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環境部 阿部 正道 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発

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環境部 阿部 正道 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発
NEDO環境部事業報告会
2016年7月15日
環境部
阿部 正道
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
(NEDO)
NEDOの3R分野の概要
TSC
Environment &Chemistry
背景・目的
世界規模で資源制約が強まる中で、日本国内においても天然資源の消費の更なる抑制が
求められている。また、廃棄物から有用資源を再資源化する仕組みが十分に整備されていな
いことなど、課題は依然として存在。また、アジアを中心とした新興国では、急激な経済成長に
伴う廃棄物の増加という深刻な問題に直面しており、経済成長と環境が調和した適切な社
会基盤の整備が待ち望まれている。
基本方針
◆資源循環促進(資源確保)
・・・特に資源リスクが高いと考えられる
有用金属のリサイクルシステム構築
を目指す。
レアアース原料
として再利用
使用済製品の収集
ベースメタル等の
リサイクル
使用済製品からの
レアアース部材回収
部材からの
レアアース抽出
◆リサイクル技術の海外展開
・・・国際的な環境負荷低減、資源循
環推進とリサイクル産業の海外展
開促進を目指す。
1
これまでのNEDOプロジェクト
2000年代
2010年代
循環型社会形成を目指した3Rの推進
社
会
情
勢
レアメタルの供給不安の顕在化
インフラ・システム輸出政策の推進
2001年
家電
リサイクル法
施行
2003年
自動車
リサイクル法
施行
製品等ライフサイクル二酸化炭
素排出評価実証等技術開発
[2003~2005年度]
技
術
開
発
の
方
向
欧州のRE/CE政策
2013年
小型家電
リサイクル法
施行
2006年
RoHS指令
施行
省資源型・環境調和型資源
循環プロジェクト
[2010年度]
省資源型・環境調和型資源
循環プロジェクト(レアメタル)
[2010年度]
高温鉛はんだ代替技術開発
[2005~2007年度]
環境に優しい設計製造技術
希少金属代替・削減技術実用
化開発助成事業 (リサイクル
分野) [2010~2011年度]
資源循環促進
自動車用CFRP
リサイクル技術の検討
[2015年度]
使用済モーターからの高性能
レアアース磁石リサイクル技術
開発 [2012~2014年度]
省資源型・環境調和型資源
循環プロジェクト(アジアにおけ
る実証研究) [2010年度]
リサイクル技術の海外展開
先進的自動車リサイクルシステム
(中国) [2011~2013年度]
2016年度新規
アジア省エネルギー型
資源循環制度導入実
証事業(国内実証)
[2016~2020年度]
アジア省エネルギー型
資源循環制度導入実
証事業(海外実証)
[2016~2020年度]
廃油の環境調和型再利用システム(インドネシア)
[2013~2016年度]
2
G7伊勢志摩サミット関係閣僚会合における資源効率関係成果
○エネルギー大臣会合(北九州市:2016年5月1日~2日)
→「我々は、エネルギー効率と資源効率の、強い相互関係性及び同時に改善することの重要性を強調する。」
○環境大臣会合(富山市:2016年5月15日~16日)
→G7の取組についての進捗を確認すると共に、引き続き、資源効率性・3Rのために継続的に取り組むことで一致。ま
た、UNEP国際資源パネル及びOECDからの報告を受け、環境のみならず、経済成長、技術革新、資源安全保障
及び社会開発に多大な関連する便益をもたらすとの認識で一致すると共に、G7としての共通ビジョン、野心的な取組、
フォローアップ等を含む「富山物質循環フレームワーク」を採択
○伊勢志摩サミット(志摩市:2016年5月26日~27日)
→「資源の持続可能な管理及び効率的な利用の達成は、国連持続可能な開発のための2030アジェンダにおいて取り
上げられており、また、環境、気候及び惑星の保護のために不可欠である。」
「イノベーション、競争力、経済成長及び雇用創出を促進することも目標として、資源効率性を改善するために企業及
びその他のステークホルダーと共に取り組む。」
