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デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 第3回
情報通信審議会 資料6 情報通信政策部会 デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 1 日時:平成18年10月24日(金)16:00~17:30 2 場所:三田共用会議所 3 出席者(敬称略) 第3回 議事概要 CDE会議室 (1)委員(専門委員含む) 村井 純(主査)、大山 永昭(主査代理)、浅野 庸敏、稲葉 悠、岩浪 剛太、植井 順一、佐藤 信彦、椎名 和夫、関 朋之、石井 哲也、華頂 尚隆、河村真紀子、岸上 理行、大渕 睦八、池田 祥行、高橋 理雄、土井美和子、中島不二雄、長田 伸子、高田 三紀、生野 真治、田胡 秀年、福田 俊男、堀 亮平、石橋 修一、所 眞 義貴 (以上26名) (2)オブザーバー 川瀬 真(文化庁)、川上 麻子(ソニー株式会社)、中村 秀治(株式会社三菱総合研究 所)、中村 吉二(社団法人日本音楽事業者協会)、元橋 圭哉(日本放送協会)、安江 憲 介(株式会社三菱総合研究所) (3)事務局 小笠原情報通信政策局情報通信政策課コンテンツ流通促進室長 (4)総務省 勝野審議官、南放送政策課長、大西地域放送課長 4 議題 (1)コンテンツの利用に係る諸外国の動向等(1) ○ 安江オブザーバーより、資料1に基づき、デジタル放送におけるコピー制御に関する 海外の動向として、米国、フランス、韓国の動向につき説明。 ○ 小笠原コンテンツ流通促進室長より、資料1の内容につき補足説明。 ○ 第3次中間答申には、諸外国ではコンテンツ保護自体を実施していない、EPNを基 本とした仕組みを導入しようとしている、という表現があるが、何らかの制限を行って いる国はあるのか。韓国では放送事業者から機器メーカー及び政府と何らかの対策を要 請しているという表現があったが、どのようなものか。 ○ 主要国でコピー制御を実施している所はないと認識。韓国では、KBSを含めた地上 波放送事業者4社が、政府に対し、地上デジタル放送にコピー制御を入れる必要がある と主張しており、機器メーカーに対しては、携帯端末向け地上デジタル放送のコピー機 能等について制限できないか申し入れを行っている。 -1- ○ 米国と日本では、フェア・ユースが認められている、著作隣接権がなく著作権だけが ある等、著作権にかかわる法体系が全く違う。機器メーカーは、その差異を無視しEP Nを導入しても、問題はないと考えているのか。 ○ (日米間の著作権法に)違いがあることは理解しているが、地上デジタル放送の普及 に向けて我々がどうするべきかという観点に立ったときには、大きな差はないと認識。 アメリカは、インターネット送信だけは食いとめてほしいという議論であり、我々は、 有料放送に適用されるコピー制御を公共的放送に適用するのはきつ過ぎるのではないか という議論をしている。 ○ 2001年頃、アメリカでもスクランブルを伴った保護手段が必要ではないかという 意見が、ハリウッドや放送事業者等から出たが、98年に既にデジタル放送が始まって おり、レガシー受信機の問題があったため、やむを得ず技術的保護手段をとり得なかっ たことを共通の認識としておく必要がある。MPAAや放送事業者は、EPNと同等と 理解されるブロードキャストフラグに納得したわけではない。 ○ (フランスの動向について)フランス法第122の5条と日本の第30条は、両条が 厳密に対応するという意味ではなく、私的使用の条文として挙げている。 (改正仏著作権 法の適用で)コピーネバーのDVDが著作権法違反かどうかだが、効果的な技術的手段 で保護され、コンテンツの使用についてどうか、それが消費者との間でどのような契約 になっているかに基づいて問題がなければ、著作権法違反にはならないと理解。 ○ 今回のフランスの著作権法改正は、基本的にEUディレクティブに基づき国内法を改 正する作業。ただし、EUディレクティブの中では国内法について全項目についての指 示はなく、原則はあるが、各国において個別の判断が許される余地がある。 ○ アメリカでは、地上波はそれほど強い地位を持っていない。例えばESPNのような スポーツ専門チャンネル等、ケーブルテレビやDBS、衛星放送に有料で加入しなけれ ばいけないところがフルカバレッジをしている。日本に入ってくるドラマコンテンツは、 地上波ネットワークで放送されることもあるが、HBOのような有料チャンネルで放送 されることが多い。視聴動向が地上波中心の日本とは、大きく違っている。 ○ NHKのパブリックコメントには、コンテンツの最初のアウトプットである地上デジ タル放送において、実効的なコンテンツ保護が施されなければ悪影響を及ぼすと書いて あるが、アメリカの消費者団体は高品質コンテンツがテレビ放送から消滅していないと 書いているので、アメリカにおける例を調査していただきたい。 ○ 例えばアメリカで、テレビ番組編成上どんなものが流れていて、ハリウッドがどんな ものを提供していて、それが日本でどのように評価されているのか。また、最初のウィ ンドウはHBOみたいな有料放送なのか、あるいはCBSといったいわゆる無料広告放 -2- 送なのか、調べられる範囲で調査する。情報としてお出しするときには、どこのネット ワークのどこの地域の放送かということを、特定した上で用意したい。 ○ 日本のテレビ局は非常に魅力的だと思うが、 (海外で)日本と同じような魅力的なコン テンツが数多く流れているのか、保護すべきコンテンツが流れているのに保護しないと いう状況にあるのかが知りたい。 ○ フランスでDVDのコピーガードに関して訴訟があり、DVDのコピーが著作物の通 常の利用を妨げ、かつ著作者の正当な利益を不当に害するといった判決が昨年出たと思 う。あくまでも、これは権利者に対する経済的な影響によって判断されており、改正法 もこの判例に沿うもので、契約の問題ではないと認識。 ○ 現在、デジタル放送に関しコピー制御を行っている国はないということだが、無料の 広告放送並びに公共放送ということでよいか。デジタル放送のコピー制御について、法 規制を行おうとしている国の例があれば探して欲しい。アメリカで、ブロードキャスト フラグ以外の措置を求める主張はなかったのか。フランスは、EU指令に基づいて改正 したとのことだが、どのような経緯で立法措置に至ったのかを補足頂きたい。 ○ デジタル放送のコピー制御については、公共放送、無料という前提で調査。技術団体 の検討動向については、別途補足調査を行う。 ○ アメリカでは、専らブロードキャストフラグ、それからオーディオフラグとして、デ ジタルラジオ放送に関するコピー制御についての議論、公聴会である為、その議論しか されてない。フランスは、EU加盟国としての義務に基づく改正作業であり、議会の議 論の中では、議会の与野党含め、さまざまな人が意見を述べている。 ○ ARIB、アメリカのATSC、ヨーロッパのDVBで、1994年から定期的に毎 年情報交換しており、そこでコピー制御を議論したときに、日本ではスクランブルをか けてコピー制御をしようと思っているということを話したら、ATSCもDVBも両方 とも、受信機が全部ブラックアウトしてしまうのかと、そのためどうしてもその段階で 規格に合ったDTCPのコピー制御をとれなかった。 ○ パブコメにおいて、(社)日本映画製作者連盟は、「EPNの採用は、スリーステップ テストでいう通常の利用を妨げるものであり、映画の著作権者として到底容認できな い。」とあるが、日本国際映画著作権協会は、「既存のCOGにEPNを加えることで、 コンテンツ保護の柔軟性が強化され、消費者に利益がもたらされると考える。」とある。 両方とも、映画関連団体と思われるが、EPNの考え方に違いがあるのはなぜか。 ○ 日本国際映画著作権協会はMPAAの出先機関であり、このパブリックコメントは、 MPAA本国の意見であり、日本の意見ではない。一方、日本映画製作者連盟は、日本 の映画製作者としての意見である。アメリカと日本では映画ビジネスのスキームが違う -3- ため、意見が異なっている。 ○ アメリカではDMCAにおいて、公共放送ではコピーコントロールを付してはいけな いと記憶。