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対外政策論 (2012 年度、冬学期)

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対外政策論 (2012 年度、冬学期)
講義概要
対外政策論
(2012 年度、冬学期)
基本情報
担当教員
:多湖 淳(たごあつし) [email protected]
開講日時
:毎週月曜日1時限ならびに毎週木曜日2時限
オフィスアワー:月曜日2時限ならびに木曜日3時限(ただし、要予約)
講義内容・テーマ
本講義は国際関係論分野(国際政治学)の応用編の授業で、受動的に教員の話を聞くという種類
のものではなく考える作業を重視し、以下の四つの段階で構成されている。なお、授業の流れとし
ては、J. Frieden, D. Lake and K. Schultz らによる World Politics: Interests, Interactions and Institutions
(2009, W.W.Norton)に準拠する形で授業を進める。
第一に、前提知識となる分析枠組みの提示と、国際関係をめぐる歴史を概観する。
第二に、戦争と平和をめぐる対外政策を理解する。戦争がなぜ起こるのか、戦争と各国の国内政
治の連関とはいかなるものか、そして戦争と平和をめぐる国際制度はいかなる役割を果たせるのか
といった問いを設定し講義を進める。
第三に、国際経済をめぐる対外政策を理解する。なぜ保護貿易政策が一部の国でとられるのか、
なぜ自由貿易が世界にとって望ましいとされるのか、国際通貨をめぐる国家間協調はどうしたら(そ
して、いつ)成立するのかといった問いを設定し講義を進める。
第四に、グローバル化する国際関係における対外政策を理解する。非国家主体の登場は外交をど
のように変化させているのか、人権や地球環境をめぐる国際協力はどういった場合において可能に
なるのかといった問いを設定し講義を進める。
レポートの提出が学期中に三回求められる(スケジュール参照)
。各レポートは 3000~6000 字程
度であり一定の負担感があるかもしれないが、その都度詳細な指示があるので、授業に出ていれば
困ることはない。期末試験はなく、レポートが評価の主軸である。授業への参加も重視される。
この授業を履修することによって、国際政治や対外政策を理解するにあたって必要な理論レンズ
と分析方法の基礎知識を得ることができる。理論レンズを持てば、刻々と変化する国際関係に冷静
に接し、しかも深く本質を見抜くことが可能になる。また、分析方法の知識は自らデータを用いて
議論を作るために役立つ。しかも、三回のレポート提出によって論理的記述力の向上が期待できる。
なお、教材は以下の HP に用意される。http://www2.kobe-u.ac.jp/~tago/teaching.html
講義スケジュール
テーマ
備考
10/1
イントロダクション
講義の進め方の説明(ガイダンス)
10/4
国際政治分析のための分析枠組み①
interests & actors、interactions (cooperation/barganing)
10/11
国際政治分析のための分析枠組み②
institutions、国際政治分析における理論と方法
10/15
基本知識としての国際関係史①
10/18
基本知識としての国際関係史②
古典外交の時代(重商主義、万国公法と文明国家、
英国の覇権と自由貿易・勢力均衡、帝国と植民地主
義、無差別戦争観と総動員、現状維持国と挑戦国)
「新外交」の時代:秘密条約、Wilson の 14 か条、
外交の民主統制と公開外交、大戦後の世界秩序(LN、
UN、IMF/IBDR、GATT/WTO)
、冷戦、脱植民地化
1
10/22
国際政治分析のための分析枠組み③
ゲーム理論 I
※レポート課題①発表
10/25
国際政治分析のための分析枠組み④
ゲーム理論 II
10/29
戦争と平和をめぐる対外政策①
Why are there wars?
11/1
戦争と平和をめぐる対外政策②
Whose interests count in matters of war and peace?
11/5
戦争と平和をめぐる対外政策③
Why do states promise to fight someone else’s war?
11/8
レポート課題①提出
★特別講演(ウォータールー大学 David Welch 先生)
11/12
国際政治分析のための分析枠組み⑤
χ(カイ)二乗分析の解説 ※レポート課題②発表
11/15
レポート課題①査読会と議論
★レポート課題①について相互評価と議論を行う
11/19
国際経済をめぐる対外政策①
What’s so good about free trade?
11/22
国際経済をめぐる対外政策②
How and why do people invest their money overseas?
11/26
国際経済をめぐる対外政策③
When & why do governments agree on monetary order?
11/29
国際経済をめぐる対外政策④
Is foreign aid an answer to successful development?
12/3
レポート課題②提出
★息抜きセッション
12/6
国際政治分析のための分析枠組み⑥
回帰分析 I
12/10
国際政治分析のための分析枠組み⑦
回帰分析 II
12/13
レポート課題②査読会と議論
★レポート課題②について相互評価と議論を行う
12/17
グローバル化と対外政策①
Do transnational networks make a difference?
12/20
グローバル化と対外政策②
Why do some states care about human rights of others?
1/7
グローバル化と対外政策③
How can we promote int’l environmental cooperation?
1/10
レポート課題③提出
★息抜きセッション
1/17
レポート課題③査読会と議論
★レポート課題③について相互評価と議論を行う
1/21
総括
この授業のまとめと関連する学問分野の紹介
1/24
予備日
※レポート課題③発表
評価方法・基準
出席(特に査読会と議論)
レポート
:34%
:66%(一つのレポートが 22%相当)
2
本講義を履修するにあたって教科書的に使用できる書籍の情報
①は準拠する教科書(特に真剣に国際政治学を学びたい方、大学院進学希望者には購入を強くお勧め
をします)
;②は日本語における良質の教科書(ただ、講義とのリンクの程度は低いかもしれない);
③は担当教員の単著(この講義の重視する国際政治分析のあり方を理解するのに役立つと思います)
①
rokkodai
Frieden, Jeffry, David Lake and Kenneth Schultz (2009)
World Politics: Interests, Interactions and Institutions.
