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4.1.2.6 混合物の運搬

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4.1.2.6 混合物の運搬
す粘度範囲または 185℃を超えない範囲で材料製造業者が提示する条件を参考とし、
加熱温度の範囲を定めている。
なお、練り上がった混合物の基準温度はアスファルト加熱温度と同様に、上述の範
囲から定めるが、その決定は舗装時期、転圧時の混合物の温度、運搬距離による混合
物の温度低下、混合物の種類等によって異なってくる。
(2)アスファルト混合物の中で骨材の占める比率は極めて大きく、加熱骨材の温度は混
合物の温度に大きな影響を与える。したがって加熱温度を規制、管理することは非常
に重要であり、このために、通常、ドライヤーで加熱乾燥された骨材がホットエレベ
ータの受口に落ち込むシュートの箇所に温度計を備えて温度管理を行っている。この
温度管理の基準値はアスファルトの加熱温度に対して 10∼15℃高めであるが、排出口
に設けた温度はバーナの火炎によって高い温度を示すことがあるので、骨材温度と混
合物温度との相関を十分把握しておく必要がある。
混合は、ミキサに骨材とフィラーを投入して両者が均一になるように空練りを行い、
その後にアスファルトを噴出して混合を続ける。前者をドライミックス、後者をウェ
ットミックスと称する。空練り時間は「舗装施工便覧」に準じた。
なお、過剰な混合はアスファルトの劣化や骨材の破砕等の問題が生じることに注意
する必要がある。
1)ポーラスアスファルト混合物の製造
ポリマー改質アスファルトH型を使用したポーラスアスファルト混合物の混合温
度は、「舗装施工便覧」に準じて 185℃を超えない範囲で材料製造業者が提示する条
件を参考とし、現場配合により決定する。なお、製造後のポーラスアスファルト混合
物は、原則としてホットサイロなどで貯蔵してはならない。その他の留意事項は「舗
装施工便覧」による。
2)密粒度アスファルト混合物の製造
ポリマー改質アスファルトⅡ型を使用した密粒度アスファルト混合物の混合温度
は、185℃を超えない範囲で材料製造業者が提示する条件を参考とし、現場配合によ
り決定する。なお、製造後の密粒度アスファルト混合物は、原則としてホットサイロ
などで貯蔵してはならない。その他の留意事項は「アスファルト混合所便覧」等によ
る。
4.1.2.6
混合物の運搬
(1)混合物の運搬は、よく清掃した運搬車を用い、品質が変化しないように注意して行
わなければならない。トラックの荷台内面には、混合物の付着を防止する付着防止剤
(表−4.1 を満足するもの)を使用し、軽油は使用してはならない。
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表−4.1
圧裂強度残留率(%)
70以上
圧裂強度残留率(%)=
付着防止剤等に浸漬した供試体の圧裂強度(N/mm2)
塗布なしの圧裂強度(N/mm2)
圧裂強度は舗装調査・試験法便覧 B006 により確認し試験条件は、非水浸で養生時間
×100
20℃24 時間、
試験温度は 20℃とする。試験はポーラスアスファルト混合物(13)で実施する。
(2)混合物運搬中は、シートまたは他の方法により混合物表面を覆い、温度低下を抑制
しなければならない。
(3)運搬距離は混合物の温度が十分保てる範囲とする。また、現場での待ち時間が長く
なることは避けなければならない。
(4)混合物の受け渡しについては、運搬車 1 台ごとに混合物納品書を提出するものとす
る。
【解
説】
(1)【解説】
(1)混合物の運搬の際、トラックの荷台内面に付着防止剤を塗布し、軽油などは使用
してはならないこととした。これは、既往の研究1)より軽油を使用することにより、ダ
ンプの荷台に軽油が溜まり(写真−解 4.1)その軽油がアスファルト混合物の強度を弱
くし、アスファルト混合物の破損の原因となることが指摘されているためである。また、
室内試験結果によると軽油の使用によりアスファルト混合物の強度が著しく低下する
ことがわかった。よって軽油を使用してはならないこととした。
