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墨田区自転車利用総合方針【平成25年度(2013年度)~平成34年度
墨田区自転車利用総合方針 押上駅前自転車駐車場 平成25年6月 墨 田 区 第1章 方針策定の趣旨 1 策定の目的 自転車は手軽な交通手段として利便性や経済性に優れており、無公害で健康的、確実な乗り物 として、また、通勤・通学や買物などの日常生活に密接に関係する乗り物として広く利用されて います。特に墨田区においては、区内の高低差がほとんどないことから、区民生活に不可欠な乗 り物として利用されています。しかし、駅によっては通勤・通学者などの定期利用者への駐車場 台数は充足しているものの、一時利用を含めた利用者全体の需要に見合った駐車場台数が確保で きていないエリアもあります。身近で手軽な乗り物であるがゆえに、駅周辺の放置自転車、利用 者ルールの欠如やマナーの低下、走行空間の確保など、解決すべき多くの課題があります。 そこで墨田区では、自転車利用に伴う現状と諸問題を明らかにし、今後の施策展開を図るため、 平成 24 年 7 月に、有識者、鉄道事業者、交通管理者、区民代表、関係事業者で構成された『墨田 区自転車利用総合方針策定検討委員会』を設置し検討を重ね、平成 25 年 3 月に答申を受けました。 墨田区では、答申を踏まえ自転車駐車場施設整備や放置自転車対策、自転車利用マナーの向上 などの総合的な方針を策定しました。この方針をもとにして、現在の社会状況に対応するよう必 要な規定整備を行い、短期及び長期的な施策を進め、自転車と共存した快適なまちづくりの実現 と自転車利用の適正化を目指していきます。 2 法令における自転車の位置づけ 自転車に関する主な法令として、自転車の駐輪対策や自転車利用者の利便の増進、自転車利用 時のルール、道路整備の基準を定めた以下の 3 つがあります。 (1) 自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律 (通称:自転車法) ∼自転車駐輪対策・自転車利用者の利便の増進に向けた方針∼ (2) 道路交通法 ∼自転車の走行に関するルール∼ (3) 道路構造令 ∼自転車道など自転車走行空間を整備する際の基準∼ 自転車法第3条に基づき、墨田区では、 『墨田区自転車の利用秩序及び自転車駐車場の整備に関 する条例』(以下、「自転車条例」という。)を昭和 59 年に制定して、墨田区、区民、鉄道事業者 等の責務と自転車駐車場の整備、駅周辺の自転車放置禁止区域の指定を行っています。 3 上位計画 国土交通省と警察庁では『安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン』 (平成 24 年 11 月)、 東京都では『自転車の安全利用推進総合プラン』(平成 19 年 1 月)、 『東京都自転車走行空間整備 推進計画』(平成 24 年 10 月)が策定されており、平成 25 年 3 月には『自転車の安全で適正な利 用を促進するための条例』が制定され、同年 7 月に施行されます。 墨田区では『墨田区基本計画』 (平成 23 年 12 月)において、誰もが安全・快適に暮らし、移動 できるまちをつくるための施策として、 「歩行者や車いすなどを利用している人が、安全で快適に 移動できる空間を確保する」こととしています。 4 自転車利用総合方針の取り組み期間と対象地域 墨田区自転車利用総合方針の取り組み期間は、平成 25 年度(2013 年度)から平成 34 年度(2022 年度)までの 10 年間とします。なお、取り組み達成状況や社会状況の変化等を踏まえ、概ね5年 後の中間年度で取り組み内容の見直しを行います。 墨田区自転車利用総合方針の対象地域は、墨田区内全域とします。 1 第2章 墨田区の自転車利用の現状 1 自転車利用の現状 墨田区内には、鉄道・地下鉄 13 駅があり、駅周辺には約 15,200 台の自転車の乗入れがありま す。