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資料 - SciREX 科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」
科学技術外交シンポジウム ― 科学技術を通じた日本外交の新たな方向 ― 科学技術を通じたKAITEKI社会の追求と 世界への発信 2016年5月24日 株式会社三菱ケミカルホールディングス 取締役会長 小林 喜光 目次 1. 当社の3軸経営とKAITEKI価値 2. 3軸による国家価値の可視化 3. Global Agendaと企業の実践 4. ICCA等国際機関での活動 三菱ケミカルホールディングス: 3軸による経営管理とKAITEKI価値 Public Interest & Environment: Century Time 「時代の風」 Innovation: Decade Profits: Quarter ROE 3 日本国: 実践・発信すべき国家価値 Public Interest & Environment: Century 「国家百年の計」 持続可能性 CO2削減 環境保全 健康増進 格差是正 社会保障 第4次産業革命 Society 5.0 Sustainability 人工知能 IoT ビッグデータ ロボティクス 分子生物工学 Innovation: Decade Science & Technology Economic Performance: Quarter GDP ? New Metric ? 経済成長 財政 Sharing Economy Circular Economy Virtual Economy 4 Global Agenda: World Economic Forum “Global Risks 2016” 自然環境の悪化が、人・社会・地球のサステナビリティに危機を及ぼしている Top 10 risks (蓋然性による) Top 10 risks (影響度による) 大規模な非自発的移住 気候変動の緩和および適応の失敗 異常な気象事象 大量破壊兵器 気候変動の緩和および適応の失敗 水危機 国家間の紛争 大規模な非自発的移住 破滅的な自然災害 エネルギー価格ショック 国家統治の失敗 生物多様性の喪失とエコシステムの崩壊 失業または不完全雇用 財政危機 データ不正またはデータ盗難 感染症の拡大 水危機 資産バブル 不法な通商 深刻な社会不安 出所: World Economic Forum “The Global Risks Report 2016 11th Edition” エネルギー資源の限界 シェールガスの実用化はエネルギー資源の可採年数を大幅に延長 しかし、わずか数百年後には枯渇不可避 エネルギー資源の確認埋蔵量と可採年数 原油 天然ガス 1兆6,879億 バレル 残り55年 → シェールガス等で200年延長? 186兆m3 石炭 ウラン 西暦 2000 年 残り53年 残り113年 8,915億トン 7,635,200 トンU 2050 残り70年 2100 2150 2200 2250 2300 出所: 資源エネルギー庁「エネルギー白書2015」(ウラン可採年数のみ各種資料を参照し当社推定) 6 化学産業: Pollution SourceからSolution Providerへ 日本の化学産業は高度経済成長期、環境を著しく汚染し、公害病を惹起 その後、真摯な反省の下、Responsible Careの思想に基づき、環境を改善 洞海湾 (福岡県北九州市) 四日市コンビナート (三重県) 新興国への知見伝承 三菱化学黒崎事業所が立地 【1960年代】 三菱化学四日市事業所が立地 【1960年代】 日本化学工業協会の国際活動 【ヴェトナム】 【現在】 【現在】 科学技術への懐疑 【ミャンマー】 解決のための道具 写真: 北九州市ホームページ、四日市市ホームページ、日本化学工業協会 7 化学産業: Global Agendaに対するSolution Provider 化学産業は、人類の持続可能な発展のための各種ソリューションを提供 グローバルアジェンダ(メガトレンド) (例) 化学が提供するソリューション (例) エネルギー 太陽光・風力発電 (炭素繊維、シール・接着剤) バイオ燃料 (エタノール製造酵素) 自動車・航空機軽量化 (炭素繊維、耐熱プラ) 世界の一次エネルギー需要 約1.3倍 (2010⇒2030年) 水 世界の取水量 約1.5倍 (2000⇒2050年) 食糧 必要な食糧生産 約1.6倍 (2005⇒2050年) 高齢化 世界の高齢化(65歳以上)率 約2.3倍 (2010⇒2060年) 都市化 世界の都市人口比率 約1.2倍 (2010⇒2050年) 海水淡水化システム (逆浸透膜) 排水処理システム (吸着材、イオン交換樹脂) 節水農法 (ドリップ灌漑用パイプ) 多収量品種・高栄養素 (遺伝子組み換え作物) 流通ロス削減 (コンテナ・パレット) 環境負荷低減 (植物工場) 日常生活動作 (高吸水性ポリマー) 医療用材料 (透析フィルター、人工関節材料) 未病段階ヘルスケア (診断薬原料) ゼロエネルギービル (LED照明、断熱材) スマートモビリティ (自動車用2次電池材料) スマートリビング (高耐久性給水システム部材) 出所(左列): 経済産業省「産業構造審議会総会・第14回総会資料」、内閣府「平成26年版高齢社会白書」 8 三菱ケミカルホールディングスグループにおける事業例 炭素繊維・複合材料 GaN・LED照明 