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続「奔馬と御者」

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続「奔馬と御者」
続「奔馬と御者」
…日本は、アメリカのように南北戦争時代の農
耕民族、狩猟民族の対立と金融大恐慌の混乱を
克服し、自らの力で国際投資循環拡大メカニズ
ムを作ることができるのか?
接ぎ木、物真似、農耕民族調整型財政・金融
システム依存 60 年の錯覚から目を覚ます時が
きた。
(2005.8)
シンクタンク藤原事務所
リサーチアソシエイト
国際資本市場ストラテジスト
園
山
英
明
未定稿
目
次
Ⅰ
証券・金融・資本市場経済先進国アメリカが克服
した南北戦争対立と金融大恐慌脱出の歴史から学
ぶ証券・金融・資本市場経済における国家の役割
Ⅱ
日本では何故、アメリカ大恐慌の原因解明の歴史
が学べないのか、学ばないのか、学ばせないのか
Ⅲ
証券、金融、資本市場経済メカニズム用語の分裂
が招いた日本の市場経済メカニズムの混乱
Ⅳ
イギリス型 消費者保護・
「金融サービス市場法」
的資金経済発想だけでは脱出できない日本が陥っ
ている証券・資本市場経済のブラックホール
Ⅴ
これからの日本・・・まず日本版アメリカ南北戦
争時代の対立(農耕民族と狩猟民族)を克服し、内
向き資金依存資本主義から外向き生命資本競争主
義への挑戦
ii
Ⅰ
証券・金融・資本市場経済先進国アメリカが克
服した南北戦争対立と金融大恐慌脱出の歴史か
ら学ぶ証券・金融・資本市場経済における国家の
役割
・・・公益、通商、国の信用崩壊を防ぐために制
定した証券規制(1934 年証券取引所法第 2 条・・・
securities regulation)と証券市場を維持・強化す
べき国家の重要な財産と位置づけた全国証券市
場システム(1975 年に追加した証券取引所法第
11A 条 ・ ・ ・ the securities markets are an
important national asset which must be
preserved and strengthened.)
1
1 「証券・資本」市場と日本の現状
・・・「 資 金 」 経 済 か ら 「 資 本 」 経 済 へ 転 換 の 難 し さ
・
景 気 は多 少 上 向 いても、企 業 業 績 が回 復 しても、日 本 全 体 は未 来 への展
望 を見 失 って暗 いよどみの中 に沈 んでいる。
そ れ は 2000 年 も の 長 い 間 日 本 を 支 え て き た 農 耕 型 社 会 が 崩 れ 、 国
・
際 的 な 大 交 流 時 代 を 迎 え て 、財 政・年 金・資 産 な ど の 長 期 信 用 経 済 基
盤がゆらぎはじめたことにある。
・ 問 題 は 、国 際 的 大 交 流 時 代 の 中 で の 国 家 の 役 割 が 変 わ り は じ め て い る
こ と に あ る 。そ れ は 、与 え ら れ た 天 地 空 間 の security( 安 全 )を 守 る
こ と か ら 、 市 場 経 済 の 掟 、 security(innovation risk 挑 戦 、 頭 脳 競 争
力 )機 能 を 生 か す こ と へ の 転 換 で あ る 。
・
この国際化の進展とともに世界の競争手段は軍事→資金→通商→
security( innovation risk 挑 戦 、頭 脳・先 見 力・株 式・資 本 )メ カ ニ
ズム→グローバル化へと変わってきつつある。
・
現 在 の 日 本 が モ デ ル と し て き た ア メ リ カ は 既 に 150 年 も 前 に 南 北 戦
争 の 対 立 、金 融 大 恐 慌 を 契 機 に security( 証 券・ベ ン チ ャ ー )を 国 家
の 戦 略 頭 脳 の 中 心 軸 に お き 、Wall 街 (investment bank)、SEC・FTC・
FRB・世 銀・IMF な ど を 国 会・国 防 省 と 並 ぶ 経 済 戦 略 本 部 と 位 置 づ け 、
グ ロ ー バ ル 戦 争 の 主 役 と し て 育 て て き た ( 後 述 )。
・
今 日 本 で は 、ア メ リ カ 型 の security( innovation
risk 挑 戦 、株 式 、
資 本 、頭 脳 )機 能 の 重 要 性 に 目 覚 め さ せ ら れ る 諸 現 象( 貸 株・空 売 り 、
2
ラ イ ブ ド ア 、西 武 、 カ ネ 紡 、取 引 所 、郵 貯 問 題 )が 噴 出 し は じ め 、日
本 で も や っ と「 証 券・資 本 」市 場 型 経 済 メ カ ニ ズ ム 競 争 の 本 質・ 究 極
の目的が生き死を競う戦争に通じていることが分かりはじめた。
そ れ は 資 金 繰 り 上 の 「 国 債 」「 資 金 」 が い く ら あ っ て も innovation
活 力 を 生 む「 産 業 」を ベ ー ス と す る 「 株 式 ・ 資 本 」 投 資 循 環 通 商 拡 大
メカニズムを持たない国はやがて生命力が退化し衰退することを示
しているからである。
・
同 じ 証 券 ( security) で も 未 来 挑 戦 「 資 本 」 と し て の 「 株 式 」 と 、
福 祉 平 和 社 会 維 持 の た め の「 資 金 」繰 り「 国 債 」と で は 全 く 逆 の こ と
を意味しているのである。
3
2
アメリカを金融大恐慌から脱出させ未来の繁栄に成功し
たのはペコラ委員会(1932∼上院銀行・通貨委員会)の活躍
にあったと言われているが、その英知とは何であったか。
・・・そ れ は 南 北 戦 争 対 立 後 や っ と 設 立 さ れ た 中 央 銀 行 ( FRB)、
公 正 取 引 委 員 会 ( FTC) 制 度 の 不 備 を つ い て 発 生 し た 大 恐 慌 の
経 験 か ら 動 物 型 speculation エ ネ ル ギ ー を 活 用 す る 未 来 指 向 拡
大資本主義市場経済メカニズムの軸を支える国家胴元(公益)
としての 頭脳機能 にまで踏み込んでそのメカニズムの欠陥を解
明し、対応策を建てる英知を持っていたことにある。
(1)
証 券・金 融・資 本 市 場 経 済 メ カ ニ ズ ム の 頭 脳 機 能 の 欠 陥 を 解 明 し た
ペ コ ラ 委 員 会( 1932∼ 34
上 院 銀 行・通 貨 委 員 会 … 通 称
ペコラ委員
会 ) の 開 催 を 求 め た 国 会 決 議 ( res84.56.97)
○
そ れ は 「 under the taxing power or other federal powers」
「徴税力と国権のもとに」必要とする立法をするため
○
銀 行 活 動 に 関 す る 証 券 取 引 活 動 に つ い て 、市 場 経 済 メ カ ニ ズ ム を
混 乱 さ せ る 原 因 と 考 え ら れ る 強 者 に よ る「 独 占 乱 用 」か ら 発 生 す る「 メ
カ ニ ズ ム の 歪 み 」を 解 明 す る た め の 調 査 で あ っ て 、日 本 で 言 わ れ て い
る不正取引を摘発するだけの目的で行われたものではない。
こ の 銀・証 問 題 を 中 心 に 調 査 す る こ と を 国 会 が 求 め た の は 、自 由 競
争 を め ぐ る 南 北 対 立 、 農 業 ( 南 ) か ら 工 業 化 ( 北 )、 antitrust 問 題 、
奴 隷 経 済 か ら の 脱 却 、銀 行 資 金 経 済 か ら 証 券 資 本 経 済 へ と 発 展 す る 市
場 型 経 済 メ カ ニ ズ ム の 変 化 の 中 に 、資 本 主 義 市 場 経 済 国 家 と し て の 命
運にかかる致命的な欠陥が潜んでいることを自らの力で知ったから
である。
4
(2)
そ し て こ の 委 員 会 に お け る 調 査 ( 1932∼ 1934 年 ) 活 動 に よ っ て 証
