...

(57)【要約】 本発明は、抗微生物活性を有するポリペプチドおよび前記ポリ

by user

on
Category: Documents
29

views

Report

Comments

Transcript

(57)【要約】 本発明は、抗微生物活性を有するポリペプチドおよび前記ポリ
JP 2007-527228 A 2007.9.27
(57)【 要 約 】
本発明は、抗微生物活性を有するポリペプチドおよび前記ポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を有するポリヌクレオチドに関する。また、本発明は、核酸構築物、ベク
ターおよび核酸構築物を含んでなる宿主細胞ならびに前記ポリペプチドを製造する方法お
よび使用する方法に関する。
(2)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式のアミノ酸配列を含んでなる、抗微生物活性を有するポリペプチド:
X1 -X2 -X3 -X4 -X5
式 中 X1 、 X2 、 X3 、 X4 お よ び X5 の 各 々 は ア ミ ノ 酸 配 列 P-P-R-F、 P-R-F-P、 R-F-P-P、 F-P-P
-R、 P-R-P-F、 R-P-F-P、 P-F-P-R、 F-P-R-P、 P-P-F-R、 P-F-R-P、 F-R-P-P、 R-P-P-F、 P-PR-L、 P-R-L-P、 R-L-P-P、 L-P-P-R、 P-R-P-L、 R-P-L-P、 P-L-P-R、 L-P-R-P、 P-P-L-R、 P-L
-R-P、 L-R-P-P、 R-P-P-L、 P-P-R-V、 P-R-V-P、 R-V-P-P、 V-P-P-R、 P-R-P-V、 R-P-V-P、 PV-P-R、 V-P-R-P、 P-P-V-R、 P-V-R-P、 V-R-P-P、 R-P-P-V、 P-P-R-I、 P-R-I-P、 R-I-P-P、 I
-P-P-R、 P-R-P-I、 R-P-I-P、 P-I-P-R、 I-P-R-P、 P-P-I-R、 P-I-R-P、 I-R-P-Pお よ び R-P-P
10
-Iか ら 成 る 群 か ら 選 択 さ れ 、 そ し て X1 ∼ X5 の う ち の 最 大 4つ は 同 一 で あ る 。
【請求項2】
X1 、 X2 、 X3 、 X4 お よ び X5 が 下 記 の ア ミ ノ 酸 配 列 か ら 成 る 群 か ら 選 択 さ れ る 、 請 求 項 1に
記載のポリペプチド:
P-P-R-Z1 、 P-R-Z2 -P、 R-Z3 -P-P、 Z4 -P-P-R、 P-R-P-Z5 、 R-P-Z6 -P、 P-Z7 -P-R、 Z8 -P-R-P、
P-P-Z9 -R、 P-Z1 0 -R-P、 Z1 1 -R-P-Pお よ び R-P-P-Z1 2 ;
式 中 Z1 ∼ Z1 2 ア ミ ノ 酸 を 除 外 し て 、 X1 ∼ X5 は 同 一 で あ り 、 そ し て Z1 ∼ Z1 2 は F、 L、 Vお よ
び Iか ら 成 る ア ミ ノ 酸 の 群 か ら 選 択 さ れ る 。
【請求項3】
下 記 式 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 ん で な る 、 請 求 項 1に 記 載 の ポ リ ペ プ チ ド :
20
X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6
式 中 X1 、 X2 、 X3 、 X4 、 X5 お よ び X6 の 各 々 は ア ミ ノ 酸 配 列 : P-P-R-F、 P-R-F-P、 R-F-P-P
、 F-P-P-R、 P-R-P-F、 R-P-F-P、 P-F-P-R、 F-P-R-P、 P-P-F-R、 P-F-R-P、 F-R-P-P、 R-P-PF、 P-P-R-L、 P-R-L-P、 R-L-P-P、 L-P-P-R、 P-R-P-L、 R-P-L-P、 P-L-P-R、 L-P-R-P、 P-P-L
-R、 P-L-R-P、 L-R-P-P、 R-P-P-L、 P-P-R-V、 P-R-V-P、 R-V-P-P、 V-P-P-R、 P-R-P-V、 R-PV-P、 P-V-P-R、 V-P-R-P、 P-P-V-R、 P-V-R-P、 V-R-P-P、 R-P-P-V、 P-P-R-I、 P-R-I-P、 R-I
-P-P、 I-P-P-R、 P-R-P-I、 R-P-I-P、 P-I-P-R、 I-P-R-P、 P-P-I-R、 P-I-R-P、 I-R-P-Pお よ
び R-P-P-Iか ら 成 る 群 か ら 選 択 さ れ 、 そ し て X1 ∼ X6 の う ち の 最 大 4つ は 同 一 で あ る 。
【請求項4】
X1 、 X2 、 X3 、 X4 、 X5 お よ び X6 が 下 記 の ア ミ ノ 酸 配 列 か ら 成 る 群 か ら 選 択 さ れ る 、 請 求 項
30
3に 記 載 の ポ リ ペ プ チ ド :
P-P-R-Z1 、 P-R-Z2 -P、 R-Z3 -P-P、 Z4 -P-P-R、 P-R-P-Z5 、 R-P-Z6 -P、 P-Z7 -P-R、 Z8 -P-R-P、
P-P-Z9 -R、 P-Z1 0 -R-P、 Z1 1 -R-P-Pお よ び R-P-P-Z1 2 ;
式 中 Z1 ∼ Z1 2 ア ミ ノ 酸 を 除 外 し て 、 X1 ∼ X6 は 同 一 で あ り 、 そ し て Z1 ∼ Z1 2 は F、 L、 Vお よ
び Iか ら 成 る ア ミ ノ 酸 の 群 か ら 選 択 さ れ る 。
【請求項5】
X1 ∼ X5 の う ち の 最 大 3つ が 同 一 で あ る 、 請 求 項 1∼ 4の い ず れ か に 記 載 の ポ リ ペ プ チ ド 。
【請求項6】
X1 ∼ X5 の う ち の 最 大 2つ が 同 一 で あ る 、 請 求 項 1∼ 5の い ず れ か に 記 載 の ポ リ ペ プ チ ド 。
【請求項7】
40
X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 が 3∼ 10ア ミ ノ 酸 の ア ミ ノ 酸 配 列 で 直 接 保 護 さ
れ て お り 、 そ れ ら の ア ミ ノ 酸 の う ち の 少 な く と も 2つ の ア ミ ノ 酸 が 中 性 pHに お い て 正 に 帯
電 し て い る 、 請 求 項 1∼ 6の い ず れ か に 記 載 の ポ リ ペ プ チ ド 。
【請求項8】
ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 か ら 成 る 、 請 求 項 1∼ 6の い ず れ
かに記載のポリペプチド。
【請求項9】
請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 を 有 す る ポ
リヌクレオチド。
【請求項10】
50
(3)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
適 当 な 宿 主 に お け る ポ リ ペ プ チ ド の 産 生 を 指 令 す る 1ま た は 2以 上 の 制 御 配 列 に 作 用 可 能
に 連 鎖 さ れ た 請 求 項 9に 記 載 の ヌ ク レ オ チ ド 配 列 を 含 ん で な る 核 酸 構 築 物 。
【請求項11】
請 求 項 10に 記 載 の 核 酸 構 築 物 を 含 ん で な る 組 換 え 発 現 ベ ク タ ー 。
【請求項12】
請 求 項 10に 記 載 の 核 酸 構 築 物 を 含 ん で な る 組 換 え 宿 主 細 胞 。
【請求項13】
下 記 の 工 程 を 含 ん で な る 、 請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の ポ リ ペ プ チ ド を 製 造 す る 方 法
:
(a) ポ リ ペ プ チ ド の 産 生 を 促 進 す る 条 件 下 に 請 求 項 12に 記 載 の 宿 主 細 胞 を 培 養 し 、 そ
10
して
(b) ポ リ ペ プ チ ド を 回 収 す る 。
【請求項14】
請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の ポ リ ペ プ チ ド を 含 ん で な る 組 成 物 。
【請求項15】
追 加 の 殺 生 物 剤 を さ ら に 含 ん で な る 、 請 求 項 14に 記 載 の 組 成 物 。
【請求項16】
微 生 物 細 胞 を 請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド と 接 触 さ せ る こ と
を含んでなる、微生物細胞を殺すか、あるいはその増殖を阻害する方法。
【請求項17】
20
界 面 活 性 剤 と 、 請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド と を 含 ん で な る
洗剤組成物。
【請求項18】
薬 剤 と し て 使 用 す る た め の 請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド 。
【請求項19】
動 物 お よ び ヒ ト の 抗 微 生 物 性 療 法 的 ま た は 予 防 的 薬 物 と し て 使 用 す る た め の 請 求 項 1∼ 8
のいずれかに記載の抗微生物性ポリペプチド。
【請求項20】
微生物感染の治療および予防に使用する動物およびヒトの療法的薬物の製造における請
求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド の 使 用 。
30
【請求項21】
微 生 物 細 胞 を 殺 す か 、 あ る い は そ の 増 殖 を 阻 害 す る た め の 請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載
の抗微生物性ポリペプチドの使用。
【請求項22】
請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の 抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る ヌ ク レ
オチド配列で形質転換されたトランスジェニック植物、植物部分または植物細胞。
【請求項23】
動 物 飼 料 に お け る 請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の 少 な く と も 1種 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ
チドの使用。
【請求項24】
40
動 物 飼 料 に お い て 使 用 す る 組 成 物 の 製 造 に お け る 請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の 少 な く
と も 1種 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド の 使 用 。
【請求項25】
下記の成分を含んでなる動物飼料添加物:
(a) 請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の 少 な く と も 1種 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド 、 お よ び
(b) 少 な く と も 1種 の 脂 溶 性 ビ タ ミ ン 、 お よ び /ま た は
(c) 少 な く と も 1種 の 水 溶 性 ビ タ ミ ン 、 お よ び /ま た は
(d) 少 な く と も 1種 の 微 量 ミ ネ ラ ル 、 お よ び /ま た は
(e) 少 な く と も 1種 の マ ク ロ ミ ネ ラ ル 。
【請求項26】
50
(4)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
フ ィ タ ー ゼ 、 キ シ ラ ナ ー ゼ 、 ガ ラ ク タ ナ ー ゼ お よ び /ま た は β -グ ル カ ナ ー ゼ を さ ら に 含
ん で な る 、 請 求 項 25に 記 載 の 動 物 飼 料 添 加 物 。
【請求項27】
50∼ 800 g/kgの 粗 タ ン パ ク 質 含 量 を 有 し 、 そ し て 請 求 項 1∼ 8の い ず れ か に 記 載 の 少 な く
と も 1種 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド を 含 ん で な る 動 物 飼 料 組 成 物 。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
抗 微 生 物 性 ペ プ チ ド (AMP) は 、 新 し い 活 性 モ ー ド を 有 す る 抗 微 生 物 剤 の 比 較 的 新 し く
発見されたグループである。
10
AMPは 動 物 、 植 物 お よ び 微 生 物 に お い て 広 く 分 布 し て お り 、 最 も 古 い 防 御 因 子 の 中 に 入
る。ペプチドの大部分は、カチオン性または両親媒性である; これは負に帯電した細菌ま
たは真菌の膜との相互作用を可能とする特徴である。
【0002】
ペ プ チ ド の 大 き さ は 6∼ 7ア ミ ノ 酸 か ら 60ア ミ ノ 酸 ま で の 範 囲 で あ る 。 500よ り 多 い 異 な
る AMPが 今 日 ま で 単 離 さ れ て き て い る 。 AMPは 構 造 ま た は ア ミ ノ 酸 組 成 に 基 づ い て い く つ か
の ク ラ ス に 分 割 さ れ る 。 最 も 簡 単 な 構 造 は 小 さ い α -ら せ ん 状 ペ プ チ ド で あ る 。 他 の AMPは
β -シ ー ト 構 造 に フ ォ ー ル ド す る が 、 他 の も の は 再 び 剛 性 の ジ サ ル フ ァ イ ド 架 橋 三 次 元 構
造を形成する。
【0003】
20
AMPは 通 常 殺 菌 性 で あ り (静 菌 的 ( static) と 反 対 に ) そ し て 極 端 に 速 く 作 用 す る 。 通
常 、 タ ー ゲ ッ ト 生 物 は 数 分 以 内 に 殺 さ れ る 。 AMPは タ ー ゲ ッ ト 生 物 の 膜 機 能 を 妨 害 す る こ
とによって働く。作用のいくつかの異なるメカニズムが存在することが示されているが、
ほ と ん ど の AMPに つ い て は 、 全 体 的 結 果 は 膜 の 崩 壊 お よ び /ま た は 細 胞 溶 解 で あ る 。
【0004】
微生物膜の選択性は、膜組成、膜電荷およびトランスメンブランポテンシャルにより仲
介されている。微生物膜は高等生物の膜よりも高い負電荷を有し、異なるタイプのリン脂
質を含有するが、コレステロールを含有しない。
タ ー ゲ ッ ト 生 物 に お い て AMPに 対 す る 耐 性 を 誘 導 す る こ と は 極 端 に 困 難 で あ る こ と が 証
明された。これはターゲットの反射である; 多数の変更が発生して、膜の組成または電荷
30
を変更させるに違いない。
【発明の開示】
【0005】
要約
第 1の 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 下 記 式 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 ん で な る 、 抗 微 生 物 活 性 を 有
するポリペプチドに関する:
X1 -X2 -X3 -X4 -X5
式 中 X1 、 X2 、 X3 、 X4 お よ び X5 の 各 々 は ア ミ ノ 酸 配 列 P-P-R-F、 P-R-F-P、 R-F-P-P、 F-P-P
-R、 P-R-P-F、 R-P-F-P、 P-F-P-R、 F-P-R-P、 P-P-F-R、 P-F-R-P、 F-R-P-P、 R-P-P-F、 P-PR-L、 P-R-L-P、 R-L-P-P、 L-P-P-R、 P-R-P-L、 R-P-L-P、 P-L-P-R、 L-P-R-P、 P-P-L-R、 P-L
40
-R-P、 L-R-P-P、 R-P-P-L、 P-P-R-V、 P-R-V-P、 R-V-P-P、 V-P-P-R、 P-R-P-V、 R-P-V-P、 PV-P-R、 V-P-R-P、 P-P-V-R、 P-V-R-P、 V-R-P-P、 R-P-P-V、 P-P-R-I、 P-R-I-P、 R-I-P-P、 I
-P-P-R、 P-R-P-I、 R-P-I-P、 P-I-P-R、 I-P-R-P、 P-P-I-R、 P-I-R-P、 I-R-P-Pお よ び R-P-P
-Iか ら 成 る 群 か ら 選 択 さ れ 、 そ し て X1 ∼ X5 の う ち の 最 大 4つ は 同 一 で あ る 。
【0006】
第 2の 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 を
有するポリヌクレオチドに関する。
第 3の 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 適 当 な 宿 主 に お け る ポ リ ペ プ チ ド の 産 生 を 指 令 す る 1ま た
は 2以 上 の 制 御 配 列 に 作 用 可 能 に 連 鎖 さ れ た 、 本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 、 ヌ ク
レオチド配列を含んでなる核酸構築物に関する。
50
(5)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
第 4の 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 本 発 明 の 核 酸 構 築 物 を 含 ん で な る 組 換 え 発 現 ベ ク タ ー に
関する。
【0007】
第 5の 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 本 発 明 の 核 酸 構 築 物 を 含 ん で な る 組 換 え 宿 主 細 胞 に 関 す
る。
第 6の 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 下 記 の 工 程 を 含 ん で な る 、 本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド を 製 造
する方法に関する:
(a) ポ リ ペ プ チ ド の 産 生 を 促 進 す る 条 件 下 に 請 求 項 12に 記 載 の 宿 主 細 胞 を 培 養 し 、 そ
して
(b) ポ リ ペ プ チ ド を 回 収 す る 。
10
本発明の他の面は、下記の説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
定義
本発明をさらに詳細に説明する前に、下記の用語およびコンベンションをまず定義する
。
抗微生物活性: 用語「抗微生物活性」は、微生物細胞を殺すか、あるいはその増殖を阻
害することができる活性として、本明細書において定義する。本発明の関係において、用
語 「 抗 微 生 物 性 」 は 、 殺 細 菌 作 用 お よ び /ま た は 静 細 菌 作 用 お よ び /ま た は 殺 真 菌 作 用 お
よ び /ま た は 静 真 菌 作 用 お よ び /ま た は 殺 ウ イ ル ス 作 用 が 存 在 す る を 意 味 す る こ と を 意 図 し
20
、 こ こ で 用 語 「 殺 細 菌 」 (bactericidal) は 細 菌 細 胞 を 殺 す こ と が で き る と し て 理 解 す
べ き で あ る 。 用 語 「 静 細 菌 」 (bacteriostatic) は 、 細 菌 の 増 殖 を 阻 害 す る 、 す な わ ち
、増殖する細菌細胞を阻害することができるとして理解すべきである。用語 「殺真菌」
(fungicidal) は 、 真 菌 細 胞 を 殺 す こ と が で き る と し て 理 解 す べ き で あ る 。 用 語 「 静 真 菌
」 (fungistatic) は 、 真 菌 の 増 殖 を 阻 害 す る 、 す な わ ち 、 増 殖 す る 真 菌 細 胞 を 阻 害 す る
こ と が で き る と し て 理 解 す べ き で あ る 。 用 語 「 殺 ウ イ ル ス 」 (virucidal) は 、 ウ イ ル ス
を殺すことができるとして理解すべきである。用語 「微生物細胞」 は、細菌細胞または
真 菌 細 胞 (酵 母 を 包 含 す る ) を 意 味 す る 。
【0009】
本発明の関係において、用語 「微生物細胞の増殖を阻害する」 は、細胞が非増殖状態
30
にあること、すなわち、細胞が増殖することができないことを意味する。
本発明の目的に対して、抗微生物活性は下記の文献に記載されている手順に従い決定す
る こ と が で き る : Lehrer 他 、 Journal of Immunological Methods Vol. 137 (2) pp. 167
-174 (1991)。
【0010】
抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド は 、 抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド の 25%(w/w)
の 水 溶 液 、 好 ま し く は 10%(w/w) の 水 溶 液 、 よ り 好 ま し く は 5%(w/w) の 水 溶 液 、 な お よ り
好 ま し く は 1%(w/w) の 水 溶 液 、 最 も 好 ま し く は 0.5%(w/w) の 水 溶 液 、 特 に 0.1%(w/w) の 水
溶 液 中 で 20℃ に お い て 8時 間 (好 ま し く は 4時 間 、 よ り 好 ま し く は 2時 間 、 最 も 好 ま し く は 1
時 間 、 特 に 30分 ) イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 大 腸 菌 (Escherichia coli) (DSM 1576) の 生
40
き て い る 細 胞 の 数 を 1/100に 減 少 さ せ る こ と が で き る 。
【0011】
ま た 、 抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド は 、 1000 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 好 ま し
く は 500 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 よ り 好 ま し く は 250 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 な お
よ り 好 ま し く は 100 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 最 も 好 ま し く は 50 ppmの 濃 度 で 添 加 し た
と き 、 特 に 25 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 微 生 物 増 殖 基 質 中 で 25℃ に お い て 24時 間 大 腸 菌
(Escherichia coli) (DSM 1576) の 発 芽 後 成 長 を 阻 害 す る こ と が で き る 。
【0012】
抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド は 、 抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド の 25%(w/w)
の 水 溶 液 、 好 ま し く は 10%(w/w) の 水 溶 液 、 よ り 好 ま し く は 5%(w/w) の 水 溶 液 、 な お よ り
50
(6)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
好 ま し く は 1%(w/w) の 水 溶 液 、 最 も 好 ま し く は 0.5%(w/w) の 水 溶 液 、 特 に 0.1%(w/w) の 水
溶 液 中 で 20℃ に お い て 8時 間 (好 ま し く は 4時 間 、 よ り 好 ま し く は 2時 間 、 最 も 好 ま し く は 1
時 間 、 特 に 30分 ) イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 バ シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (Bacillus subtilis) (
ATCC 6633) の 生 き て い る 細 胞 の 数 を 1/100に 減 少 さ せ る こ と が で き る 。
【0013】
ま た 、 抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド は 、 1000 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 好 ま し
く は 500 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 よ り 好 ま し く は 250 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 な お
よ り 好 ま し く は 100 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 最 も 好 ま し く は 50 ppmの 濃 度 で 添 加 し た
と き 、 特 に 25 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 微 生 物 増 殖 基 質 中 で 25℃ に お い て 24時 間 バ シ ラ
ス ・ サ ブ チ リ ス (Bacillus subtilis) (ATCC 6633) の 発 芽 後 成 長 を 阻 害 す る こ と が で き
10
る。
【0014】
本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド は 、 配 列 番 号 1∼ 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 配 列 か ら
成 る ポ リ ペ プ チ ド の 抗 微 生 物 活 性 の 少 な く と も 20%を 有 す る こ と が 好 ま し い 。 特 に 好 ま し
い 態 様 に お い て 、 ポ リ ペ プ チ ド は 、 配 列 番 号 1∼ 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 配
列 か ら 成 る ポ リ ペ プ チ ド の 抗 微 生 物 活 性 の 少 な く と も 40%、 例 え ば 、 少 な く と も 50%、 好 ま
し く は 少 な く と も 60%、 例 え ば 、 少 な く と も 70%、 よ り 好 ま し く は 少 な く と も 80%、 例 え ば
、 少 な く と も 90%、 最 も 好 ま し く は 少 な く と も 95%、 例 え ば 、 約 ま た は 少 な く と も 100%を 有
するべきである。
【0015】
20
フラグメント: 本発明のアミノ酸配列の「フラグメント」は、本明細書において使用す
る と き 、 1ま た は 2以 上 の ア ミ ノ 酸 が ア ミ ノ 末 端 お よ び /ま た は カ ル ボ キ シ ル 末 端 か ら 欠 失
さ れ て い る 、 ポ リ ペ プ チ ド の サ ブ 配 列 で あ る 。 好 ま し く は 、 1ま た は 2以 上 の ア ミ ノ 酸 が カ
ル ボ キ シ ル 末 端 か ら 欠 失 さ れ て い る 。 好 ま し く は 、 フ ラ グ メ ン ト は 少 な く と も 20ア ミ ノ 酸
から成る。
【0016】
対立遺伝子変異型: 本発明の関係において、用語 「対立遺伝子変異型」 は、同一染色
体 位 置 を 占 有 す る 遺 伝 子 の 2ま た は そ れ 以 上 の 選 択 的 形 態 の い ず れ か を 意 味 す る 。 対 立 遺
伝子変異型は自然に突然変異を通して生じ、そして集団内で多形性を生ずることがある。
遺 伝 子 の 突 然 変 異 は サ イ レ ン ト で あ る (コ ー ド 化 さ れ た ポ リ ペ プ チ ド に お け る 変 化 が 存 在
30
しない) か、あるいは変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることが
できる。ポリペプチドの対立遺伝子変異型は、遺伝子の対立遺伝子変異型によりコードさ
れるポリペプチドである。
【0017】
実質的に純粋なポリヌクレオチド: 用語 「実質的に純粋なポリヌクレオチド」 は、本
明細書において使用するとき、ポリヌクレオチドがその自然の遺伝的環境から除去されて
おり、こうして他の外来性または望ましくないコード配列を含まず、遺伝子操作されたタ
ンパク質製造系内の使用に適した形態である、ポリヌクレオチド調製物を意味する。こう
して、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、それが自然に関連する他のポリヌクレオチド
物 質 を 最 大 10重 量 %で 含 有 す る (よ り 低 い 百 分 率 の 他 の ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 物 質 が 好 ま し い
40
、 例 え ば 、 最 大 8重 量 %、 最 大 6重 量 %、 最 大 5重 量 %、 最 大 4重 量 %、 最 大 3重 量 %、 最 大 2重 量 %
、 最 大 1重 量 %、 お よ び 最 大 0.5重 量 %)。 し か し な が ら 、 実 質 的 に 純 粋 な ポ リ ヌ ク レ オ チ ド
は 、 天 然 に 存 在 す る 5’ お よ び 3’ 非 翻 訳 領 域 、 例 え ば 、 プ ロ モ ー タ ー お よ び タ ー ミ ネ ー タ
ーを含むことができる。
【0018】
実 質 的 に 純 粋 な ポ リ ヌ ク レ オ チ ド は 少 な く と も 92%の 純 度 を 有 す る 、 す な わ ち 、 ポ リ ヌ
ク レ オ チ ド は 調 製 物 中 に 存 在 す る 全 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 物 質 の 少 な く と も 92重 量 %を 構 成 す
る こ と が 好 ま し く 、 そ し て よ り 高 い 百 分 率 、 例 え ば 、 少 な く と も 94%、 少 な く と も 95%、 少
な く と も 96%、 少 な く と も 97%、 少 な く と も 98%、 少 な く と も 99%、 お よ び 少 な く と も 99.5%
