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歯科にみる先進医療の現状と課題

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歯科にみる先進医療の現状と課題
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歯科にみる先進医療の現状と課題
厚生労働省先進医療会議技術委員
赤川安正
* あかがわやすまさ
昭和24年生広島県
奥羽大学長,広 島大学名誉教授, 歯学博士
口経歴
昭和50年広 島大学歯学部卒業
昭和54年 広島大学大学院歯学研究科歯学臨床系(歯科補綴学第一)
単位修得退学
昭和55年歯学博士(広島大学)
平成 5 年広島大学歯学部教授(歯科補綴学第一講座)(平成 13年 まで)
平成 13年広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授(先端歯科補綴学
教室)(平成24年まで)
平成 17年社団法人 日本補綴歯科学会理事長(平成 19年まで)
平成 17年厚生労働省先進医療専 門家会議構成員(平成24年まで)
平成24年広島大学大学院医歯薬保健学研究院教授 (平成25年まで)
平成24年先進医療会競技術委員
平成25年広島大学名替教授
平成25年晴川 学舎奥羽大学学長(現在 に至る)
口著書,業績等
[主な研究テーマ]
口腔インプラン トの材料・ GBR 材料と高齢者の健康長寿に与える補
綴治療の価値についての研究に従事した。
【受賞歴]
平成21年度社団法人日本補緩歯科学会学会論文武(平成22年)
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sandImplan ts 受賞(平成25年)
-16-
平成25年度社会保険指導者研修会
平成 25年9月 27 日 (金)
日本教育会館
新しい医療技術が開発される.. .
新しい医療技術をどうやって
歯科医師が使える?
歯科にみる先進医療の
現状と課題
新しい医療技術をどうやって
国民が受けることができる?
厚生労働省先進医療会議
銭術委員
奥羽大学長赤川安正
任圭きD
先進医療制度の導入 ( 平成1 7年 )
現行制度では、患者の切実な要望に的確に対応しきれていない。
・圏内未承認薬
圏内承認に時間がかかり (欧米では承認されているのに) 、
全額自己負担である。
先進医療
まずは保険外併用
療養
・医療技術
高度先進医療に認められるまで時間がかかる。
高度先進医療以外の技術について、保険導入のための
手続きがよくわからない。
・ヱピデンスの高い
裏づけ
・患者への貢献度
・制限回数を超える医療行為
もう 1 回検査等をしてほしいが、全額自己負担でないと制限
・ 安全性
. 医療費の削減
回数以上は受けられない。
・他学会と共同提出
医療技術
先進医療とは ...
・必ずしも高度でない先進技術について 、保険導入の前段階
として、保険制度との併用を認めるとともに、高度先進医療
も含め、保険導入手続きを透明化・迅速化する。
高度な医療技術を用いた療養その他の療養で、あって、
保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、
適正な医療の効率的な提供を図る観点から、評価を行う
ことが必要な療養 「評価療養」のひとつ
・各技術の有効性 ・安全性、効率性などを確認の上、併用を
認める。
・医療技術ごとに、医療機関に求められる一定の水準の要件を
認定し、該当する医療機関は届出 により実施可能な仕組みを
新たに設ける。
先進医療専門家会議が発足 (平成 17年)
具体的には . ..
有効性及び安全性を確保する観点から、医療技術ごとに
一定の施設基準を設定し 、施設基準に該当する保険医療
機関 は届出により 、保険診療との併用 ができることとした
もの
(厚労省HPより )
-17-
先進医療
当該技術を実施可能とする医療機関
の要件
・第2項先進医療(現在は先進医療A)
薬事承認が絶対条件
・保険医療機関である
・第3項先進医療(現在は先進医療8)
薬事承認不要
・当該療養を実施する診療科には
常勤の医師又は歯科医師がいる
高度医療
・施設基準
先進医療の各技術( 95種類、うち歯科)(平成24年2 月)
施設基準
4
. インプラント義歯
5.