券 取 引 所 ・投 資 銀 行・ 商 業 銀 行・ 投 資 信 託・ 脱 税 な ど の 証 券・ 金 融 を
一体化した取引活動について
unsound, abuse,
税を免かれる)
(tax)avoidance な ど の
(不健全,
濫用,
「 ゆ が み 」の 実 態 を reveal(新 し い 事 実 を 探 し 出 す )す る こ と に よ っ て 、
その後の適確な立法などの対応策をたてることに成功した。
(3)
この「ゆがみ」の根本原因を解明しそれを正すという「真理」を
ベースとする新しい資本主義経済国家の再建の基礎となるルールと
し て ( 1933 年 ) 銀 行 法 と と も に ( 1934 年 ) 証 券 取 引 所 法 が 制 定 さ れ
る こ と と な り 、 こ の 委 員 会 の 終 盤 に そ の 公 聴 会 ( hearing) が 行 わ れ
たが
①
そ の 立 法 説 明 に は 先 ず 「 FRB( 中 央 銀 行 )」 の エ コ ノ ミ ス ト が 行
っていること
②
draft の 議 論 は「 証 券 」
( security)が 自 由・平 等 原 則 に よ っ て
守 ら れ る べ き 憲 法 上 の 「 commerce」 … 商 工 … 一 体 の 通 商 … 国 家 の
主力エンジンに該当するか否かの論争と
③
speculation 活 動 を 支 え て 来 た ブ ロ ー カ ー ズ ロ ー ン ( security
credit)の 暴 発 が 大 恐 慌 を 引 き 起 こ し た「 証 券 」
「 銀 行 」業 務 共 通
の 大 課 題 で あ る と し て 取 り 上 げ ら れ 、 FRB に よ る 証 券 ・ 金 融 一 体
の 信 用 規 制 ( regulation T ほ か ) に つ い て の 大 論 争 が 行 わ れ た
④
それは従来それぞれローカルベースで規制されていた「証券」
と「 金 融 」メ カ ニ ズ ム を「 産 業 」を ベ ー ス に し た「 証 券 」市 場 と 、
「金融」市場を一体のものとして捉えて自由・平等・競争促進と
いう国家の独立理念を実現する国民経済の基本メカニズムとして
の観点から議論された。
5
(4)
1934 年 ( 証 券 取 引 所 法 ) 第 2 条 「 規 制 を 必 要 と す る 理 由 」
このコペラ委員会における公聴会を経て制定された証券取引所法
第 2 条 に お い て 、証 券 取 引 に つ い て 各 種 の 連 邦 規 制 を 必 要 と す る 理 由
が明らかにされ、立法趣旨が説明されているが、その内容は
・ 憲 法 1・8・3「 commerce regulation」 の 「 通 商 規 制 」 に 基 づ く
アメリカ独禁法
anti trust law に よ る 「 公 正 競 争 推 進 規 制 」 の 必
要性に加えて
・ アメリカ型証券、金融・資本市場メカニズムの特色とする金融エ
ネ ル ギ ー の 証 券 市 場 参 入 に よ っ て 増 幅 さ れ る speculation エ ネ ル
ギーを活用した新しいタイプの証券・金融・資本市場メカニズム
を推進し制御することの重要性である。
そ し て 、今 ま で の 実 物 経 済 を 律 し て き た 通 商 規 制 、独 禁 法 規 制 哲 学 に
は な か っ た 証 券・金 融・資 本 市 場 メ カ ニ ズ ム を 一 体 の も の と す る 新 し い
考え方による制御の工夫が必要であることが改めて確認された。
その新しい視点からの規制とは
①
今 ま で の 憲 法 通 商 規 制 に よ る 独 禁 法 規 制・FRB 規 制 な ど「 実 物 市 場
経 済 取 引 」の 規 制 で は カ バ ー す る こ と の 出 来 な か っ た「 証 券 」「 金 融 」
エ ネ ル ギ ー を 結 合 さ せ 、そ の 爆 発 力 を 利 用 し て 未 来 を 先 取 り す る「 投
機 信 用 シ ス テ ム 」の 暴 発 と 不 公 正 取 引 の 乱 用 に よ っ て 発 生 す る 副 作 用
を封ずる為の工夫である。
それは市場価格を利用して行われる再担保金融システムなどによ
っ て 実 物 経 済 取 引 価 格 と 市 場 取 引 価 格 が 連 鎖 的 に 反 応 し 、参 加 者 全 体
の 中 で 独 占( abuse)の 乱 用 が 拡 が り 、そ の 過 当 投 機 暴 発 力 に よ っ て
市 場 経 済 品 質 が 歪 め ら れ 実 物 経 済 だ け で な く 財 政・金 融 な ど 国 民 経 済
シ ス テ ム 全 体 の 規 模 が「 異 常 な 膨 張 」と「 収 縮 」を 繰 り 返 す こ と に あ
6
る。
そ し て 、最 終 的 に 投 資 家 、預 金 者 、消 費 者 、納 税 者 、勤 労 者 な ど
一 般 市 民 の 「 社 会 生 活 」「 産 業 経 済 活 動 」 か ら 最 終 的 に は 「 国 家
財政」までもが崩壊してしまう恐ろしさから生まれている。
②
問 題 は 見 せ か け の 繁 栄 騒 ぎ の あ と に 襲 い か か る デ フ レ「 収 縮 」と い
う メ カ ニ ズ ム 崩 壊 の 危 機 を 避 け る こ と に あ る 。そ の た め に は ま ず 、投
機 信 用 力 を 利 用 し て 実 物 経 済 を 刺 激 し 未 来 を 先 取 り す る「 波 動 経 済 の
ブ レ 」を 事 前 に コ ン ト ロ ー ル 可 能 な 範 囲 の 巾 の 中 に 封 じ こ め 暴 発 に よ
る 失 速 を 防 ぐ 為 の 制 御 機 能 が 必 要 と す る こ と に あ る 。( 失 速 防 止 対 応
策)
③
そ の た め に は 、ま ず ブ レ 易 い 波 動 経 済 の 中 心 軸 と な る べ き 国 家 公 益
軸( 胴 元 と し て の 徴 税 力 、戦 略 理 念・戦 略 頭 脳 力 、会 参 加 者 で 共 有 す
る評価、計測機能、金利・価格メカニズムのコントロール機能など)
の 確 立 が 必 要 で あ る こ と ・ ・ ・「 軸 」
④
こ の 公 益 軸 を 中 心 と す る 投 資 家 、企 業 、仲 介 人 な ど 公 益・私 益 を 一
体とした持続的投資循環拡大メカニズムを持つことが全参加者の合
意 に よ っ て 確 立 さ れ な け れ ば な ら な い こ と・・・自 主 規 制 力 を 持 っ た
「持続的投資循環通商拡大メカニズム」の確立
⑤
また、この投資循環拡大型のメカニズム全体の歪みを自ら計測し、
評価し修正することの出来る全参加者で合意した自己修正メカニズ
ム ( revelation) の 基 点 と も い え る 共 通 の 理 念 、 哲 学 、 真 理 ・ ・ ・
truth・・・自 由・独 立 を 護 る た め の 掟 を 必 要 と す る こ と・・・「 共 通
理念・真理」
7
⑥
具 体 的 に 開 か れ た マ ー ケ ッ ト 全 参 加 者 で 合 意 し た 共 通 理 念 、真 理 を
守るための
◎ 憲 法 1・8・3
通 商 規 制 commerce regulation を ベ ー ス と す る「 独
占 の 乱 用 」 を 排 除 し 「 公 正 競 争 」 を 促 進 す る た め の 独 禁 法 anti trust
法 ・ ・ ・( F・ T・ C ル ー ル )
◎ 不 正 取 引 を 排 除 す る た め の 証 券 法・・・10b− 5
の為の
,詐 欺 的 行 為 排 除
anti fraud 法
◎ 持 続 的 金 融 ・ 資 本 供 給 コ ン ト ロ ー ル の 為 の 証 券 信 用 規 制 securities
credit control ・ ・ ・ Reg T ル ー ル の 3 つ の regulation で あ る 。