の純度であることが好ましい。本明細書に開示するポリヌクレオチドは、実質的に純粋な
50
(7)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
形態であることが好ましい。特に、本明細書に開示するポリヌクレオチドは「本質的に純
粋な形態」である、すなわち、ポリヌクレオチド調製物はそれが自然に関連する他のポリ
ヌクレオチド物質を本質的に含まないことが好ましい。ここにおいて、用語 「実質的に
純粋なポリヌクレオチド」 は、用語 「単離されたポリヌクレオチド」 および「単離さ
れた形態のポリヌクレオチド」と同義である。
【0019】
1ま た は 2以 上 の 修 飾 : 本 発 明 の 関 係 に お い て 、 用 語 「 1ま た は 2以 上 の 修 飾 」 は 、 下 記
式のアミノ酸配列から成るポリペプチド:
X1 -X2 -X3 -X4 -X5
式 中 X1 、 X2 、 X3 、 X4 お よ び X5 の 各 々 は ア ミ ノ 酸 配 列 P-P-R-F、 P-R-F-P、 R-F-P-P、 F-P-P
10
-R、 P-R-P-F、 R-P-F-P、 P-F-P-R、 F-P-R-P、 P-P-F-R、 P-F-R-P、 F-R-P-P、 R-P-P-F、 P-PR-L、 P-R-L-P、 R-L-P-P、 L-P-P-R、 P-R-P-L、 R-P-L-P、 P-L-P-R、 L-P-R-P、 P-P-L-R、 P-L
-R-P、 L-R-P-P、 R-P-P-L、 P-P-R-V、 P-R-V-P、 R-V-P-P、 V-P-P-R、 P-R-P-V、 R-P-V-P、 PV-P-R、 V-P-R-P、 P-P-V-R、 P-V-R-P、 V-R-P-P、 R-P-P-V、 P-P-R-I、 P-R-I-P、 R-I-P-P、 I
-P-P-R、 P-R-P-I、 R-P-I-P、 P-I-P-R、 I-P-R-P、 P-P-I-R、 P-I-R-P、 I-R-P-Pお よ び R-P-P
-Iか ら 成 る 群 か ら 選 択 さ れ 、 そ し て X1 ∼ X5 の う ち の 最 大 4つ は 同 一 で あ る ; ま た は 配 列 番
号 1∼ 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 ア ミ ノ 酸 配 列 の 化 学 的 修 飾 な ら び に ポ リ ペ プ
チ ド を コ ー ド す る DNAの 遺 伝 的 操 作 を 意 味 す る こ と を 意 図 す る 。
【0020】
1ま た は 2以 上 の 修 飾 は 、 1ま た は 2以 上 の ア ミ ノ 酸 鎖 の 1ま た は 2以 上 の 置 換 、 問 題 の 1ま
20
た は 2以 上 の ア ミ ノ 酸 の 中 の ま た は ア ミ ノ 酸 に お け る 1ま た は 2以 上 の 置 換 、 1ま た は 2以 上
の 欠 失 お よ び /ま た は 1ま た は 2以 上 の 挿 入 ; ま た は ア ミ ノ 酸 配 列 に お け る 同 様 な 特 性 を も
つ 非 天 然 ア ミ ノ 酸 の 使 用 で あ る こ と が で き る 。 特 に 、 1ま た は 2以 上 の 修 飾 は ア ミ ド 化 、 例
え ば 、 C-末 端 に お け る ア ミ ド 化 で あ る こ と が で き る 。
【0021】
cDNA: 用 語 「 cDNA」 は 、 こ の 関 係 に お い て 使 用 す る と き 、 真 核 細 胞 に 由 来 す る 成 熟 、
ス プ ラ イ ス ド 、 mRNA分 子 か ら 逆 転 写 に よ り 製 造 す る こ と が で き る DNA分 子 を 包 含 す る こ と
を 意 図 す る 。 cDNAは 、 通 常 対 応 す る ゲ ノ ム DNA中 に 存 在 す る イ ン ト ロ ン 配 列 を 欠 如 す る 。
最 初 の 一 次 的 RNA転 写 体 は mRNAに 対 す る 前 駆 体 で あ り 、 そ し て そ れ は 1連 の プ ロ セ シ ン グ 事
象 を 通 過 し た 後 、 成 熟 ス プ ラ イ ス ド mRNAと し て 出 現 す る 。 こ れ ら の 事 象 は 、 ス プ ラ イ シ ン
30
グ と 呼 ぶ プ ロ セ ス に よ る イ ン ト ロ ン の 除 去 を 含 む 。 し た が っ て cDNAが mRNAか ら 誘 導 さ れ る
とき、それはイントロン配列を欠如する。
【0022】
核酸構築物: 本明細書において使用するとき、用語 「核酸構築物」 は、天然に存在す
る遺伝子から単離された、またはそうでなければ天然に存在しない方法で核酸のセグメン
トを含有するように修飾された、一本鎖または二本鎖の核酸分子を意味する。用語 「核
酸構築物」 は、核酸構築物が本発明のコード配列の発現に要求される制御配列を含有す
るとき、用語 「発現カセット」 と同義である。
【0023】
制御配列: 用語 「制御配列」 は、本発明のポリペプチドの発現に必要なまたは好都合
40
な、すべてが成分を含むと、ここにおいて定義される。各制御配列は、ポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列に対して自然または外来であることができる。このような制御
配列は、下記のものを包含するが、これらに限定されない:リーダー、ポリアデニル化配
列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、および転写ターミネータ
ー。最小において、制御配列はプロモーター、および転写および翻訳停止シグナルを包含
する。制御配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のコーディング領域との
制御配列の結合を促進する特異的制限部位を導入する目的で、リンカーを有することがで
きる。
【0024】
作用可能に連鎖された: 用語 「作用可能に連鎖された」 は、制御配列がポリペプチド
50
(8)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
の 発 現 を 指 令 す る よ う に 、 DNA配 列 の コ ー ド 配 列 に 関 し て 制 御 配 列 が 適 当 に 配 置 さ れ て い
る立体配置として本明細書において定義される。
【0025】
コード配列: 本明細書において使用するとき、用語 「コード配列」 は、そのタンパク
質産物のアミノ酸配列を直接特定する、ヌクレオチド配列を包含することを意図する。コ
ー ド 配 列 の 境 界 は 、 通 常 ATG開 始 コ ド ン で 開 始 す る 、 オ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム に よ
り 一 般 に 決 定 さ れ る 。 典 型 的 に は 、 コ ー ド 配 列 は 、 DNA、 cDNAお よ び 組 換 え ヌ ク レ オ チ ド
配列を包含する。
【0026】
発現: 本発明の関係において、用語 「発現」 は、ポリペプチドの産生に関係する工程
10
を包含し、それらは下記を包含するが、これらに限定されない:転写、転写後の修飾、翻
訳、および翻訳後の修飾。好ましくは、発現はまたポリペプチドの分泌を包含する。
発現ベクター: 本発明の関係において、用語 「発現ベクター」 は、本発明のポリペプ
チドをコードするセグメントを含んでなり、そしてその転写を提供する追加のセグメント
に 作 用 可 能 に 連 鎖 さ れ た 、 線 状 ま た は 環 状 の DNA分 子 を 包 含 す る 。
【0027】
宿主細胞: 用語 「宿主細胞」 は、本明細書において使用するとき、核酸構築物による
形質転換に対して感受性である、任意の細胞のタイプを包含する。
用語 「ポリヌクレオチドプローブ」 、「ハイブリダイゼーション」ならびに種々のス
トリンジェンシイの条件は、「抗微生物活性を有するポリペプチド」と題する節において
20
定義される。
【0028】
詳細な説明
抗微生物活性を有するポリペプチド
第 1の 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド に 関 し 、 式 中 ポ リ ペ
プ チ ド は 好 ま し く は ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 か ら 成 り 、 式 中 X1 、 X2 、 X3 、 X4 お よ び X5
は 独 立 し て P-P-R-Z1 、 P-R-Z2 -P、 R-Z3 -P-P、 Z4 -P-P-R、 P-R-P-Z5 、 R-P-Z6 -P、 P-Z7 -P-R、
Z8 -P-R-P、 P-P-Z9 -R、 P-Z1 0 -R-P、 Z1 1 -R-P-Pま た は R-P-P-Z1 2 で あ り 、 式 中 Z1 、 Z2 、 Z3 、 Z
4
、 Z5 、 Z6 、 Z7 、 Z8 、 Z9 、 Z1 0 、 Z1 1 お よ び Z1 2 は 独 立 し て F、 L、 Vま た は Iで あ る 。
【0029】
30
本発明は、また、抗微生物活性を有するポリペプチドに関し、ここでポリペプチドは好
ま し く は ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 か ら 成 り 、 式 中 X1 、 X2 、 X3 、 X4 お よ び X5 の 各 々 は ア
ミ ノ 酸 配 列 P-P-R-F、 P-R-F-P、 R-F-P-P、 F-P-P-R、 P-R-P-F、 R-P-F-P、 P-F-P-R、 F-P-R-P
、 P-P-F-R、 P-F-R-P、 F-R-P-P、 R-P-P-F、 P-P-R-L、 P-R-L-P、 R-L-P-P、 L-P-P-R、 P-R-PL、 R-P-L-P、 P-L-P-R、 L-P-R-P、 P-P-L-R、 P-L-R-P、 L-R-P-P、 R-P-P-L、 P-P-R-V、 P-R-V
-P、 R-V-P-P、 V-P-P-R、 P-R-P-V、 R-P-V-P、 P-V-P-R、 V-P-R-P、 P-P-V-R、 P-V-R-P、 V-RP-P、 R-P-P-V、 P-P-R-I、 P-R-I-P、 R-I-P-P、 I-P-P-R、 P-R-P-I、 R-P-I-P、 P-I-P-R、 I-P
-R-P、 P-P-I-R、 P-I-R-P、 I-R-P-Pお よ び R-P-P-Iか ら 成 る 群 か ら 選 択 さ れ る 。
【0030】
あ る 態 様 に お い て 、 X1 、 X2 、 X3 、 X4 お よ び X5 は 下 記 の ア ミ ノ 酸 配 列 か ら 成 る 群 か ら 選 択
40
される:
P-P-R-Z1 、 P-R-Z2 -P、 R-Z3 -P-P、 Z4 -P-P-R、 P-R-P-Z5 、 R-P-Z6 -P、 P-Z7 -P-R、 Z8 -P-R-P、
P-P-Z9 -R、 P-Z1 0 -R-P、 Z1 1 -R-P-Pお よ び R-P-P-Z1 2 ; 式 中 Z1 ∼ Z1 2 ア ミ ノ 酸 を 除 外 し て 、 X1
∼ X5 は 同 一 で あ り 、 そ し て Z1 ∼ Z1 2 は F、 L、 Vお よ び Iか ら 成 る ア ミ ノ 酸 の 群 か ら 選 択 さ れ
る。
【0031】
好 ま し く は 、 X1 ∼ X5 の う ち の 最 大 4つ は 同 一 で あ り 、 よ り 好 ま し く は X1 ∼ X5 の う ち の 最
大 3つ は 同 一 で あ り 、 最 も 好 ま し く は X1 ∼ X5 の う ち の 最 大 2つ は 同 一 で あ る 。
あ る 態 様 に お い て 、 X1 =X2 =X3 =X4 =X5 は P-P-R-Z1 、 P-R-Z2 -P、 R-Z3 -P-P、 Z4 -P-P-R、 P-RP-Z5 、 R-P-Z6 -P、 P-Z7 -P-R、 Z8 -P-R-P、 P-P-Z9 -R、 P-Z1 0 -R-P、 Z1 1 -R-P-Pま た は R-P-P-Z1
50
(9)
2
JP 2007-527228 A 2007.9.27
で あ り 、 た だ し Z1 、 Z2 、 Z3 、 Z4 、 Z5 、 Z6 、 Z7 、 Z8 、 Z9 、 Z1 0 、 Z1 1 お よ び Z1 2 は X1 、 X2 、 X3
、 X4 お よ び X5 か ら 独 立 し て F、 L、 Vま た は Iで あ る 。
【0032】
他の態様において、本発明は、抗微生物活性を有するポリペプチドに関し、ここでポリ
ペ プ チ ド は 好 ま し く は ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 か ら 成 り 、 式 中 X1 、 X2 、 X3 、 X4 、 X
5
お よ び X6 は 独 立 し て P-P-R-Z1 、 P-R-Z2 -P、 R-Z3 -P-P、 Z4 -P-P-R、 P-R-P-Z5 、 R-P-Z6 -P、 P
-Z7 -P-R、 Z8 -P-R-P、 P-P-Z9 -R、 P-Z1 0 -R-P、 Z1 1 -R-P-Pま た は R-P-P-Z1 2 で あ り 、 式 中 Z1 、
Z2 、 Z3 、 Z4 、 Z5 、 Z6 、 Z7 、 Z8 、 Z9 、 Z1 0 、 Z1 1 お よ び Z1 2 は 独 立 し て F、 L、 Vま た は Iで あ る
。
【0033】
10
他の態様において、本発明は、抗微生物活性を有するポリペプチドに関し、ここでポリ
ペ プ チ ド は 好 ま し く は ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 か ら 成 り 、 式 中 X1 、 X2 、 X3 、 X4 、 X
5
お よ び X6 の 各 々 は ア ミ ノ 酸 配 列 : P-P-R-F、 P-R-F-P、 R-F-P-P、 F-P-P-R、 P-R-P-F、 R-P-
F-P、 P-F-P-R、 F-P-R-P、 P-P-F-R、 P-F-R-P、 F-R-P-P、 R-P-P-F、 P-P-R-L、 P-R-L-P、 R-L
-P-P、 L-P-P-R、 P-R-P-L、 R-P-L-P、 P-L-P-R、 L-P-R-P、 P-P-L-R、 P-L-R-P、 L-R-P-P、 RP-P-L、 P-P-R-V、 P-R-V-P、 R-V-P-P、 V-P-P-R、 P-R-P-V、 R-P-V-P、 P-V-P-R、 V-P-R-P、 P
-P-V-R、 P-V-R-P、 V-R-P-P、 R-P-P-V、 P-P-R-I、 P-R-I-P、 R-I-P-P、 I-P-P-R、 P-R-P-I、
R-P-I-P、 P-I-P-R、 I-P-R-P、 P-P-I-R、 P-I-R-P、 I-R-P-Pお よ び R-P-P-Iか ら 成 る 群 か ら
選択される。
【0034】
20
他 の 態 様 に お い て 、 X1 、 X2 、 X3 、 X4 、 X5 お よ び X6 は 下 記 の ア ミ ノ 酸 配 列 か ら 成 る 群 か ら
選択される:
P-P-R-Z1 、 P-R-Z2 -P、 R-Z3 -P-P、 Z4 -P-P-R、 P-R-P-Z5 、 R-P-Z6 -P、 P-Z7 -P-R、 Z8 -P-R-P、
P-P-Z9 -R、 P-Z1 0 -R-P、 Z1 1 -R-P-Pお よ び R-P-P-Z1 2 ;
式 中 Z1 ∼ Z1 2 ア ミ ノ 酸 を 除 外 し て 、 X1 ∼ X6 は 同 一 で あ り 、 そ し て Z1 ∼ Z1 2 は F、 L、 Vお よ
び Iか ら 成 る ア ミ ノ 酸 の 群 か ら 選 択 さ れ る 。
【0035】
好 ま し く は 、 X1 ∼ X6 の う ち の 最 大 4つ は 同 一 で あ り 、 よ り 好 ま し く は X1 ∼ X6 の う ち の 最
大 3つ は 同 一 で あ り 、 最 も 好 ま し く は X1 ∼ X6 の う ち の 最 大 2つ は 同 一 で あ る 。
あ る 態 様 に お い て 、 式 中 X1 =X2 =X3 =X4 =X5 =X6 は P-P-R-Z1 、 P-R-Z2 -P、 R-Z3 -P-P、 Z4 -P-P-
30
R、 P-R-P-Z5 、 R-P-Z6 -P、 P-Z7 -P-R、 Z8 -P-R-P、 P-P-Z9 -R、 P-Z1 0 -R-P、 Z1 1 -R-P-Pま た は R
-P-P-Z1 2 で あ り 、 た だ し Z1 、 Z2 、 Z3 、 Z4 、 Z5 、 Z6 、 Z7 、 Z8 、 Z9 、 Z1 0 、 Z1 1 お よ び Z1 2 は X1
、 X2 、 X3 、 X4 、 X5 お よ び X6 か ら 独 立 し て F、 L、 Vま た は Iで あ る 。
【0036】
好ましい態様において、本発明は、抗微生物活性を有するポリペプチドに関し、ここで
ポ リ ペ プ チ ド は 配 列 番 号 1ま た は 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 ん で な り
、好ましくはから成る。
【0037】
本 発 明 の な お 他 の 態 様 に お い て 、 ア ミ ノ 酸 配 列 は 、 下 記 の ア ミ ノ 酸 配 列 と 最 大 5ア ミ ノ
酸 (例 え ば 、 5ア ミ ノ 酸 ) だ け 、 例 え ば 、 最 大 4ア ミ ノ 酸 (例 え ば 、 4ア ミ ノ 酸 ) だ け 、 例
40
え ば 、 最 大 3ア ミ ノ 酸 (例 え ば 、 3ア ミ ノ 酸 ) だ け 、 特 に 最 大 2ア ミ ノ 酸 (例 え ば 、 2ア ミ ノ
酸 ) だ け 、 例 え ば 、 1ア ミ ノ 酸 だ け 異 な る : ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ; 式 中 X1 、 X2 、 X
3
、 X4 お よ び X5 の 各 々 は ア ミ ノ 酸 配 列 P-P-R-F、 P-R-F-P、 R-F-P-P、 F-P-P-R、 P-R-P-F、 R-
P-F-P、 P-F-P-R、 F-P-R-P、 P-P-F-R、 P-F-R-P、 F-R-P-P、 R-P-P-F、 P-P-R-L、 P-R-L-P、 R
-L-P-P、 L-P-P-R、 P-R-P-L、 R-P-L-P、 P-L-P-R、 L-P-R-P、 P-P-L-R、 P-L-R-P、 L-R-P-P、
R-P-P-L、 P-P-R-V、 P-R-V-P、 R-V-P-P、 V-P-P-R、 P-R-P-V、 R-P-V-P、 P-V-P-R、 V-P-R-P
、 P-P-V-R、 P-V-R-P、 V-R-P-P、 R-P-P-V、 P-P-R-I、 P-R-I-P、 R-I-P-P、 I-P-P-R、 P-R-PI、 R-P-I-P、 P-I-P-R、 I-P-R-P、 P-P-I-R、 P-I-R-P、 I-R-P-Pお よ び R-P-P-Iか ら 成 る 群 か
ら選択される;
【0038】
50
(10)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
ま た は ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 ; 式 中 X1 、 X2 、 X3 、 X4 、 X5 お よ び X6 の 各 々 は ア
ミ ノ 酸 配 列 : P-P-R-F、 P-R-F-P、 R-F-P-P、 F-P-P-R、 P-R-P-F、 R-P-F-P、 P-F-P-R、 F-P-R
-P、 P-P-F-R、 P-F-R-P、 F-R-P-P、 R-P-P-F、 P-P-R-L、 P-R-L-P、 R-L-P-P、 L-P-P-R、 P-RP-L、 R-P-L-P、 P-L-P-R、 L-P-R-P、 P-P-L-R、 P-L-R-P、 L-R-P-P、 R-P-P-L、 P-P-R-V、 P-R
-V-P、 R-V-P-P、 V-P-P-R、 P-R-P-V、 R-P-V-P、 P-V-P-R、 V-P-R-P、 P-P-V-R、 P-V-R-P、 VR-P-P、 R-P-P-V、 P-P-R-I、 P-R-I-P、 R-I-P-P、 I-P-P-R、 P-R-P-I、 R-P-I-P、 P-I-P-R、 I
-P-R-P、 P-P-I-R、 P-I-R-P、 I-R-P-Pお よ び R-P-P-Iか ら 成 る 群 か ら 選 択 さ れ る ;
ま た は 配 列 番 号 1ま た は 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 配 列 。
【0039】
好 ま し く は 、 本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド は 、 ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X
4
10
-X5 -X6 ま た は 配 列 番 号 1ま た は 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 配 列 ; ま た は 抗 微 生
物活性を有するそれらのフラグメントを含んでなる。好ましい態様において、ポリペプチ
ド は ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 ま た は 配 列 番 号 1ま た は 配 列 番
号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 配 列 か ら 成 る 。
【0040】
本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド を 構 築 す る ア ミ ノ 酸 は 、 独 立 し て D型 ま た は L型 か ら 選 択 す る こ と
ができる。
本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド は 、 20∼ 500ア ミ ノ 酸 、 好 ま し く は 20∼ 400ア ミ ノ 酸 、 よ り 好 ま し
く は 20∼ 300ア ミ ノ 酸 、 な お よ り 好 ま し く は 20∼ 200ア ミ ノ 酸 (例 え ば 、 20∼ 150ア ミ ノ 酸 )
、 最 も 好 ま し く は 20∼ 100ア ミ ノ 酸 、 特 に 20∼ 50ア ミ ノ 酸 か ら 成 る こ と が で き る 。
20
【0041】
ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 の す ぐ 前 に 3∼ 10ア ミ ノ 酸 (例 え
ば 、 3∼ 5ア ミ ノ 酸 ) の ア ミ ノ 酸 配 列 が 存 在 す る こ と が で き 、 そ れ ら の う ち の 少 な く と も 2
つ の ア ミ ノ 酸 は 中 性 pHに お い て 正 に 帯 電 し て い る (例 え ば 、 ア ル ギ ニ ン 、 リ シ ン ま た は ヒ
ス チ ジ ン )。 好 ま し く は 、 ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 の す ぐ 前
に ア ミ ノ 酸 配 列 R-X7 -Rが 存 在 し 、 式 中 X7 は R、 F、 L、 Vま た は Iで あ る 。 用 語 「 す ぐ 前 に ∼
存 在 す る 」 は 、 ア ミ ノ 酸 配 列 が ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 の
N-末 端 に 結 合 さ れ て い る こ と を 意 味 す る 。
【0042】
本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド は 人 工 的 変 異 型 で あ る こ と が で き 、 こ こ で ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3
30
-X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 ま た は 配 列 番 号 1ま た は 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ
ノ 酸 配 列 に 比 較 し て 、 変 異 型 は 最 大 3、 例 え ば 、 最 大 2、 例 え ば 、 最 大 1の 置 換 、 欠 失 お よ
び /ま た は 挿 入 を 有 す る ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 ん で な り 、 好 ま し く は か ら 成 る 。
【0043】
このような人工的変異型は、この分野において知られている標準的技術、例えば、アミ
ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 ま た は 配 列 番 号 1ま た は 配 列 番 号 319の
い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 ん で な る ポ リ ペ プ チ ド の 位 置 指 定 /ラ ン ダ ム 突 然 変 異 誘 発
に よ り 構 築 す る こ と が で き る 。 本 発 明 の 1つ の 態 様 に お い て 、 ア ミ ノ 酸 変 化 は 小 さ い 、 す
な わ ち 、 タ ン パ ク 質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ お よ び /ま た は 活 性 を 有 意 に 変 更 し な い 保 存 的 ア
ミ ノ 酸 置 換 ; 小 さ い 欠 失 、 典 型 的 に は 1∼ 5ア ミ ノ 酸 の 欠 失 ; 小 さ い ア ミ ノ 末 端 ま た は カ ル
40
ボ キ シ ル 末 端 の 延 長 、 例 え ば 、 ア ミ ノ 末 端 の メ チ オ ニ ン 残 基 ; 約 10∼ 25残 基 ま で の 小 さ い
リンカーペプチド; または正味の電荷または他の機能、例えば、ポリヒスチジントラクト
、抗原性エピトープまたは結合性ドメインを変化させることによって精製を促進する小さ
い延長である。
【0044】
保 存 的 置 換 の 例 は 、 塩 基 性 ア ミ ノ 酸 (例 え ば 、 ア ル ギ ニ ン 、 リ シ ン ま た は ヒ ス チ ジ ン )
、 酸 性 ア ミ ノ 酸 (グ ル タ ミ ン 酸 お よ び ア ス パ ラ ギ ン 酸 )、 極 性 ア ミ ノ 酸 (グ ル タ ミ ン お よ
び ア ス パ ラ ギ ン )、 疎 水 性 ア ミ ノ 酸 (ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 バ リ ン お よ び メ チ オ ニ ン )
、 芳 香 族 ア ミ ノ 酸 (フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン 、 ト リ プ ト フ ァ ン お よ び チ ロ シ ン )、 お よ び 小 さ い
ア ミ ノ 酸 (グ リ シ ン 、 ア ラ ニ ン 、 セ リ ン お よ び ト レ オ ニ ン ) の グ ル ー プ 内 で あ る 。 一 般 に
50
(11)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
比活性を変更しないアミノ酸置換はこの分野において知られており、そして、例えば、下
記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る : H. Neurathお よ び R. L. Hill、 1979、 The Proteins、 Academ
ic Press, New York。 最 も 普 通 に 発 生 す る 変 化 は 次 の 通 り で あ る : Ala/Ser、 Val/Ile、 As
p/Glu、 Thr/Ser、 Ala/Gly、 Ala/Thr、 Ser/Asn、 Ala/Val、 Ser/Gly、 Tyr/Phe、 Ala/Pro、 L
ys/Arg、 Asp/Asn、 Leu/Ile、 Leu/Val、 Ala/Glu、 お よ び Asp/Glyな ら び に そ れ ら の 逆 。
【0045】
本発明の興味ある態様において、アミノ酸変化は、ポリペプチドの物理化学的性質が変
更されるような性質を有する。例えば、ポリペプチドの熱安定性を改良し、基質特異性を
変 更 し 、 pH最 適 値 を 変 更 さ せ 、 お よ び そ の 他 で あ る 、 ア ミ ノ 酸 変 化 を 実 行 す る こ と が で き
る。
10
【0046】
N-末 端 の 延 長
本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド の N-末 端 の 延 長 は 、 適 当 に は 1∼ 50ア ミ ノ 酸 、 好 ま し く は 2∼ 20ア
ミ ノ 酸 、 特 に 3∼ 15ア ミ ノ 酸 か ら 成 る こ と が で き る 。 1つ の 態 様 に お い て 、 N-末 端 の 延 長 は
Arg (R) を 含 有 し な い 。 他 の 態 様 に お い て 、 N-末 端 の 延 長 は 、 下 記 に お い て さ ら に 定 義 す
る よ う に 、 kex2切 断 部 位 ま た は kex2様 切 断 部 位 を 含 ん で な る 。 好 ま し い 態 様 に お い て 、 N末 端 の 延 長 は ペ プ チ ド で あ り 、 こ れ は 少 な く と も 2つ の Glu (E) お よ び /ま た は Asp (D) ア
ミ ノ 酸 残 基 を 含 ん で な り 、 例 え ば 、 N末 端 の 延 長 は 下 記 の 配 列 の 1つ を 含 ん で な る : EAE、 E
E、 DEお よ び DD。
【0047】
20
kex2部 位
kex2部 位 (例 え ば 、 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と : Methods in Enzymology Vol. 185、 編 者
: D. Goeddel、 Academic Press, Inc. (1990) カ リ フ ォ ル ニ ア 州 サ ン デ ィ エ ゴ 、 ” Gene E
xpression Technology” お よ び kex2様 部 位 は 、 い く つ か の タ ン パ ク 質 の プ ロ ペ プ チ ド コ
ー ド 領 域 と 成 熟 領 域 と の 間 に 見 出 さ れ る 二 塩 基 性 認 識 部 位 (す な わ ち 、 切 断 部 位 ) で あ る
。
【0048】
kex2部 位 ま た は kex2様 部 位 の 挿 入 は 、 あ る 場 合 に お い て 、 プ ロ ペ プ チ ド 切 断 部 位 に お け
る正しいエンドペプチダーゼプロセシングを改良して、タンパク質の分泌レベルを増加さ
せることが示された。
30
本 発 明 の 関 係 に お い て 、 kex2部 位 ま た は kex2様 部 位 の 挿 入 は N-末 端 の 延 長 に お け る あ る
