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7.乳がんの治療には、どのようなものがありますか?

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7.乳がんの治療には、どのようなものがありますか?
7.乳がんの治療には、どのようなものがありますか?
乳がんの治療には、手術療法、放射線療法、薬物療法があります。乳がんの治療
には選択肢があり、皆さんの希望にあった治療を行うことができます。
乳がんの治療において重要なことは、患者さん自身がどの様な治療を希望してい
るか医師に伝えることです。
1)手術療法
手術療法には【乳房の手術】と【わきの下のリンパ節への手術】があります。
(1)【乳房の手術】
乳房温存手術
乳房切除術(乳頭を残す、乳頭を残さない)
乳房再建手術
乳房温存手術
この手術の適応は、乳がんのひろがりが限局し、しこりの大きさが3㎝以
下の場合です。手術は、しこりやしこりの周辺だけを部分的に切除します。
切除部位によって、乳房の傷のつき方が変わります。また、比較的、乳房の
ふくらみは残りますが、切除範囲によっては、乳房が変形することがあります。
乳房切除術
この手術の適応は、乳がんが広い範囲に広がっている、しこりの大きさが
3㎝以上、2つ以上のがんのしこりが同じ側の乳房の離れた場所にある場合です。
この手術には、乳頭を残し乳房を切除する場合と、乳頭を残さず乳房全て
を切除する手術があります。
乳頭を残す乳房切除術
この手術は、乳頭を残し乳房全てを切除する手術です。乳頭は残りますが、
乳房はなくなるため、胸のふくらみはなくなります。ただし、乳房再建手術
で胸のふくらみを再びつくることができます。
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乳頭を残さない乳房切除術
この手術は、乳頭を含む全ての乳房を切除する手術です。乳頭がなくなり
胸のふくらみもなくなります。ただし、乳房再建手術で乳頭・胸のふくらみ
を再びつくることができます。
乳房再建手術
この手術は、自分の組織(お腹の筋肉や背中の筋肉)を用いたり人工物を
用いたりし手術で失われた乳房を再建します。
乳房再建手術は、乳がんの手術に引き続いて行う同時再建と、乳がん手術
後数カ月から数年後に行う二次再建という2つの方法があります。
Question & Answer
Q
乳がんの診断を受けたら、すぐに手術を受けなければいけません
か?
A
そんなことはありません。 手術前に薬物療法を行い、腫瘍を小さ
くしてから手術をすることも可能です。
検査結果もふまえながら、治療法の利点、欠点について情報を得
た上で理解すること、そしてご自分がどうしたいのか(胸に付く
傷を小さくしたい、胸のふくらみを残したい等)、希望を必ず医師
に伝えて、医師と共にもっとも納得のいく治療法を選択すること
をおすすめします。
−9−
(2)【わきの下のリンパ節への手術】
リンパ節を取らない
センチネルリンパ節生検
リンパ節をすべて切除する
リンパ節を取らない
リンパ節への転移が疑われない場合、リンパ節はとりません。
センチネルリンパ節生検
センチネルリンパ節とは、乳がんがリンパ管を通じて最初に流れ着いたリ
ンパ節を指します。ここに転移がなければ、その先のリンパ節にも転移がな
いと判断し、脇の下のリンパ節切除を避けることができます。
センチネルリンパ節
リンパ節をすべて切除する
手に触れて分かるような腫れたリンパ節がある場合は腋の下リンパ節を全
て取ります。また、手に触れて分かるような腫れたリンパ節がない場合でも、
リンパ節への転移が疑われる場合、腋の下リンパ節を全て取ります。
リンパ節を取ることで、手術後、肩関節の運動障害、腕や肩のこり、しび
れや腕のむくみが出る場合があります。
全ての手術のメリット・デメリットを考えて
手術の方法を選ぶことが大切です。
−10−
Question & Answer
Q
手術費用はいくらかかりますか?
A
乳房温存手術+リンパ節を取らない+センチネルリンパ節生検
入院(9日間)の場合は、約18万円です。
外来手術の場合は、
約 6−7万円です。
乳房温存手術+リンパ節を取る
入院(9日間)の場合は、約19万5千円です。
乳房全摘出手術+リンパ節を取らない
入院(9日間)の場合は、約15万円です。
乳房全摘出手術+リンパ節を取る
入院(9日間)の場合は、約19万5千円です。
*2005年健康保険3割負担での費用を参考にしています。
入院の場合、食事代(1日780円)がかかります。
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2)放射線療法
乳房温存手術後に乳がんの再発を防ぐために乳房へ、また、リンパ節への転
移が認められる場合にリンパ節へ、放射線療法を行います。治療は、5−6週間
程度で行います。一回の治療は5分程度で終わります。
Question & Answer
Q
放射線治療の副作用にはどの様な症状がありますか?
A
身体のだるさ、疲れやすさ、食欲不振、皮膚症状(かゆみ・ヒリ
ヒリ感・痛かゆい)などがあります。
Question & Answer
Q
放射線治療中の注意点はありますか?
A
照射部位のマーキングが消えないように心がけましょう。
ブラジャーは圧迫の弱いものを選びましょう。
治療中は、日焼けを防ぎましょう。
照射部位は保湿クリームなどを塗布してやさしく保護しましょう。
Question & Answer
Q
放射線治療の費用はいくらかかりますか?
A
1回の治療につき2,790円で治療回数分必要になります。
*2005年健康保険3割負担での費用を参考にしています。
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3)薬物療法
薬物療法には、化学療法・ホルモン療法などがあります。
(1) 化学療法
手術前に乳がんを小さくするために、また、手術後に再発や転移を起こさ
ないようにするために、化学療法を行います。
化学療法の投与方法には、口から飲む方法、点滴をする方法があります。
治療期間はおよそ6ヶ月程度です。
Question & Answer
Q
化学療法の副作用にはどの様な症状がありますか?
A
吐き気や嘔吐・脱毛・感染(熱がでる・のどの痛み)・貧血・出血
しやすい・内出血をおこしやすい・末梢のしびれ・関節痛・身体
のだるさなどがあります。
これらの症状の出現は、個人差があります。治療によって一時的
に現れますが、治療が終了したあとはなくなります。多くの人た
ちは、化学療法を受けながらも普通の生活を送っています。
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(2)ホルモン療法
乳がんの中には女性ホルモンの影響で増殖する性質のものがあるため、女
性ホルモンの影響を直接的または間接的に抑制することで、がんの増殖を防
ぎます。
治療期間はおよそ2∼5年程度(時には5年以上)です。
Question & Answer
Q
薬物療法の治療費はどの位かかりますか?
A
使用する薬により治療費が変わります。
化学療法6クールで必要となる治療費の目安は、8万円∼13万円
です。
ホルモン療法で必要となる治療費の目安は、6万円∼20万円です。
Question & Answer
Q
役に立つ公的な制度はありますか?
A
高額医療費制度があります。
同じ病院や診療所で支払ったひと月の医療費が自己負担限度額を
こえる分について、高額医療制度を活用できます。詳しくは、
病院の医療事務、ソーシャルワーカーに問い合わせて下さい。
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