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Patent Bar Exam 用 資料

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Patent Bar Exam 用 資料
Patent Bar Exam 用
資料
2013 年 2 月 26 日
特許業務法人 快友国際特許事務所
河崎
大輔
http://www.kai-u.jp/
<留意事項>
本資料は、自由に配布して頂いて構いませんが、内容の改変はご遠慮下さい。
本資料は、筆者の個人的な勉強用にまとめた資料を公開するものです。したがって、使用し
ている用語が一般的でない場合があります。また、記載内容が正確である補償はありません。
本資料作成時の試験範囲は、
2 ページに記載の通りです(2013 年 4 月 2 日より前の試験範囲)
。
また、
2 ページの試験範囲では有りませんが、
Derivation Proceedings と First Inventor To File
についてもまとめました。
本資料における「改正」という用語は、2 ページに記載の資料のうちの No.2-15 の何れかに
関する改正を意味します。
本資料における緑色のハイライトは、実際に出題されたことがある内容を意味します。
本資料における灰色のハイライトは、出題可能性が低いと思われる事項を意味します。
本資料におけるアンダーラインは、改正により追加された事項を意味します。また、
Derivation Proceedings と First Inventor To File の説明にもアンダーラインを付しました。
本資料における取り消し線は、改正により削除された事項を意味します。
なお、筆者が受験した時点においては、過去の改正により削除された事項も頻繁に問われま
した。例えば、1999 年~2000 年頃の設定の問題が出題された場合には、当時の法律に従って回
答する必要があります。このため、取り消し線の部分にも、緑色のハイライトが付されている
部分があります。したがって、2013 年 4 月 2 日以降も、Pre-AIA の内容が出題される可能性が
あります。
本資料における条文番号は、特に記載がない限り、MPEP, 37 CFR, 35 USC の何れかを意味し
ます。例えば、「1.48」は、37 CFR 1.48 を意味します。「132」は、MPEP132 か 35 USC 132 の何
れかを意味しますが、何れを意味するかは何となく分かると思います。
1
試験範囲
1. Manual of Patent Examining Procedure (MPEP), Edition 8, Revision 8;
2. Examination Guidelines Update: Developments in the Obviousness Inquiry After KSR v. Teleflex ;
3. New Interim Patent Subject Matter Eligibility Examination Instructions, August 2009;
4. Interim Guidance for Determining Subject Matter Eligibility for Process Claims in View of Bilski v. Kappos, July 2010;
5. Interim Guidance for Determining Subject Matter Eligibility for Process Claims in View of Bilski v. Kappos, July 2010;
6. Supplementary Examination Guidelines for Determining Compliance with 35 U.S.C. § 112 and for Treatment of Related
Issues in Patent Applications, February 2011;
7. Changes To Implement the Prioritized Examination Track (Track I) of the Enhanced Examination Timing Control
Procedures Under the Leahy- Smith America Invents Act (September 23, 2011);
8. Revision of Standard for Granting an Inter Partes Reexamination Request (September 23, 2011);
9. Rules of Practice before the Board of Patent Appeals and Interferences in Ex Parte Appeals (November 22, 2011);
10. Leahy-Smith America Invents Act (Public Law 112-29, Sept. 16, 2011);
11. Preissuance Submissions by Third Parties Final Rules (77 Fed. Reg. 42150, July 17, 2012);
12. Citation of Prior Art in a Patent File Final Rules (77 Fed. Reg. 46615, August 6, 2012);
13. Inventor’s Oath or Declaration Final Rules (77 Fed. Reg. 48776, August, 14, 2012);
14. Supplemental Examination Final Rules (77 Fed. Reg. 48828, August 14, 2012);
15. Inter Partes, Post Grant, and Covered Business Method Review Final Rules (77 Fed. Reg. 48680, August 14, 2012).
2
MPEP100台
<秘密性>
出願は、以下を除いて、出願までは秘密に保たれる。
①出願人から書面の許可を得た者
②国会(Congress)からの要請
③Director によって定められた特定の状況の場合
<ステータスインフォメーション(SI)>
出願の SI は、その出願の状況(係属中、取下、特許化)
、公開されたか、出願番号、出願日
等を含む書誌的な情報。
SI は、以下の場合(者)に利用可能
①出願に記載された者(出願人(発明者)、代理人、Assignee)
、または、これらのうちの1人
から書面の許可を受けた者、(ADS(アプリケーションデータシート)で出願人(発明者)とし
て記載されている者は、Oath 等の提出がなくても利用可能)
②出願が公開された場合
③出願が公開されていないが、当該出願より前の出願(出願日の利益、または参照がされてい
る出願)が公開された場合、後の出願について SI を入手できる。要するに、親→子の場合に親
が公開されていれば、子について SI を入手可。
※SI の請求の際には、8桁の出願番号が分からなくても、下6桁の出願番号とその他情報(出
願日等)が分かればよい。
SI は、FIU(File Information Center)に電話すると教えてもらえる。
<包袋(file)>
特許、法定発明登録の file は、公衆が閲覧できる(書類のコピーを取得可能)
。
出願の file は、以下の場合に利用可能
①出願が公開された場合
②先願が公開されていないが、当該出願を特定(先願の利益、優先権、または Incorporated By
3
Rreference)する後願が公開または特許された場合、先願は公衆に閲覧可能となる。要するに、
親→子の場合に子が公開されれば、親の file を閲覧可能。後願は、US指定の国際出願である
場合は、国際公開でもよい。
※②の場合に出願が係属中である場合は、出願時の書類のみ利用可能
インターフェアレンスの file は、非公開の出願が含まれていない場合に公衆が閲覧可能。
Reissue, reexamination の file は、これらが請求された後はいつでも公衆に閲覧可能。
file を入手する場合は、所定の申請書と fee を払うことで、コピーが得られる。
file のコピーは得られるが、file 自体を調査することはできない(よくわからん)
。
<アクセスの上申書(petition)>
アクセスできない出願にアクセスしたい場合(例えば、インターフェアレンスの相手)は、
上申書を提出する。上申書は、出願人等に提供される。
<調査の授権(power of inspect)>
出願人から授権を得た人は、非公開の出願にアクセスできる。
<Assignee が存在する場合の出願人の手続>
Assignee が存在するときでも、出願人は手続きできる。但し、Assignment で特別な契約がさ
れているときは別。
<秘密保持命令(Secrecy order)>
出願の内容によっては、USPTO 等から秘密保持命令がでる場合がある。
秘密保持命令は、出願に関わった全ての人に適用される。
秘密保持命令が出ると、出願は、Appeal がされた時点、または、許可可能となった時点でス
トップする。
秘密保持命令の期間は1年。但し、1年毎に延長される場合あり。
4
<外国に出願していい状況>
米国内でされた発明を外国に出願するためには、以下の何れかの条件を満たす必要がある。
①US 出願し、受領書に外国出願可能と記載されている。
②US 出願し、秘密保持命令がでることなく出願日から6月が経過した。
③外国出願許可の上申書を提出して認められた場合。
誤って、許可なく外国出願してしまった場合でも、遡及的許可(retoroactive license)を求
めることができる場合がある。
違反して外国出願した場合は、US 出願が放棄とみなされる。無効理由にもなる。罰則もある。
但し、欺罔の意図がないこと、発明が秘密の対象になるものでないこと等を証明すれば、これ
らを回避可能。
US でされた発明について、US 出願用の明細書の作成を外国(例えばインド)の法律事務所に
注文することは、外国出願の許可の問題ではなく、別の法律の問題。
<出願公開>122
(i)係属から外れた出願、(ii)秘密保持命令の対象、(iii)仮出願、(iv)design patent 特許
出願、(B)非公開を請求した出願は、出願公開されない。 (d)国家の安全が脅かされるおそれ
がある場合、公開はされない。
<非公開の請求>1.213
出願時に、非公開の請求ができる。出願後に非公開にしたくなった場合は、continuation と
共に非公開を請求する。元の出願は、公開を防ぐためにを取り下げる。
18月後の出願公開がある外国または条約による出願の対象となっておらず、今後もならな
いことを証明して、非公開の請求ができる。
5
非公開の請求は、登録された代理人、capacity を有する代理人、または出願人によりサイン
する。
非公開の請求はいつでも取り下げることがる。
取り下げの請求書には、登録された代理人、capacity を有する代理人、または出願人により
サインする。
非公開の請求をした出願人が外国に出願することになった場合には、
(1) 外国に出願する前に、非公開の請求の取り下げをする、または
(2) 外国出願の日から45日以内に USPTO に通知する
これらの手続きをしない場合は、US 出願は放棄されたものとみなされる
例外:遅れたことが unavoidable または unintentional(以下、unintentional 等という)であ
れば、45日より後でも petition、fee の提出により取下げから回復される。 1.215
6
MPEP200台
○出願中における発明者の修正
<継続出願>
騙す意図がないこと(without deceptive intent)の有無に係らず、修正できる。
少なくとも一部の発明者が親出願と同じであればよい。
継続出願では、親出願の Oath または Declaration(以下、Oath 等)のコピー、または、新た
な Oath 等を提出する。但し、継続出願で発明者を追加する場合には、新たな Oath 等が必要。
継続出願で発明者を削除する場合には、Oath 等のコピー(または新たな Oath 等)と発明者
削除の申請を提出する。
※例:発明者 XYZ が出願(Oath 等も提出)し、その後、X が行方不明になり、YZ だけで継続出
願できるか?
答え:できる。XYZ の Oath 等がすでに出されているので、Oath 等の再提出が不要(コピーの
提出で足りる)なため。
親出願をする(クレームA,B、発明者 a,b)。次に、親でクレーム B と発明者 b を削除し、
分割出願(B,b)をする。この場合、親(A,a)と分割(B,b)が発明者が重複していないが、120 を満
たす(親の出願時と分割とで発明者が重複するため?)。
<非仮出願(non-provisional application)での修正>1.48
改正前(1.48(a)-(c))
(提出物)
(a)ミスの修正(発明者の追加、削除)
・request
・追加または削除される発明者による without deceptive intent の宣誓
・正しい発明者の Oath 等
7
・Assignee がいるときは、同意書
・fee
(b)クレーム削除補正により発明者の削除が必要になったとき
・request
・fee
(c)クレーム追加補正により発明者の追加が必要になったとき
・request
・追加される発明者による without deceptive intent の宣誓
・正しい発明者の Oath 等
・Assignee がいるときは、同意書
・fee
改正後(1.48(a)-(b))
改正により、手続きが簡素化された。
・修正する際には、基本的に、発明者は ADS で特定することになる。
・発明者の修正に、without deceptive intent が不要になる。
・Assignee の同意書も不要になる。
(提出物)
・正しい発明者を記載した ADS
・fee
・ADS に宣誓を行っていない発明者がいれば、その発明者の Oath 等(または代替陳述書
(substitute statement))。
※但し、スペルミス等、発明者の名前の明白な誤記の修正は、notification で可能(petition
も Oath 等も不要、料金もなし?(安い?)
)
。605.04(b)
<3.仮出願(provisional application)での修正>1.48
8
後の本出願と発明者が少なくとも1人重複していれば、仮出願の発明者の修正はしなくても
よい。それでもしたい場合は、してもよい。仮出願から12月以降でも、発明者の修正ができ
る。
改正前(1.48(d)-(e))
(提出物)
(d)発明者を削除
・request
・without deceptive intent の宣誓
・fee
(e)発明者を追加
・request
・without deceptive intent の宣誓
・Assignee がいるときは、同意書
・fee
改正後(1.48 (d))
(提出物)
・正しい発明者を特定した request
・fee
改正前のまとめ
・without deceptive intent は、(b)クレーム補正に伴う発明者の削除の場合のみ不要
・正しい発明者の Oath 等は、本出願で発明者を追加するときに必要(削除の場合は不要。仮出
願は、そもそも Oath 等が不要)
。
・Assignee の同意書は、(a)誤記の場合、及び、(c),(e)発明者の追加の場合に必要。
<Oath 等の誤記の修正> 1.67
Oath 等の誤記は、supplemental Oath 等を提出することで修正する。Oath 等の「補正」はで
9
きない。
supplemental Oath 等には、修正の影響を受ける発明者がサインする。例えば、共同発明者
ABC のうちの C のメーリングアドレスが間違っている場合は、C だけのサインで足りる。改正前
の場合は、ABC 全員の名前が記載された Oath 等に C がサインする。改正後の場合は、AB の名前
は不要かもしれない(よくわからん)
。発明がオリジナルであることの宣誓を書き忘れた場合は、
元の Oath 等にサインした発明者全員がサインする。Oath 等を2つ(会社AとB)に分けて提
出し、Aの Oath 等の宣誓に誤りがある場合には、Aの発明者全員がサインする。
ADS に記載することが可能な事項(全ての発明者の名前、全ての発明者についてのメーリン
グアドレスと、さらに、メーリングアドレスと異なる住所に住む発明者がある場合には、その
発明者の住所)については、supplemental ADS によっても修正できる。
特許発行後でも、supplemental Oath 等を提出できるが、これは file に入れられるだけ。多
分、Reissue 出願した方がよい。
<Oath 等の後出し>
非仮出願では、出願時に Oath 等を提出しないと、所定の期間が指定される。この期間内にサ
ーチャージと共に Oath 等を提出できる。
なお、ADS で発明者を特定(各発明者の名前、住所、メーリングアドレス)している場合に
は、上記の期間を超えても Oath 等を提出できる。この場合、Oath 等の提出を、特許が許可可
能となるまで(notice of allowability で指定された期間まで)延期できる。また、この場合、
サーチャージと共に Oath 等を提出する。
改正前は、ADS の有無にかかわらず、非仮出願の出願時に Oath 等を提出しないと、所定の期
間が指定され、その期間内にサーチャージと共に Oath 等を提出する必要がある。
非仮出願では、Oath 等を提出してない場合、発明者が不明である(ADS で特定したとしても
正式な発明者とはみなされない)。この場合、Oath 等を提出すれば、Oath 等に記載の発明者が
正式な発明者となる(Oath 等が ADS より優先される)。したがって、ADS を先に提出し、その
ADS に記載されている発明者に誤りがある場合、Oath 等を正式な名称で提出するだけで、Oath
等に記載の発明者が正式な発明者となる。発明者の修正手続きは不要。
改正後は、先に提出した ADS と Oath 等との間で発明者に矛盾がある場合には、ADS が優先さ
10
れる。ADS に記載された発明者の修正は、1.48 によらなければならない。1.76(d)
仮出願では、カバーシートに発明者を記載する。カバーシートを出し忘れている場合は、カ
バーシートを提出することで、発明者を特定できる。
<その他>
発明者の修正の請求(1.48)は、許可通知までは可能。許可通知後かつ Appeal 請求前は、正
当な理由があれば提出が認められる。
CPA,RCE では、発明者を修正できない(別途 1.48 の手続が必要)。
(a)共同発明は共同出願し、各発明者が宣誓する。共同発明者は、同じ時間に物理的に一緒に
働いている必要はない。発明に対する貢献は同じでなくてもよい。各人が、全てのクレームに
貢献している必要はない(一部のクレームでよい)。116
(b)1 人の共同発明者が、出願拒絶、または、所在不明の場合、他の発明者によって出願が可
能。除外された発明者は、後から加わることができる。
11
○先願の利益の主張
<先願の利益の主張(継続出願、分割出願、CIP)>
先願の利益の主張は、明細書か ADS で行う。
明細書中で、incorporated by reference を記載すると、参照された親出願に基づいて補正
ができる。
2004 年 9 月 21 日以降の出願は、優先権の主張及び仮出願、非仮出願、又は国際出願に対す
る先願の利益の主張が、incorporated by reference とみなされる(結局、IBR を書かなくても
よ い ) 。 1.57a 201.17
(PCTの国内移行(バイパスを除く)の場合は、国際出願を
incorporated by reference していることにはならないと思われる。)
親出願でスモールエンティティの適用を受けている場合、子出願では引き継がれない。出し
直しが必要。
親出願で提出した affidavits 等は、子出願で引き継がれない。出し直しが必要。
<CPA(Continued Procecution Application)>
design patent でのみ利用可能
特許では、出願日が 2000/5/29 より前であれば可能
申請書と fee を提出するだけ。
親出願が係属中、かつ、issue fee 支払前にできる。
発明者は、親と同じかそれ以下(増やせない)
。
親出願と同じ番号が付けられる。
親出願で提出した書類(Oath 等, amendment, power of attorney, IDS etc.)は、引き継がれ
る。
(親出願と同じ file を使う)
但し、スモールエンティティについては引き継がれない。出し直しが必要。
CPA のリクエストにより、親出願は取下げとなる。
CPA の出願日は、CPA の日。但し、120 条の親出願の出願日の利益を受けられる。例えば、
1999/11/29 より前の出願には Inter partes reexamination の適用はないが、1999/11/29 より
前の出願に対して 1999/11/29 以後に CPA した場合、CPA の出願に対しては Inter partes
12
reexamination が適用される。
不適法な CPA(2000/5/29 以後に出願された特許に対する CPA)は RCE とみなされる。上記の
とおり、CPA の場合応答書類の提出は不要だが、RCE の場合は応答書類の提出が必要。したがっ
て、CPA が RCE とみなされると、だいたい、不適法な RCE となって出願取り下げとなる。
変更が必要な場合は、後で補正する。
親で拒絶されたクレームと同じであれば、最初から FinalOA がでる。
13
○先願の利益の主張(継続、分割、CIP、仮出願後の本出願)の詳細
<要件>
・disclosure
親出願は、子出願の発明を、112 条(すなわち、written description, enablement, best mode)
を満たすように開示している。
・inventorship overlap
少なくとも 1 人の発明者が重複すること。
・co-pendency
子出願は、親出願の係属中に出願する。係属中とは、出願取下、特許発行、審査終了のいず
れかまでを意味する。
審査終了は、
特許庁に対する不服申し立て手段が尽きたときを意味する。
したがって、Appeal 中は継続出願が可能。Appeal の決定に対する上訴期限が切れた後、Appeal
の決定に対して上訴した後は子出願はできない。issue fee の支払い後も特許発行までは継続
出願が可能。
(Notice of Appeal の提出後、Appeal Brief を提出せずに、継続出願をすることができるか?
不明。親出願は Appeal Brief を出していないので取下げ?この場合、先願との Co-pendency
がないので継続出願は認めらない?)