墨田区では、自転車利用者への対応として、平成 25 年 6 月現在、32 か所の自転車駐車場を整 備しています。また、民間事業者が設置した自転車駐車場も数多くあり、区営・民間を合わせる と約 17,500 台の収容が可能です。しかし、現状では約 4,000 台が駅周辺に放置されており、駅によっ ては自転車駐車場の収容台数が不足していたり、収容台数には余裕があるが自転車駐車場が駅や 商業施設から遠いため利用されない状況にあります。 (1) 墨田区内の自転車駐車場の収容状況(平成 24 年 6 月調査) 墨田区営 民間運営 区と民間の合計 駅名 収容台数 錦糸町駅 実台数 収容状況 収容台数 実台数 収容状況 収容台数 実台数 収容状況 放置自転 収容能力 乗入台数 車台数 評価 4,616 3,621 ○ 1,880 707 ○ 6,496 4,328 ○ 1,490 5,818 △ 両国駅 587 772 × 203 139 ○ 790 911 × 588 1,499 × 本所吾妻橋駅 406 469 × - - - 406 469 × 361 830 × とうきょうスカイ ツリー駅 92 60 ○ 1,460 178 ○ 1,552 238 ○ 52 290 ○ 押上駅 2,948 2,467 △ 631 118 ○ 3,579 2,585 ○ 669 3,254 △ 東武曳舟駅 606 409 ○ 1,261 584 ○ 1,867 993 ○ 85 1,078 ○ 京成曳舟駅 362 280 ○ - - - 362 280 ○ 259 539 × 菊川駅 253 184 ○ - - - 253 184 ○ 230 414 × 東向島駅 457 255 ○ - - - 457 255 ○ 61 316 ○ 鐘ヶ淵駅 214 89 ○ 78 30 ○ 292 119 ○ 96 215 ○ 八広駅 243 243 × 751 213 ○ 994 456 ○ 13 469 ○ 東あずま駅 102 100 × - - - 102 100 × 56 156 × 小村井駅 379 298 ○ - - - 379 298 ○ 28 326 ○ 11,265 9,247 17,529 11,216 3,988 15,204 合計 収容状況及び収容能力評価 ○:余裕あり 6,264 △:余裕なし 1,969 ×:不足 (2) 墨田区内の自転車駐車場位置 (平成 25 年 6 月現在) 2 2 自転車を放置した人へのアンケート調査結果 墨田区では、平成 24 年 9 月に、各駅の自転車放置禁止区域において自転車を放置した人を対象 とした、聞き取り方式によるアンケート調査を行いました。 調査結果から、自転車の放置は、平日よりも休日のほうが多くなっていること、駅周辺の店舗 や金融機関・飲食店・コンビニ前の放置が多く、私事目的で週 1∼2 回、2 時間以内の放置が多い 傾向にあることがわかりました。 【調査日時】休日調査:平成 24 年 9 月 16 日(日曜日) 正午から午後 7 時まで 【回答数】休日調査:327 票 平日調査:平成 24 年 9 月 19 日(水曜日) 正午から午後 7 時まで 平日調査:346 票 自転車の利用目的 0% 20% 8% (平日)通勤・通学目的が 13%、私事目的が 78% 1% 94% 通勤 0% (平日)駅の利用が 11%、駅周辺施設の利用が 86% 平日 (休日)駅の利用が 16%、駅周辺施設の利用が 82% 休日 私事 20% 通学 40% 業務 60% その他 80% 86% 82% 0% 20% 100% 11% 16% 目的地まで利用 駅から目的地まで 自転車を使う頻度 80% 100% 5% 4% 休日 自転車の利用方法 60% 78% 平日 (休日)通勤・通学目的が 5%、私事目的が 94% 40% 駅アクセス 40% 60% 80% 100% ほぼ毎日が約 2 割、週に 1∼2 回までが全体の約 7 平日 20% 13% 割となっています。 