◎ そ し て こ の 3 つ の ル ー ル に よ っ て 支 え ら れ た「 金 利・プ ラ イ ス メ カ
ニ ズ ム 」を 確 立 し 時 価 型 市 場 経 済 の 命 で あ る「 時 価 」に つ い て の 品 質
を 守 る た め に 必 要 な 「 市 場 経 済 品 質 PL 機 能 」 を 持 つ こ と 。
併 せ て 、FRB が control す る 長 期 国 債 金 利 を ベ ー ス と す る 金 利 機 能
⑦
を活用した「金利メカニズム」を確立すること
⑧
この 公益軸 をベースとした未来指向発展型の持続的投資循環拡大
メ カ ニ ズ ム『 頭 脳 機 能 』( 別 表 ① − ⑧ )と 、speculation 波 動 を コ ン ト
ロ ー ル す る「 price と 品 質 を コ ン ト ロ ー ル す る メ カ ニ ズ ム 」と 、「 金 利
メ カ ニ ズ ム 」 と い う 『 心 臓 機 能 』( 別 表 ABCD) が 結 合 さ れ る こ と に
よ り 、公 益 と 私 益 、投 資 家 と 産 業 と 仲 介 人 、現 在 と 未 来 と が 一 体 と な
っ て 持 続 的 に 発 展 す る こ と の で き る commerce 活 力 が 生 ま れ 、産 業 が
発 展 し 、投 資 家・ 納 税 者・市 民 が 潤 い 、国 家 胴 元 の 税 収 が 増 加 し 、国
防 、福 祉 力 が 充 実 し 、世 界 に 拡 が る 新 し い 投 資 循 環 拡 大 が 生 ま れ る 仕
組みである。
⑨
ア メ リ カ は こ の 仕 組 み を ベ ー ス と し て 、 1980 年 代 以 降 は 今 ま で 一
時的に分離してきた銀・証・商・情報システムを再結合し国家とし
て の 自 律 的 金 融・資 本 機 能 を 司 る FRB 機 能 を ベ ー Z ス と し て 証 券 市
8
場 を 国 家 の 重 要 な 財 産( asset)と し て 位 置 づ け( 証 券 取 引 所 法 第 11A
条 )、 証 券 ( securities)・ 基 金 ( fund) の 安 全 保 障 ( safeguard) 上
の 障 害 を 除 去 す る た め 証 券 の 全 国 市 場 シ ス テ ム の mechanism を 完
成し (証券取引所法第 2 条規制目的に追加)ドル通貨を軸とする未
来指向型の新しい国際投資循環通商拡大メカニズムを創り上げたの
である。
こ の ア メ リ カ 独 立 (1787 年 )、 南 北 対 立 ( 1865 年 )、 金 融 大 恐 慌
( 1929 年 )、 米 ソ 冷 戦 勝 利 ( 1980 年 代 )、 グ ロ ー バ ル ス タ ン ダ ー ド
覇 権 確 立 ( 2000 年 以 降 ) に 至 る 200 年 間 の 発 展 の 原 点 は 、 常 に 異
質 者 動 物 集 団 で 形 成 す る 未 来 指 向 型 の「 持 続 的 投 資 循 環 拡 大 メ カ ニ
ズ ム と 動 物 集 団 を 先 導 す る 投 資 銀 行 機 能 の 強 化 」に 国 運 を 賭 け て 取
り 組 ん で き た こ と に あ る 。そ の エ ネ ル ギ ー 源 は 日 本 の よ う に 天 か ら
与えられた「他人資金」ではなく自らの生命を賭けた「自律資本」
「 証 券 」「 fund」 に あ る と こ ろ に ア メ リ カ 型 市 場 経 済 メ カ ニ ズ ム の
持つ爆発力の秘密があるのである。
9
未来指向波作り拡大経済と波消収縮経済メカニズム日米対比図
動
物
頭脳機能
植
【米国】
【日本】
①未来指向拡大哲学
マーケット品質証券法C
10b-5
共有集団
①天地安住指向集団
B投機信用
SEC
②
物
波作りプライスメカニズム
speculation
②波作りプライスメカニズム
RegT
+
FRB
−
regulation
公正競争促進
③
集団未来
②波消しメカ
安定のための規制
独禁法A
独占乱用排除
③投資循環拡大メカニズム力
①
コントロール
FTC
持続的投資循環拡大メカニズム
+
③備蓄米
(公益軸・企業・投資家・仲介人リンケイジ)
分配
肥料バラマキ
D金利コントロール
④invest power
④
投資力(capital ・fund)
④蓄積
+
⑤venture
industry power
⑥invest bank
喰いつぶし
innovation power
⑤
エネルギー
⑤既存企業依存
+
後継者×
⑥
CIA
未知挑戦情報力
⑥調整・分配
+
パイロット不在
判例・失敗記録
ブローカーコスト肥大
data
⑦white house
国家
⑧空軍・胴元・公益
⑦
+
⑦天地従属
長期国債金利メカニズム
⑧税収
エネルギー
(動物
国家頭脳戦略
公
頭ナシ収縮
財政力
益
⑧場所代・年貢
軸
不作・歩兵・デフレ収縮
遺伝子)
土地
(孫子依存)
【米】
【日】
①∼⑧+ ⒶⒷⒸⒹ 一体メカニズム
①∼⑧
未来指向動物集団投資循環拡大メカニズム
バラバラ
動物・生命力
10
タテ制度
衰退収縮
Ⅱ
日本では何故、アメリカ大恐慌の原因解明
の歴史が学べないのか、学ばないのか、学ば
せないのか
・・・天動説農耕社会「資金」公平分配「手足」
制度(日本)と、地動説動物社会
公正競争力を強める「自律資本」
「頭脳」メカニ
ズム(米)の違い
11
1
放置されているペコラ委員会報告書の研究
ア メ リ カ 大 恐 慌 後 70 年 を 経 て 日 本 は 再 び ア メ リ カ 大 恐 慌 を 上 回 る 大
国 難 に 遭 遇 し な が ら 、ア メ リ カ と 言 う 先 人 が 自 ら 大 難 局 を 乗 り 切 っ て 創
り上げてきた市場経済メカニズムの基盤についての工夫の歴史を何故
学ばないのか不思議である。
・ 具 体 的 に は ア メ リ カ 南 北 対 立 、大 恐 慌 な ど の 克 服 記 録 と し て 残 さ
れ て い る 多 く の 貴 重 な 文 献 が 手 付 か ず で 放 置 さ れ た ま ま 、現 在 危
機に瀕している日本の国家再生に役立っていないことにある。
その文献とは・・・アメリカ大恐慌前後
南 北 戦 争 対 立 の 中 で 生 れ た 資 本 市 場 型 中 央 銀 行( FRB)設 立( 1914
①
年)の経緯であり
②
金融大恐慌後アメリカの国会自らが調査を行うことを決議をし
た 上 院 銀 行 通 貨 委 員 会 に お け る 調 査 決 議 の 内 容 で あ り ( 1932∼ 34
年
③
Res84, 56, 97)
そ の 決 議 に よ り 行 わ れ た 調 査 結 果 を ま と め た 委 員 会 報 告 書( 通 称
ペコラ委員会報告書
1934 年 … 394 頁 ) の 内 容 で あ り
そ の 委 員 会 の 中 で 行 わ れ た 公 聴 会 記 録( 通 称 ペ コ ラ hearing 記 録
④
… 12000 頁 )に 示 さ れ て い る 立 法 過 程 に お け る 議 論 の 内 容 ,な か で
も
⑤
そ の 公 聴 会 の 中 で 行 わ れ た 1934 年 証 券 取 引 所 法 に 関 す る 公 聴 会
記録に示されている立法過程における議論の内容であり
⑥
この証券取引所法第 2 条「現制を必要とする理由」に示され
ているメカニズムの基本設計哲学の確立と修正であり
⑦
そ の 前 後 200 年 以 上 に 亘 る 国 会 な ど に よ る 調 査 記 録 、諸 法 令 、判
例 な ど ア メ リ カ 原 発 型 証 券・金 融・資 本 市 場 経 済 メ カ ニ ズ ム の 頭 脳
と 心 臓 の 働 き を 示 す 基 本 哲 学 , fundamental, 持 続 的 投 資 循 環 拡 大
12
メカニズムと投資銀行業務の発達に関する科学的学術記録の解明
である。