ただし、親出願が仮出願の場合は、仮出願が取り下げられていても、12月以内に子出願が
可能。親が仮出願の場合は、親出願から12月以内に出願する。
なお、仮出願の出願日の利益を主張する出願は「継続的出願(continuing application)」と
は呼ばない。継続出願(continuation application)、分割出願(divisional application)、CIP
は、
「継続的出願」である。
親-子-孫の場合は、親-子の co-pendency と子-孫の co-pendency があれば、親-孫では不要。
先願が、米国を指定する国際出願である場合には、国際出願日から、継続、CIPが可能
(201.11(a)、 365(c))(バイパス)
。
14
<reference in specification or ADS>
子出願は、ADS または明細書の第 1 パラグラフで、親出願を reference する。親と子と孫が
ある場合、孫では親と子の両方を reference する。つまり、
「この出願は、出願Bの係属出願で
あり、出願Bは出願Aの係属出願である」など。
仮出願以外の場合は、reference において、係属の種類(continuation, divisional, CIP)
を記載しなければならない。仮出願の場合は、種類の記載は不要。
<reference time limit>
Reference を忘れた場合、reference は、子出願の出願日(PCTなら移行日)から 4 月以内、
または、親出願の出願日から16月以内に追加することができる。これを超えると原則不可、
ただし、unintentional 等で遅れた場合は、petition と surcharge で救済される。ただし、
reference の追加および削除は補正となるので、FinalOA後または許可通知後は、原則不可(R
CEが必要)
。
<手続き>
以下の何れかの明細書、図面を提出する。
・親出願のコピー
・修正済みのもの
・以下の何れかの Oath 等
・新たな Oath 等
・親出願の Oath 等のコピー (元の出願に対して発明者が同じか少ない場合のみ可能)
※Oath 等の提出の省略はできない(RCE, CPA では省略可能))
※Oath as amended(親出願の Oath を修正したもの)は提出不可(Oath 等は「amend」できな
い)
<prior application must be entitled to filing date and fileing fee>
15
親出願が国内出願である場合は、親出願の出願日が認定されており、かつ、ファイリングフ
ィーが支払われていること。
親出願が国際出願である場合は、国際出願日が認められていること。
親出願が仮出願である場合は、仮出願の出願日が認定されており、かつ、ファイリンフィー
が支払われていること。
<translation of provisional application>
親出願が英語以外の仮出願である場合は、仮出願の英語翻訳と、英語翻訳が正確である旨の
statement の提出が必要。これらは、仮出願の係属中に仮出願に対して提出してもよい。また、
これらを、仮出願に対して提出せずに、本出願の提出時に提出してもよい(この場合、仮出願
に対して提出したのではなく、本出願に対して提出したという表現になる)
。
(その他)
仮出願が発明A、その後の本出願が発明A,Bの場合、Aは仮出願の日、Bは本出願の日を
基準に判断される(仮出願でも部分優先が可能)
。
仮出願自体は、先願の利益を主張することはできない。
16
○外国出願に対する優先権(以下、優先権(priority))
<先願の要件>
同盟国への出願であること
後の出願と同一の出願人(発明者)か、その代表者、譲受人が出願すること(一部同一も OK)
(inventive entity が同一である必要はない(よくわからん))
特許出願、発明者証(inventor’s certificate)
最先の出願が公衆に利用可能になることなく取り下げられれば、その後に同じ内容を同一の
国に出願すれば、後の出願に基づいて優先権を主張可能。
もし、最先の国が優先権制度を採用していない国であれば、その国への出願は最先の出願と
はみなされない。
先願が国際出願の場合は、合衆国以外の(または合衆国に加えて)少なくとも1つの国を指
定していなければならない。
<後の出願の要件>
・客体
先願の出願書類に記載された発明と同一の発明について、優先権が認められる。後願が同一
発明と非同一発明を含む場合は、同一発明にのみ優先権が認められる。
仮出願では優先権の主張はできない。
・時期
優先権の主張は、後の出願の係属中であって、実際の出願日から4月または先の出願日から
16月までであって、特許の発行までに行う。
優先権証明書の提出は、特許の発行までに行う。
但し、優先権証明書は、
(1)インターフェアレンスが適用されたとき、
(2)引用例を克服す
るために必要なとき、
(3)審査官に要求されたとき、は、もっと早い段階で提出する必要があ
る。
17
・手続
優先権の主張の方法は、ADS で主張するか、明細書で主張するか、Oath 等で主張するかのい
ずれか。このとき、先願の出願番号、国、出願日を特定する。
(また、登録された代理人のサイ
ンが必要である。
)
優先権証明書の翻訳文は、原則不要である。但し、上記(1)~(3)の場合は必要。この
場合、翻訳が正確であることの Oath 等を合わせて提出する。
意図せず、上記4月及び16月の期間を渡過した場合は、unintentional 等であれば救済さ
れる。但し、特許の発行まで。
issue fee の支払い~特許発行の間に優先権の主張、または、優先権証明書の提出をすると
きは、手数料が必要。この場合、優先権は特許に記載されない。特許発行後に Certificate of
Correction で優先権を記載するように修正する必要がある。
優先権主張の取り下げも可能。上記4月及び16月の経過後に、取り下げた優先権を再度主
張(復活)することはできない。Unintentional とは言えないため。
発明者証に基づく優先権の場合は、出願人は、その国で特許か発明者証かを選択できること
の statement を提出する必要がある。
・その他
先願が国際出願の場合は、PCTルールの期間内に行う。
後願が国際出願の場合は、願書で優先権を主張する(1.451)。
<特許発行後の優先権主張>
Reissue または訂正(Correction)により、優先権を主張することができる。
<Incorporation by Reference>
優先権の主張、先願の利益の主張(continuation, divisional, CIP, 仮出願後の本出願)は、
incorporation by reference とみなされる。
この場合、US 出願に記載されていない事項で先願に記載されている事項を、補正により追加
18
できる。先願が国内出願でない場合には、先願のコピーと、翻訳文の提出が必要。また、追加
した箇所の特定が必要。
19
MPEP300台
○Assignment(譲渡証)
<Assignment の内容>261
1つの Assignment で複数の出願を譲渡できる。
Assignment は、契約の日から3月または他人による取得の日のいずれよりも前に特許庁の
file に記録(record)されないと、その他人に対抗できない。
特許の共有者は、他の共有者の同意なく発明を実施可能。
特許出願の共有者は、他の共有者の同意なく、自己の持分を譲渡可能。
※Assignment の登録と、Assignee の権利の確立は別の手続きである。
<Assignment の公開>1.12
公開された出願、特許、Reissue 中の特許、Reexamination 中の特許の Assignment は、公開
される。
非公開係属中または非公開取下の出願の Assignment は、公開されない。
1つの Assignment で複数の特許、出願を譲渡している場合には、その中の何れか1つが上記
公開の条件を満たせば、その Assignment 全体が公開される。
非公開の Assignment は、出願人、Assignee、代理人、または譲渡の予定のある人の許可を受
けた人は見ることができる(その人が見れるだけ、public inspection に付されるわけではな
い)
。
Assignment は、patent applications as filed(出願時の書類)に含まれない。記録された
Assignment のコピーがほしい場合は、出願時の書類ではなく、Assignment のコピーを請求(+
手数料納付)しなければならない。
<特許庁への記録の仕方> 3.11、3.24、3.26、3.21、3.61、3.41、3.28、3.31
特許庁に Assignment のコピーを提出する。
20
Assignment が英語でない場合は、翻訳者がサインした翻訳文を一緒に提出。
出願日以後における譲渡についての Assignment には、特許番号、出願番号、または、国際出
願番号が記載されていなければならない。
出願以前の場合は、全ての発明者と発明の名称が特定されていなければならない。仮出願前
に仮出願に係る発明の譲渡がされている場合も同様。
外国人は、米国内の代表者を定めることができる。
譲受人の住所を、Assignment に記載してもよい。
fee は、譲渡する出願・特許ごとにかかる。
カバーシートと共に提出する(特許庁に記録されるための何れの提出物にも、カバーシート
を添付する必要がある)。
カバーシートには、Assignment が添付されていること、譲渡人名、譲受人名と住所、出願・
特許の番号、通信の受け取りの当事者名と住所(代理人?)、書類作成の日付、提出者のサイン、
譲渡対象の件数と手数料、が含まれなければならない。カバーシートは、特許と商標を混ぜて
書くことはできない。
FAXまたは電子提出する場合は、1つのカバーシートで1つの処理しかできない。
<Assignee への特許の発行> 3.81
Assignment が記録されている状態で、特許庁に対して Assignee に特許を発行するようにリ
クエストすることで、Assignee に特許が発行される。このリクエストは、issue fee の支払い
と同時に行う(issue fee の支払い書に所定のリクエストを記載する)
。
<Assignee がアクションするための権利の確立> 3.71、3.73
Pre-AIA
AIA
対応条文なし
1.46
(出願は発明者のみ可能)
Assignee が出願するには、
・出願人(Assignee)を特定した ADS
を提出する。(但し、国際出願の場合
21
は、国際出願の願書で出願人として特
定されている者がUSの出願人とな
る)
。1.46a
・issue fee の支払いまで(かつ、譲
渡日から3月以内、かつ、他人の
assignment が 記 録 さ れ る 前 ) に 、
Assignment をUSPTOに記録する。
1.46a1
出願人の修正は、ADS を提出するこ
とで行う 1.46c
出願人の変更は、ADS を提出すると
ともに、下記 3.71, 3.73 の手続きによ
り行う(すなわち、①変更後の出願人
を記載した ADS の提出、②Assignee の
宣誓、③譲渡の履歴を示す書類(Chain
of title:要するに Assignment)の提
出、または、当該書類が記録されてい
る場合はその宣誓)
。
3.71(a)
3.71(a)
登録された Assignee は、
Assignee は、
プロセキューション、
プロセキューションを出願人として
Reexamination
Reexamination 等を独立して、
を独立してできる。
できる。
3.71(b) (a)の Assignee とは、全所有 3.71(b)
(a)の Assignee とは、全所
権を有する者である。複数人で全所有 有権を有する者である。複数人で全所
22
権を有する場合は、皆で手続き。
3.71(c)
有権を有する場合は、皆で手続き。
Assignee として登録される 3.71(c)
には、3.73(b)の手続きによる。
Assignee が出願人として登
録されるには、1.46 の手続き(すなわ
ち、ADS の提出と 3.73(c)と同様の手続
き)
。
Reexamination 等で Assignee として
登録されるには、3.73(c)の手続き。
3.73(a)
発明者は、出願の所有者と推定され
3.73(a)
最初の出願人は、出願の所有者と推
る。
定される。
3.73(b)
3.73(c)(1)
Assignee が出願、特許についてアク
最初の出願人でない Assignee が出
ション(拒絶対応、Reexamination 等) 願、特許についてアクション(拒絶対
をするためには、オーナーシップを確 応、Reexamination 等)をするために
立する必要がある。
は、オーナーシップを確立する必要が
ある。
確立のためには、Assignee がサイン
確立のためには、Assignee がサイン
した宣誓と、以下の書類が必要である。 した宣誓と、以下の書類が必要である。
最初のオーナーから現在の Assignee
最初のオーナーから現在の Assignee
までの所有権の移転の履歴(chain of までの所有権の移転の履歴(chain of
title)と、これが記録されるべき宣誓 title)と、これが記録されるべき宣誓
を含む書類、または
当該書類がUSPTOに記録されて
を含む書類、または
当該書類がUSPTOに記録されて
23
いる場合には、それを特定する宣誓
いる場合には、それを特定する宣誓
3.73(c)(2),(3)
パス
3.73(b)の書類は、Assignee の代表 3.73(d)
3.73(c)の書類は、Assignee
者によりサインされなければならな の代表者か代理人によりサインされな
い。
ければならない。
<Assignment の記録の引き継ぎ>
継続、分割出願をする場合は、親出願における 3.73(b) 3.73(c)に言及するか、そのコピー
を提出するか、新たな 3.73(b) 3.73(c)の書類を提出する。
CIPの場合は、親出願の Assignment が引き継がれないので、新たな Assignment の提出が
必要。
仮出願の場合、
本出願が仮出願の範囲内のものであれば、
継続分割と同様に引き継がれるが、
仮出願に追加の事項を有する場合はCIPと同様に引き継がれない。
RCEの場合は、RCE前の Assignment がRCE後も有効である。
CPAの場合は不明。
スモールエンティティが適用されている出願のプロセキューション中に譲渡があった場合、
譲り受け人がスモールエンティティであれば、スモールエンティティの書類の再提出は不要
(何
もしなくてよい)
。
特許庁の職員は、一般承継の場合以外は出願、特許を譲り受けることができない。
<プロセキューションをする者>
基本は、発明者が手続きをする。
24
発明者が複数の場合は、全ての発明者が共同して手続きする。
Assignee が全権利について、出願人となった場合(アクションの権利を確立した場合)は、
Asignee が発明者を除外して手続きをすることができる。
一部の持ち分についてのみ Assignee がオーナーである場合、その Assignee と持ち分を譲渡
していない発明者とが共同して手続きを行う必要がある。
Assignee が複数いる場合は、各 Assignee が 3.73(b) 3.73(c)の宣誓を提出し、提出した
Assignee によって全権利が所有されていることを証明し、全 Assignee によって手続きしなけ
ればならない。
<EPAS(Electric Patent Assignment System)>
EPAS は、サインされた譲渡証と同様の効果を有する。
25
MPEP400台
<Representative>
出願人は、自信の出願に対して手続きを行うことができる。出願人は、委任状により、特許
実務者又は共同発明者を代表者とすることができる(1.31)。但し、法人は、出願人であっても、
特許実務者を代表者として定めなければならない。(1.31)
<委任状(Power of Attorney)>
委任状は、特許弁護士(またはエージェント、共同発明者)の個人に対するものでなければ
ならない。特許事務所に対する委任はできない(無視される)
。
複数の個人に委任することができる。委任状では、カスタマーナンバーを用いる場合を除い
て、10人までしか委任できない。委任状には、出願人か Assignee か特許権者(reexam の場
合等)がサインする(1.32)。
委任された者(principal attorney)が、他の者(associated attorney)にさらに委任すること
はもうできない。昔はできた。402.02 406
principal attorney に対する委任が撤回されると、associated attorney に対する委任も自
動的に失効する。
代理人が死亡すると、その代理人への委任は失効する。したがって、principal attorney が
死亡すると、principal attorney への委任が失効し、したがって、associated attorney に対
する委任も失効する。
発明者が死亡すると場合、その発明者による委任状は無効になる。Assaignee がいる場合、
その後のUSPTOからの書類は、代理人ではなく assignee に送られる。
外国(過去問だとカナダ)のパテントエージェントは、US の居住者(resident)であれば、US
アトーニーとしての登録がなくても、USPTO に対して手続きが可能。VISA を有して住んでいる
ことは、
「居住者」とはみなされない(と思われる)
。
11.6
402
<代表の地位(Representative Capacity)>
26
「Representative Capacity を有する特許実務者」という用語が頻繁に出てくる。よくわか
らないが、言葉だけ覚えておく必要がある。
特許実務者は、委任状を使わない場合でも、代表することができる(1.34)。この場合、提出
する書類に、特許実務者の名前と登録番号を記載し、特許実務者がサインする。
Representative capacity の特許実務者は、大概の書類にサインできるが、委任状、宣誓供
述書の提出前を除いて出願書類へのアクセスの許可書、宣誓供述書の提出前を除いて通信アド
レスの変更、ターミナルディスクレーマ、出願取下の請求にはサインできない。但し、継続出
願と共に取り下げる場合は、出願取下の請求にサインできる。
<委任状の撤回(revocation)>
出願人、Assignee、特許権者は、手続き中はいつでも、委任状を撤回できる(3.71)。
カスタマーナンバーを用いた委任状の提出は、それ以前のすべての委任状の撤回とみなされ
る。
委任状の撤回は、権利全体を有する出願人、Assignee、特許権者によってされなければなら
ない。但し、権利全体より少ない人でも、十分な理由と、fee を支払えば、委任状を撤回でき
る場合がある。
委任状を撤回すると、元の代理人に通知が届く。
カスタマーナンバーを用いた委任状において、そのカスタマーナンバーに関するすべての代
理人の委任を撤回すると、その各代理人に通知が届く。
Assignment は、それ自体では委任状の撤回にはならない。しかし、権利全体を有する asigne
出願人は、委任を撤回することができる。また、オーナーシップ(3.73(b))を宣言した asignee
は、出願人は、新たな委任状を提出できる。
委任状の撤回は、USPTOが受領した日に有効となる。
<辞任(withdrawal)>
代理人は、辞任届を提出することで、辞任できる。この時、簡単な理由を述べる必要がある。
辞任は、USPTOが承認(approve)したときに有効となる。
OAの応答期間中であって、応答期限(法定期限(最大延長した時の期限))まで十分な期間
(約30日)が残っていない場合には、辞任は承認されない。
27
代理人が辞任すると、出願人・特許権者に通知が届く。
辞任した後も、クライアントの秘密について守秘義務がある。
<提出書類のサイン>
共同発明者AとBのうちのAがCに委任し、Bが誰にも委任してない場合、BとCがサイン
する。
共同発明者A、Bがそれぞれ別の代理人C,Dに委任している場合、CとDがサインする。
<継続、分割、CIP>
親の委任状のコピーを提出すれば、親の委任状が引き続き有効。
(委任状が発明者によりされており、子出願の発明者に元の出願にない発明者がいる場合を除
く)
<通信先のアドレスと電話番号> 1.33
出願時に、通信先のアドレスと電話番号を ADS 等に記載する。
記載がない場合、最初の発明者が通信先のアドレスとなる。
通信先のアドレスが 2 つ以上ある場合は、原則、PTO はいずれか一方に書類を送る。
Oath 等の提出前は、出願書類を提出した当事者(発明者が出せば発明者、代理人が出せば代
理人、譲受人が出せば譲受人)が変更できる。代理人が出した場合は、書類に記載されている
他の代理人も変更ができる。
通信先のアドレスの変更は、記録された代理人、Representative capacity を有する代理人、
出願人が可能。
親出願で通信先のアドレスを変更している場合、子出願で変更後の通信先のアドレスを再度
提出する必要がある。
正しい住所の記載がない場合:非仮出願(仮出願もほぼ同じ)では、適切な明細書と図面が
提出されたときに出願日が認められる。この場合、ADS(仮出願の場合は、カバーシート)に不
備がある場合、fee 未払いの場合、Oath 等等が未提出の場合に、所定期間内に適切に処置すべ
28
きことが通知される。しかし、ADS に適切な住所がないと、この通知を出せない。この場合、
みなし通知(constructive notice)が出されて、出願日から2月以内に適切な処置をしなければ
ならない。ダメだとみなし取下げ。
代理人が死亡した場合には、
その代理人への委任は撤回されたものとみなされる。
この場合、
書類の送付先は、出願人になる。
<Suspended された代理人>
Suspended された代理人は、代理人として扱われない。審査官は、Suspended された代理人に
対して書類を送ったり、コンタクトすることはない。また、Suspended された代理人は、一般
人と同じなので、公開されていない出願の情報にアクセスすることはできない。
<出願から除外された発明者(Oath 等へのサインを拒絶した場合等)>
除外された発明者は、後から出願に参加することができる。この場合は、Oath 等を提出する。
この場合、後から参加した発明者は、既に提出されている委任状を拒否することはできない。
<発明者以外の出願人>
改正前
①共同発明者の1人が、出願拒否、所在不明の場合は、他の発明者が代表して出願可能(116 条)。
②発明者が死亡または行為能力なしの場合に、法定代理人が出願できる(117 条)
。
③Assignee 等は、発明者が、出願拒否、所在不明の場合に、出願ができる(118 条)
。
発明者でない者が出願する際は、宣誓できない発明者に関する petition を提出する(37 CFR
1.47)。
改正後
上記①②は変わらない。
29
③は、Assignee は、いつでも出願人になれる(118 条)
発明者でない出願人は、発明者の Oath 等の代わりに、代替陳述書(substitute statement)
を提出する 37 CFR 1.64。
発 明 者 死 亡 ま た は 行 為 能 力 な し の 場 合 に は 、 will( 遺 言 ) が 無 い 、 ま た は 、 will で
executor,administrator(遺産管理人)が指定されていない場合であって、かつ、estate(遺産)
が法定の額以下である場合には、heir(遺族)が(法定代理人として)出願に加わることができ
る。それ以外の場合には、executor 等が法定代理人として出願に加わると思われる。但し、発
明者が死亡しても、executor 等がプロセキューションに加わらない限り、プロセキューション
は停止しない。
<代替陳述書(substitute statement)> 1.64。
以下を記載する。
・発明者の指名
・代替陳述人の氏名と、発明者との関係、(ADS に記載がない場合は、住所等も)
・状況(発明者が死んだとか)
・発明者の最後のメーリングアドレスと住所(住所はメーリングアドレスと違う場合のみ)
・ADS に記載がない場合には、他の各発明者の名前
・嘘で代替陳述した場合は、罰せられるとの宣誓
代替陳述書を出す人は、出願内容とIDSの義務を理解しなければならない。
Oath 等を出さなかった発明者は、後から Oath 等を出すことで出願に加わる事が出来る。但
し、他の出願人の同意なく委任状の破棄や他の委任状の提出はできない。
30
<継続、分割、CIP、CPA、RCE、仮出願後の本出願における、各書類の提出の要否>
継続(分割)
CIP
CPA
RCE
仮→本
Oath 等
コピー※1
コピー※1
不要
不要
本で提出
譲渡証
不要
新たに提出
不要
不要
不要※2
委任状
コピー※3
コピー※3
?
不要
本で提出
スモールエ
再提出
再提出
再提出
不要
-
再提出
再提出
たぶん不要
たぶん不要
-
ンティティ
affidavit
※「コピー」は、親出願で提出した書類のコピーを提出するの意。
※1
発明者に変更がない場合。変更がある場合は、MPEP200 を参照。
※2
仮出願と本出願とで assignee が異なる場合は、再提出。
※3
委任者が発明者であり、発明者が変更される場合は、再提出。
31
MPEP500台
○特許庁への書類の提出
<提出方法>
・郵送、FAX、直接提出が可能。
<FAX>
CPA, amendments, Oath 等, petitions, IDS, terminal disclaimers, notices of appeal and
appeal briefs, RCE, assignment, issue fee transmittals, authorizations to charge depsit
accounts, 国際出願の中間手続(demand, 補正, 見解書に対する応答等)で使用可能。
continuation
application,
request
for
reexamination,
Notice
of
Incomplete
nonprovisional application に対する応答、図面提出命令に対する図面の提出、国際出願の出
願手続、国内移行手続きでは提出不可能。
(CPA を除いて、出願を開始する手続きや出願日の認
定を受けるための手続きには使えない)
FAXで提出された日が休日であれば、休日明けにUSPTOに受領される。
<Express Mail>
U.S. Post Office の Express Mail というサービス。日本の書留みたいなもの。Post Office
に預けた日(deposit)が USPTO の受領日となる。但し、送達された書類に、受付日が明瞭に記載
された郵送表が添付されていなければならない。1.10c2
Express mail を使わないで郵送した場合は、実際に届いた日が USPTO の受領日となる。
基本的にほぼすべての手続きに対して使用可能。但し、U.S. Post Office のサービスなので、
外国から US への手続きには使えない。
<E-mail>
・審査官の裁量で認められる場合があるが、基本的に無視される。
32
<Certificate of mailing or transmission> 1.8
この Certificate を同封して特許庁と通信(FAX,郵送)することで、何らかの事情によ
りUSPTOへの到着が遅れたり、到着しなかった場合でも、certificate に記載の日に到着
したものとして扱われる。
・電子メールでのやりとりでは使えない
・郵便の場合、US Post Office による郵便にしか使えない(Fedex や国外からの郵便では使
えない)
・FAXなら、全世界からのものに使える。
・使用可能な手続きは、RCE, IDS, Notice of Appeal, Appeal Brief くらい。
・CPA を含む出願の開始の関係の手続きには使えない。
・国際出願の関係も、出願手続き、中間手続、移行手続きの全てに対して使えない。
・この Certificate には 2 つのサインが必要。
・到着しなかった場合は、Certificate と通信した書類の提出が必要。
・この Certificate は、Express Mail で日付が証明された場合は無視される(例えば、Express
Mail のスタンプが Certificate の日付より遅い場合、遅い方の日が提出日となる。
)
。
---------------------------------------------------------------------USPTO とのやりとりの基本
Express Mail は万能。
Certificate of Correction/Transmission は一番使えない。
FAX はその中間。
(Express Mail)
ほぼ全ての手続きに使用可能。
但し、US Post Office のサービスであるので、外国からアメリカへの書類の送付には使えな
い。
(FAX)
出願系(継続、CIP 含む)の手続(出願を開始するための手続きや、出願日の認定を受ける
33
ための手続き)には使えない。但し、CPA には使える。中間系の手続きは、使える場合が多い。
国際出願も、中間系の手続きのみ使用可能。
外国からアメリカへの書類の送付に使える。
頻出は以下の通り。
・使える手続き
CPA、RCE、IDS、Notice of Appeal、Appeal Brief、PCT 出願の中間関係(Demand, 国際調査
機関及び国際予備審査機関に対する応答)
・使えない手続き
国内出願、国内出願の確定(Notice of Imcomplete に対する応答)
、国際出願、国内移行、
特許発行後の手続き(Reissue, Reexamination)