位 置 に お け る 切 断 の 可 能 性 を 与 え 、 ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X
6
ま た は 配 列 番 号 1ま た は 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 配 列 と し て 示 す 成 熟 ポ リ ペ
プチドに比較して、伸長した抗微生物性ポリペプチドを生ずる。
【0049】
融合ポリペプチド
また、本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプチドまたは本発明のポリペプチドフ
ラ グ メ ン ト の N-末 端 ま た は C-末 端 に 他 の ポ リ ペ プ チ ド が 融 合 さ れ て い る 、 融 合 ポ リ ペ プ チ
ドまたは切断可能な融合ポリペプチドを包含する。融合ポリペプチドは、他のポリペプチ
ド を コ ー ド す る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 (ま た は そ の 一 部 分 ) を 本 発 明 の ヌ ク レ オ チ ド 配 列 (ま
40
たはその一部分) に融合させることによって製造される。融合ポリペプチドを製造する技
術はこの分野において知られており、そしてポリペプチドをコードするコード配列をそれ
ら が イ ン フ レ ー ム で あ る よ う に か つ 融 合 ポ リ ペ プ チ ド の 発 現 が 1ま た は 2以 上 の 同 一 プ ロ モ
ーターおよびターミネーターの制御下にあるように、結合することを包含する。
【0050】
ポリヌクレオチドおよびヌクレオチド配列
本発明は、また、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌ
クレオチドに関する。特に、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド
配列から成るポリヌクレオチドに関する。遺伝コードの縮重のために、本発明のポリペプ
チドの各々をコードするいくつかのヌクレオチド配列を製造できることを当業者は容易に
50
(12)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
認識するであろう。この分野においてよく知られているように、ヌクレオチドは本発明の
ポリペプチドのアミノ酸をコードするコドンを構成する。
【0051】
本 発 明 は 、 ま た 、 抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3 -X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X
4
-X5 -X6 ま た は 配 列 番 号 1ま た は 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ ノ 酸 配 列 の フ ラ グ メ ン ト
を コ ー ド す る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド に 関 す る 。 ポ リ ペ プ チ ド の サ ブ 配 列 は 、 5’ 末 端 お よ び /ま
た は 3’ 末 端 か ら 1ま た は 2以 上 の ヌ ク レ オ チ ド が 欠 失 さ れ て い る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る
。
【0052】
ヌクレオチド配列は、遺伝子操作において使用される標準的クローニング手順により、
10
ヌ ク レ オ チ ド 配 列 を 1つ の 位 置 か ら そ れ が 再 生 さ れ る 異 な る 部 位 に 再 配 置 す る こ と に よ っ
て得ることができる。クローニング手順は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含んでなる必要なフラグメントの切除および単離、フラグメントのベクター分子の中へ
の挿入、およびヌクレオチド配列の多数のコピーが複製される宿主細胞の中への組換えベ
ク タ ー の 組 込 み を 含 む こ と が で き る 。 ヌ ク レ オ チ ド 配 列 は 、 ゲ ノ ム 、 cDNA、 RNA、 半 合 成
、合成由来、またはそれらの任意の組合わせであることができる。
【0053】
本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 の 修 飾 は 、 ア ミ ノ 酸 配 列 X1 -X2 -X3
-X4 -X5 ま た は X1 -X2 -X3 -X4 -X5 -X6 ま た は 配 列 番 号 1ま た は 配 列 番 号 319の い ず れ か 1つ の ア ミ
ノ 酸 配 列 に 比 較 し て 、 少 な く と も 1つ の 置 換 、 欠 失 お よ び /ま た は 挿 入 を 有 す る ポ リ ペ プ チ
20
ドの合成に必要であることがある。これらの人工的変異型は、いくつかの操作された方法
において、その天然源から単離されたポリペプチドと異なることがあり、例えば、変異型
は 比 活 性 、 熱 安 定 性 、 pH最 適 値 、 ま た は そ の 他 が 異 な る 。
【0054】
当業者にとって明らかなように、このような修飾は分子の機能にとって重大である領域
の外側でなすことができ、そしてなお活性ポリペプチドを生ずることができる。本発明の
ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドの活性に対して必須であり、したがっ
て好ましくは修飾、例えば、置換に付されないアミノ酸残基は、この分野において知られ
ている手順、例えば、位置指定突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発に従い同定
す る こ と が で き る (例 え ば 、 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と : Cunninghamお よ び Wells、 1989、 S
30
cience 244: 1081-1085)。
【0055】
後者の技術において、突然変異は分子中のすべての正に帯電した残基において導入され
、そして生ずる突然変異体分子を抗微生物活性について試験して、分子活性にとって重大
であるアミノ酸残基を同定する。また、核磁気共鳴分析のような技術により決定した三次
元 構 造 の 分 析 に よ り 、 基 質 -酵 素 の 相 互 作 用 部 位 を 決 定 す る こ と が で き る (例 え ば 、 下 記
の 文 献 を 参 照 の こ と : Vos 他 、 1992、 Science 255: 306-312; Smith 他 、 1992、 Journal
of Molecular Biology 244: 899-904; Wlodaver 他 、 1992、 FEBS Letters 309: 59-64)。
【0056】
その上、ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドの他のアミノ酸配列を生じ
40
ないが、酵素の産生に意図される宿主生物のコドン使用頻度に対応するヌクレオチド置換
の導入により、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を修飾することがで
きる。
【0057】
突 然 変 異 を ヌ ク レ オ チ ド 配 列 中 に 導 入 し て 1つ の ヌ ク レ オ チ ド を 他 の ヌ ク レ オ チ ド と 交
換することは、この分野において知られている方法を使用する位置指定突然変異誘発によ
り 達 成 す る こ と が で き る 。 問 題 の イ ン サ ー ト を 有 す る ス ー パ ー コ イ ル ド 二 本 鎖 DNAベ ク タ
ー 、 お よ び 必 要 な 突 然 変 異 を 含 有 す る 2つ の 合 成 プ ラ イ マ ー を 利 用 す る 手 順 は 、 特 に 有 効
である。ベクターの対抗する鎖に対して相補的である各オリゴヌクレオチドプライマーを
、 Pfu DNAポ リ メ ラ ー ゼ に よ り 、 温 度 サ イ ク リ ン グ 間 に 伸 長 さ せ る 。
50
(13)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【0058】
プライマーが組込まれると、スタッガードニックを含有する突然変異したプラスミドが
発 生 す る 。 温 度 サ イ ク リ ン グ 後 、 生 成 物 を メ チ ル 化 お よ び ヘ ミ メ チ ル 化 DNAに 対 し て 特 異
的 な DpnIで 処 理 し て 、 親 DNA鋳 型 を 消 化 し 、 突 然 変 異 を 含 有 す る 合 成 さ れ た DNAに つ い て 選
択する。また、この分野において知られている他の手順を使用することができる。ヌクレ
オ チ ド 置 換 の 一 般 的 説 明 に つ い て は 、 例 え ば 、 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と : Ford 他 、 1991
、 Protein Expression and Purification 2: 95-107。
【0059】
核酸構築物
本発明は、ある種のタイプの核酸構築物、すなわち、制御配列と適合性の条件下に適当
10
な 発 現 宿 主 中 で コ ー ド 配 列 の 発 現 を 指 令 す る 1種 ま た は 2種 以 上 の 制 御 配 列 に 作 用 可 能 に 連
鎖された、本発明のヌクレオチド配列を含んでなる核酸構築物に関する。
【0060】
本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、種々の方法で操作して、ポリ
ペプチドを発現させるようにすることができる。ベクター中にヌクレオチド配列を挿入す
る前に、ヌクレオチド配列を操作することは発現ベクターに依存して望ましいか、あるい
は必要であることがある。ヌクレオチド配列を操作する技術はこの分野においてよく知ら
れている。
【0061】
制御配列は、適当なプロモーター配列、核酸配列を発現する宿主細胞により認識される
20
核酸配列であることができる。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を仲介する転写
制御配列を含有する。プロモーターは、選択した宿主細胞において転写活性であることを
示す任意の核酸配列であることができ、突然変異体、トランケーテッド、およびハイブリ
ッドプロモーターを包含し、そして宿主細胞に対して相同的または異種的である、細胞外
または細胞内のポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
【0062】
特に細菌宿主細胞中で、本発明の核酸構築物の転写を指令するために適当なプロモータ
ー の 例 は 下 記 か ら 得 ら れ る プ ロ モ ー タ ー で あ る : 大 腸 菌 (E. coli) lacオ ペ ロ ン 、 ス ト レ
プ ト マ イ セ ス ・ ケ リ コ ロ ル (Streptomyces coelicolor) ア ガ ロ ー ス 遺 伝 子 (dagA) 、 バ
シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (Bacillus subtilis) レ バ ン ス ク ラ ー ゼ 遺 伝 子 (sacB) 、 バ シ ラ ス
30
・ リ ヘ ニ フ ォ ル ミ ス (Bacillus licheniformis) α -ア ミ ラ ー ゼ 遺 伝 子 (amyL) 、 バ シ ラ
ス ・ ス テ ア ロ サ ー モ フ ィ ル ス (Bacillus stearothermophilus) マ ル ト ジ ェ ニ ッ ク ア ミ ラ
ー ゼ 遺 伝 子 (amyM) 、 バ シ ラ ス ・ ア ミ ロ リ ク フ ァ シ エ ン ス (Bacillus amyloliquefaciens
) α -ア ミ ラ ー ゼ 遺 伝 子 (amyQ) 、 バ シ ラ ス ・ リ ヘ ニ フ ォ ル ミ ス (Bacillus licheniformi
s) ペ ニ シ リ ナ ー ゼ 遺 伝 子 (penP) 、 バ シ ラ ス ・ サ チ リ ス (Bacillus subtilis) xylAお よ
び xylB遺 伝 子 、 お よ び 原 核 生 物 の β -ラ ク タ マ ー ゼ 遺 伝 子 (Villa 他 、 1978、 Proceedings
of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731) 、 な ら び に tacプ ロ モ ー タ
ー (DeBoer 他 、 1983、 Proceedings of the National Academy of Sciences USA 80: 2125) 。 そ れ 以 上 の プ ロ モ ー タ ー は 下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る : “ Useful proteins from
recombinant bacteria” 、 Scientific American 1980、 242: 74-94; お よ び Sambrook 他
40
、 1989、 前 掲 。
【0063】
糸状真菌宿主細胞細胞中で本発明の核酸構築物の転写を指令するために適当なプロモー
ターの例は、下記の遺伝子から得られるプロモーター、およびそれらの突然変異体、トラ
ン ケ ー テ ッ ド 、 お よ び ハ イ ブ リ ッ ド プ ロ モ ー タ ー で あ る : ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (Aspe
rgillus oryzae) TAKAア ミ ラ ー ゼ 、 リ ゾ ム コ ル ・ ミ エ ヘ イ (Rhizomucor miehei) ア ス パ
ラ ギ ン 酸 プ ロ テ イ ナ ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) 中 性 α -ア ミ ラ
ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) 酸 安 定 性 α − ア ミ ラ ー ゼ 、 ア ス ペ
ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) ま た は ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ア ワ モ リ (Aspergillus
awamori) グ ル コ ア ミ ラ ー ゼ (glaA) 、 リ ゾ ム コ ル ・ ミ エ ヘ イ (Rhizomucor miehei) リ
50
(14)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
パ ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (Aspergillus oryzae) ア ル カ リ 性 プ ロ テ ア ー ゼ 、 ア ス
ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (Aspergillus oryzae) ト リ オ ー ス リ ン 酸 イ ソ メ ラ ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ
ル ス ・ ニ ヅ ラ ン ス (Aspergillus nidulans) ア セ ト ア ミ ダ ー ゼ 、 お よ び フ ザ リ ウ ム ・ オ キ
シ ス ポ ラ ム (Fusarium oxysporum) ト リ プ シ ン 様 プ ロ テ ア ー ゼ (WO 96/00787) 、 な ら び
に NA2-tpiプ ロ モ ー タ ー (ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) 中 性 α -ア ミ ラ
ー ゼ お よ び ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (Aspergillus oryzae) ト リ オ ー ス リ ン 酸 イ ソ メ ラ ー
ゼの遺伝子からのプロモーターのハイブリッド) 。
【0064】
酵母宿主において、有効なプロモーターは下記の遺伝子から得られるプロモーターであ
る : サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) エ ノ ラ ー ゼ (ENO-1)
10
、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) ガ ラ ク ト キ ナ ー ゼ (GAL1
) 、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) ア ル コ ー ル デ ヒ ド ロ ゲ
ナ ー ゼ /グ リ セ ル ア ル デ ヒ ド -3-ホ ス フ ェ ー ト デ ヒ ド ロ ゲ ナ ー ゼ (ADH2/GAP) 、 お よ び サ ッ
カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) 3-ホ ス ホ グ リ セ リ ン 酸 キ ナ ー ゼ
。 酵 母 宿 主 細 胞 に 有 効 な 他 の プ ロ モ ー タ ー は 下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る : Romanos 他 、
1992、 Yeast 8: 423-488。
【0065】
また、制御配列は、適当な転写停止配列、すなわち、転写を停止するために宿主細胞に
より認識される配列である。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオ
チ ド 配 列 の 3’ 末 端 に 作 用 可 能 に 連 鎖 さ れ て い る 。 選 択 し た 宿 主 細 胞 中 で 機 能 的 で あ る 任
20
意のターミネーターを本発明において使用することができる。
【0066】
糸状真菌宿主細胞に好ましいターミネーターは、下記の遺伝子から得られるターミネー
タ ー で あ る : ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (Aspergillus oryzae) TAKAア ミ ラ ー ゼ 、 ア ス ペ ル
ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) グ ル コ ア ミ ラ ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ヅ ラ ン ス
(Aspergillus nidulans) ア ン ト ラ ニ ル 酸 シ ン タ ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergi
llus niger) α -グ ル コ シ ダ ー ゼ 、 お よ び フ ザ リ ウ ム ・ オ キ シ ス ポ ラ ム (Fusarium oxyspo
rum) ト リ プ シ ン 様 プ ロ テ ア ー ゼ 。
【0067】
酵母宿主細胞に好ましいターミネーターは、下記の遺伝子から得られるターミネーター
30
で あ る : サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) エ ノ ラ ー ゼ 、 サ ッ
カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) シ ト ク ロ ム C (CYC1) 、 お よ び
サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) グ リ セ ル ア ル デ ヒ ド -3-リ
ン酸デヒドロゲナーゼ。酵母宿主細胞に有効な他のターミネーターは下記の文献に記載さ
れ て い る : Romanos 他 、 1992、 前 掲 。
【0068】
また、制御配列は、適当なリーダー配列、すなわち、宿主細胞による翻訳に重要である
mRNAの 非 翻 訳 領 域 で あ る 。 リ ー ダ ー 配 列 は 、 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 核 酸 配 列 の 5’ 末
端に作用可能に連鎖されている。選択した宿主細胞中で機能的である任意のリーダー配列
を本発明において使用することができる。
40
糸 状 真 菌 宿 主 細 胞 に 好 ま し い リ ー ダ ー は 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (Aspergillus oryz
ae) TAKAア ミ ラ ー ゼ お よ び ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ヅ ラ ン ス (Aspergillus nidulans) ト リ オ
ースリン酸イソメラーゼの遺伝子から得られる。
【0069】
酵母宿主細胞に適当なリーダーは下記の遺伝子から得られるリーダーである: サッカロ
マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) エ ノ ラ ー ゼ (ENO-1) 、 サ ッ カ ロ マ
イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) 3-ホ ス ホ グ リ セ リ ン 酸 キ ナ ー ゼ 、 サ ッ
カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) α -因 子 、 お よ び サ ッ カ ロ マ イ
セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae) ア ル コ ー ル デ ヒ ド ロ ゲ ナ ー ゼ /グ リ セ ル
ア ル デ ヒ ド -3-ホ ス フ ェ ー ト デ ヒ ド ロ ゲ ナ ー ゼ (ADH2/GAP) 。
50
(15)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【0070】
ま た 、 制 御 配 列 は 、 ポ リ ア デ ニ ル 化 配 列 、 す な わ ち 、 ヌ ク レ オ チ ド 配 列 の 3’ 末 端 に 作
用 可 能 に 連 鎖 さ れ て お り 、 そ し て 転 写 さ れ た と き 、 ポ リ ア デ ノ シ ン 残 基 を 転 写 さ れ た mRNA
に付加するシグナルとして宿主細胞により認識される配列である。選択した宿主細胞中で
機能的である任意のポリアデニル化配列を本発明において使用することができる。
【0071】
糸状真菌宿主細胞に好ましいポリアデニル化配列は下記の遺伝子から得られる: アスペ
ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (Aspergillus oryzae) TAKAア ミ ラ ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (As
pergillus niger) グ ル コ ア ミ ラ ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) ア
ン ト ラ ニ ル 酸 シ ン タ ー ゼ 、 フ ザ リ ウ ム ・ オ キ シ ス ポ ラ ム (Fusarium oxysporum) ト リ プ シ
10
ン 様 プ ロ テ ア ー ゼ 、 お よ び ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) α -グ ル コ シ ダ
ーゼ。
酵 母 宿 主 細 胞 に 有 効 な ポ リ ア デ ニ ル 化 配 列 は 下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る : Guoお よ び S
herman、 1995、 Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990。
【0072】
また、制御配列は、ポリペプチドのアミノ末端に結合したアミノ酸配列をコードし、か
つコードされたポリペプチドを細胞の分泌経路に向ける、シグナルペプチドコーディング
領 域 で あ る こ と が で き る 。 核 酸 配 列 の コ ー ド 配 列 の 5’ 末 端 は 、 分 泌 さ れ た ポ リ ペ プ チ ド
をコードするコーディング領域のセグメントと翻訳リーデイングフレームで自然に結合し
た、シグナルペプチドコーディング領域を固有に含有することがある。選択的に、コード
20
配 列 の 5’ 末 端 は 、 制 御 配 列 に 対 し て 外 来 性 で あ る シ グ ナ ル ペ プ チ ド コ ー デ ィ ン グ 領 域 を
含有することがある。調節配列がシグナルペプチドコーディング領域を自然に含有しない
場合、外来性のシグナルペプチドコーディング領域は必要とされることがある。選択的に
、外来性のシグナルペプチドコーディング領域を自然のシグナルペプチドコーディング領
域と単に置換して、ポリペプチドの分泌を増強することができる。しかしながら、発現さ
れたポリペプチドを選択した宿主細胞の分泌経路に向けるシグナルペプチドコーディング
領域を、本発明において使用することができる。
【0073】
細菌宿主細胞に有効なシグナルペプチドコーディング領域は、下記の遺伝子から得られ
る シ グ ナ ル ペ プ チ ド コ ー デ ィ ン グ 領 域 で あ る : バ シ ラ ス (Bacillus) NCIB 11837マ ル ト ジ
30
ェ ニ ッ ク ア ミ ラ ー ゼ 、 バ シ ラ ス ・ ス テ ア ロ サ ー モ フ ィ ル ス (Bacillus stearothermophilu
s) α -ア ミ ラ ー ゼ 、 バ シ ラ ス ・ リ ヘ ニ フ ォ ル ミ ス (Bacillus licheniformis) ス ブ チ リ シ
ン 、 バ シ ラ ス ・ リ ヘ ニ フ ォ ル ミ ス (Bacillus licheniformis) β -ラ ク タ マ ー ゼ 、 バ シ ラ
ス ・ ス テ ア ロ サ ー モ フ ィ ル ス (Bacillus stearothermophilus) 中 性 プ ロ テ ア ー ゼ (nprT
、 nprS、 nprM) 、 お よ び バ シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (Bacillus subtilis) prsA。 そ れ 以 上 の
シ グ ナ ル ペ プ チ ド は 下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る : Simonenお よ び Palva、 1993、 Microbio
logical Reviews 57: 109-137。
【0074】
糸状真菌宿主細胞に有効なシグナルペプチドコーディング領域は、下記の遺伝子から得
ら れ る シ グ ナ ル ペ プ チ ド コ ー デ ィ ン グ 領 域 で あ る : ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (Aspergillu
40
s oryzae) TAKAア ミ ラ ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) 中 性 ア ミ ラ
ー ゼ 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) グ ル コ ア ミ ラ ー ゼ 、 リ ゾ ム コ ル ・
ミ エ ヘ イ (Rhizomucor miehei) ア ス パ ラ ギ ン 酸 プ ロ テ ア ー ゼ 、 フ ミ コ ラ ・ イ ン ソ レ ン ス
(Humicola insolens) セ ル ラ ー ゼ 、 お よ び フ ミ コ ラ ・ ラ ヌ ギ ノ サ (Humicola lanuginosa)
リパーゼ。
【0075】
酵 母 宿 主 細 胞 に 有 効 な ペ プ チ ド は 、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces ce
revisiae) α -因 子 お よ び サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae)
インベルターゼの遺伝子から得られる。他の有効なシグナルペプチドコーディング領域は
下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る : Romanos 他 、 1992、 前 掲 。
50
(16)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【0076】
また、制御配列は、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコードするプ
ロペプチドコーディング領域であることができる。生ずるポリペプチドはプロポリペプチ
ド ま た は プ ロ ポ リ ペ プ チ ド (ま た は あ る 場 合 に お い て チ モ ー ゲ ン ) と し て 知 ら れ て い る 。
プロポリペプチドは一般に不活性であり、そしてプロポリペプチドからのプロペプチドの
触媒的または自己触媒的切断により、成熟活性ポリペプチドに転化することができる。プ
ロペプチドコーディング領域は下記の遺伝子から得ることができる: バシラス・サブチリ
ス (Bacillus subtilis) ア ル カ リ 性 プ ロ テ ア ー ゼ (aprE) 、 バ シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (Bac
illus subtilis) 中 性 プ ロ テ ア ー ゼ (nprT) 、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharo
myces cerevisiae) α -因 子 、 リ ゾ ム コ ル ・ ミ エ ヘ イ (Rhizomucor miehei) ア ス パ ラ ギ ン
10
酸 プ ロ テ ア ー ゼ 、 お よ び ミ セ リ オ フ ト ラ ・ サ ー モ フ ィ ラ (Myceliophthora thermophila)
ラ ッ カ ー ゼ (WO 95/33836) 。
【0077】
シグナルペプチドおよびプレプロペプチドの両方の領域がポリペプチドのアミノ末端に
存在する場合、プロペプチド領域はポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグ
ナルペプチド領域はプロペプチド領域の次に位置する。
【0078】
また、宿主細胞の生長に関してポリペプチドの発現の調節を可能とする調節配列を付加
することが望ましいことがある。調節系の例は、化学的または物理的刺激、例えば、調節
化合物の存在に応答して遺伝子の発現をオンまたはオフにする系である。原核生物系にお
20