悲 し い こ と に 農 耕 民 族 社 会 の 日 本 で は こ の 自 由・独 立 と い う 建 国 理 念
を 実 現 す る 為 に 200 年 も の 月 日 を か け て 工 夫 を 積 み 重 ね て き た 地 動 説 動
物 社 会 メ カ ニ ズ ム の 頭 脳・ 心 臓 機 能 の「 基 本 原 理・ 心 理 」を 理 解 す る こ
と な く 、天 動 説 農 耕 社 会 の 手 足 と し て の 機 能 と し て バ ラ バ ラ に と り 入 れ 、
そ の 新 し い 働 き を 真 似 る だ け で 国 際 化 、市 場 経 済 の 国 際 化 が 進 め ら れ る
ものと錯覚し続けてきているのである。
13
2
日本でアメリカの証券・金融資本市場の歴史が学べない学
ばない 4 つ原因
・・・農 耕型資金資本主義の発想では理解できない動物型生
命資本主義のメカニズム
①
農耕民族には理解できない動物集団の持つ・・・官と民を束ねる
「公」の発想で活動する「狩りの仕掛けのメカニズム」の発達史
天 地 に 守 ら れ て 来 た 農 耕 民 族 に は 、生 き る た め に 求 め ら れ る「 種 ま き 」
と「 勤 労 」と「 備 蓄 」は あ っ て も 、自 ら が 餌 物 を 捕 ら え て 生 き る た め に
必 要 な 「 狩 り の し か け 」 … invest, 目 , 耳 , 口 , 爪 , 翼 , 資 本 , 経 済 活
動 , kill, 効 率 , 約 束 ご と な ど の 狩 り の た め の イ ン フ ラ メ カ ニ ズ ム そ の
ものを必要として来なかった。
こうしたなかで日本の民間企業集団は自ら動物集団の一員として資
本主義市場経済競争に参画し国際的な狩りのメカニズムを理解し自ら
リスクに挑戦しその成果をあげて来た。
し か し 国 家 の 本 丸 だ け は 、こ れ と は 正 反 対 に 天 地 と 安 保 と 納 税 者 に 守
ら れ た 伝 統 的 な 天 動 説 農 耕 型 信 頼 社 会 制 度 の 中 で こ の「 狩 り の し か け メ
カ ニ ズ ム 」を 学 ぶ こ と な く 2 千 年 の 伝 統 に 依 存 し 安 住 し 続 け て 来 た の で
ある。
②
国家全体の狩りメカニズムをコントロールする人工ロボット型の
「 頭 脳 力 」 と 「 心 臓 機 能 」・ ・ ・ 産 業 活 力 を 生 か す 地 動 説 型 社 会 科 学
の欠落
問題は天動説農耕型社会システムを持つ日本にはこのアメリカ型の
「 狩 り の し か け 」を「 公 益 」で 束 ね る 動 物 集 団 の 持 つ 投 資 循 環 通 商 メ カ
14
ニ ズ ム も 、又 国 家 胴 元 と し て 必 要 な 頭 脳 と 心 臓 の 働 き・・・ な ど を 設 計
する地動説型社会科学シンクタンク機能そのものを備えていないこと
にある。
ア メ リ カ 建 国 200 年 の 歴 史 と は 自 由・平 等・独 立 宣 言・憲 法 を ベ ー ス
に し て 大 恐 慌 の 経 験 を 生 か し て 国 防 ・福 祉・税 を 公 益 軸 と す る 産 業 、投
資 家 、仲 介 人 を 結 ぶ 資 本 市 場 投 資 循 環 通 商 拡 大 メ カ ニ ズ ム を 自 ら 創 り 上
げ そ れ を 推 進 し 制 御 で き る 人 工 ロ ボ ッ ト 的 動 物 集 団 と し て の「 国 家 の 頭
脳と心臓機能」という自然科学・社会科学一体の発達史ともいえる。
一方の農耕社会の日本ではこれらの市場経済インフラメカニズムの
一 部 を 在 来 型 の 間 接 金 融 シ ス テ ム の 資 金 循 環 、公 平 分 配 、タ テ 社 会 制 度
な ど を 通 じ て 資 金 を 集 中 的 に 分 配 し 、そ の 手 足 の 機 能 で あ る 産 業 力 を 活
用し生活必需品…
commodity 経 済 競 争 効 率 を あ げ る こ と に は 成 功 し
て き た ( 1980 年 ま で )。
し か し 、問 題 は 未 知 未 来 空 間 の リ ス ク に 挑 戦 し 産 業 活 動 を 通 じ て 新 し
い エ ネ ル ギ ー を 得 る ベ ン チ ャ ー ,イ ノ ベ ー シ ョ ン 型 の security 市 場 経 済
化 時 代 に 突 入 し な が ら 、必 要 と さ れ る 国 家 と し て の 目 ,耳 ,口 ,爪 ,翼
な ど の「 動 物 集 団 型 の 投 資 頭 脳 力 と 心 臓 機 能 力 」を 持 つ こ と な く 、国 際・
証 券・ 金 融・資 本 市 場 経 済 競 争 に 参 画 し て( さ せ ら れ て )し ま っ て き た
こ と に あ る ( 1980 年 代 以 降 )。
こ の た め 日 本 の 証 券 、金 融 、資 本 市 場 メ カ ニ ズ ム に は 財 政 、金 融 、
「産
業 」、 証 券 、 投 資 活 動 力 を 束 ね て 国 家 全 体 が 一 体 と な っ て 未 来 を 先 取 り
す る 公 益 を 軸 と す る 動 物 集 団 と し て の 投 資 戦 略 機 能 も 、そ の 頭 脳 と 心 臓
機 能 も を 欠 い た ま ま 、 ア メ リ カ 型 の 証 券 ( 産 業 )、 金 融 、 資 本 経 済 メ カ
ニ ズ ム と は 似 て 非 な る 金 融・資 産 エ ネ ル ギ ー だ け で 作 る 流 通 投 機 偏 重 型
15
の 証 券( 券 面 )流 通 市 場 だ け が 中 途 半 端 に 機 能 す る だ け の「 産 業 力・ 徴
税 力 」を 欠 い た 農 耕 民 族 型 の 歪 ん だ 証 券・金 融・資 本 市 場 を 作 り あ げ ざ
るを得ない結果となってしまっているのである。
こうした中で日本では自らモデルとしてきたアメリカ型の証券・金
融・資 本 市 場 メ カ ニ ズ ム の 手 足 の 部 分 だ け を 、日 本 型 の タ テ 社 会 制 度 を
支えてきた間接金融型インフラシステムの一部として取り入れてはき
た が 、肝 心 の 資 本 市 場 メ カ ニ ズ ム の「 fundamental」に あ る 頭 脳 部 分 と 、
エ ン ジ ン( 産 業・ベ ン チ ャ ー )の 働 き を す る 心 臓 機 能 に 必 要 な 社 会 科 学
は研究されることもなく手付かずのまま放置されてきたのである。
③
自律国家の生命を支える持続的投資循環拡大メカニズムを確立し
公 正 競 争 を 実 現 す る た め に 必 要 な 真 理 ( truth) 軸 の 欠 落 ・ ・ ・ 地 動
説型 動物競争 社会における公正競争メカニズムに必要な「真理」と、
天 動 説 農 耕 社 会 村 人 社 会 の「 真 実 」の 混 同・・・乱 用「 abuse」と「 不
正」の違い
日本におけるペコラ委員会の調査目的とは私人の個別取引の不正摘
出 の た め に あ る も の と 曲 解 さ れ ア メ リ カ の よ う に「 国 家 と し て の 資 本 主
義 市 場 経 済 メ カ ニ ズ ム 」の 基 本 哲 学・「 真 理 」・ 原 則 を 確 立 す る 為 の「 立
法調査」であると理解している人は殆どいない。
何故この様に曲解されているのであろうか?
元 中 央 大 学 教 授 呉 天 降 教 授 は 、福 沢 諭 吉 が 看 破 し た「 信 」だ け で 作 る
村 の 世 界 と 、「 信 ・ 疑 」 で 成 り 立 つ 未 来 ・ 宇 宙 世 界 そ れ ぞ れ に 使 わ れ て
い る 同 じ 「 truth」 と い う 言 葉 の 解 釈 に 問 題 が 隠 さ れ て い る の で は な い
かと指摘されている。
16
ア メ リ カ が 金 融 大 恐 慌 前 後 の 経 験 を 通 じ て 求 め て き た 「 truth」 と は
何を意味するものであろうか?