(Certificate of Mailing/Transmission)
出願系(継続、CIP 含む)の手続(出願を開始するための手続きや、出願日の認定を受ける
ための手続き)には使えない。CPA もダメ。国際出願は、出願系、中間系にかかわらず使用不
可。
頻出は以下の通り。
・使える手続き
RCE、IDS、Notice of Appeal、Appeal Brief
・使えない手続き
その他ほぼ全て
(E-mail)
基本的に、使えない。
----------------------------------------------------------------------
34
<出願日の認定>
非仮出願は、明細書(クレーム含む)
、必要な図面(112、113 条を満たす)が提出されない
と、出願日が認定されない。認定されない場合は、Notice of Incomplete Application が出さ
れる。この応答期間内に適切に応答すると、その応答日が出願日となる。
仮出願の場合は、明細書(クレームなしでもよい)
、必要な図面(112、113 条を満たす)が、
出願日認定の要件。認定されない場合のその後の手続きは、非仮出願の場合と同じ。なお、仮
出願であることを示すカバーシートがない場合は、非仮出願とみなされる。
<特許庁が file をなくした場合>
特許庁が file をなくした場合は、出願人に通知する。出願人は、特許庁との間でやり取りし
た通信の写し、そのリスト、及び、正確なコピーであることの陳述書を提出する。提出しない
と、取下げ犠牲。但し、代理人が通信の写しを利用できないこと(出願を途中から引き継いだ
から書類がないとか、書類をなくしたとか)を主張すれば、十分な応答とみなされる。
<fee の支払>
手続時(in advance)に支払うのが原則。
余分な支払いに対して返金の申請が可能。返金の申請は、納付の日から2年以内にする。但
し、スモールエンティティなのにフルの fee を支払った場合は、支払から3月以内(延長不可)
に返金申請する。
返金可能なのは、エラーにより支払われた料金。出願した後に気が変わったので出願を取り
下げても、出願基本料は返金されない。
デポジットアカウントがあり、general authorization を出していると、支払いを忘れた場
合でも自動的にデポジットアカウントから引き落とされる。但し、issue fee は、自動的には
引き落とされない。明示の請求が必要。
25ドル以下の金額の返金も可能。但し、必ず請求が必要。
fee が不要なのに fee が支払われたときは、誤って支払われたとみなす。
○スモールエンティティ
35
<要件>
・人:自然人であって、他人に譲渡、ライセンス等しておらず、譲渡、ライセンスの義務を負
わない者。但し、(全ての)譲渡先がスモールエンティティである場合を除く。
・小規模企業体:上記太字部、かつ、所定の小規模な団体(従業員 500 人以下)であること。
・非営利団体:上記太字部、かつ、いずれかの国の大学、課税免除を受けている非営利団体、
所定の教育に関する非営利団体、または、同様の外国の非営利団体であること。
※contract employee は、従業員にカウントしない。
※スモールエンティティでない会社に shop right(職務発明の法定通常実施権)が生じる場合
の発明者は、スモールエンティティではない。
※米国政府(federal government agency)は、スモールエンティティではなく、fee の支払い
義務自体がない。
※自然人が、米国政府等にライセンス等する場合は、スモールエンティティの権利は失われな
い。
※日本の特許に関する権利をスモールエンティティでない団体に譲渡等した場合でも、アメリ
カの権利を譲渡等してなければ、スモールエンティティになれる。
発明に関する権利を有する全てのものがスモールエンティティでなければならない。
<割引される fee>
出願費用、延長費用、unintentional 等で期間渡過の場合の revival fee、issue fee、ディ
スクレーマフィー、特許維持費用等
<割引されない fee>
petition fee, processing fee, document supply fee, certificate of correction fee,
reexamination fee, miscellaneous fee 、 国 際 出 願 費 用 , fee for recording a document
affecting title、IDS費用
36
<スモールエンティティであることの主張(assertion)>
書面にサインして提出できるのは、発明者、代理人、Assignee、出願人、代理人または代表
者、出願人である発明者(一人でも可能)、Assignee(ただし、複数の Assignee がいる場合、
Assignee が法人である場合は代理人がしなければならない)
。
出願時にスモールエンティティとしての正確な出願 fee を支払う場合には、上記書面の代替
としてスモールエンティティとしての主張となる。
一度スモールエンティティの主張を行うと、その出願において効果は継続。
(したがって、出願時にスモールエンティティの正確な fee を支払うと、その後、スモールエ
ンティティの主張の効果が継続するので、プロセキューション中にスモールエンティティの書
面の提出の必要はない。issue fee 等もスモールエンティティの fee で支払える)
但し、継続出願(継続、分割、CIP)
、Reissue 出願、CPAでは、再度手続きが必要。R
CEは一切手続き不要。
出願人がスモールエンティティの適用を受けており、その後、スモールエンティティの要件
を満たす他の者に出願を譲渡した場合は、譲受人はスモールエンティティの手続きをする必要
はない。
スモールエンティティの要件を満たさなくなった場合は、その除去(removal)の書面を提出し
なければならない。要件を満たさないのにスモールエンティティの適用を受けると、fraud と
みなされることになる。
通常 fee 支払い後に小規模団体の適用を受けると、支払い日から3月以内に返金を請求でき
る。
スモールエンティティの要件を満たさないのにスモールエンティティの fee を支払った場合
は、その後、悪意ないエラーであることを示す書類とともに足りない fee を支払うことで、エ
ラーを回復できる。このとき。特殊ルールがある。例えば、支払うべき fee$600で$30
0のみ支払った場合。現在の fee が変わらず$600であれば、残りの$300を払う。現在
の fee が$650に上がっていれば、$350支払う。現在の fee が$550に下がっていた
としても、$300ドル支払う(減る事はない)
。
37
<マイクロエンティティ(改正)>
スモールエンティティの要件を満たすこと、
これまでの出願件数が4件を超えていないこと、
国民の平均所得の3倍以下の所得であること、および
マイクロエンティティを満たさない者に権利譲渡、ライセンスをしていないこと、
または、
高等教育機関等
38
MPEP600台
<出願書類> 111
非仮出願の必要書類
(A)明細書(クレーム含む)
(B)図面
(C)Oath 等
.Oath は notarized(公証)が必要。declaration は不要。
(D)fee
・明細書、図面が出願日の認定要件
・fee 及び Oath 等は、明細書及び図面の提出後でも、所定の期間内に提出できる
<仮出願の必要書類>
(A)明細書(クレーム不要)
(B)図面
(C)fee
(D)カバーシート
・明細書、図面が出願日認定の要件(ただし、カバーシートで仮出願であることを明記しない
と、非仮出願として扱われる)
・カバーシート、fee は、明細書及び図面の提出後でも提出可能
39
<不完全な出願の処理> 601.01(d)
①出願日認定要件は満たすが、明細書の一部が抜け落ちている場合
Notice of Omitted Items が発行され、2月の期間が指定される。出願人は、
1.間違いなくUSPTOに提出したとの petition の提出
2.省略された書類と、その書類の提出日が出願日となることの宣誓書を提出する。
3.何もしない。
(この場合、出願日は維持されるが、出願時の提出書類がすべての書類とみ
なされる)。
(書類が省略されたことによる段落番号の書き直し等の補正をする必要がある)
4.優先権、先願の利益、Incorporated by Reference を主張している場合には、先願の範
囲内で補正が可能。この場合、出願日は維持される。
②出願日の認定要件を満たさないほど明細書が不完全な場合
・Notice of Incomplete Application が発行され、2月の期間が指定される。出願人は、
1.間違いなくUSPTOに提出したとの petition の提出
2.省略された書類と、その書類の提出日が出願日となることの宣誓書を提出する。
3.優先権、先願の利益、Incorporated by Reference を主張している場合には、先願の範
囲内で補正が可能。この場合、出願日は維持される。
③クレームがない場合(非仮出願のみ)
1.間違いなくUSPTOに提出したとの petition の提出
2.クレームと、そのクレームの提出日が出願日となることの宣誓書を提出
※出願日の繰り下げを防止するために、
(1)元の出願を仮出願に変更(convert)し、
(2)その
仮出願の利益を主張して、完全な本出願を出願することができる。仮出願はクレームが不要な
ので、(1)の仮出願の出願日は認められる。この仮出願の利益を主張した(2)の本出願では、
仮出願の出願日の利益を受けられる。
④必須の図面がない場合(出願日が認められない)
出願人は、
1.間違いなくUSPTOに提出したとの petition の提出
2.図面が必須でないことの petition
40
3.省略された図面と、その書類の提出日が出願日となることの宣誓書を提出
4.優先権、先願の利益、Incorporated by Reference を主張している場合には、先願の範
囲内で図面追加の補正が可能。この場合、出願日は維持される。
⑤必須でないが、明細書で言及された図面がない場合(出願日は認められる)
①と同じ処理が行われる。
※Notice to file missing part 等の期間は、petition と fee 提出により 5 月まで延長可能
(1.136a)。2月+5月でMAX7月までOK。
<通信先のアドレス(correspondance address)> 601.03
出願に関する書類は、通信先のアドレスに送付される。
通信先のアドレスは、出願時に ADS に記載する。
通信先のアドレスが明示されていない場合、最初に記載されている発明者の住所が通信先の
アドレスとなる。
但し、電子的に提出した書類の受領書は、提出者に送られる。
通信先のアドレスが2つ以上ある場合は、USPTOはいずれか一方にのみ送付する。
通信先のアドレスを変更できるのは、登録された代理人、capacity を有する代理人、発明者、
アサイニー。
<非仮出願から仮出願への変更(convertion)> 1.53
・本出願の取り下げ、issue fee 支払い、出願から12月経過よりも前に可能。
・本出願で主張していた優先権等はすべて無効。
・仮出願がクレームを有していない場合、変更時にクレームを提出する旨の通知が出される。
41
<仮出願から非仮出願への変更>
・仮出願の取下げ、仮出願から12月経過前に可能。
・仮出願後に本出願をした方が、変更よりも、費用が安い。また、変更は、元の仮出願の出願
日から特許の存続期間が計算されるのに対し、仮出願後の本出願では、本出願の出願日から存
続期間が計算される。変更は損なので、あまりする意味がない。
(本出願で仮出願の利益を主張する場合は、仮出願が取り下げられていてもよい。)
42
<ADS(Application Data Sheet)> 601.05
1.76
<内容>
非仮出願、仮出願に添付可能な任意提出書類。
但し、以下の場合は必須書類
先願の利益、優先権を主張する場合は必須書類。
アサイニーが出願人になる場合は必須書類。
以下が記載事項
(1)inventor information (名前、住所、通信アドレス)
(2)correspondance information
(3)application information(発明の名称、図面の枚数、選択図、整理番号、機密情報の有無)
(4)representative information (代理人の登録番号)
(5)domestic priority information (出願番号、出願日、状態、関係(仮出願、継続等))
(6)foreign priority information (出願番号、国、出願日)
(7)applicant information(名前、代表住所、Assignee かどうか)
(8)手続者(代理人)のサインが必要。
改正後
(1)は、正式な発明者を定める。より詳細には、ADS が Oath 等と同時かそれより前に提出され
れば、
ADS が発明者を定める(ADS と Oath が矛盾する場合は ADS が優先される 1.76d2 改正)。
ADS
なしで Oath 等が提出されれば、Oath 等が発明者を定める。一旦発明者が定まると、1.46 の手
続きによらなければ発明者を変更できない。1.41
(2)は、これにより correspondance information が確定する。
(4)は、これによって委任が成立するものではない。委任状がないとダメ。
(5)(6)は、正式な表明となる。 1.76b5, 1.76b6
改正前
(1)発明者と発明者の国籍は、Oath 等が優先される。ADS の提出後に ADS と異なる発明者、国籍
を記載した Oath 等が提出された場合は、Oath 等に記載の情報が正式なものになる。
43
(5)(6)は、ADS、Oath 等、明細書の冒頭の何れかで主張できる。
発明の名称が ADS に記載されてない(又は ADS を提出しない)場合、明細書の最初に発明の
名称を記載しなければならない。発明の名称は 500 字未満でなければならない。
発明の名称は、
技術的に正しくなければならない。
<ADS の情報の修正、変更>
issue fee の支払い前であれば、手数料と共に supplemental ADS の提出することで、ADS の
記載事項を修正・変更できる。
修正の際は、修正後の ADS 全体を提出してもよいし、修正した部分だけを提出してもよい。
補正と同様に、アンダーライン、取り消し線を入れる。
ADS と他の書類との情報に齟齬がある場合には、最新に提出された書類の情報が正式な情報
とされる。ADS と他の書類が同時に提出された場合には、ADS が優先される。但し、以下の例外
がある。
・発明者(1)は、1.48(発明者の修正手続き)によらなければ変更できない。
・優先権等(5)(6)は、1.55, 1.78 参照(4 月、16 月の期限がある。)
。
<Oath or Declaration> 602 1.63 1.68
<内容>
1.必須記載事項
・サイン
・サインをした発明者の名前
・全ての発明者の名前
・発明者の国籍
・サインした者が、オリジナルの、かつ、最初の発明者である、との宣誓
・Oath 等を提出する者によって、出願がされた、または、出願が許可されたとの宣誓
44
・出願の特定
・出願の内容を理解した、との宣誓
・IDS義務がある、との宣誓
2.ADS に記載がない場合に、記載すべき事項
・全ての発明者の名前
・全ての発明者についてのメーリングアドレスと、さらに、メーリングアドレスと異なる住所
に住む発明者がある場合には、その発明者の住所
・domestic priority information (出願番号、出願日、状態、関係(仮出願、継続等))
・foreign priority information (出願番号、国、出願日)
3.Oath 等は、コピー(原本ではない)を提出する
4.Oath 等が外国語である場合は、その英訳と、英訳が正確であることの宣誓を共に提出する。
1.69
5.Oath 等のサイン後に、明細書等の軽微なミスの修正が可能となった(1.52(c))。
6.Assignment が Oath 等を含んでいてもよい。
7.発明者の名前は、first name と family name はフルネームで、残り(middle name)はイニ
シャルでもフルネームでもよい。発明者の名前が変更(結婚等)された場合は、petition で変
更できる。
8.
国際出願の場合は、
国際出願日が2012年9月16日以降である場合に新 Oath 等が適用。
<Filing Fee> 607
非仮出願では、出願時に fee(basic filing fee, search fee, examination fee)を支払わ
45
ないと、所定期間が指定される。この期間内にサーチャージと共に fee の支払いができる。
非仮出願では、出願時またはプロセキューション中に exess fee(独立クレーム数が3個を超
える場合、総クレーム数が20個を超えるの場合に必要), multipul dependent claim fee(マ
ルチ従属を使った場合に必要), applecation size fee(明細書が 100 ページを超える場合に必
要)を請求される場合がある。但し、exess fee と multiple dependent fee は、クレームを補
正(減らす、マルチ解消)することで対応することもできる。
仮出願では、出願時に basic filing fee の支払いが必要。支払わないと、所定期間が指定さ
れる。この期間内にサーチャージと共に fee の支払いができる。
審査前に出願を取り下げると、search fee, excess claims fee の返金を請求できる。請求
できる期間は、支払から2年。
46
○開示 608
<外国語による出願> 1.71 1.52
非仮出願は、外国語でできる。この場合、英訳、英訳が正確であることの宣誓、及び、手数
料を指定期間内に提出する。
仮出願は、外国語でできる。この場合、仮出願に対しては英訳と、英訳が正確である旨の宣
誓書は要求されない(出してもよい。)
。仮出願でこれらを出していない場合には、本出願で、
仮出願の英訳と、英訳が正確であることの宣誓書の提出期間が与えられる。これらを出さなけ
れば、本出願で出願日の利益をえられない。仮出願で英訳等を出していない場合、本出願の後
に所定期間が指定される。その期間内に、仮出願の英訳等を提出する、仮出願において既に提
出済みであるとの回答をする、ADS における仮出願への言及を削除する(先願の利益を放棄)
をすることができる。さもなくば、本出願は取下げとなる。仮出願が取り下げられていても、
翻訳等は提出できる。
<Abstract> 1.72
150 ワード以下
Abstract は、クレーム解釈に使われる(日本と違う)ので、以下のように明細書と同様の扱
いがされる。
Abstract は、
112条第1パラグラフの開示の一部となる
(Abstract に基づいて補正が可能)
。
Abstract に対する補正でも、new matter に注意する必要がある。
Abstract は、特許公報に掲載される。
Abstract は、読み手の知識にかかわらず、何が新しいかが分かるように記載しなければなら
ない。
Abstract に不備があり、それ以外は特許可能である場合は、審査官は、出願人の許可を得て
から審査官補正で Abstract を修正し、特許を発行する。608.01b
47
<明細書>
・明細書は、フローチャートやイラストを含んではならない。表や化学式は OK。
・サマリーでは、開示の全体ではなく、発明について説明する。
・図面の説明 1.74
図1A、図1B、図1Cをまとめて図1と呼ぶことはできない。
・詳細な説明
同じの参照記号を異なるものを示すために使用してはいけない。
・クレーム
クレームは、drawings や flow diagram を含んでいてはならない。化学式、数式はOK。表
は、特定の場合にOK。
クレームが1つだけの場合は、クレームに番号を付さなくてもよい。
ジェプソンクレームでは、”werein the improvement comprises”と記載。
クレームが明確で、明細書、図面にそのサポートがない場合は、明細書、図面を補正してク
レームをサポートすべきである。
複数の独立クレームに対して従属するマルチクレームは適法。
不適法なマルチクレーム(択一的でない場合や、マルチのマルチ)は、規則 1.75 で objection
となる。
不適法なマルチクレーム(択一的でない場合や、マルチのマルチ)は、1クレームとして fee
が計算される。
マルチクレームに従属する単一従属クレームは、マルチと同数として計算される。例えば、
クレーム3が1または2に従属、クレーム4が3に従属する場合、3のクレーム数は「2」で
あり、4のクレーム数は「2」である。
従属クレームは、従属元のクレームよりも狭くなければならない。例えば、構成要件Aを省
略した等の従属クレームは不適法(112 条第4パラグラフで rejection)
。
従属クレームが従属元クレームと同じ範囲の場合は、規則 1.75 で objection となる。
48
従属元のクレームが rejection を有しており、従属クレームは、独立クレームに書き直せば
許可可能である場合は、objection となる。
審査の途中でマルチ従属クレームを追加する場合は、マルチクレーム fee を払わなければな
らない。
・先願の利益の主張 1.57
先願の利益の主張は、incorporated by reference(IBR)と解釈される(明細書中に IBR を記
載しなくてもよい)。この場合、先願に基づいて補正ができる。補正可能期間は、プロセキュー
ションの終了(つまり、Appeal への移行、Final OA の発行、許可通知の発行まで)
。
この補正を行うには、
・先願のコピーの提出(但し、先願が仮出願、US非仮出願の場合は不要)
・先願の翻訳文(但し、先願が英語の場合を除く)
・先願における補正の根拠となる箇所の特定
が必要。
先願の利益を主張していない場合でも、明細書で IBR を明記すれば、その文献に基づく補正
ができる。
不適法な IBR を修正するには、既に参照された資料を挿入すること、及び、新規事項でない
ことの statement を提出する必要がある。
・差換え明細書 608.01(q)
明細書が、理解しがたいほど不明確な場合等(補正が繰り返されて、正式な1つの明細書が
必要な場合等)に、USPTOは明細書の全部または一部の書き換えを要求できる。この場合、
substitute specification と新規事項を含まないことの宣誓書を提出する。修正箇所に下線、
取り消し線等をいれた明細書と、クリーンバージョンの明細書の2つを提出する。issue fee
の支払い前であれば、自発的にこの手続きを行うこともできる。
・608.01(t)
明細書で削除した事項は、補正により元にもどせる。キャンセルしたクレームは、補正によ
49
り新たなクレームとして追加する場合のみ、記載できる。
・608.01(v)
クレームで商標は使用すべきでない(原則、112条第2パラグラフ違反)が、その商標の
意味があきらかな場合のみ使用が許される。その場合、商標は、大文字で記載すること等によ
り、通常名詞と区別されなければならない。
50
<図面> 608.02
図面は、発明の理解に必要な場合は提出しなければならない。これがない場合、出願日は認
められない(図面提出日が出願日となる)。
発明の理解に必要ではないが、図面による説明が可能であり、
そのような図面がない場合は、
USPTOは図面の提出を求めることができる。
但し、
新規事項を追加する図面は許されない。
この場合、図面を提出しても元の出願日が認められる。
カラー図面を提出する場合は、そのカラー図面を3枚と、なぜカラーが必要なのかを説明す
る petition と、fee を提出する。さらに、明細書の図面の簡単な説明の欄に所定の文章を記載
する。
カラー写真の場合もカラー図面と同様に3枚必要。
白黒写真は1枚でよい。
図面の書式が適切でない場合(公開に適さない場合)は、審査前に適切な図面の提出命令が
来る。応答期間は2月(延長可)。
Notice of allowability により、図面が適切でない通知が来る場合がある。この場合、応答
期間は3月(延長不可)。
非仮出願の図面は、クレームされた発明の全ての特徴を示さなければならない。但し、従来
知られている事項については、詳細図は不要であり、ボックスに参照番号を付す程度の記載で
よい
(1.83)
。
違反すると、
クレームの構成要件が図示されていないとの objection が出される。
可能であれば、図面は、従来の構成と、改良に係る構成を分けて記載する。
projection line(寸法補助線)、center line は使用不可。
<図面の補正>
図面の差し替えの場合は、”Replacement sheet”と記載する。そのシートには、元のシート
に記載されている全ての図面を記載する。
図面追加の場合は、”New Sheet”と記載する。
図面の補正内容は、補正書の中の図面補正または備考(remarks section)の中で説明すべき。
51
<Model and Exhibit, Specimen(モデル、雛形、試料)> 608.03
Director は、モデル等の提出を要求することができる。
発明が組成物に関する場合は、Director は、実験または検証の目的で、試料(specimens)ま
たは成分(ingredient)を要求することができる。608.03
モデル等は、デモンストレーション用にインタビューで使用できるが、file の一部になるこ
とは原則としてできない。
但し、これらが図面としての要件を満たすか、USPTOによって求められた場合は、file
の一部とすることができる。この場合、petition(なぜこれらが必要か説明する)と petition
fee も提出する。それ以外の場合は、写真で提出するしかない。
模型等がUSPTOで必要なくなると、返却される。返却の手配は出願人が行う。出願人は、
file の一部であった模型等、または、写真が file された模型であってUSPTOから返却さ
れたものを特許が権利行使可能な間は保持しておく必要がある。返却の手配を適切にしなかっ
た場合は、破棄される。
<補正> 608.04 1.121
出願日に行った自発補正は、original disclosure である。この補正で新たな事項が加えら
れる場合は、
元の出願と補正に言及する Oath 等が必要となる。
出願日に自発補正を行い、
後日、
自発補正に言及する Oath 等を提出してもよい。
明細書の New matter との判断に対する不服申立は petition により争う。但し、クレームの
New matter または明細書の New matter でクレームに影響するものに対しては、Appeal により
争う。608.04(c)
<CD> 608.05 1.52
以下は、CD-ROMまたはCD-R(以下、CD)で提出可能
・コンピュータプログラムリスト(300行を超えるもの)はCDで提出しなければならない
(must)。
・シーケンスリスト、
52
・単一の表であって50ページを超えるもの、
・一出願に含まれる表であって総ページ数が100ページを超えるもの
は、CDで提出できる(may)。
なお、300行以下のコンピュータプログラムリストは図面で提出する。
上記のページ数以下の表は明細書か図面で提出する。
明細書で、CDが参照されることを記載する必要がある。
CDを提出するときは、CDの複製(duplecated copy)も提出する。
※Gene sequence(遺伝子配列)を提出する場合は、CD以外の種々の記録媒体(Diskett,
Magnetic Tape, 8mm Data Cartridge, CE, Magnet Optical Disk)で提出できる。
<クレーム要素の図示> 608.02(d)
1.83
全てのクレーム要素は、図面に図示される必要がある。これを満たさないと objection とな
る。
53
○IDS
609, 2000, 1.97-1.98
<開示義務を負う者>
・発明者
・代理人
・出願の準備、prosecution に実質的に関わった、発明者または譲受人に係る全ての者
※義務は、各個人が負っており、法人が負っているのではない。
<開示すべき情報>
material な情報
開示する情報は、刊行物に限られず、また、patentability にとって重要(material)なもの
であるので新規性、進歩性に限られない。
特許性を肯定するような情報は、提出する必要はない。
発明はまだ実施していない(理論のみである)との情報は、提出する必要はない。
(既に行っ
た主張に矛盾しない場合)
同時係属する関連出願がある場合には、互いにIDSする必要がある(2001.06(b))。但し、
継続、分割、CIPの場合は不要。
<情報開示書の内容> 1.98
・刊行物の一覧(米国特許及び公開広報は、他の刊行物とは別欄に記載)
・各刊行物について、審査官のチェック欄(考慮された文献を示すため)
・米国特許は、発明者、特許番号、発効日を記載する。
・米国公開広報は、出願人、公開番号、公開日を記載する。
・米国出願(未公開)は、発明者、出願番号、出願日を記載する。
・外国特許、外国公開広報は、国(または管轄特許庁)、文献番号、公開日を記載する。
・その他の文献は、出版者、著者、タイトル、該当ページ、日付、出版の場所を記載する。
54
<添付書類>
・写し:米国特許、米国公開広報以外については、書類の写しの提出が必要。つまり、以下は
写しの提出が必要
・外国特許文献
・非特許文献
・未公開の係属中の米国特許出願(但し、USPTOのIFWシステムに記憶されてい
る場合は、不要)
※重複(cumlative)する文献がある場合は、コピーは1方だけ提出し、2つの文献が重複する
旨の statement を提出すればよい。
・翻訳文
提出する文献が非英語文献であり、利用可能な英語翻訳文が存在する場合には、その英語翻
訳文を提出しなければならない(してもよい?)