け る 調 節 系 は 、 lac、 tac、 お よ び trpオ ペ レ ー タ ー 系 を 包 含 す る 。 酵 母 に お い て 、 ADH2系
ま た は GAL1系 を 使 用 す る こ と が で き る 。 糸 状 真 菌 に お い て 、 TAKAα -ア ミ ラ ー ゼ の プ ロ モ
ー タ ー 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) グ ル コ ア ミ ラ ー ゼ の プ ロ モ ー タ
ー 、 お よ び ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (Aspergillus oryzae) グ ル コ ア ミ ラ ー ゼ の プ ロ モ ー
ターを調節配列として使用することができる。調節配列の他の例は、遺伝子の増幅を可能
とするものである。真核生物系において、これらはメトトレキセートの存在下に増幅され
るジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、および重金属で増幅されるメタロチオネイン遺伝子
を包含する。これらの場合において、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は調節
配列と作用可能に連鎖されるであろう。
【0079】
30
発現ベクター
本発明は、また、本発明のヌクレオチド構築物を含んでなる組換え発現ベクターに関す
る 。 前 述 の 種 々 の ヌ ク レ オ チ ド 配 列 お よ び 制 御 配 列 を 一 緒 に 結 合 さ せ て 、 1ま た は 2以 上 の
好都合な制限部位を包含することができる組換え発現ベクターを製造し、このような部位
におけるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入または置換を可能とすること
ができる。選択的に、本発明のヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列またはヌクレオチ
ド配列を含んでなるヌクレオチド構築物を適当な発現用ベクター中に挿入することによっ
て、発現させることができる。発現ベクターをつくるとき、コード配列が発現のために適
当な制御配列に作用可能に連鎖されるように、コード配列はベクター中に位置する。
【0080】
40
組 換 え 発 現 ベ ク タ ー は 、 組 換 え DNA手 順 に 好 都 合 に 付 す こ と が で き 、 そ し て ヌ ク レ オ チ
ド 配 列 を 発 現 さ せ る こ と が で き る 任 意 の ベ ク タ ー (例 え ば 、 プ ラ ス ミ ド ま た は ウ イ ル ス )
であることができる。典型的には、ベクターの選択は、ベクターを導入すべき宿主細胞と
のベクターの適合性に依存するであろう。ベクターは線形または閉じた円形のプラスミド
であることができる。
【0081】
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち、染色体外の実在物として存在するベ
クターであることができ、その複製は染色体の複製に対して独立である。このようなベク
ターの例は、プラスミド、染色体外因子、ミニ染色体、または人工的染色体である。
【0082】
50
(17)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
ベクターは自己複製を保証する手段を含有することができる。選択的に、ベクターは、
宿 主 細 胞 中 に 導 入 し た と き 、 ゲ ノ ム 中 に 組 込 ま れ 、 そ し て そ れ が 組 込 ま れ て い る 1ま た は 2
以上の染色体と一緒に複製するものであることができる。さらに、単一のベクターまたは
プ ラ ス ミ ド ま た は 一 緒 に な っ て 宿 主 細 胞 の ゲ ノ ム の 中 に 導 入 す べ き 全 DNAを 含 有 す る 2ま た
はそれ以上のベクターまたはプラスミド、またはトランスポゾンを使用することができる
。
【0083】
本 発 明 の ベ ク タ ー は 、 形 質 転 換 さ れ た 細 胞 の 容 易 な 選 択 を 可 能 と す る 、 1ま た は 2以 上 の
選択マーカーを含有することが好ましい。選択マーカーは、その産物が生物致死剤または
ウイルスに対する耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性株に対するプロトトロフィー、
10
およびその他を提供する遺伝子である。
【0084】
細 菌 の 選 択 マ ー カ ー の 例 は 次 の 通 り で あ る : バ シ ラ ス ・ サ チ リ ス (Bacillus subtilis)
ま た は バ シ ラ ス ・ リ ヘ ニ フ ォ ル ミ ス (Bacillus licheniformis) か ら の dal遺 伝 子 、 ま た
は抗生物質に対する耐性、例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール
またはテトラサイクリンに対する耐性を与えるマーカー。酵母宿主細胞に適当なマーカー
は 、 ADE2、 HIS3、 LEU2、 LYS2、 MET3、 TRP1、 お よ び URA3で あ る 。 糸 状 真 菌 宿 主 細 胞 に お い
て 使 用 す る 選 択 マ ー カ ー は 下 記 の も の を 包 含 す る が 、 こ れ ら に 限 定 さ れ な い : amdS (ア セ
ト ア ミ ダ ー ゼ ) 、 argB (オ ル ニ チ ン カ ル バ モ イ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ ) 、 bar (ホ ス フ ィ
ノ ト リ シ ン ア セ チ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ ) 、 hygB (ヒ グ ロ マ イ シ ン ホ ス ホ ト ラ ン ス フ ェ ラ
20
ー ゼ ) 、 niaD (硝 酸 レ ダ ク タ ー ゼ ) 、 pyrG (オ ロ チ ジ ン -5’ -ホ ス フ ェ ー ト デ カ ル ボ キ シ
ラ ー ゼ ) 、 sC (硫 酸 ア デ ニ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ ) 、 trpC (ア ン ト ラ ニ レ ー ト シ ン タ ー ゼ
) 、ならびにそれらの同等物。
【0085】
ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ヅ ラ ン ス (Aspergillus nidulans) ま た は ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ
(Aspergillus oryzae) の amdSお よ び pyrG遺 伝 子 お よ び ス ト レ プ ト マ イ セ ス ・ ヒ グ ロ ス コ
ピ カ ス (Streptomyces hygroscopicus) の bar遺 伝 子 は 、 ア ス ペ ル ギ ル ス (Aspergillus)
細胞において使用するために好ましい。
本発明のベクターは、宿主細胞ゲノム中への安定な組込みまたはゲノムに対して独立に
細 胞 中 の ベ ク タ ー の 自 律 的 複 製 を 可 能 と す る 、 1ま た は 2以 上 の 因 子 を 含 有 す る こ と が 好 ま
30
しい。
【0086】
宿主細胞ゲノム中への組込みのために、ベクターは、ポリペプチドをコードするヌクレ
オチド配列、または相同的または非相同的組換えによりベクターをゲノム中に安定に組込
むベクターの任意の他の因子に頼ることができる。選択的に、ベクターは、相同的組換え
により組込みを宿主細胞ゲノム中に向ける追加のヌクレオチド配列を含有することができ
る 。 追 加 の ヌ ク レ オ チ ド 配 列 は 、 1ま た は 2以 上 の 染 色 体 中 の 1ま た は 2以 上 の 正 確 な 位 置 に
おいて宿主細胞ゲノム中にベクターを組込むことができる。
【0087】
正確な位置における組込みの確度を増加させるために、組込み因子は好ましくは十分な
40
数 の ヌ ク レ オ チ ド 、 例 え ば 、 100∼ 1,500塩 基 対 、 よ り 好 ま し く は 400∼ 1,500塩 基 対 、 最 も
好 ま し く は 800∼ 1,500塩 基 対 を 含 有 し 、 こ れ ら は 対 応 す る タ ー ゲ ッ ト 配 列 と 高 度 に 相 同 的
であって相同的組換えの確率を増加させる。組込み因子は、宿主細胞ゲノム中のターゲッ
ト配列と相同的である任意の配列であることができる。さらに、組込み因子は非エンコー
ディングまたはコーディングヌクレオチド配列であることができる。他方において、ベク
ターは非相同的組換えにより宿主細胞ゲノム中に組込むことができる。
【0088】
自律的複製のために、ベクターは問題の宿主細胞中でベクターを自律的に複製させる複
製 起 点 を さ ら に 含 ん で な る こ と が で き る 。 細 菌 の 複 製 起 点 の 例 は 、 大 腸 菌 (E. coli) 中
の 複 製 を 可 能 と す る プ ラ ス ミ ド pBR322、 pUC19、 pACYC177、 お よ び pACYC184、 お よ び バ シ
50
(18)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
ラ ス (Bacillus) 中 の 複 製 を 可 能 と す る pUB110、 pE194、 pTA1060、 お よ び pAMβ 1複 製 起 点
で あ る 。 酵 母 宿 主 細 胞 に お い て 使 用 す る 複 製 起 点 の 例 は 、 2ミ ク ロ ン の 複 製 起 点 、 ARS1、 A
RS4、 ARS1と CEN3と の 組 合 わ せ 、 お よ び ARS4と CEN6と の 組 合 わ せ で あ る 。 複 製 起 点 は 、 宿
主細胞においてその機能を温度感受性とする突然変異を有するものであることができる (
例 え ば 、 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と : Ehrlich、 1978、 Proceedings of the National Acade
my of Sciences USA 75: 1433) 。
【0089】
本 発 明 の ヌ ク レ オ チ ド 配 列 の 2以 上 の コ ピ ー を 宿 主 細 胞 中 に 挿 入 し て 、 遺 伝 子 産 物 の 産
生を増加させることができる。ヌクレオチド配列のコピー数は、宿主細胞ゲノム中に少な
く と も 1つ 追 加 の 配 列 の コ ピ ー を 組 込 む か 、 あ る い は 細 胞 が 選 択 マ ー カ ー 遺 伝 子 の 増 幅 し
10
たコピーを含有する場合、ヌクレオチド配列をもつ増幅可能、選択マーカーを含めること
によって増加させることができ、これにより細胞を適当な選択可能な因子の存在下に培養
することによって、ヌクレオチド配列の追加のコピーを選択することができる。
【0090】
前述の因子を結合して本発明の組換え発現ベクターを構成するために使用する手順はこ
の 分 野 に お い て よ く 知 ら れ て い る (例 え ば 、 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と : Sambrook 他 、 198
9、 前 掲 ) 。
【0091】
宿主細胞
本発明は、また、ポリペプチドの組換え製造において好都合に使用される、本発明の核
20
酸構築物を含んでなる本発明の組換え宿主細胞に関する。本発明のヌクレオチド配列を含
んでなるベクターを宿主細胞中に導入して、ベクターを染色体組込み体としてまたは前述
した自己複製染色体外ベクターとして維持する。
宿主細胞は、単細胞微生物、例えば、原核生物、または非単細胞微生物、例えば、真核
生物であることができる。
【0092】
有効な単細胞は細菌細胞であり、これらは下記のものを包含するが、これらに限定され
な い : グ ラ ム 陽 性 細 菌 、 例 え ば 、 バ シ ラ ス (Bacillus) 細 胞 、 バ シ ラ ス ・ ア ル カ ロ フ ィ ル
ス (Bacillus alkalophilus)、 バ シ ラ ス ・ ア ミ ロ リ ク フ ァ シ エ ン ス (Bacillus amyloliqu
efaciens)、 バ シ ラ ス ・ ブ レ ビ ス (Bacillus brevis)、 バ シ ラ ス ・ ク ラ ウ シ イ (Bacillus
30
clausii)、 バ シ ラ ス ・ コ ア ギ ュ ラ ン ス (Bacillus coagulans)、 バ シ ラ ス ・ ラ ウ ツ ス (Bac
illus lautus)、 バ シ ラ ス ・ レ ン ツ ス (Bacillus lentus)、 バ シ ラ ス ・ リ ヘ ニ フ ォ ル ミ ス
(Bacillus licheniformis)、 バ シ ラ ス ・ メ ガ テ リ ウ ム (Bacillus megaterium)、 バ シ ラ ス
・ ス テ ア ロ サ ー モ フ ィ ラ ス (Bacillus stearothermophilus)、 バ シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (Ba
cillus subtilis)、 お よ び バ シ ラ ス ・ ス リ ン ジ ェ ン シ ス (Bacillus thuringiensis); ス
ト レ プ ト マ イ セ ス (Streptomyces) 細 胞 、 例 え ば 、 ス ト レ プ ト マ イ セ ス ・ リ ビ ダ ン ス (St
reptomyces lividans) ま た は ス ト レ プ ト マ イ セ ス ・ ム リ ヌ ス (Streptomyces murinus);
ま た は グ ラ ム 陰 性 細 菌 、 例 え ば 、 大 腸 菌 (E. coli) お よ び シ ュ ー ド モ ナ ス (Pseudomonas)
種 。 好 ま し い 態 様 に お い て 、 細 菌 宿 主 細 胞 は バ シ ラ ス ・ レ ン ツ ス (Bacillus lentus)、
バ シ ラ ス ・ リ ヘ ニ フ ォ ル ミ ス (Bacillus licheniformis)、 バ シ ラ ス ・ ス テ ア ロ サ ー モ フ
40
ィ ラ ス (Bacillus stearothermophilus)、 ま た は バ シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (Bacillus subti
lis) 細 胞 で あ る 。 他 の 好 ま し い 態 様 に お い て 、 バ シ ラ ス (Bacillus) 細 胞 は 好 ア ル カ リ
性 バ シ ラ ス (Bacillus) で あ る 。
【0093】
細菌宿主細胞中へのベクターの導入は、例えば、下記により実施することができる: プ
ロ ト プ ラ ス ト の 形 質 転 換 (例 え ば 、 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と : Changお よ び Cohen、 1979、
Molecular General Genetics 168: 111-115) 、 コ ン ピ テ ン ト 細 胞 の 使 用 (例 え ば 、 下 記
の 文 献 を 参 照 の こ と : Youngお よ び Spizizin、 1961、 Journal of Bacteriology 81: 823-8
29ま た は Dubnauお よ び Davidoff-Abelson、 1971、 Journal of Molecular Biology 56: 209
-221) 、 エ レ ク ト ロ ポ レ ー シ ョ ン (例 え ば 、 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と : Shigekawaお よ び D
50
(19)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
ower、 Biotechniques 6: 742-751) 、 ま た は 複 合 化 (例 え ば 、 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と :
Koehlerお よ び Thorne、 1987、 Journal of Bacteriology 169: 5771-5278) 。
【0094】
宿主細胞は真核生物、例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、または真菌細胞で
あることができる。
1つ の 特 定 の 態 様 に お い て 、 宿 主 細 胞 は 真 菌 細 胞 で あ る 。 「 真 菌 」 は 、 本 明 細 書 に お い
て 使 用 す る と き 、 下 記 の も の を 包 含 す る : 子 嚢 菌 門 (Ascomycota) 、 担 子 菌 門 (Basidiom
ycota) 、 ツ ボ カ ビ 菌 門 (Chytridiomycota) 、 お よ び 接 合 菌 門 (Zygomycota) (下 記 に お
い て 定 義 さ れ て い る : Hawksworth 他 、 Alnsworth and Bisby’ s Dictionary of The Fung
i、 第 8版 、 1995、 CAB International、 University Press、 英 国 ケ ン ブ リ ッ ジ ) な ら び に
10
卵 菌 門 (Oomycota) (下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る : Hawksworth 他 、 前 掲 、 p. 171) お よ
び す べ て の 栄 養 胞 子 真 菌 (Hawksworth 他 、 1995、 前 掲 ) 。
【0095】
より好ましい態様において、真菌宿主細胞は酵母細胞である。「酵母」は、本明細書に
お い て 使 用 す る と き 、 下 記 の も の を 包 含 す る : 子 嚢 胞 子 酵 母 (腸 内 細 菌 科 (Enterobacter
iaceae)) 、 担 子 胞 子 酵 母 、 お よ び 不 完 全 菌 類 (Fungi Imperfecti) に 属 す る 酵 母 (ブ ラ
ス ト ミ セ テ ス (Blastomycetes)) 。 酵 母 の 分 類 は 、 こ の 出 願 の 目 的 に 対 し て 、 将 来 に お い
て 変 化 す る こ と が あ る が 、 酵 母 は Biology and Activities of Yeast に 記 載 さ れ て い る よ
う に 定 義 さ れ る で あ ろ う (Skinner F. A. お よ び Davenport R. R. 編 者 、 Soc. App. Bact
eriol. Symposium Series No. 9、 1980) 。
20
【0096】
な お よ り 好 ま し い 態 様 に お い て 、 酵 母 宿 主 細 胞 は 、 カ ン ジ ダ (Candida)、 ハ ン ゼ ヌ ラ (
Hansenula)、 ク ル イ ベ ロ マ イ セ ス (Kluyveromyces)、 ピ キ ア (Pichia)、 サ ッ カ ロ マ イ セ
ス (Saccharomyces)、 シ ゾ サ ッ カ ロ マ イ セ ス (Scizosaccharomyces)、 ま た は ヤ ロ ウ ィ ア
(Yarrowia) 細 胞 で あ る 。
【0097】
最も好ましい態様において、酵母宿主細胞はサッカロマイセス・カリスベルゲンシス (
Saccharomyces carisbergensis)、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerev
isiae)、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ ジ ア ス タ チ カ ス (Saccharomyces diastaticus)、 サ ッ カ ロ マ
イ セ ス ・ ド ウ グ ラ シ イ (Saccharomyces douglasii)、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ ク ル イ ベ リ (Sa
30
ccharomyces kluyveri)、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ ノ ル ベ ン シ ス (Saccharomyces norbensis)
ま た は サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ オ ビ フ ォ ル ミ ス (Saccharomyces oviformis) 細 胞 で あ る 。 他
の 最 も 好 ま し い 態 様 に お い て 、 酵 母 宿 主 細 胞 は ク ル イ ベ ロ マ イ セ ス ・ ラ ク チ ス (Kluyvero
myces lactis) 細 胞 で あ る 。 他 の 最 も 好 ま し い 態 様 に お い て 、 酵 母 宿 主 細 胞 は ヤ ロ ウ ィ ア
・ リ ポ リ チ カ (Yarrowia lipolytica) 細 胞 で あ る 。
【0098】
他のより好ましい態様において、真菌宿主細胞は糸状真菌の細胞であることができる。
「 糸 状 真 菌 」 は 、 亜 門 の 真 菌 門 (Eumycota) お よ び 卵 菌 門 (Oomycota) の す べ て の 糸 の 形
態 を 包 含 す る (Hawksworth 他 、 1995、 前 掲 に お い て 定 義 さ れ て い る ) 。 糸 状 真 菌 は 、 キ
チン、セルロース、グルカン、マンナン、および他の複合多糖から構成されている菌糸体
40
壁により特徴づけられる。栄養成長は菌糸の伸長により、そして炭素異化作用は無条件的
に 好 気 性 で あ る 。 対 照 的 に 、 酵 母 、 例 え ば 、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomy
ces cerevisiae) に よ る 栄 養 成 長 は 単 細 胞 葉 状 体 の 発 芽 に よ り 、 そ し て 炭 素 異 化 作 用 は 発
酵的である。
【0099】
なおより好ましい態様において、糸状真菌宿主細胞の例は、下記のものを包含するが、
こ れ ら に 限 定 さ れ な い 種 の 細 胞 で あ る : ア ク レ モ ニ ウ ム (Acremonium)、 ア ス ペ ル ギ ル ス
(Aspergillus)、 フ ザ リ ウ ム (Fusarium)、 フ ミ コ ラ (Humicola)、 ケ カ ビ (Mucor)、 ミ セ
リ オ フ ト ラ (Myceliophthora)、 ニ ュ ー ロ ス ポ ラ (Neurospora)、 ペ ニ シ リ ウ ム (Penicill
ium)、 チ エ ラ ビ ア (Thielavia)、 ト リ ポ ク ラ ジ ウ ム (Tolypocladium)、 ま た は ト リ コ デ ル
50
(20)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
マ (Trichoderma)。
【0100】
最も好ましい態様において、糸状真菌宿主細胞は次の通りである: アスペルギルス・ア
ワ モ リ (Aspergillus awamori)、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ フ ェ チ ヅ ス (Aspergillus foetidus)
、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ジ ャ ポ ニ カ ス (Aspergillus japonicus)、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ヅ ラ ン
ス (Aspergillus nidulans)、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) ま た は ア ス
ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ (A. oryzae) 。
【0101】
他の最も好ましい態様において、糸状真菌宿主細胞は次の通りである: フザリウム・バ
ク ト リ デ ィ オ イ デ ス (Fusarium bactridioides)、 フ ザ リ ウ ム ・ セ レ ア リ ス (Fusarium ce
10
realis)、 フ ザ リ ウ ム ・ ク ル ッ ク ウ ェ レ ン セ (Fusarium crookwellense)、 フ ザ リ ウ ム ・ ク
ル モ ル ム (Fusarium culmorum)、 フ ザ リ ウ ム ・ グ ラ ミ ネ ア ラ ム (Fusarium graminearum)
、 フ ザ リ ウ ム ・ グ ラ ミ ナ ム (Fusarium graminum)、 フ ザ リ ウ ム ・ ヘ テ ロ ス ポ ル ム (Fusari
um heterosporum)、 フ ザ リ ウ ム ・ ネ グ ン ジ (Fusarium negundi)、 フ ザ リ ウ ム ・ オ キ シ ス
ポ ラ ム (Fusarium oxysporum)、 フ ザ リ ウ ム ・ レ チ ク ラ ツ ム (Fusarium reticulatum)、 フ
ザ リ ウ ム ・ ロ セ ウ ム (Fusarium roseum)、 フ ザ リ ウ ム ・ サ ム ブ シ ヌ ム (Fusarium sambuci
num)、 フ ザ リ ウ ム ・ サ ル コ ク ロ ウ ム (Fusarium sarcochroum)、 フ ザ リ ウ ム ・ ス ポ ロ ト リ
キ オ イ デ ス (Fusarium sporotrichioides)、 フ ザ リ ウ ム ・ ス ル フ レ ウ ム (Fusarium sulph
ureum)、 フ ザ リ ウ ム ・ ト ル ロ ク ム (Fusarium torulocum)、 フ ザ リ ウ ム ・ ト リ コ テ キ オ イ
デ ス (Fusarium trichothecioides)、 ま た は フ ザ リ ウ ム ・ ベ ネ ナ ツ ム (Fusarium venenat
20
um) 細 胞 。
【0102】
な お よ り 最 も 好 ま し い 態 様 に お い て 、 糸 状 真 菌 親 細 胞 は フ ザ リ ウ ム ・ ベ ネ ナ ツ ム (Fusa
rium venenatum) (ニ レ ン ベ ル グ (Nirenberg)の 種 nov.) 細 胞 で あ る 。 他 の 最 も 好 ま し い
態 様 に お い て 、 糸 状 真 菌 宿 主 細 胞 は 次 の 通 り で あ る : フ ミ コ ラ ・ イ ン ソ レ ン ス (Humicola
insolens)、 フ ミ コ ラ ・ ラ ヌ ギ ノ サ (Humicola lanuginosa)、 ム コ ー ル ・ ミ エ ヘ イ (Muco
r miehei)、 ミ セ リ オ フ ト ラ ・ サ ー モ フ ィ ラ (Myceliophthora themophila)、 ニ ュ ー ロ ス
ポ ラ ・ ク ラ ッ サ (Neurospora crassa)、 ペ ニ シ リ ウ ム ・ パ ー プ ロ ゲ ナ ム (Penicillium pu
rpurogenum)、 チ エ ラ ビ ア ・ テ レ ス ト リ ス (Thielavia terrestris)、 ト リ コ デ ル マ ・ ハ ル
ジ ア ナ ム (Trichoderma harzianum)、 ト リ コ デ ル マ ・ コ ニ ン ギ イ (Trichoderma koningii
30
)、 ト リ コ デ ル マ ・ ロ ン ギ ブ ラ キ ア ツ ム (Trichoderma longibrachiatum)、 ト リ コ デ ル マ
・ リ ー セ イ (Trichoderma reesei)、 ま た は ト リ コ デ ル マ ・ ビ リ デ (Trichoderma viride)
細胞。
【0103】
真菌細胞は、それ自体知られている方法におけるプロトプラストの形成、プロトプラス
トの形質転換および細胞壁の再生を包含する方法により形質転換することができる。アス
ペ ル ギ ル ス (Aspergillus) 宿 主 細 胞 の 形 質 転 換 に 適 当 な 手 順 は 下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て
い る : EP 238 023お よ び Yelton 他 、 1984、 Proceedings of the National Academy of Sc
iences USA 81: 1470-1474。 フ ザ リ ウ ム (Fusarium) 種 の 形 質 転 換 に 適 当 な 方 法 は 下 記 の
文 献 に 記 載 さ れ て い る : Malardier 他 、 1989、 Gene 78: 147-156お よ び WO 96/00787。
40
【0104】
酵 母 は 下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る 手 順 を 使 用 し て 形 質 転 換 す る こ と が で き る : Becker
お よ び Guarente、 編 者 Abelson J. N. お よ び Simon M. I. 、 Guide to Yeast Genetics an
d Molecular Biology、 Methods in Enzymology Vol. 194、 pp. 182-187、 Academic Press
, Inc.、 New York; Ito 他 、 1983、 Journal of Bacteriology 153: 163; お よ び Hinnen
他 、 1978、 Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1920。
【0105】
製造方法
本 発 明 は 、 ま た 、 (a) ポ リ ペ プ チ ド の 製 造 を 促 進 す る 条 件 下 に 宿 主 細 胞 を 培 養 し 、 そ し
て (b) ポ リ ペ プ チ ド を 回 収 す る こ と を 含 ん で な る 、 ポ リ ペ プ チ ド を 製 造 す る 方 法 に 関 す
50
(21)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
る。
【0106】
本発明の製造方法において、この分野において知られている方法に従いポリペプチドの
製造に適当な栄養培地中で細胞を培養する。例えば、震蘯フラスコ培養、小規模または大
規 模 の 発 酵 (連 続 的 、 バ ッ チ 式 、 供 給 バ ッ チ 式 、 ま た は 固 体 状 態 の 発 酵 を 包 含 す る ) に よ