(参考)G7・エルマウサミット首脳宣言(2015.6)
• 「持続可能な資源管理と循環型社会を促進するためのより広範な戦略の一部として、資源効率性を向上させるための野心
的な行動をとる」との宣言
• 自発的に知識を共有し情報ネットワークを創出するためのフォーラムとして、資源効率性のためのG7アライアンスの設立の合意
• 次回サミット(伊勢志摩サミット)までに各国の取組のフォローを行うとともに、G7議長国は最低年1回G7アライアンス
WSを開催
3
富山物質循環フレームワーク
•
富山環境大臣会合のコミュニケ附属書として採択。
•
G7としての共通ビジョンを掲げると共に「野心的な行動」に取り組むもの。
共通ビジョン
○我々の共通の目標は、関連する概念やアプローチを尊重しつつ、地球の環境容量内に収まるように天然資源の消費を抑制し、再生
材や再生可能資源の利用を進めることにより、ライフサイクル全体にわたりストック資源を含む資源が効率的かつ持続的に使われる社会
を実現することである。
○この様な社会は、廃棄物や資源の問題への解決策をもたらすのみならず、雇用を生み、競争力を高め、グリーン成長を実現し得る、自
然と調和した持続可能な低炭素社会をも実現するものである。
野心的行動
目標1: 資源効率性・3Rのための主導的な国内政策
○資源効率性・3Rと気候変動、有害物質、災害廃棄物、自然環境保全、産業競争力等の政策を包括的に統合・促進
○規制的手法に加え、事業者による自主的取組等を推進
○地域の多様な主体間の連携(産業と地域の共生)に基づく新産業育成や雇用創出、地域活性化の推進、消費者対策
※具体例:食品ロス・食品廃棄物を含む有機性廃棄物に関する野心的なイニシアティブ
目標2: グローバルな資源効率性・3Rの促進
○G7アライアンス等を通じて、ベストプラクティスや適用可能な最良技術(BAT)等を他の国々と共有
○途上国における資源効率性・資源循環政策の能力構築を支援
○産業の上流側と下流側の協力と連携の推進、上流産業における、再生可能資源の利用を含むリユース、リサイクルのための積極的
取組を奨励
※具体例:電気電子廃棄物(E-Waste)の管理
目標3: 着実かつ透明性のあるフォローアップ
○国内指標の検討
○G7ワークショップ等を通じ、本フレームワークをフォローアップ
4
欧州のRE(資源効率)/CE(循環経済)政策について
•
•
世界においては、地球規模の人口増加とそれに伴う資源枯渇リスクの増大、地球温暖化等の問題に対応するため、
これまでの資源消費型の線形経済ではなく、循環経済を目指す方向に向かっている。
欧州では、約5年前から、「資源効率・循環経済」を産業競争力強化の柱に掲げ議論を展開。2015年12月には、
①域内製造業の競争力強化、②新たなビジネスの構築、③厳しい環境対策を念頭においた、今後の方向性をま
とめた「ビジョン」(Circular Economy Package)を提示。
線形経済(Linear Economy)から
循環経済(Circular Economy)へ
図:CEN and CENELEC作成
【ビジョンの狙い】
①域内製造業の競争力強化のために、原材料調達の安定性を
向上し、安価で高品質な再生材利用を拡大すること。
②サービス産業が優位の欧州の産業構造において、静脈メジャー
の強みを活かしつつ、新たなモデルを構築し、新産業を創造する
こと。
③エネルギー消費の低減、有害物質管理といった反対し難い「環
境政策」として構築し、国際標準化と組み合わせることで、海外
展開と欧州市場の防衛を図ること。
【ビジョンの内容】
•
動静脈を含めたライフサイクル全体・バリューチェーン全体での統
合的な取組やサービス化を推進することで、資源効率を高め、
競争力と雇用の創出を目指すもの。
– 製品設計・製造では、Recyclabilityだけでなく、
Reparability, Durability, Upgradability, 含有物質
情報の共有をも含めた形で一貫性を高めていく。消費者
への提示と税制等のインセンティブも検討。
– 消費では、循環経済に資するイノベーティブな消費形態
(シェアリング、サービスの消費、IT・デジタルプラットフォー
ムの利用等)を政府がHorizon2020等で後押し。
5
欧州RE/CE政策の方向性を踏まえた論点(我が国企業への影響)
欧州で予想される今後の要請
我が国企業への影響(可能性)
製品設計 エコデザイン推進
欧州域内製品への耐久性、修理可能性、リサイ
クル可能性の対応
生産プロ
セス
BATの参照文書に日本以外のベストプラクティス
が盛り込まれた場合、生産施設等で対応
消費