。
・簡単な説明(concise explanation)
上記写しのうち、非英語文献について英語による説明を添付する。
この説明は、完全な英語翻訳文を提出する場合には、提出を省略できる。
・この説明は、明細書中に記載してもよい。
・英文要約は、簡単な説明になり得る(609.04(a) III)。
・対応外国出願のOAのうち、その情報に関する説明の部分の英語翻訳文は、簡単な説明にな
り得る(609.04(a) III)。
・非英語文献に、簡単な説明で説明したものよりも重要な情報が含まれている場合には、不正
行為とみなされるおそれがある。
<継続、分割、CIPの出願時>
親出願で既に考慮された情報についてのIDSの再提出は不要。
但し、継続出願等の特許に考慮された文献を掲載したい場合には、先願でIDSした文献の
55
リストを提出する必要がある(写しや翻訳等は不要)
。
親出願で考慮されていない(まだ、審査官のチェックがない)情報は、継続出願等でIDS
する必要がある。
<RCE,CPAの場合>
以前にIDSで提出した文献は、審査官に考慮されたか否かに係らず、再提出の必要はない
(何もしなくてよい)
。
<国内移行の場合>
・国内移行手続きによる移行の場合
国際調査報告(ISR)に記載の文献は、自動的に審査官に考慮される。但し、特許に考慮された
文献としては掲載されない。
国際予備審査報告(IPER)に関しては、不明(考慮されないと思われる)。
・バイパス出願による移行の場合
ISR, IPER に記載の文献は自動的には考慮されない。IDS する必要がある。
<再発行出願の場合>
再発行出願では、出願時または出願時から2月以内にIDSする必要がある。但し、この2
月の期間を放棄することができる。
この場合、
出願時またはその後できる限り早くIDSする。
<義務の期間>
1.97
義務は、特許が発行されるまで続く(until patent is granted)。
CIPでは、親出願の出願時から義務がある。
再発行(Reissue)出願中も、IDSの義務がある。
56
<提出期間>
①出願(国内移行日)から 3 月または 1stOA の何れか遅い方まで(RCE,CPA の場合は、その日か
ら 1stOA まで)
・情報開示陳述書のみを提出
②その後、Final アクション(final OA, Notice of Allowance、Ex parte Quayle action)まで
・1.97(e)の宣誓書(3 か月以内に知ったことの宣誓書)
、または、fee と共に提出
③その後、特許料納付まで(Appeal 中もこれに該当する)
1.97(e)の宣誓書(3 か月以内に知ったことの宣誓書)
、および、fee と共に提出。
※3か月以内にIDSできなかった場合は、RCE(継続出願)と共に IDS。issue fee は払わなく
てよい。
④特許料納付後
提出できない(file に入れるだけなら可能だが、考慮されない)
文献が考慮される必要がある場合は、以下のいずれかを行う。
(i)発行からの取下げの petition(1.313(c))と、RCE と、IDS をする。
(ii) 発行からの取下げの petition(1.313(c))と、継続出願と、IDS をする(この場合は、親
出願を放棄してもよいし、ほっておいてもよい。
)
。
※①上記にかかわらず、出願から3月以内であれば、何があってもIDSを無条件で提出でき
る(3月以内に、FinalOA、許可通知等があっても)
※①ここでいう 1stOA は、restriction requirement 等を含まない。
※②③Final アクションがその後取り下げられた場合には、②の条件に戻る。
※②③Ex parte Quayle action は、特許できるが方式の不備があるとの通知であり、実質的に
プロセキューションを終了させるアクションである。
※外国のOAで文献を知った場合は、外国のOAに記載の日付が3月の期限の開始日となる。
2つ以上の日付がOAに記載されている場合は、mailing date が開始日となる。実際に代理人
が受領した日ではない。
57
<1.97(e)の宣誓書の内容>
(i)外国のOAで情報を知った場合:宣誓の提出日から3月以内に、その情報が外国の出願のO
Aで最初に引用(first cited)されたものであるとの宣誓
(ii)その他の場合:提出する情報が、いずれの外国OAでも引用されておらず、IDS義務を
有する者が宣誓の提出の3月よりも前に知らなかったとの宣誓
※(i)の文献と(ii)の文献を同時に提出する場合は、(i)と(ii)で IDS の書類を分けて、それぞ
れについて別個に 1.97(e)の宣誓書を提出する。
<Therasense 判決>
不公正行為(Inequidable Conduct)が認められるための要件は、「欺く意図(deceptive intent)」
と「重要性(materiality)」。
(1) 「意図」と「重要性」は個別に判断されなければならない。
(意図の証明レベルの低さ
を重要性の証明レベルの高さで補うことはできない(Sliding scale の禁止)
。
(2) 意図の証明には騙す「特別の意図」が明白且つ説得性の証拠レベルで立証されなけれ
ばならない。 つまり、出願人が引用文献を知っており、その文献の関連性が重要であることを
知っており、情報を開示しないという決定を意図的にしたことを立証する。
(3) 但し、「騙す意図」は状況証拠によって立証することは可能である;
(4) 被疑侵害者が不公正行為の要素を立証する責任を負うので、
「意図」を証明できない限
りは特許権者に「意図」がなかったことの立証責任は生じない。
(5) 「重要性」の要件を立証するには「BUT-FOR テスト」を用いること、即ち、PTO に提出
されなかった情報が PTO に提出されていたらクレームが許可されなかったであろうと判断され
る場合には「BUT-FOR テスト」を満たす(37 CFR 1.56 (b)の prima facie 基準は否定された)
。
(6) 但し、
「甚だしく不誠実な行為」があった場合には「BUT-FOR テスト」を経ることなく
「重要性の要件」を満たすと判断しても良い。
58
MPEP700台&2100台
○出願の審査 700
<追加の情報の要求>1.105
審査官は、プロセキューション中に発明者等に追加の情報を要求することができる。何も応
答しない場合には、出願が取下げとなる。
この要求はいつでもできる。
オフィスアクションとこの要求を組み合わせてもよい。
この要求に対する応答は、わからない、情報が得られない等でもよい。
(例えば、出願時と代
理人が変わっている場合には、現在の代理人は情報を得られない等の応答が可能。)
要求できる情報は、出願に関する情報(ほぼ何でもアリ)
、審査官が正確に把握してない引用
文献の公開日、CAFCによる判決についてのコメントなど。
Reissue の審査でも要求できる。
<審査官が file をなくしたときの要求>
1.251a,b
審査官は、出願を発見できないとき(file をなくしたとき)
、出願人にその旨を通知する。
出願人は、
①特許庁との全ての通信のコピー、そのリスト、コピーが正確なものであること及びリストに
挙がってない通信がない旨の宣誓、または
②通信を持ってない(捨ててしまった等)の宣誓
の何れかを提出する。
<abstract を引用文献として用いる場合>
引用文献の Abstract のみに基づいて拒絶がされる場合がある。特に、文献が英語でない場合
に、Abstract のみにもとづく拒絶がされる場合がある。この場会、引用文献は、Abstract であ
り、文献全体ではない。これはあまり好ましくないが、やってもよいことになっている。この
59
場合、実際の文献の内容が Abstract の解釈に影響する場合があるため、拒絶が適切でない場合
がある。
非英語の文献に基づいて拒絶するには、審査官はその英文翻訳を提供する必要がある。最も
適切なのは、実際の文献について英文翻訳を行い、拒絶すること。
<effective filing date> 706.02
102b, 102d の審査において、出願の effective filing date と引用文献との先後が問題とな
る。
継続、分割、CIP(重複部分のみ)
、PCT、仮出願からの本出願:effective filing date
は先願の出願日。
外国出願への優先権:effective filing date は US 出願日。
60
<Final Rejection> 706.07
通常、2回目のOAが Final Rejection となる。
但し、2回目のOAが新たな拒絶理由を通知するものであれば、以下の場合を除いて Final
Rejection とならない(706.07(a))。
①
その拒絶理由が、補正により必要性が生じた場合、または
②
その拒絶理由が、FinalOA前に fee とともに提出されたIDSの文献(つまり、知っ
てから3月以上経って(つまり、遅れて)提出された文献)に基づく場合
したがって、補正により新たな拒絶理由が生じたときは、引用文献が何かに係らず、Final
となる。
また、FinalOA前に fee と共に提出されたIDSの文献に基づくときは、補正の有無に係ら
ず、Final となる。
また、複数のクレームが存在する場合は、少なくとも1つのクレームが Final とならない条
件を満たせば、OA は Final とならない。
Final Rejection が妥当でないとの反論は、最終拒絶の日から2月以内に petition を提出す
ることで行う。Appeal ではない。(706.07(c))
<最初の拒絶を Final とする場合> 706.07(b)
以下の場合、最初の拒絶が Final となる。
継続出願、代替出願(substitute application)またはRCEにおいて、
新たなクレームのうちの全てのクレームが先願(または RCE 前)のクレームと同一の発
明を対象とし、かつ、
先願における拒絶理由に基づいて拒絶されるものである。
したがって、CIP で一部に新たなクレームが追加された場合は、Final にならない。
61
<FinalOAに対する応答期間>
3月の短縮法定期間(shortened statutory period)が与えられる。
応答が、2月以内に行われた場合、最終拒絶から3月またはアドバイザリアクション(以下、
AA)の日のうちの遅い方に短縮法定期間が満了する。
FinalOAに対する応答を2月以内に行い、AAが3月よりも前に出された場合は、期間延長
は、3月の日から計算される。
FinalOAに対する応答を2月以内に行い、AAが3月よりも後に出された場合は、期間延長
は、AAの日から計算される。
FinalOAに対する応答を2月よりも後に行った場合には、AAの日に係らず、期間延長は3
月の日から計算される。
<FinalOA後に特許可能とするための審査官補正>
FinalOAに対する応答を2月以内に行った場合は、審査官補正は FinalOAから6月以内で
あれば延長 fee なしでいつでも可能。706fIIF
FinalOAに対する応答を2月より後に行った場合は、審査官補正は FinalOAから3月以内
であれば延長 fee なしでいつでも可能。3月より後で6月以前であれば、延長 fee の納付が必
要。706fIIG
<Final OA 後の対応>
・FinalOA後の対応は、以下に限られる
Appeal
RCE・継続出願
以下の補正
クレームの削除
OAで言及された方式不備を直す補正
62
Appeal のために適切にする補正
merit を付加する補正であって、なぜ補正が必要か、及び、なぜもっと早く補
正がされなかったかの説明とともにするもの
63
○RCE(706.07(h))
<可能な時期>
RCE は、以下の場合に可能
①始期:プロセキューションの終了、すなわち
・Appeal に移行したこと
・FinalOA を受けたこと
・許可通知を受けたこと
・Ex parte Quayle(形式的不備を直せば特許になる通知)
②終期
・issue fee の支払い(発行の取下げの petition が認められた場合を除く)
・出願の放棄
・審決、インターフェアレンスに対する CAFC(または地裁)への訴え
<クレームの変更>
RCE では、クレームを、restriction requirement で取り下げた発明(選択しなかった発明)
に変更することはできない。
<提出物>
RCE 前のアクションに対する応答を入れる必要がある。
Final OA:応答、補正
Ex parte Quayle:応答
Appeal 中:Appeal の前の Final OA に対する応答
Appeal 中に RCE する場合には、RCE と共に Apeal brief を提出することはできない。
64
<fee>
RCE の fee は、新規出願の fee と同じに設定されている。
<不適法な CPA>
特許出願(Utility Patent Application)では CPA はできない(より詳細には、2000/5/29
以降に出願された特許出願ではできない。)
。不適法な CPA は自動的に RCE とみなされる。CPA
が RCE の要件を満たさない場合は、不適法な RCE とみなされる。
<Appeal 中の RCE>
Appeal 中(final decision の前)の RCE は、それが適法か否かに係らず、Appeal の取下げ
として取り扱われる。
RCE が不適法(fee 未納等)の場合は、Appeal は取り下げられ、プロセキューションは再開
されず、結論がだされる。例えば、Appeal 前にクレーム1~3が拒絶されており、4~5が許
可された状態にある場合には、
1~3がキャンセルされ、
クレーム4~5について特許がでる。
許可されたクレームがない場合
(全てのクレームが rejection または objection を有する場合)
は、出願取下げになる。
<RCE が使えない出願>
・1995 年 6 月 8 日よりも前の出願
・design patent
・reexamination
65
<OA の内容>
OA には、米国特許または公開広報以外の引用文献のコピーが添付される。707.05a
<機密扱いから除外された(declassified)文献>
Printing date と Publication date が存在する。
刊行物公知の日としては、publication date が参照される。
102(a)の「公然知られた」日としては、printing date を用いることができる(Printing
date において機密だったとしても)。
<加速審査 708.01>
原則、出願順に審査が行われる。
但し、出願人は、以下の場合に、加速審査を受けることができる。
(b)政府の部門が即時の措置を要求するもの
(d)Make special
I
製造
・将来の製造業者(出願人、ライセンシー等)が、十分な資本(capital)と施設(facility)を有
しており、特許が付与されればそれらを使用可能である等。
II 権利侵害
侵害している装置、製品が市場に出ているか、方法が実施されている
III 出願人の健康
出願人の健康状態が出願手続きに参加することを不可能にするほど悪い
IV 出願人の年齢
65歳以上(出生証明書等の公式な証明は不要、出願人の statement のみでもよい)
V 環境の質を高める発明
VI エネルギー資源の保全に関する発明
VII 組成 DNA に関する発明
VIII
出願人自身が事前にサーチし、最も近い文献を特定し、それに対して特許性を説明する
66
IX 超伝導(super conductivity)に関する発明
X エイズ、ガンに関する発明
XI テロ対策に関する発明
XII 小規模団体によるバイオテクノロジーに関する発明
※III~VI、IX、XI は無料で請求可能
※ADS の提出は、加速審査の請求の要件ではない。
※Reissue 出願では加速審査を請求できない
加速審査においては、OAに対する応答に一定の制限がある。
・独立クレーム数を3より増やしたり、総クレーム数を20より増やすことはできない。
・審査前サーチの対象になっていないクレームを追加できない
・Restriction で Withdrawn したクレームを追加できない
<Track 1>
1.102 (改正)
・追加費用$4,800 の支払いで、加速審査を受けられる。スモールエンティティであれば、減額
を受けられる。
その他の要件
・独立クレーム数4以下、総クレーム数30以下、マルチクレームなし
・電子出願
・出願時に請求する
・Oath 等等も提出する
適用可能な出願
・通常出願
・continuing(continuation, divisional, CIP)
・RCE と同時または RCE 後~1stOA 前でも可能。
67
・PCTバイパス移行では適用可能。
・PCT国内移行では適用されない。
・PCT国内移行でも、RCE すれば適用可能。
適用不可能な出願
・design patent
・Reissue 出願
・仮出願
・reexamination
審査は、1年以内に終了する。
OAの応答期間が1月に設定される。
年間に適用できる出願件数(10000件)が決まっている。
2011年9月26日以降の出願(特許、植物)に適用
Track 1 の請求が却下されると、返金がある。
なお、以下の場合には、Track 1 から外れる。
・上記のクレーム数を超える補正をした場合
・OAの応答期間を延長した場合
・RCEをした場合等、審査が一旦、完了した場合
68
<処分の中止(suspention of action)> 709
1.103
審査官によりなされる処分の中止を求める手続きであり、OAに対する応答期間の延長
(extention of time)とは異なる。既にOAの応答期間が設定されてしまっている場合には、
suspention を請求することはできない。
中止できる期間は6月以内
提出物:
・その理由を説明する petition(なお、IDSを提出するための時間が必要との理由は
ダメ)
・petition fee
・期間の指定(6月以内)
<CPA, RCE と共にする suspention の請求>
CPA, RCE と共に 3 月の suspention を請求することもできる。但し、CPA,RCE の手続き自体が
適法である必要がある(つまり、CPA, RCE の提出期限を延ばすわけではなく、CPA, RCE が適法
にされた後における審査を中止する)。したがって、OA に対する応答を含まない RCE とともに
suspention を請求した場合は、RCE が適法でないため、suspention も適法でない。このため、
RCE と suspention は無視される。
提出物:
・request(期間の指定(3月以内))
・processing fee
<審査の延期(deferral of examination)>
要件:
・オリジナルの特許、植物出願であること、または、国際出願からの国内移行による出願であ
ること
・非公開の請求がされていないこと、または、請求が取り下げられていること
・出願が公開可能な状態にあること
・OAまたは notice of allowance がまだ発行されていないこと
69
提出物:
・request(期間の指定:最先の有効出願日から3年以内の延期であること)
・publication fee
・processing fee
<応答期間> 710
133
短縮法定期間の最小値は30日である。
応答期間内に完全な応答をしないと、出願が取下げとなる。
但し、誠実な(bana fide)応答であって、一部の問題に対する応答が欠落している場合には、
その欠落を補うための新たな期間が設定される。
OAの応答期間は最大6月。
6月を超えた場合には、
原則、応答は不可能。
但し、
unintentional
等の場合に revive が認められる。
月により応答期間が指定された場合、日の端数は無視される。例えば、11月30日にOA
(短縮法定期間3月)が出された場合は、応答期限は2月28日になる(2月29日、30日
がないため)
。2月28日にOAが出された場合は、応答期限は5月28日(5月30日ではな
い)になる。
1月31日のOAの応答期限は4月30日であるが、1月の延長した場合の応答期限(つま
り、1月31日から4月の日)は5月31日である。
応答期間または延長期間の最終日が休日である場合は、
その期間は翌営業日まで延長される。
但し、応答期間の最終日が休日であることは、延長期間の始期に影響しない。例えば、1月1
0日(土曜日)が応答期間の最終日である場合、1月12日(月曜日)まで応答書類を提出で
きる。しかし、1月の延長をした場合は、応答期間の最終日が休日であることは考慮されない
ので、2月10日が延長期間の最終日となる。
<期間延長の手続>
710.02(e)
特別な場合等を除いて、6月の法定期間の満了前に、petition と fee を支払う。
70
例えば、3月の応答期間に対して4月目に応答をした場合、当該応答は延長手続きを完了し
なければ有効にならない。4月目に応答を行い、5月目に延長手続きをした場合には、2月の
延長 fee が必要。
意見書等において、必要であれば期間延長の費用を口座から引き落とすように記載しておけ
ば、自動的に適切な期間延長がなされたものとして取り扱われる。1.136a3
延長の請求がされたが期間が不適切な場合(2月の延長請求が必要なのに1月の延長請求が
された場合等)は、適切な期間の延長請求とみなされる(2月の延長費用が引き落とされる)
。
710.02e
出願に対して authorization to charge any fees to deposit account を提出しておくと、
応答の提出だけで(petition や fee の支払い手続きなしで)自動的に期間が延長され、fee が
アカウントから引き落とされる。
<Notice of allowance の指定期間の延長不可>
Notice of allowance の指定期間である3月(issue fee の支払い期間)は延長できない。そ
の他の要求(図面の訂正、追加の Oath 等の提出等)がされている場合も、3月の期間は延長不
可(但し、unintentional 等の場合は revive が可能)。
<6月以上の応答期間>
出願手続きの不備(例えば、Oath 等がない場合)について指定される提出期間(2月)
、Appeal
の請求後の Appeal ブリーフの提出期間(2月)には、法定期間(6月)は適用されない。した
がって、これらの期間から5月まで延長できる(2月+5月でトータル7月)。
71
<取下げ>
711 1.135 1.138
出願の取下げの declaration は、
①登録された特許実務者
②出願人
③アクションする権利を有する Assignee
の何れかがサインする。
※capacity を有する特許実務者は、出願の取下げにサインできない。但し、Continuing
application とともに元出願を取り下げる場合だけサインできる。
出願を公開から除外するための取下げは、declaration に加えて petition と fee が必要。公
開から十分前(少なくとも4週間前)に手続きが必要。
issue fee の支払い後に取下げを行う場合には、特許発行からの取下げのための petition 及
び fee と共に出願取下げの declaration を提出する。
<出願の取下げからの復活(petition to revive)> 1.137
取下げが、unintentional 等である場合には、一定要件の下、取下げからの復活の請求が可
能。
72
<インタビュー> 713
1.133
最初のOA前には、原則、インタビューは行われない。但し、審査を促進するとして審査官
が認めた場合には、インタビューが可能。審査官が認めたの場合は、最も近い先行技術の提示、
本願発明がどのように先行技術から区別されるかの説明等を求められる場合がある。
また、continuing application の場合、substitute application の場合は、最初の OA 前に
インタビューが可能。
インタビューをしても、OAに対して適切な応答を提出しなければならない(インタビュー
で認められたからといって、応答書類を提出しなくていいことにはならない)。
インタビューでビデオテープを見せる場合は、事前に許可が必要。
インタビューは、委任された代理人、または、Act in a Representative Capacity を有する
代理人でなければできない。
実演、雛形、展示による説明もできるが、これらは file に入れられない。
FinalOA後もインタビューできる。この場合、事前に目的、内容等を説明(好ましくは書面
で)する。
インタビューは、コミッショナーが認めた場合を除き、USPTOの外(例えば代理人の事
務所)で行ってはならない。
代理人は、出願人からの委任状が登録されていない場合であっても、出願人からの委任状を
インタビュー時に持っていけば、インタビューを行うことができる。
73
○補正 714 1.121
<補正できる時期>
(1)FinalOA前
(2)FinalOA後
(3)Appeal 請求後(Notice of Appeal)~Appeal ブリーフ提出前
(4)Appeal ブリーフ提出後
(5)審査官に要求された場合
<補正の制限>
・全ての場合(new matter)
クレームの new matter は 112 条第1パラグラフ(wirtten description)で rejection。明細
書の new matter は、クレームの解釈に関係ない内容であれば 132 条で objection。関係ある内
容であれば、112 条第1パラグラフで rejection。
・(2)の場合 1.116
①クレームのキャンセル
②OAで指摘された形式を適切にする
③拒絶されたクレームを、Appeal のために適切に補正する
④特許の実体に関する補正であって、補正が必要であり、それ以前に提示しなかった正当かつ
十分な理由が示された場合
・(3)の場合
1.116 を満たすこと
・(4)の場合
①クレームのキャンセル
②従属クレームを独立クレームに書き直す
74
<補正の手続き>
以下の順に並べて提出する。以下の書類は、separate paper とする。
(1)カバーシート
出願の特定と、添付書類のリスト
(2)明細書の補正
(3)クレームの補正
(4)図面の補正
(5)意見書
(6)差し替え用の図面(Replacement Sheet, New Sheet, Annotated (注釈付) Sheet)
・明細書
明細書の補正は、以下のいずれかによって行う。
①パラグラフの追加、削除、差し替え
②セクションの差し替え
③差し替え明細書(substitute specification)
①の場合、パラグラフの番号、ページ、行等によってパラグラフと特定する。
replacement(差し替え)のパラグラフには、アンダーライン、取り消し線等を付ける。
パラグラフの追加、削除の場合には、アンダーライン等は付けない。
②の場合、差し替えるセクションを明確に特定する。
変更箇所には、アンダーライン、取り消し線等を付ける。
③の場合、以下を提出する。
明細書を差し替える旨の指示書
変更箇所をアンダーライン等で示した差し替え明細書
クリーンバージョンの差し替え明細書
75
New matter を含まない旨の statement
・クレーム
キャンセルされたクレームを含むクレームの一覧を提出する。
Cancelled の場合は、以下のように複数のクレームをまとめて記載してもよい。
1-5 (cancelled)
補正されたクレームには、変更箇所をアンダーライン、取り消し線等により表示する。変更
箇所を表示するクレームは、(Currently Amended),(Withdrawn-Currently Amended)だけ。
(Cancelled)(New)(Previously Presented)には変更表示は不要。
以前に削除されたクレームは、New クレームとして記載した場合にのみ再度クレームアップ
可能。
・図面
差し替え(replacement sheet),追加(new sheet)により補正できる。各用紙の上端余白に
replacaement sheet, new sheet との表示をする。差し替え図面は、変更対象以外の図面を含
むすべての図面が記載されていなければならない。
変更箇所を明示するための注釈図(Annoted Sheet)を添付してもよい。この場合、図面上部余
白に Annoted Sheet と表示する。また、意見書等で変更内容を説明する。
・サイン
714.01a
補正書には、以下のいずれかがサインする。
①登録された特許実務者
②capacity を有する特許実務者
③出願人
④アクションする権利を有する Assignee
76
サインがない場合、及び、不適法なサインがされている補正書は、採用されない。この場合、
FinalOAに対する補正書でない場合には、1月の期間が与えられ、出願人は提出済みの補正書
を認可できる。
<予備補正(Preliminary Amendment)>
予備補正が出願日にされた場合は、その補正は出願時の開示の一部である(new matter にな
らない)。
(この場合、Oath 等において、出願とともに予備補正についての言及する必要がある。
この Oath 等は後日提出してもよい。
)
出願日後にされた予備補正は、出願時の開示の一部ではない。
・予備補正の却下(disapproved)
以下の予備補正は却下される。
・クレームを全てキャンセルする補正
・最初のOAの準備に障害となる場合(以下が考慮される)
予備補正の受領日におけるOAの準備状況
予備補正を登録することで生じる明細書またはクレームの変更の内容
以下より前にされた予備補正は、OAの準備の障害とされることはない
出願日(continuing 含む)から3月
CPA から3月
国内移行日から3月
処分の中断(susupention)の最後の日
<不十分な応答に対する処置> 714.03 1.135
審査官は、誠実であるが不十分な応答に対して、以下の処置ができる。
①適正な応答として取り扱う
②残りの応答期間内に、十分な応答をするよう通知する
77
③十分な応答を行うための新たな期間を設定する。
(③の処置は、FinalOAではできない。
