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年寄りの冷や水 宇川義一 現在コロンビアのカルタヘナにいます。 国際臨床神経生理学会の役員会の出席と講演のため、ここに来て、やっと終了したところで す。今回は、3 月に 3 回海外出張が続くのですが、その二つ目に来ていて、やはり無理があ ったと感じているので、事の顛末を紹介します。 様々な周りの事情で、この予定になったのですが、ちょっと自分の体力を過信していたよう です。 先ず、3 月始めにシンガポールで学会がありました。私以外に何人か医局の方も参加し、 brain stimulation と言う雑誌の関係の学会で、内容としては楽しいもので、編集者の会議 もあり、なかなかホテルからでることがなく、私は学会にいました。しかし、宿泊施設も学 会場も寒すぎるクーラー以外は問題なく、安心して過ごせました。途中の昼食だけ一回外の ホテルで食事をしました。写真のように、医局の方々は楽しんでいたようです。 雪の福島から飛んで行ったので、楽しい気分もありました。この頃福島は例年にない位の雪 が降っておりましたから。 ここまでは、OK です。ここからが悲劇のはじまりです。 一度日本に戻り、ほっとしたのもつかの間に、3 月 11 日からコロンビアに出発です。かな りのきつい日程のため、風邪を引いたようで鼻水が止まりません。自宅を出るときに微熱が あり、健康状態の問題を感じて、抗生剤、風邪薬を榎本先生に処方して取ってきてもらい、 出発する福島駅で受け取りました。以前、羽田でパスポートを榎本先生から受け取った事を 思い出させる感じで、ちょっと心配しました。 案の定、心配が的中です。ニューヨークで JFK 空港の近くホテルで一泊したのですが、そ の時にメールを開けてびっくりです。大学の私のコンピュータがウィルスにかかり、問題に なっているようです。従って、メールのソフトをいつもと違うものを使う事、現在持ち歩い ているコンピュータのウィルスチェックを行う事、などなど私の得意としない事がたくさ ん言われました。しかも、その指示を電話で受けると言う事態になり、電話代金だけでもか なりかかった思います。受けてもらった、榎本先生にも結構の負担になったでしょう。この 作業で慌てていたため、その時使っていたマウスを置き忘れると言う失態までしてしまい ました。まだ、コンピュータ問題は解決しておらず、日本に帰って解決策を相談する事にな っていますが、これが現在一番の頭痛のたねです。 いよいよアメリカからコロンビアに入国です。危険な土地で、もし何か危険な事があったら 抵抗せずにお金を出す、周りの人は警察でも守ってくれない、などと地球の歩き方に書いて ありとても心配していましたが、学会が用意してくれたタクシーがすぐ見つかり、ホテルに 直通で安心しました。後は、ホテルにこもり、学会参加と会議ですので、何とかなると思って いました。その通りで、役員会が大変で、半年間の行動計画を決めるため、本気で昼 12 時 から午後 7 時くらいまでかかる会議をなんと二日もやるのです。その間に、国と国の問題、 同じ国で二つのグループある時の政治的問題、次の 4 年間の雑誌のチーフエディターの決 定など大きな問題を本気で話し合うので、とても疲れるものでした。そして、自分の講演も 45 分ありましたので、ホテルにいるだけで充分でした。これですめば、良いのですが、ま たもや問題発生。 3 時間だけ時間があいたので、タクシーで観光スポットを案内してもらう事になりました。 ポパの丘という修道院になっている場所で、丘の上にあり景色の良いところに行きました。 写真が丘の上の十字架から見た町の風景です。 ここまでは、問題ありません。 次に、スペインが支配していたときに、カリブの海賊備えて作った防御の要塞に行きました。 これはとても頑丈にできていて、幅がとても暑く、そう簡単には攻撃できない代物でした。 要塞の中に、人が暮らせる位のスペースが迷路の様に作ってあり、その部屋にそれぞれ窓が ついていましたが、ただ開けてあるだけの穴で、雨もはいれば風も入るものですが、空気を いれるには仕方ないのと、暑い環境ですから涼しく感じました。 この後、古い市内に入り、歩くことになりました。3 時間という時間の中での行動で、人の 良い運転手さんも良くやってくれました。市内に入り、駐車スペースを探している時に次の 事件が発生しました。ちょうどあいたスペースがあり、駐車しようとしたその時です。警察 官がやってきて、運転手とスペイン語で話しています。免許証を出して、言い合いが始まり ました。警察は譲る態度はなく、運転手は会社に電話しているようでした。暑い中、15 分 くらい車にいて待っていましたが、解決しないようでした。どちらにしても、我々は散歩す ることになりました。 その時に、 運転手さんが 30 分散歩してきてほしいと言うことでした。 ちょっと長いけど、OK して散歩しました。その時は市内を歩き写真のような古いヨーロッ パを思わせる町並みがありました。 30 分して、車に帰って見ると、警察と運転手は握手をして、ではまたと言う感じでした。想 像するに、何らかのやり取りがあり、どちらもハッピーとなったのでしょう。 別件ですが、 学会全体のお金を管理しているステファニーさんという 70 歳過ぎのレディが、 なんと財布を椅子の上に置いてなくしてしまったと言う事件もありました。ヒルトンホテ ルの中の事で、カード会社に連絡したら落とし物として届けてあったようで、何事もありま せんでした。しかし、旅は緊張もあり、大変な事です。 現在、 空港にたつ 2 時間前ですが、これ以上何事もなく、日本に戻れる事を希望しています。 これが私の最後の連絡とならないことを願って筆を置きます。