ベストプラクティス推進
情報の信頼性確保(公正な
商慣行)
製造事業者
調達基準にCE関連の追加要請事項が入った場
合に対応(しないと締め出される)
グリーン公共調達推進
リサイクル目標向上
廃棄物処
理・管理 処理施設の任意認証
拡大生産者責任(EPR)に基づく負担増加
リサイクル業者
二次原料品質基準
再生資源
全体
ラベルや製品環境フットプリント導入の場合、関連
情報の整備・提示
基準・認証が国際標準化した場合に、国際市場
でおくれを取る
二次原料(再生材)製造技術のおくれ
化学物質問題への対応
製造事業者
リサイクル業者
サプライチェーン全体での化学物質管理(トレー
サビリティ確保等)の要請への対応
新たなビジネスモデル創出
企業全般
新たなビジネスモデルづくり(シェア、サービス化、
industrial symbiosis等)のおくれ
開発・投資の促進
複数指標によるモニタリング
政府・企業
投資機会の喪失
国際的な整合に向けた後手の対応
資料:経済産業省作成
6
日本再興戦略2016(第二部 具体的施策)
安倍政権の日本再興戦略2016(2016年6月2日 閣議決定)において、国内の資源循環促進及び循環産業
の海外展開の促進について、具体的施策を提示。
Ⅰ 新たな有望成長市場の創出、ローカルアベノミクスの深化等
10. 環境・エネルギー制約の克服と投資の拡大
(2)新たに講ずべき具体的施策
ⅴ)資源価格の低迷下での資源安全保障の強化等
①国内外での資源開発・確保の推進
「都市鉱山」の利用を促進し、リサイクル業者や非鉄製錬業者等の成長を図るため、情報技術等を活用
し、動静脈連携によりレアメタル等の金属資源を効率的にリサイクルする革新技術・システムを開発する。
ⅶ)日本のエネルギー・循環産業の国際展開の推進
②制度・運営・技術協力をパッケージにした循環産業の国際展開の推進
省エネルギー型資源循環システムの構築に向けた支援を開始するとともに、来年度から循環産業の海外展
開支援に新たに新規参入事業者枠を設ける。これらの取組により、民間企業が有する高効率な処理技術
等の海外展開を、政府間協力や自治体間連携と併せて戦略的に推進し、焼却設備やリサイクル設備等の
輸出額を2030年度までに倍増させることを目指す。
7
アジア省エネルギー型資源循環制度導入実証事業
平成28年度予算 1.5億円(新規)
事業の内容
事業イメージ
事業目的・概要
 資源・エネルギーの安定供給を促進し、資源リサイクルにおける
温室効果ガス排出量を削減するため、アジア大での省エネル
ギー型資源循環制度を実現することを目的とした実証事業を
実施。
 具体的には、相手国・自治体において適切な制度が構築され
るよう、我が国・自治体が過去に実施してきた政策ツールや技
術・システムの導入など環境負荷を低減させてきたノウハウを提
供し、デモンストレーション効果を有する取組とその有効性の可
視化を、相手国側と一緒になって進める。そのため、政策対話
や実現可能性調査等を踏まえた、制度、技術・システム一体と
なった海外実証事業を実施。
(日本)
アジア展開を前提に
システム構築
有用資源の
日本への還流
省エネ化・
低炭素化の推進
適正な省エネ型アジア大資
源循環システムの構築
(アジア各国)
各国の制度構築
段階から支援
省エネ化・
低炭素化の推進
再生資源の国際的な有
効利用
 同時に、国内でも、動静脈の連携による資源リサイクルの効率
制度導入までの事業イメージ
化・高度化を図る実証事業や国際規格への対応のサポートを
行うことで、我が国資源循環システムの円滑なアジア展開を促
進。
制度の
構築・導入
政策対話
事業期間
FS調査
海外実証
 平成28年度~32年度(5年間)
(絞り込み)
(ソフト・ハード一体の実証)
NEDO
委託
補助(1/2,2/3)
民間企業等
国内研究実証
(動静脈一体型ネットワーク構築)
(実証成果の蓄積・共有)
(アウトカム)
成果の
フィード
バック
・省資源化
・省エネ化
・適正かつ安定
的な資源循環
・アジア市場
参入の後押し
8
アジア省エネルギー型資源循環制度導入実証事業(国内研究実証)
• 資源循環システムは複数の工程から成り立つシステムである。各工程をネットワーク化し、当該製品に含まれるマテリア
ル含有量等の情報が適切に共有されることによりリサイクルの効率性・経済性が高まる。
• 国内研究実証では、資源循環における主要工程を全てネットワーク化し、ネットワーク化したシステムの有効性、信頼
性等を実証する。
• 確立もしくは高度化した資源循環システムは、数年後にアジアに展開していく予定。
資源循環のフロー