)
<Notice of Allowance 後の補正>
出願人の権利としてはできないが、許可される場合がある。
この場合の補正は、issue fee の支払い前に行う。
<Ex parte Quayle 通知後の補正>
通知された方式事項に関する補正は可能
<issue fee の支払い後>
補正は不可能
<非礼(discourtesy)な応答>
714.25
攻撃的とか、人種差別的なもの。file に入れられない。
78
<Swearing Back> 715
1.131
・基本
102(a), 102(e)に該当するときは、1.131 の affdavit 等により、発明日を遡及させることで、
拒絶理由を解消できる。
先願のクレームと同一のクレーム、または、先願のクレームから自明なクレームを含むとき
は、interference の問題となるので、Swaring Back は使えない。
プロセキューション中に先行技術として明確に認めた文献(Applicant Admitted Prior Art)
については、Swaring Back は使えない。
・1.131 の Affidavit にサインをすることができる人 715.04
・クレームされた発明の発明者全員、または
・クレームされた発明の発明者のうち、拒絶に係る発明の発明者(クレーム10の発明者
が、発明者XYZのうちのZのみである場合は、クレーム10の発明者がZ単独であるこ
とを説明するとともに、Zにサインされた affidavit 等を提出する)
・証拠
affidavit には証拠を添付する。証拠には、スケッチ、blueprints,写真、ノートの記入事項
の複製、模型、口頭による開示である場合は承認による裏付け陳述等を使用できる。
・先の発明の日を立証するための方法
(1)引用文献よりに先立つ現実の実施(actual reduction)
(2)引用文献よりに先立つ発明の着想(conception)、及び、その後、現実の実施までの継続
的努力(due diligence)
(3)引用文献よりに先立つ発明の着想(conception)、及び、その後、出願日(constructive
reduction)までの継続的努力(due diligence)。
79
発明者が何もしていない期間があったとしても、正当な理由がある場合には、その期間も努
力を継続していたことになる。
上記発明日の立証の元になる行為は、WTO の域内で行われていなければならない。715.07(c)
・適時の提出 715.09
(1)FinalOA の前
(2)FinalOA を受けていない出願について、notice of appeal の提出前
(3)FinalOA 後、かつ、notice of appeal の提出と同日または前(この場合、これより前に
提出できなかった十分な理由を示す必要がある)
(4)手続終結後であって、RCE または CPA と同時に提出する場合
※Notice of Appeal の提出後でも、Appeal Brief の提出前であれば、上記(3)と同じ基準で
提出可能と思われる。
※Appeal Brief の提出後は、審査官の許可が得られた場合のみ出せる。
80
<1.132 の affidavit による反論> 716
1.132
1.132 の affidavit は、secondary consideration、引用文献とクレームの発明者が同一であ
ること等、さまざまな応答に使用する。
<提出可能時期> 716.07
1.131 と同じ。
(1)FinalOA の前
(2)FinalOA を受けていない出願について、notice of appeal の提出前
(3)FinalOA 後、かつ、notice of appeal の提出と同日または前(この場合、これより前に
提出できなかった十分な理由を示す必要がある)
(4)手続終結後であって、RCE または CPA と同時に提出する場合
<証拠(secondary consideration)>
・criticality
・unexpected result
・commercial success
・long felt but usolved needs
・failure of others
・skepticism of experts(専門家が懐疑的とする宣誓書)
・copy(模倣)
・つながり(Nexus)
セカンダリコンシダレーションを考慮する場合は、その証拠とクレーム発明との繋がりを検
討しなければならない。
・証拠の客観性
証拠は客観的でなければならない。
81
代理人(counsel)の意見は証拠にならない。
専門家の証言も証拠になり得る。
commercial success の証拠
単に総売り上げ(gross sales)を示すだけではだめであり、市場シェア、販売期間、通常であ
れば予測される売上等と共に示されなければならない。
design patent の場合は、販売品の機能ではなくデザインによって成功したことを示さなけ
ればならない。
long felt bu unsolved need
需要があったことと、それが解決されなかったことを示す。
102a,102e,103c の場合
引用文献が発明者によるものであったり、同一人に譲渡されるものであることを証明する場
合にも 1.131 の affdavit を用いる。
82
<1.130 の affidavit とターミナルディスクレーマ>
1.130 718
以下の場合、non-statutory double patent の rejection が出される。
・先行技術が 102b に該当しない米国特許または特許出願
・先行技術のクレームと後願のクレームが同一ではないが、特許的に区別不可能(自明)であ
る
・2つの発明を同一の当事者が所有している
この場合、
・1.130 の affidavit(同一者によって所有されており、かつ、先発明者であることの宣誓書)
・ターミナルディスクレーマ
を提出することで、拒絶を解消できる。
83
<公然実施手続(public use proceedings)> 1.292 改正により廃止
出願の1年以上前における米国での public use または on sale を特許庁に届け出る制度。以
下の特徴を有する。
・出願人以外の何人もすることができる。
・petition と fee の提出が必要
・出願公開または許可通知よりも前に手続きがされていること
上記 petition により審査官は prima facie が認められるか否か決定する。
prima facie がないとの決定がされた場合は、petitioner と出願人の双方にその旨の通知が
される。
prima facie があるとの決定がされた場合は、
Director は、
予備的審理(preliminary hearing)
をすることができる。この場合、審査官の結論と審理の日時が双方に通知される。その後、証
言(testimony)が聴取され、証言に基づいて審査官により特許性が判断される。
84
<Trade secret(営業秘密), Proprietary(占有情報), Protective Order Material(秘密保持命
令資料)>
724
これらの情報をUSPTOに提出する場合には、
・封印する
・そのような情報であることを明瞭にラベル表示する(上記以外の用語(confidencial 等)は
使用できない)
・秘密保持命令の場合は、裁判所、事件名を表示する
・特許性にとって重要でないと認定された場合に情報を削除(expunge)する petition と手数料
を同封する。
<Petition to Expunge (削除の申請)>
724.05
出願時の開示の内容は、削除不可能。
Trade secret 等により提出された書類は、Petition to Expunge により出願 file から削除す
ることができる。但し、特許性に関係がなかった場合のみ。特許性に関係する場合には、file
から削除されず、公衆に閲覧可能となる。
85
○Subject matter 101 2100 706.03(a)
<特許の対象となる発明>
Anything under the sun that is made by man
人工に作り出されたものであれば、生物(living organism)でも特許の対象となる。
<特許できない発明の例>
・printed matter (印刷物)
・thing occuring in nature (天然物)
・scientific principle (自然法則)
・Abstract idea (抽象的概念)
・New plant found in the wild
・New mineral discovered in the earth
・mental process (思想的プロセス)
・human
・legal contractual agreement between two parties
・game defined as a set of rules
・computer program per se
・company
・transitory signal per se
<コンピュータ関係> 2106
Functional descriptive material は、comuputer readable medium に記録されていれ
ば、特許の対象。
Nonfunctional descriptive material(著作物等のこと、例えば、音楽、 literary works
(文学作品)、compilation or mere arrangemente of data(データの編集物または単なる列挙)
は、特許の対象外。
86
単なる数学的なデータの変換、抽象的概念の実行は特許の対象外。
<その他、特許できないもの>
・まったく同じクレームが1つの出願に含まれている場合には、objection がでる。1.75
<Bilski>
プロセスクレームについては、Machine and Transformation Test により判断される。但し、
これは、唯一のテストではない。M&T Test によらずに Abstract idea であるとして101条の
拒絶をすることもできる。
M&T Test の場合、(1)プロセスが特定の装置と結びついているか、または、
(2)プロセス
が何らかの物を異なる状態または物に変換するか、によりテストする。なお、装置または物と
の結びつきが、意味のある(meaningful)限定になっており、かつ、more than insiginificant
extra-solution activity(たぶん、クレームの本質に係るもの)である必要がある。使用する
分野(field of use)を特定するだけではだめ。
87
○Utility(有用性) 2107 101
112
<有用性>
クレームと明細書から有用性が認められない場合には、101 条の拒絶理由と共に、112 条第 1
パラグラフ(enablemnet requirement:どのように使用されるのか不明)の拒絶理由が出される。
信用できない有用性が記載されている場合や、
有用性が記載されていない場合に拒絶される。
但し、有用性が記載されていなくても、出願時の技術水準から有用性が理解できれば、拒絶さ
れない。
明細書に単に有用であると記載されているだけでは有用性の根拠にならない。ある程度具体
的に記載されていれば、有用性の根拠になる。
これに対する応答は、当業者の視点から有用性が確認できるとの証拠(通常の知識を有する者
による宣誓書等)を提出することで解消できる。
有用性に関する説明は、正しいものとして推定される。但し、明らかに自然法則に反する場
合等は、信用できないと判断される。
有用性に対する応答責任は、
何等かの主張、
何らかの証拠提出(文献、
1.132 の affidavit 等)、
または、補正(補正のみ)で果たすことができる。
2つの有用性が開示されている場合に、一方の有用性が信用できなくても、他方の有用性が
信用できれば拒絶にならない。
88
○クレームの解釈 2111
明細書に反しない限り、クレームの用語は、普通の意味で解釈される。
明細書でクレームの用語を明確に定義することで、クレームの用語が最も普通の意味を有す
るという推定を覆すことができる。出願人は、Lexicographer(辞書編集者)になれる。
<プレアンブル>
プレアンブル(クレームの冒頭部分)なしではクレームを理解できない場合や、プレアンブル
の用語がボディの用語に言及している場合は、プレアンブルは限定と解釈される。
<クレームの用語>
(オープンエンド)
comprising, including, containing, characterized by
(クローズドエンド)
consisting of
1. A method consisting of steps A and B.
2. A method as in claim 1 further consisting step C.
は適法。クローズドエンドにクローズドエンドで構成要素を追加することは可能。オープンエ
ンドにクローズドエンドで追加することは不適法。
(中間)
consisting essentially of:記載されている要素と、クレーム発明の基本的かつ新規な特徴
に影響を与えない要素のみを有する。
(不明)
having
<プロダクトバイプロセスクレーム>
2113
89
製造物の特許性に関して製造プロセスは基本的に考慮されない。
発明「方法 A により製造された X」は、引用文献「方法 B により製造された X」に対して、原
則、新規性がない。
プロセスの違いによって製造物に差異が生じる場合は、その差異(例えば、方法の違いによ
り結果的に生じる製造物の差異、製造物の特性の差異(融点が異なる等))を主張することで、
拒絶を解消できる場合がある。
<加工装置 2115>
加工装置によって加工される物についての限定は、加工装置の限定にはならず、クレームの
特許性に寄与しない。
<その他>
TVに使用されるリモコンが、ガレージの開閉にも同時に使えることが最近分かった。リモ
コン自体は前から販売されている。この場合、ガレージの開閉にも使えるリモコンというクレ
ームは、新規性がないが、リモコンをTVとガレージに使用するという方法のクレームは、新
規性がある。
90
○引用文献
<新規性、非自明性の証拠>
・明確(express), 黙示的(implicit), 内在的(inherent)な開示を証拠として使用できる。2112
・古くから知られているものについて、新たな特性を発見しても、そのものに特許性はない。
<引用文献の実施可能性(enablement)> 2121.01
102 条の引用文献は実施可能な開示を含んでいなければならない。単に対象の名前等が羅列
されているだけではダメ。
過度な実験なしに実現できるように記載されていなければならない。
但し 103(a)の引例としては使う場合には、実施可能性がなくてもよい場合がある。。
化合物が開示されていても、
それが発明前に製造可能でなければ、
適切な開示とはいえない。
引用文献に必要な開示のレベルは、引用文献の種類(米国特許か外国特許か等)によって変
わらない(同じレベルである)
。
引用文献がクレームの全ての構成要件を開示している場合は、引用文献は十分な実施可能性
を有するとの推定が働く。
<引用文献の有用性>
引用文献には、有用性が開示されていなくても良い。
<好ましくない実施形態>
このような実施形態も、先行技術を構成する。
<本願の出願日後の引例> 2124
状況によっては、このような引例も可能。出願日前後の当業者のレベルを示す等。
91
<特許> 2126
(外国の)秘密特許は、公開されるまで、
(権利行使可能であったとしても)引用文献になり
得ない。
但し、102dの引例としての特許発行の日は、特許が秘密とされていたとしても、特許が
正式に権利行使可能となる日である。
国内出願のプロセキューション中にキャンセルされた事項は、その後、特許(出願公開の場
合は不明)が付与されても、102eの引例には使えない。但し、このような事項は、特許発
行の日に公開されたものとして102a、102bには使える。
電子出版物も刊行物になりうる。公開の日は、公衆にアクセス可能とされた日。
<公衆にアクセス可能なレベル>
2128.01
秘密であることを目的とした内部文書は、刊行物ではない。
口頭で提示され、その後配布された論文は、刊行物である。
一般に展示され、見る事が出来る場合は、それを複写することができない場合でも、刊行物
に該当する。
郵便等で複数の人に送付された文献は、最初の一人に受領された段階で刊行物となる。発送
日ではない。
インターネットでの公開も刊行物となる。但し、公開日が明確に特定されないと使えない。
<その他>
707.05f
秘密状態を解かれた(declassified)文献は、その解かれたときに刊行物となる。
但し、
秘密状態であった文献を 102a 等の公然知られた発明として扱う場合には、
printed date
を引例の日とすることができる。
printed date においてその文献が秘密状態にあったとしても、
このように扱える。
出願のファイルラッパーから削除された事項は、その出願が特許になったときに削除された
事項が公開されれば、引用文献になり得る(102a, 102b, 901.01)。
92
<Admissions As Prior Art> 2129
明細書やプロセキューション中に出願人が prior art であると認めた他人の成果は、102
条に係らず prior art となる。
但し、発明者自身の成果は、102条に該当しない限り prior art とはならない。例えば、
出願日よりも1年以上前に実施したことを自白した場合は、prior art となる。出願日前1年
以内に実施したことを自白した場合は、prior art にはならない。
一旦、prior art として認めてしまうと、これが prior art ではないとの反論は認められな
い。例えば、ある文献を意見書で 102e の prior art であると認めた場合、その後に発明日を遡
及できると気がついても、その主張はできない。Reissue 等でも不可能。
ジェプソン形式のクレーム(wherein the improvement comprises)は、プレアンブルに記載し
た内容は prior art であるとの自認とみなされる。但し、明細書でそれを覆す記述をしている
場合(例えば、プレアンブルは、出願日前1年以内に出願人自身が行った発明であるとの陳述
等)は、prior art とはみなされない。
IDSのリストに載せたことは、それが prior art であると自認したことにはならない。
<新規性に複数の引例を使用できる場合>
2131.01
・主たる引例が、実施可能な開示であることを証明する。
・主たる引例の用語の意味を説明する。
・主たる引例に開示されていない特性であるが、
それが潜在的に有する特性であることを示す。
(例)
クレーム:物質A+B,Aは~の特性を有する。
引例1:物質A+B
引例2:物質Aは~の特性を有する。
この場合、引例1、2に基づいて、新規性で拒絶(自明性ではない)
。
93
<クレームの認定>
2143.03
102、103 の判断においてクレームを解釈する際に、明細書でサポートされていない不明確な
事項を無視してはならない。
<数値範囲の新規性> 2131.03
数値範囲のクレームの場合、その範囲内の1点が引例で示されていれば、新規性はない。
引例も数値範囲で示されている場合は、場合による。
①クレーム>引例
新規性なし
②クレーム<引例
新規性あり
③クレームと引例が一部重複
クレーム
引例
よくわからない。多分、②の場合と同じ?
④クレームと引例が重複しない
新規性あり
94
○102a 2132
reference
人
場所
時
知られている
他人
US国内
発明日より前
使用される
特許される
国内または外国
刊行物公知
<他人>
発明者が複数の場合、発明者の完全同一が必要。
引用文献の著者の表示が本願の発明者と完全同一でなくても、引用された部分は本願発明者
のみが記載したことを主張することで、拒絶を回避できる場合がある。例えば、引用文献が発
明者を含む共同著作であった場合に、他の著作者の宣誓書(引例は本願発明者の知識の部分で
ある)を提出することで、拒絶を解消できる。本願発明者自身の宣誓書を提出してもよい。
<Known or Used in this country>
米国内で知られたこと、または、公衆がアクセス可能な状態で使用されたこと。
WTOまたはNAFTAの加盟国で知られた、使用されたことは、拒絶理由にはならない。
<発明日>
発明日は、WTO加盟国での活動により立証できる。それ以外の国または地域(例えば、北
極とか)での活動は、発明日の立証に使えない。
<102aの解消方法>
他人を克服する場合は、1.132 の affidavit。
発明日を遡及させる場合は、1.131 の affidavit。発明日の立証方法は、interference と同
じ。
95
○102b 2133
reference
場所
時
販売される(申し出含む)
US国内
出願日より1年以上前
使用される
特許される
国内または外国
刊行物公知
reference の開示の日から1年後が休日である場合には、その翌営業日の出願は拒絶されな
い。
<public use>
2133.03(a)
以下は、公用に該当する。
・一般に公開された
・商業的に使用された
発明が外から見えない状態でも、その発明が使用されている製品が公に使用または販売され
れば、公用にあたる。公衆に発明が見られる(理解される)必要はない。
秘密性が保持されることが期待される場所における使用は、公用に該当しない。
秘密保持契約のない第三者に使用を許可することは、公用となる。
同一発明を独立して発明した他人による公での使用も、公用となる。
<sale> 2133.03b
非営利目的の販売も、不特許事由となる。
発明の権利(日本でいう特許を受ける権利)の販売は、不特許事由とならない。
購入者が、販売者により拘束される場合(子会社等)は、不特許事由にならないが、秘密保
持契約のみでは不特許事由になる場合がある。
販売の申し出も、不特許事由となる。
拒絶された申し出も、不特許事由となる。
発明者等が意図せず販売等された場合も不特許事由となる。
96
販売される発明は、特許を受けられる状態になければならない(完成した発明が販売されな
ければ、102bの販売にあたらない)
。
<国内> 2133.03d
販売の前段階の行為(製造等)がアメリカ国内でされた場合には、販売または販売の申し出
が外国でされたとしても、国内に該当する場合がある。
<試験的使用>
2133.03e
発明をより確実とする等、発明のための実験的使用は、例外的に不特許事由とされない。販
売が試験的使用に該当する場合はめったにないが、該当する場合もある。
発明を完成させるための試験なので、完成した発明の使用は認められない。
(発明の効果が確
認された段階(発明の実際の実施の段階)で試験は終了)
試験の目的が発明の完成、改良であればよく、その結果が完成、改良につながらなかったと
いう事実は、試験的使用を否定する決定的事実とはならない。
市場テストは許されない。
他人(他の独立した発明者)による試験的な使用には、例外は適用されない。不特許事由と
なる。
97
○102c 放棄された発明 2134
発明の放棄は、そのような意図が発明者の行為から明らかでなければならない。出願の遅延
は、放棄を意味しない。但し、インターフェアレンスが行われている場合には、出願人の遅れ
は発明の放棄とみなされる場合がある。
出願を放棄した後、再度、出願することは許される。
開示されたがクレームされていない発明は、102cの意味では放棄にあたらない。
長期間発明を発展または特許化しておらず、かつ、他人の市場における成功の後に特許に関
心を示した場合は、発明の放棄とみなされる。
98
○102d 2135
reference
人
時1
外国特許
同一人
出願日よりも1年 出願日よりも前に
外国発明者証
同一 Assignee
以上前に外国出願
<出願日の12月前に外国出願>
時2
特許
2135.01
外国出願の出願日から12月後が休日の場合は、その次の営業日に出された出願には適用さ
れない。
design patent の場合は、6月。
<特許が付与>
単なる公開は、特許の付与ではない。
審査が終了し、公開され、異議申し立ての対象となっているものは、特許とみることができ
る。
特許の付与後に秘密保持期間があっても、付与日で適用する。
99
○102(e)
reference
人
時
US出願公開(国際公開,SIR 含む)
他人(発明者 発明よりも前に出願
US特許
が異なる)
<他の出願としての102(e)の日>
102(e)(1)(公開)の reference の日
2000/11/29 前
2000/11/29 以後
US 指定かつ英語
英語以外 または
US 指定なし
国内移行
なし
国際出願日
バイパス
なし(AIPA 以後に 国際出願日
なし
継続出願の日
継続されたら、継
続の日)
移行後に継続
なし(AIPA 以後に 国際出願日
継続出願の日
継続されたら、継
続の日)
102(e)(2)(特許)の reference の日
2000/11/29 前
2000/11/29 以後
US 指定かつ英語
英語以外 または
US 指定なし
国内移行
国内移行の日
国際出願日
バイパス
なし(AIPA 以後に 国際出願日
なし
継続出願の日
継続されたら、継
続の日)
移行後に継続
なし(AIPA 以後に 国際出願日
継続されたら、継
続の日)
100
継続出願の日
※上記表の中で、国際出願日が 102(e)の日として認められる出願が、US 国内の先願の利益(仮
出願、継続、分割、CIP)を主張している場合には、さらに先願の日まで 102(e)の日が遡る。
※国内移行の日は、371(c)(1),(2),(4)を満たした日(すなわち、手数料、写し(及び翻訳文)、
Oath 等の提出の日(改正で Oath 等は不要となった)。
<優先権>
102(e)の他の出願の場合、優先権は、考慮されない(ヒルマードクトリン)
<他人>
・発明者が複数の場合、発明者の完全同一が必要。
<102(e)の仮拒絶>
706.02(f)
未公開の先願であって、公開されれば102(e)に該当する先願が存在する場合には、先願
と後願が少なくとも1人の同一発明者を有するか、これらの出願が同一の Assignee に譲渡さ
れている場合には、102(e)の仮拒絶を打てる。
上記太字部を満たさない場合には、公開前の秘密保持の義務があるので、
仮拒絶は打てない。
公開された時点で通常の 102(e)の拒絶が打たれる。
<公開> 2136
・公開は、SIR(発明法廷登録)による公開(157 条)であってもよい。
・プロセキューション中に削除された事項は、出願公開されずにその後出願が特許になった場
合、102e の根拠としては使えない(削除された事項は特許公報に乗らないため)
。但し、削除
された事項が出願公開がされた場合は、102e の根拠になり得る。
<102e の解消方法>
101
発明日を遡及させる場合は、1.131 の affidavit。発明日の立証は、インターフェアレンスと
同じ。
他人を克服する場合は、1.132 の affidavit。
なお、出願に記載された発明者が完全に一致しない場合、審査官は発明者同一でないと判断
するが、これは prima facie でしかない。引用された部分の実際の発明者は同一である旨を、
1.132 の affidvit により宣誓することで、先願(先の行為)が自分によりされた(他人ではな
い)ことを証明することができる。
102
○102(f)
冒認出願 2137
102fは、102a、102eが適用できないときにのみ適用される。
Oath 等にサインした者は、発明者であるとの推定が働く。
出願と同一の発明が、他の著者の論文、他の発明者の特許に記載されていることは、それら
論文または特許の発明者が正当な発明者であるとの推定を生じさせるものではない。(別途請
求等があった場合は別)
単に出願が雑多な内容を包含しているという事実は、102(f)の拒絶を生じさせない。
<発明者>
発明時に、他者の意見を参考にしたり、他者が書いた文献を参考にすることは、禁止されな
い。
発明を現実に具体化することまでは発明者には要求されない。着想でよい。
着想した者が発明者。着想をAが行い、その実施化をBが行った場合は、Aが発明者。
共同発明者は、物理的に同じ場所で働いている必要はない。発明に対する貢献度は同じでな
くてもよい。全てのクレーム発明に対して貢献している必要はない。
103
○102(g)
先発明 2138
<ex parte rejection>
以下の場合、審査において102gの拒絶理由(ex parte rejection)を打てる。2138
・出願に係る発明よりも先に、他人によって実施化(実際の実施化)がされており、
・放棄(abandonment)、秘匿(suppression)、隠ぺい(concealment)がない
ex parte rejection では、他人の実施化が必要であり、着想のみでは足りない。
<135 条の rejection>
また、以下の場合は、135 条の拒絶理由を打てる。
・発明がクレームに表された日よりも1年以上前に、同一クレームを有する他人の特許の発行
または出願の公開があった場合。
補正によりクレームアップされた場合は、補正の日から1年の期間が計算される。135b
・135 条の拒絶のパターン
例1)他人特許発行→1 年経過→出願
例2)他人特許発行→1 月経過→出願→11 月経過→補正で同一クレームアップ
※例2の場合、他人と同一の発明がクレームに表された日(補正の日)よりも1年以上前に他
人に特許が発行されているので、135 条の拒絶となる。
<インターフェアレンス> 2138.01
上記の ex parte rejection または 135 条の rejection 以外の場合は、インターフェアレンス
で解決することになる。
インターフェアレンスは、出願と出願の間、または、出願と特許の間で行われる。先発明は、
着想(Conception)
実施化(Reduction)
継続した努力(Commencement of diligence)
104
に基づいて決定される。
実施化には、
