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マイマイガについて

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マイマイガについて
マイマイガについて
生活衛生課動物愛護・衛生係
Q1
マイマイガの特徴
マイマイガは、ドクガ科に分類されるガ
の一種で、日本を始め、アジア、北アフリ
カ、ヨーロッパ、北アメリカ東部に広く分
布している。
約 10 年周期で大発生を繰り返すが、そ
の際、幼虫はすさまじい個体数と旺盛な食
欲で、樹木、草木等さまざまな植物の葉を
食べ尽くすので、森林害虫としても有名。
大発生するメカニズムはよくわかってい
ないが、2~3年継続する傾向がある。ウイルス病、真菌、寄生性昆虫等により、終息す
ると言われている。
【卵塊】
〇 縦 30~50mm、横 20mm の楕円形・褐色。中に 100~1000
個以上の卵が入っている。
○ 産卵は7月下旬~8月中旬、森林では幹の地上2~3m 以
下に産み付ける。特にシラカバ等樹皮の白い木を好んで産み
付ける。
○ 大量発生時は、照明の支柱、電柱、建物の外壁等に産み付け
る。
写真協力
【幼虫】
北海道立総合研究機構林業試験場
○ 4月上中旬頃孵化。孵化直後は卵塊上に集団でいる。体長5
mm。
〇 孵化直後の1齢幼虫のみ、わずかだが毒針毛(どくしんもう)
を持っている。
〇 高い所に登り、糸を吐いてぶら下がり、風に乗って移動する。
(別名ブランコ毛虫)
写真協力:川邊透氏
〇 孵化後、通常5回脱皮し、サナギになる。体長最大 70mm。
約2ヶ月で成虫になる。
〇 主にシラカバ、カラマツ等落葉樹を好んで食害するが、トド
マツなどの常緑針葉樹等様々な樹種も食害する。木の葉を食
べ尽くすと移動して、各種草本も食害する。また、イネ、大
豆等の農作物を食害することもある。
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〇
時に大発生し森林に被害をおよぼすため、森林病害虫等防除法で森林病害虫に指定さ
れている。
【成虫】
〇 6月下旬~8月上旬に発生。オスは日中活発に飛び回る。メスは
幹などに止まって動かない。
〇 正の走行性(明かりに集まる)があり、メスは薄暮~夜に入る頃、
よく明かりに飛来する。
〇 成虫の生存期間は7~10日間、その間は何も食べない。
○ メスは産卵すると、飛ばなくなる。
写真協力:川邊透氏
Q2
健康被害は?
○
1齢幼虫のみ、わずかに毒針毛(どくしんもう)を持っているが、2齢幼虫以降の幼
虫、サナギ、成虫、卵塊とも毒針毛はない。
○ 成虫の体表にある鱗毛(りんもう)が舞い上がると、アレルギーを起こすことがある
ので、注意が必要。
Q3
駆除はどうすればよいか?
【4月までの対策】
〈卵塊の除去〉
〇 7月下旬以降、産み付けられた卵塊を除去し、
焼却、埋却する。
〇 埋却する場合は、5cm 以上の土をかぶせ、踏み
固める。
〇 外壁等に産み付けられた卵塊は、半分に切った
ペットボトルをヘラ代わりに使用すると除去し
やすい。
〇 竹ほうき、穂の部分が硬いナイロン製ほうき等
でも剥ぎ落とせる。
写真協力
〇 高いところにある卵塊は、高圧洗浄機等で洗い落とす。 北海道立総合研究機構林業試験場
【4月上中旬~5月までの対策】
〈孵化幼虫の駆除〉
〇 卵塊上にとどまっている孵化幼虫は、粘着テープ等で除去する。
〇 外壁等に付着している孵化幼虫は、市販の家庭用ガ類用殺虫剤で防除する。
〇 樹木等植物に薬剤散布する場合は、必ずラベル(表示)を確認し、その植物に登録の
ある農薬を使用する(農薬取締法)。
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【5月中旬~6月下旬までの対策】
〈幼虫の駆除〉
〇 見つけ次第、厚手の手袋等の着用、または火鉢
等で捕まえ、除去する。
〇 樹木の幹に布や麻布等を巻き、幼虫を集めて駆
除する方法もある。
○ 大きくなった幼虫(体長約20 mm以上)は、殺
虫剤の効果は期待できない。
【7月以降の対策】
写真協力
〈メス成虫の夜間飛来対策〉
北海道立総合研究機構林業試験場
〇 夜間、メス成虫は照明等明かりに集まるため、窓には
網戸を設置し、建物に飛んでくる場合は、外壁、窓枠等に殺虫剤を噴霧して忌避する。
〇 正の走光性(明かりに集まる)の性質を持つため、街灯等は可能な限り消灯する。
○ 室内に侵入した場合は、濡らした新聞紙等で覆い、除去する。
Q4
マイマイガを発生させないためには?
○
メスのマイマイガは一生に一つの卵塊しか産まないので、卵
塊の除去が最も効果的である。
〇 7月下旬~8月中旬に産み付けられた卵塊は、翌春までに可
能な限り除去する。
写真協力
北海道立総合研究機構林業試験場
Q5
その他
○
成虫の走光性は主に紫外線によるものなので、水銀灯、蛍光灯等紫外線発生量が多い
光源は、紫外線発生の少ない、ナトリウム灯、LED灯、UVカット蛍光灯、忌避性の
ある黄色ランプ等に交換をする。
〇 マイマイガの天敵には、ブランコサムライコマユバチ、ヤドリバエ類などの寄生性天
敵、アオクチブトカメムシなどの捕食性天敵、ムクドリ、ツバメ、スズメなどの鳥類が
いる。
〇 核多角体病ウイルス(NPV)、真菌等による病気で、終息に向かうと言われている。
〇 薬剤駆除については、卵塊、成虫、サナギ、老熟した幼虫には効果が無い。未成熟な
幼虫(体長約 20mm 以下)に対しては、市販のケムシ駆除用の薬剤を使用する。
〇 樹木等植物に薬剤散布する場合は、必ずラベル(表示)を確認し、その植物に登録の
ある農薬を使用する(農薬取締法)。
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