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大きな波が来たあとに、 花の種をまきました。 菜の花の黄色い花畑と
わたし う ひ はな ひと さか みち ち はな ばた ばた たけ け 大きな波が来たあとに、 花の種をまきました。 菜の花の黄色い花畑と原っぱが 広がります。 丘のてっぺんの小学校は、 みんなの目印。 だんだんみんなが集まるように なりました。 お空からみると、 みんなの希望がすぐにわかります。 1 3 ここは、おうちがあった場所。 お友達いっぱい、元気いっぱいで、 毎日坂をのぼります。 あ い はら おか みんなの想い出、たくさんつまった 丘ができました。 ひとりひとりが支え合って強くなる ように、 「スイミー」の丘と呼んでいます。 2 お花や昆虫をとったり・・・ 犬を散歩したり・・・ 今日も、 スイミーの丘でこんにちは。 スイミーの丘のまんなかには、 原っぱ広場があります。 ボール遊びをして、かけっこをして。 青空市場、青空教室、 4 ここにくれば、 みんなとお友達になれるのです。 はな び ふ ふね ふ ふう しゃ ゃ たけ はな ば この木の上からは、 ふもとが見わたせます。 お祭りの夜には、 花火大会があります。 風も、植物も、動物も、人も、 空も、海も・・・ 5 大きな波が来た日のことを 忘れないように、 この木にのぼります。 スイミーの丘から、 つみきの家から、 お花畑から・・・ 7 ずっとまえからつづく、夏祭り。 うみ み た 小さいころによく遊んでくれた おじさん達が、 海の近くにもどってきた。 丘の上で結婚式をしました。 小さい頃からの、 いろんな思い出がある場所。 1階はお仕事の場所、 おうちは少し高いところ。 6 つみきのまちは、 みんな大いそがし。 8 丘には今日も まちのみんなが集まって、 お祝いをしてくれました。 おお ちい みらい 「小さなタネ、大きな未来」 : わたしたちは こどもたちが心に未来を描くことができるように これからのまちの姿をこの絵本にまとめました。 あとがき レオ=レオニの絵本「スイミー」のように この絵本がたくさんの子供たちに読み継がれることを願って。 < お話の舞台 > 時間の流れ 丘には小学校と広場。 まわりに家とお店といろいろ集まりコミュニティが回復、発展します。 0 2年 10 年 5年 20 年 15 年 気づけば、コミュニティも産業も広がって、丘もふもともゆったりとつながっていきます。 みんな支えあってこのまちを守ってゆきます・・・ がれきがなくなったら種をまき、花畑が広がります。平地にも少しずつつみきの家が増え、産業も回復します。 種まき 原っぱ広場 がれきの撤去後にヒマワリや菜の花、芝などのタネをまきます。やがて芽がでて、 ふくらんで、辺り一面の花を咲かせた風景は、空からも復興がすすんでいること を伝えます。また、こどもたちの幼少期における原風景として、 記憶に残ることでしょう。 丘と丘に挟まれたふもと 丘の上に集まった建物群の中央部には、大きな原っぱがあります。 丘と丘に挟まれたふもとには、さまざまな産業が展開していきます。 日々の通り抜けのための道として、またそれぞれの施設の拡張空間等として、 海水の被害を受けた土壌でも栽培でき、同時に塩分除去効果による土壌回復を期 様々な形で利用されます。 待できる、アイスプラント畑や塩トマト畑、綿花畑などの「農業」、水産加工工場 や漁業などの「水産業」、そして種をしぼるとなたね油がとれるバイオディーゼル 被災地域面積:561 平方 km としての菜の花畑(アブラナ)や、丘によって集められた風を利用した風力発電 病院 アブラナの成長期間:365 日 ×2 年 青空教室 学校 みんなの丘 といった「新エネルギー」。ふもとはこれらの産業の場となります。 大会議場 風力発電: アイスプラント畑: 想定出力 2.000km/h、稼働率 海水と同じ塩分濃度の土壌で栽培 30%、22.2/ 平方km。 が可能なアイスプラント。新たな 丘によって受け流された浜風を 高級食材産業として定着させ、同 受け、ゆったりと回る風車は、 時に津波による塩害をうけた田畑 海辺の新たな景色となります。 を回復させることができます。 塩トマト畑: 水産加工工場: 海水が浸水した畑でも育つ「塩ト 既存の根強い地場産業を、復興の マト」。海水の塩分は 3.5%と、塩 基幹産業として継承・復活させ、 の道」や「遊び場」が出来ているはずです。今度はそこに「道路」や「公園」 トマトができる塩分濃度と同じ。 地域の就業人口回復の足がかりと 小さいけれど味が濃いのが特徴。 します。 を作り、残った場所に建物を建てます。こうして、はじめの「原っぱ」から 年間生産額 24 万円 /100 平方m。 学校 青空市場 住宅 絵本のお話「スイミー」のように、ここを中心にみんなが集まり力をあわせ 井戸端会議 商店 お祭り広場 てひとつになり、新しいふるさとを作り始めます。 <なりたち> 復興の最初のステップとして、撤去したがれき、海水の被害を受けた田畑の 表土を利用して、丘を造成します。丘は、各小学校のある地域に 1 つ、海に 近い被災した平地に作られます。 集会場 商店 寺 住宅 まちが復興を遂げ、もっと大きな街となる頃には、原っぱには自然と「けも 自分たちで未来の「街」を描いていきます。 :2,200 万トン こどもと丘 がれき 方 km 丘の大きさ: 丘 大きさ 3.3 平方 表層土 (2 万人のまちに 60 人 /ha) あそぶところ <しくみ> まなぶところ 想いやるこころ 丘の中心部には復興の手始めとして、まず地域のコミュニティ回復に必要な 原っぱ 最低限の機能施設が集められます。それぞれの丘の先端部には、どこからで もよく見える建物等が配置されます。 けもの道ができる ( 芝がはげる ) 青空教室(紙芝居) 都市基盤の拡張 つみきのまち 下に一定高さまでの産業用途等の建物を設ける必要があり、街の発展ととも 丘は海に向いた楕円形の、つなみや風を「受け流す」形をしています。 に産業が促進されます。 いくつもの丘があることで、入り組んだ海岸線のようなかたちとなります。 ここでは、周囲のまちなみを見れば、その場所の「高さ」を感覚的に知るこ つなみがきたときの、波 とができます。 後ろのまち の勢いを弱め、受け流し、 幹線道路 避難 わらかい防波堤」になり つなみがきたら、あそこに逃げよう 難道 な避 らか ます。 ここは、15M くらいかな? 1 校区 うしろのまちを守る「や 丘のちかく <海抜高度別用途地域> 海抜からの高度により用途地域を設定します。海辺などの低地では、住宅の 丘の配置 もし、またつなみがきたときには、丘がまちの人たちを守ってくれます。 丘の近くで暮らす人たちは、丘の上に逃げます。お年寄りでも登れる、なだ らかな避難道です。 少し離れたふもとで暮らす人たちは、おうちの高いところに逃げて、つなみ がおさまったら、みんなの待つ丘の上に行きます。 クローバー集め 発生的ランドスケープの出現 つみきのまち つなみがきたら こいのぼり 住居 避難 避 難 避 避難 商業・業務 避難 避難 なだ 工場・倉庫 波 500m(50m/minで 50m/minで 10 分の距離) 公園・畑地 波 波