筋力トレーニングの基礎知識 - Kyoto University Research Information
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筋力トレーニングの基礎知識 - Kyoto University Research Information
Title Author(s) Citation Issue Date URL 筋力トレーニングの基礎知識―筋力に影響する要因と筋 力増加のメカニズム― 市橋, 則明 京都大学医療技術短期大学部紀要. 別冊, 健康人間学 (1997), 9: 33-39 1997 http://hdl.handle.net/2433/49548 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 京都 大学医療技術短期大学部 紀要 別冊 健康 人間学 第 9号 1 9 97 筋力 トレーニ ングの基礎知識 一 筋力に影響す る要因 と筋力増加のメカニズムー 市 は じ め 橋 則 明 表 1 運動要素による分類 に 近年,筋力 トレーニ ングはスポーツ選手 だけ でな く,健康維持のための体力づ くりとして, 等尺性収縮-関節の角度あるいは筋の長さが一定 等張性収縮一筋の発生する張力が一定 等速性収縮一筋の収縮速度が 一般 に広 く行われるようになって きた。体力テ ス ト時に行われる握力,背筋力 といった筋力の 測定 は,誰 もが一度 は経験 していることであろ う。筋力 は,筋肉が収縮 することによ り発揮 さ れる。 すなわち筋 肉 とは,身体運動のいわばエ 一定 表 2 収縮要素によ 等尺性収縮一関節の角度あるいは筋の長さ る分類 短縮性収縮-筋が短縮しながら収 が一定 伸張性収縮一筋が伸張されながら収 縮する ンジンの様 な ものである といえる。 そのエ ンジ ンによって発揮 される筋力の強い者,弱 い者 は 筋の発生す る張力が一定 となるような筋 縮する 一体 どの様 な要 因によって違いが生 まれるので の仕方であるが,臨床上 は厳密 な等張性 の収縮 あろうか。 また,筋力が増 えるとい うことは, 存在せず,一定のお もりを持 ち上げ るよ収縮 は 何が変化 しているのであ ろうか。 ここでは,筋 作 を等張性筋力 と呼ぶことが多い。例 え うな動 力 トレーニ ングの基礎知識 として,筋力 に影響 キ ロの重 りを持 ち上 げ るこ とが で きる ば,何 す る要 因 と筋力増加 の メ カニ ズムを中心 に述 い った様 な筋力の測定は,等張性筋力ののか と べ,筋力 トレーニ ングについて考 えてみたい。 いえる。 しか し,重 りを持 ち上げる とき測定 と かかる負荷 は一定 とはいえず,人体 の運 の筋 に 筋収縮の分類 と筋力測定 いては真の等張性収縮はあ りえない。等 動 にお 筋の収縮 は,運動要素 か ら分類 した もの ( 表 縮 とは,筋の収縮速度が一定 となるよう速性収 1) と収縮要素か ら分類 した もの ( 表 2) に分 収縮である 実際には,関節の角速度 をな筋の け られる。関節運動の有無か ら見た場合,大 き 保つ機構 を持 った特殊な装置 を用いて, 一定 に 。 く分 けて関節運動 を伴 わない静的な もの と関節 さを規定 した ときに発揮 される力 を測定 動 く速 運動 を伴 う動的な ものに分 けることがで きる。 れ を等速性筋力 と呼んでいる。 等速性筋 し, こ 静的な通勤 中の筋の収縮 を等尺性収縮 といい, は,特 にスポー ツ選手 の筋 力測定 や リ 力測定 例 えば椅坐位 で膝 を伸展 して保持 しているとき テーシ ョンの効果判定な どで,近年 さかハ ビ リ の大腿四頭筋が これにあたる。 筋力測定 として い られるようになって よ く行われるのは, この等尺性収縮時の筋力 を んに用 収縮要素での分類では,前述 きた。 した筋の 測定 した ものが多 く,一般的に行われる握力や 変化 しない等尺性収縮の他 に,短縮性収 長 さの 背筋力の測定 も等尺性筋力 を測定 しているとい 張性収縮 に分類 される。 