●法定監査以外の会社等の財務諸表の監査 ●特別目的の財務諸表の監査 国際的な監査 ●海外の取引所等に株式を上場している会社又は上場申請する 会社の監査 ●地方公共団体の外部監査 ●海外で資金調達した会社又は調達しようとする会社の監査 ●労働組合の監査 など ●日本企業の海外支店、海外子会社や合弁会社の監査 公認会計士の監査 営利事業体 監査の種類 1. 金融商品取引法監査 被監査対象事業体等 根拠法令等 ・金融商品取引法 ・金融商品取引所に上場されている有価証券の発行会社など (金融商品取引法監査3,867社、監査実施状況調査(平成26年度) より) ・金融商品取引所へ株式を上場申請しようとする会社 ・各金融商品取引所の有価証券上場規程 2. 会社法に基づく監査 ・資本金5億円以上又は負債総額200億円以上の株式会社など ・会社法 (会社法監査5,539社、監査実施状況調査 (平成26年度) より) 3. 保険相互会社の監査 ・保険相互会社 ・保険業法 4. 信用金庫の監査 ・政令で定める一定規模以上の信用金庫 ・信用金庫法 5. 信用組合の監査 ・政令で定める一定規模以上の信用組合 ・協同組合による金融事業に関する法律 6. 労働金庫の監査 ・政令で定める一定規模以上の労働金庫 ・労働金庫法 7. 特定目的会社の監査 ・特定目的会社 ・資産の流動化に関する法律 8. 投資法人の監査 ・投資法人 ・投資信託及び投資法人に関する法律 9. 投資事業有限責任組合の監査 ・投資事業有限責任組合 ・投資事業有限責任組合契約に関する法律 10.受益証券発行限定責任信託の監査 ・負債総額200億円以上の受益証券発行限定責任信託 ・信託法 非営利事業体 監査の種類 被監査対象事業体等 根拠法令等 1. 国や地方公共団体から補助金を ・国や地方公共団体から一定以上の補助金を受けている学校法人 受けている学校法人の監査 ・私立学校振興助成法 2. 寄附行為等の認可申請を行う 学校法人の監査 ・寄附行為等の認可申請を行う学校法人 ・私立学校法施行規則 3. 独立行政法人の監査 ・政令で定める一定規模以上の独立行政法人 ・独立行政法人通則法 4. 地方独立行政法人の監査 ・政令で定める一定規模以上の地方独立行政法人 ・地方独立行政法人法 5. 国立大学法人等の監査 ・国立大学法人・大学共同利用機関法人 ・国立大学法人法 6. 公益社団・財団法人の監査 ・政令で定める一定規模以上の公益社団法人・公益財団法人 ・公益社団法人及び公益財団法人の認定等 に関する法律 7. 一般社団・財団法人の監査 ・負債総額200億円以上の一般社団法人・一般財団法人 ・一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 8. 消費生活協同組合の監査 ・政令で定める一定規模以上の共済事業を行う 消費生活協同組合又は共済事業を行う連合会 ・消費生活協同組合法 9. 放送大学学園の監査 ・放送大学学園 ・放送大学学園法 10.農業信用基金協会の監査 ・農業信用基金協会 ・農業信用保証保険法 11. 農林中央金庫の監査 ・農林中央金庫 ・農林中央金庫法 12.政党助成法に基づく政党交付金 ・政党 による支出などの報告書の監査 ・政党助成法 13.地方公共団体の外部監査 ・地方公共団体 ・地方自治法 14.労働組合の監査 ・労働組合 ・労働組合法 10 2 公認会計士の 仕事 税務 公認会計士は税理士登録をすることにより、 税務業務を行うことができます。 法人税や事業税をはじめ、所得税、住民税、相続税、贈与税、消費 知識を生かして各種税制への対応や税務処理に関する相談やアド 税などの各種税務書類を作成し、依頼人(企業や個人) に代わって バイスを行います。公認会計士は、税務に関するエキスパートでも 税務申告を行うほか、M&Aに係る税務や国際税務業務など、幅広い あるのです。 税務 税務業務の事例としては、次のようなものがあります。 ●税務代理 (申告、不服申立て、税務官庁との交渉など) ●移転価格税制、 タックスヘイブン税制についての相談・助言 ●各種税務書類の作成 ●海外現地法人、合弁会社設立を含む国際税務支援 ●企業再編に伴う税務処理及び財務調査 ●その他税務相談、助言 ●グループ法人税制、連結納税制度などの相談・助言 公認会計士の 仕事 3 コンサルティング 経営戦略の立案から組織再編、システムコンサルティングなど、 経営全般にわたる相談・助言を行います。 