休日 自転車を放置する時間 0% 30 分以内の放置が約 4 割、2 時間以内が全体の約 8 平日 45% 16% 13% 41% ほぼ毎日 月2~3回 2日に1回 年に数回 20% 40% 47% 16% 6% 20% 10% 週に1~2回 60% 18% 80% 18% 100% 14% 割となっています。 休日 38% 15% 30分以内 2~8時間 自転車を放置する理由 0% 21% 30分~1時間 8時間以上 24% 1~2時間 自転車を使う理由 20% 40% 60% 80% 100% 0% 歩くには遠すぎる 健康に良い 歩くのが面倒 他に交通機関がない 公共交通が不便 公共交通の運賃が高い 環境に優しい 交通費が節約できる 目的地に近い 目的地の施設に駐輪場がない 駐輪場が空いてなかった 駐輪場が遠い 時間貸し・当日利用の駐輪場がない 短時間 駐輪場の利用登録ができなかった 駐輪場の料金が高い 時間が節約できる 自転車等に乗ることが好き その他 駐輪場が防犯面で不安がある ここにみんなが駐輪している その他 3 20% 40% 60% 80% 100% 3 自転車利用の課題 自転車利用のための環境が十分に整っていないことや、ルールやマナーが守られていないことで、 快適な歩行空間の確保、放置自転車による緊急車両の通行の妨げなどの課題が顕在化しています。 (1) 自転車のルール・マナーに関する課題 ・自転車が関与する交通事故の減少のため、自転車利用者の交通ルール厳守が求められます。 ・自転車のルール・マナーを学んでもらうための仕組みづくりが必要とされています。 (2) 放置自転車に関する課題 ・撤去作業の効率化による撤去率の向上が必要とされています。 ・撤去自転車の返還業務のサービス向上が求められます。 (3) 自転車駐車場に関する課題 ・自転車駐車場の収容台数が不足する駅においては、新たな自転車駐車場の確保が求められます。 ・駅前及びその周辺に、一時利用者向けの自転車駐車場の整備が求められます。 (4) 自転車走行空間確保に関する課題 ・自転車の走行経路と自転車走行空間の確保が求められています。 ・幹線道路である都道・国道の計画を踏まえ、自転車走行空間のネットワーク計画を策定する必要 があります。 4 第3章 基本理念と方針 墨田区内の自転車利用の現状と特性、区や東京都、国における上位計画や関連計画を踏まえ、 『歩行者や自動車と共存した、安全で快適な自転車利用の実現』を基本理念として、自転車利用 上の課題の解決に向けて2つの方針に沿って、自転車の利用に関する取り組みを計画的に推進し ます。 また、施策展開にあたっては、各種取り組みを体系的に整理し、区民、民間事業者、鉄道事業 者、区役所をはじめとした行政機関、警察などとの協働のもと進めていきます。 墨田区の自転車利用上の現状、特性 自転車駐車場が不足傾向にあり、特に一時利用者向けの自転車 駐車場が不足している。 自転車利用が増加傾向(近距離・遠距離の利用の増加、大型商 業施設のオープンによる自転車利用者の増加)にある。 地形が平坦で自転車の利用に適した地域である。 交通手段としての現状、特性 墨田区の自転車利用推進上の課題 自転車は近距離移動の最速移動手段 自転車利用のルール・マナー向上 公共交通と徒歩の間を補完する都市 自転車の正しい使い方の啓発 交通手段 自転車駐車場の不足解消 放置自転車の撤去・引取率の向上 自転車走行空間の確保 基本理念 歩行者や自動車と共存した、安全で快適な自転車利用の実現 基本方針 1. 正しい自転車利用を広めるための仕組みづくり (1) 正しい自転車の利用の仕方の普及へ向けたルール・マナー遵 守の啓発推進 (2) 放置自転車削減への取り組み 2. 安全で快適な自転車利用を支える基盤づくり (1) 利用形態に配慮した自転車駐車場の整備 (2) 安全で快適な走行環境整備 5 第4章 取り組みの方向性 1 正しい自転車利用を広めるための仕組みづくり (1) 正しい自転車の利用の仕方の普及へ向けたルール・マナー遵守の啓発推進 ① 自転車交通や駐車のルール・マナーの普及、啓発活動の強化 墨田区ではこれまで、教育委員会事務局と所轄警察署による幼稚園や小・中学校での『交通安 全教室』を実施してきました。