写真−解 4.1 ダンプに溜まった軽油
また、室内試験の表−4.1 圧裂強度を確認する供試体の作成方法は以下の手順により
実施すること。
手順1)容器に 0.7kg/㎡の軽油または付着防止剤を塗布し(写真-解 4.2)、その上にポ
ーラスアスファルト混合物(13)を約 10 ㎏入れる(写真-解 4.3)。
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高さ
171 ㎜
171 ㎜
一辺長 236 ㎜
236 ㎜
写真-解 4.2
容器への付着防止剤等の塗布
写真-解 4.3 混合物の容器への移動
手順2)防火用のシートでバットを覆い、ポーラスアスファルト混合物(13)で 165℃、
密粒度アスコン(13)で 175℃の恒温槽に 60 分間静置する(写真-解 4.4)。養生終了後、
容器に入れた混合物のうち、マーシャル供試体を 3 個作製するために必要な 4 ㎏分の
混合物を残し、上部の混合物 6kg を除去する(写真-解 4.5)。
写真-解 4.4
防火用シートで覆い静置 写真-解 4.5
静置後に上部混合物を 6kg 除去
3)容器に残った下部の 4kg の混合物と軽油または付着防止剤を十分に混合する(写真解 4.6)。混合後、それぞれ 3 個のマーシャル供試体を作製する(写真-解 4.7)。マーシ
ャル供試体は室内で放冷した後、脱型して密度を測定する。
写真-解 4.6
付着防止剤等との混合
写真-解 4.7 マーシャル供試体作製
参考文献1)峰岸: 低騒音舗装の油によるポットホールの原因究明と抑制対策委の検討,土木学会舗
装工学論文集 第8巻,2003 年 12 月
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(2)運搬時の温度低下については、十分に注意しなければならない。特に、ポーラスア
スファルト混合物は空隙率が高く、通常の加熱アスファルト混合物より温度低下しや
すい。したがって、運搬車に積み込んだ混合物を 2 重シートなどで保護し、温度低下
を防ぐ必要がある。また、寒冷期や夜間工事で混合物温度の低下が懸念される場合は、
舗設現場との連絡を密に行い、保温対策を十分に講じなければならない。3 重シート
で混合物表面を覆い温度低下を防いだ例もある。
(3)混合物の温度低下などによる性状変化を避けるため、長時間にわたる運搬や現場で
の待機には注意しなければならない。したがって、運搬に先立って舗設現場の位置、
施工条件、施工能力などについて、十分な検討と打ち合わせを行う必要がある。
(4)混合物の温度は施工上重要な意味を持ち、温度の低下が大きいとフィニッシャによ
る敷均しが困難となるばかりでなく、転圧も不良となる。したがって、混合物納品書
には、必ず混合物の発送時および到着時の温度を記入させなければならない。
その他の留意事項は、「舗装施工便覧」による。
4.1.2.7
舗設
(a)舗設機械
(1)ポーラスアスファルト舗装に用いる舗設機械には、機能、性能および形式などが異
なる様々な仕様のものがあるので、使用目的や施工条件にあった機種を選定しなけれ
ばならない。
(2)舗設機械および振動コンパクタ、タンパー等の工具に軽油を塗ってアスファルト混
合物を取り扱ってはならない。付着防止剤を使用する場合は、4.1.2.6(1)に規格値
を満足する材料を使用すること。
【解
説】
(1)舗設機械の標準的な編成などは「舗装施工便覧」による。
(2)舗設機械および資機材については 4.1.2.6 混合物の運搬と同様に、軽油は使用して
はならないこととした。また、付着防止剤を使用する場合は 4.1.2.6(1)を満足す
る材料を使用することとする。
(b)基層工
(1)敷均し
1)ポリマー改質アスファルト II 型を用いた密粒度アスファルト混合物の敷均しは、ア
スファルトフィニッシャにより所定の厚さが得られるように行う。
2)敷均しは、通常の加熱アスファルト混合物に比べて、より高い温度で行う場合が多
いので、温度管理に留意して速やかに行う。
(2)転圧
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