経営戦略の立案、組織再編、システムコンサルティング、企業再生 行います。近年では情報システム関連、コーポレート・ガバナンス、 計画の策定、株式公開に関するトータルサポートなど、企業の重要 財務デューデリジェンス、統合報告、環境・CSR情報、M&A、IFRS な意思決定をサポートし、スキームの提案や構築・ドキュメンテー 導入支援など、公認会計士の活躍するフィールドはますます広がっ ション作成などを通じて、経営全般にわたる相談やアドバイスを てきています。 コンサルティング コンサルティング業務の事例としては、次のようなものがあります。 ●相談業務 (会社の経営戦略、長期経営計画を通じたトップ・ マネジメント・コンサルティング) ●システム監査、 システムリスク監査 (システム及び内部統制の 信頼性・安全性・効率性等の評価・検証) (情報システムの開発・保守、導入、運用、 ●実行支援業務 (情報システム・生産管理システム等の開発と導入)●システムコンサルティング リスク管理等に関するコンサルティング) ●組織再編などに関する相談、助言、財務デューデリジェンス ●不正や誤謬を防止するための管理システム (内部統制組織) の立案、相談、助言 ●企業再生計画の策定、検証 ●資金管理、在庫管理、固定資産管理などの管理会計の立案、相談、助言 ●統合報告の実施支援 ●コンプライアンス成熟度評価 ●環境・CSR情報の相談、助言 ●コーポレート・ガバナンスの支援 ●株価、知的財産等の評価 ●Trustサービス (WebTrust、SysTrustの原則及び基準に 基づく検証・助言) 11 公認会計士の 仕事 4 組織内会計士 公認会計士は、多くの一般企業などでも活躍しています。 我が国の会計・監査制度の国際化、企業における海外事業の拡大 支える公認会計士の活動領域は多岐にわたって拡大してきており、 等に伴い、 企業内の会計実務も急速に高度化・複雑化してきています。 会計・監査の専門的知識や経験を生かし 「組織内会計士」 として、 また、公的部門における複式簿記での会計ニーズも、ますます増 多種多様な企業及び組織の一員として活躍しています。 大しています。経済・社会の基盤として、その成長と国際競争力を 組織内会計士の活躍する主な組織 組織内会計士の主な業務内容 ●一般企業 (証券会社、銀行、商社、製造業、他) ●経理業務 (財務諸表の作成、M&A、国際税務、連結納税など) ●コンサルティング会社 ●財務業務 (財務方針・財務戦略の策定、経営分析結果の経営計画への反映など) ●国及び地方公共団体、非営利団体等 ●IR業務 (経営情報の管理・分析・発信など) ●教育機関 ●プロジェクト業務 (内部統制の構築、IFRSの導入など) このほか組織内会計士は、CFO、社外取締役、社外監査役として企業統治等においてもその実力を発揮しています。 12 A bout JICPA 日本公認会計士協会について 公認会計士数とその推移 公認会計士及び監査法人は、全て日本公認会計士協会に加入しています。 会員 種別 準会員 合計 公認会計士 地域会 外国公認会計士 監査法人 計 一号準会員 二号準会員 三号準会員 四号準会員 五号準会員 計 北 海 道 342 0 6 348 0 3 0 46 - 49 397 東 北 369 0 2 371 0 5 0 52 - 57 428 東 京 17,791 3 134 17,928 36 504 1 3,549 - 4,090 22,018 神奈川県 1,343 0 2 1,345 4 49 0 237 - 290 1,635 東 海 1,923 0 12 1,935 2 49 0 277 - 328 2,263 北 陸 266 0 1 267 0 6 0 34 - 40 307 京 滋 590 0 8 598 5 16 0 130 - 151 749 近 畿 3,296 0 31 3,327 11 43 0 700 - 754 4,081 兵 庫 671 0 2 673 5 23 0 106 - 134 807 中 国 419 0 4 423 0 13 0 52 - 65 488 四 国 216 0 4 220 2 3 0 21 - 26 246 北部九州 672 0 4 676 0 19 0 130 - 149 825 南 九 州 198 0 3 201 0 6 0 18 - 24 225 沖 縄 64 0 1 65 0 0 0 6 - 6 71 - - 合 計 - 3 28,160 - - 28,377 214 - 65 1 739 - 140 140 140 5,358 140 6,303 34,680 (2015年12月現在) (注) 1.