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統計調査員に係る経費
1/1 総 調査事案名 括 調 各府省 組織 - ①調査の概要 統計調査員は、調査区内の調査 対象者に対して調査票を配布・回 収しており、対価として全国一律 の単価(平成 27 年度 1 日当たり 6,880 円)に稼働日数を乗じた金額 の手当が支給されている。 単価は、毎年度の人事院勧告の改 定率に応じて見直されており、現 在、東京都と神奈川県の最低賃金を 下回る金額となっていることから、 両都県に対しては差額を加算して いる(特別加算額) 。 ②調査の視点 1.統計調査員手当支給額の基礎 となる稼働日数は、統計調査員 の実稼働日数と乖離していない か。 2.統計調査員手当の支給基準は 適切なものとなっているか。 3.特別加算額は適正に支給され ているか。 4.統計調査の効率化(オンライ ン化等)に対応して統計調査員 数の適正化が図られているか。 【調査対象】 平成 27 年度に統計調査員を使用 した 41 統計調査 票 調査対象 予 算 額 (44)統計調査員に係る経費 省庁名 査 (行政経費等に係る府省横断的な調査) 平成 27 年度:48,630 百万円 (参考:平成 28 年度:4,571 百万円) 会計 一般会計 各特別会計 調査主体 共同 取りまとめ財務局 (中国財務局) ④今後の改善点・検討の 方向性 ③調査結果及びその分析 1.統計調査員手当の稼働日 1.統計調査員の実稼働日数 予算上の統計調査員手当は、調査票の配布・回収等の稼働日数に日額を乗じた額としているが、支給時においては、統計調査員 の受持ち件数に応じて手当が支給されている。このため、ほとんどの統計調査では、統計調査員の実稼働日数を把握しておらず、 予算上の稼働日数に対する検証は特に行われていない。 なお、一部の団体で統計調査員の活動内容を把握することにより諸問題を確認するためとして実稼働日数についても把握してお り、その実態を確認したところ、その平均稼働日数は、予算の約 7 割を下回っていた。 一部の統計調査では、統計調査員 1 人当たりの受持ち件数が異なる場合でも、同一の手当としているが、受持ち件数の最大は 100 件、最小は 10 件と 10 倍の差が生じている団体があり、この負担を解消するために統計調査員を増員しており、かえって、手当が 増加することになっていた。 また、同一統計調査内における一部の団体では、受持ち件数に応じて手当を支給しているものの、統計調査員 1 人当たりの受持 ち件数を一定の幅で区切り、その区分に応じて手当を変更しているため、受持ち件数が 1 つ違うだけで手当に大きな差が生じてい る。 (例:受持ち件数 20:21 = 14,760 円:22,140 円) 予算上の稼働日数を適切な ものとすべき。 2.統計調査員手当の支給に 実態に応じた適正な基準と なるよう、国から実施団体 に対して指導等をすべき。 3.最低賃金の改定時期に合 わせて統計調査員手当も改 定をすべき。 4.オンライン回答率が低調 3.特別加算額 東京都及び神奈川県の区域を担当する統計調査員手当については、平成 27 年 10 月からの最低賃金改定に伴い、日額 6,880 円に 150 円の加算額(特別加算額)を措置しているところである。 東京都分については、10 月 1 日に最低賃金の改定が行われているため、統計所管府省は 10 月から稼働する業務に対しての改定 を行った。 他方、神奈川県分については、10 月 18 日に最低賃金の改定が行われているが、統計所管府省は該当となる 12 統計のうち 9 統計 を、 「10 月 1 日から稼働する業務に対して日額を改定」としており、最低賃金に合わせた改定の取扱いに疑義が見られた。 統計調査員を使用し、かつ、オンラインを導入している統計調査 (※1)について、オンライン回答率及び統計調査員回答率の状況に ついて確認したところ、 【表 1】のとおりであった。 【表 1】では、オ ンライン回答率が 10%未満と低調であり、かつ、統計調査員回答率 が比較的高い統計調査が見られ、これらについては、オンライン回 答に移行する余地が大きいことから、それによる統計調査員数の縮 小も期待できる。 (※1)オンラインを導入している 19 統計調査のうち、調査時に 確認が出来た 13 統計調査について分析。 適宜検証することにより、 あたっては、受持ち件数の 2.統計調査員手当の支給基準 4.オンライン化等の効率化 数については、その実態を 【表1】各統計の回答率の状況 (単位:件) オンライン回答率 10%以上 10%未満 50%以上 50%未満 50%以上 40%以上50%未満 1 1 - - 統計調査員 30%以上40%未満 回答率 20%以上30%未満 1 1 4 1 4 10%以上20%未満 10%未満 ( ※2) 統 計調 査 の 回答 に は、 そ の 他に 、 郵 送回 答 、 FAX等 の 回答 も 含 まれ る が 、 【表1】ではそれらの回答は除外。 であるものは、効率化に向 けて増加をさせるととも に、段階的に統計調査員数 の縮減を図るべき。