今後もこれらの活動を充実させるとともに、区民リクエスト講座 に掲載している『交通安全講習会』を活用してもらうことで、自転車利用における交通ルールや 運転マナーを普及させ、正しく安全な自転車利用を推進します。 これまで交通安全教室の対象外であった大人への普及啓発のため、交通安全教室を受講した子 どもに着目し、子から親に伝え、共に教育する仕組みづくりの検討を進めます。 警視庁で進めている「自転車総合対策※1」についても、必要に応じて区は適宜協力します。 この他、東京都における自転車安全利用キャンペーンへの協力や、「東京都自転車対策懇談会」 での交通ルールの遵守・マナーの向上(学校等における安全教育、自転車利用企業における従業 員教育等)の検討結果などを踏まえて、今後の取り組み内容を検討します。 近年は、通勤・通学の放置自転車の台数は減少しつつありますが、買物や飲食などの私事目的 での短時間の放置が目立つようになってきたことから、駅前放置自転車クリーンキャンペーンな どの啓発活動については、各駅周辺の利用実態や放置が多い時間帯に即した活動の実施や、放置 自転車への指導及び撤去を平日の夕方や休日にも拡大するなど、従来以上の取り組みの強化・拡 充を図ります。 また、歩道上への放置抑制のため、自転車放置禁止区域の拡大を図るとともに区域表示(看板、 路面標示)を充実させて、利用者への周知徹底を図ります。 この他、すみだまつり等のイベントにおいて、警察や関係事業者と協力してブースを設け、啓 発活動やパンフレットの配布を行うほか、学生ボランティアなど様々な主体が参画した放置自転 車撤去作業の体験など、新たな取り組みを通して駐車マナー向上を図ります。 ※1 自転車総合対策 自転車及び歩行者が道路を安全に通行し、また、交通マナー等の普及を通じて都民の社会生活における規範意識を高めて いくことを目的として、自転車利用者に対する交通ルールの周知と安全教育の推進、指導取締りの強化、自転車走行環境の 確立、自転車盗難等の被害防止を重点施策としている。 ■ 施策案 幼稚園、小学校、中学校での交通安全教室における自転車関係の指導内容の拡充、スタントマ ンによる交通事故を再現した交通安全教室の継続(墨田区教育委員会事務局、本所警察署、向 島警察署) 自転車シミュレータを活用した、体験しながら楽しく効果的に学習できる交通安全教室の実施 安全教室を受講した子から親に伝え、共に教育する仕組みづくりの検討 高校生以上の区民を対象とした区民リクエスト講座による交通安全講習会の活用 交通安全講習会の実施促進のため、講習会受講者を対象とした各種優遇制度の導入可能性につ いての検討 所轄警察署による自転車対策重点地区路線における「自転車総合対策」への協力 東京都における自転車安全利用キャンペーンへの協力 「東京都自転車対策懇談会」での検討結果を踏まえた取り組みの検討 自転車の利用実態や時間帯に即した朝の通勤利用者又は夕方の買物利用者を対象とした駅前 放置自転車クリーンキャンペーンの実施 自転車駐車場利用への誘導(区施設、民間を問わず誘導) 繁華街での平日の夕方以降、および休日の巡回監視と撤去作業 6 自転車放置禁止区域の拡大と区域表示(看板、路面表示)の充実による放置抑制 すみだまつり等のイベントでの啓発活動やパンフレットの配布 多様な主体が参画した駐車マナー向上へ向けた新たな取り組みの検討 ■ 対象地域と具体例 ② 駅名 具体例 とうきょうスカイツ リー駅、押上駅 駅周辺事業者への放置自転車対策や自転車駐車場利用の協力要請 駅周辺の夕方以降、および休日の巡回監視 自転車放置禁止区域の拡大と区域表示の充実 錦糸町駅 繁華街での夕方以降、および休日の巡回監視 自転車放置禁止区域の拡大と区域表示の充実 すみだまつり等のイベントでの啓発活動やパンフレットの配布 東武曳舟駅、京成曳 舟駅 自転車放置禁止区域の拡大と区域表示の充実 安全基準に適合した TS マーク貼付自転車の普及 自転車には自動車のような車検制度がないため、多くの利用者は適切な自転車整備を怠りがち となることから、正しい自転車利用へ向けて、自転車利用者が購入時に安全基準を満たした自転 車を選択するとともに、定期的な点検・整備を行い、安全性を確保することが求められます。 