一号準会員は、公認会計士及び外国公認会計士となる資格を有する者 2.二号準会員は、会計士補 3.三号準会員は、会計士補となる資格を有する者 (一号準会員に該当する者を除く。 ) 5.五号準会員は、特定社員 (地域会には所属しない。 ) 地域会別公認会計士数 342 北海道 近畿 男女別公認会計士数推移 3,296 男性 公認会計士試験の合格率 28,160 女性 26,110 新試験制度による合格率 (旧第2次試験合格者等を除く) 27,204 受験者数 合格者数 2006 16,311 1,372 8.4 2007 18,220 2,695 14.8 2008 19,736 3,024 15.3 2009 20,443 1,916 9.4 2010 25,147 1,923 7.6 2011 22,773 1,447 6.4 2012 17,609 1,301 7.4 2013 13,016 1,149 8.8 2014 10,712 1,076 10.0 2015 10,050 1,030 10.2 24,733 369 東北 671 兵庫 17,791 中国 419 1,343 四国 216 東京 神奈川県 1,923 21,634 北陸 266 南九州 590 沖縄 198 2,837 3,099 3,353 3,580 3,782 64 2011/12 2012/12 2013/12 2014/12 合格率 (%) 24,378 北部九州 (2015年12月現在) 13 20,097 23,624 672 東海 京滋 22,934 22,757 4.四号準会員は、公認会計士試験に合格した者 2015/12 日本公認会計士協会の活動 公認会計士で組織する唯一の自主規制団体として、 様々な活動を行っています。 日本公認会計士協会の活動 1 2 3 公認会計士の遵守しなければならない職業倫理に関する規範を定め、その保持昂揚を図ること 公認会計士の使命は国民経済の健全な発展に寄与することであり、その使命を果たすためには、職業倫理を基礎とした不断の自己研鑽が欠かせません。 本会では公認会計士が遵守すべき 「倫理規則」 を定め、全会員に対してその周知徹底を図っています。 公認会計士業務に関する講習会又は研究会を開催する等、会員の資質の向上を図る諸施策を実施すること 経済のグローバル化、IT化に伴い、会計・監査の対象が複雑化、国際化していることを踏まえ、会員の専門的な知識と実践的な技能の修得を進めています。 2004年から、公認会計士法で継続的専門研修制度 (CPE制度) が義務化されました。 監査及び会計に関する理論及び実務の研究調査を行うとともに、監査基準及び会計基準の運用普及、監査制度及び企業会計その他の会計制度の確立を図ること (1)各種実務指針や会計・監査上の取扱いなどを検討作成しています。本会では監査基準委員会、監査・保証実務委員会、会計制度委員会をはじめとする各種委員会、 各種プロジェクトチームを立ち上げて、それぞれの分野の理論及び実務の調査研究を行い、実務指針や研究報告として公表し、監査・会計の実務に供しています。 (2)金融庁の企業会計審議会等への参加、また、公的分野に係わる会計・監査の整備等に積極的に取り組んでいます。 (IFAC) や国際会計基準審議会 (IASB) で行われる国際的な基準の設定に参加するなど貢献・協力しています。それら国際的な基準の我 (3)国際会計士連盟 が国における普及と導入促進のために、国内外の調査研究や正確な情報提供にも努めています。 4 公認会計士制度及び公認会計士の業務 (租税に関するものを含む) について調査研究を行い、必要に応じ官公署に建議し、又はその諮問に応ずること 自主規制団体として、公認会計士制度の健全な運用を図り、資本市場の信頼性確保のため、公認会計士の独占業務である公認会計士監査の充実・強化を 図る諸施策について調査研究し、必要に応じ、官公署に意見を提出しています。 5 また、金融庁、企業会計基準委員会等の審議会及び研究会に参画して、日本の会計制度、監査制度、ディスクロージャー制度の発展に協力しています。 