現実の実施化(actual reduction to practice)
法定の実施化(constructive reduction to practice)
がある。法定の実施化は、特許出願をすること。
・seniror party/junior party
senior party は、
41.207a1 の先発明の推定が働く party(つまり、
認められた prior date
が先行する party)
。実際の出願日の出願日の先後ではなく、先願日の利益等を考慮して決める。
junior party が最初に先発明を立証する責任がある。
<先発明の基本ルール>
①Aの方が、着想と実施化の両方において早い場合
A(着想)--------------------------(実施化)
B
(着想)------------------------------(実施化)
継続した努力の証明は不要。Aの勝ち。
②Aの方が着想が早いが、Bの方が実施化が早い場合
A(着想)--------------------------(実施化)
B
(着想)--------(実施化)
Aの継続した努力
←---------------→
Aが、Bの実施化の直前からAの実施化までの継続した努力を立証すれば、Aの勝ち。立証
できなければBの勝ち。努力の立証の最初の日は、Aの着想の日ではない。
・現実の実施化の後に出願が行われる場合は、現実の実施化から出願の間の努力を立証する必
要はない。
例)
105
A(着想)--------------------------(現実の実施化)------(出願)
B
(着想)--------(実施化)
Aの継続した努力
←---------------------→
(現実の実施化)から(出願)の間は、努力の立証は不要。
<発明された場所>
2138.02
発明は、WTO加盟国内でなされている必要がある。
<発明の放棄(abandonment)、秘匿(suppression)、隠ぺい(concealment)>
2138.03
発明の完成後、合理的期間内に出願、発明の公開、公における発明の実施がない場合は、発
明は、放棄、秘匿、隠ぺいされたものとみなされる場合がある。
<着想> 2138.04
発明者の頭の中でなされること。
<実施> 2138.05
・法定の実施化
出願すること。出願は、112条第 1 パラグラフを満たす必要がある。
先のUS出願の利益を主張する場合、先の出願日を法定の実施日とすることができる。この
ためには、先願が112条第 1 パラグラフの要件を満たすこと
(たぶん、
ベストモードは不要)
、
及び、120条(適切に出願日の利益が主張されていること)が必要である。
120条の要件が満たされていない場合、親出願は、法定の実施にはならないが、着想の証
拠にはなる。
・現実の実施化
106
(1)すべての構成要素を満たす実施例を実行したこと
(2)その実施例は意図した目的のために作動したこと
が必要。
<努力> 2138
上記②の通り、努力は、Bの実施化の前に開始されたことを証明すればよく、Aの着想から
継続していることまで証明する必要はない。
出願人は、努力を立証すべき全期間を、affirmative act(積極的活動)または acceptable
excuse(合理的な弁明)により説明しなければならない。また、努力は、実施化(reduction to
practice)に直接関連するものでなければならない。
発明者は、その出願の発明のみに集中して活動している必要はない。
現実の実施化をすることなく法定の実施化(出願)をする場合は、出願日までの努力の立証
が必要。この場合、発明者の努力だけでなく、代理人の努力(出願の準備を努力したこと)も
必要。
107
○103
<自明性の判断>
審査官は、自己の独自の見解を引用文献とすることができる。審査官は、その分野のエキス
パートでなくても、このような拒絶が可能。
相違点が自明か否かではなく、発明全体が自明か否かで判断する。
問題の解決が自明でも、問題の源(source of problem)の発見が自明でないとの主張が可能。
クレームの表面的な文言でなく、クレームされた主題の特性も含めて検討する必要がある。
引例を組み合わせることができるという事実だけでは、自明性の証拠としては不十分。
組み合わせることの理由付けはTMSテストに限られない。
成功への合理的な予測が必要である。
発明の時点を基準として判断する。
出願人とは異なる根拠(目的)で引用文献を組み合わせることは容認される。
引例の具体的開示だけでなく、当業者がそこから得るであろう推論(inference)も使える。
極めて一般に知られている事実については、“official notice”, “common knowledge”と
して引例を示さなくてもよい。但し、これに対して出願人が異議を唱える場合は、次のOAで
十分な証拠を示すか、official notice との見解を取下げなければならない。出願人が適時に
反論しない場合には、その事実は出願人が認めた従来技術(AAPA)とみなされる。
クレームの数値範囲が引用文献と重複する場合は、prima facie に十分である。重複しない
場合でも、近ければ prima facie に十分である。但し、criticality (unexpected result)等で
反論は可能。
<prima facie に対する反論>
証拠を示さない代理人による単なる議論は採用されない。証拠は、明細書または 1.132 の宣
誓書により示す必要がある。
引用文献は物理的に組み合わせ不可能との反論は認められない。但し、組み合わせにより、
一方の引用文献の動作原理が変わる、当初の目的が達成できない等の主張は認められる。
引例の数が多すぎるとの主張は、ほとんど認められない(13の引例に対して認められたケ
108
ースがある)
。
経済的に実現不可能、引用文献が古すぎるとの主張は認められない。
後知恵(hindsight reasoning)の主張は、認められる場合がある。
組み合わせの示唆の欠如の主張は可能だが、それ以外の理由でも拒絶は可能。
teach away、一般常識に反する等の主張は有効。
<例外> 706
・103(c)
(1)他人(発明者が完全一致でない)による 102 条(e),(f)及び(g)(102 条(a)はダメ)の先
行技術は、①本発明が行われた時点において同一人によって所有されている、又は
②その時点において、同一人に対する譲渡義務の適用を受けていたとき
103条の下での先行技術ではなくなる。
※上記太字部の同一人は、完全一致(複数人の場合は全員一致)が必要。
(2)次の全ての条件を満たすときは,
(1)を満たすとみなす
①本発明がされた日以前に有効であった共同研究契約の当事者により,又はその当事者のため
にされたこと
②本発明が,共同研究契約の範囲内で行われた活動の結果として行われたこと、③本発明につ
いての特許出願が、共同研究契約当事者の名称を開示しているか,又は開示するよう補正され
ていること
・仮拒絶
102(e)の仮拒絶に該当する出願に基づいて、
103条の仮拒絶を打つことができる。
但し、
103(c)に該当する場合を除く。
109
First Inventor To File (FITF) (改正)
○原則
<102(a)
(1)>
reference
人
場所
時
特許される
なし
なし
有効出願日よりも前
刊行物公知
(誰でも)
(どこでも)
公然使用
販売
公衆に利用可能
<102(a)
(2)>
reference
人
時
US出願公開
他の発明者 引例の有効出願日が、自己の出
US出願公開とみなされる公開 を含む
願の有効出願日よりも前
(国際公開のこと(374))
US特許
国際公開されたUS指定国際出願は、その国際出願日、国際公開の言語、国内移行されたか
否かにかかわらず、102a2 の引例となる。
(Federal Register Vol.78, No. 31, page 11077, 右
コラム)
<103 条>
102 条の先行技術からクレームに係る発明が、その有効出願日において当業者にとって自明
である場合は、特許を受けることができない。
(※改正前とほぼ同じ。判断基準日が発明日から有効出願日に変更された。
)
110
<Pre-AIA の102条との対応関係>
Pre-AIA
AIA
102a(先発明)
→
削除
102b(Statutory bar)
→ 102a1
102c(発明放棄)
→ 削除
102d(Statutory bar)
→ 102a1
102e(拡大先願)
→ 102a2
102f(冒認)
→ Derivation Proceeding
102g(先発明)
→
削除
<有効出願日 100(1)>
実際の出願日、優先権、仮出願、先願日の利益の主張、国際出願日のうち最も早い日。
<AAPA>
AAPA(出願人がプロセキューションにおいて先行技術と認めたもの)の扱いは、従来から
変わらない。AAPA は先行技術として扱われる(Federal Register vol. 78, No. 31 Page 11064,
Comment 20)。
111
○例外(102b)
<102b1>
102a1 に対する例外
有効出願日前1年以内(以下、GPという)における開示は、以下の場合は 102a1 の先行技
術に該当しない。
・102b1A
当該開示が、表Aの何れかの者によりされた場合
表A
発明者
共同発明者、または
発明者または共同発明者から直接または間接的に開示した主題を入手した者
1年
開示 A
出願 A 有効出願日
-----|-----------|-------------------------------------------|-------開示 A は、表Aの者による開示。この場合、開示 A は、102b1A により、先行技術ではない。
・開示 A と出願 A の同一性
102b1A では、開示 A と出願 A の同一性は要件とされていない(と思われる)(日本と同じ)。
したがって、出願 A が開示 A よりも狭い場合、開示 A は自明性の引用文献としても使用できな
い(と思われる)。
・例外適用のための手続
拒絶対応時に、1.130a の宣誓書を提出する。
112
・102b1B
開示された主題が、その開示の前に、表Aの何れかの者により開示されていた場合
1年
開示 A
開示 B
出願 A 有効出願日
-----|-----------|----------------------|------------------|-------開示(B)は、他人による開示。この場合、開示 B は、102b1B により、先行技術ではない。
・102b1B の例外適用のための手続
拒絶対応時に、1.130b の宣誓書を提出する。
開示 A が刊行物の場合は、それを特定し、コピーを添付する。(1.130b1)
開示 A が刊行物以外の場合は、宣誓書で公表の状態を十分に説明する。(1.130b2)
・開示 A と開示 B との同一性(Fed Reg. vol. 78, page 11077)
・開示 A と開示 B は同一の内容を開示していることが、102b1B の要件とされている。
・開示 A と開示 B の同一性の判断は、新規性の判断に近い。
・開示 A が generic で、開示 B が species の場合は、開示 B は先行技術となる。
・開示 A が species で、
開示 B が generic の場合は、
開示 B は先行技術とならない(102b1B
適用)。
・開示の態様は異なってもよい(刊行物と学会発表等)
113
<102b2>
102a2 に対する例外
・102b2A
当該開示が、発明者、または共同発明者から直接または間接的に入手されたものである場合
(※先願と後願の発明者が同一の場合は、そもそも 102a2 に該当しないので、例外の問題ではな
い。)
出願 B
(有効出願日)
出願 A
(有効出願日)
公開 B
------------------|--------------|-----------------------------|-------出願 B は、出願 A の発明者等から入手した発明。この場合、出願 B は 102b2A により、先行技
術ではない。
・例外適用のための手続
拒絶対応時に、1.130a の宣誓書を提出する。
114
・102b2B
当該開示が、当該開示の有効出願日前に、表Aの何れかの者により開示されていた場合
開示 A
出願 B
出願 A
(有効出願日)
(有効出願日)
公開 B
-----|-------------|--------------|-----------------------------|-------開示 A は、出願 A の表Aの者による開示。この場合、出願 B は、102b2B ににより、先行技術
ではない。
・開示 A と出願 B との同一性
102b1B の場合と同様の同一性が要求される。
・102b2B の例外適用のための手続
拒絶対応時に、1.130b の宣誓書を提出する。詳細は、102b1B の場合とほぼ同じ。
115
・102b2c
後願の有効出願日よりも前に、先願と後願が、同一人に所有されている、または、同一人に
対する譲渡義務が生じている場合
(※旧 103c1 に類似の規定。AIAでは、新規性に対しても、本例外規定が適用される)
・102b2c の例外適用のための手続
1.130 の宣誓書は不要。102b2c を満たすことを明示することで、適用可能。
<102c1>
以下の全てを満たす場合、102b2c を満たすものとみなす。
1)
後願の有効出願日またはそれより前に有効であった共同研究契約下にあるパーティにより先
願と後願の発明がされたこと
2)後願の発明がその共同研究契約の範囲で得られたものであること
3)その共同研究契約下にあるパーティの名前を後願が開示する、または、開示するように補正
されること
(※旧 103c2 に類似の規定)
<102d>
102a2 の他の出願の有効出願日は、本出願日の有効出願日と同様に、実際の出願日、優先権、
仮出願、先願日の利益、国際出願日のうちの最先の日。ヒルマードクトリンは廃止。国際出願
における 102e の他の出願としての例外も廃止。
116
<例外まとめ>
対象
人
102b1A
先の開示
発明者等(表A)
102b1B
先の開示より前の開示
発明者等(表A)
102b2A
先願
発明者から入手したもの
102b2B
先願より前の開示
発明者等(表A)
102b2C
先願
同一人により所有(または義務)
102c
先願
共同研究契約
117
○Pre-AIA(FTI)から AIA(FITF)への移行期間における特則
<AIA で審査される出願>
2013/3/16 以後の有効出願日を有するクレームを少なくとも1つ含む出願、または、過去に
含んでいた出願は、その出願の全てのクレームが Pre-AIA により審査される。
※具体例
・3/16 より前の有効出願日を有する出願を先願とする 3/16 以後のCIP
・3/16 より前の出願日を有する外国出願に対して、外国出願に開示されていない事項に
係るクレームを追加した 3/16 以後の優先権主張出願(部分優先)
・3/16 より前の国際出願日を有する国際出願に対して、国際出願に開示されていない事
項に係るクレームを追加した 3/16 以後のバイパス出願
・上記CIP、優先権主張出願、またはバイパス出願において、追加したクレームを後
に削除した場合でも、AIA が適用される。
・3/16 より前の有効出願日を有する出願に対するCIP、優先権主張出願、またはバイ
パス出願で実施例を追加した場合(クレームは追加しない場合)は、Pre-AIA で審査が
行われる。しかし、その後、追加した実施例に対応するクレームを補正によりクレーム
アップした場合には、その後、AIA が適用される。
<Pre-AIA の 102g についての特別の扱い> (Federal Register vol.78, No.31, Page 11083, 右
コラム)
上記基準により AIA で審査される出願であっても、3/16 より前の有効出願日を有するクレー
ムを1つでも有する出願に対しては、全てのクレームに Pre-AIA の 102g が適用される。
例えば、上記CIP、優先権主張出願、またはバイパス出願(3/16 より前の有効出願日のク
レームと 3/16 以後の有効出願日の両方を含む出願)は、全てのクレームが、AIA の 102、103
と、Pre-AIA の 102g を満たす必要がある。
118
<移行期における出願に対する Statement の提出>
1.55j, 1.78a6, 1.78c6
移行期における所定の出願に対して、Statement の提出義務が生じる。
・対象の出願
(i)3/16 より前の出願に対する優先権主張出願(1.55j)、3/16 より前の仮出願に対する本出願
(1.78a6)、3/16 より前の非仮出願または国際出願の出願日の利益を主張する出願(1.78c6)であ
って、
(ii)3/16 以後の有効出願日を有するクレームを含む(または、含んでいた)出願
※要するに、3/16 より前の出願に対して優先権等を主張するとともに、新規クレームを追加し
た 3/16 以後の出願
・提出期限
以下のうちの最も遅い日
・米国出願日から4月
・米国への移行日から4月
・先願の出願日から16月
・3/16 以後の有効出願日を有するクレームが最初にクレームアップされた日
・具体例
米国への出願時(移行時)に新規クレームを追加する場合は、その出願日(移行日)から4
月または先願の出願日から16月以内に Statement を提出する。
米国への出願時(移行時)に実施例を追加する(新規クレームは追加しない)場合は、出願
段階では Statement の提出は不要。その後、OA応答時に、追加した実施例の範囲のクレーム
を追加する場合は、その補正と同時に Statement を提出する。
米国への出願時(移行時)には、新規事項は一切追加しない。その後、CIPにより、新規
クレームを追加する場合は、そのCIPと同時に Statement を提出する。
119
Derivation Proceedings 135
冒認出願を拒絶するための手続き
<要件> 135a
USPTO に対して petition を提出すること
petitioner が、出願人であること 42.402(ここでいう出願は、reissue 出願を含む。42.401)
先願が存在すること
先願の最初の公開から1年以内に petition を提出すること 42.403
後願が先願と同一または実質的に同一のクレームを少なくとも1つ有すること 42.405a2
先願の発明者が、後願の発明者から発明を導き出したこと 42.405b2
先願が、許可がなく出願されたこと 42.405b2
petition が、実質的証拠によりサポートされていること 42.405c
petition と証拠を、被請求人(respondent)に送付すること
※上記「同一または実質同一」は、先願のクレームが後願のクレームに対して新規性がない、
または、自明であることを意味する(Federal Register Vol.77, No.176, Page 56072, Comment
2)。
<開始の決定>
USPTO の Director は、petition が所定の要件を満たす場合に、Derivation Proceeding を開
始することを決定する。開始するとの決定に対して、不服は認められない。135a
<PTAB の審理>
開始するとの決定がされると、PTAB が審理を行う。 135b
PTAB は、petition の対象のクレーム(先願?)に対して特許が発行されてから3月が経過す
る日まで、Derivation Proceeding の審理の開始を延期することができる。 135c
120
また、PTAB は、先願に対する exparte reexamination, PGR, IPR が終了するまで、Derivation
Proceeding の開始を延期、または、Derication Proceeding を中断することができる。 135c
PTAB によるクレームを否定する最終決定は、当該決定に対する appeal 等がない場合、当該
クレームのキャンセルを意味する。 135d
和解が可能。 135e
仲裁が可能。 135f
<AIA への移行>
AIA の審査を受けた出願に対して請求することができる。
AIA と Pre-AIA の何れが適用される
かは、FITF を参照。
121
112条
○112条第 1 パラグラフ 2161
・written description
・enablement
・best mode
は、それぞれ独立した要件である。
Best mode 以外の 112 条の要件は、先願の利益を主張する際、及び、優先権を主張する際に
おいて、先願にも要求される。
122
○Written description 2163
<目的>
出願時において発明者がクレームされた発明を所有していることを確実にする。
<内容>
①オリジナルクレームの内容を、クレーム及び明細書の全体から理解できない場合は112条
違反となる。
②補正したクレームがオリジナルの開示範囲を超えると、112条違反となる。
③オリジナルクレームをクレーム自体から理解できるが、明細書に記載されていない場合は、
132条で objection となる。
④明細書、図面、Abstract への新規事項の追加は、132(Reissue では251)で objection
となる。
①、②は rejection であり、不服申立は Appeal で行う。
③、④は objection であり、不服申立は petition で行う。
明細書とクレームとで用語の意味が異なる場合、第1パラグラフの拒絶となる。第2パラグ
ラフではない。
継続出願、CIP等で、親と子の何れのオリジナルにも開示されていないクレームを補正で
追加した場合は、112条の拒絶と、先願の利益の否定がされる。
十分に予測(理解)できないとの一般的な主張では拒絶できない。審査官は、合理的な理由
または証拠を示さなければならない。
出願時のクレームは、出願の開示の範囲内である。したがって、上記③の通り、クレーム自
体の開示によりクレームが明確な場合は、出願時の明細書及び図面にサポートされていないが、
written description の rejection はされない。この場合、明細書または図面に問題がある
(objection)のであり、クレームの内容を明細書または図面に追加することで、objection が解
消される(かつ、補正は new matter にならない)。
123
incorporated by reference に基づく補正は、新規事項ではない(但し、現在の明細書に記
載がなければならない(すなわち、クレームに参照先の事項を入れる場合は、明細書も補正し
なければならない))
。
119、120 条の親出願(外国出願、仮出願、非仮出願)からの補正は、新規事項ではない(現
在の明細書に記載がなくても、先願の明細書に記載があれば、クレームをサポートしていると
みなされる)
。2163.03
<コンピュータ関係>
ハードウェアとそのハードウェアで実行される処理(アルゴリズム)とが明確に記載されて
いなければならない。
124
○Enablement 2164
<目的>
過度の実験(undue experimentation)に頼ることなく発明を製造、使用することができるよう
にする。
<内容>
バックグラウンド等、明細書の何れの箇所でも、Enablement をサポートすることができる。
Enablement requirement は、実施例が開示されているか否かには依存しない。
発明の範囲の、公知の情報が多いほど、及び、発明の分野における予測可能性が高いほど、
明細書に記載すべき情報量は少なくて済む。
過度の実験は、実験の量や期間の長さのみで評価するべきではない。
ブロック図で示された要素について、その機能を果たすために必要な構成を当業者が理解不
可能である場合には、enablement は満たされない。
single means claim(単一の means のみで表現されたクレーム)は、不当に広いので、
unablement で拒絶される。
明細書から決定的に重要と判断される要素がクレームに記載されていない場合は、
unabloement で拒絶される。
utility requirement (101)を満たさない場合は、Enablement requirement の拒絶理由も出
される。
<出願時に実施可能であったか否かを示す証拠> 2164.06c
出願人は、自己の出願の出願日よりも前に発行された特許を、自己の出願日における技術レ
ベルを立証するのに使用することができる。自己の出願の出願日よりも後に発行された特許で
あって、自己の出願の出願日よりも先に出願されたものは、使用できない(出願日前にその特
許の出願人とUSPTOしかその内容を知らないため)。
審査官は、出願日よりも後に公開された文献を、出願日の技術レベルを立証するのに使用で
きる。例えば、出願日よりも後に公開された文献に所定の技術が実施不可能であることが示さ
125
れていれば、出願日でも実施不可能である。
<その他>
審査官は、クレーム解釈を行う前に Enablement の拒絶理由を出してはならない(クレームを
解釈しなければ、Enablement を判断できない)
。
126
○Best mode
<目的>
発明者が考えるもっとも望ましい形態を秘密にしないようにするための規定。
<内容>
出願時に発明者がベストモードを所有していたか、及び、そのベストモードが明細書に記載
されているかにより判断される。ベストモードが積極的に隠ぺいされたことや、不公正な行為
があったことまで証明する必要はない。
ベストモードが開示されていればよく、明細書の中のどれがベストモードかを明示する必要
はない。
優先権主張出願時、先願の利益を主張する出願時には、先願に記載されているベストモード
を更新する必要はない。但し、CIPの場合は、ベストモードを更新する必要がある。
ソフトウェアの場合、その機能が示されていればよく、ソースコード等まで示されている必
要はない。
127
○112条第2パラグラフ 2171
①明細書は、保護を受ける発明を記載したクレームを含まなければならない。
②クレームは、明確に定義されなければならない。
<①に関して>
①の拒絶理由は、発明者がした発明が、クレームにより定義されるものと異なることを陳述し
た場合(例えば、出願人が意見書で、クレームは発明の範囲と異なることを陳述した場合)。こ
れは、第1パラグラフではなく、第2パラグラフの拒絶となる。
クレームと明細書の内容が異なることは、①の拒絶理由とはならず、112条第 1 パラグラ
フの拒絶理由となる。
<②に関して>
・クレームの用語は、明細書で定義され得る。
明細書中で必須とされているのに、クレームにおいて発明の要素の相互関連付け
(interrelation)を省略した場合は、112条第1パラグラフの拒絶となると同時に、112条
第2パラグラフの拒絶にもなる。
クレームの用語が不明確で発明が理解できない場合は、112条第2パラグラフの
rejection を出して、nevelty については rejection を出さなくてもよい。
クレームの用語が複数の意味を有すると理解できる場合は、いずれの意味も無視しないで
102、103 の審査を行う。
・クレームの用語の明確性
以下により判断される。
・出願の開示の内容
・先行技術の教示
・発明の時点における当業者によりなされるであろうクレーム解釈
クレームの用語が明確に見えても、明細書または先行技術の教示との矛盾によって不明確と
なる場合がある。
新しい用語の使用は、明細書により明確であれば認められる。
128
通常の意味に反して用語を使用してもよいが、この場合、明細書で明確に定義される必要が
ある。
相対的な用語(relative langage)は、基準がクレーム、明細書、先行技術から明確でない限
り、クレームでは使えない。
以下の用語は、クレームで使用しても、不明確とされない。
about
essentially
substantially
以下の用語は、不明確とされる。
similar
type
relatively
of the order of (と略同程度の)
the order of about (~程度の)
substantial portion
or the like
comparable (同党の)
asthetically pleasing (美的に心地よい)
1つのクレームの中で、広い数値範囲と、より好ましい狭い数値範囲を記載すると、不明確
とされる。従属クレームとして記載する分には問題ない。
オープンエンドの数値範囲
Aを20~80%、Bを20~80%との記載は、合計値が100%を超える場合も含
まれているが、不明瞭ではない。100%を超えるようなものは存在(侵害)のしようがない
ので、問題ない。しかし、Aを少なくとも60%、Bを少なくとも50%と記載した場合は、
合計値が100%を下回ることがないので、不明瞭とされる。なお、ピンポイントで数値を指
定(Aを20%)としても、不明瞭ではない。
最大値、または、最小値のみの限定でも、不明瞭とはされない。
“up to”, ”not more than”は、下限値をゼロとする意味を含む。
129
effective amount は、当業者が意味を理解できれば、明瞭。
例示的な文言、for example, such as は、不明瞭。
先行詞(antecedent)の誤りは、不明瞭とみなされる。
a lever が先行してないのに the lever と記載した場合は不明瞭。
2つの lever が存在するのに the lever と記載すると何れの lever を意味する
か不明となる。
a sphere が先行する場合に、the outer surface of the sphere は不明瞭では
ない。sphere が outer surface を有するのは当たり前なので。
「クレーム1の方法により製造された製品」等のように他のクレームを引用する限定は、不
明瞭ではない。
機能的表現は、不明瞭ではない。
<マーカッシュ>
マーカッシュは、化学等の分野で使用されるが、機械等の分野でも使用可能。
マーカッシュの選択肢が、他の選択肢の上位概念であっても、不明確とはされない。例えば、
AがBを含む上位概念であっても、selected from the group consisted of A and B は不明確