有機太陽電池 サステイナブルリソース リチウムイオン電池材料 有機EL アグリビジネス ヘルスケアソリューション 9 ICCA (国際化学工業協会評議会) CEOグループ Global Executive Strategy Group ICCA理事会 ICCA Board of Directors Chair President BASF: Kurt Bock Celanese: Mark Rohr ICCA事務局 ICCA Extended Secretariat ICCA運営委員会 ICCA Steering Committee コミュニケーション Communications 重要な課題別に4つの Leadership Group を組織 リーダー American Chemistry Council 気候変動とエネルギー政策 Energy & Climate Change 化学品政策と健康 Chemical Policy & Health レスポンシブル・ケア Responsible Care Leader Leader Leader MCHC: 小林 喜光 Dow Chemical: A. Liveris 通商政策ネットワーク Trade Policy Network Solvay: J. C. Clamadieu 10 ICCA (国際化学工業協会評議会) の活動 化学品管理のグローバルな連携 産業内の国際協力 GPS (Global Product Strategy) リスク管理の世界的推進活動 ・ Safety Summary (リスク評価 結果)を世界共通フォーマット で公表 ・ 4,500物質がWeb上で公開 ・ GPS リスク評価ガイダンスを 提供 Capacity Building 発展途上国のSME(中小化学 企業)へGPS普及 ・世界で毎年約20回開催 (Responsible Care 含め) バリューチェーンと協力 バリューチェーンにおける 化学品管理の協力 ・ SAICMでバリューチェーン におけるリスク管理最適化の 提案 ・ コンシューマ産業との リスク管理最適化の協業 (アパレル産業、電気電子産業 など) 国際機関との連携 SAICM(国際的な化学物質管理 のための戦略的アプローチ) ・ パートナーとして積極的参加 UNEP(国連環境計画) 発展途上国における化学品管理 の強化 ・ アフリカにおける貯蔵・輸送の 管理ワークショップ開催 BlackSmith 及び GIZ (1) 放置化学物質の処理サポート ・ ウクライナとモザンビークで実施 Note 1: GIZ (Deutsche Gesellschaft für Internationale Zusammenarbeit) 11 ICCA (国際化学工業協会評議会) の活動 エネルギーと気候変動への国際的取り組み 製造時のGHG排出量削減 技術ロードマップ作成 ・ Catalysis Roadmap作成 ICCA, IEA & DECHEMA (2013年) ・ 2030年までの化学産業エネルギー需要予測 IEAと協業 (2015年~) バリューチェーンを通じGHG削減 技術ロードマップ作成 ・ Buildings Roadmap作成 (2013年) cLCA (carbon Life Cycle Analysis) 普及 ・ cLCAガイドライン作成 ICCA/WBCSD (2013年) 基本データ収集 ・ ICCAとしてのGHG排出量データ収集 (2000年~) OECD国では生産量の伸び以上にGHG 原単位の削減促進 ・ cLCA ケーススタディ集作成 (2016年) ・ 化学産業全体の製品による削減貢献量推定 Life Cycle Analysis Report (2009年) Chemicals Contribution Report (2015年~) 12 日本の素材産業における国際的連携 (例) 各業界が日本発アジェンダを基に国際的連携を強化し、持続可能性に貢献 日本鉄鋼連盟 日本製紙連合会 日中鉄鋼業界環境保全・ 省エネ先進技術交流会 国際森林製紙団体協議会 日印鉄鋼官民協力会合 持続可能な発展のための アジア紙パルプ産業会議 セメント協会 WBCSD CSI (Cement Sustainability Initiative) CSI セメントCO2・エネルギー プロトコル 日ASEAN鉄鋼イニシアチブ 森林認証制度の推進 ISO14404(鉄鋼CO2排出 量・原単位計算方法) 出所: 各団体ホームページ 13 民間中心のグローバルなイニシアティブ (例) 国境のない社会的課題の解決に向けて、国連・NGO・民間企業などが連携 持続可能な発展のための 世界経済人会議 (WBCSD) 国連グローバル・コンパクト (UN GC) 持続可能な発展を希求して、経済成 長・環境保全・社会開発に関する提 言 を 行う な ど 、 産 業 界 にお ける リ ー ダーシップ発揮を目指す世界の企業 の連合体 グローバル企業が人権・労働・環境・ 腐敗防止といった課題に自発的に取 り組み、社会において良き企業市民と して活動することを促す、国連・企業 共同の活動 1995年設立 2000年発足 当社を含む約182社(うち日本企業 13社)が参画 当社を含む約8,300社(うち日本企業 433社)が参画 企業のサステナビリティ報告の情報プ ラットフォーム整備や、第三者認証を 推進するなど、先進的取組みを実施 国連「持続可能な開発目標(SDGs)」 達成に貢献する企業活動をサポート するなど、グローバルに活動 14 ご清聴ありがとうございました