New York: W.W.Norton.
②
村田晃嗣・君塚直隆・石川卓・栗栖薫子・秋山信将
(2009)『国際政治学をつかむ』有斐閣。
③
多湖淳(2010)
『武力行使の政治学:多角と単独を
めぐる国際政治とアメリカ国内政治』千倉書房。
3
授業履修にあたっての注意と備考
0.シラバスで授業の予定が示されています。また、授業で適宜予定の変更をお知らせ
します。事前にレポート課題の提出日などがわかっているわけなので、しっかりと準
備をして遅延なく提出ができるよう、ご自身のスケジュールも組んでください(予見
不可能な理由があった場合を除いて遅延提出は一切認めません)。また、提出は基本
的には授業に来て行うという理解ですので、メールでの提出も(こちらも合理的な理
由がない限りは)認めません。
1.レポート作成にあたっては、任意グループでの「話し合い」
「共同作業」を行ってく
ださることを推奨します。また、積極的なオフィスアワーの活用をお勧めします(た
だし、質問を特定し、準備してきてください→さもないと、他の学生さんに時間を優
先し、お引き取りいただくことがあるかと思います)。どうぞ、できる限り予約をし
てください(なお、バッティングしてしまう際には、適宜調整するか、または複数で
オフィスアワーをご利用いただきます)。
2.学生のみなさんの間での協力は推奨しているのですが、しかしながら、レポートの
執筆に際しては、必ず自分自身で文章(または表、グラフ)を書くことが必要です。
適切な引用がある場合を除き、他のレポートと同じ(または相当程度に類似した)文
章(または表やグラフ)がある場合、チーティングとみなして、当該レポートに対し
て点数が与えられないばかりか、その後の授業参加についても(悪質さの度合いにも
よりますが)それを認めないことが考えられます。
3.引用ルールをはじめ、学問を行うにあたっての「決まりごと」は必ず守ってくださ
い。なお、初回レポートでは若干甘めに判断がなされますが、2 回目・3 回目にすで
に説明や注意のあった点についてルールが無視された場合、おそらく相当に大きなペ
ナルティが与えられます。
4.よほどの理由がない限り、PC を使用してすべての課題を提出してください。どの課
題にしても、英語による提出は可能です(点数は日本語で出した場合と同じようにつ
きます)。
5.いろいろ書きましたが、
(合理的な理由があって、かつ常識のある方については)ご
相談に応じますので(僕は、どちからというとプラグマティックな人間で、杓子定規
に物事を進めるのは好きではないです)、もしも、何か事情があって授業に出られな
い、または何かが理由で履修にあたって困っているという場合は担当教員に連絡して
ください。
4
さまざまな理由で授業履修とともに読み進めると良い書籍
#
書名
著者
1 国家の対外行動
須藤季夫
G.クレイグ、
2 軍事力と現代外交
A.L.ジョージ
Palmer &
3 A Theory of Foreign Policy
Morgan
4 平和と安全保障
鈴木基史
出版社
東京大学出版会、2007 年
有斐閣、1997 年
Princeton University Press,
2006
東京大学出版会、2007 年
5
国際政治経済
飯田敬輔
東京大学出版会、2007 年
6
国際的相互依存
山本吉宣
東京大学出版会、1989 年
7
対立と共存の国際理論
山影進
東京大学出版会、1994 年
8
国際関係
鈴木基史
東京大学出版会、2000 年
9
石黒馨
勁草書房、2007 年
石黒馨
日本評論社、2010 年
J.アイケンベリー
NTT 出版、2004 年
Mayer
World Publication, 1967
13
入門国際政治経済の分析
インセンティブな国際政治学:戦争
は合理的に選択される
アフター・ヴィクトリー
Wilson vs. Lenin: Political Origins
of the New Diplomacy, 1917-1918
グロティウス
柳原正治
清水書院、2000 年
14
国際社会の法と政治
国際法学会編
三省堂、2001 年
15
The Limits of International Law
Goldsmith &
Posner
Cambridge University
Press, 2005
16
Modern Treaty Law and Practice
Aust
Cambridge University
Press, 2007 (2nd edition)
17
パラダイム国際法
小寺彰
有斐閣、2004 年
18
国際関係論研究入門(増補版)
岩田一政ほか
19
国境・誰がこの線を引いたのか
岩下昭裕編
20
Democratic Peace and Territorial
Conflict in the Twentieth Century
Huth, & Allee
21
Enduring Territorial Disputes
Wiegand
22
Redrawing the Map to Promote Peace
Tir
23
Leaders and International Conflict
Chiozza & Goemans
24
日本政治史
北岡伸一
東京大学出版会、2003 年
北海道大学出版会、2006
年
Cambridge University
Press, 2002
University of Georgia
Press, 2011
Lexington Books, 2006
Cambridge University
Press, 2011
有斐閣、2011 年
25
伊藤博文
伊藤之雄
26
弱い日本の強い円
佐々木融
27
基礎コース 国際経済学
澤田康幸
28
Network of Nations
Maoz
29
The Craft of International History
Trachtenberg
30
社会科学のリサーチ・デザイン
KKV
新世社、2004 年
Cambridge University
Press, 2010
Princeton University Press,
2006
勁草書房、2004 年
31
ゲーム理論・入門
岡田章
有斐閣、2008 年
32
計量政治分析入門
増山幹高・山田真裕
東京大学出版会、2004 年
10
11
12
メモ
講談社、2009 年
日本経済新聞出版社、
2011 年
5
メモ
6
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