り 、 ポ リ ペ プ チ ド の 発 現 お よ び /ま た は 単 離 を 可 能 と す る 適 当 な 培 地 中 で か つ 条 件 下 に 実
施される実験室または工業的発酵槽において、細胞を培養することができる。炭素お源よ
び窒素源および無機塩を含んでなる適当な栄養培地中で、この分野において知られている
手順を使用して、培養を実施する。適当な培地は商業的供給会社から入手可能であるか、
あ る い は 発 表 さ れ た 組 成 に 従 い 調 製 す る こ と が で き る (例 え ば 、 American Type Culture
10
Collectionの カ タ ロ グ ) 。 ポ リ ペ プ チ ド が 栄 養 培 地 中 に 分 泌 さ れ る 場 合 、 そ れ を 培 地 か ら
直接回収することができる。ポリペプチドが分泌されない場合、それは細胞ライゼイトか
ら回収することができる。
【0107】
ポリペプチドに対して特異的である、この分野において知られている方法を使用して、
ポリペプチドを検出することができる。これらの検出方法は特異的抗体の使用、酵素産物
の形成、または酵素基質の消失を包含することができる。例えば、酵素アッセイを使用し
て、本明細書に記載するポリペプチドの活性を決定することができる。
生ずるポリペプチドはこの分野において知られている方法により回収することができる
。例えば、ポリペプチドは下記を包含するが、これらに限定されない手順により回収する
20
ことができる: 遠心、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発、または沈殿。
【0108】
ポリペプチドはこの分野において知られている種々の手順により精製することができ、
こ の よ う な 手 順 は 下 記 を 包 含 す る が 、 こ れ ら に 限 定 さ れ な い : ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー (例 え
ば、イオン交換、アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシング、およびサイズ排除
) 、 電 気 泳 動 手 順 (例 え ば 、 調 製 用 等 電 点 電 気 泳 動 ) 、 溶 解 度 の 差 (例 え ば 、 硫 酸 ア ン モ
ニ ウ ム 沈 降 法 ) 、 SDS-PAGE、 ま た は 抽 出 (例 え ば 、 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と : Protein Pu
rification、 J. -C. Jansonお よ び Lars Ryden、 編 者 、 VCH Publishers、 New York、 1989)
。
【0109】
30
植物
本発明は、また、回収可能な量でポリペプチドを発現し、産生するように、本発明の抗
微生物活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列で形質転換されたトラン
スジェニック植物、植物部分、または植物細胞に関する。ポリペプチドは植物または植物
部分から回収できる。選択的に、組換えポリペプチドを含有する植物または植物部分は、
例えば、食物または飼料の品質を改良するために、例えば、栄養価、味の良さおよび流動
学的性質を改良するために、または抗栄養因子を破壊するために使用できる。また、回収
されたポリペプチド、植物または植物部分を使用して、動物および家畜類における消化の
生理的寄生菌を改良または変更することができる。
【0110】
40
ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク 植 物 は 、 双 子 葉 植 物 (dicot) ま た は 単 子 葉 植 物 (monocot) ま た は
それらの操作された変種であることができる。単子葉植物の例は、イネ科植物、例えば、
ナ カ ハ グ サ (イ チ ゴ ツ ナ ギ 、 イ ネ 科 、 イ チ ゴ ツ ナ ギ 科 )、 飼 料 の 草 、 例 え ば 、 フ ェ ス ツ カ
(Festuca)、 ロ リ ウ ム (Lolium)、 温 帯 イ ネ 科 植 物 、 例 え ば 、 ア グ ロ ス チ ス (Agrostis)、
および穀物、例えば、コムギ、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、イネ、モロコシ、およ
び ト ウ モ ロ コ シ (コ ー ン ) で あ る 。
【0111】
双子葉植物の例は、タバコ、ジャガイモ、テンサイ、マメ科植物、例えば、ハウチワマ
メ、エンドウマメ、ソラマメ・インゲン・ササゲの類およびダイズ、およびアブラナ科植
物 (ア ブ ラ ナ 科 (Brassicaceae))、 例 え ば 、 カ リ フ ラ ワ ー 、 ナ タ ネ 、 お よ び 密 接 に 関 係 す
50
(22)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
る モ デ ル 生 物 ア ラ ビ ド プ シ ス ・ タ リ ア ナ (Arabidopsis thaliana) で あ る 。
植物部分の例は、幹、カルス、葉、根、果実、種子、および塊茎である。また、特定の
植物組織、例えば、葉緑体、アポプラスト、ミトコンドリア、液胞、ペルオキシソームお
よび細胞質は植物部分である。さらに、任意の植物細胞は、組織由来が何であっても、植
物部分であると考えられる。
【0112】
また、このような植物、植物部分および植物細胞の子孫は本発明の範囲内に含まれる。
この分野において知られている方法に従い、本発明のポリペプチドを発現するトランス
ジェニック植物または植物細胞を構築することができる。簡単に述べると、本発明のポリ
ペ プ チ ド を コ ー ド す る 1ま た は 2以 上 の 発 現 構 築 物 を 植 物 宿 主 ゲ ノ ム 中 に 組 込 み 、 そ し て 生
10
ずる修飾された植物または植物細胞をトランスジェニック植物または植物細胞に増殖させ
ることによって、植物または植物細胞を構築する。
【0113】
好都合には、発現構築物は核酸構築物であり、これは本発明のポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列を含んでなり、このヌクレオチド配列は選択した植物または植物部分
中のヌクレオチド配列の発現に必要な適当な調節配列に作用可能に連鎖されている。さら
に、発現構築物はそれが組込まれている宿主細胞を同定するために有効な選択マーカーと
、 問 題 の 植 物 中 に 構 築 物 を 導 入 す る た め に 必 要 な DNA配 列 と を 含 ん で な る (後 者 は 使 用 す
べ き DNA導 入 法 に 依 存 す る )。
【0114】
20
調節配列、例えば、プロモーターおよびターミネーター配列および必要に応じてシグナ
ルまたはトラシット配列の選択は、例えば、ポリペプチドを発現しようとする時間、場所
、および方法に依存して決定される。例えば、本発明のポリペプチドをコードする遺伝子
の発現は構成的または誘導可能であるか、あるいは発育、段階または組織特異的であり、
そして遺伝子産物を特定の組織または植物部分、例えば、種子または葉にターゲッティン
グ す る こ と が で き る 。 調 節 配 列 は 、 例 え ば 、 下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る : Tague 他 、 19
88、 Plant Physiology 86: 506。
【0115】
構 成 的 発 現 の た め に 、 35S-CaMVプ ロ モ ー タ ー を 使 用 す る こ と が で き る (Franck 他 、 198
0、 Cell 21: 285-294)。 器 官 特 異 的 プ ロ モ ー タ ー は 、 例 え ば 、 次 の 通 り で あ る : 貯 蔵 シ ン
30
ク 組 織 、 例 え ば 、 種 子 、 ジ ャ ガ イ モ 塊 茎 、 お よ び 果 実 か ら の プ ロ モ ー タ ー (Edwardsお よ
び Coruzzi、 1990、 Ann. Rev. Genet. 24: 275-303)、 ま た は 代 謝 シ ン ク 組 織 、 例 え ば 、 分
裂 組 織 か ら の プ ロ モ ー タ ー (Ito 他 、 1994、 1994、 Plant Mol. Biol. 24: 863-878) 、 種
子特異的プロモーター、例えば、イネからのグルテリン、プロラミン、グロブリンまたは
ア ル ブ ミ ン の プ ロ モ ー タ ー (Wu 他 、 1998、 Plant and Cell Physiology 39: 885-889) 、
ソ ラ マ メ ・ ナ ン テ ン ハ ギ (Vicia faba) か ら の レ グ ミ ン B4お よ び 未 知 の 種 子 タ ン パ ク 質 遺
伝 子 か ら の ソ ラ マ メ ・ ナ ン テ ン ハ ギ (Vicia faba) プ ロ モ ー タ ー (Conrad 他 、 1998、 Jou
rnal of Plant Physiology 152: 708-711) 、 種 子 油 ボ デ ィ タ ン パ ク 質 か ら の プ ロ モ ー タ
ー (Chen 他 、 1998、 Plant and Cell Physiology 39: 935-941) 、 ブ ラ シ カ ・ ナ プ ス (Br
assica napus) か ら の 貯 蔵 タ ン パ ク 質 napAプ ロ モ ー タ ー 、 ま た は こ の 分 野 に お い て 知 ら れ
40
て い る 、 例 え ば 、 WO 91/14772に 記 載 さ れ て い る 、 任 意 の 他 の 種 子 特 異 的 プ ロ モ ー タ ー 。
【0116】
さらに、プロモーターは次のものであることができる: 葉特異的プロモーター、例えば
、 イ ネ ま た は ト マ ト か ら の rbcsプ ロ モ ー タ ー (Kyozuka 他 、 1993、 Plant Physiology 102
: 991-1000)、 ク ロ レ ラ ウ イ ル ス ア デ ニ ン メ チ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 遺 伝 子 プ ロ モ ー タ ー
(Mitraお よ び Higgins、 1994、 Plant Molecular Biology 26: 85-93)、 ま た は イ ネ か ら の a
ldP遺 伝 子 プ ロ モ ー タ ー (Kagaya 他 、 1995、 Molecular and General Genetics 248: 668-6
74)、 ま た は 傷 誘 導 性 プ ロ モ ー タ ー 、 例 え ば 、 ジ ャ ガ イ モ pin2プ ロ モ ー タ ー (Xu 他 、 1993
、 Plant Molecular Biology 22: 573-588)。
【0117】
50
(23)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
また、プロモーターエンハンサー因子を使用して、植物中の酵素のより高い発現を達成
することができる。例えば、プロモーターエンハンサー因子はプロモーターと、本発明の
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に配置されたイントロンであることが
で き る 。 例 え ば 、 Xu 他 、 1993、 前 掲 に は 、 発 現 を 増 強 す る た め に イ ネ ア ク チ ン 1遺 伝 子 の
第 1イ ン ト ロ ン を 使 用 す る こ と が 開 示 さ れ て い る 。
【0118】
選択マーカーおよび発現構築物の他の部分を、この分野において入手可能なものから選
択することができる。
核酸構築物をこの分野において知られている慣用技術、例えば、下記の技術に従い植物
ゲ ノ ム 中 に 組 込 む : ア グ ロ バ ク テ リ ウ ム (Agrobacterium) 仲 介 形 質 転 換 、 ウ イ ル ス 仲 介
10
形 質 転 換 、 マ イ ク ロ イ ン ジ ェ ク シ ョ ン 、 粒 子 衝 撃 お よ び エ レ ク ト ロ ポ レ ー シ ョ ン (Gasser
他 、 1990、 Science 244: 1293; Potrykus、 1990、 Bio/Technology 8: 535; Shimamoto
他 、 1989、 Nature 338: 274)。
【0119】
現 在 、 ア グ ロ バ ク テ リ ウ ム ・ ツ メ フ ァ シ エ ン ス (Agrobacterium tumefaciens) 仲 介 遺
伝 子 転 移 は 、 ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク 双 子 葉 植 物 を 発 生 さ せ る た め に 選 択 す る 方 法 で あ る (概
観 に つ い て は 下 記 の 文 献 を 参 照 の こ と : Hooykasお よ び Schilpercort、 1992、 Plant Molec
ular Biology 19: 15-38)。 し か し な が ら 、 そ れ は 単 子 葉 植 物 の 形 質 転 換 に 使 用 す る こ と
もできるが、他の形質転換法は一般にこれらの植物のために好ましい。現在、トランスジ
ェニック単子葉植物を発生させるために選択する方法は、胚カルスまたは発育する胚の粒
20
子 衝 撃 (形 質 転 換 性 DNAで 被 覆 し た 微 視 的 金 ま た は タ ン グ ス テ ン 粒 子 ) で あ る (Christou
、 1992、 Plant Journal 2: 275-281; Shimamoto、 1994、 Current Opinion Biotechnology
5: 158-162; Vasil 他 、 1992、 Bio/Technology 10: 667-674)。 単 子 葉 植 物 の 別 の 形 質 転
換 法 は 、 下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る よ う に プ ロ ト プ ラ ス ト 形 質 転 換 に 基 づ く : Omirulle
h 他 、 1993、 Plant Molecular Biology 21: 415-428。
【0120】
形質転換後、当業者によく知られている方法に従い、その中に発現構築物を組込んで有
する形質転換体を選択し、全植物に再生させる。
本発明は、また、下記工程を含んでなる本発明のポリペプチドを製造する方法に関する
: (a) 本 発 明 の ポ リ ペ プ チ ド の 産 生 を 促 す 条 件 下 に 本 発 明 の 抗 微 生 物 活 性 を 有 す る ポ リ ペ
30
プチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなるトランスジェニック植物または植物細
胞 を 培 養 し 、 そ し て (b) ポ リ ペ プ チ ド を 回 収 す る 。
【0121】
組成物
なお他の面において、本発明は、本発明の抗微生物性ポリペプチドを含んでなる組成物
、例えば、医学組成物に関する。
【0122】
組成物は、主要なポリペプチド成分として本発明のポリペプチドを含んでなり、例えば
、 1成 分 組 成 物 で あ る 。 選 択 的 に 、 組 成 物 は 、 多 数 の 酵 素 添 加 物 、 例 え ば 、 ア ミ ノ ペ プ チ
ダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラ
40
ーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デ
オ キ シ リ ボ ヌ ク レ ア ー ゼ 、 エ ス テ ラ ー ゼ 、 α -ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ 、 β -ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ 、
グ ル コ ア ミ ラ ー ゼ 、 α -グ ル コ シ ダ ー ゼ 、 β -グ ル コ シ ダ ー ゼ 、 ハ ロ ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 、 イ
ンベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵
素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダ
ーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼまたはキシラナ
ーゼを含んでなることができる。
【0123】
さらに、組成物は、薬学的に活性な物質、例えば、追加の殺生物剤、例えば、上に定義
した抗微生物活性を示す他の抗微生物性ポリペプチドを含んでなることができる。殺生物
50
(24)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
剤は、この分野において知られているように、抗生物質であることができる。抗生物質の
ク ラ ス は 下 記 の も の を 包 含 す る : ペ ニ シ リ ン 、 例 え ば 、 ペ ニ シ リ ン G、 ペ ニ シ リ ン V、 メ チ
シリン、オキサシリン、カルベニシリン、ナフシリン、アンピシリン、およびその他; ペ
ニ シ リ ン と β -ラ ク タ マ ー ゼ イ ン ヒ ビ タ ー 、 例 え ば 、 下 記 の も の と の 組 合 わ せ 、 セ フ ァ ロ
スポリン、例えば、コファクター、セファゾリン、セフロキシム、モキサラクタム、およ
びその他; カルバペネム; モノバクタム; アミノグリコシド; テトラサイクリン; マクロ
リド; リンコマイシン; ポリミキシン; スルホンアミド; キノロン; クロランフェニカル
; メトロニダゾール; スペクチノマイシン; トリメトプリム; バンコマイシン; およびそ
の他。また、殺菌剤は抗菌剤であることができ、それらはポリエン、例えば、アムフォテ
リ シ ン B、 ニ ス タ チ ン ; 5-フ ル コ シ ン ; お よ び ア ゾ ー ル 、 例 え ば 、 ミ コ ナ ゾ ー ル 、 ケ ト コ
10
ナゾール、イトラコナゾールおよびフルコナゾールを包含する。
【0124】
ある態様において、殺菌剤は非酵素化学物質である。他の態様において、殺菌剤は非ポ
リペプチド化学物質である。
殺 菌 剤 は 、 殺 菌 剤 の 25%(w/w) の 水 溶 液 、 好 ま し く は 10%(w/w) の 水 溶 液 、 よ り 好 ま し く
は 5%(w/w) の 水 溶 液 、 な お よ り 好 ま し く は 1%(w/w) の 水 溶 液 、 最 も 好 ま し く は 0.5%(w/w)
の 水 溶 液 、 特 に 0.1%(w/w) の 水 溶 液 中 で 20℃ に お い て 8時 間 (好 ま し く は 4時 間 、 よ り 好 ま
し く は 2時 間 、 最 も 好 ま し く は 1時 間 、 特 に 30分 ) イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 大 腸 菌 (Escher
ichia coli) (DSM 1576) ま た は バ シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (Bacillus subtilis) (ATCC 6633
) の 生 き て い る 細 胞 の 数 を 1/100に 減 少 さ せ る こ と が で き る 。
20
【0125】
ま た 、 殺 菌 剤 は 、 1000 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 好 ま し く は 500 ppmの 濃 度 で 添 加 し
た と き 、 よ り 好 ま し く は 250 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 な お よ り 好 ま し く は 100 ppmの 濃
度 で 添 加 し た と き 、 最 も 好 ま し く は 50 ppmの 濃 度 で 添 加 し た と き 、 特 に 25 ppmの 濃 度 で 添
加 し た と き 、 微 生 物 増 殖 基 質 中 で 25℃ に お い て 24時 間 大 腸 菌 (Escherichia coli) (DSM 1
576) ま た は バ シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (Bacillus subtilis) (ATCC 6633) の 発 芽 後 成 長 を 阻
害することができる。
【0126】
本発明の抗微生物性ポリペプチドおよび本発明の殺菌剤は、相乗的抗微生物作用が得ら
れるように、選択することができる。
30
組成物は適当なキャリヤー物質を含んでなることができる。また、組成物は、それを薬
剤として使用したとき、本発明の抗微生物性ポリペプチドを必要な位置に送達させること
ができる適当な送達ビヒクルを含んでなることができる。
【0127】
組成物はこの分野において知られている方法に従い製造することができ、そして液状ま
たは乾燥組成物の形態であることができる。例えば、ポリペプチド組成物は粒体または微
小粒体の形態であることができる。組成物に添加すべきポリペプチドは、この分野におい
て知られている方法に従い安定化することができる。
本発明のポリペプチド組成物の好ましい使用例を下に説明する。本発明のポリペプチド
組成物の投与量および組成物を使用する他の条件は、この分野において知られている方法
40
に基づいて決定することができる。
【0128】
方法および使用
本発明は、また、本発明の抗微生物性ポリペプチドの種々の使用を包含する。典型的に
は、抗微生物性ポリペプチドは細菌、真菌、酵母または藻類により汚染される任意の位置
において有効である。典型的には、位置は、微生物を殺す必要あるか、あるいは微生物の
増殖を抑制する必要がある、水系、例えば、冷却水系、洗濯すすぎ水、油系、例えば、切
削油、潤滑剤、油田およびその他である。しかしながら、本発明は、また、既知の抗微生
物性ポリペプチドが有効であるすべての用途、例えば、木材、ラテックス、接着剤、紙、
厚紙、繊維材料、革、プラスチック、コーキングの材料、および飼料の保護のために使用
50
(25)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
することができる。
【0129】
他の使用は、食品、飲料、化粧品、例えば、ローション、クリーム、ゲル、軟膏、石鹸
、シャンプー、コンディショナー、発汗防止剤、防臭剤、うがい薬、コンタクトレンズ製
品、酵素配合物または食品成分の保存を包含する。
こうして、本発明の抗微生物性ポリペプチドは、例えば、アクネ、眼または口の中の感
染、皮膚の感染の処置において; 発汗防止剤または防臭剤において; 足浴塩において; コ
ン タ ク ト レ ン ズ 、 硬 質 表 面 、 歯 (経 口 ケ ア ー )、 創 傷 、 挫 傷 の ク リ ー ニ ン グ お よ び 消 毒 に
おいて; およびその他において、消毒剤として有効である。
【0130】
10
一般に、本発明の抗微生物性ポリペプチドは、任意の硬質表面上の微生物の増殖をクリ
ーニング、消毒または抑制するために有効であると考えられる。本発明の抗微生物性ポリ
ペプチドと好都合に接触させることができる表面の例は、例えば、酪農、化学的または薬
学的プロセスプラント、水衛生システム、油プロセシングプラント、紙パルプ油プロセシ
ングプラント、および冷却塔において使用するプロセス装置の表面である。本発明の抗微
生物性ポリペプチドは、問題の表面上の微生物の増殖をクリーニング、消毒または抑制す
るために有効である量で使用すべきである。
【0131】
さらに、本発明の抗微生物性ポリペプチドは、任意の種類のプロセス装置をクリーニン
グ す る 所 定 位 置 に お け る ク リ ー ニ ン グ (C. I. P) に お い て 好 都 合 に 使 用 で き る と 考 え ら
20
れる。
【0132】
さらに、本発明の抗微生物性ポリペプチドは、食品加工プラントにおける表面および料
理調理具、および食品が調製または提供される任意の領域、例えば、病院、ナーシングホ
ーム、レストラン、特にファーストフードのレストラン、調理済み食品およびその他にお
ける表面および料理調理具をクリーニングするために使用できる。また、本発明の抗微生
物性ポリペプチドは食品中の抗微生物剤として使用するすることができ、そしてスタンド
バー上のチーズ、果物および野菜および食品における表面の抗微生物剤として有効であろ
う。
【0133】
30
本発明の抗微生物性ポリペプチドは、また、水に基づくプラントにおける保存剤または
消毒剤として使用することができる。
本発明の抗微生物性ポリペプチドは、また、水ラインの微生物の防除、および水の消毒
、特に工業用水の消毒のために有効である。
本発明は、また、薬剤としての本発明の抗微生物性ポリペプチドまたは組成物の使用に
関する。さらに、本発明の抗微生物性ポリペプチドは、また、微生物、例えば、真菌生物
または細菌、好ましくはグラム陽性細菌を抑制または防除する薬剤の製造に使用すること
ができる。
【0134】
本発明の組成物および抗微生物性ポリペプチドは、動物またはヒトの抗微生物性治療剤
40
または予防剤として使用することができる。こうして、本発明の組成物および抗微生物性
ポリペプチドは、微生物の感染、例えば、細菌または真菌の感染、好ましくはグラム陽性
細菌の感染を治療する動物またはヒトの抗微生物性治療剤または予防剤の製造において使
用することができる。特に、微生物感染は、肺疾患、例えば、結核、肺炎および嚢胞性繊
維症、および性的伝達性疾患、例えば、淋疾およびクラミジアに関連することがある。
【0135】
本発明の組成物は、有効量の本発明の抗微生物性ポリペプチドを含んでなる。
用語 「有効量」 は、本明細書において使用するとき、問題の微生物の増殖を阻害する
ために十分である、本発明の抗微生物性ポリペプチドの量を意味することを意図する。
本発明は、また、創傷治癒組成物または製品、例えば、帯具、医学的装置、例えば、カ
50
(26)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
テーテル、およびさらに抗ふけ毛髪製品、例えば、シャンプーに関する。
【0136】
本発明の抗微生物性ポリペプチドの配合物は、微生物感染を患うか、あるいはそれにに
対する素因を有する宿主に投与される。投与は、特定の微生物に依存して、局所的、局在
的または全身的であることができ、好ましくは局在的である。一般に、本発明の抗微生物
性 ポ リ ペ プ チ ド の 投 与 量 は 、 少 な く と も 約 50%、 通 常 少 な く と も 1対 数 だ け 微 生 物 の 集 団 個
体 数 を 減 少 さ せ る た め に 十 分 で あ り 、 そ し て 2対 数 以 上 の 壊 滅 で あ る こ と が で き る 。
【0137】
本発明の組成物は、微生物の集団個体数を減少させると同時に副作用を最小にする投与
量 で 投 与 さ れ る 。 組 成 物 は in vivo使 用 の た め に 医 師 の 指 導 下 に 得 ら れ 、 使 用 さ れ る で あ
10
ろうことが考えられる。特に、本発明の抗微生物性ポリペプチドは、グラム陰性細菌、例
え ば 、 シ ュ ー ド モ ナ ス ・ エ ル ジ ノ ー サ [ 緑 膿 菌 ] (Pseudomonas aeruginosa) お よ び ト ラ
コ ー マ ク ラ ミ ジ ア (Chlamydia trachomatis); お よ び グ ラ ム 陽 性 細 菌 、 例 え ば 、 種 々 の ス
タ フ ィ ロ コ ッ カ ス (staphylococcus) お よ び ス ト レ プ ト コ ッ キ (streptococci) を 殺 す た
めに有効である。
【0138】
また、本発明の抗微生物性ポリペプチドは、特に慣用量の抗生物質を導入して欲しくな
い 場 合 に 、 微 生 物 を 殺 す た め の in vitro配 合 物 に 有 効 で あ る 。 例 え ば 、 本 発 明 の 抗 微 生 物
性 ポ リ ペ プ チ ド は 、 動 物 お よ び /ま た は ヒ ト の 食 品 調 製 物 に 添 加 す る こ と が で き る か 、 あ
る い は 細 胞 の in vitro培 養 の た め の 添 加 物 と し て 添 加 し て 、 組 織 培 養 に お け る 微 生 物 の 異
20
常増殖を防止することができる。
【0139】
本発明の抗微生物性ポリペプチドを使用する死滅に対する特定の微生物の感受性は、実
験 の 節 に お い て 詳 細 に 説 明 す る よ う に 、 in vitro試 験 に よ り 決 定 す る こ と が で き る 。 典 型
的には、微生物の培養物を変化する濃度の抗微生物性ポリペプチドと、タンパク質が作用
す る た め に 十 分 な 時 間 、 通 常 約 1時 間 ∼ 1日 間 組 合 わ せ る 。 次 い で 、 生 存 可 能 な 微 生 物 を 数
計測し、死滅レベルを決定する。
【0140】
問題の微生物は下記のものを包含するが、これらに限定されない:グラム陰性細菌、例
え ば 、 シ ト ロ バ ク タ ー (Citrobacter) の 種 ; エ ン テ ロ バ ク タ ー (Enterobacter) の 種 ;
30
エ シ ェ リ キ ア (Escherichia) の 種 、 例 え ば 、 大 腸 菌 (E. coli); ク レ ブ シ エ ラ (Klebsie
lla) の 種 ; モ ル ガ ネ ラ (Morganella) の 種 ; プ ロ テ ウ ス (Proteus) の 種 ; プ ロ ビ デ ン シ
ア (Providencia) の 種 ; サ ル モ ネ ラ (Salmonella) の 種 、 例 え ば 、 サ ル モ ネ ラ ・ テ ィ フ
ィ (S. typhi)、 サ ル モ ネ ラ ・ テ ィ フ ィ ム リ ウ ム (S. typhimurium); セ ラ チ ア (Serratia
) の 種 ; シ ゲ ラ [ 赤 痢 菌 ] (Shigella) の 種 ; シ ュ ー ド モ ナ ス (Pseudomonas) の 種 、 例 え
ば 、 シ ュ ー ド モ ナ ス ・ エ ル ジ ノ ー サ [ 緑 膿 菌 ] (P. aeruginosa); エ ル シ ニ ア (Yersinia)
の 種 、 例 え ば 、 エ ル シ ニ ア ・ ペ ス チ ス (Y. pestis)、 エ ル シ ニ ア ・ シ ュ ー ド チ ュ バ ク ロ
シ ス (Y. pseudotuberculosis)、 エ ル シ ニ ア ・ エ ン テ ロ コ リ チ カ (Y. enterocolitica);
フ ラ ン シ ス セ ラ (Franciscella) の 種 ; パ ス ツ レ ラ (Pasturella) の 種 ; ビ ブ リ オ (Vibr
io) の 種 、 例 え ば 、 ビ ブ リ オ ・ コ レ レ (V. cholerae)、 ビ ブ リ オ ・ パ ラ ヘ モ リ チ カ ス (V.