TS マークは、自転車安全整備店の整備士が自転車を点検整備して、道路交通法令の基準に適合 した安全な普通自転車である証として貼付されるものであり、整備後の一年間、賠償責任保険と 傷害保険が付加されます。 交通安全教室などにおいて、安全基準を満たした自転車の購入と、一年に一回の整備で TS マー クを貼付できることを呼びかけるほか、例えば TS マーク貼付の自転車利用者には、他自治体で導 入している自転車駐車場のインセンティブ付与を検討するなどで、TS マークの普及を図っていき ます。 ■ 施策案 交通安全教室等での TS マーク普及の呼びかけ 自転車販売店での購入時および整備点検時の TS マーク貼付の呼びかけ TS マーク貼付の場合、自転車駐車場のインセンティブ付与の検討 ③ 区民交通傷害保険の加入促進 自転車の安全利用と事故防止を図り、安心して自転車を利用してもらうためにも、自転車保険 や交通傷害保険の加入促進と啓発が必要です。 区民交通傷害保険には、自転車運転中の加害事故による損害賠償保険を特約として付帯するこ とができるため、翌年度の自転車駐車場の利用者に登録承認書を郵送する際に、交通傷害保険の パンフレットを同封することで、保険加入率の向上が期待できます。 また、保険加入者には TS マークと同様に、自転車駐車場のインセンティブ付与を行うなども検 討していきます。 ■ 施策案 自転車駐車場の利用者に対する区民交通傷害保険の加入啓発 保険加入の場合、自転車駐車場のインセンティブ付与の検討 7 (2) 放置自転車削減への取り組み ① 放置自転車の撤去回数や撤去可能台数の拡大 区内の各駅ごとに、撤去自転車の保管所が定められています。区内の撤去自転車の保管所が4 箇所しかなく、保管できる台数に限りがあるため、撤去回数や台数に制限が生じています。 また、駅によっては保管所との距離がかなり離れているため、自転車運搬トラックの移動に時 間がかかる場合があります。したがって、効率的に撤去できない駅があります。 そのため、駅と保管所の位置関係の見直しや、駅ごとの放置自転車撤去作業の効率化を図るこ とで撤去率を向上させ、放置自転車の削減を図ります。 ■ 施策案 放置自転車撤去作業の見直し、効率化 駅ごとの保管所の見直し 保管所の拡大および新設による撤去可能台数の拡大 ■ 保管所の見直し案 駅名 保管所の見直し案 錦糸町駅 放置自転車保管所を、 厩橋から江東橋へ変更 東武曳舟駅、 京成曳舟駅 放置自転車保管所を、 江東橋から銅像堀へ変更 本所吾妻橋駅、と うきょうスカイ ツリー駅 放置自転車保管所を、 江東橋から厩橋へ変更 押上駅 放置自転車保管所を、 銅像堀から厩橋へ変更 8 ② 撤去された自転車の引取率の向上 自転車放置禁止区域と保管所が離れていると、利用者が撤去された自転車を引き取りに行かず、 そのまま自転車を保管すると、保管所を長期間占拠することとなるため、他の自転車の撤去に影 響を及ぼします。そこで、保管所の見直し、インターネットでの撤去自転車の照会、防犯登録の 呼びかけ、墨田区内への転居の際の防犯登録内容の変更も案内するなど、撤去された自転車を引 き取りやすくする仕組みを検討します。 また、東京都が検討を進めている自転車購入時の処分費デポジット制やナンバープレートの導 入、放置自転車を引き取りに来ない所有者からの負担金徴収等についても、東京都の動向に合わ せて今後検討を進めます。 この他、現在は水曜日のみである平日の撤去自転車の返還業務について、返還日の追加を検討 します。また、業務時間外への問い合わせにも対応できるようなサービスも検討し、将来的には 問い合わせ業務と返還業務の一元化を進めます。 ■ 施策案 インターネット上で防犯登録番号を用いた撤去自転車照会のしくみの検討 自転車購入時の防犯登録の呼びかけや、区外から墨田区内へ転居の際の防犯登録内容変更の呼 びかけ(転入時にもらえる『すみだわたしの便利帳』への記載) 東京都で検討しているデポジット制やナンバープレート制の導入へ向けた体制づくりの検討 平日における返還業務の追加の検討 区の業務時間外での問合せや返還業務に対応したサービスの検討 9 2 安全で快適な自転車利用を支える基盤づくり (1) 利用形態に配慮した自転車駐車場の整備 ① 既存の自転車駐車場の有効活用 定期利用者向けの自転車駐車場は、区内の各駅で整備されており、駅から離れた自転車駐車場 ほど空きが残っていることから、駅からの不便さを考慮しなければ、ほぼすべての駅で若干の余 裕があります。自転車を放置する人のうち、通勤目的や通学目的でほぼ定期的に放置している人 に対してこれらの駐車場の活用を呼びかけていきます。 二段式駐輪ラックを採用している自転車駐車場では、最近増加している三人乗りチャイルドシ ート自転車の大きさと重量がラックに適合せず、使われにくい傾向にあるため、チャイルドシー ト専用の平置駐車スペースへの置き換えを検討します。 平置きの自転車駐車場においても、通路や自転車駐車枠の再配置によって収容台数の拡大が見 込める場所においては、区画の変更を検討します。 また、東京都が平成 25 年 4 月から提供しているインターネットを通して閲覧可能な自転車駐車 場地図サービスに対して、墨田区では、対象となる自転車駐車場の情報を東京都に提供するとと もに、自転車利用者に積極的に活用してもらえるよう、区の広報やホームページ、また、自転車 駐車場の利用者などに積極的に周知を進めます。 ■ 施策案 定期的に放置している通勤通学利用者へ向けた、自転車駐車場利用の呼びかけ 利用の少ない二段式駐輪ラックを、チャイルドシート自転車のための駐車場所に順次置き換え 現在の自転車駐車場における自転車配置区画変更による収容台数拡大の検討 東京都提供の地図サービスに自転車駐車場の情報提供と随時更新、自転車利用者へ自転車駐車 場地図サービスの周知促進 ■ 対象地域と具体例 駅名 具体例 両国駅 両国駅西口自転車駐車場の利用の呼びかけ 錦糸町駅 牡丹橋通り自転車駐車場の利用の呼びかけ 地下自転車駐車場のラックをチャイルドシート自転車置き場へ置き換え 本所吾妻橋駅 本所吾妻橋駅西臨時自転車駐車場の利用の呼びかけ 押上駅 中之郷自転車駐車場における自転車配置区画変更による収容台数の増加 菊川駅 北口自転車駐車場における自転車配置区画変更による収容台数の増加 10 ② 自転車駐車場の付置義務の見直しと、民間事業者への協力要請 建築の際の自転車駐車場の付置義務は、現状の条例では店舗や遊技場といった用途で一定面積 以上の施設に対して課せられています。しかしながら、近年は学習塾や飲食店といった条例で指 定されていない施設や、ドラックストアなど床面積が小規模な施設に起因する放置自転車も看過 できない状況であることから、自転車駐車場の付置義務の見直しを行うとともに、付置義務以外 においても民間事業者に対して自転車駐車場の設置へ向けた協力要請を行い、自転車駐車場の整 備を進めていきます。また、鉄道事業者や民間事業者にあっては、自転車の利用者に自転車駐車 場を利用してもらうよう案内や誘導に努めるとともに、区が実施する放置自転車クリーンキャン ペーンなどへの参加協力を要請します。 ■ 施策案 自転車駐車場の付置義務の見直し (新規建築の学習塾、ドラックストア、飲食店などを対象に加えるとともに面積要件の見直し) 民間事業者への自転車駐車場整備へ向けた協力要請 民間事業者が整備した自転車駐車場の積極的な利用へ向けた案内や誘導の要請 区が実施する放置自転車クリーンキャンペーンへの鉄道事業者、民間事業者の協力要請 ■ 対象地域と具体例 駅名 具体例 押上駅 駅周辺の大規模開発に際しての付置義務台数以上の協力要請と自転車駐車場利 便性の確認 東武曳舟駅 駅周辺の大規模開発に際しての付置義務台数以上の協力要請と自転車駐車場利 便性の確認 11 ③ 歩道等を活用した一時利用者向け自転車駐車場の確保 区が設置している一時利用者向け自転車駐車場は、押上駅と錦糸町駅のみであり、民間の自転 車駐車場も、この 2 駅に加え、両国駅、とうきょうスカイツリー駅、東武曳舟駅、鐘ヶ淵駅、八 広駅にしかありません。