(
1
) 主として実施する医師に係る
基準
顎顔面補綴
7
. 光学印象採得による陶材歯冠修復法
5
2
. x線CT画像診断に基づく手術用顕微鏡を用いた
歯根端切除手術
56. 歯周外科治療におけるバイオリジェネレーション
システム
(2 )保険医療機関に係る基準
77. 歯科用 CAD-CAMシステムを用いるハイブリッドレジン
による歯冠補綴
90. 有床義歯補綴治療における総合的岐合・岨鴫機能検査
先進医療とは...
先進医療専門家会議(現先進医療会議)
で評価をして保険給付の対象とすること
が適当と判断されれば保険収載
高度な医療技術を用いた療養その他の
療養で、あって、保険給付の対象とすべき
ものであるか否かについて、適正な医療
の効率的な提供を図る観点から、評価
なお、あくまで保険給付の対象とするか
否かを判断するものであり、医療技術
そのものを否定するものではない
を行うことが必要な療養「評価療養」の
ひとつ
-
18 ー
先進医療の各技術( 95種類、うち歯科)(平成24年2 月)
何をもとに評価する・..
4.
インプラント義歯
5.
顎顔面補綴
・実施件数
7
.
幌)
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光学印象採得による陶材歯冠修復法
②
5
2
. x線CT画像診断に基空く手術用顕微鏡を用いた
歯根端切除手術
側!)
56. 歯周外科治療におけるバイオリジェネレーション
・医療機関別実施件数
システム
・効果の判定結果
⑮
77. 歯科用 CAD-CAMシステムを用いるハイブリッド
これらを総合的に評価する
先進医療:インプラント義歯
レジンによる歯冠補綴
倒I)
90. 有床義歯補綴治療における総合的岐合・岨鴫機能
検査船
先進医療の各技術(うち歯科)(平成25 年)
ex線CT画像診断に基づく手術用顕微鏡を用いた歯栂端切除手術
恩
.歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法
「広範囲顎骨支持型装置および
広範囲顎骨支持型補綴J として保険
に導入(平成24年度診療報酬改定)
.歯科用 CAD-CAMシステムを用いるハイブリッドレジンによる
歯冠補綴
.有床義歯補綴治療における総合的岐合・岨鴫機能検査
.金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度の
コンポジットレジンを用いた三ユニットブリッジ治療
(医歯大、須田教授より提供)
術
技
療
医
の
々
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る
あ要
在概
現の
X線CT診断に基づく
手術用顕微鏡を用いた
歯根端切除手術
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.
.
.
-19 一
戻る
{医曾大、須図敏綬より鑓供}
X線CT画像診断に基づく手術用顕微鏡を用いた歯綴織切除手術
歯科用CTと歯科用実体顕微鏡を併用する新術式
備前償董 ーーーーー噌砂 切削
・ 対象
雛治性線尖性歯周炎 {通常の根管治相院では効果が包められないものに限る. )
・ 絡E童基準
デンタルX脇 田修 術檀鍵過
写真姐彫
( 1 )主として実施する医師に係る基筆
〔 1 〕専ら歯科に従事し、当餓t幸療科について五年以上の経験
〔2〕歯科保存治療専門医
〔3〕当骸療養について三年以よの経蛾
(4〕当餓療養を主として実施する歯科医師又は補助を行う歯科医師として
六伊l以上、そのうち当絞療養を主として実絡する歯科医師として
五例以上
(2)保険医療機関に係る基準
〔 1 )歯科を4軍機
〔2 )常勤の歯科医師がニ名以よ配置、一名以よは歯科保存治療専門医
〔3〕宥趨師又lま歯科衛生士が配置
〔4)医鍛後器保守管理体制が登備
〔5〕医療安全管理委員会が股置
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叩.回
句H四日・四回
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〔6〕当鮫療養について十例以上実絡