40
parahemolyticus); カ ン ピ ロ バ ク タ ー (Campylobacter) の 種 、 例 え ば 、 カ ン ピ ロ バ ク テ
リ ウ ム ・ ジ ェ ジ ュ ニ (C. jejuni); ヘ モ フ ィ ル ス (Haemophilus) の 種 、 例 え ば 、 イ ン フ
ル エ ン ザ 菌 (H. influenzae)、 ヘ モ フ ィ ル ス ・ ヅ ク レ イ (H. ducrey); ボ ル デ テ ラ (Bord
etella) の 種 、 例 え ば 、 百 日 咳 菌 (Bordetella pertussis)、 ボ ル デ テ ラ ・ ブ ロ ン キ セ プ
チ カ (B. bronchiseptica)、 ボ ル デ テ ラ ・ パ ラ ペ ル ツ シ ス (B. parapertussis); ブ ル セ
ラ (Brucella) の 種 ; ネ イ セ リ ア (Neisseria) の 種 、 例 え ば 、 淋 菌 (N. gonorrhoeae)、
髄 膜 炎 菌 (N. meningitidis) お よ び そ の 他 。
【0141】
問 題 の 他 の 細 菌 は 下 記 を も の 包 含 す る : レ ギ オ ネ ラ (Legionella)、 例 え ば 、 レ ギ オ ネ
ラ ・ ニ ュ ー モ フ ィ ラ (L. pneumophila); リ ス テ リ ア (Listeria) の 種 、 例 え ば 、 リ ス テ
50
(27)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
リ ア ・ モ ノ シ ト ゲ ネ ス (L. monocytogenes); マ イ コ プ ラ ズ マ (Mycoplasma) の 種 、 例 え
ば 、 マ イ コ プ ラ ズ マ ・ ホ ミ ニ ス (M. hominis)、 マ イ コ プ ラ ズ マ ・ ニ ュ ー モ ニ エ (M. pneu
moniae); マ イ コ バ ク テ リ ウ ム (Mycobacterium) の 種 、 例 え ば 、 ヒ ト 型 結 核 菌 (M. tuber
culosis)、 マ イ コ バ ク テ リ ウ ム ・ レ プ レ (M. leprae); ト レ ポ ネ マ (Treponema) の 種 、
例 え ば 、 ト レ ポ ネ マ ・ パ リ ヅ ム (T. pallidum); ボ レ ラ (Borrella) の 種 、 例 え ば 、 ボ レ
ラ ・ ブ ル グ ド ル フ ェ リ (B. burgdorferi); レ プ ト ス ピ レ (Leptospirae) の 種 ; リ ケ ッ ト
シ ア (Rickettsia) の 種 、 例 え ば 、 リ ケ ッ ト シ ア ・ リ ケ ッ ト シ イ (R. rickettsii)、 リ ケ
ッ ト シ ア ・ チ フ ィ (R. typhi); ク ラ ミ ジ ア (Chlamydia) の 種 、 例 え ば 、 ク ラ ミ ジ ア ・ ト
ラ コ マ チ ス (C. trachomatis)、 ク ラ ミ ジ ア ・ ニ ュ ー モ ニ エ (C. pneumoniae)、 ク ラ ミ ジ
ア ・ プ ス ル タ シ (C. psltaci); ヘ リ コ バ ク タ ー (Helicobacter) の 種 、 例 え ば 、 ヘ リ コ
10
バ ク タ ー ・ ピ ロ リ (Helicobacter pylori) お よ び そ の 他 。
【0142】
問 題 の 非 細 菌 病 原 体 は 、 真 菌 お よ び 原 生 動 物 の 病 原 体 、 例 え ば 、 プ ラ ス モ ジ ア (Plasmo
dia)の 種 、 例 え ば 、 熱 帯 熱 マ ラ リ ア 原 虫 (P. falciparum); ト リ パ ノ ソ ー ム (Trypanosom
e)の 種 、 例 え ば 、 ト リ パ ノ ソ ー ム ・ ブ ル セ イ (T. brucei); シ ス ト ソ ー ム (shistosomes)
; エ ン テ メ バ (Entaemoeba)の 種 ; ク リ プ ト コ ッ カ ス (Cryptococcus)の 種 ; カ ン ジ ダ (Ca
ndida)の 種 、 例 え ば 、 カ ン ジ ダ ・ ア ル ビ カ ン ス (C. albicans); お よ び そ の 他 を 包 含 す る
。
【0143】
種々の投与方法を使用することができる。ポリペプチド配合物は経口的に投与すること
20
ができるか、あるいは静脈内、皮下、腹腔内注射により、エーロゾルにより、眼内、膀胱
内、局所的に、およびその他により適用することができる。例えば、吸入による投与方法
はこの分野においてよく知られている。治療用配合物の投与量は、投与すべき特定の抗微
生物性ポリペプチド、疾患の性質、投与頻度、投与方法、宿主からの薬物のクリアランス
、およびその他に依存して広く変化するであろう。最初の投与量はより多く、次いでより
少ない維持投与量であることができる。
【0144】
投 与 量 は 頻 繁 で は な く 、 毎 週 ま た は 2週 毎 に 投 与 す る か 、 あ る い は よ り 少 な い 投 与 量 に
分 割 す る こ と が で き 、 そ し て 1日 、 半 週 に 1回 ま た は 数 回 、 お よ び そ の 他 の 方 法 で 投 与 し て
有効な投与量レベルを維持することができる。多くの場合において、静脈内投与よりも、
30
経口投与はより多い投与量を必要とするであろう。アミド結合、ならびにアミノ末端およ
びカルボキシル末端を修飾して、経口投与のための安定性をより大きくすることができる
。例えば、カルボキシル末端をアミド化することができる。
【0145】
配合物
本発明の化合物は、治療投与のための種々の配合物に混入することができる。さらに詳
しくは、本発明の化合物は適当な薬学上許容される担体または希釈剤と組合わせることに
よって医学組成物に配合することができ、そして固体、半固体、液体または気体の形態の
製剤、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、粒体、軟膏、クリーム、泡状物、溶液、坐剤、
注射剤、吸入剤、ゲル、微小球、ローション、およびエーロゾルに配合することができる
40
。それ自体、化合物の投与は種々の方法で達成することができ、このような方法は経口的
、 経 頬 的 、 経 直 腸 、 非 経 口 的 、 腹 腔 内 、 皮 内 、 経 皮 的 、 キ ー ル 内 (intracheal) お よ び そ
の他の投与により達成することができる。本発明の抗微生物性ポリペプチドは投与後に全
身的であることができるか、あるいは移植部位において活性投与量を保持する作用をする
移植片または他の配合物を使用することによって局在化することができる。
【0146】
1つ の 態 様 に お い て 、 局 所 的 使 用 の た め の 配 合 物 は キ レ ー ト 化 剤 を 含 ん で な る 。 こ の キ
レ ー ト 化 剤 は 、 2価 の カ チ オ ン 、 特 に カ ル シ ウ ム ま た は マ グ ネ シ ウ ム の 有 効 濃 度 を 減 少 さ
せ る 。 例 え ば 、 キ レ ー ト 化 剤 、 例 え ば 、 ク エ ン 酸 塩 、 EGTAま た は EDTAを 添 加 す る こ と が で
き 、 こ こ で ク エ ン 酸 塩 が 好 ま し い 。 ク エ ン 酸 塩 の 濃 度 は 通 常 約 1∼ 10 mMで あ ろ う 。
50
(28)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【0147】
本発明の化合物は、単独で、互いに組合わせて投与することができるか、あるいは他の
既 知 の 化 合 物 (例 え ば 、 ペ ル フ ォ リ ン 、 抗 炎 症 剤 、 抗 生 物 質 、 お よ び そ の 他 ) と 組 合 わ せ
て使用することができる。薬学的投与形態において、化合物は薬学上許容される塩の形態
で投与することができる。下記の方法および賦形剤は単に例証的であり、まったく限定的
ではない。
【0148】
経口製剤について、化合物は単独でまたは適当な添加剤と組み合わせて使用して錠剤、
粉剤、粒剤またはカプセル剤を作ることができ、ここで組合わせることができる添加剤の
例は次の通りである: 慣用の添加剤、例えば、ラクトース、マンニトール、コーンスター
10
チまたはジャガイモデンプン; 結合剤、例えば、結晶質セルロース、セルロース誘導体、
アカシアゴム、コーンスターチまたはゼラチン; 崩壊剤、例えば、コーンスターチ、ジャ
ガイモデンプンまたはナトリウムカルボキシメチルセルロース; 滑剤、例えば、タルクま
たはステアリン酸マグネシウム; および必要に応じて、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤
および香味剤。
【0149】
化合物は、注射のために、水性または非水性溶媒、例えば、植物性油または他の同様な
油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸またはポリプロピレングリコールのエステル中に
化合物を溶解、懸濁または乳化することによって、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば
、可溶化剤、等張化剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤および保存剤を使用して製剤に配合する
20
ことができる。
【0150】
化合物は、吸入を介して投与すべきエーロゾル配合物において利用することができる。
本発明の化合物は、加圧した許容可能な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、プ
ロパン、窒素およびその他の中に配合することができる。
化合物は、慣用の添加剤、例えば、可溶化剤、等張化剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤およ
び保存剤を使用する配合により、ローションとして使用して、例えば、熱傷の感染を防止
することができる。
【0151】
さらに、化合物は、種々の基剤、例えば、乳化性基剤または水溶性基剤と混合すること
30
によって、坐剤に調製することができる。本発明の化合物は、坐剤を介して経直腸的に投
与することができる。坐剤は、体温で溶融するが、なお室温において固化する賦形剤、例
えば、カカオバター、カーボワックスおよびポリエチレングリコールを含むことができる
。
【0152】
経口的または経直腸的投与のための単位投与形態、例えば、シロップ剤、エリキシル剤
お よ び 懸 濁 液 を 準 備 す る こ と が で き 、 こ こ で 各 投 与 単 位 、 茶 匙 1杯 、 食 匙 1杯 、 錠 剤 ま た は
坐 剤 は 、 前 も っ て 決 定 し た 量 の 1種 ま た は 2種 以 上 の 本 発 明 の 化 合 物 を 含 有 す る 組 成 物 を 含
有する。同様に、注射または静脈内投与のための単位投与形態は、本発明の化合物を無菌
水、通常の生理的食塩水または他の薬学上許容される担体中の溶液として組成物中に含ん
40
でなることができる。
【0153】
持続放出性配合物のための移植片は、この分野においてよく知られている。移植片は、
生物分解性または非生物分解性ポリマーを使用して、微小球、スラブ、およびその他とし
て 配 合 さ れ る 。 例 え ば 、 乳 酸 お よ び /ま た は グ リ コ ー ル 酸 の ポ リ マ ー は 、 宿 主 が 十 分 に 許
容する浸食可能なポリマーを形成する。本発明の抗微生物性ポリペプチドを含有する移植
片は感染部位に近接させて配置して、活性剤の局所的濃度を体の残部に関係して増加させ
る。
【0154】
用語 「単位投与形態」 は、本明細書において使用するとき、ヒトおよび動物の被検体
50
(29)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
のための単一投与量として適当な物理的に離散した単位を意味し、各単位は薬学上許容さ
れる希釈剤、担体または賦形剤に関連して必要な作用を生成するために十分である量で計
算した前もって決定した量の本発明の化合物を含有する。本発明の単位投与形態の規格は
、使用する特定の化合物、達成すべき作用、および宿主における化合物に関連する薬力学
に依存する。
【0155】
薬学上許容される賦形剤、例えば、ベヒクル、アジュバント、担体または希釈剤は公衆
に 容 易 に 入 手 可 能 で あ る 。 そ の 上 、 薬 学 上 許 容 さ れ る 補 助 物 質 、 例 え ば 、 pH調 節 剤 お よ び
緩衝剤、張度調節剤、安定剤、湿潤剤およびその他は公衆に容易に入手可能である。
【0156】
10
全 身 的 投 与 に 典 型 的 な 投 与 量 は 、 0.1 pg∼ 100 mg/被 検 体 の 体 重 kg/投 与 の 範 囲 で あ る 。
典 型 的 な 投 与 量 は 、 毎 日 2回 ∼ 6回 摂 取 す る 1つ の 錠 剤 、 1日 1回 摂 取 し か つ 比 例 的 に よ り 高
い 含 有 率 で 活 性 成 分 を 含 有 す る 1回 放 出 性 カ プ セ ル 剤 ま た は 錠 剤 で あ る こ と が で き る 。 時
間 -放 出 作 用 は 、 異 な る pH値 に お い て 溶 解 す る カ プ セ ル 剤 物 質 に よ り 、 浸 透 圧 に よ り ゆ っ
くり放出するカプセル剤により、または他の既知の調節放出手段により達成することがで
きる。
【0157】
当業者は容易に認識するように、投与量レベルは特定の化合物、症状の重症度および副
作用に対する被検体の感受性の関数として変化することがある。特定の化合物のあるもの
は他の化合物よりもいっそう効力がある。当業者は、種々の手段により、所定の化合物に
20
ついて好ましい投与量を容易に決定することができる。好ましい手段は、所定の化合物の
生理学的効力を測定することである。
【0158】
送 達 ベ ヒ ク ル と し て リ ポ ソ ー ム を 使 用 す る こ と は 、 問 題 の 方 法 の 1つ で あ る 。 リ ポ ソ ー
ムはターゲット部位の細胞と融合し、ルーメン内容物を細胞内に送出す。接触を維持する
種々の手段、例えば、隔離、結合剤、およびその他を使用して、融合のために十分な時間
の 間 、 リ ポ ソ ー ム は 細 胞 と 接 触 し て 維 持 さ れ る 。 本 発 明 の 1つ の 面 に お い て 、 リ ポ ソ ー ム
は経肺的投与のためにエーロゾル化されるように設計される。リポソームは、膜の融合を
仲介する精製されたタンパク質またはペプチド、例えば、センダイウイルスまたはインフ
ルエンザウイルス、およびその他を使用して調製することができる。脂質は、カチオン性
30
または双生イオン性脂質、例えば、ホスファチジルコリンを包含する、既知のリポソーム
形成性脂質の任意の有効な組合わせであることができる。残りの脂質は通常中性または酸
性の脂質、例えば、コレステロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロー
ル、およびその他であろう。
【0159】
リ ポ ソ ー ム を 調 製 す る た め に 、 Kato 他 (1991) J. Biol. Chem. 266: 3361に 記 載 さ れ
ている手順を使用することができる。簡単に述べると、脂質とペプチドを含有するルーメ
ン組成物とを適当な水性媒質、好都合には生理食塩水媒質中で組合わせ、ここで全固形分
は 約 1∼ 10重 量 %の 範 囲 で あ ろ う 。 約 5∼ 60秒 の 短 時 間 強 く 攪 拌 し た 後 、 管 を 約 25∼ 40℃ の
加 温 浴 の 中 に 入 れ 、 こ の サ イ ク ル を 約 5∼ 10回 反 復 す る 。 次 い で 組 成 物 を 慣 用 の 時 間 の 間
40
、 一 般 に 約 1∼ 10秒 間 超 音 波 処 理 し 、 さ ら に 渦 形 成 に よ り 攪 拌 す る こ と が で き る 。 次 い で
体 積 を 水 性 媒 質 の 添 加 に よ り 拡 大 し 、 一 般 に 体 積 を 1∼ 2倍 に 増 加 さ せ 、 次 い で 震 蘯 お よ び
冷却する。この方法により、高分子量のルーメン中への混入が可能である。
【0160】
他の活性剤との配合
主題の方法において使用するために、本発明の抗微生物性ポリペプチドは、他の薬学的
活性剤、特に他の抗微生物剤と配合することができる。問題の他の活性剤は、この分野に
おいて知られている広範な種類の抗生物質を包含する。抗生物質のクラスは下記のものを
包 含 す る : ペ ニ シ リ ン 、 例 え ば 、 ペ ニ シ リ ン G、 ペ ニ シ リ ン V、 メ チ シ リ ン 、 オ キ サ シ リ ン
、 カ ル ベ ニ シ リ ン 、 ナ フ シ リ ン 、 ア ン ピ シ リ ン 、 お よ び そ の 他 ; ペ ニ シ リ ン と β -ラ ク タ
50
(30)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
マーゼインヒビター、例えば、下記のものとの組合わせ、セファロスポリン、例えば、コ
ファクター、セファゾリン、セフロキシム、モキサラクタム、およびその他; カルバペネ
ム; モノバクタム; アミノグリコシド; テトラサイクリン; マクロリド; リンコマイシン
; ポリミキシン; スルホンアミド; キノロン; クロランフェニカル; メトロニダゾール;
スペクチノマイシン; トリメトプリム; バンコマイシン; およびその他。
【0161】
ま た 、 抗 菌 剤 は 有 効 で あ り 、 そ れ ら は ポ リ エ ン 、 例 え ば 、 ア ム フ ォ テ リ シ ン B、 ニ ス タ
チ ン ; 5-フ ル コ シ ン ; お よ び ア ゾ ー ル 、 例 え ば 、 ミ コ ナ ゾ ー ル 、 ケ ト コ ナ ゾ ー ル 、 イ ト ラ
コナゾールおよびフルコナゾールを包含する。抗結核薬物は、イソニアジド、エタンブト
ール、ストレプトマイシンおよびリファンピシンを包含する。サイトカイン、例えば、イ
10
ン タ ー フ ェ ロ ン -γ 、 腫 瘍 壊 死 因 子 -α 、 イ ン タ ー ロ イ キ ン -12、 お よ び そ の 他 を 本 発 明 の
抗微生物性ポリペプチドの配合物に添加することができる。
【0162】
in vitro合 成
本発明の抗微生物性ポリペプチドは、この分野において知られている慣用法を使用して
、 in vitro合 成 に よ り 製 造 す る こ と が で き る 。 種 々 の 商 用 合 成 装 置 、 例 え ば 、 自 動 化 合 成
装 置 (Applied Biosystems, Inc.、 Beckman、 お よ び そ の 他 ) が 入 手 可 能 で あ る 。 合 成 装
置を使用することによって、天然に存在するアミノ酸を天然に見出されないアミノ酸、特
に D-異 性 体 (D-型 )、 例 え ば 、 D-ア ラ ニ ン お よ び D-イ ソ ロ イ シ ン 、 ジ ア ス テ レ イ ソ マ ー 、
異なる長さまたは機能を有する側鎖、およびその他で置換することができる。特定の配列
20
および製造方法は、便利さ、経済性、要求される純度、およびその他により決定されるで
あろう。
【0163】
結合のために好都合な機能、例えば、アミドまたは置換アミンの形成のためのアミノ基
、例えば、還元性アミン化、チオエーテルまたはジサルファイドの形成のためのチオール
基、アミド形成のためのカルボキシル基、およびその他を含んでなる種々のタンパク質ま
たはペプチドに、化学結合を提供することができる。
必要に応じて、他の分子または表面に対する結合を可能とする、種々の基を合成間また
は発現間にペプチドの中に導入することができる。
【0164】
30
また、慣用の組換え合成法に従い、ポリペプチドを単離し、精製することができる。ラ
イ ゼ イ ト を 酵 素 宿 主 か ら 調 製 す る こ と が で き 、 そ し て ラ イ ゼ イ ト は HPLC、 排 除 ク ロ マ ト グ
ラフィー、ゲル電気泳動、アフィニティークロマトグラフィー、または他の精製ターミネ
ーター配列を使用して精製することができる。大部分について、使用する組成物は、生成
物 の 製 造 方 法 お よ び 精 製 方 法 に 関 係 す る 汚 染 物 質 に 関 し て 、 少 な く と も 20重 量 %、 よ り 通
常 少 な く と も 約 75重 量 %、 好 ま し く は 少 な く と も 約 95重 量 %、 療 法 的 目 的 の た め に 、 通 常 少
な く と も 約 99.5重 量 %の 必 要 な 生 成 物 を 含 ん で な る で あ ろ う 。 通 常 、 百 分 率 は 全 タ ン パ ク
質に基づくであろう。
【0165】
動物飼料
40
本発明は、また、動物飼料において抗微生物活性を有する沈殿を使用する方法、ならび
に本発明の抗微生物性ポリペプチドを含んでなる飼料組成物および飼料添加物に関する。
【0166】
用語 「動物」 は、人間を含む、すべての動物を包含する。動物の例は、非反芻動物、
および反芻動物、例えば、雌牛、ヒツジおよびウマである。特定の態様において、動物は
非反芻動物である。非反芻動物は下記のものを包含する: 単胃動物、例えば、ブタまたは
イ ノ シ シ (子 豚 、 生 長 し て い る ブ タ 、 お よ び 雌 豚 を 包 含 す る が 、 こ れ ら に 限 定 さ れ な い );
家 禽 、 例 え ば 、 シ チ メ ン チ ョ ウ お よ び ニ ワ ト リ (ブ ロ イ ラ ー ひ な 、 産 卵 鶏 を 包 含 す る が
、 こ れ ら に 限 定 さ れ な い ); 若 い 仔 ウ シ ; お よ び 魚 (サ ケ を 包 含 す る が 、 こ れ ら に 限 定 さ
れ な い )。
50
(31)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【0167】
用語 「飼料」 または 「飼料組成物」 は、動物の摂取に適当な、または意図される化
合物、調製物、混合物または組成物を意味する。
本発明に従う使用において、抗微生物性ポリペプチドは飼料の前に、後にまたはそれと
同時に動物に供給することができる。後者は好ましい。
【0168】
特定の態様において、抗微生物性ポリペプチドは、それらが飼料に添加される形態にお
いて、または飼料添加物に含められるとき、十分に規定される。「十分に規定される」は
、 調 製 物 が サ イ ズ 排 除 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー に よ り 決 定 し て 、 少 な く と も 50%の 純 度 で あ る
こ と を 意 味 す る (WO 01/58275の 実 施 例 12参 照 ) 。 他 の 特 定 の 態 様 に お い て 、 調 製 物 は 、
10
こ の 方 法 に よ り 決 定 し て 、 少 な く と も 60、 70、 80、 85、 88、 90、 92、 94、 ま た は 少 な く と
も 95%の 純 度 で あ る 。
【0169】
十分に規定された調製物は好都合である。例えば、妨害性または汚染する他の成分を本
質的に含まない抗微生物性ポリペプチドの調製物を飼料に正しく投与することは非常に容
易である。用語 「正しく投与する」 は、特に、終始一貫したかつ一定の結果を得るとい
う目的、および必要な効果に基づいて投与量を最適化する可能性を意味する。
しかしながら、動物飼料において使用するために、抗微生物性ポリペプチドは純粋であ
る必要がない; それは、例えば、追加の酵素を含むことができ、この場合において、それ
は抗微生物性ポリペプチド調製物と命名することができる。
20
【0170】
抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド 調 製 物 は (a) 直 接 飼 料 に 添 加 す る (ま た は 直 接 植 物 性 タ ン パ
ク 質 の 処 理 プ ロ セ ス に お い て 使 用 す る ) こ と が で き る か 、 あ る い は そ れ は 1種 ま た は 2種 以
上の中間組成物、例えば、飼料添加物またはプレミックスに添加し、引き続いてこれらを
飼 料 に 添 加 す る (ま た は 処 理 プ ロ セ ス に お い て 使 用 す る ) こ と が で き る 。 前 述 の 純 度 は 、
上 記 (a) ま た は (b) に 従 い 使 用 す る か ど う か に か か わ ら ず 、 も と の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ
チド調製物の純度を意味する。
【0171】
この程度の純度を有する抗微生物性ポリペプチド調製物は、特に組換え製造方法を使用
して得ることができるが、抗微生物性ポリペプチドが伝統的発酵法により製造されるとき
30
、抗微生物性ポリペプチド調製物は容易には得られず、また非常に高いバッチ対バッチ式
変法に付される。
もちろん、このような抗微生物性ポリペプチド調製物は他の酵素と混合することができ
る。
【0172】
用語 「植物性タンパク質」 は、本明細書において使用するとき、植物から誘導される
か 、 あ る い は 植 物 に 由 来 す る 少 な く と も 1種 の タ ン パ ク 質 、 例 え ば 、 修 飾 さ れ た タ ン パ ク
質およびタンパク質誘導体を包含する、任意の化合物、組成物、調製物または混合物を意
味 す る 。 特 定 の 態 様 に お い て 、 植 物 性 タ ン パ ク 質 の タ ン パ ク 質 含 有 率 は 少 な く と も 10、 20
、 30、 40、 50ま た は 60% (w/w) で あ る 。
40
【0173】
植物性タンパク質は、植物性タンパク質源、例えば、マメ科植物およびおよび穀物に由
来 す る こ と が で き 、 例 え ば 、 マ メ 科 (Fabaceae) (Leguminosae)、 ア ブ ラ ナ 科 (Crucifera
ceae)、 ア カ ザ 科 (Chenopodiaceae) お よ び イ ネ 科 (Poaceae) の 植 物 の 材 料 、 例 え ば 、 ダ
イズ粉末、ハウチマメ粉末およびナタネ粉末に由来することができる。
特 定 の 態 様 に お い て 、 植 物 性 タ ン パ ク 質 源 は マ メ 科 (Fabaceae) の 1種 ま た は 2種 以 上 の
植物、例えば、ダイズ、ハウチマメ、エンドウマメ、またはソラマメ・インゲン・ササゲ
の類からの材料である。
【0174】
他 の 特 定 の 態 様 に お い て 、 植 物 性 タ ン パ ク 質 源 は ア カ ザ 科 (Chenopodiaceae) の 1種 ま
50
(32)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
た は 2種 以 上 の 植 物 、 例 え ば 、 ビ ー ト 、 テ ン サ イ 、 ホ ウ レ ン ソ ウ ま た は キ ノ ア か ら の 材 料
である。
植物性タンパク質源の他の例は、ナタネ、ヒマワリの種子、ワタの種子、およびキャベ
ツである。
植物性タンパク質源の他の例は、ナタネおよびキャベツである。
【0175】
ダイズは好ましい植物性タンパク質源である。
植物性タンパク質源の他の例は、穀物、例えば、オオムギ、コムギ、ライムギ、カラス
ム ギ 、 ト ウ モ ロ コ シ (ト ウ モ ロ コ シ ) 、 イ ネ お よ び モ ロ コ シ で あ る 。
抗微生物性ポリペプチドは、任意の形態で、比較的純粋な生成物として、または動物飼
10
料への添加を意図する他の成分との混合物として、すなわち、動物飼料添加物の形態、例
えば、いわゆる動物飼料のプレミックスの形態で、飼料に添加することができる。
【0176】
それ以上の面において、本発明は、動物飼料において使用する組成物、例えば、動物飼
料、および動物飼料添加物、例えば、プレミックスに関する。
本発明の抗微生物性ポリペプチドを別として、本発明の動物飼料添加物は、少なくとも
1種 の 脂 溶 性 ビ タ ミ ン 、 お よ び /ま た は 少 な く と も 1種 の 水 溶 性 ビ タ ミ ン 、 お よ び /ま た は 少
な く と も 1種 の 微 量 ミ ネ ラ ル 、 お よ び /ま た は 必 要 に 応 じ て 少 な く と も 1種 の マ ク ロ ミ ネ ラ
ルを含有する。
【0177】
20
さ ら に 、 任 意 の 飼 料 添 加 物 成 分 は 、 着 色 剤 ; 芳 香 化 合 物 ; 安 定 剤 ; お よ び /ま た は フ ィ
タ ー ゼ EC 3.1.3.8ま た は 3.1.3.26; キ シ ラ ナ ー ゼ EC 3.2.1.8; ガ ラ ク タ ナ ー ゼ EC 3.2.1.8
9; お よ び /ま た は β -グ ル カ ナ ー ゼ EC 3.2.1.4か ら 成 る 群 か ら 選 択 さ れ る 少 な く と も 1種 の
他の酵素である。
他 の 抗 微 生 物 性 ペ プ チ ド (AMP) お よ び CAP18、 ロ イ コ シ ン A、 ト リ ト ル プ チ シ ン 、 プ ロ
テ グ リ ン -1、 タ ナ チ ン 、 デ フ ェ ン シ ン 、 オ ビ ス ピ リ ン 、 例 え ば 、 ノ ビ ス ピ リ ン (Robert L
ehrer、 2000) お よ び 抗 微 生 物 活 性 を 保 持 す る そ れ ら の 変 異 型 ま た は フ ラ グ メ ン ト で あ る
。
【0178】
他 の 抗 真 菌 性 ポ リ ペ プ チ ド (AFP) は 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ギ ガ ン テ ウ ス (Aspergillus g
30
iganteus) お よ び ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー (Aspergillus niger) ペ プ チ ド 、 な ら び に 抗
微 生 物 活 性 を 保 持 す る そ れ ら の 変 異 型 ま た は フ ラ グ メ ン ト で あ る (WO 94/01459お よ び PCT
/DK 02/00289 [い っ た ん 公 開 さ れ る と WO番 号 と 置 換 さ れ る ] に 記 載 さ れ て い る )。
通常、脂溶性ビタミンおよび水溶性ビタミン、ならびに微量ミネラルは飼料への添加に
意図される、いわゆるプレミックスの一部分を形成するが、マクロミネラルは通常別々に
飼料に添加される。これら組成物のタイプのいずれも、本発明の抗微生物性ポリペプチド
で濃縮されたとき、本発明の動物飼料添加物である。
【0179】
特 定 の 態 様 に お い て 、 本 発 明 の 動 物 飼 料 添 加 物 は 動 物 の 食 飼 ま た は 飼 料 に 0.01∼ 10.0%
、 よ り 好 ま し く は 0.05∼ 5.0%、 ま た は 0.2∼ 1.0% (%は g 添 加 物 /100 g 飼 料 を 意 味 す る )
40
の レ ベ ル で 添 加 さ れ る (ま た は 添 加 し な く て は な ら な い と し て 処 方 さ れ る ) こ と を 意 図 さ
れる。これは特にプレミックスに当てはまる。
これら成分の例の非限定的リストは次の通りである:
脂 溶 性 ビ タ ミ ン の 例 は 、 ビ タ ミ ン A、 ビ タ ミ ン D3、 ビ タ ミ ン Eお よ び ビ タ ミ ン K、 例 え ば
、 ビ タ ミ ン K3で あ る 。
【0180】
水 溶 性 ビ タ ミ ン の 例 は 、 ビ タ ミ ン B12、 ビ オ チ ン お よ び コ リ ン 、 ビ タ ミ ン B1、 ビ タ ミ ン B
2、 ビ タ ミ ン B6、 ニ ア シ ン 、 葉 酸 お よ び パ ン ト テ ン 酸 塩 、 例 え ば 、 Ca-D-パ ン ト テ ン 酸 塩 で