短縮性収縮 とは縮 と伸 える。 動的な運動 中の筋 の収縮 は,等張性収縮 短縮 しなが ら力 を発揮す るときの収縮様 ,筋が と等速性収縮 に分 け られ る 等張性収縮 とは, 味 し,肘 を屈 曲 しなが ら重力 に逆 らって式 を意 。 ダンベ 京都 大学医療技術 短期 Di vi s i onorPhys i c alTh er apy,Col l e georMe di c alTe c hnol ogy,Kyot oUni ver s 大学部 l t y 1 9 9 6年 1 1 月3 0日受 付 - 3 健康 人間学 第 9号 1 9 97 ルを持 ち上げる ときの上腕二頭筋の収縮がそれ 以上 3つの筋線維 は,短縮速度 における特性 にあたる。 一方,持 ち上げたダンベルを,肘 を か ら,FG 線維 と FOG 線 椎 を連筋 線維,so 伸展 しなが らゆっ くり降ろす様 な動作時の上腕 線維 を遅筋線維 と大別す ることがある。 速筋線 二頭筋 は,伸張 されなが ら力 を発揮 してお り, 維が多いほ ど高いパ ワーを発揮 し,すばやい動 この ような収縮様式 を伸張性収縮 とい う。一般 きが可能であろ うし,遅筋線維が多 くあればあ 的に行 われるほ とん どの筋力測定 は,等尺性 あ るほ ど長時間一定のパ ワーを発揮 し,持久性 の るいは短縮性筋力 を調べ た ものであるが,等速 運動 に優れていることになる 筋線維組成 と筋 。 性筋力測定機器の開発 によ り伸張性筋力 も測定 出力の関係 に関す る報告では,等尺性筋力 と筋 で きるようになった。 線維組成 については,速筋線維の割合が高いほ ど高い筋力 を発揮す るとした報告が多いが,関 筋 力に影響 する要因 係がない とした報告 もみ られ,一致 した見解 は 1)筋 断 面 積 ない。一万,等 適性筋力 と筋線維 組成 の 間 に 筋の太い人ほ ど力が強いことは, よ く知 られ は,正の相関があると多 くの研究で確認 されて ている。 筋力 と筋の断面積が高い相関を示す と お り,特 に低速度 よ りも高速度で よ り高い関係 した報告 も多 く卜3 ) ,筋の断面積が大 きいほ ど が認め られるとした ものが多い6)。 筋力 も大 きい といえる。 筋の断面積 の測定 とし 運動強度 と筋線維の動員の関係 を見 ると,サ て最 も簡単 なのは周径の測定であるが,周径で イズの原理 に従 い運動強度 ( 発揮筋力)が小 さ は筋の断面積 だけで な く皮下脂肪の影響 を強 く い ときは, まず遅筋線維が動員 され,運動強度 受けるため,正確 な筋の断面積 を求めるために が大 きくなると連筋線維 も動員 されるようにな は磁気共鳴画像 ( MRI )法 による測定が最 も良 る。 い とされている4)。 4)解剖学的要因 2)神経系による要 因 骨格筋のマクロな形態 は,筋線維の走向方向 中枢神経系 による筋力の調節 としては,①動 に基づ き,紡錘筋 と羽状 筋 に大 き く分類 され 員 す る運 動 単 位 の 種 類 と総 数 に よ る 調 節 る7 )( 図 1)。 両筋 の断面積 につ いて考 えてみ ( Re c r ui t me nt )( 9 α運動神経発火頻度 に よる調 ると,紡錘筋の場合 においては,筋の長軸 に対 節 ( Rat ec o°i ng)③ 運動単位の活動時相 に よる して直角 に切断 した場合の断面積 ( 解剖学的断 sync hr oni z at i on)の 3つ の機序 によ り調 調節 ( 節 され る5)。 どんなに大 きな断面積 を持 った筋 で も, この神経系の筋力の調節機構が うま く機 能 しない と,大 きな力 を発揮す ることはで きな い 。 3)筋線維組成 人間の筋線維 は次 の 3つ に分類 される。 ①so 線維 ( タイプ Ⅰ ) 短縮速度は遅 いが,持久性 に優れている。 ②FG 線維 ( タイプ Hb) 速 く短縮 し,発揮す る張力 も大 きいが,疲労 しやすい。 ③FOG 線維 ( タイプ I I a) FG 線維 と SO 線維 の両方の性質 を有 し,痩 紡錘筋 P‥ P :生理学 的 縮速度 も速 く,持久性 も高い。 - 3 4一 羽状筋 P> A p-a+b 図 1 紡錘筋 と羽状筋 における解剖学的断 A :解 剖学 的断面積 断面積 A 市橋則 明 : 筋力 トレーニングの基礎知識 面積) と筋線維の走向に対 して直角 に切断 した ンの数 ( 筋節の数) に比例 して筋力 は増加す る 場合の断面積 ( 生理学的断面積) は等 しい。 こ が,エ ンジンが直列 に連結 された筋線維長の長 れに対 して,羽状筋では解剖学的断面積 よ りも い筋では,い くら筋線維長が長 くて も筋力の増 生理学的断面積が大 きくなる。 すなわち,解剖 加 は起 こらない ことになる 次 に収縮速度 を考 学的断面積が同 じで も羽状筋 と紡錘筋では,坐 えて み る と,個 々 のエ ンジ ンが, 1秒 間 に 1 理学的断面積 は羽状筋の方が大 きくなる。 筋力 c m 短縮す る と した場合,並列で は何個 のエ ン は筋の生理学的断面積 に比例す ることを考 えれ e cであ ジ ンを連結 して も全体 の速度 は 1cm/s ば,羽状筋 は高い筋収縮 力 を発揮で きるような る。 しか し,直列の場合 は全体の短縮量が加算 。 構造 を持 った筋 といえる。 一方,筋線維長の側 されて著 しく速 い速度になる。 すなわち,筋 の 面か ら両筋 をみると,羽状筋 よ りも紡錘筋のほ 短縮速度 は,直列 に並んだ筋節の数 に比例 し, うが長いことがわかる。 筋の収縮速度が筋線維 筋線維長の長い筋 ほど筋収縮速度が速い といえ 長 に比例す ることを考慮 す ると,紡錘筋の方が るのである 。 羽状筋 よりも筋収縮速度 に優 れた構造 を持 って 大腿部 の生理学 的断面積 と筋線維長 を MRI いるといえる。 を使 って算出 した ものを図 3に示 した9)。 この 筋収縮力 と収縮速度 に関わる筋の構造 に関 し 図を見てわかるように,大腿 四頭筋 は生理学的 て筋節 ( サルコメア)の配列 に着 目した金子の 断面積が大 きく,筋線維長が短い構造 を持 って 説明8) による と ( 図 2),筋節が 1個 のエ ンジ お り,筋収縮力 に優れた構造であるといえる。 ンと考 えて,エ ンジ ンが並列 に連結 された場合 一方,ハムス トリングスは生理学的断面積が小 と直列の場合 に分 けて考 えることがで きる エ さく,筋線維長が長い構造 を持 ってお り,筋収 ンジンが並列 に連結 された場合 は,個 々のエ ン 縮速度 に優れた構造であるといえる。 ジンの力が加算 されて大 きくなる。 しか し直列 5)関節の角度 。 の場合 は, 1個 のエ ンジ ンの力 と変わ らない。 筋収縮 によって生 じた力 は,臆 を介 して骨 に すなわち,エ ンジンが並列 に連結 されるとい う 伝達 され,関節 を介 してテコの作用 によ り外部 ことは,断面積が大 きい ことを意味 し,エ ンジ に発揮 される。 この外部 に発揮 された力 を我 々 は,関節 トル クとして測定で きる それゆえ各 。 関節角度で測定 された筋力 は,筋その もののが l = ≡≡= l ≡ ≡Z l Z Z ト -筋 節 I + 杭 節 一 一 一 一 ・ 一 1 1 0 ( a) 並列 発揮 している力ではな く,関節の構造すなわち モーメ ン トアームが関係 す る 。 関節 の トル ク ( T),モーメ ン トアーム ( Ma),筋張力 ( F:筋 線維張力が総合 されて臆 に作用 された力)の関 係 は T-MaXFで表す こ とがで きる10)。 モー メ ン トアームは,関節の構造 ( 腔の付着す る位 置) に影響 され,筋張力 は筋の構造 ( 生理学的 断面積) に影響 される。 また,同 じ関節で も関 T L - _ L≡ ≡ = _ 1 - 節の角度が変化す ることによ りモーメン トアー ムは変化 し,筋張力の変化 も筋長が変化す るこ I -- とによ り引 き起 こされる。