〔7〕届出月から起算して六月が経過するまでの間又は届出後当骸策委を
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一一
二十例実施するまでの聞は、一月にー図、実路状況について報告
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(医歯犬、和泉教綬より鑓供)
歯周外科治療にお けるバイオ・リジェネレーション法の概略
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(医歯大、和泉教綬より鍵供)
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歯周外科治療における
バイオ・リジェネレーション法
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傷後
歯周外科治療におけるバイオ ・ リジェネレーション法
・ 対象
歯周炎による.度垂直性骨欠自由
. 施股& !J
( 1)主として!iU草する医師に係る基準
〔 1 〕専ら歯科又は歯科口腔外特に従恵し、当E主E書療科について五年以上
の経餓
(2)歯周病専門医又は口腔外科専門医
歯科用 CAD-CAMシステムを
〔3)当歓復裳について三年以上の経駿
〔4)当銭療養について、当骸療養を主として実絶する歯科医師又は繍助を行う
用いたハイブ、 リッドレジンによる
鍋科医師として六例以上、そのうち当銭鍛豊島を主として実施する歯科医師
として五例以上
(2)保険医彼自盟関に係る& lJ
歯冠補綴
〔 1 )歯科又は歯科 口腔外科を機械
〔2〕看組師又は歯科衛生士が配置
〔3〕医鍍線総保守管理体制が霊備
(4〕医療安全管理曇員会が級置
〔5)当銭療養について+例以上の症例を実施
〔6)届出月から起算して六月が経過するまでの問又は届出後当骸療養を
二十例実錯するまでの聞は、一月に一回、当骸彼養の実施状況について
報告
-
20 ー
歯科用CAD-CAMシステムを用いたハイブリッドレジンによる歯冠捕綴
・対象
小臼歯の重度のう蝕に対して全部被覆冠による歯冠補綴が必要なもの
・ 施股基準
(1) 主として実施する医師に係る基準
1: 専ら歯科に従事し、当絞診療科について五年以上の経験
2 :繍綴歯科専門医又は歯科保存治療専門医
3 当骸療養について一年以上の経験
4 : 当骸療養を主として実施する自歯科医師として五例以上の症例を実施
(2)保険医療機関に係る基準
1 : 禽科を標携
2 : 歯科衛生士及び歯科技工士が配置
3 : 医療機器保守管理体制が塗備
4 : 医療安全管理委員会が設置
5 : 当骸技術に必要な機器が鮫置
6 : 当 E実績養について玉例以上の症例を実b1§
( 日歯犬、志賀教綬より提供)
有床義歯補綴治療における
総合的校合・岨鴎機能検査
有床義歯補綴治療における総合的岐合・岨E寓機能検査
・ 対象
岨嘱機能の回復のために有床義歯補綴が必要な歯の欠損
・ 施設基準
( 1) 主として実施する医師に係る基準
1 : 専ら歯科に従事し、当該診療科について五年以上の経験
2・ 補綴歯科専門医であること
3 : 当該療養について一年以上の経験
4 : 当該療養について、主として実施する歯科医師又は補助を行う
歯科医師として七例以上、そのうち当該療養を主として実施する
歯科医師として五例以上
(2)保険医療機関に係る基準
1 : 歯科を棟続
2 : 当該療養について五例以上の症例の実施
- 21 -
金属代替材料として
グラスファイバーで補強された
高強度のコンポジットレジンを
用いた三ユニットフ、 リッジ治療
先温医費量の名称:金属代.材料としての
(臼歯大、新谷教授よりII供)
グラスファイパー補強高強度コンポジットレジンブリッジの治徳鎮術
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金属代省材料としてグラスファイパーで繍強された高強度のコンポジツトレジン
を用いた三ユ二ツトブリッジ治療
・ 対象
臼歯部中間欠繍(臼歯都のうちー歯が欠損し、その欠鍋した臼歯に隣擁する臼歯を支台歯と
するものに限る.)