ア メ リ カ に お け る マ ー ケ ッ ト メ カ ニ ズ ム の 「 truth」 と は 、 地 動 説 を
共 有 す る 異 質 者 間 で 行 わ れ る 市 場 経 済 の「 競 争 の 促 進 」と「 不 公 正 取 引
の 排 除 」と い う 2 つ の 相 反 す る 矛 盾 を 克 服 す る 為 の 工 夫 と し て 捉 え て い
る 。・ ・ ・ そ れ は 付 加 価 値 ・ 利 益 追 求 型 の 「 奔 馬 」 と 、 公 正 競 争 を 求 め
る「 御 者 」が 攻 め ぎ 合 う こ と の 出 来 る「 動 物 競 争 型 の マ ー ケ ッ ト メ カ ニ
ズ ム 」の バ ラ ン ス を ど の よ う に し て 創 り 上 げ る か・・・か ら 生 れ て い る 。
○
具 体 的 に は 「 信 」「 疑 」 一 体 の 未 知 空 間 に お け る 異 質 者 間 で 公 正
な 市 場 経 済 競 争 を 推 進 す る こ と ( 独 占 ・ カ ル テ ル 排 除 )。
○
そこで公正な市場価格形成を確保するために必要な一般社会の
掟 よ り 厳 し い 特 別 の 掟 ・・・ 詐 欺 的 ・相 場 操 縦 的 行 為 排 除 ル ー ル を
持つこと。
○
情 報 内 容 と 需 給 の 偏 重 に よ っ て 発 生 す る 市 場 競 争 価 格( price)と
実 態 経 済 ( value) の ブ レ を 常 に 掌 握 ・ 修 正 し 国 家 と し て の 政 策 判
断 を 誤 ら せ な い よ う( 過 剰 投 機 過 熱・失 速 防 止 )に す る 工 夫 で あ る 。
日 本 で は こ う し た「 奔 馬 」を 生 か し な が ら こ れ を 抑 制 す る「 御 者 」に
よ っ て 出 力 を あ げ る 異 質 者 間「 信 ・疑 一 体 型 」の マ ー ケ ッ ト メ カ ニ ズ ム
の 軸 を 保 つ 為 の 工 夫 を 動 物 競 争 社 会 に お け る 真 理 ( truth) と し て 捉 え
る の で は な く 、「 信 」 を 共 有 す る 農 耕 型 村 社 会 の 同 質 者 の 間 だ け で 真 実
( truth) を 述 べ 合 っ て 「 財 」 を 交 換 す る 「 奔 馬 」 と 「 御 者 」 も 必 要 と
し て い な い 村 の バ ザ ー ル を 証 券・金 融・市 場 と し て と ら え て き た の で あ
る。
従って、日本の市場経済メカニズムの中には
○
「 信 」( 真 実 ・ 勤 勉 ・ 蓄 積 ) 中 心 で 「 疑 」( 売 り ) は 排 除 さ れ 、
17
○
意思を重視し結果責任を求める詐欺的行為排除の思想はなく、
○
又 、 産 業 力 エ ネ ル ギ ー を ベ ー ス と す る 実 態 経 済 価 値 ( value) と
金 融 エ ネ ル ギ ー に よ っ て 歪 め ら れ 易 い 市 場 経 済 価 格( price)の gap
を容認し、識別し修正する慣行も持っていなかったのである。
こ の 同 質 者 信 頼 農 耕 社 会 に お け る 個 別 取 引 の 「 真 実 解 明 」( 日 ) と 、
異質者動物間で集団利益を追求するための公正競争メカニズムの仕組
み の 「 真 理 解 明 」( 米 ) の 違 い を 理 解 し な い 限 り 「 メ カ ニ ズ ム 」 の 歪 み
を な く す た め の 「 真 理 」 を 求 め て 調 査 し た ペ コ ラ 報 報 告 ・ hearing 記 録
( 12,000 頁 ) の 意 味 も 、 証 券 取 引 所 法 第 2 条 「 現 制 を 必 要 と す る 理
由 」・ ・ ・
国 益 を 実 現 す る 競 争 促 進 型 の マ ー ケ ッ ト メ カ ニ ズ ム の ・ ・ ・「 真 理 」
を 歪 め る 原 因 を 探 し そ れ を 妨 げ る 要 因 を 排 除 す る た め の 方 法 も・・・FTC
SEC
FRB な ど の 規 制 内 容 も 、そ の 立 法 趣 旨 と す る 公 益 を 軸 と す る マ ー
ケ ッ ト メ カ ニ ズ ム の 本 質 も ・・・つ ま り ア メ リ カ 型 証 券 ・ 金 融 ・ 資 本 市
場経済メカニズムそのものを理解することが出来ないのである。
問 題 は こ の ア メ リ カ 型 の 地 動 説 共 有 antitrust 社 会 の 中 で 集 団 利 益 を
追 求 す る 為 に 必 要 な 「 私 益 的 独 占 」 の 乱 用 ( abuse) を 封 じ て 公 正 競 争
を 実 現 す る「 マ ー ケ ッ ト メ カ ニ ズ ム の し く み の 真 理 」と 、守 ら れ た 天 地
の 中 に お け る 日 本 型 trust 社 会 の 中 の 「 信 」 の 中 だ け 行 わ れ る バ ザ ー ル
交換取引に求められる「個人の不正を排除するために必要な真実の解
明 」 と い う 機 能 を 示 す 言 葉 が 、 同 じ く 「 truth」 と い う 言 葉 で 表 現 さ れ
ていることにある。
こ の た め 、ア メ リ カ の 証 券 法 を 直 訳 し て 作 っ た 日 本 の 証 券 法 に は 、ア
メ リ カ 型 の 人 工 的 動 物 集 団 と し て の 付 加 価 値 追 究 を 公 益 と す る ・・・ つ
ま り「 税 収 」を あ げ る た め に 必 要 な「 奔 馬 と 御 者 」型 の 関 節 機 能 を 備 え
18
た動物としての仕組みが画かれていないのである。
このように日本の証券市場のメカニズムには長期的視点に立って国家
として再投資出力をあげ徴税力を高めるための頭脳と心臓機能と、
fundamental 追 及 の た め の マ ク ロ 経 済 用 の 社 会 科 学 機 能 そ の も の が 欠
落 し た ま ま 放 置 さ れ 、手 足 活 動 部 分 だ け が バ ラ バ ラ に 取 り 入 れ ら れ た ま
まになっているのである。
④
資産価格変動損失の発生原因の解明を避けてきた日本の失敗
こ う し て 考 え て 見 る と ア メ リ カ で は 、マ ー ケ ッ ト メ カ ニ ズ ム の 一 時 的
な ブ レ 、 狂 い 、 歪 み を 是 認 し な が ら メ カ ニ ズ ム の 乱 用 ( abuse) に よ っ
て 発 生 す る 実 態 経 済 の 価 値 ( value) と 市 場 価 値 ( price) の ブ レ の 現 実
を把握するシステムが予め内蔵され参加者の失敗経験などを通して
日 々 そ の 修 正 が 行 わ れ る「 価 格 変 動 容 認 活 用 波 作 り 型 」の マ ク ロ 経 済 用
のシステムであるのに対して、
日本ではその「ブレ」は本来発生しない、発生してはならないとされ、
閉 ざ さ れ た 天 動 説 社 会 の 中 の「 信 」の 空 間 の 中 で 成 り 立 っ て い る ク リ ー
ンで安定した市場経済メカニズムが求められてきた。
そして未知のグレイゾーンマーケットで発生す
る「 価 格 変 動 益 は 天
の 恵 み 」と し て 受 け 止 め る だ け で 、逆 に「 価 格 変 動 損 失 は 天 災 」と し て
受 け 止 め ら れ そ の 現 象 を 人 為 的 な 仕 組 み と し て 捉 え 原 因 究 明 、責 任 追 及
と と も に メ カ ニ ズ ム そ の も の を 評 価・修 正 し て 対 策 を 考 え る 習 慣 を 持 っ
てこなかったのである。
こ の た め 、タ テ 割 り 社 会 内 の 小 さ な ブ レ と か 失 敗 は そ れ ぞ れ の 天 動 説 空
間 内 の 真 実 開 示 に よ っ て 修 正 す る こ と は 可 能 で あ っ た が 、集 団 全 体 の 保
有 す る 土 地 ・ 株 式 な ど の 資 産 価 格 の 変 動 を 、証 券 ・ 金 融 ・ 資 本 市 場 ・ 財
政・徴 税 力・産 業 活 動・蓄 積 資 産 経 済 力 な ど 国 民 経 済 全 体 の ト ー タ ル 出
19
力 を 示 す 基 本 メ ー タ ー と し て 捉 え 、そ の 大 き な ブ レ と か 失 速 原 因 等 を 自