ある。
微量ミネラルの例は、マンガン、亜鉛、鉄、銅、ヨウ素、セレンおよびコバルトである
50
(33)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
。
マクロミネラルの例は、カルシウム、リンおよびナトリウムである。
【0181】
こ れ ら の 成 分 の 栄 養 必 要 量 (家 禽 お よ び 子 豚 /ブ タ で 例 示 さ れ て い る ) は 、 WO 01/58275
の 表 Aに 列 挙 さ れ て い る 。 栄 養 必 要 量 は 、 こ れ ら の 成 分 を 示 さ れ る 濃 度 で 食 飼 に お い て 提
供すべきであることを意味する。
【0182】
別 法 に お い て 、 本 発 明 の 動 物 飼 料 添 加 物 は WO 01/58275の 表 Aに お い て 特 定 さ れ て い る 個
々 の 成 分 の 少 な く と も 1種 を 含 ん で な る 。 少 な く と も 1種 は 、 1ま た は 2以 上 、 1、 ま た は 2、
ま た は 4お よ び そ の 他 す べ て 13種 類 ま で 、 ま た は す べ て 15種 類 ま で の 個 々 の 成 分 を 意 味 す
10
る 。 よ り 詳 し く は 、 こ の 少 な く と も 1種 の 個 々 の 成 分 は 、 本 発 明 の 添 加 物 中 に 、 表 Aの 欄 4
、 ま た は 欄 5、 ま た は 欄 6に 示 さ れ て い る 範 囲 内 の 飼 料 内 濃 度 を 提 供 す る よ う な 量 で 添 加 さ
れる。
【0183】
本発明は、また、動物飼料組成物に関する。動物飼料組成物または食飼は比較的高いタ
ン パ ク 質 含 有 率 を 有 す る 。 家 禽 お よ び ブ タ の 食 飼 は WO 01/58275の 表 B、 欄 2∼ 3に 示 さ れ て
い る よ う に 特 性 決 定 す る こ と が で き る 。 魚 の 食 飼 は WO 01/58275の 表 B、 欄 4に 示 さ れ て い
る よ う に 特 性 決 定 す る こ と が で き る 。 さ ら に 、 こ の よ う な 魚 の 食 飼 は 通 常 200∼ 310 g/kg
の粗脂肪含量を有する。
本 発 明 に よ る 動 物 飼 料 組 成 物 は 50∼ 800 g/kgの 粗 タ ン パ ク 質 含 量 を 有 し 、 そ し て さ ら に
20
特 許 請 求 の 範 囲 に 記 載 す る 少 な く と も 1種 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド を 含 ん で な る 。
【0184】
さ ら に 、 ま た は 別 法 に お い て (上 に 示 し た 粗 タ ン パ ク 質 含 量 に 対 し て )、 本 発 明 の 動 物
飼 料 組 成 物 は 10∼ 30 MJ/kgの 代 謝 可 能 な エ ネ ル ギ ー 、 お よ び /ま た は 0.1∼ 200 g/kgの カ ル
シ ウ ム 含 量 、 お よ び /ま た は 0.1∼ 200 g/kgの 有 効 リ ン 含 量 、 お よ び /ま た は 0.1∼ 100 g/kg
の メ チ オ ニ ン 含 量 、 お よ び /ま た は 0.1∼ 150 g/kgの メ チ オ ニ ン +シ ス テ イ ン 含 量 、 お よ び /
ま た は 0.5∼ 50 g/kgの リ シ ン 含 量 を 有 す る 。
【0185】
特定の態様において、代謝可能なエネルギー、粗タンパク質、カルシウム、リン、メチ
オ ニ ン 、 メ チ オ ニ ン +シ ス テ イ ン 、 お よ び /ま た は リ シ ン の 含 量 は 、 WO 01/58275の 表 B中 の
30
範 囲 2、 3、 4ま た は 5 (R、 2∼ 5) の 任 意 の 1つ 内 に あ る 。
粗 タ ン パ ク 質 含 量 は 窒 素 (N) × 係 数 6.25と し て 計 算 さ れ る 、 す な わ ち 、 粗 タ ン パ ク 質
(g/kg) = N (g/kg) × 6.25。 窒 素 含 量 は Kjeldahl法 に よ り 決 定 さ れ る (A.O.A.C. 1984
、 Official Methods of Analysis 第 14版 、 Association of Official Analytical Chemis
ts、 ワ シ ン ト ン D.C.) 。
【0186】
代 謝 可 能 な エ ネ ル ギ ー は 下 記 の 文 献 に 基 づ い て 計 算 す る こ と が で き る : NRC publicatio
n Nutrient requirements in swine、 第 9改 定 版 1988、 subcommittee on swine nutritio
n、 committee on animal nutrition、 board of agriculture、 national council、 Nation
al Academy Press、 ワ シ ン ト ン D.C.、 pp. 2-6、 お よ び the European Table of Energy Va
40
lues for Poultry Feed-stuffs、 Spelderholt centre for poultry research and extens
ion、 オ ラ ン ダ 国 ビ ー ク バ ー ゲ ン DA 7361、 Grafisch bedrijf Ponsen & Iooijen bv、 Wage
ningen、 ISBN 90-71463-12-5。
【0187】
完全動物食飼中のカルシウム、有効リンおよびアミノ酸の食飼含量は、飼料表、例えば
、 下 記 に 基 づ い て 計 算 す る こ と が で き る : Veevoedertabel 1997、 gegevens over chemisc
he samenstelling, verteerbaarheld en voederwaarde van voedermiddelen、 Central Ve
evoederbureau、 Rnderweg 6、 8219 pk Leiystad、 ISBN 90-72839-13-7。
特 定 の 態 様 に お い て 、 本 発 明 の 動 物 飼 料 組 成 物 は 少 な く と も 1種 の タ ン パ ク 質 を 含 有 す る
。
50
(34)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【0188】
な お そ れ 以 上 の 特 定 の 態 様 に お い て 、 本 発 明 の 動 物 飼 料 組 成 物 は 0∼ 80%の ト ウ モ ロ コ シ
; お よ び /ま た は 0∼ 80%の モ ロ コ シ ; お よ び /ま た は 0∼ 70%の コ ム ギ ; お よ び /ま た は 0∼ 70
%の オ オ ム ギ ; お よ び /ま た は 0∼ 30%の カ ラ ス ム ギ ; お よ び /ま た は 0∼ 40%の 大 豆 か す ; お
よ び /ま た は 0∼ 10%の 魚 粉 ; お よ び /ま た は 0∼ 20%の ホ エ ー を 含 有 す る 。 動 物 食 飼 は 、 例 え
ば 、 マ ッ シ ュ 飼 料 (非 ペ レ ッ ト 化 ) ま た は ペ レ ッ ト 化 飼 料 と し て 製 造 す る こ と が で き る 。
典型的には、微粉砕された飼料物質を混合し、そして十分な量の必須ビタミおよびミネラ
ルを問題の種についての規格に従い添加する。酵素は固体状または液状の配合物として添
加することができる。例えば、固体状酵素配合物は典型的には混合工程の前または間に添
加し、そして液状酵素調製物は典型的にはペレット化工程後に添加される。また、酵素は
10
飼料添加物またはプレミックスの中に混入することができる。
【0189】
食 飼 中 の 最 終 酵 素 濃 度 は 、 0.01∼ 200 mgの 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド /kgの 動 物 食 飼 の 範
囲 内 、 例 え ば 、 5∼ 30 mgの 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド /kgの 動 物 食 飼 の 範 囲 で あ る 。
抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド は 下 記 の 量 (投 与 量 範 囲 ) の 1ま た は 2以 上 に お い て 投 与 さ れ る
こ と が 考 え ら れ る : 0.01∼ 200; ま た は 0.01∼ 100; ま た は 0.05∼ 100; 0.05∼ 50; ま た は 0
.01∼ 10 - す べ て の こ れ ら の 範 囲 は mg抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド タ ン パ ク 質 /kg飼 料 (ppm)
である。
【0190】
mg抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド /kg飼 料 を 決 定 す る た め に 、 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド を 飼 料
20
組成物から精製し、そして精製された抗微生物性ポリペプチドの比活性を関係するアッセ
イ に よ り 決 定 す る (抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド 活 性 、 基 質 お よ び ア ッ セ イ の 項 参 照 )。 ま た
、飼料組成物それ自体の抗微生物性ポリペプチド活性を同一アッセイ間に決定し、そして
こ れ ら の 2つ の 決 定 に 基 づ い て 、 投 与 量 (mg抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド /kg飼 料 ) を 計 算 す る
。
【0191】
同 一 原 理 が 飼 料 添 加 物 中 の mg抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド の 決 定 に 適 用 さ れ る 。 も ち ろ ん 、
飼料添加物または飼料の製造に使用した抗微生物性ポリペプチドの試料が入手可能である
場 合 、 こ の 試 料 か ら 比 活 性 を 決 定 す る (飼 料 組 成 物 ま た は 添 加 物 か ら 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ
チ ド を 精 製 す る 必 要 が な い )。
30
【0192】
洗剤組成物
本 発 明 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド を 洗 剤 組 成 物 に 添 加 し 、 こ う し て 洗 剤 組 成 物 の 1構 成
成分とすることができる。
【0193】
本発明の洗剤組成物は、例えば、汚れた布帛の前処理に適当な洗濯添加剤組成物および
リンス添加布帛柔軟剤組成物を包含する手によるまたは機械的洗濯洗剤組成物として配合
することができ、または一般的家庭用硬質表面クリーニング作業において使用する洗剤組
成物として配合することができ、または手による皿洗浄作業または機械的皿洗浄作業のた
めに配合することができる。
40
【0194】
特定の面において、本発明は、本発明の抗微生物性ポリペプチドを含んでなる洗剤添加
剤 を 提 供 す る 。 洗 剤 添 加 剤 な ら び に 洗 剤 組 成 物 は 、 1種 ま た は 2種 以 上 の 他 の 酵 素 、 例 え ば
、他の酵素、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラ
ーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシ
ラ ナ ー ゼ 、 オ キ シ ダ ー ゼ (例 え ば 、 ラ ッ カ ー ゼ ) お よ び /ま た は ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ (例 え
ば、ハロペルオキシダーゼ) を含んでなることができる。
【0195】
一 般 に 、 1種 ま た は 2種 以 上 の 選 択 し た 酵 素 の 性 質 は 、 選 択 し た 洗 剤 と 適 合 性 (す な わ ち
、 pH最 適 値 、 他 の 酵 素 お よ び 非 酵 素 成 分 と の 適 合 性 お よ び そ の 他 ) で あ る べ き で あ り 、 そ
50
(35)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
し て 1種 ま た は 2種 以 上 の 酵 素 は 有 効 量 で 存 在 す べ き で あ る 。
【0196】
プロテアーゼ: 適当なプロテアーゼは、動物、植物または微生物由来のものを包含する
。微生物由来は好ましい。化学的または遺伝的に修飾された突然変異体が包含される。プ
ロテアーゼはセリンプロテアーゼまたは金属プロテアーゼ、好ましくはアルカリ性微生物
プロテアーゼまたはトリプシン様プロテアーゼであることができる。アルカリ性プロテア
ー ゼ の 例 は 、 ス ブ チ リ シ ン 、 特 に バ シ ラ ス (Bacillus) に 由 来 す る も の 、 例 え ば 、 ス ブ チ
リ シ ン Novo、 ス ブ チ リ シ ン Carlsberg、 ス ブ チ リ シ ン 309、 ス ブ チ リ シ ン 147お よ び ス ブ チ
リ シ ン 168 (WO 89/06279に 記 載 さ れ て い る ) で あ る 。 ト リ プ シ ン 様 プ ロ テ ア ー ゼ の 例 は ト
リ プ シ ン (例 え ば 、 ブ タ ま た は ウ シ 由 来 ) お よ び WO 89/06270お よ び WO 94/25583に 記 載 さ
10
れ て い る フ ザ リ ウ ム (Fusarium) プ ロ テ ア ー ゼ で あ る 。
【0197】
有 効 な プ ロ テ ア ー ゼ の 例 は 、 WO 92/19729、 WO 98/20115、 WO 98/20116お よ び WO 98/349
46に 記 載 さ れ て い る 変 異 型 、 特 に 下 記 の 位 置 の 1ま た は 2以 上 に お い て 置 換 を 有 す る 変 異 型
で あ る : 27、 36、 57、 76、 87、 97、 101、 104、 120、 123、 167、 170、 194、 206、 218、 222
、 224、 235お よ び 274。
【0198】
リパーゼ: 適当なリパーゼは細菌または真菌由来のリパーゼである。化学的に修飾され
たまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。有効なリパーゼの例は下記のか
ら の リ パ ー ゼ で あ る : フ ミ コ ラ (Humicola) (同 義 語 Thermomyces)、 例 え ば 、 EP 258 068
20
お よ び EP 305 216に 記 載 さ れ て い る フ ミ コ ラ ・ ラ ヌ ギ ノ サ (H. lanuginosa) (T. lanugin
osus) ま た は WO 96/13580に 記 載 さ れ て い る フ ミ コ ラ ・ イ ン ソ レ ン ス (H. insolens)、 シ
ュ ー ド モ ナ ス (Pseudomonas) リ パ ー ゼ 、 例 え ば 、 シ ュ ー ド モ ナ ス ・ ア ル カ リ ゲ ネ ス (P.
alcaligenes) ま た は シ ュ ー ド モ ナ ス ・ シ ュ ー ド ア ル カ リ ゲ ネ ス (P. pseudoalcaligenes)
(EP 218 272)、 シ ュ ー ド モ ナ ス ・ セ パ シ ア (P. cepacia) (EP 331 376)、 シ ュ ー ド モ ナ
ス ・ ス ツ ゼ リ (P. stutzeri) (GB 1,372,034)、 シ ュ ー ド モ ナ ス ・ フ ル オ レ セ ン ス (P. fl
uorescens)、 シ ュ ー ド モ ナ ス (Pseudomonas) 種 株 SD705 (WO 95/06720お よ び WO 96/20700
2)、 シ ュ ー ド モ ナ ス ・ ウ ィ ス コ ン シ ネ ン シ ス (P. wisconsinensis) (WO 96/12012)、 バ シ
ラ ス (Bacillus) リ パ ー ゼ 、 例 え ば 、 バ シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (B. subtilis) (Dartois 他
(1993)、 Biochimica et Biophysica Acta 1131、 253-360)、 バ シ ラ ス ・ ス テ ア ロ サ ー モ
30
フ ィ ラ ス (B. stearothermophilus) (JP 64/744992) ま た は バ シ ラ ス ・ ピ ュ ミ ル ス (B. p
umilus) (WO 92/16422)。
【0199】
他 の 例 は リ パ ー ゼ 変 異 型 、 例 え ば 、 下 記 の 文 献 に 記 載 さ れ て い る 変 異 型 を 包 含 す る : WO
92/05249、 WO 94/01541、 EP 407 225、 EP 260 105、 WO 95/35381、 WO 96/00292、 WO 95/
30744、 WO 94/25578、 WO 95/14783、 WO 95/22615、 WO 97/04079お よ び WO 97/07202。
【0200】
ア ミ ラ ー ゼ : 適 当 な ア ミ ラ ー ゼ (α -お よ び /ま た は β -) は 細 菌 ま た は 真 菌 由 来 の も の
を包含する。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。
ア ミ ラ ー ゼ は 、 例 え ば 、 バ シ ラ ス (Bacillus)、 例 え ば 、 バ シ ラ ス ・ リ ヘ ニ フ ォ ル ミ ス (B
40
acillus licheniformis) の 特 別 の 株 か ら 得 ら れ る α -ア ミ ラ ー ゼ を 包 含 す る (GB 1,296,8
39に い っ そ う 詳 細 に 記 載 さ れ て い る )。
【0201】
有 効 な ア ミ ラ ー ゼ の 例 は 次 の 通 り で あ る : WO 94/02597、 WO 94/18314、 WO 96/23873お
よ び WO 97/43424に 記 載 さ れ て い る 変 異 型 、 特 に 下 記 の 位 置 の 1ま た は 2以 上 に 置 換 を 有 す
る 変 異 型 : 15、 23、 105、 106、 124、 128、 133、 154、 156、 181、 188、 190、 197、 202、 20
8、 209、 243、 264、 304、 305、 391お よ び 444。
【0202】
セルラーゼ: 適当なセルラーゼは細菌または真菌由来のものを包含する。化学的に修飾
されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。適当なセルラーゼは下記か
50
(36)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
ら の セ ル ラ ー ゼ を 包 含 す る : 属 バ シ ラ ス (Bacillus)、 シ ュ ー ド モ ナ ス (Pseudomonas)、
フ ミ コ ラ (Humicola)、 フ ザ リ ウ ム (Fusarium)、 チ エ ラ ビ ア (Thielavia)、 ア ク レ モ ニ ウ
ム (Acremonium)、 例 え ば 、 US 4,435,307、 US 5,648,263、 US 5,691,178、 US 5,776,757
お よ び WO 99/09259に 開 示 さ れ て い る フ ミ コ ラ ・ イ ン ソ レ ン ス (Humicola insolens)、 ミ
セ リ オ フ ト ラ ・ サ ー モ フ ィ ラ (Myceliophthora thermophila) お よ び フ ザ リ ウ ム ・ オ キ シ
ス ポ ラ ム (Fusarium oxysporum) か ら 産 生 さ れ た 真 菌 セ ル ラ ー ゼ 。
【0203】
特に適当なセルラーゼは色ケアー利益を有するアルカリ性または中性のセルラーゼであ
る 。 こ の よ う な セ ル ラ ー ゼ の 例 は 、 EP 0 495 257、 EP 0 531 372、 WO 96/11262、 WO 96/2
9397、 WO 98/08940に 記 載 さ れ て い る セ ル ラ ー ゼ で あ る 。 他 の 例 は セ ル ラ ー ゼ 変 異 型 、 例
10
え ば 、 WO 94/07998、 EP 0 531 315、 US 5,457,046、 US 5,686,593、 US 5,763,254、 WO 95
/24471、 WO 98/12307お よ び PCT/DK 98/00299に 記 載 さ れ て い る 変 異 型 で あ る 。
【0204】
ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ /オ キ シ ダ ー ゼ : 適 当 な ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ /オ キ シ ダ ー ゼ は 細 菌 ま た は
真菌由来のものを包含する。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体
が 包 含 さ れ る 。 有 効 な ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ の 例 は 、 コ プ リ ヌ ス (Coprinus)、 例 え ば 、 コ プ
リ ヌ ス ・ シ ネ レ ウ ス (C. cinereus) か ら の ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 、 お よ び そ れ ら の 変 異 型 、
例 え ば 、 WO 93/24618、 WO 95/10602お よ び WO 98/15257に 記 載 さ れ て い る も の を 包 含 す る
。
【0205】
20
1種 ま た は 2種 以 上 の 洗 剤 酵 素 は 、 洗 剤 組 成 物 の 中 に 、 1種 ま た は 2種 以 上 の 酵 素 を 含 有 す
る別々の添加剤を添加するか、あるいはこれらの酵素のすべてを含んでなる組合わせた添
加剤を添加することによって添加することができる。本発明の洗剤添加剤、すなわち、別
々の添加剤または組合わせた添加剤は、例えば、粒体、液体、スラリー、およびその他と
して配合することができる。好ましい洗剤添加剤配合物は、粒体、特に非ダスチング粒体
、特に安定化液体、またはスラリーである。
【0206】
非 ダ ス チ ン グ 粒 体 は 、 例 え ば 、 US 4,106,991お よ び US 4,661,452に 記 載 さ れ て い る よ う
にして製造することができ、そして必要に応じてこの分野において知られている方法によ
り 被 覆 す る こ と が で き る 。 蝋 状 被 覆 物 質 の 例 は 次 の 通 り で あ る : 平 均 分 子 量 1000∼ 20000
30
の ポ リ (エ チ レ ン オ キ シ ド ) 生 成 物 (ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 PEG); 16∼ 50エ チ レ ン オ
キ シ ド 単 位 を 有 す る エ ト キ シ ル 化 ノ ニ ル フ ェ ノ ー ル ; 12∼ 20個 の 炭 素 原 子 を 含 有 し か つ 18
∼ 80エ チ レ ン オ キ シ ド 単 位 が 存 在 す る エ ト キ シ ル 化 脂 肪 族 ア ル コ ー ル ; 脂 肪 族 ア ル コ ー ル
; 脂 肪 酸 ; お よ び 脂 肪 酸 の モ ノ -お よ び ジ -お よ び ト リ グ リ セ リ ド 。 流 動 床 技 術 に よ る 適 用
に 適 当 な 皮 膜 形 成 被 覆 物 質 の 例 は GB 1483591に 記 載 さ れ て い る 。 液 状 酵 素 調 製 物 は 、 確 立
された方法に従い、例えば、ポリオール、例えば、ポリエチレングリコール、糖または糖
アルコール、乳酸またはホウ酸の添加により安定化することができる。保護された酵素は
、 EP 238,216に 開 示 さ れ て い る 方 法 に 従 い 製 造 す る こ と が で き る 。
【0207】
本発明の洗剤組成物は、任意の便利な形態、例えば、棒、タブレット、粉末、粒体、ペ
40
ー ス ト ま た は 液 体 で あ る こ と が で き る 。 液 状 洗 剤 は 、 典 型 的 に は 70%ま で の 水 お よ び 0∼ 30
%の 有 機 溶 媒 を 含 有 す る 水 性 で あ る か 、 あ る い は 非 水 性 で あ る こ と が で き る 。
洗 剤 組 成 物 は 、 非 イ オ ン 性 で あ る こ と が で き 、 半 極 性 お よ び /ま た は ア ニ オ ン 性 お よ び /
ま た は 双 生 イ オ ン を 包 含 す る 、 1種 ま た は 2種 以 上 の 界 面 活 性 剤 を 含 ん で な る 。 典 型 的 に は
、 界 面 活 性 剤 は 0.1∼ 60重 量 %の レ ベ ル で 存 在 す る 。
【0208】
そ の 中 に 含 め る と き 、 洗 剤 は 通 常 約 1%∼ 約 40%の ア ニ オ ン 界 面 活 性 剤 、 例 え ば 、 線 状 ア
ル キ ル ベ ン ゼ ン ス ル ホ ネ ー ト 、 α -オ レ フ ィ ン ス ル ホ ネ ー ト 、 ア ル キ ル サ ル フ ェ ー ト (脂
肪族アルコールサルフェート) 、アルコールエトキシサルフェート、第二級アルカンスル
ホ ネ ー ト 、 α -ス ル ホ 脂 肪 酸 メ チ ル エ ス テ ル 、 ア ル キ ル -ま た は ア ル ケ ニ ル コ ハ ク 酸 ま た は
50
(37)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
石鹸を含有するであろう。
【0209】
そ の 中 に 含 め る と き 、 洗 剤 は 通 常 約 0.2%∼ 約 40%の 非 イ オ ン 界 面 活 性 剤 、 例 え ば 、 ア ル
コールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、ア
ルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノ
エ タ ノ ー ル ア ミ ド 、 ポ リ ヒ ド ロ キ シ ア ル キ ル 脂 肪 酸 ア ミ ド 、 ま た は グ ル コ サ ミ ン の N-ア シ
ル N-ア ル キ ル 誘 導 体 (「 グ ル コ サ ミ ド 」 ) を 含 有 す る で あ ろ う 。
【0210】
洗 剤 は 0∼ 65%の 洗 剤 ビ ル ダ ー ま た は 錯 化 剤 、 例 え ば 、 ゼ オ ラ イ ト 、 二 リ ン 酸 塩 、 三 リ ン
酸塩、ホスホン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、
10
ジ エ チ レ ン ト リ ア ミ ン 五 酢 酸 、 ア ル キ ル -ま た は ア ル ケ ニ ル コ ハ ク 酸 、 可 溶 性 ケ イ 酸 塩 ま
た は 層 状 化 ケ イ 酸 塩 (例 え ば 、 SKS-6、 Hoechst) を 含 有 す る こ と が で き る 。
【0211】
洗 剤 は 1種 ま た は 2種 以 上 の ポ リ マ ー を 含 ん で な る こ と が で き る 。 そ れ ら の 例 は 次 の 通 り
で あ る : カ ル ボ キ シ メ チ ル セ ル ロ ー ス 、 ポ リ (ビ ニ ル ピ ロ リ ド ン )、 ポ リ (エ チ レ ン グ リ
コ ー ル )、 ポ リ (ビ ニ ル ア ル コ ー ル )、 ポ リ (ビ ニ ル ピ リ ジ ン -N-オ キ シ ド ) 、 ポ リ (ビ ニ
ル イ ミ ダ ゾ ー ル )、 ポ リ カ ル ボ キ シ レ ー ト 、 例 え ば 、 ポ リ ア ク リ レ ー ト 、 マ レ イ ン 酸 /ア ク
リ ル 酸 コ ポ リ マ ー お よ び ラ ウ リ ル メ ト ア ク リ レ ー ト /ア ク リ ル 酸 コ ポ リ マ ー 。
【0212】
洗 剤 は 漂 白 系 を 含 有 す る こ と が で き る 。 漂 白 系 は H2 O2 源 、 例 え ば 、 過 ホ ウ 素 酸 塩 ま た は
20
過炭酸塩を含んでなり、これらは過酸生成漂白アクチベーター、例えば、テトラアセチル
エチレンジアミンまたはノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩と組合わせることができ
る。選択的に、漂白系は、例えば、アミド、イミド、またはスルホン型のペルオキシ酸を
含んでなることができる。
【0213】
本 発 明 の 洗 剤 組 成 物 の 1種 ま た は 2種 以 上 の 酵 素 は 、 慣 用 の 安 定 剤 、 例 え ば 、 ポ リ オ ー ル
、例えば、プロピレングリコールまたはグリセロール、糖または糖アルコール、乳酸、ホ
ウ酸、またはホウ酸誘導体、例えば、芳香族ホウ酸エステル、またはフェニルホウ酸誘導
体 、 例 え ば 、 4-ホ ル ミ ル フ ェ ニ ル ホ ウ 酸 を 使 用 し て 安 定 化 す る こ と が で き 、 そ し て 組 成 物
は WO 92/19709お よ び WO 92/19708に 記 載 さ れ て い る よ う に し て 配 合 す る こ と が で き る 。
30
【0214】
また、洗剤は他の慣用の洗剤成分、例えば、布帛コンディショナー、例えば、粘土、発
泡ブースター、泡抑制剤、腐蝕防止剤、汚れ懸濁剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、
蛍光増白剤、ハイドロトープ、曇り抑制剤、または香料を含有することができる。
在 、 洗 剤 組 成 物 に お い て 、 酵 素 、 特 に 本 発 明 の 酵 素 は 0.01∼ 100 mgの 酵 素 タ ン パ ク 質 /
リ ッ ト ル の 洗 浄 液 、 好 ま し く は 0.05∼ 10mgの 酵 素 タ ン パ ク 質 /リ ッ ト ル の 洗 浄 液 、 よ り 好
ま し く は 0.1∼ 5 mgの 酵 素 タ ン パ ク 質 /リ ッ ト ル の 洗 浄 液 に 相 当 す る 量 で 添 加 す る こ と が で
きることが考えられる。
【0215】
さ ら に 、 本 発 明 の 抗 微 生 物 性 ポ リ ペ プ チ ド は 、 WO 97/07202 (こ れ は 引 用 す る こ と に よ
40
って本明細書の一部とされる) に開示されている洗剤配合物中に添加できる。
下記の実施例により、本発明を説明する。これらの実施例は本発明の範囲を限定しない
。
【実施例】
【0216】
緩衝剤および基質として使用する化学物質は、少なくとも試薬等級の商用製品である。
実施例1.合成抗微生物性ポリペプチドの設計、構築および評価
効 力 の あ る 抗 微 生 物 活 性 を 有 す る 新 し い AMPを 研 究 し か つ 設 計 す る た め に 、 1 系 列 の 推