例 えば,膝関節伸展 の場合 を考 えてみると, トル クが最大 になる角 ( ら) 直列 1 0 1 0 1 0 1 0 度 は約 6 0度であ り,伸展 してい くに従 って トル クは減少す る。 これはモーメ ン トアームの減少 図 2 筋節の連結 ( 並列 と直列)における力8 ) と筋線維長の短縮 ( 筋線維の張カー長 さ関係 に - 35- 健康人間学 2 4 6 8 0 0 0 VL VM 第 9号 1 997 V I RF SM ST BF GRA SAR ADD 図 3 大腿部 における筋 ( vL:外側広 筋,vM ( FL) 9 ) の生理学 的断面積 ( pc中間広筋,R sA)と筋線維長 :内側広筋,vI: F:大腿直 様筋 筋,sM :半膜様筋,sT : ,BF:大腿二頭筋,GRA :薄 内転筋群) 筋,SAR :縫工筋,AD よると自然長で張力が最大 を示 し,その ら短縮 して も伸張 して も張力 は低 D 長 さか 原則 について 3つ に分 けて以下 に説明 1)筋の活動様式 か らみた特異 す る13)。 筋の トレーニ ングには,前述性 した活動様式 るもの と考 えられる。 6)心理 下す る) によ 人が筋力 的限界 を発揮す るときは,最大努力 分類 によ り,等尺性,短縮性,伸張性 トレーニ の ングあるいは等張性,等速性 トレーニ ングが たつ もりで も筋 その ものが持 っている生 で行 っ る。 これ らの活動様式 のいずれかを主体 とす あ 力のすべてを発揮 しているわけでな く,理的能 トレーニ ングを実施 した場合 に, トレーニ ンる 備力 を残 して筋力 を発揮 している。そ 常 に予 と同一の活動条件 における筋力の増加率 は, グ 場合 に生理的能力 のすべ て を生理的限 の ような の活動条件でのそれに比較 して高い とされて他 び, 日常最大努力下 での筋力 を心理的限界 界 と呼 る。 すなわち,等尺性の筋力 トレーニ ング う11)。 この両者 の間 には, その発揮 能力 にお とい えば等尺性筋 力 が増加 し,低 速度 の等速性 を行 いて20-30% の差が あると考 えられ レーニ ングを行 えば低 筋力 トレーニングの原則 ている6)。 筋力 トレーニ ングを行 う場合 に重要 な原則 12) 性筋 い ト 速度のス ピー ドでの等速 2)負荷様式 か らみた特 力が最 も増加す る。 重量物 の挙 上 に よる筋 異性 力 の トレーニ ング として最 も一般 的な もの に過負荷 ( ove rl o は, トレーニ ング動作 において発揮 し得 る最 で の原則がある。過負荷 の原則 とは,負荷 筋力 を基準 に,負荷の大 きさが処方 される。 大 ad) 通常用いている もの よ り強 くなければ, 強度が の場合 に,最大筋力 に対す る相対的な強度の そ 適応性 を利用 して筋力の向上 を期待す る身体の きさによって,筋力,筋パ ワーお よび筋肥大 大 に きない とい うことで あ り,一般的には最大 事がで 対 す る効果 に違 いが生 じる14)。 図 4に示 し の 2/3以上の強度で筋力 トレーニ ングす ように,最大筋力 を増加 させ たい ときには,負 た 筋力 00% で ( 最大筋力 で) トレーニ ング し 荷 を1 がある る必要 べ きも。う一つの原則 筋力 トレーニ ングの原則( として特筆す は,特異性 s pe c i ic f i t 方が最 も効果が大 きく,最大速度 を増加 させ た 原則である。 特異性 の原則 とは,ある種 y )の い ときは,負荷 を 0% で ( 最大速度で) トレた は同類の運動 を用 いた トレーニ ングによの能力 ニ ング した方が よ く,最大パ ワーを増加 させ ー 果的に高め られると定義 されている。特異性 って効 の 半臆 い ときは た 市橋則明 :筋力 トレーニングの基礎知識 筋 力 1 0 0 % と し た 相 対 強 度 ン グ 負 榊 重 度 ( 偉 大 度 , 最 トレーニ 図4 最大筋九 最 大 大パワーに 速 ; %) グを した 及ぼす 4種の トレーニング効果卜 l ) 3)動作様式 か らみ 方が効果 的た だ といえる。 