ではない。
マーカッシュ群は、単一の構造的類似性(single structural similarity)を有するか、共通
の使用(common use)をシェアしなければならない。
マーカッシュの正式な記載方法としては、
R is selected from the group consisted of A, B and C
R is A, B, or C
が使用可能。
optionally(例えば、R containig A, B and optionally C)は、明確か否かは場合による。不
明瞭とされない場合が多い。この場合、A,B を開示する(C を開示しない)引例で拒絶可能。
否定的限定は、不明瞭とはされない。
Prolix(冗長)なクレームは、不明瞭とされる場合がある。
130
クレーム数が不当に多い場合は、審査官は出願人に電話し、審査すべきクレームを選択する
ように要求する。クレームが選択された場合には、次のOAで、選択されたクレームについて
審査結果を出すとともに、選択されなかったクレームを multiplicity を理由として拒絶する。
出願人がクレームの選択を拒否した場合には、次のOAで全てのクレームを multiplicity を理
由として拒絶する。
プロダクトバイプロセスクレームは不明瞭ではない。
1つのクレームで、装置と方法のように複数のカテゴリを記載すると不明瞭とされる。
Use(用途)のみによりプロセスを限定するクレームは、不明瞭とされる。例えば、
「Aをす
るためにBを使用するプロセス」は、Bを具体的にどうするのか不明である。
Step of utilizing(~を利用するステップ)は、不明瞭でないとされた判例がある。
オムニバスクレーム(例:device substantially as described/実質的に図示された通りの
装置)は不明瞭
フローチャートを含むクレームは、不明瞭。
図面、表を参照するクレームは、それ以外に適切な方法がない場合には認められる。
化学式を含むクレームは、不明瞭ではない。
基本的に、商標をクレームで使ってはいけない。112条第2パラグラフ違反。
クレームのプレアンブルで means for の用語を使用した場合は、それがミーンズプラスファ
ンクションを意図しているのか否か不明であるので、112条第 2 パラグラフの拒絶を出す。
※従属形式の違反は、112条第 4 パラグラフの拒絶
・マルチマルチ
・上位クレームの構成要素を省略した
など
※上位クレームと従属クレームが全く同じ内容の場合は、
規則 1.75 違反の objection がされる。
131
○112条第6パラグラフ 2181
<means plus function claim>
ミーンズプラスファンクションクレームと解釈された場合、112条第6パラグラフが適用
される。ミーンズプラスファンクションクレームか否かは、以下により判定される。
・means for (step for)の用語を使用しているか
・機能を特定しているか
・構造による特定がないか
ミーンズプラスファンクションクレームかは総合的に判断されるので、means for という用
語を使っていなくても、ミーンズプラスファンクションクレームと解釈される場合がある。
machanism for, device for やその他の用語でも、ミーンズプラスファンクションクレームに
なり得る。
ミーンズプラスファンクションクレームと解釈された場合は、明細書に具体例が記載されて
いないと、112条第2パラグラフの拒絶を受ける。
<コンピュータ関係>
ミーンズプラスファンクションクレームと解釈された場合、明細書に、プロセッサだけでな
く、プロセッサで実行されるアルゴリズムが開示されていなければならない。ない場合は、1
12条第2パラグラフで拒絶。
<先行技術の調査>
2182 2183
ミーンズプラスファンクションクレームに対して、均等物としての先行技術を拒絶に用いる
ときは、審査官は、均等物である理由の説明をする必要がある。
均等物か否かは、以下の基準により判定する。
・対象の要素が、クレームに記載された機能と同一の機能を同一の方法で実行し、同一
の結果を得る(FWR test, function, way, result)
132
・当業者が、対象の要素を、明細書に記載された要素と置換可能(interchange)
・対象の要素と、明細書に記載された要素が、非実質的に異なる。
・構造的に均等である(structual equivalent)
均等物との拒絶に反論する場合は、均等物でないとの証拠を、
明細書
引用文献
1.132 の affidavit による証拠
の何れかにより主張することができる。
133
MPEP800台
<Restriction> 802
121
independent であり、distinct な発明は、1出願では出願できない。
independent は、関連がない発明。
distinct は、関連があるが、デザイン、動作、効果等が共通しない発明。
<1の出願で許可可能なクレーム> 1.141
許可可能な generic クレームを有する場合は、その species クレームは許可できる。但し、
species の数が妥当な場合に限る。species は、従属形式で記載してもよいし、generic の全て
の限定を含む独立形式で記載してもよい。
製品とその製造方法は、製造方法をその製品から distinct できる場合に行うことができる。
製品と製造方法を区別できないとき(一出願でいけるとき)は、使用方法も併合できる。
<restriction requirement> 1.142
・発明が、indepenedt かつ distinct であり、かつ、限定を要求しないと、審査官の負担が深
刻となる場合に可能。
<rejoinder>
generic クレームに従属する species(または generic の限定を全て含む独立形式の species)
に対して restriction requirement が出され、その後、generic クレームが許可された場合に
は、rejoinder となる。rejoinder は、restriction requirement の取消であり、すべての species
が審査される。rejoinder となった場合には、121 条の効果がなくなるので、分割出願と親出願
の間で Double patent が生じる場合がある。 821.04
<時期>
134
restriction requirement は、1stOA前に出すのが好ましいが、FinalOA前であればい
つでも出せる。 811
<電話>
restriction requirement は、電話でも要求できる。代理人が電話での応答をしなかったり、
断る場合には、書面による要求が送付される。
電話での選択があった場合には、次のOAに公式な restriction requirement と選択された
クレームを記載する。この場合、それとともに、non-elected claim の cancel(選択の取消?)、
プロセキューション終了、Notice of Allowance 等の通知をすることもできる。
<応答> 818 1.143
restriction requirement が妥当ではないと考える場合には、travase をすることができる。
この場合でも、クレームの選択をしなければならない。travase が明確な理由を述べていない
ときは、travase はないものとされる。restriction requirement についての審査官による最終
決定に対して不服がある場合は、Director に対して petition を提出することができる(但し、
適切に travase した場合のみ)。restriction requirement に対して appeal はできない。
135
○Double patent 804
101
121
法定型(101)と非法定(自明型)がある。
<Double patent の拒絶が生じる状況>
①関係
・出願と出願の間、または
・出願と特許の間
②発明者、Assignee 等の関係
Double patent のためには、先願と後願との間で以下の何れかが前提となる。
・少なくとも1人の発明者が重複している。
・後願の発明時に、同一 Assignee に譲渡され、または、譲渡義務があった。
・共同発明契約の下で発明がされている
③クレーム
・先願と後願のクレームが同一(法定)
・後願のクレームが、先願のクレームから自明(非法定)
④restriction requirement の結果の分割出願と親出願の間では生じない。 121
※自発的な分割出願や、restriction requirement の指摘を無視して行う分割出願には適用さ
れない。
<拒絶の解消の方法>
法定:該当するクレームの削除
非法定:ターミナルディスクレーマ
※ターミナルディスクレーマは、出願または特許のオーナーによる、先願の満了日よりも後の
部分について、特許を放棄する旨の宣誓。
136
※ターミナルディスクレーマには、capacity を有する代理人はサインできない。
137
MPEP900台
<901.01>
出願から削除された事項は、102(e)の下では、その出願の時点における開示とは認めら
れない。102(e)の引用文献にはなれない。
但し、出願から削除された事項は、特許の時点における開示としては認められる。102(a)
の引用文献にはなれる。
<901.02>
非公開で取下げになった出願であっても、後願で参照されたり、出願日の利益が主張されて
いる場合には、その後願が公開されたときに公衆に利用可能となる。したがって、このような
文献は、102a、102b、102eの引用文献になり得る。
このような先願に記載された事項を102(e)の先行技術とする場合は、effective filing
date は先願の出願日。
但し、先願に含まれていたが、後願に記載されていない事項は、先願は102eの引例には
なれない(先願の記載事項が公開されていないため)
。
138
MPEP1000台
<Director への petition>
1.181
プロセキューションにおけるさまざまな問題等に対しては、Director に petition を提出す
ることができる。Petition は、問題が生じてから原則 2 月以内に提出する。2 か月を超えて提
出されたものは無視される。
Director への petition は、審査官に対するアクションの期間(応答期間)を停止すること
はない(審査官に対してアクションを行う必要がある)。
139
MPEP1100台
○法定発明登録(SIR)
2013/3/16 以降、法廷発明登録は廃止
<法廷発明登録> 1.293
出願継続中において、出願人は、いつでも、法廷発明登録による公開を請求できる。
必要書類
・出願人および Assignee、または、登録された代理人によりサインされた request。
・fee
・112 条の要件を満たす(明細書(クレーム含む)
、図面がある)旨の statement
・公開の条件を満たす(1.211
Oath 等がある等)旨の statement
・当該出願と、法廷発明登録申請後の出願について、権利を放棄する旨の宣誓(waiver)
<法廷発明登録の審査> 1.294
1.293 の条件を満たすかが審査される。主に、下記
・公開の条件を満たすこと
・112 条の要件を満たすこと
・公開可能な主題に関するものであること
が審査される。
※審査結果は、出願人に通知され、否定的な場合は応答期間が与えられる。延長可能(OA と同
じ)
。
<拒絶に対する不服> 1.295
112 条以外の理由で SIR が拒絶された場合は、petition と fee の提出により、Director にレ
ビューを請求できる。
112 条で拒絶された場合には、board に対して Appeal ができる。
140
<SIR の請求の取り下げ> 1.296
SIR の請求の取り下げは、許可通知の日前であればいつでもできる。子の取り下げの請求は、
自動的に、返金の請求にもなる。
141
○出願公開 1120 1.211
<内容>
以下を除いて、優先日(仮出願、親出願、パリ優先、国際出願日のうち最先の日)から18
月後に公開される。
・取り下げられた出願
・秘密保持命令がされた出願
・特許になった出願(公開から除外するのに十分な時間がある場合)
・非公開の請求がされている出願
・仮出願、デザイン出願、Reissue 出願
<公開のための条件>
非仮出願は、以下がそろわないと公開されない。この場合18月以後に公開される場合もあ
る。
・出願基本料
・翻訳文(英語以外で出願した場合)
・Oath 等
以下の場合にも、公開が遅れる場合がある。
・出願サイズ fee の未納
・明細書の不備
・Abstract の不備
・図面の不備
・シーケンスリストの不備
出願が完了すると、出願の受領書に、公開予定日が記載される。
公開予定日は、優先日から18月よりも後であり、米国への出願日よりも14月より後に、通
常は設定される。
142
出願の受領書に間違いがある場合は、出願人は、その訂正のリクエストを USAPTO に提出する必
要がある。訂正のリクエストをしないと、その内容で公開がされる。
<公開の内容>
1.215
出願時の明細書及び図面、ADS、Oath 等。
公開日よりも4月以上前に提出された補正(明細書、図面、Abstract 等への補正)も公開さ
れる。
出願人の選択として、公開前の OA に対して電子手続きによって、1 月以内に応答した場合、
または、優先日から14月以内に応答した場合には、以下のものは補正された内容で公開でき
る。
・差し替え明細書による明細書の補正
・Abstract の補正
・完全なクレームリストによるクレームの補正
・図面の補正
<出願の明示の取下げ(express abandonment)> 1.138
出願を公開されるのを防ぐには、公開前4月より前に明示の取り下げの請求を行う必要があ
る。取下げの時期が遅れると、公開されてしまう。
<公開手数料>
1.211
許可通知の後3月以内に公開手数料(issue fee も)を納付しなければならない。納付しな
いと、出願取下げとなる。出願公開がされなかった場合であって、公開手数料を既に納付済み
の場合は、払い戻しの対象となる。払い戻しの請求は、特許発行の日から4週以後にできる。
<早期公開> 1129
1.219
143
早期公開の請求も可能。この請求は、公開手数料の支払いとともに行う。
<再公開、公開広報の修正>
1130 1.221
再公開の請求も可能。この場合、電子出願のコピーと、公開手数料と、処理手数料を支払う。
公開においてUSPTOがミスをした場合にも、再公開の請求が認められる。この場合は、
最初の公開から2月以内に請求する必要がある。
<制限された(reducted)公開>
1.217
外国に出願しており、その外国の開示がUSの出願よりも狭い場合には、出願人は、外国の
開示の範囲に含まれていない部分を削除した原稿(公開用の reducted の原稿)を提出できる。
この原稿は、優先日から16月以内に提出する必要がある。
reducted の公開が認められた場合は、出願の内容に対するアクセスも reducted の内容に限
られる。
<プロテスト、公然実施手続きの制限> 122
プロテスト(1.291)、公然実施手続き(1.292)は、出願公開後は禁止される。
<その他>
国際公開された出願であっても、US国内で出願公開がされる。
144
○Third party submission 1134.01
pre-AIA 1.99
提出物
AIA 1.290
・特許または刊行物のリスト ・特許または刊行物のリスト
・各文献の関係についての説明
・リストの各文献のコピー
・リストの各文献のコピー(US
公開,US 特許を除く)
・該当部分の英語翻訳
・該当部分の英語翻訳
・提出者による Statement(No IDS
Duty)
備考
・提出費用
・提出費用
・説明文の提出は不可
・説明文の提出が必須
・一度に提出できる文献は1 ・一度に提出する文献が3以下で
0個まで
あり、その後、提出を行わないこ
とを宣誓すれば、提出費用は不要
・提出文献は、prior art に限ら
れない。判例、辞書、対応外国出
願等も提出できる。
時期
公開から2月
公開から6月
最初の拒絶
の何れか遅い方
その後
notice of allowance
notice of allowance
の何れか早い方
の何れか早い方
出願人に通知される 1.248
※FAXでは出せない。
145
MPEP1200台
Appeal
<Notice of Appeal> 41.31(改正)
1204
以下の場合に、Appeal を請求できる。
主体:出願人
時期:クレームについて二度の rejection を受けた場合、かつ
OAの指定期間内
手続:Notice of Appeal の提出
手数料の支払い
※Notice of Appeal にサインは不要(手数料引き落としのためのサインが必要な場合は
ある)
※親出願で拒絶されたクレームを、継続出願し、継続出願の最初のOAで拒絶された場合、
Appeal が可能。少なくとも1つのクレームが二度拒絶されれば、Appeal 可能。restriction
requirement は、petition の対象であって、appeal の対象ではない。
※rejection(101, 102, 103, 112, ダブルパテント)は、Appeal の対象。
※objection は、petition の対象であり、Appeal の対象ではない。
<Appeal Brief> 41.37(改正)
1205
主体:Appeal した者
時期:Notice of Appeal の提出から2月以内(Notice of Appeal の提出に Certificate of Mailing
を使用することはできるが、この場合でも上記2月の期間は Notice of Appeal が USPTO で実際
に受領された日から計算される)。
手続:Appeal brief の提出
手数料の支払い
146
上記2月の期間は、5月延長可能(すなわち、最大7月)
。
<Appeal Brief の内容>
・real party in interest を特定した statement(但し、この記載がない場合は、発明者が real
party と推定される)
・関連する他の appeal、インターフェアレンス、司法手続きを特定する statement
・拒絶された独立クレームについての説明。112条第 6 パラグラフで拒絶された場合には、
明細書とクレームの要素との対応も説明する。
・Argument クレームを、クレームごと、または、共通の拒絶理由ごとに分けて議論すること
(stand or fall together)
・claim appendix(クレームの表)(拒絶された全てのクレームを含むこと)
※Board は、argument がされているクレーム(またはグループ)に対してのみ審理する。
<Appeal Brief が要件を満たさない場合> 1205.03
Appeal Brief が要件を満たさない場合、すなわち、
・時期的要件違反
・記載要件違反(全てのリジェクションに応答していない等)
等の場合には、出願人に Notice of non-compliance が出され、期間が指定される。そのして期
間内に Amended Brief の提出が可能。この期間は、不責事由の場合のみ延長可能。なお、通知
の内容に不服がある場合は、petition を提出できるが、この petition は期間を停止させない。
petition を出す場合でも、amended brief の提出が必要。
<Notice of Appeal の後に提出される補正、証拠> 1206 41.33(改正)
・補正
Notice of Appeal の提出後であって、Appeal Brief の提出前の補正は、1.116(最終拒絶後
147
の補正の制限)の下での補正であれば認められる。
Appeal Brief の提出と同時またはその後の補正は、後述する①~③の場合を除いて、Appeal
の争点を減らすための補正のみ認められる。具体的には、クレームのキャンセル、従属クレー
ムを独立クレームにすることが認められる。
・Affidavit または他の証拠
Notice of Appeal の提出後であって、Appeal Brief の提出前の Affidavit 等の提出は、審査
官が Appeal に係るすべての拒絶理由を解消すると認め、かつ、証拠が、なぜ必要か、なぜもっ
と早く提出できなかったかの十分かつ明確な証拠を示したとき(要するに、審査官が認めたと
き)のみに認められる。
Appeal Brief の提出後の Affidavit 等の提出は、後述する①~③の場合を除いて、Appeal
Brief の提出前に審査官に認められた場合のみ、認められる。
・例外①~③
①Examiner’s Answer が新たな拒絶理由(new ground)を含んでいる場合
② Substitute Examiner’s Answer が出された場合
③Board が新たな拒絶理由(new ground)を発見した場合
※詳細は後述
<Examiner’s Answer> 41.39(改正) 1207
Examiner によって、Appeal Brief に対する回答が出される。この回答には、元の拒絶理由、
拒絶理由の取下げ、新たな拒絶理由(new ground)が含まれる。新たな拒絶理由は、Appealant
の Argument に基づくものであっても、まったく関係ないものであってもよい。
新たな引用文献を追加する場合は、必ず新たな拒絶理由を追加したことと解釈される。
また、
148
102から103への理由の変更は新たな拒絶理由となるが、103から102への変更であ
って引用文献が変わらないものは新たな拒絶理由とはならない。
新たな拒絶理由を、既に許可されているクレームに対して出すことはできない。
新たな拒絶理由を追加する場合には、Examiner’s Answer に new ground の宣言が入れられ
る。
出願人は、Examiner’s Answer に対して reply brief を提出してもよいし、提出しなくても
よい。但し、新たな拒絶理由を含む Examiner’s Answer に対しては、応答義務がある。
<Examiner’s Answer に対する応答> 41.39(b) (改正)、41.41(改正)
Examiner’s Answer の応答期間は2月(不責事由の場合のみ延長可能)
。
New ground が追加された場合は、以下の応答が必要。
(1)審査の再開(reopen)を求める応答を提出する(appeal から審査に戻す)
この場合、補正、affidavit 等の証拠の追加が可能。
(2)新たな拒絶理由に対応する reply brief を提出する(appeal を維持する)。
この場合、補正、affidavit 等の証拠の提出は不可能。これを行うと、自動的に(1)
の請求とみなされる。
reply brief では、新たな議論、examiner’s answer に応答するものでない議論はでき
ない(無視される)。
<Supplemental Examiner’s Answer> 1207.05 41.43 改正により廃止
審査官が、reply brief に対して応答する制度。
<New ground でないことに対する petition> 41.40(改正)
Examiner’s answer に New ground の宣言が含まれていないことに不服がある場合は、
Examiner’s Answer の日から 2 月以内(不責事由以外で延長不可)
、かつ、reply brief の提出
前に petition を提出できる。
149
petition が認められた場合には、
reopen の請求をするための 2 月の期間が与えられる。
reopen
を請求しないと、Appeal が却下される。
petition が認められない場合には、
reply brief を提出するための2月の期間が与えられる。
petition に対する決定がされる前に reply brief が提出された場合には、petition の取下げ
とみなされる。
<審査官による審査の再開> 1207.04
Appeal Brief または reply brief の提出の後に、審査官は、Answer を出す代わりに、審査の
再開(reopen)をすることもできる。この場合、次の拒絶理由が Final か否かは、Final の基準
による。
<審尋(oral hearing)の請求> 1209 41.47(改正)
Examiner’s answer から2月以内(不責事由の場合のみ延長可能)、または、reply brief
の提出の何れか早い方までに、審尋の請求ができる。written request と fee を提出する。ま
た、Board と審査官の間で審尋が行われる場合もある。審査官の審尋は、出願人の出席の有無
にかかわらず行われる。
150
<Board による手続>
1210
41.35(改正)
・Board による手続きは、reply brief の提出、または、reply brief の提出期間の満了により
開始する。
・Board による手続きは、以下の場合に終了する。
審査官への差し戻し(remand)がされたとき
Board による最終決定がされ、司法による結論が得られるか、司法への手続き期間が終
了したとき
出願の取下げの請求があったとき
RCEがされたとき
出願人の応答がないために却下(dismissal)の決定があったとき
審査の再開の請求があったとき(reopen)
<Board による action> 41.50(改正)
Board は、以下のアクションが可能
・Affirmance(審査官を支持)(Affirmance in part(一部容認)も可)
・reversal(破棄)
・remand(差し戻し)
・new ground of rejection(新たな拒絶理由の提起)
・dismissal(却下)
<Remand(差し戻し)>
1211
審査が不十分なときは、final decision に至らずに差し戻しが行われる場合がある。
(例)
・引例の立場が不明確であり、さらなる審査が必要な場合、
・累積的な複数の拒絶理由が存在し、最も適切な拒絶理由を選択する必要があるとき
・最も近い引用文献がサーチされておらず、追加のサーチが必要なとき
・審理対象のクレームが削除補正されたとき
・substitute examiner’s answer の提出を求める場合
151
・Notice of appeal 以後に提出された affdavit 等の証拠は、拒絶解消に有効であり、かつ、
もっと早く提出できなかった正当理由を説明したときには採用される。Notice of appeal 後に
提出された証拠を審査官が考慮すべきである場合に、remand がされる場合がある。
※FinalOA後、Notice of Appeal 提出前に提出された affidavit が採用されないことについ
ては、petition による不服申立が認められている。したがって、この点については、appeal
では判断されず、これを理由として remand になることはない。
<Substitute Examiner’s answer> 41.50(a)(2) (改正)
board により remand が出されると、審査官が remand に応答する substitute Examiner’s
answer を提出する場合がある。
substitute Examiner’s answer が提出された場合は、出願人は、その日から 2 月以内に、
以下の何れかの応答をしなければならない。
(1)審査の再開(reopen)を求める応答を提出する
この場合、補正、affidavit 等の証拠の追加が可能。
(2)reply brief を提出する(appeal を維持する)
。
この場合、補正、affidavit 等の証拠の提出は不可能。これを行うと、自動的に(1)
の請求とみなされる。
reply brief では、新たな議論、examiner’s answer に応答するものでない議論はでき
ない(無視される)。
<new ground of rejection> 41.50(b) (改正)
board により新たな拒絶理由が発見された場合には、その旨の決定(non-final desicion)が
される。この決定は、Appeal の対象でないクレームに対して出される場合もある。
new ground of rejection の決定がされた場合には、出願人は、その日から 2 月以内(不責
事由の場合のみ延長可能)に、以下の何れかの応答をしなければならない。
(1)審査の再開(reopen)を求める応答を提出する
この場合、補正、affidavit 等の証拠の追加が必要。
152
(2)再審理(rehearing)の請求をする。
(appeal を維持する)。
補正は不可能。
以下の場合を除いて、新たな argument、affidavit 等の証拠の提出は不可能。
a.最近の board または連邦裁判所の決定に基づく新たな argument を行う場合
b.新たな拒絶理由に対する argument を行う場合
c.board の決定が、拒絶理由を指定していない(undesignated)との argument を行う場
合
※クレーム1について affirmed され、クレーム2について new ground of rejection が出され
た場合、クレーム2について reopen を求めることができる。この場合、reopen された審査で、
審査官は、クレーム2だけを審査する。reopen でクレーム2について最終拒絶が出された場合
には、出願人はクレーム2についてののみ新たに Appeal を行うことができる。この Appeal で
は、クレーム1は affirmed されたものとされ、クレーム2についてのみ審理される。
※Affirmed されたクレーム1について不服申立の機会を残しておくためには、クレーム1に対
する rehearing とクレーム2に対する reopen を同時に請求する。この場合、rehearing は開始
されずにクレーム2の審査が reopen される。審査の終了後に、Appeal を行うと、rehearing