定 上 の AMPを 構 築 し た 。 3つ の 近 位 ア ル ギ ニ ン を 選 択 し て 、 6つ の 連 続 的 4ア ミ ノ 酸 反 復 の 前
に 位 置 さ せ た 。 そ の 膜 -相 互 作 用 能 力 お よ び 天 然 PRに 富 ん だ ペ プ チ ド 中 の 存 在 量 に 基 づ い
50
(38)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
て 、 フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン を 最 初 の 系 列 の た め の 疎 水 性 残 基 (Z1 ∼ Z1 2 ) と し て 選 択 し た 。 こ
れ に よ り 、 配 列 番 号 1∼ 配 列 番 号 12と 表 示 す る 12の 異 な る 誘 導 体 が 生 じ た (表 1参 照 )。
【0217】
各 々 が ペ プ チ ド の 1つ を コ ー ド す る 12の 特 異 的 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド (プ ラ イ マ ー 1∼ プ ラ
イ マ ー 12) か ら 、 配 列 番 号 1∼ 配 列 番 号 12を コ ー ド す る 12遺 伝 子 を 合 成 し た 。 標 準 的 PCR反
応 に お い て 5サ イ ク ル で 相 補 的 プ ラ イ マ ー (プ ラ イ マ ー 13) を 使 用 す る 重 合 に よ り 、 一 本
鎖 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド は 二 本 鎖 DNAと な っ た 。 NcoI (下 線 が 引 か れ て い る ) DNA制 限 部 位 は
プ ラ イ マ ー の 近 位 部 分 に 位 置 す る が 、 XbaI (下 線 が 引 か れ て い る ) 制 限 部 位 は 遠 位 部 分 に
位 置 す る - こ れ ら の 部 位 を 対 応 す る 発 現 ベ ク タ ー pBAD/gIIIA (Invitrogen、 米 国 ) 中 へ
のクローニングのために使用する。
10
【0218】
【化1】
20
30
【0219】
40
(39)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【化2】
10
20
30
【0220】
AMPの 抗 生 活 性 は 、 国 際 特 許 出 願 WO 00/73433の 実 施 例 1に 開 示 さ れ て い る よ う に 、 自 殺
発 現 系 (SES) に お い て 試 験 す る こ と が で き る 。 こ の 系 に お い て 、 感 受 性 宿 主 (こ こ で は
大 腸 菌 (E. coli)) と 、 誘 導 可 能 な プ ロ モ ー タ ー を 有 す る プ ラ ス ミ ド (pBAD/gIIIA) と を
使用する。ペプチドが抗生活性を有する場合、ペプチドの誘導は産生する細胞の増殖の阻
害 お よ び /ま た は 細 胞 死 を 生 ず る で あ ろ う - そ れ ゆ え 自 殺 発 現 系 。 一 般 に 、 抗 微 生 物 活 性
がより強いほど、観測される阻害はより強い。
【0221】
12の 二 本 鎖 PCRフ ラ グ メ ン ト を 精 製 し 、 XbaIお よ び NcoIで 制 限 し 、 pBAD/gIIIAの 中 に ク
ロ ー ニ ン グ し 、 こ れ を 大 腸 菌 (E. coli) TOP10 (Invitrogen) の 中 に 形 質 転 換 し 、 そ し て
40
100μ g/mlの ア ン ピ シ リ ン を 含 む LB寒 天 平 板 上 に 再 ス ト リ ー ク し た 。 100マ イ ク ロ ウ ェ ル の
プ レ ー ト (Honeycombプ レ ー ト ) に お い て 150 μ lの RM + 0.2%の グ ル コ ー ス + 100 μ g/ml
の ア ン ピ シ リ ン 中 で 37℃ に お い て 、 バ イ オ ス ク リ ー ン (Bioscreen) C (Thermosystems、
英 国 ) に よ り 培 地 を 震 蘯 さ せ な が ら 、 配 列 番 号 1∼ 配 列 番 号 12の 個 々 の ク ロ ー ン を 増 殖 さ
せた。
【0222】
100ウ ェ ル の は ち の 巣 (honeycomb) プ レ ー ト に お い て 0%ま た は 0.1%の イ ン デ ュ ー サ ー (
ア ラ ビ ノ ー ス ) を 含 む 150 μ lの RM + 0.2%の グ ル コ ー ス + 100 μ g/mlの ア ン ピ シ リ ン 中
で 、 一 夜 の 培 養 物 を 50倍 に 希 釈 し た 。 30分 毎 に バ イ オ ス ク リ ー ン C中 で 37℃ お よ び OD450に
お い て 測 定 す る こ と に よ っ て 、 細 胞 密 度 を モ ニ タ ー し た 。 各 試 料 の 終 点 OD測 定 値 /対 照 ベ
50
(40)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
ク タ ー を 含 有 す る 細 胞 か ら 得 ら れ た 終 点 OD測 定 値 × 100と し て 、 増 殖 阻 害 百 分 率 を 計 算 し
た。式は次の通りである:
【0223】
【数1】
10
こ こ で 「 ブ ラ ン ク OD」 は 成 長 培 地 の み の ODに 相 当 す る 。
【0224】
合 成 AMPの ア ミ ノ 酸 配 列 お よ び 対 応 す る 増 殖 阻 害 を 表 1に 示 す 。
【表1】
20
30
40
【0225】
期待されるように、インデューサーの不存在下において阻害は観測されないか、あるい
は ほ ん の わ ず か で あ っ た (デ ー タ は 示 さ れ て い な い )。 0.1%の イ ン デ ュ ー サ ー の 存 在 下 に
、 す べ て の 合 成 AMPは 増 殖 を 阻 害 し た 。
【0226】
実 施 例 2 . 酵 母 に お け る 合 成 AMPの 発 現
配 列 番 号 1、 配 列 番 号 5お よ び 配 列 番 号 10と 表 示 す る AMPを 酵 母 発 現 ベ ク タ ー pHH3885中 に
ク ロ ー ニ ン グ し た 。 簡 単 に 述 べ る と 、 pHH3885は pYES (Invitrogen) に 基 づ く 酵 母 /大 腸 菌
(E. coli) シ ャ ト ル ベ ク タ ー で あ る 。 こ の プ ラ ス ミ ド は 2 μ の 酵 母 複 製 起 点 お よ び 酵 母
50
(41)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
に お け る 選 択 の た め の Ura3遺 伝 子 を 含 有 す る 。 大 腸 菌 (E. coli) に お け る 増 殖 の た め に
、 pUC由 来 お よ び bla遺 伝 子 を 使 用 す る 。 発 現 を Galプ ロ モ ー タ ー で コ ン ト ロ ー ル し 、 そ し
て サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (S. cerevisiae) α -リ ー ダ ー を 使 用 し て ペ プ チ ド の 分
泌を仲介する。
【0227】
効 力 の あ る AMPの 発 現 は 、 産 生 さ れ る 生 物 を 殺 し 、 抗 微 生 物 活 性 を 遮 断 な く て は な ら な
い。抗微生物活性にとってきわめて重要である近位の電荷を遮断するアニオン性アミノ酸
の ス ト レ ッ チ を 使 用 し て 、 こ の 遮 断 を 実 施 す る こ と が で き る 。 相 応 し て 、 す べ て 3つ の AMP
の 前 に ア ス パ ル テ ー ト お よ び グ ル タ メ ー ト の ス ト レ ッ チ (DDDDE) が 存 在 す る 。 い く つ か
の プ ロ テ ア ー ゼ は グ ル タ ミ ン 酸 残 基 (E) の 後 で 特 異 的 に 切 断 し 、 ア ニ オ ン 性 ス ト レ ッ チ
10
を AMPか ら 遊 離 さ せ て 、 AMPの 抗 微 生 物 活 性 を モ ニ タ ー す る こ と が で き る 。
【0228】
標 準 的 PCR反 応 に お い て 特 定 の ホ ワ ー ド プ ラ イ マ ー お よ び 一 般 的 リ バ ー ス プ ラ イ マ ー を
使 用 し て 、 配 列 番 号 1、 配 列 番 号 5お よ び 配 列 番 号 10と 表 示 す る PRに 富 ん だ AMPを 増 幅 し た
。前方向オリゴはすべてのコード情報を含有するので、鋳型は不必要である。
【0229】
【化3】
20
30
40
【0230】
二 本 鎖 DNAフ ラ グ メ ン ト を BalIお よ び XbaIで 制 限 し 、 そ し て 同 一 の 2つ の 酵 素 で 制 限 し た
pHH3885の 中 に ク ロ ー ニ ン グ し た 。 対 応 す る プ ラ ス ミ ド を 大 腸 菌 (E. coli) の 中 に 形 質 転
換し、配列決定した。配列を確認した後、シャトルベクターをサッカロマイセス・セレビ
シ エ (S. cerevisiae) (JG 169) に 対 し て エ レ ク ト ロ ト ラ ン ス フ ォ ー ム し 、 SC + 2%の グ
ル コ ー ス + 100 μ g/mlの ア ン ピ シ リ ン 寒 天 平 板 上 に 配 置 し た 。
酵 母 の コ ロ ニ ー を 再 ス ト リ ー ク し 、 5 mlの 液 状 SCグ ラ ウ ン ド 培 地 (2%の グ ル コ ー ス を 補
充 し た ) 中 で 30℃ に お い て 3日 間 増 殖 さ せ た 。
【0231】
50
(42)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
細 胞 を 3500 rpmに お い て 5分 間 遠 心 す る こ と に よ っ て ペ レ ッ ト 化 し た 。 500 μ lを ミ ク ロ
コ ン (microcon) YM-3遠 心 フ ィ ル タ ー (Millipore Corp.、 米 国 ) に 移 し 、 遠 心 に よ り 体
積 を ほ ぼ 20 μ lに 減 少 さ せ た 。 濃 縮 し た 試 料 を ト リ シ ン 配 合 緩 衝 液 と 混 合 し 、 16%の ト リ
シ ン ゲ ル (Novex、 Invitrogen、 米 国 ) 中 で 分 析 し た 。
期 待 し た 分 子 量 を 有 す る 明 確 な バ ン ド が 3つ の 培 養 物 の 各 々 に お い て 観 測 さ れ 、 3つ の ペ
プチドの発現を示した。対照プラスミドを収容する酵母細胞の上澄みにおいて、バンドは
観測されなかった。
【0232】
実 施 例 3 . 配 列 番 号 1、 配 列 番 号 5お よ び 配 列 番 号 10の 変 異 型 の 評 価
改 良 さ れ た 活 性 を 有 す る AMPを 得 る た め の 突 然 変 異 の 高 処 理 量 ス ク リ ー ニ ン グ の 出 発 点
10
に お い て 、 配 列 番 号 1、 配 列 番 号 5お よ び 配 列 番 号 10を 使 用 し た 。 簡 潔 化 の た め に 、 配 列 番
号 1、 配 列 番 号 5お よ び 配 列 番 号 10の す べ て は 疎 水 性 残 基 と し て フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン を 含 有 し
た 。 た だ 1つ の タ イ プ の 疎 水 性 ア ミ ノ 酸 を 使 用 す る こ と は 、 多 分 抗 微 生 物 活 性 の た め に 最
適ではない; これはすべてが疎水性残基の混合物を含有する天然のペプチドにより強調さ
れ る 。 フ ェ ニ ル ア ラ ニ ル に 制 限 す る の 代 わ り に 、 4つ の 疎 水 性 ア ミ ノ 酸 の 各 々 を コ ー ド す
る 縮 重 DNAオ リ ゴ を 設 計 し た 。 原 理 的 に 、 配 列 番 号 1、 配 列 番 号 5お よ び 配 列 番 号 10の 各 々
は 6フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン 残 基 を 含 有 す る の で 、 ラ イ ブ ラ リ ー は 理 論 的 に 46ま た は 4096の 異 な
る変異型をコードすることができる。
【0233】
全 体 の ペ プ チ ド を コ ー ド す る 長 い ホ ワ ー ド プ ラ イ マ ー (配 列 番 号 1縮 重 プ ラ イ マ ー 、 配
20
列 番 号 5縮 重 プ ラ イ マ ー お よ び 配 列 番 号 10縮 重 プ ラ イ マ ー ) と 、 リ バ ー ス ス ト ラ ン ド の 合
成 の た め に よ り 小 さ い リ バ ー ス プ ラ イ マ ー (プ ラ イ マ ー 13) と を 使 用 し て 、 ラ イ ブ ラ リ ー
を 前 述 し た よ う に し て 構 築 し た 。 Nは 表 示 し た 位 置 に お け る 4つ の 疎 水 性 ア ミ ノ 酸 の 組 込 み
を 可 能 と す る 4ヌ ク レ オ チ ド (G、 A、 Tお よ び C) の 各 々 の 25%を 表 す 。
【0234】
【化4】
30
40
【0235】
DNAフ ラ グ メ ン ト を SESベ ク タ ー pBAD/gIIIAの 中 に ク ロ ー ニ ン グ し 、 こ れ を 大 腸 菌 (E. c
6
oli) の 中 に 形 質 転 換 し て 、 各 々 が ほ ぼ 10 の コ ロ ニ ー の 3つ の 独 立 の ラ イ ブ ラ リ ー を 得 た
。
【0236】
ラ イ ブ ラ リ ー を プ レ ー ト し 、 そ し て 20× 希 釈 し た RM + 200 μ g/mlの ア ン ピ シ リ ン を 含
有 す る 96ウ ェ ル の マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト 中 に 、 各 ラ イ ブ ラ リ ー か ら の 約 10,000の 個 々
50
(43)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
の コ ロ ニ ー を コ ロ ニ ー ピ ッ カ ー で 入 れ た 。 20× 希 釈 し た RM培 地 お よ び 0.1%ま た は 0%の イ ン
デ ュ ー サ ー を 含 有 す る 96ウ ェ ル の プ レ ー ト の 新 し い 組 の 中 に 、 こ れ ら の マ ス タ ー プ レ ー ト
を レ プ リ カ プ レ ー ト し 、 37℃ に お い て 一 夜 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 各 ラ イ ブ ラ リ ー か ら あ る
数 の 最 も 増 殖 阻 害 さ れ た コ ロ ニ ー を 単 離 し 、 配 列 決 定 し 、 バ イ オ ス ク リ ー ン C中 で 増 殖 阻
害について再試験した。
【0237】
配 列 番 号 1の 変 異 型 の ア ミ ノ 酸 配 列 お よ び 対 応 す る 増 殖 阻 害 を 表 2に 示 す ; 配 列 番 号 5の
変 異 型 を 表 3及 び 表 4に 示 す ; そ し て 配 列 番 号 10の 変 異 型 を 表 5∼ 表 10に 示 す 。
【0238】
【表2】
10
20
30
【0239】
40
(44)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表3】
10
20
30
【0240】
40
(45)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表4】
10
【0241】
20
(46)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表5】
10
20
30
【0242】
40
(47)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表6】
10
20
30
【0243】
40
(48)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表7】
10
20
30
【0244】
40
(49)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表8】
10
20
30
【0245】
40
(50)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表9】
10
20
30
【0246】
40
(51)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表10】
10
20
30
【0247】
実 施 例 4 . 混 合 モ チ ー フ の ラ イ ブ ラ リ ー か ら の 合 成 PRに 富 ん だ AMPの 評 価
実 施 例 3に お い て 試 験 し た AMPは 、 縮 重 の 反 復 、 そ う で な け れ ば 同 一 の 反 復 か ら 成 っ て い
た 。 12の 異 な る 「 4ア ミ ノ 酸 の モ チ ー フ 」 が 、 1つ の 配 列 に お い て 混 合 さ れ た と き 、 効 力 の
あ る AMPを 生 ず る か ど う か を 試 験 す る た め に 、 新 し い ラ イ ブ ラ リ ー を 構 築 し た 。 こ の 系 列
に お け る バ ッ ク ボ ー ン は 下 記 の 配 列 モ チ ー フ か ら 構 成 さ れ て い た : PPRX、 PRPX、 PXRP、 PP
RX、 PRPXお よ び PXRP; こ こ で Xは 疎 水 性 ア ミ ノ 酸 バ リ ン 、 フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン 、 イ ソ ロ イ シ
ンまたはロイシンのいずれかを意味する。再び、等しい比率の疎水性アミノ酸を使用した
。
【0248】
実 施 例 3に 記 載 さ れ て い る よ う に し て 、 全 体 の ペ プ チ ド を コ ー ド す る 長 い ホ ワ ー ド プ ラ
イ マ ー (混 合 モ チ ー フ の 縮 重 プ ラ イ マ ー ) お よ び リ バ ー ス ス ト ラ ン ド の 合 成 の た め に よ り
小 さ い リ バ ー ス プ ラ イ マ ー (プ ラ イ マ ー 13) を 使 用 し て 、 ラ イ ブ ラ リ ー を 構 築 し た 。 Nは 4
ヌ ク レ オ チ ド (G、 A、 Tお よ び C) の 各 々 の 25%を 表 す 。
【0249】
40
(52)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【化5】
【0250】
10
PCR合 成 し た DNAフ ラ グ メ ン ト を SESベ ク タ ー pBAD/gIIIAの 中 に ク ロ ー ニ ン グ し 、 こ れ を
6
大 腸 菌 (E. coli) の 中 に 形 質 転 換 し て 、 各 々 が ほ ぼ 10 の コ ロ ニ ー の ラ イ ブ ラ リ ー を 得 た
。
ラ イ ブ ラ リ ー を プ レ ー ト し 、 そ し て 20× 希 釈 し た RM + 200 μ g/mlの ア ン ピ シ リ ン を 含
有 す る 96ウ ェ ル の マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト 中 に 、 約 10,000の 個 々 の コ ロ ニ ー を コ ロ ニ ー
ピ ッ カ ー で 入 れ た 。 20× 希 釈 し た RM培 地 お よ び 0.1%ま た は 0%の イ ン デ ュ ー サ ー を 含 有 す る
96ウ ェ ル の プ レ ー ト の 新 し い 組 の 中 に 、 こ れ ら の マ ス タ ー プ レ ー ト を レ プ リ カ プ レ ー ト し
、 37℃ に お い て 一 夜 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 あ る 数 の 最 も 増 殖 阻 害 さ れ た コ ロ ニ ー を 単 離 し
、 配 列 決 定 し 、 バ イ オ ス ク リ ー ン C中 で 増 殖 阻 害 に つ い て 再 試 験 し た 。
混 合 モ チ ー フ か ら の 変 異 型 の ア ミ ノ 酸 配 列 お よ び 対 応 す る 増 殖 阻 害 を 表 11∼ 表 15に 示 す
。
【0251】
20
(53)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表11】
10
20
30
【0252】
40
(54)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表12】
10
20
30
【0253】
40
(55)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表13】
10
20
30
【0254】
40
(56)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表14】
10
20
30
【0255】
40
(57)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表15】
10
20
【0256】
実 施 例 5 . 選 択 し た ペ プ チ ド の MIC、 MBCお よ び MECの 決 定
実 施 例 1∼ 4に お い て 同 定 し 、 記 載 し た ペ プ チ ド の 抗 微 生 物 効 力 を 確 認 す る た め に 、 3つ
30
の 構 造 的 に 異 な る ペ プ チ ド の 最 小 阻 止 濃 度 (MIC)、 最 小 殺 菌 濃 度 (MBC) お よ び 最 小 有 効
濃 度 (MEC) を あ る 範 囲 の 微 生 物 に 対 し て 決 定 し た 。
【0257】
化 学 的 合 成 お よ び 抗 菌 効 力 の 決 定 の た め に 、 下 記 の 3つ の ペ プ チ ド を 選 択 し た :
PR-1 (RRR-PRPV-PRPF-PRPV-PRPL-PRPF-PRPF) (配 列 番 号 61)
PR-2 (RRR-PFRP-PFRP-PFRP-PVRP-PVRP-PFRP) (配 列 番 号 79)
PR-3 (RRR-PPRL-PRPF-PVRP-PPRF-PRPF-PLRP) (配 列 番 号 239)
【0258】
試 験 し た 微 生 物 は 、 大 腸 菌 (E. coli) (ATCC 10536)、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ カ ル ノ ス ス
(S. carnosus)、 サ ッ カ ロ マ イ セ ス ・ シ ム ラ ン ス (S. simulans)、 ミ ク ロ コ ッ カ ス ・ ル テ
40
ウ ス (M. luteus) (ATCC 9341)、 バ シ ラ ス ・ サ ブ チ リ ス (B. subtilis) お よ び サ ッ カ ロ
マ イ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (S. cerevisiae) (ATCC 9763) を 包 含 し た 。
【0259】
MICお よ び MBCの 決 定 は 、 ペ プ チ ド を 0.01%の 酢 酸 お よ び 0.1%の BSA中 に 溶 解 し て 高 い 濃 度
における沈殿を防止しかつプラスチック容器への結合を最小にする小さい変更を加えた以
外 、 NCCLSプ ロ ト コ ル に 従 い 実 施 し た 。 MECの 決 定 は 、 ラ ジ ア ル 拡 散 ア ッ セ イ 構 成 に お い て
Steinbergお よ び Lehrer (Methods in Molecular Biology Vol. 78: Antibacterial Pepti
de Protocol) に 従 い 実 施 し た 。 MECプ ロ ト コ ル は 、 NCCLSプ ロ ト コ ル を 使 用 す る 抗 微 生 物
性ペプチドの試験に関連する問題のいくつかを回避し、非常に感受性の試験構成を提供す
る 。 結 果 を 表 16∼ 表 18に 示 す 。
50
(58)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【0260】
【表16】
10
【0261】
【表17】
20
【0262】
【表18】
30
3つ の PRに 富 ん だ ペ プ チ ド は 、 規 定 さ れ た 条 件 下 に グ ラ ム 陽 性 生 物 お よ び グ ラ ム 陰 性 生
物に対して広く活性であることが明らかである。
【0263】
実 施 例 6 . PR-1、 PR-2お よ び PR-3の 溶 血 活 性
ヒ ト 赤 血 球 (hRBC) を 溶 解 す る 抗 微 生 物 性 ペ プ チ ド の 能 力 を 分 析 し た 。 赤 血 球 試 験 は 、
試験物質の膜溶解活性を評価する簡単な試験系を提供する。それは溶血性についてのスク
リーニングアッセイとして適当である。ヘモグロビン放出は、細胞膜の完全性の有効な終
点 で あ る 。 540 nmに お け る 吸 収 を 測 定 す る こ と に よ っ て 、 放 出 さ れ た ヘ モ グ ロ ビ ン を 検 出
す る 。 通 常 、 完 全 に 溶 解 し た 試 料 (HL50) に 関 係 し て 50%の 溶 血 を 生 ず る 濃 度 を 計 算 し た ;
しかしながら、試験したペプチドの低い溶血活性のために、これはこの実施例において
実 施 し な か っ た 。 8%の RBC懸 濁 液 (12日 経 過 し た ) を こ の 試 験 構 成 に お い て 使 用 し た 。
100%の 溶 解 し た 試 料 に 関 す る 個 々 の 溶 血 値 を 表 19に 示 す 。
【0264】
40
(59)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
【表19】
10
【0265】
ペ プ チ ド を 0.01%の 酢 酸 中 に 溶 解 し た の で 、 0.01%の 酢 酸 の ベ ヒ ク ル 対 照 を 含 め た 。 25%
、 10%、 5%お よ び 0.01%の 酢 酸 を 含 む PBSを 両 方 の プ レ ー ト に 添 加 し た 。 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド
と異なる溶血反応は、試験した濃度のいずれにおいても観察されなかった。
投 与 量 /応 答 効 果 が 存 在 す る こ と を 確 認 す る た め に 、 SDSの 溶 血 活 性 を ま た 試 験 し た 。
【0266】
20
【表20】
【0267】
3つ の 試 験 し た ペ プ チ ド 変 異 型 PR-1、 PR-2お よ び PR-3は 、 ア ッ セ イ の 条 件 下 に 、 バ ッ ク
グラウンドのレベルと有意に異なる溶血性を示さなかった。
自 発 的 溶 血 レ ベ ル は こ の ア ッ セ イ に お い て 高 く 、 こ れ は 多 分 赤 血 球 の 古 さ (12日 ) の た
め で あ る 。 比 較 的 高 い 自 発 的 溶 血 レ ベ ル は 、 3つ の ペ プ チ ド が 試 験 し た 濃 度 に お い て 非 溶
血性であるという結論を妨害しない。
【配列表】
2007527228000001.app
30
(60)
【国際調査報告】
JP 2007-527228 A 2007.9.27
(61)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
(62)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
(63)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
(64)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
(65)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
(66)
JP 2007-527228 A 2007.9.27
フロントページの続き
(51)Int.Cl.
FI
C12N
C12N
テーマコード(参考)
1/21
5/10
(2006.01)
(2006.01)
C12N
1/21
4C084
C12N
5/00
A
4H003
C07K 14/00
A61K 38/00
A61P 31/04
(2006.01)
(2006.01)
C12N
5/00
C
4H045
C07K 14/00
(2006.01)
(2006.01)
A61K 37/02
A61P 31/04
(2006.01)
(2006.01)
A61K 45/00
A61P 31/10
(2006.01)
(2006.01)
A61P 31/06
A61P 33/06
(2006.01)
(2006.01)
A61P 31/02
A61P 33/02
(2006.01)
(2006.01)
(2006.01)
A61K
8/64
A61Q
5/02
C11D
3/48
C11D
3/386
A61K 45/00
A61P 31/10
A61P 31/06
A61P 33/06
A61P 31/02
A61P 33/02
A61K
A61Q
8/64
5/02
C11D
C11D
3/48
3/386
(81)指定国 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),
EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,
CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,
DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M
A,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW
(72)発明者 ヘゲンハウグ,ハンス−ヘンリク クリステンセン
デンマーク国,デーコー−2840 ホルテ,セレレズ,コング バルデマルスバイ 16
Fターム(参考) 2B030 AD05
4B024 AA01 AA03 AA05 AA07 AA10 AA20 BA38 CA02 CA05 CA20
DA06 DA12 EA04 GA19 GA25 GA27 HA01 HA20
4B064 AG01 AG30 CA06 CA19 CC01 CC24 DA01 DA10 DA11
4B065 AA01X AA58X AA72X AA80X AA87X AA88X AB01 AC14 BA02 BA16
BA24 CA24 CA41 CA43 CA44 CA47 CA50 CA53
4C083 AD411 AD412 CC38 DD23 EE23 FF01
4C084 AA02 AA03 AA07 AA19 BA01 BA08 BA19 BA23 CA59 MA12
MA13 MA16 MA22 MA23 MA24 MA27 MA28 MA31 MA35 MA37
MA41 MA43 MA52 MA55 MA56 MA60 MA63 MA66 MA67 NA14
ZB352 ZB382
4H003 DA01 DA02 DA05 DA19 EC01 FA34 FA47
4H045 AA10 AA20 AA30 BA18 DA83 EA01 EA05 EA15 EA20 EA29
FA74
Fly UP