材料製造
事業例
設計・組立
ネットワーク化
原料化
(改質)
選別
解体
9
アジア省エネルギー型資源循環制度導入実証事業(海外FS)
• 単なるハード実証ではなく、ソフトと一体となった実証により、相手国が直面する環境問題を解決する方策の 有効性を
可視化し、環境面での競合国等への優位性向上等による相手国へのインセンティブの付与により、我が国の技術・ノウ
ハウに対する相手国の理解を促進。
• 我が国企業等の有するハードの活用を、相手国に構築される制度に事前に組み込むことで、最終的にはソフトとハードが
相手国で機能的に回ることにより、我が国企業のアジア市場への参入促進にも貢献する。
制度導入までの事業イメージ
日本側(METI、NEDO、自治体等)と相手国側
(政府、自治体等)との政策対話等の実施による制度構築支援
FS調査
1年間
ステージ
ゲート
(絞り込
み)
ID
(企業間)
MOU
(NEDO・
相手国)
の締結
海外実証
(ソフト・ハード一体の実証)
最大4年
制度の
構築・導入
・省資源
・省エネ
・適正かつ安定
的な資源循環
・アジア市場参入
の後押し
12
アジア諸国の資源循環制度整備の現状、欧米との競合
【実効的な制度設計・運用に苦慮する国々】
• アジア諸国の資源リサイクルに係る制度的インフラの現状は、経済発展や都市の発展が進展し社会問題化しつつある
国では廃家電等の法整備に取り組み始めているが、運用面で実効的な制度設計ができていない状況。
【欧米企業も虎視眈々と環境整備の機を窺う状況】
• 欧米との競合面では、欧米リサイクルメジャーも現状は廃棄物処理事業を中心に展開。リサイクル分野については、法
制度整備等によるビジネス環境の安定・成熟を待っている状況。制度面から市場を押さえるチャンス。
各国の発展段階ごとの状況整理
黎明期
国の例
特
徴
前期成長期
後期成長期
安定期
ミャンマー、
バングラデシュ 等
インドネシア、ベトナム、インド
等
タイ、マレーシア、
中国内陸部 等
中国沿岸部 等
日本、欧州
経済水準
GDP/capita(US
$、2015)
ミャ 1,292
バ 1,287
尼 3,362
越 2,088
印 1,617
秦 5,742
馬 9,557
中 7,990
中 7,990
日 32,486
廃棄物
発生状況
製造業が集積せず、産業
系廃棄物は少ない。
人口増加、生活の質向上
で生活系廃棄物が増加傾
向。
製造業が集積しつつあり、産
業系廃器物は増傾向。
人口増加、生活の質向上が
著しく、生活系廃棄物が増
加。
製造業の集積が進み、先進国企業の工場も多数立地し、 3Rの取組の進展、人
産業系廃器物発生量大。
口増加率減により廃棄
人口増加・生活の質向上が著しく、生活系廃棄物が増
物は減少傾向。
加。
法整備状況
今後、法令整備への取組
みが進む可能性あり
基本法令はあるが執行に課
題あり
基本法令はあるが、
執行に課題あり
基本法令に加え、個別法も整備
中
個別法も含めて、十分
に機能
処理設備の
状況
手解体・直接埋立が主流
手解体・直接埋立が主流
一部機械化、衛生
埋立導入
リサイクル工場の整備が進展
高度に機械化されたリサ
イクル工場が多数立地
●SimsRecyclingSolutio
ns(豪)
●Umicore(ベル ●Veolia (仏)●Suez (仏)
●Waste Management (米)
ギー)
●Remondis 等 (独)
欧米企業の進出状況
13
NEDOの技術開発・実証の方向性
TSC
Environment &Chemistry
動脈産業
材料
メーカー
部品
メーカー
セット
メーカー
廃棄
技術開発・実証
再生資源
(水平リサイクル)




消費者
効率的な回収システムの構築
製品選別解体・仕分技術
物理選別技術の高度化
製錬プロセス技術開発
等
静脈産業
低コスト化が重要
静脈資源
再生
選別
回収
(市中廃棄物、動脈側
工場由来のスクラップ、
輸入スクラップ等)
静脈産業の素材生産業化による動静脈産業全体の強化と海外展開
16
NEDO 環境部事業報告会
自動車に用いられる炭素繊維複合
材料のリサイクル技術に関する検討
平成 28年 7月 15日
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
環境部 3RG 村松 猛
委託先 株式会社矢野経済研究所
(協力 一般社団法人 日本自動車工業会)
目次
1. 背景
◇ 自動車でのCFRP活用見通し(車体/燃料電池車)
◇ 自動車リサイクル処理の流れ
◇ CFRPリサイクル手法確立の必要性
2.
3.
4.
5.