・ 施段益率
(1)主として実施する医師に係る基翠
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n
( 1 〕専ら歯科に従事し、当餓t幸療科について五年以上の経験
(2)繍鋸歯科専門医
(3〕当骸療養について一年以よの経険
〔4) 当骸療養について、 当該療養を主として実施する歯科医師又は補助を行う
·~
歯科医師として六例以上、そのうち当E童相E養を玄として実自草する歯科医師
として五例以上
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0 ・aアレルギーを有する・・に”しても適用可‘
。作•:tllの係”による’~·Ill腐の短・により.治aの期間の姐舗が毎度
0 ・・の唆み合わ1tの~・に応じた週ヨIll,場Q;t><可健
{金属のm・舎は再Ill容と:Cることが’JL')
口調”が毎悔の,a・がな〈.安定した侠舗が可筒
【.,司"'"金属では,,....織による変動あり}
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(2)保険医療機関に係る基準
(1 〕歯科を練携
(2)常動の歯科医師が配置
(3〕歯科衛生士及び歯科銭エ土が配置
(4〕医療後器保守管理体制が建備
(5〕医療安全管理委員会が位置
(6〕当餓療養について五例以上の定例を実施
(7〕届出月から起算して六月が経過するまでの間又は届出後当餓療養を十例
実錯するまでの聞は、 一月に一回、当骸療養の実総状況について報告
コ〈ととd翌九~守
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先進医療制度の見直し
見直しのポイント
( 中医協、平成24 年7月 )
中医協 (平成23年5 月 1 8 日 ) において
・分類
① 先進医療専門家会議と高度医療評価会議の一本化
・資料提出の窓口
② 医療上必要性の高い抗がん剤に関する取扱いの
柔軟化
・事前相談
③ 先進医療実施前に必要な数例の実績の効率化
・先進医療会議の役割
・先進医療技術審査部会の役割
について、引き続き通知等の具体的な見直し作業を
進めていく
・定期報告・総括報告
先進医療の申請
新しい先進医療を開発して、
・新しい先進医療を開発して、
新規に申請する
新規に申請する
・既にある先進医療をやるべく
申請する
-
22 ー
戻る
先進医療を開発
品
先進医療を申請
』l
先進医療会議で承認
先進医療を実施
既にある先進医療を
申請する場合
且
先進医療会議で保険導入を議論
(評価)する
|施設基準にある症例数を積む|
!
|先進医療を申請|
最初の医療|
機関で実施|
l
息
|先進医療を実施|
l
先進医療会議で保険導入を議論
(評価)する
課題は何か・・・
先進医療の各技術(うち歯科)(平成25年9月)
ex線CT画像診断に基づく手術用顕微鏡を用いた歯根端切除手術
.歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法
.歯科用 CAD-CAMシステムを用いるハイブリッドレジンによる
歯冠補綴
.有床義歯補綴治療における総合的岐合・岨鴫機能検査
.金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度の
コンポジットレジンを用いた三ユニットブリッジ治療
・新しい医療技術が出ない
・既存の医療技術が他の
多くの機関で行われない
新しい医療技術が出ない
新しい医療技術が出ない・
・必ずしも高度でなくてよい
・先進医療に対する大学の臨床講座、
大学病院の理解、意欲が乏しい?
・すでに普及している技術が提案
・臨床のニーズを大学の臨床講座、
大学病院が十分に汲めている?
される
・有効性、安全性、効率性の評価
が難しい技術が提案される
・学会における働きかけも少ない?
臨床のニーズを新しい
医療技術とする研究を推進する
学・産・官一体で
研究成果を臨床現場に
研究成果を国民に還元する
大学、病院、歯科医師会、
歯科産業界、厚生労働省など
みんなで力を合わせて
この意識改革が必要
一
そのためには・・・
・歯科界の意識改革
新しい医療技術をさらに開発する
・新しい医療技術の開発
既存の先進医療を多くの医療機関で
実施し評価を受けて保険収載ヘ
・既存の医療技術の実施件数を
増やすため学会での徹底した周知
・常に実施件数をモニタリング
・進歩・普及に見合う施設基準の見直し
」
品仏
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く互し噸⑪
ぜ
も・絡の一連の過を
3 療の一部分を評価 も- ~
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戻る
保険収載
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