会員の監査業務の適正な運用に資する諸施策を講ずること ●自主規制団体としての施策 会員の資質を常に高く保つ自主規制団体として会員に対して様々な指導、教育を行っています。特に公認会計士監査に対する信頼性が揺らぐ会計不祥事 が相次いだことを踏まえ、本会として品質管理レビューや監査業務に対する審査機構の充実強化、倫理規則の整備など指導監督機能をより一層発揮する 6 よう取り組んでいます。 公認会計士の業務に関し、会員の相談に応じ、資料を提供する等会員に対し必要な援助を行うこと 会員の相談に応じるため、各種相談窓口を設置し運営するほか、本会が公表した実務指針等実務に供する資料を協会ウェブサイト、協会機関誌 「会計・監査 ジャーナル」 に掲載し、周知徹底を図るとともに、会務の状況等を会報に掲載しています。 ●会員への相談窓口 ●租税相談室 ●法務相談室 ●図書資料室 ●IFRSデスク 2012年に組織内会計士協議会及び2014年に公会計協議会を設置し、会社等において業務に従事している会員・準会員及び公会計等の業務に携わる会員・ 準会員の資質の維持及び向上を図るとともに、その活動領域の拡充を促進するための支援等を行っています。また、2014年には税務業務を行う会員・準会 員の資質の維持及び向上を図るとともに、関係諸機関との連絡協調を図ることを目的とした税務業務協議会及び中小会社等の支援等業務の充実に資する 7 8 ために必要な施策の検討を行う中小企業施策調査会を設置しています。 会員の業務に関する紛議につき、調停を行うこと 会則第61条に基づいて紛議調停委員会を設けています。 公認会計士試験に合格した者の指導教育に関し必要な施策を講ずること 公認会計士試験に合格した者は、公認会計士法において、 「業務補助等」 と 「実務補習」を受けなければ公認会計士になることができません。 「業務補助等」 には次の2種類があります。 (1) ・業務補助─監査証明業務に関して、公認会計士又は監査法人を補助すること。 ・実務従事─財務に関する調査、分析その他の実務において、政令で定めるものに従事すること。 (2) 「実務補習」 内閣総理大臣によって認定された機関 (実務補習団体等) において、公認会計士としての必要な技能を修習すること。実務補習は一般財団法人会計教育研修 9 機構が実施しています。 公認会計士、会計士補、外国公認会計士及び特定社員の登録に関する事務を行うこと 公認会計士の名称を用いて公認会計士の業務を行うためには、公認会計士名簿への登録を受けることが必要です。 14 A bout Self-regulation 日本公認会計士協会の自主規制の取り組み 職業規範(倫理規範及び実務指針等)の整備 自主規制団体として、公認会計士が遵守すべき 職業倫理や実務指針に関する規範の整備を行っています。 日本公認会計士協会は、公認会計士の使命及び職責に鑑み、その するに当たって遵守すべき実務指針並びに当該実務指針を適用す 品位を保持し、公認会計士法第2条第1項の業務 (以下 「監査業務」 るに当たっての留意点や具体的な適用方法の例示、更にその他実 という。) その他の公認会計士業務の改善進歩を図るため、会員の 務の参考に資する資料等の整備を行っています。 指導、連絡及び監督に関する事務を行い、並びに公認会計士等の 登録に関する事務を行うことを目的としています。 (公認会計士法 第43条第2項、会則第2条) このため、会員が、公認会計士として、その社会的役割を自覚し、 自らを律し、かつ、社会の期待に応え得るよう、その職責を果たす ために遵守する職業倫理に関する規範や、公認会計士業務を実施 職業倫理の規範体系 IESBA 倫理規程 対応関係 解説及び解釈 公認会計士法等 日本公認会計士協会会則 倫理規則 独立性に関する指針 独立性に関する 法改正対応解釈指針 利益相反に関する指針 倫理規則注解 職業倫理に関する解釈指針 自主規制 15 法規制 継続的専門研修制度 公認会計士の能力と質の維持・向上を図るため、 継続的専門研修制度を運営しています。 公認会計士としての資質の維持・向上及び公認会計士の監査環 者に対しては、氏名等の公示、会員権の停止及び金融庁長官への 境等の変化への適応を支援するために、日本公認会計士協会で 行政処分請求等の懲戒、監査業務の辞退勧告等の措置を行うこと は、会員に対して研修制度を義務付けており、この研修のことを があります。