これまでのCFRPリサイクルの基礎調査の知見
本調査の内容
破砕施設でのCFRP破砕試験
サーマルリサイクル試験
◇
◇
◇
◇
◇
◇
CFRPサーマルリサイクル施設
シャフト炉での試験結果/ 分析結果
流動床炉での試験結果/ 分析結果
サーモセレクト炉での試験結果/ 分析結果
ロータリーキルン(窯尻)/(窯前)での試験結果
電気集塵機での試験結果
6. 試験結果のまとめ
7. 今後の展開
参考)
CFRP燃焼における基本特性(TG-DTA/管状炉による確認/高温雰囲気炉による確認)
2
1.背景
◇ 自動車でのCFRP活用見通し(車体/燃料電池車)
◇ 自動車リサイクル処理の流れ
◇ CFRPリサイクル手法確立の必要性(課題事例)
3
自動車でのCFRP活用見通し
(車体)
■ CFRPの軽い(比重 鉄の約1/4)、強い(比強度 鉄の約10倍)、硬い(比弾性率 鉄の
約7倍)等の特性を生かし、自動車でもCFRPの採用が増加
■ CFRPの適用で自動車の軽量化が図られ、燃費の向上によるCO2削減効果も期待
■ LEXUSが車体にCFRPを使用した量産車(「LFA」)を2010年~2012年に限定生産
図1 車体にCFRPを使用したLEXUS「LFA」
出所:LEXUSホームページ
4
自動車でのCFRP活用見通し
(燃料電池車)
■ 次世代自動車に位置づけられる燃料電池自動車(FCV)には、高圧の水素を貯蔵するため
CFRP製水素タンクを採用
■ トヨタ自動車が2014年12月に「MIRAI」、2016年3月ホンダが「FCXクラリティ―」を販売開始
■ FCVは今後、普及が見込まれるが、使用済みとなり廃車処理されるのは、2030年以降と想定
■ ASRとして処理するには、タンクの強靭性やサーマルリサイクルでのトラブルなど既存の使用済
自動車の処理インフラおよび工程が活用できるかが問題
燃料電池車普及見通し
【千台】
燃料電池車ELV発生見込み
160
140
120
台
数
当面の発生は極少
100
80
60
19,545
40
20
53↓
354
3,345
↓
↓
↓
0
2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030
年
度
図2 燃料電池車普及見通し
出所: 経産省「次世代自動車2010」に日本自動車工業会が加筆
図3 CFRP製水素タンクを
使用した燃料電池自動車
出所: 日本自動車工業会
5
自動車リサイクル処理の流れ
■ 使用済自動車は処理工程ごとで有価物である鉄、非鉄等が回収され、その後の残渣であるASR
もサーマルリサイクル等により再利用されている。(リサイクル率99%以上)
■ CFRPを使用した自動車が廃車処理された場合、ASRへのCFRP混入が想定されるが、CFRPが混
入したシュレッダーダストの再資源化方法が確立しておらず、埋立処理で対応せざるを得ないの
が現状であるため、自動車リサイクル法において大きな問題である。
1%程度
⇒17~19%
リユース
図4 自動車リサイクル処理の流れ
再資源化
出所: トヨタ自動車
(クルマとリサイクルより引用)
6
CFRPリサイクル手法確立の必要性
■ 炭素繊維(CFRP)の特性
CFRPの構成材であるCFは、燃え難い、軽い、導電性である特徴があるため、燃え残りのCFが
飛灰となって後工程に飛散する。
■ ASR再資源化設備での課題事例
セメント等のロータリーキルンでは、排ガス処理工程に飛灰となったCFが飛散し電気集塵機
の電極を短絡させ、排ガス処理能力の低下により、装置の停止事例が発生。
(セメント、ガス化溶融等でCFRP混入ASRの受け入れ拒否)
ASR、廃プラ等
図5 ロータリーキルンの処理フロー
図6 ロータリーキルン
出所: 太平洋セメント
7
CFRPリサイクル手法確立の必要性
■ 電気集塵の原理
コロナ放電により粒子が帯電し集電極に吸収捕集
図7 電気集塵機の構造と原理
出所: 太平洋セメント
8
CFRPリサイクル手法確立の必要性
■ CFの電気集塵機への影響
排気ガス
粒子
火花放電
放電電極
清浄ガス
繊維状CF
接地電極
図8 電気集塵機で火花放電が発生のイメージ
9
2.これまでのCFRPリサイクル処理の
基礎調査(自動車)の知見
○これまでの調査
1.平成25年度 次世代自動車に係る処理実態調査(環境省)
・CFRPに使用される炭素繊維は、現状ではリサイクル技術が確立されていないため、その
ほとんどが最終処分場で埋め立て処分されている。
・実証実験において電気炉による焼却が可能であり、サーマルリサイクルとしての効果が
確認された。
2.平成26年度 燃料電池車に用いられる炭素繊維複合材料
のリサイクル手法等調査(次世代自動車センター)
・CFRP燃焼性の向上には酸素濃度富化が重要であり、酸素濃度が不十分な雰囲気では