ら検証する地動説空間内の真理究明活動そのものをタブー視し全てを
他律的天然現象であるとして、放置してきたのである。
そ し て 日 本 で は こ の 大 き な ブ レ 、失 敗 、失 速 、損 失 の 根 源 で あ る 土 地・
株 式 な ど の 資 産 の 市 場 競 争 価 格「 時 価 」の 変 動 に 伴 っ て 発 生 す る「 長 期
資産価格の異常な変動損益」を動物資本の投資効果の一環として捉え、
その原因を自己解明するメカニズムを備えないまま名目的評価益を富
と 考 え て「 利 益 先 取 り 損 失 先 送 り 」を 許 す 浪 費・と ば し・だ ま し 習 慣 を
つ け て し ま っ た ツ ケ が デ フ レ 、徴 税 力 低 下 、ゼ ロ 金 利 、サ ラ 金 国 債 と な
って今現在我々を苦しめているのである。
ア メ リ カ は こ の 資 産 価 格 の 変 動 損 益 こ そ 、投 資 成 果 を 示 す も の と し て
時価型市場経済メカニズムによって形成された時価の重要性を直視し、
そ の 副 作 用 と し て 発 生 し や す い 現 実 の 需 給 に よ っ て 形 成 さ れ る「 現 実 の
価 格 」と「 あ る べ き 真 理 価 格 」の 、異 常 な ブ レ の 発 生 原 因 を 検 知 し 、予
防 す る た め に 国 家 胴 元 公 益 を 守 る べ き 議 会・行 政 を 中 心 に 投 資 家・預 金
者・企業・仲介人・納税者一体となって国運を賭けその障害を除去し、
健全なマクロ経済を発展させる人工メカニズムを創り上げる工夫をし
てきているのである。
20
3
自律・未来指向に欠かせないマーケットメカニズムの重要性・・・
株式投資を封じられているお上集団では理解できない資本市場マー
ケットの頭脳のしくみと動物型証券・金融・資本市場経済発達通
史・・・なかでも投資銀行機能の研究の重要性
日 本 で は 天 地 で 守 ら れ た 限 ら れ た 空 間 の 中 の 、限 ら れ た 村 人 の「 真 理 」
で 作 り 上 げ た「 信 」の 空 間 で し か 通 用 し な い 天 動 説・性 善 説 社 会 シ ス テ
ム を ベ ー ス と す る「 同 質 者 間 限 定 競 争 型 証 券 ・ 金 融 ・ 資 本・ 流 通 市 場 シ
ス テ ム 」を 、ア メ リ カ 流 の 異 質 者 間 持 続 的 投 資 循 環 通 商 拡 大 マ ク ロ 型 の
「マーケットメカニズム」であると誤認し続けて来たのである。
そ し て 為 政 者 も 参 加 者 も 自 ら の 白・黒 社 会 の「 信 」だ け の 空 間 に 閉 じ
こ も り 、マ ー ケ ッ ト の メ カ ニ ズ ム の 是 非 に つ い て は「 市 場 の こ と は 市 場
に 聞 け 」と 聞 き 流 し 、表 面 の 現 象 に 一 喜 一 憂 す る だ け で 、自 ら ア メ リ カ
流 の マ ー ケ ッ ト メ カ ニ ズ ム の 発 展・進 化 の 歴 史 、本 質 、哲 学 、真 理・・・
資 本 、独 占 、乱 用 、競 争 技 法 を 学 ぶ こ と な く 手 足 だ け の 市 場 経 済 メ カ ニ
ズ ム 導 入 後 60 年 の 時 が 流 れ た 。
この間日本では無限に広がる地動説動物社会共有空間内での競争に
欠 か せ な い 証 券・金 融・資 本 市 場 の メ カ ニ ズ ム を 、動 物 集 団 の 英 知 と 駆
け 引 き を 生 み 出 す た め の 社 会 科 学 の 結 晶 と し て 捉 え る こ と な く 、天 か ら
与 え ら れ た 制 度 で あ る と 誤 解 し 村 人 間 の「 真 理 」だ け に 頼 り 続 け て 来 た
のである。
そ し て 在 来 型 の 財 政 ・金 融 ・市 場 の 交 換・公 平 分 配 制 度 に 依 存 す る だ
け で 、 そ の メ カ ニ ズ ム の 成 長 発 展 を 支 え て き た innovation の 歴 史 、 メ
カ ニ ズ ム の 本 質・ 哲 学・ 制 御 機 能 な ど 社 会 科 学 の 発 達 の 経 緯( 通 史 )を
学んでその知恵を貯えることを怠ってきたのである。
そ の 最 大 の 原 因 は お 上 集 団 そ の も の が 株 式 市 場 を べ っ 視 し「 投 資 リ ス
21
ク 、イ ン サ イ ダ ー 差 別 と リ ス ク 」が あ る と し て 、株 式 市 場 に お け る 投 資
技 術 の 研 究 を 避 け 仲 間 う ち の「 信 」だ け で 作 る「 半 信 実 」の 世 界 に 自 ら
を 封 じ 込 め「 資 本 」市 場 メ カ ニ ズ ム の 重 要 性 を 無 視 し て き た こ と に あ る 。
その結果世界史に例のない土地・年金・資産を巻き込んだ財政・金融・
大資産バブルを引き起こしたうえさらに外資などによる売り収奪手法
を放置し、傷口をさらに拡げてしまったのである。
こ の マ ー ケ ッ ト メ カ ニ ズ ム の 「 truth」 と は 、 仲 間 う ち の 「 信 」 だ け
を 求 め 合 う 「 真 理 」 だ け で は な く 異 質 者 相 互 間 で 「 信 」「 疑 」 を 競 い 合
い未来へ向かって動物集団の英知を導き出す再投資競争の掟である真
理 と 理 解 し 、国 家 自 ら 国 運 を 賭 け そ の 設 計 責 任 を 果 た さ な け れ ば 蓄 積 資
金( 資 本 )の 再 投 資 機 能 が 失 わ れ 国 家 そ の も の が 取 り 残 さ れ 、崩 壊 し て
しまう恐れが出てきたのである。
こ う し た 中 で 、財 政 、年 金 破 た ん 損 失 、土 地・ 長 期 資 産 な ど の 価 格 変
動損失を次世代に飛ばすという麻薬に依存した垂直自爆型の財政・金
融・資 本・ 年 金 ・ 資 産 市 場 の メ カ ニ ズ ム の 欠 陥 が 少 し ず つ 見 え る よ う に
な っ て 日 本 で も や っ と「 証 券 市 場 」の「 メ カ ニ ズ ム 」の 重 要 性 を 理 解 せ
ざるを得ない時を迎えたのである。
問題は自らの頭脳機能を天と安保に委ねて資金分配型福祉経済調整
手 法 だ け で マ ク ロ 経 済 の 膨 張・収 縮 に 順 応 す る の で は な く 、人 知 に よ る
未来指向型市場経済メカニズムの基礎工学と発達通史を学んで自ら設
計 図 を 画 き 、資 本 市 場 経 済 メ カ ニ ズ ム を 通 じ て 、動 物 型 自 律 集 団 と し て
の 濃 縮 遺 伝 子 の 再 投 資 メ カ ニ ズ ム・・・な か で も 国 際 投 資 銀 行 型 の 先 導
機能を確立しなければ生きていけない時を迎えているのである。
22
Ⅲ
証券、金融、資本市場経済メカニズム用語
の分裂が招いた日本の市場経済メカニズムの
混乱
・・・アメリカ型人工頭脳「資本」市場経済投
資循環通商拡大メカニズム用の⑬の基本哲学用語
を、日本型「資金」分配制度用語に転用し、自ら
自律的投資活力を失って失速し迷走する日本
23
表1
アメリカ型人工頭脳資本市場持続的投資循環通商拡大メカニズム⑬の基本用語
①public interest
②capitalism
③invest
国 益
(未来トータル出力)
株式・自律頭脳競争力資本主義 濃縮・拡大力
頭脳
未知・未来・生き死・risk・挑戦・投資力
up
up
defense
国防力
未
④truth
未来投資循環メカニズムの真理軸
確立力
up
公
益
活
力
憲
法
⑤commerce
⑥security
商・工一体・通商
心臓
付加価値創造エネルギー・・・innovation 力
up
Commerce
メカニズム力
up
⑦fund
投資のもとで
⑧finance
頭脳・株式・コーポレート finance
Regulation
⑨financier
⑩regulation
⑪abuse と
up
血液
risk 挑戦投資仲介人
インベストメントバンク
波作り公正競正推進・制御力
グレイゾーン安全航行技法
レーダー機能 10b−5, Reg T
up
up
tax
(力)
メカニズムの欠陥発見機能
Revelation
⑫treasury
⑬memory