経系 の改善 に よる もので筋肥大 はみ は,主 ら に神 た とえ主動作筋が 同一 特 異性 であ って も,測 引 き続 いて筋 の肥大が生 じ,それに伴 れ な い。 動作様式 の違 い に よ り効 果 と して とらえ走時の も増加 してい く。 図 6は,静 的最大筋 って筋力 筋力 の増加率 には差異が生 じる。 一般 に られ る 間発揮 す る トレーニ ングを60日間毎 ニ ング動作 にお ける発揮 筋力 の増加率 に トレー ときの最大筋力,筋断面積 お よび絶 日実施 した て,他 の動作様式 で の増 加率 は低 い。図比較 し 位 断面積 当た りの筋力) の変化 を見 対筋 た 力 ( 早 ス クワ ッ トトレーニ ング を 8週 間行 った 5は, る 16)。 この 図 に見 られ る よ うに, スク 筋 力 の増 加 率 を示 した もの で あ る 15)。 ときの トレーニ ング開始後増加 し続 けるが最 大 筋 力 は ワ トレーニ ング2 0日で はほ とん ど変 力 ッ トで トレーニ ングす れば,等尺性脚伸展筋 い。従 って, この時期の最大筋力の増加 化 が見 られな る な どに比較 して, スク ワ ッ トの筋力が増加す 対筋力 の増加 ( 大脳 の興奮水準 の増加) は,絶 引 き起 こされてい る 。 のがわか る。 筋 力増 強の メカ 筋力 トレーニ 力 を1 0秒 ものであ ,断面積 は その後, さらに トに よ り ングが 40日,60日と進 むにつ れて レーニ 増加 し始 め る。 す なわち, この時 ,筋 断面積 は ニズム 式 や負荷,頻度 に ングの効 よって異 果 なるが,過負荷 は, トレーニ ング様 の増加 は,筋 断面積 の増加 による期 の最大筋力 す 理 に従 い筋 力 は トレーニ ングに伴 って増 加 の原 絶対筋力 の変化 はあ ま り見 られな い ものであ り, 大学生 に同一条件下での筋力 トレー。高齢者 と い, 両 群 で の 違 い を調 べ た 報 告 にニよングを行 010 20 3 0 40( 増加率 %) ス クワッ ト lRM ( 図 7),両 グループにおいて有意 5 0 60 7 08 0 る と 17) 見 られたが, その生理的適応機序 な筋力増加 が が明 らか とな った。 トレーニ ングが異 なるこ と 齢者 も大学生 も神経的要 因によっ初期 で は,高 等尺性脚伸展 垂 直跳 力 図5 大 してい るが, トレーニ ング後期 で て筋 出力が増 トレーニングによる最大挙上 立幅 跳 性最大筋力および跳躍力の変化 重量,等尺 ) 15 37 る。 トレーニ ング初期 の筋力の増加 健康人間学 第 9号 1 3 歳女 1 0 人 1 9 97 2 n i B王鍛練した右腕 口重鍛練していない左腕 トレーニンクした虎青 年 トレーニングしな 1 r l l 0 G i il 9 8 7 ) \ . 榔 N 5 ′ ・_ _ \ 絶 対 筋力 一 ■ ● ● 一 一 I5∫ ∫ ∫ 一 一 一 一● 一 63 5 3 0 5 ∼ 0 2 5 16 1 筋 力 ︼nkUlghuHー 車大 ⊥ / -__ . . 度 獣 雷 的 対 相 加 増 力 筋 ( %) 一 一一 一 一 一 一 1 4 8 約 0 0 を一 一 t1 2 0 1 5 節 斬 面 かった鹿 i 1 4 ● 〇、-、C >一- 一 2 4一 一一 一一一℃ トレーニンク期 68 高齢者 6 8 間( 週) 図 7 筋力 トレーニングにおける筋 肥大 と神経 的要 因の相対 的貢献度 17 ■ ■ 一 一 ( c l n lq )1 3 24 1 2 の 因子 を高 め る トレーニ ング と ) して は, ウエ 1 1 トリフテ ィ ング選手 の トレーニ ングが あ げ ら イ 1 0 トレーニング 2 0 日目 0 4 白目 る。 