したがって、その他の駅では商業施設の自転車駐車場や敷地内の駐車ス ペースがなければ、私事目的の利用者は道路上に自転車を放置せざるを得ません。 買物や食事などの私事目的で、短い時間駐車するための一時利用者向け自転車駐車場の必要性 があることから、今後は、歩道や鉄道用地、低未利用地などを活用して、区や事業者が一時利用 者向け自転車駐車場を整備していきます。 加えて、鉄道事業者以外の民間事業者が、付置義務自転車駐車場以外の一時利用者向け自転車 駐車場を新規設置した場合の補助金交付の検討のほか、現在、駅周辺にある自動車用時間貸し駐 車場のうち、一定区画を自転車専用の時間貸し駐車場に転用することによる整備費の補助金交付 など、即効性のある補助制度も検討します。 ■ 施策案 区主体による一時利用者向け自転車駐車場の整備 民間事業者主体による付置義務以外の一時利用者向け自転車駐車場の整備補助の検討 現在ある自動車用時間貸し駐車場を、自転車用に転用する整備補助の検討 ■ 対象地域と具体例 駅名 具体例 両国駅 国技館通り歩道上への、一時利用者向け自転車駐車場の設置 錦糸町駅 都道四ツ目通りガード下の歩道上への、一時利用者向け自転車駐車場の設置 京葉道路交差点横断歩道下の歩道上への、一時利用者向け自転車駐車場の設置 区道の歩道等への、一時利用者向け自転車駐車場の設置 京成曳舟駅 京成押上線の高架下に自転車駐車場を設置、および鉄道事業者が主体となった 自転車駐車場の設置要請 東あずま駅 都道電線共同溝工事後の駅前歩道上に、一時利用者向け自転車駐車場の設置 12 (2) 安全で快適な走行環境整備 ① 歩行者、自動車と共存した走行環境づくり 歩行者と自転車との安全確保のためには、歩行者と自転車、自動車の走行場所が分離されてい ることが望ましく、都内各地で自転車走行レーン、もしくは「自転車ナビマーク」による自転車 走行場所の明示が進められています。 墨田区においても、国道や都道などの幹線道路の自転車走行レーン設置計画を考慮し、区道は 幹線道路と幹線道路を結ぶネットワーク網を補完する役割の道路として整備します。 選定にあたっては、車線幅員に余裕のある道路を中心として、今後、地元町会や警察との調整 に基づいて走行環境の整備を図っていくとともに、自転車交通の誘導を行っていきます。 ■ 施策案 自転車走行空間確保、もしくは明示へ向けた地元、警察署との調整 ■ 対象地域と具体例 道路名 道路管理者 具体例 曳舟川通り 墨田区 公安委員会決定による『自転車走行レーン』の設置検討 八広はなみずき通り 墨田区 車道左端への『自転車ナビマーク』の設置 (平成 24 年 10 月設置済、法定外標示) 区役所通り 墨田区 公安委員会決定による『自転車走行レーン』の設置検討 北斎通り 墨田区 公安委員会決定による『自転車走行レーン』の設置検討 補助 120 号線 (都道 449 号線) 東京都 東京都自転車走行空間整備推進計画に基づいて、都市計画道 路整備に合わせて『自転車走行レーン』を設置 押上通り (都道 465 号線) 東京都 東京都自転車走行空間整備推進計画に基づき、都市計画道路 の整備にあたり自転車走行空間の確保を検討 国 道路拡幅事業が予定されており、今後、自転車利用環境創出 ガイドラインに基づき計画 京葉道路 (国道 14 号) 13 第5章 施策の実施例 第6章 取り組みの進め方 取り組みに必要な規定整備を行いながら、一時利用者向け自転車駐車場の整備や効率的な撤去作 業と保管所の見直しなどの『早期に進めるべき施策』と、自転車駐車場や自転車走行空間の整備な ど、実施までに相応の検討・調 整や関係機関との合意形成等 が必要となる『長期にわたり進 めるべき施策』に区別して取り 組みます。 また、必要に応じて取り組み の修正を行います。 14 墨田区自転車利用総合方針 発行年月 平成25年6月 発 墨田区都市整備部 行 土木管理課交通安全担当 〒130−8640 東京都墨田区吾妻橋一丁目23番20号 ℡ 03−5608−1111(代)