高い温度でも燃焼が進まないことが見出された。
・CFRP中のCFは酸素濃度が低ければ、熱によるダメージを受け難く飛灰として飛散し、後
処理施設への影響が懸念される。
・ CFRPの処理経験を有するASR処理施設は少ないが、設備へのダメージを懸念している。
10
3.本調査の内容
1.調査期間
27年10月から28年2月まで
2.調査内容
(1)破砕施設におけるCFRPの破砕性の検討
CFRPを含む廃車ガラを自動車リサイクル工程に流した際の各工程の課題を調査
◇項目
・破砕段階(CFRPの破砕性、破砕機、プレス機への影響)
特に水素タンクの破砕は重点項目として実施
・選別段階(選別過程でのCFRPの分別性)
・ASR段階(選別後のASRに含まれているCFRPの性状と影響)
上記調査からCFRPの破砕性の課題を把握し、適切な破砕、破砕
後の選別時の課題検討を行う。
11
3.本調査の内容
(2)ASRの再資源化処理施設におけるCFRPのリサイクル技術
の検討
CFRP含有ASRを既存のセメントキルンや燃焼炉等のASR再資源化施設で処理する場合、
適切な処理方法を確立させる必要がある。
◇項目
・燃焼性に関する検討(溶融炉、流動床炉、セメントキルンでの燃焼性)
・集塵に関する検討(CF飛灰の影響と対策)
・前処理に関する検討(RDF化、微細化等の効果)
・後処理に関する検討(スラグ処理、飛灰の回収処理、水処理の課題)
今回の調査では、実稼働設備、又は小型実験装置において、各種処理
設備ごとに実証検討を行い、既存設備での処理課題を検討する。
12
4.破砕施設でのCFRP破砕試験
◇ 車両解体・プレス試験(水素タンク含む)
◇ 水素タンクくず化試験
◇ ジュレッダーでの破砕試験
13
破砕施設でのCFRP破砕試験
(車両解体・プレス工程)
図9 ニブラ解体
図10 プレス装置
図11 プレス後
■ 解体には大きな問題はないが、プレス機での減容(水
素タンクが含まれた場合)には、最適な容積を検討する
必要がある。
図12 水素タンク付廃車
14
破砕施設でのCFRP破砕試験
(水素タンクのくず化)
図13 ニブラ装置
図14 タンクのくず化
図15 タンクのくず化
■ 水素タンクをニブラでくず化することには大きな問題
はなかった。
■ 自動車に搭載されたままでの水素タンクくず化も可能
であった。
図16 70MPa 水素タンク
15
破砕施設でのCFRP破砕試験
(プレス工程の試験結果)
■ 水素タンクを事前にくず化(穴あけ)し、プレスでの減容処理は、
プレス後も水素タンクは形状が保持され、減容が困難なことを確認
■ プレス塊自体も20cm~40cm程度サイズが大きくなり、プレス機の仕様によっては破砕前の車両の
切断や、部品の事前取り外しが必要(プレス機仕様よりプレス塊が大型化するのを避けるため)
図17 プレス後の水素タンク
図18 プレスの水素タンク(取り出し)
16
破砕施設でのCFRP破砕試験
(シュレッダー・選別工程)
図19 シュレッダー装置
図20 シュレッダーダスト
■ CFRPはほぼASR側に選別可能であったが、水素タンクのアルミの口金にはCFRPが
分離できずに付着した状態になった。
■ シュレッダー装置の刃等の摩耗については問題が見られないが、選別工程で発生
するCFRP粉塵には、環境、作業者への防塵対策を強化する対策が必要である。
17
5.サーマルリサイクル試験
(実稼働炉・試験炉試験)
◇ 再資源化処理施設は種類の異なる施設が多数存在し、各施設で生じる課題
を確認する必要がある。
◇ 施設数の多いガス化溶融炉、流動床炉、セメント工程で燃焼試験を実施
◇電気集塵機は、試験装置を用いてCFの影響試験を実施
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CFRPサーマルリサイクル施設
表1 ASR再資源化処理施設数
処理形式
ガス化溶融炉
流動床炉
セメント工程
焼却炉+溶融炉
炭化炉(還元炉含む)
製錬工程
合計
施設数
8
6
13
7
3
1
38
図21 ASR再資源化処理施設数
・全ての施設での対応は難しく、主要な施設で対応を検討する。
・今回は、施設数が多く、占有比率が高い溶融炉、流動床炉、セメント工程で実証
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シャフト炉での試験結果
【試験施設】 日鉄住金リサイクル株式会社(鹿島)
【試験方法】 CFRP破砕材2.8tにASR11.8tを混合し、CFRP混合比が約20%のASRを作成
作成したCFRP混合ASRを、4t/h、5t/h、6t/hの3条件でガス化溶融炉へ投入
スラグ、減温塔灰、バグフィルター灰をサンプリングし、CFの燃焼状況を確認
【試験結果】 ① 減温塔出口の振動篩にCFが付着し、試験継続には人力でCFを除去する必要