また、職業倫理と監査の品質管理の重要性を徹底させ 継続的専門研修(CPE=Continuing Professional Education)と るために、全ての会員に 「職業倫理に関する研修」 を、法定監査業務 言います。 に従事する会員には更に 「監査の品質及び不正リスク対応に関する 協会が開催する集合研修会への参加・自己学習・著書等執筆・ 研修」 をそれぞれ必須化しました。更に、業務の多様化など公認会 研修会等講師を行うことにより、CPEの単位を取得することがで 計士業界を取り巻く環境変化に鑑み、会計・監査業務のみならず き、当該事業年度を含む直前 3 事業年度で合計 120 単位以上の 税務業務に係る知識やスキルも重要であるとの認識から、2014年 CPE単位を履修することとしています。なお、このCPE義務不履行 度より、全ての会員に 「税務に関する研修」 を必須化しています。 継続的専門研修制度 公認会計士に求められる資質と研修すべき分野 高度な人格 職業倫理 専門的知識 専門的技術 ●公認会計士には、職業倫理、専門的知識、専門的技術の修得が必要です。 そしてそれらの根底には高度な人格が求められています。 研修分野: 倫理、会計、監査、税務、コンサルティング、スキル 16 品質管理レビュー制度 監査業務の質的水準を維持・向上させ、社会的信頼を 維持・確保するため、監査の品質管理状況をレビューしています。 品質管理レビューでは、監査事務所の定めた品質管理のシステムが、 2 その品質管理のシステム 適切かつ十分に整備されているか、 1 監査に関する品質管理基準等の品質管理の基準に適合して が有効に運用されているかを確かめています。 品質管理レビュー制度の概要 1 監査 監査事務所(公認会計士・監査法人) 2 品質管理レビュー(品質管理レビュー報告書、 改善勧告書、改善報告書に対する監査事務所 からの改善計画書、フォローアップ・レビュー 報告書) 2 検査(法第 49条の3) 公認会計士法 上の大会社等 (信金等を含む) 2 検査(法第 49条の3) JICPA 日本公認会計士協会 品質管理委員会 検討、評価、勧告 品質管理審査部会 品質管理審議会 定期報告 品質管理特定事案検討部会 レビューチーム 4 業務改善 指示・ 懲戒処分 金融庁 4 業務改善命令 3 処分の勧告 (法第41条の2) 品質管理レビューの流れ 17 (法第 2 検査 1 報告 46条の9の2) (法第46条の12) 公認会計士・監査審査会 公認会計士・監査審査会のモニタリングの流れ 上場会社監査事務所登録制度 上場会社を監査する登録事務所の概要や 品質管理の状況等を、ウェブサイトに開示しています。 社会的影響のある上場会社を監査する監査事務所の品質管理 名簿等抹消リストを備え、広く一般に公開しており、これらの名簿 体制を強化し、資本市場における監査の信頼性を確保するため、 への登録の可否や監査事務所への措置は、品質管理レビュー制 品質管理委員会内に上場会社監査事務所部会を設置し、上場会 度に組み込んだ制度(上場会社監査事務所登録制度) として運用 社監査事務所名簿、準登録事務所名簿及び上場会社監査事務所 しています。 上場会社監査事務所登録制度の概要 監査事務所(公認会計士・監査法人) 6 監査契約の 締結 (当協会ウェブサイト) ・上場会社監査事務所名簿 ・準登録事務所名簿 ・上場会社監査事務所名簿等抹消リスト 3 登録・措置の 結果の通知 5 開示 1 登録申請 上場会社等 4 不服申立 JICPA 日本公認会計士協会 上場会社監査事務所 登録・措置不服審査会 会長 上場会社監査事務所部会 品質管理委員会 準登録事務所 登録審査部会 品質管理特定 事案検討部会 品質管理審査部会 2 登録・ 措置の 結果報告 (検討、評価、勧告) 3 通知の報告 品質管理審議会 (検討、評価、勧告) レビューチーム 18 監査業務審査・規律調査制度 個別の事案に係る指導・監督を行い、 また処分懸念事案に係る調査及び審議を行います。 会社の IR、監査ホットラインへの通報、新聞などで報道された問 規律調査会では、監査業務審査会から回付された監査事案、倫 題等に係る個別の監査事案については、監査業務審査会が監 理に関わる事案及び日本公認会計士協会の会則により付託さ 査実施状況及び監査意見の妥当性について審査を行い、改善 れる事案について、その法令、会則及び規則違反事実の有無及 が必要と認められた会員に対して、会長が勧告又は指示を出し び懲戒処分の要否について調査及び審議し、必要に応じて綱紀 ます。