ウエ イ トリフテ ィ ングは,制 限 され た 6 0 日目 の 中で, よ り強 い筋力発揮 が要 求 され る トレー 前 れ 体重 大脳 の興奮水準 を可能 な限 り高 め,筋 力発 ため, 図 6 最大筋力,筋断面積 ニンク期間 ( 日) 参加 す る筋線維 を1 00%近 くまで高 め レーニングに伴 う および絶対筋力の ト 揮に 言 い換 えれ ば心 理 的限界 をで きるだ け生 る よ うな, もた らされて い る。 変化 16) 界 る。 に近 理に 的限 な そづ のけ たる めよ にうな は, トレーニ 強 い 負 ングが 必 要 1 00%) で低 頻 度 の筋 力 トレーニ 荷 ( 最 大 の 90- 筋力 に影響 す る ま と め よ り変化 させ る こ要 因の 中で, トレーニ ングに と神経系 に よる要 とがで きるの は,筋 の断面積 力 トレーニ ン 因で あ る。 この こ とか ら,筋 大 を引 き起 こす グ を実施 す る場 合 は,筋線維 の肥 グ と神経 系 の要 こ とに重点 をおいた トレーニ ン ング と して は, ボデ ィ 大ビル を 目的 と した トレーニ 最大筋力 の60 70% - 強 くしない ( あ る。 この場合 はあ まる り トレーニ ングが 選手 ,負荷 の実施 して ) で量 をい す る方 向で トレーニ ン グ され る。 一方 ,神経 多系 く - 3 8 S i1986 c ports : る 16)。 例 え ば, 筋 ニ肥ン グ に 分 け る こ とが で き 2 )金久博昭 ‥スポーツ選手の単位断面積当た りの 409 414 ,角田直 3) 5 高 め る) トレー因 を高 め る ( 大脳 の興奮 水準 を れ1 る )。福永哲夫 :ヒト 文 の絶対 献 ングが 実 施 さ 組成 ・筋力の分析 .東 筋力-超音波による体肢 京 :杏林書院,1 97 8= 7 5-1 05 脚伸展力.Ja pJ 也,金久博昭,福永哲夫他 ‥大腿四頭筋 市橋則明 :筋力 トレーニ ングの基礎知識 1 2) 金子公宥, 田路秀樹 :パ ワーア ップの原則 再 1 9 95:6, 1 25-1 2 9 5 )古屋かおる :筋収縮力 の調節機構.体育の科学 1 9 88:3 8,41 9425 6)勝 田茂 :運動生理学 20講.東京 :朝倉書 店, 1 9 93:8-1 4 7 )金久博昭 :筋の トレーニ ング科学.東京 :光文 8)金子公宥 :パ ワーア ップの科学.東京 :朝倉書 店, 1 988:3753 体筋の力 速度 ・パ ワー関係 に及 ぼす トレーニ 1 981:30,8693 1 5)Thor s t e ns s on AJ Hul t e n B, VomDobl e n W, Kar l s s onJ:Ef f e c tofs t r e ngt ht r ai ni ngon e n- 9)市橋 則 明,吉 田正樹,石川 斉他 :MRIに よ る筋線維長及 び生理学 的断面積の測定.理学療 1 994:21 ( 学会特別号),354 1 0 )福永哲夫 :筋力 「人間の発揮で きるカー筋カ t sS° i 1 994:1 3, の と ら え 方」. JapJ Spor 371 -37 6 ll )猪飼道夫 :筋力の生理 的限界 と心理的限界の筋 電図学的研究.体育学研究 1 4) 金子公宥, 副本隆文,田路秀樹,末井健作 :人 ングの効果.体力科学 堂, 1 989:4250 法学 t sSc i 1 993:1 2, 1 60-1 64 考.JapJSpor 1 3 ) 森谷敏夫,根本 勇 :スポーツ生理学.東京 : 99 4:1 47-1 59 朝倉書店 , 1 1 961:5, 1 54-1 66 ー 39 z ymeac t i vi t i e sa nd f ibr ec har a ct e r i s t i c si n humans ke l et almus c l e .Ac t aPhys i oISc and 1 97 6: 9 6,3 923 98 1 6)福永哲夫 :筋力 トレーニ ング.臨床 スポーツ医 学 1 984:1 ,571 う7 8 1 7 )森谷敏夫 :トレーニ ングによる筋力増大のメカ ニズム.臨床 スポーツ医学 1 991:8,7 41 -7 44