② スラグ、減温塔灰、バグフィルター灰のすべてのサンプルでCFが混入
③ 分級調査から、4t/hでは約10%、6t/hでは約7%程度の混合率が適当と推測
④ 篩を用いた分析では重量比4%~12%のCFを確認
図23 CFRP混合ASR
図22 シャフト炉の処理フロー
図24 減温塔灰への堆積物
図26 バグフィルター灰中のCF
図25 スラグへのCF混入
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サーモセレクト炉での試験結果
(RDF化燃料での燃焼試験)
【試験施設】 ジャパン・リサイクル株式会社(千葉)
【試験方法】 CFRP含有率25%のCFRP含有RDF 600kgを、100kg/hのペースで炉に投入スラグ、
急冷循環水、熱交換器付近のストレーナ汚泥を採取し、CF燃焼状況を確認
【試験結果】 ① 試験後に熱交換器にCFを含む多量のスラッジの詰まりを確認
② 急冷循環水・汚泥は試験前でもCFが確認され、試験に伴う有意な増加は未確認
③ 推定CF含有率は低いが、ストレーナに詰まった汚泥は、正常範囲を逸脱する量
であり、今後さらなる評価検討が必要
図28 CFRP含有RDF
図27 サーモセレクト炉の処理フロー
図30 急冷循環水に
混入したCF
図29 熱交換器に付着
した汚泥
図31 汚泥に混入
21
したCF
流動床炉での試験結果
【試験施設】 エコシステム岡山株式会社(岡山)
【試験方法】 CFRP破砕材5.2tにASR18.4tを混合し、CFRP混合比が約20%のASRを作成し、燃焼燃殻、
ボイラー灰、減温塔灰、煤塵をサンプリングし、CFの燃焼状況を確認
【試験結果】 ① CFRPは完全に燃焼されず、各工程から回収(1次燃焼温度約600℃)
② 炉床では、CFRP燃焼により層内温度が上昇し、クリンカ生成の可能性
③ ボイラー下部からは赤熱状態の残渣が確認され、燃焼促進が必要
④ 熱灼減量による分析ではボイラー灰を除いて1.2%~13.9%のCFが混入
図32 流動床炉の処理フロー
図33 炉床で発生したクリンカ
図34 発生残渣の比較
22
ロータリーキルン(窯尻)での試験結果
【試験施設】 株式会社太平洋コンサルタント
【試験方法】 ASRへのCFRP混入を想定し、まずはCFRP単体をロータリーキルン窯尻から投入
燃焼状況を比較するため、廃プラ、CFRP含有RDF、CFRP端材(5~20mm)を投入
【試験結果】 ① RDF、CFRP端材ともにキルン内での残存を確認。CFRP端材は窯前でも未燃確認
② 冷却塔ダスト、Cy~BGF間のダストでも未燃状態のCF混入を確認
③ CFRPの投入形態に関わらず、窯尻投入では完全燃焼は困難
図36 RDF投入時の
キルン内部
図37 CFRP端材投入時の
未燃残渣
図35 ロータリーキルンの処理フロー
図38 Cy~BGF間ダスト内の未燃CF
23
ロータリーキルン(窯前)での試験結果
(微粉化の効果確認)
【試験施設】 株式会社太平洋コンサルタント
【試験方法】 微粉炭と同様に熱量としてのCFRPの燃焼を想定し、CFRPを窯前から投入
燃焼状況を比較するため、微粉炭、CFRP(2mm以下)、CFRP(850μm以下)を投入
【試験結果】 ① 燃焼しているCFRPが、窯尻方向に浮遊しているのが確認
② 2mm以下品では850μm以下品に比べて、窯尻および反応塔下の温度が高く、
窯尻O2が低い。一部はキルン内に着地して、着地燃焼したと推測
③ CFRP投入時はともにダスト内の未燃CFが確認されたが、小径化に伴いダスト中の
固定炭素、揮発分が少なくなり、ダスト中の未燃残渣の粒径も小径化
図40 冷却塔ダスト内の未燃CF
図39 ロータリーキルンの処理フロー
850μm以下品の方がCFが小さく、Cy~BGF間の回収ダスト中
には、未燃残渣は目視では確認できなかった。2mm以下品の
投入時は、Cy~BGF間の回収ダストでもCFが確認されていた
ことから、バクフィルター(BGF)まで到達したと考えられる。
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電気集塵機での試験結果
【試験主体】 三菱日立パワーシステムズ環境ソリューション株式会社
【試験方法】 燃焼施設のダスト内にCFが残留することを想定し、EP試験装置へCFを投入
繊維長による印加電圧の低下等を確認するため、長さの異なる4種類のCFを使用
【試験結果】 ① CFが長いほど、スパーク電圧が低下し、EPの印加電圧が低下することを確認
② 集塵極と放電極に付着したCFを洗浄できれば、乾式EPよりも湿式EPの方が有効
但し、スプレーのノズル配置や噴霧量、放電極構造等、現行湿式EPの改善が必要
③ 繊維長50mm程度の長いCFは、EP前段に前処理用の集塵機が必要