また、更に深度ある調査が必要と認められた場合には、当該 審査会に対する審査要請を行います。なお、監査業務審査会及 監査事案は規律調査会に回付されます。 び規律調査会の活動は、有識者により構成される監査業務モニ ター会議に定期的に報告し、モニタリングされています。 監査業務審査・規律調査制度の充実 監査業務審査・規律調査制度 監査業務審査会 処分懸念事案 会員の監査実施状況及び監査意見の妥当性につ いて調査し、必要と認めたときは会員に勧告又は 指示することを会長に意見具申する。また調査の 結果、より深度ある調査の必要があると認めたと きは、協会会長の承認を得て、規律調査会に案件 を回付する。 規律調査会 規律事案調査班 監査業務審査会で絞り込まれた個別監査事案の 論点について、また、倫理に関わる事案について、 調査を行い、法令等違反事実の有無及び懲戒処分 の要否等を審査し、協会会長に意見具申する。 監査業務 モニター会議 処分提案 監査業務審査会、 規 律 調 査 会、綱 紀審査会及び不 服 審 査 会からの 報告を受けて、協 綱紀審査会 綱紀審査制度 不服審査会 会則に基づく処分 19 会の綱紀事案処 理及び監査業務 の審査が適切に 行われているかど うかを検討、評価 し、その結果を各 機関に提言する。 綱紀審査制度 個別の事案に係る懲戒処分について 審査を行います。 綱紀審査会では、規律調査会の処分提案に基づいて審査要請を 綱紀審査会の審査結果について関係会員から不服申立がなされ 受けた事案について、衡平な審査を行い、その処分内容等を決定し、 なかった場合、又は不服審査会において不服申立が棄却された これを関係会員に申し渡します。関係会員は、綱紀審査会の審査 場合には、日本公認会計士協会会長は、会則に基づく懲戒処分を 結果に不服がある場合には、不服審査会に不服申立をすることが 行います。 なお、これら綱紀審査会及び不服審査会の活動は、有 できます。その場合に不服審査会は、当該申立について審査を行 識者により構成される監査業務モニター会議に定期的に報告し、 い、綱紀審査会への事案の差戻又は不服申立を棄却します。 モニタリングされています。 綱紀審査制度の充実 監査業務審査・規律調査制度 監査業務審査会 処分懸念事案 規律調査会 規律事案調査班 監査業務 モニター会議 処分提案 綱紀審査会 綱紀審査制度 審査結果の 申渡し 不服申立 期間の30日 経過後確定 不服申立が なされた場合 規律調査会の処分提案書に記載された法令等違 反事実を審査し、その処分内容等を決定し、これを 関係会員に申し渡すとともに協会会長に報告する。 差戻の時 不服審査会 棄却の時 会則に基づく処分 綱紀審査会から懲戒の 処分内容を申し渡され た関係会員からの不服 申 立 に つ い て 審 査し、 不服審査に関する意見 を協会会長に具申する。 監査業務審査会、 規 律 調 査 会、綱 紀審査会及び不 服 審 査 会からの 報告を受けて、協 会の綱紀事案処 理及び監査業務 の審査が適切に 行われているかど うかを検討、評価 し、その結果を各 機関に提言する。 20 日本公認会計士協会の組織・業務 日本公認会計士協会は、公認会計士の品位保持、 業務の発展向上のための指導・連絡・監督を行います。 日本公認会計士協会は、日本における唯一の公認会計士の団体 地域に密着した活動を行っています。会員たる公認会計士及び監 です。1949 年に任意団体として発足し、1966 年に公認会計士 査法人の品位を保持し、監査証明業務の改善進歩を図るため、会 法で定める特殊法人となりました。日本公認会計士協会は、会計 員の指導、連絡及び監督、並びに公認会計士の登録に関する事 プロフェッションの自主規制団体として透明性と中立性を持った 務を行っています。これらの目的を達成するため、各種事業を展開 組織運営を行っており、また全国に支部として地域会 (16地域会) を し、公認会計士の地位向上と公正な経済社会の確立と発展に貢 置き、それぞれの地域会所属会員の資質向上に努めるとともに、 献しています。 ※外部有識者を含む。 21 (2016年4月現在) 本部及び地域会連絡先 支部として地域会を置くことが会則に定められており、 本部のほか北海道から沖縄まで16 地域会が活動しています。 