welfare
(福祉力)
マネージメント
投資循環メカニズム・動物遺伝子力
up
戦斗・競争・判例・失敗・欠陥・記録・data
10b−5
up
24
来
表2
アメリカ型投資循環ヨコ通商拡大メカニズムの⑬の用語を
農耕型資金分配循環タテ私益制度用語として転用し収縮する日本経済
私
①public interest
益
天と村々の私益
②capitalism
(未来トータル活力を阻む要因)
農耕型手足・資金資本主義
③invest
頭脳・魂 欠落
産業だけの片肺資本主義
down
未来リスク・ベンチャー
投資力 減退
down
資金分配型間接金融投資
(株式濃縮資本活力退化)
頭
④truth
個人の真実
嘘のないクリーン社会
⑤commerce
証券・金融
内外の強者・悪者による収奪圧力
被害放置・メカ崩壊・ down
産業
産業片肺経済
ベンチャー活力低下 down
分裂
⑥security
⑦fund
心臓
国債・社債・流通株式
血液
⑧finance
頭脳・株式資本・競争力低下
強まる guaranty 指向 down
資金
種もみ力なき肥料供給
稀薄化する資本力
down
財政・金融・証券(学術・マスコミ
⑨finance(ier)
ブローカー・流通仲介人)
無責任・ブローカー・コスト
(肥大)
down
胴元釘師のいないパチンコ屋破綻
down
⑩regulation
神経
波消し型村の秩序行政法
インサイダー未然防止発想の為の
risk 挑戦抑制社会
株を買えない日本のリーダー
down
abuse と
⑪revelation
⑫treasury
クリーン空間維持・不正摘発
資産蓄積
マネージメント
備蓄米
グレイゾーン競争否定
メカニズム収縮・劣化
down
幻の評価益依存
動物的競争遺伝子力退化
down
⑬memory
天災記録・失敗記録ゼロ指向 空軍シンクタンク遺伝子のない国家
被害・失敗記録のない養老院
down
土
地
国防力・福祉力・通商力(commerce)
・税収力の上がらない
クリーンな養老院国家へと収縮・失速
25
25
安
定
収
縮
社
会
表3
日本(手足),アメリカ(頭脳)資本市場メカニズムの交錯によって拡大する実質
壊死空間
・・・産業手足は拡げられるが、資本主義市場経済頭脳競争機能を喰われ弱
子化が進む日本
日
空
洞
頭
本
持続的投資循環通商拡大メカニズム
脳
(trust 型)
アメリカ
日本経済力
拡大部分
日本の市場経済
頭脳の損傷部分
タテ・資金・公平
(国際産業拡大力)
分配循環制度
波作り型証券・金融
資本市場経済メカニズム
ギャランティ依存
閉じこもり弱子化
空間の拡大
土
デフレ・収縮圧力
財政崩壊
地
26
(anti trust.競争促進型)
証券・資本市場
公益頭脳センター
White House
ペンタゴン
FRB・SEC・FTC
(要約)
アメリカ型資本市場投資循環メカと日本型資金分配メカの
違い
・・・異 質 者 人 工 集 団 が 200 年 か け て 創 り あ げ た 人 工 原 発 型 持 続 的 投
資 循 環 拡 大 メ カ ニ ズ ム( 米 )と 同 質 者 が 活 用 す る 天 然 水 車 調 整 型 経
済システム(日)
1
エネルギー源
・ ア メ リ カ ・・・自 律 型 自 己 発 電 機・エ ネ ル ギ ー・エ ン ジ ン 付 飛 行 機 ・・・
commerce 通 商・産 業 主 役 ・・・自 然 科 学 と 社 会 科 学 の 発 達 が 必 要 ・・・
・ 日 本 ・・・天 地 軸 他 律 型 天 然 エ ネ ル ギ ー・雨・風・水・太 陽・・・エ
ン ジ ン の な い グ ラ イ ダ ー ・・・財 政 ・ 金 融 主 役 ・・・天 の 恵 み ・ 勤 勉 と
祈 り ・・・
2
操縦者
・ ア メ リ カ ・・・連 邦 国 家 ・・・連 合 国
投 資 銀 行 先 導 、 国 防 省 ・・・
・ 日 本 ・・・村 々 を 集 め た 国 家
財政・金融・ 分配 リーダー
3
出力測定
27
・ ア メ リ カ ・・・目 的・戦 略・効 果・設 計・し く み 計 算 品 質・量・欠 陥
の一体測定
・ 日 本 ・・・天 然 エ ネ ル ギ ー の 測 定 と 公 平 分 配 計 算 の み ・・・過 不 足 と 不
符合はダム調整依存(レシートと報告書、行政裁量と備蓄米と世
代間とばし)
4
法・メカニズム
・ ア メ リ カ ・・・科 学 的 結 果 責 任 、原 因 解 明 責 任 、物 P/L 法 、戦 争 禁 じ
手 ( abuse 法 ) ・・・国 家 的 戦 略 遂 行 ・・・攻 め の メ カ ニ ズ ム
・ 日 本 ・・・村 々 の 神 従 属 、 意 思 主 義 、 一 罰 百 戒 、 守 り の 制 度
5
メカニズム結果責任
・ ア メ リ カ ・・・国 債 返 済 責 任 付 自 律 国 家
・ 日 本 ・・・国 債 返 済 責 任 持 た な い 他 律 国 家 ( と ば し )
・第2次大戦
国債実質デフォルト
・孫・子とばし赤字財政
・水に流す欠陥メカニズムを許容する農耕民族の習性
6
日・米 動 物 競 争 力 較 差 に よ っ て 日 本 に 発 生 す る 実 質 壊 死 空 間 の 拡 大
( 表 3 )同 じ 市 場 経 済 用 語 を 使 っ た 動 物 ・戦 争 ・ 投 資 ・ 生 き 死 に ・ 収 穫
28
メ カ ニ ズ ム( 米 )と 農 民・平 和・安 全・資 金・公 平 分 配 メ カ ニ ズ ム( 日 )
との交錯によって発生する実質壊死空間の拡大
・・・競 争 恐 怖 症 ・ 弱 子 化 ・ 不 良 債 権 ・ 財 政 破 壊
29
Ⅳ
イギリス型 消費者保護・
「金融サービス市
場法」的経済発想だけでは脱出できない日本
が陥っている証券・資本経済のブラックホー
ル
・・・メンバーtrust 社会(英国の金融)と antitrust
社会(米の証券)とお上 trust 社会(日本の国債)
の特色と生かし方
30
アメリカ型証券・資本市場メカニズムか
イギリス型金融・消費者流通市場メカニズムか
1
アメリカ型証券市場メカニズムの歴史
・ ・ ・ 南 北 対 立 、 農 工 対 立 → trust→ anti trust( 公 正 競 争 推 進 ) → 競 争
推 進 強 者 に よ る 独 占 abuse 発 生 → 1929 年 大 恐 慌 → ペ コ ラ 調 査 に よ る
abuse の 実 態 解 明 成 功 → 通 商 活 性 化 の た め の abuse 制 御 シ ス テ ム 確 立 →
1934 年 証 券 法 ・ SEC( 10b− 5)・ FTC・ FRB( Reg. T) → 1975 年 グ ロ
ーバルルール化へ
2
イギリス
・・・
abuse に よ る ブ レ の 少 な い trust 社 会 に お け る 金 融 ・ 商 品 ・ 流
通・品揃え市場
ア メ リ カ 型 anti trust を ベ ー ス と す る ベ ン チ ャ ー 産 業 競 争 育 成 モ デ ル 不
在 ・・ ・ 消 費 商 品 と 金 融 商 品 の 品 揃 え だ け あ っ て 頭 脳 ・ 投 資 ・ 資 本 ・ 産
業競争力機能不在(株式・資本市場・IBK・・・)
3
日本
イ ギ リ ス 型 メ ン バ ー trust( 商 業 信 用 ・ 流 通 ) 金 融 型 市 場 経 済 メ
カ ニ ズ ムと、アメリカ異質者 人 工 公 益 ・anti trust(公正競争通商
推進)証 券型市場メカニズムのダイ ナミズムの違いが理解できない
まま、そ の谷間にはまって分裂して しまった日本の市場経済を更生
させるには、自らの知恵で trust 型 公 平 分 配 メ カ( 財 政・金 融・・・
お上)と anti trust 競争から生まれる産業活 力( 民)とを結ぶ税金
のとれる再投資循環通商拡大型市場経済メカニズムを創り上げ両
立させる工夫をするより道はない。
31
英・米・日
金融・証券・資本市場メカニズムの違い
英
目的
消費者保護
米
日
国民経済メカニズムの 村々の安全・安定
確立
空間と軸
「Trust」メンバー
「Anti trust」
天地軸空間 (公益軸
未知・未来空間の人工 の欠落)
公益
市場の機能と
特
色
手 形 ・ 金 融 商 品 の 流 証券(ベンチャー産業 財政・金融資金分配・
通交換・市場(血液)
活力)・資本(頭脳)濃 (手足)・流通
縮・拡大・空売り,
market
貸株 , M・A
finance