図41 電気集塵機(EP)試験装置
図42 CFの長さとスパーク電圧の関係
25
6.試験結果のまとめ
■破砕工程 ⇒ 大きな問題はなく最適化を図る等の対策で実施可能
・今回の試験では、CFRPの破砕性、破砕設備への影響は特になかった。
・水素タンクの穴あけは、ニブラ等で可能であり、現状の設備で対応可能である。
・プレス工程での減容化は、タンク形状が保持され減容が困難。
・破砕後の選別工程では、飛散が発生し作業員の環境対策として防塵対策が必要。
・水素タンク破砕ではCFRPが短冊状になるため、想定以上に大きな破砕片がシュ
レッダーから排出された。
■燃焼炉 ⇒ 完全燃焼は難しく対策が必要
・燃焼温度の低い流動床炉だけでなく、溶融炉においても完全燃焼は難しく、CFが
後工程に飛散するため何等かの対策が必要である。
・酸素付加等を実施することで、燃焼性を向上させる等の対策は有効。
・完全燃焼のための微粉化は有効な手段だが、実用性については今後検討が必要。
■電気集塵機 ⇒ 繊維状のCFは前段で捕集等の対策が必要
・繊維状のCFについては、集塵機内での付着対策は難しく前段での捕集が必要。
・実燃焼でのCFの飛散状況と影響については、CFの形状を含め継続検討が必要。
26
7.今後の展開
■ 今回の調査では再資源化施設での課題を明確にした。今後更にCFRPが多用され
るため、ASRにCFRPが混入する影響が大きくなることが想定され、サーマルリサイク
ルの検討は継続して実施していく必要がある。
■処理量が少ない時期では、電炉処理に限定して処理することができる。*
■ LCAや資源循環の観点から、今後もCFRPのマテリアルリサイクルの推進は必要だ
が、リサイクルが進むほどCFの繊維長が短くなるため最終的にはサーマルリサイクル
は必要である。
■ 水素タンクは取り外し処理が可能であるため、マテリアルリサイクルの推進に期待。
( 水素タンクに用いられるCFは品質も良好であるため、マテリアルリサイクルには最適)
* CFRPのサーマルリサイクルは現状課題はあるが、電炉での全部処理が可能である。
暫定対応としてCFRPの大量使用車の少量発生時は、自動車メーカーの管理下で、
特定の電炉施設において全部処理を適用(処理施設が限定され高コスト)
27
参考
28
CFRP燃焼における基本特性
(TG-DTA)
■ CTG-DTAデータをみると、TG(熱重量分析)では、606.3℃から885.7℃で急激な重量減を確認
■ DTA(示差熱分析)では、約400℃でマトリックス樹脂、約600℃から900℃でCFによる発熱を確認
■ マトリックス樹脂は300℃程度で燃焼し、CFは800℃程度で燃焼
図43 GTG-DTAデータ
出所: 日本化学繊維協会
29
CFRP燃焼における基本特性
(管状炉による確認)
■ 炉内の酸素濃度を複数設定し、炉内雰囲気による燃焼速度(時間)と重量減の影響について確認
-空気雰囲気で異なる温度条件で燃焼した場合、明確な違いはなく、約2.5時間
-同じ温度(800℃)で異なる酸素濃度条件で燃焼した場合、燃焼時間に差異発生
CF表面付近において酸素の拡散による供給には余裕があり、酸素濃度を上昇させることでCFを
適切に燃焼できる可能性が確認
■ CFRPの燃焼には酸素量が重要
0
-10
-20
重量変化(%)
-30
O2
-40
-50
-60
-70
-80
-90
-100
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
経過時間(hr)
600℃空気
800℃空気
1000℃空気
1200℃空気
図44 酸素濃度一定
出所: 次世代自動車振興センター
図45 温度一定
出所: 次世代自動車振興センター
30
CFRP燃焼における基本特性
(形状影響の確認)
■ CFの燃焼に対して酸素量の影響が大きいことから、サンプルの形状による燃焼挙動を確認した。
-板状のサンプルおよび、破砕により薄肉化した破砕品のどちらにおいても酸素量の多い場合、
燃焼時間が短い
-板状のサンプルよりも破砕品のほうが燃焼時間が短い
100
100
80
80
60
60
分解率(%)
分解率(%)
■ CFRPの燃焼時間は、薄肉になり酸素との接触が多くなると短くなる
40
破砕品 酸素40%
板状品 酸素40%
0
0
0
2
4
6
8
10
12
破砕品 酸素20%
20
板状品 酸素20%
20
40
14
処理時間(分)
図46 CFRP板状品(酸素富化条件)
出所: 次世代自動車振興センター
0
2
4
6
8
10
12
14
処理時間(分)
図47 CFRP破砕品(酸素富化条件)
出所: 次世代自動車振興センター
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