アメリカのEPNは、あくまでもそれを前提に議論されており、コピーコン トロールを付すということを議論する土壌にないのではないか。 ○ 2004年2月に米国インテルCEOが来日し、報道機関向けにデジタルホームプレ スセミナーを行っているが、コピーワンスの枠組みの中ではデジタル・コンテンツの特 徴を十分に生かし切れないとした上で、家庭内でコンテンツを開放することが必要と主 張されている。パブコメとあわせて、インテルには、ぜひお話を伺いたい。 ○ 受信機が出回った後で、途中から放送波を暗号化した場合、DTCPが使えないとい う話だが、アメリカのFCCのオーダーの中では、フラグを検出した後の出力としてD TCPを使える。法律等の強制があれば、放送波が暗号化していなくても、その出力に DTCPを使うことはできる。従って、コピーワンジェネレーションでもEPNでも使 えるので、その段階で使うという議論が出ないかを見ておく必要あり。 ○ アメリカにおいて、テレビドラマは、最初にどのように放送されているのかを調べて いただきたい。 ○ 日米の著作権法は大きく違う部分が多々あり、特に有料放送以外の無料放送ではコピ ー制限を付してはならないことが、日米の法的な制度の違いとして、大きなウエートを 占め、無視できるような些細な問題ではないと考える。 ○ 今後、コンテンツ制作者の立場として、例えばフューチャー・パイレーツの高城さん のような方の意見を聞いてみたいので、検討していただきたい。 ○ DTCPの件であるが、当時アメリカで話したのは、DTCP全体の何かという話で はない。また、そのときは法律的なバックアップが、あくまでDTCPのルール上はス クランブルをかけること、要するに保護することによってしか使えないとなっていたの で、それが前提。 ○ 当時はそうだったが、今は、アメリカの動きに対応して、法律的な強制などがある場 合には、DTCPを途中からトリガーすることができる。そのため、アメリカでDTC Pが技術を承認するよう、FCCに対して提出した。 ○ 「コピーワンジェネレーションやEPNは、どのような制御をするかという話」と、 「無反応機を排除する仕組、技術的なエンフォースメントとしてのスクランブルが要る のか要らないのか、法的強制力があれば要らないという話」があったが、その2つのフ ェーズ、層に分かれていることが理解しにくい。 ○ 日本とアメリカでは、スクランブルがあるかないかが一番大きな違い。すなわち、日 本の場合、そもそもよいのかという議論もここではされていないが、B-CASカード -4- がないと見ることができない。 ○ コピーワンジェネレーションがムーブの失敗を生んでいるという趣旨で、話がEPN へシフトした経緯がある。しかし、DVDのデバイスドライバーのコマンドには、記録 されていることを確認するモードがあるはず。それをやっていれば、ムーブの失敗は原 理的に起きない。それがコストダウン、あるいは書き込み速度を競うというような要請 から省略された結果、ムーブの失敗を生んでいると聞いた。コピーワンスというルール に準拠したムーブが策定されたときの経緯、技術等を明らかにして頂きたい。 ○ 2011年にフルデジタル化の時代が来る、デジタル・コンテンツが豊かに発展して いく、そのための大変重要なマーケットが地上デジタル放送である、という前提で議論 している。諸外国の状況は、あくまで参考であるが、いろいろな説明や説得をしていく プロセスとして必要になると思うので、本日のような議論あるいは調査をしていただき、 その共通認識を委員の皆さんに持っていただくのがよいと思う。 ○ 次回は、技術の実態、本質的な意味をご説明いただきたい。国際競争力も大変重要に なってくるので、土壌の違いや文化の違い、法律の違いはもちろん念頭に置きながら、 随時情報を説明いただくことが必要になる。また、編成や有料放送との関係等、テレビ 文化の違いも大変重要な背景になると思うので、そのことも可能な限り分かった上で説 明ができるようにしたい。 (2)今後の検討スケジュール ○ 小笠原コンテンツ流通促進室長より、資料5に基づき今後の検討スケジュールにつき 説明。 以 -5- 上