本部及び地域会連絡先 地域会連絡先 日本公認会計士協会 北海道会 〒060-0001 札幌市中央区北1条西4丁目2-2 札幌ノースプラザ8F TEL:011-221-6622 URL:http://hokkaido.jicpa.or.jp/ 〒102-8264 東京都千代田区九段南4-4-1 公認会計士会館 東北会 〒980-0014 仙台市青葉区本町2-18-21 タケダ仙台ビル3F TEL: 03-3515-1120 URL: http://www.jicpa.or.jp TEL:022-222-8109 URL:http://tohoku.jicpa.or.jp/ 東京会 〒102-8264 東京都千代田区九段南4-4-1 公認会計士会館 (事務所所在地:〒102-0074 千代田区九段南4-4-9 ニッキン第2ビル) TEL:03-3515-1180 URL:http://tokyo.jicpa.or.jp/ 神奈川県会 〒231-0011 横浜市中区太田町2-23 横浜メディア・ビジネスセンター 6F TEL:045-681-7151 URL:http://www.jicpa-kanagawa.jp/ 埼玉会 〒330-8669 さいたま市大宮区桜木町1-7-5 ソニックシティビル8F TEL:048-644-9050 URL:http://www.jicpa-saitama.jp/ 千葉会 〒260-0013 千葉市中央区中央1-11-1 千葉中央ツインビル1号館9F TEL:043-305-4203 URL:http://jicpa-chiba.jp/ 東海会 〒450-0002 名古屋市中村区名駅4-4-10 名古屋クロスコートタワー 11F TEL:052-533-1112 URL:http://www.jicpa-tokai.jp/ 北陸会 〒920-0863 金沢市玉川町11-18 新石川ビル8F TEL:076-265-6625 URL:http://www.jicpa-hokuriku.jp/ 京滋会 〒604-8152 京都市中京区烏丸通錦小路上る 手洗水町659 烏丸中央ビル4F TEL:075-211-5061 URL:http://www.jicpa-keiji.jp/ 近畿会 〒541-0056 大阪市中央区久太郎町2-4-11 クラボウアネックスビル2F TEL:06-6271-0400 URL:https://www.jicpa-knk.ne.jp/ 兵庫会 〒651-0088 神戸市中央区小野柄通7-1-1 日本生命三宮駅前ビル8F TEL:078-252-3281 URL:http://www.jicpa-hyogo.jp/ 外堀 通り JR 九段北ビル 九段センタービル 交番 谷駅 市ヶ A1 出口 A2 出口 市ヶ谷 法曹ビル アルカディア 市ヶ谷 中国会 〒730-0037 広島市中区中町7-23 住友生命広島平和大通り第2ビル5F TEL:082-248-2061 URL:http://www.region.jicpa.or.jp/chugoku/ 一口坂 交差点 靖国通り 麹町郵便局 A3 出口 山脇ビル 日本大学会館 麹町 秀永ビル 日本公認 会計士協会 ニッキン 第2ビル 四国会 〒760-0050 高松市亀井町7-15 セントラル第1ビル9F TEL:087-863-6653 URL:http://www.region.jicpa.or.jp/shikoku/ 北部九州会 〒810-0001 福岡市中央区天神4-2-20 天神幸ビル3F TEL:092-715-4317 URL:http://n-kyusyu.jicpa.or.jp/ 都営地下鉄 市ヶ谷駅 A3 出口から徒歩 5 分 東京メトロ 市ヶ谷駅 A1、A2出口から徒歩8 分 JR 市ヶ谷駅出口から徒歩8 分 (都営地下鉄…新宿線 東京メトロ…有楽町線・南北線 JR…総武線) 南九州会 〒860-0806 熊本市中央区花畑町4-7 朝日新聞第一生命ビルディング3F TEL:096-352-3737 URL:http://s-kyusyu.jicpa.or.jp/ 沖縄会 〒900-0033 那覇市久米2-2-10 那覇商工会議所ビル308号室 TEL:098-951-1820 URL:http://www.jicpa-okinawa.jp/ 22 C 本編の内容を無断で転載することを禁じます。 ○