金 融 ( 資 金 ) finance Capital finance
資産資金・finance(土
(手形担保)商業信用
地・人・株券・担保)
(資本)
(株式担保)
産業・証券信用
メーター
金利と流通量
トータルエネルギー・
形だけの金利・価格
時価
形成メカニズム(財政
調整)
法
regulation
Trust・gentleman
・ 憲法・・・国防・福祉・ ・村々のルール(バラ
Rule
(rule)
税のための通商公益
バラの行政法)
規制
enforcement の な い
・ 強 者 独 占 乱 用
一罰百戒
(abuse)防止ルール
波消し
・詐欺的行為排除
白黒法
10b-5
・ 証券信用規制 RegT
による投資循環波作
りメカニズム確立
32
ポイント
・「産業」のない商業・ 強 す ぎ る 人 工 竜 巻 ( ト ・主力エンジンである
金融センター機能の ー タ ル エ ネ ル ギ ー 吸
産業と金融を結ぶ
限界
「法」・「金」資本市場
引・拡大メカニズム)の
・自己発電機能のない 肥大(原発)
(風車)
メカニズム分裂
・分配先行・再投資循
環機能崩壊
・資産・価格・品質評
価メカニズム混乱
・デフレ経済脱出の鍵
を握る「税金のとれる
国益トータルメカニズ
ム設計力」欠落
33
イギリスとアメリカの証券・金融・資本市場メカニズムの違い
(trust と antitrust)
未
来
イギリス
mission
アメリカ
投資循環メカニズム
通商拡大のための持続的投資循環拡大メカニズム
①
trust(メンバー)
anti trust(公正競争促進)
②
invest(投資循環)
commerce(通商拡大)
③
loan (融資・貸借)
④
finance(資金・商業金融)
⑤
capital(メンバー)
capital(異質者)
⑥
bank(銀行…間接金融仲介)
investment bank(企業・投資家直接金融仲介)
⑦
regulation(消費者保護・メンバー規制)
⑧
security(商工一体・証券・売買・
イノベーション、ベンチャー、・エンジン)
credit(株式・頭脳・証券信用)
regulation(通商公益規制)
投資規制
market.波作り control
自主規制(SRO)
独禁法 anti trust
証券法 anti fraud 10b-5
証券信用規制 Reg. T
FSA.FSMA
FTC.SEC.FRB
34
(公的原発管理機関)
Ⅴ
これからの日本
・・・内向き資金依存資本主義から外向き
生命資本競争主義への挑戦
生命がけで動物活力を競い合う「資本市場メカ
ニズム」競争の時代を勝ち抜くには、innovation
活力を持つ「産業力」を主役においた再投資循環
拡大メカニズムを作らなければ生き残れない時代
を迎えている。
35
現在の日本は アメリカ南北戦争時代の混乱・模索を再現している 。
そ れ は 世 界 に 通 ず る 新 し い 工 業 活 動 力 と 証 券・金 融 メ カ ニ ズ ム を 駆 使 し
て 発 展 す る 東 部 と は 対 照 的 に 、奴 隷 制 度 の 残 影 を ひ き ず り な が ら 農 業 を
ベ ー ス と す る 経 済 後 進 性 に 悩 む 南 部 と の 対 立 の 中 で 、未 だ に 統 一 さ れ た
本物の連邦国家としての市場経済メカニズムが確立できないまま本物
の 中 央 銀 行 、 FTC、 SEC を 求 め て 模 索 を 続 け て い た 1850∼ 1900 年 前 後 の
アメリカの姿と似ているからである。
アメリカはその後大恐慌の混乱を経てやっと、統一連邦国家として
「 奔 馬 と 御 者 」の 機 能 が は た ら く 、独 禁 法( FTC)、国 家 の 自 律 型・証 券 ・
金 融・ 資 本 機 能 を 司 る 中 央 銀 行( FRB)、産 業 活 力 を 生 か す 証 券 法( SEC)
を 創 り 上 げ 市 場 経 済 国 家 と し て の 基 礎 固 め に 成 功 し た 。( 1934 年 ∼ )
今 の 日 本 に も 形 だ け の 国 家 、 憲 法 、 財 政 機 能 、 中 央 銀 行 、 FTC( 公 正
取 引 委 員 会 )、 SEC( 証 券 取 引 委 員 会 ) は あ る 。
し か し 、そ れ は バ ラ バ ラ の ま ま で 統 一 国 家 と し て の 持 続 的 再 投 資 循 環
拡大機能を司る頭脳としては殆ど機能していない。
こうした中で日本は
○
ア メ リ カ 型 証 券・ 金 融 ・資 本 市 場 の 本 質 を 自 ら 検 証・解 明 す る こ と
を 怠 り 、ア メ リ カ 大 恐 慌 を 上 回 る 大 資 産 バ ブ ル を 引 き 起 こ し た だ け で
なく
○
そ の バ ブ ル 脱 出 に あ た り 、国 民 経 済 再 生 の 鍵 を 握 る 虎 の 子 の 株 式 資
本を外資に奪われつつある
○
又 、ア メ リ カ 型 証 券・ 金 融・ 資 本 市 場 と の 競 争 を 避 け 、イ ギ リ ス 型
投 資 サ ー ビ ス 法 に 逃 避 し 、国 家 再 建 の 鍵 を 握 る 産 業 、金 融 資 産 シ ス テ
ムを国際資本市場メカニズム強者集団に無条件解放するという敗戦
36
思想さえ拡がりつつある。
求められているのは国運を賭して日本に合った本物の自律型資本主
義・証券市場再投資循環経済メカニズムを創り上げることにある。
世界中が動物集団化するなかで、
天 地 、安 全 、物 真 似 、横 並 び 、接 ぎ 木 、国 債 資 金 供 給 シ ス テ ム に 頼 っ て 、
本 物 の 守 り( security) も 生 き る た め の 投 資( security )も 忘 れ 安 全 と
公 平 分 配 を 求 め て 迷 走 す る 日 本 型 農 耕 民 族 集 団 は 、や が て 動 物 的 競 争 遺
伝 子 が 衰 え 、世 界 中 の 強 者 に よ っ て 解 体 さ れ 支 配 さ れ 衰 退 す る 運 命 に あ
ることは明らかである。
37
これからの日本
・・・鍵 は 内 向 き に 作 ら れ た 本 丸 の シ ス テ ム を ど れ だ け 外 向 き に 変 え ら れ
るか否かにかかっている
1
市 場 経 済 の 頭 脳 ・ 果 実( 株 式 )は 外 資 の 手 に ,ゴ ミ ・不 良 債 権 ・ 国
債・借 金・劣 後 遺 伝 子 は 、日 本 の 次 世 代 負 担 と い う 亡 国 の 構 図 か ら の
脱出
2
財 政 、金 融 メ カ ニ ズ ム 崩 壊 原 因 の 解 明 あ っ て の 再 建・・・ア メ リ カ
動 物 集 団 型 証 券・資 本 市 場 経 済 競 争 暴 発 力 に 破 壊 さ れ 、崩 壊 し つ つ あ
る天地・安保依存農耕調整型のお上の経済システムからの脱出
3
自 律 型 国 民 経 済 メ カ ニ ズ ム 作 り・・・国 債 依 存 と ば し を 許 さ な い 自
前 の 憲 法 、民 主 主 義 、資 本 主 義 、財 政 、証 券 、金 融 、資 本 市 場 メ カ ニ
ズム作り
4
財 政 ・ 金 融 、資 金 分 配 経 済 シ ス テ ム か ら 産 業 、資 本 、税 を 軸 と し た
再 投 資 循 環 通 商 拡 大 メ カ ニ ズ ム の 確 立・・・ 「 資 金 」か ら「 資 本 」 へ
5
官 か ら 民 へ ・・・分 配 か ら 競 争 へ の 道 を 生 か す「 公 」を 軸 と す る 波
作 り 型 イ ン フ ラ メ カ ニ ズ ム と 、 未 知 を 裁 く 法 の 確 立 へ ・ ・ ・「 奔 馬 と
御 者 」・・・clean・資 金 空 間・白 黒 法 か ら grey・資 本・頭 脳 競 争 空 間
用 独 占 abuse( 乱 用 )克 服 法 へ・・・未 知 の grey 空 間 の 中 に 未 来 が あ
る
6
改 革 の 第 一 歩 は 先 ず シ ン ク タ ン ク 機 能 の 空 軍 化 へ・・・天 地 軸 依 存・
上 下 伝 達 型 シ ン ク タ ン ク か ら 宇 宙 多 元 軸 、異 質 者 交 流 可 能 な 新 時 代 を
先導する証券・資本・金融・産業一体型の投資銀行機能作りへ
38
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