を求めたクレーム1についても審理が行われる。
<Request for briefing and information> 41.50(d)
board は、出願人に対して、期間を指定して説明を求めることができる。期間を渡過すると、
Appeal が却下となる。この期間の延長はない。
<Board による補正の示唆> (旧 41.50(c))
改正により削除された
<Reversal, Affirmation> 1214.04 1214.06 1.197
153
Reversal は、Board が拒絶理由に同意しないことであり、審査官への事件の差し戻しを意味
する。
Affirmation は、Board が拒絶理由に同意することである。
Reversal 及び Affirmation はクレームごとに判断される。
(Appeal におけるクレームの取り扱い)
・基本
affirmed されたクレームは、キャンセルとして取り扱われる。
(但し、affirmed の決定自体
がキャンセルを意味するのではなく、affirmed の決定に基づいて元の審査官がクレームをキャ
ンセルする)
revese されたクレームは、許可される。
・全てのクレームが affirmed された場合
出願自体が abandon されたとみなされる(審査官が abandon する)。
・従属クレームの objection
独立クレームが rejection を有しており、従属クレームが独立クレームに従属するとの
objection を有しているとの拒絶理由に対する Appeal において、独立クレームが affirmed さ
れた場合
→独立クレームと従属クレームの両方がキャンセルとして取り扱われる。
・従属クレームの rejection
独立クレームが rejection を有しており、従属クレームも rejection を有しているとの拒絶
理由に対する Appeal において、独立クレームが affirmed され、従属クレームが reverse され
た場合
→独立クレームはキャンセルとして取り扱われる。
→従属クレームは、以下の何れかの扱いを受ける。
①審査官補正により、従属クレームを独立クレームに書き換えて、特許を発行する。
②出願人に1月の補正期間(不責事由以外は延長不可)を与える。
154
<Withdraw(取下げ), Dismissal(却下)>
1215
明示の請求により、Appeal を取り下げることができる。
応答をしない場合は、Appeal の取下げとみなされる。
Appeal の最終決定までに、RCEを出すことができる。RCEと共に補正も可能。RCEの
請求は、それが適法か否かにかかわらず、Appeal の取下げとみなされる。
(なお、継続出願も
可能だが、この場合は Appeal の取下げとはみなされない)
出願人は、一部のクレームについて Appeal を取り下げることもできる。
Appeal が取下げまたは却下となった場合、許可されたクレームがある場合は、審査官は、許
可されていないクレーム(objection を含む)を削除し、許可されたクレームについて特許を
発行する。objection は、許可されているとはみなされない。
※クレーム1が許可されており、クレーム2、3が reject されている場合は、クレーム2,3
が削除され、クレーム1に特許が発行される。
※クレーム1が reject されており、クレーム2がクレーム1の従属であるとの objection を有
する場合、出願全体が取下げとみなされる。
※但し、形式的な問題がある場合には、審査官が自身で補正するか、出願人に修正の機会を与
えることがある。
<Request for Rehearing or Reconsideration>
Board に よ る 決 定 が さ れ た 場 合 に は 、 Board に 対 し て Request for Rehearing or
Reconsideration を請求できる。
<Judical review> 1216 2
1.301 1.303
board の決定に不服がある場合は、
CAFC への上訴または DC 地方裁判所バージニア東部地区地
方裁判所への民事訴訟による救済を受けることができる。Board の最終決定(または、Request
for Rehearing or Reconsideration に対する決定)から 2 月以内にこれをすることができる。
裁判所へ上訴した後は、RCE はできない。
155
CAFCではUSPTOで考慮されていない新たな証拠の提出はできない。
DC地裁バージニア東部地区地方裁判所では、USPTOで考慮されていない新たな証拠を
提出できる。
<その他>
プロセキューションに対する Appeal への不服は、CAFC とDC地裁バージニア東部地区地方
裁判所のいずれかに上訴可能であり、他の手続きと扱いが異なる。
Inter Partes Review, Post Grant Review への不服は CAFC のみ(Review は Board の手続き
なので、不服申立先は裁判所)
。
Reissue 出願、
Ex parte Reexamination への不服は、
Board への Appeal (これらは examination
なので、
不服申し立て先は Board、
さらに Board に不服がある場合は裁判所(CAFC のみ)に上訴)。
Appeal の応答期間は、ほぼ全部2月。
Appeal Brief の提出期間以外は、延長不可。但し、unintentional 等による後出しが認めら
れる場合はある。
156
MPEP1300台
Allowance and Issue
<明細書の書き直し> 1302.02
明細書の補正がされて、混乱を招くおそれがある場合、
・審査官は特許発行前に明細書の書き直しを要求することができる、または
・審査官は明らかなエラーを修正することができる。
<Notice of Allowability>
1302.03
特許を発行可能な状態になったときに発行される。図面等の提出を求められる場合がある。
これにより指定される期間は延長できない。
<Examiner’s Amendments and changes> 1302.04
審査官は、明細書(クレーム含む)の明確なエラーを修正できる。
<Reasons For Allowance>
1302.14 1.104
審査官は、許可する理由を Notice of Allowance またはその他の書簡において記載できる。
出願人は、審査官が記載した理由について、コメントを提出できる。
審査官が記載した理由は、エストッペルを生じさせない。
出願人のコメントは、エストッペルを生じさせる。
審査官が記載した理由に対してコメントしなかったことは、審査官の意見に同意することを
意味するものではない。
出願人がコメントを提出した場合に、審査官がそのコメントに応答しないことは、審査官が
出願人に同意すること等を意味するものではない。
審査官は、審査の履歴から許可される理由が明確でないと判断する場合は、許可する理由を
157
記載しなければならない。
<Notice of Allowance> 1303 1.311
特許を発行可能になったときに発行される。3月の期間が指定され、issue fee の支払い(場
合によっては、publication fee)が必要となる。
issue fee の支払い期間は、延長不可。但し、unintentional 等の場合には、遅れて支払いが
可能。この場合、petition, fee, 不可避または意図的でないことの理由、ターミナルディスク
レーマとともに issue fee を支払い可能。711.03(c)
審査官は、Notice of allowance の発行後に拒絶理由を発見した場合は、primary examiner
の許可を得た場合にのみクレームを拒絶できる。
<Issue fee> 1306
issue fee の支払い後に、特許発行の延期(defer)を求めることができる。延期は1月まで。
この場合、petition と fee を提出し、理由を説明しなければならない。
<Withdrawal from Issue>
1308
1.313
issue fee の支払い後における特許発行の取下げの請求は、petition と fee の支払いにより
可能。理由を説明する必要がある。
USPTOが自発的に発行を取り下げるのは以下の場合のみ。
・USPTOのミスがあった場合
・IDS違反や不法行為があった場合
・クレームが特許不可能であった場合
・インターフェアレンスの場合
出願人からの petition により発行を取り下げるのは以下の場合
158
・一部のクレームが特許不可能であった場合(この場合、出願人は、petition と共に、特許不
可能なクレームの宣誓と、補正書と、補正の説明を提出する)
・RCE、継続出願する場合
・出願の取下げをする場合
この petition は、特許発行前にUSPTOで受領されなければならない。
issue fee の支払い後に特許不可能であることが判明した場合(例えば、引用文献が見つか
った場合)、USPTOは特許発行を取り下げて、OAを出す。
159
MPEP1400台
特許の修正(Correction of Patents)
1400
特許は、以下のいずれかにより修正できる。
1.Reissue
2.certificate of correction
3.Disclaimer
4.Reexamination
5.Supplemental Examination
○Reissue
1401
251
<Reissue で訂正できるもの>
以下の「エラー」
。
・クレームが広すぎる
・クレームが狭すぎる
・誤記
・先願の利益の主張の忘れ、誤り(この場合、意図せず主張が遅れたことの petition は不要)
・優先権の主張の忘れ、誤り(この場合、意図せず主張が遅れたことの petition が必要)
・先行文献についての参照の忘れ、誤り
・IDS
・発明者
※プロセキューション中の restrection requirement で withdrawn したクレームを、分割出願
しなかったことは、エラー(Reissue の理由)にならない。withdrawn してそのまま放置したク
レームについて、Reissue で分割出願、または、補正でクレームアップはできない。
160
<特許期間への影響> 1405
Reissue で、先願の利益の主張を削除しても、特許期間は延長されない。
<騙す意図(deceptive intention)>
改正により、騙す意図がないことが、Reissue の要件から削除された。
<Reissue 出願の内容> 1410
1.171 1.173
以下を提出
・元の特許の明細書のコピー(ダブルコラムの書式)
・元の特許の図面のコピー
・同意書(下記)
・Reissue Oath 等(下記)
・fee
※同意書、Oath 等がなく Reissue が出願された場合、提出期間が指定される。
<同意書(consent)>
Reissue 出願には、特許権全体の所有者全員の書面による同意書を付けて出願する。
<Reissue Oath 等> 1410.01 251(改正) 1.172(改正) 1.175(改正)
(改正前)
原則:
発明者によりサインされた Reissue Oath 等を提出する。
例外1:
クレームを拡大しない Reissue については、Assignee が Reissue Oath 等にサ
インできる。
例外2:
発明者が死亡、手続能力なし、所在不明、サイン拒否の場合は、法定代理人、
161
他の共同発明者、または、Assignee が Reissue Oath 等にサインできる。
(改正後)
原則:
発明者によりサインされた Reissue Oath 等を提出する。
例外1:
クレームを拡大しない Reissue については、Assignee が Reissue Oath 等にサ
インできる。
例外2:
元の特許出願において、
Assignee が出願人であった場合は、
Assignee が Reissue
Oath 等にサインできる(クレームを拡大する場合でも Assignee がサイン可能)。
例外3:
発明者が死亡、手続能力なし、所在不明、サイン拒否の場合は、法定代理人、
他の共同発明者、または、Assignee がサインした Substitute Statement(1.64)を代わりに提
出する。
Reissue Oath 等(または、reissue における substitute statement)は、出願時の Oath 等
の要件に加えて、
・少なくとも1つのエラーを特定すること、及び
・元の特許は全体または一部が、明細書、図面の不備により、または、クレームが狭す
ぎたまたは広すぎたことにより、権利行使不可または無効であったとの宣誓
を含む。
※元の特許がエラーを含まない Reissue 出願に対しては、
特許の Reissue はされない。Reissue
出願が却下される。
<Reissue 出願の前に Certificate of Correction により訂正されている場合>
1.411.01
訂正された内容の明細書、図面を Reissue 出願で提出する必要がある。今回の Reissue で変
更する箇所以外(すなわち、事前の Reissue や Correction 等で修正された箇所)にアンダーラ
イン等は不要。
Reissue で変更する箇所にダブルアンダーライン、削除する箇所にはダブルブラケットを記
載する。
162
<Rcapture の禁止> 1412
元の出願のプロセキューションで surrender したクレームを取り戻すことはできない。例え
ば、キャンセルされたクレームを復活させたり、補正により加えた限定を取り除くことはでき
ない。意見書で主張した事項に反する補正も不可能。
Reissue 出願から継続出願する場合でも不可能。
<クレームの拡大>
1412.03
従属クレーム2を拡大した場合において、拡大したクレーム2がクレーム1より狭ければ、
Reissue におけるクレームの拡大にはあたらない。2年以後でもできる。
カテゴリ(物、方法等)の異なるクレームの追加は、クレームの拡大である。
<クレームを広げる Reissue は、特許発行から 2 年以内に出願する>
クレームを広げる旨の宣言を含む Oath 等が 2 年以内に出されていなければならない。但し、
Oath 等はサインがなくてもよい。
例1) クレームを広げる旨の宣誓を含む Executred Oath(サイン入りの Oath)と拡大されたク
レームが 2 年以内に提出された。→OK
例2) クレームを広げる旨の宣誓を含む Unexecutred Oath(サインなしの Oath)と拡大された
クレームが 2 年以内に提出され、2 年経過後に同じ内容の Executed Oath が提出された
→OK
例3) クレームを広げる旨の宣誓を含む Executred Oath が 2 年以内に提出され、2 年経過後
にクレームが拡大補正された。→OK
例4) クレームを広げる旨の宣誓を含む Unexecutred Oath が 2 年以内に提出され、2 年経過
後に同じ内容の Executed Oath が提出され、クレームが拡大補正された。→OK
例5) クレームを広げる旨の宣誓を含まない Executed Oath が 2 年以内に提出され、2 年経過
後にクレームを広げる旨の宣誓を含む Executed Oath が出し直されるとともにクレーム
が拡大補正された。→NG
163
例6) クレームを広げる旨の宣誓を含まない Executed Oath が 2 年以内に提出され、2 年経過
前にクレームを広げる旨の宣誓を含む Executed Oath が出し直され、2 年経過後にクレ
ームが拡大補正された。→OK
<発明者の修正>
Reissue 出願で、発明者の修正が可能。なお、発明者の修正は、訂正証明書の請求(256
1.324)
でも可能。以下の違いがある。
訂正証明書(certificate of correction)は、以下の場合に可能。
・修正が発明者の修正のみである場合
・inventorship について当事者間で争いがない場合
※なお、改正により、騙す意図がないことが、訂正の要件から削除された。
Reissue 出願は、訂正証明書が使えない場合でも、発明者を修正できる。この場合、Reissue
Oath 等に、発明者の誤りがあることを記載する。
※Reissue による発明者の修正は、クレームを拡大するものではないので、Reissue Oath に発
明者のサインは不要。したがって、発明者の同意なく、Assignee は発明者を変更できる。
<Reissue fees
1415>
通常の出願と同じ。basic filing fee, search fee, examination fee, application size fee,
excess claims fee の支払いが必要。出願日より後に basic filing fee 等を支払う場合は、
surcarge も必要。
Excess fee は、元の特許のクレーム数を考慮せず計算される。例えば、元の特許からクレー
ムを変更せずに、
4独立クレームを含む21クレームを Reissue 出願すると、
excess claims fee
は、1つの独立クレームの超過分(4-3)と、1クレームの超過分(21-20)が必要と
なる。
164
※Reissue 出願でもスモールエンティティの適用を受けられる。その場合、元の出願でスモー
ルエンティティの適用を受けていたとしても、Reissue 出願において再度スモールエンティテ
ィの手続きが必要。
Reissue パテントを発行するためには、issue fee が必要。
元の特許の maintenance fee(維持年金)は、払い続ける必要がある。meintenance fee を払
っていなければ、特許の再発行は行われない。
<優先権の主張>
元の出願で優先権の主張がされていたとしても、Reissue 出願でも優先権の主張をする必要
がある。但し、元の出願で提出していれば、優先権証明書の提出は不要。優先権を新たに主張
する場合は、意図せず遅れたことの宣誓が必要。
(改正により、不明。Reissue で ADS(優先権
の主張)を提出できるのか?)
<公開 1430>
Reissue 出願は、出願公開されない。
但し、Reissue 出願の履歴は、公衆による閲覧が可能とされる。
<Reissue 出願の審査> 1440
1450 1.176
Reissue 出願は、オリジナルの出願と同様に審査される。
restriction requirement は、オリジナルの出願において要求されなかったクレーム群の間
では要求されないが、追加または補正されたクレームに対しては要求される場合がある。
PCTから国内移行された特許に関する Reissue 出願では、restriction requirement は、
単一性の基準で判断される。
165
Reissue 出願における restriction requirement により選択しなかったクレームを、分割出
願できる。
オリジナルの出願における restrection requirement で選択しなかったクレームを、Reissue
出願で分割することはできない。 1412)。
<Reissue 出願に対するプロテスト>
1441
Reissue 出願については、notice of allowance の発行前までプロテストができる。
<早期審査(special status)>
1442
Reissue 出願では、早期審査は使えない。
<複数の Reissue 出願> 1451 1.177
1つの特許から、複数の Reissue 出願をすることができる。この場合、各 Reissue 出願にお
いて、他の Reissue 出願があることを明細書の最初に記載しなければならない。
この場合、それぞれの Reissue 出願に対して、別箇に再発行特許が発行される。但し、2つ
の Reissue 出願が、同一のクレームを有すると、拒絶される。各 Reissue 出願が、エラーの訂
正を含んでいないといけない。例えば、クレーム1~5の発明者A、クレーム6~10の発明
者Bの特許について、クレーム1~5に対する単独発明者Aとする Reissue 出願と、クレーム
6~10に対する単独発明者Bとする Reissue 出願をすることはできない。理由は、元の特許
がエラーを含んでおらず、エラーの訂正を目的とする Reissue 出願ではないため。
<補正> 1453 1.173(b)
Reissue 出願で補正する場合は、補正を明細書に組み込むか、別途の補正書によってするこ
とができる。
このとき、marked-up version(補正箇所をマークしたもの)を提出する。clean version は
166
不要。
元の特許に対する変更箇所をマーキングする。複数回補正した場合でも、元の特許に対する
変更箇所をマーキング。
追加した箇所には下線。
削除した箇所にはカッコ。
但し、パラグラフごと、または、クレームごと削除する場合は、カッコ不要。
元の特許からクレーム番号を変更してはいけない。new クレームは、新たな番号で記載する。
<図面の補正>
修正した図面(シート全体)を提出する。”Amended”,”New”, “Canceled”の文字を付す。
さらに、補正内容を補正書において説明する。
<その他>
Reissue では、IDS の義務はあるがその違反等について積極的に調べられることはない。
Reissue と reexamination が併合される場合がある。(どうやって?よくわからない)
167
<Reissue の効果>
252
再発行特許の発行時に、元の特許は放棄される。
再発行された特許は、特許が当初から訂正された内容で発行されていた場合と同一の効果を
有する。
<中用権(intervening right)> 252
再発行特許の付与前に、再発行特許の対象物(但し、元の特許の対象物でない物)を生産等
していた者は、その後継続してその生産等をすることができる。
168
○訂正証明書(certificate of correction) 1480
1.322 255
<内容>
USPTO によるミス、出願人によるミスを訂正できる。
※なお、改正により、騙す意図がないことが、訂正の要件から削除された。
certificate of correction の請求は第三者でもできるが、USPTOには、第三者による
請求に対する応答義務はない。
USPTO は USPTO によるミスを自発的に修正するために certificate of correction を自ら発
行できるが、この場合、特許権者の許可がいる。
<訂正可能なミス>
・誤字(clerical nature)
・誤植(typographical nature)
・軽微な瑕疵(mistake of minor character)
の何れかであって
・New matter を含まず、かつ
・再審査を必要としないもの
<Assignee の名前の訂正>
1481
・Assignment が特許の発行前に登録されている旨の宣誓
・リクエスト fee
・手数料
を提出する。
<発明者の名前の訂正> 1481.02
1.324(改正)
169
・発明者を追加する場合は、追加される発明者と、現在記載されている発明者による、
inventorship の変更についての同意書
・特許権全体に関する Assignee による inventorship の変更についての同意書
・fee
なお、Reissue でも発明者は訂正できるが、訂正証明書は以下の場合にのみ発明者を訂正で
きる。
・修正が発明者の修正のみである場合
・inventorship について当事者間で争いがない場合
<優先権、先願の利益の主張の訂正>
119
120 1481.03 201.16
119 条、120 条の出願日の利益の主張の忘れやミスは、訂正証明書で訂正できる。
国際出願の出願日の利益の主張(バイパス)の場合は、以下の要件が必要。
・1.78(a)(1)を満たすこと(inventor overlap(発明者一部一致), proper disclosure, 出願
日の認定、基礎出願料の支払い、US指定)
・先願の利益が適切に主張できることが明らかなこと
・意図せず利益の主張が遅れたこと
・サーチャージ
170
<特許権の放棄(disclaimer)> 1490 1.321(改正)
1.特許権者は、特許権の全部または一部(最後の部分)の期間を放棄することができる。
以下の手続きが必要。
①特許権者、又は、登録された代理人がサインする。
②放棄する特許と、クレームと、期間を明記する。
③手数料を納付する。
④その特許権者の所有権の割合を明記する。
2.特許出願人は、特許権の全部または一部(最後の部分)の期間を放棄することができる。
以下の手続きが必要。
①特許権者、又は、登録された代理人がサインする。
②放棄する期間を明記する。
③手数料を納付する。
④その出願人の所有権の割合を明記する。
3.非法定 Double patent を回避するためのターミナルディスクレーマは、
①所有権全体を有する者または登録された代理人がサインする。
②放棄する期間を明記する。
③手数料を納付する。
④Double patent の対象の特許が共通して所有されている期間でのみ特許を行使できる
旨の宣誓をする。
4.3に似た場合で、共通に所有されていないが共同発明契約がある場合にも、ターミナルデ
ィスクレーマで Double patent を解消できる。2の手続きに近い手続きをする。
※Capacity を有する代理人はサインできない。
※親出願で出されたターミナルディスクレーマは、CPA,RCE で再提出する必要はない(何もし
なくて良い)
。
171
MPEP1500台
Design Patent
<提出物>
1.154
・Design patent transmittal form
・Fee transmittal form
・ADS
・Specification
・Drawings (or photographs)
・Oath 等
<Specification> 1.154 (b)
以下を記載
・Preamble(出願人の名称、design patent の名称、物品の種類・用途の説明)
・関連出願の参照
・政府の支援についての言及
・図面の図の説明
・特徴
・単一のクレーム(「図(及び説明)のデザイン」と記載するのみ。
)
<図面> 1503.02 1.152
陰影(shading)をつけてもよい。
代わりに写真を出してもよい。通常は白黒。カラーの必要がある場合は、その旨の petition
とともにカラー写真を3セット出す。図面と写真の両方を提出することはできない。
図面中で補助線を、形状や部分を表すのに用いることはできない。
172
○審査 1504 171
<Subject matter> 1504.01(a),(b)
製品になされた装飾、印刷、絵
製品の形状、構成
上記2つの組み合わせ
Subject matter としてOKな物の例
コンピュータのアイコン(表示が変化してもOK)
type font
複数の物品(この場合、物品に set, pair, combination of ...と書く)
(但し、複数の実施形態は記載できない)
ダメな物の例
装飾を目的としていないもの(機能的に定まる形状等)
<装飾的(ornamentality)> 1504.01(c)
以下は、拒絶理由となり得る。
視認できるが、機能を第1の目的としたもの
通常の意図された使用において、視認できないもの
この拒絶理由は、1.132 の affidavit により克服できる場合がある。
製品の売り上げを促進する、製品の需要を増大する等の主張
美観を表すデザインであるとの主張(公知 design patent との差を主張等)
機能に基づく形状との理由に対しては、
同様の機能を有する別のデザインとの差を説明
する
<新規性(Novelty)>
1504.02
173
特許と同じ102条が引例となる。
102(d)の期間は6月となる(1 年以上前に外国に出願し、出願日前に外国で登録された自分
の design patent)も引例となる。この引例は、特許でもよい。
<非自明性>
1504.03
反論として、secondary consideration が使える。
<112 条>
1504.04
図面等によりデザインが不明確の場合。
<Restriction> 1504.05
1つのクレームで複数の形態を保護できるが、1つのコンセプトと思われない場合は、
restriction が出る。
<優先権、先願の利益> 1504.10
優先権を主張する場合は、優先期間は6月である。
外国の utility 特許に対しても優先権を主張できる。この場合も6月。
先の国内出願が 112 条を満たしていれば、先願の利益を主張できる。
design patent に仮出願はない。
<早期審査(Expediet Examination)> 1504.30
1.155
・事前調査を実施した陳述書
・手数料
を提出する。
174
この早期審査の他にも、特許の make special 等が design patent でも使える。
審査があまり早期に行われなかった場合でも、早期審査の手数料の返還はされない。
<design patent の存続期間>
発行の日から14年
<その他>
design patent にRCEはない。
design patent には、CPAがある。
design patent は、維持年金が不要。
コピーライトに関する記載を出願に入れてはいけない。
175
MPEP1600台
Plant Patents
<特許対象> 161
1601
Asexually propagated plants:無性繁殖させた植物(接ぎ木とか)
※有性生殖可能な植物でも、無性生殖可能な植物であれば、対象に成りうる
以下を除く
Tuber propagated plant: 根塊増殖植物
Plant found in the wild: 非栽培で発見された植物
<提出物>
1603 1.163
・Plant patent transmittal form
・Fee transmittal form
・ADS
・Specification
・Drawings in dupulicate (正副 2 通)
・Oath 等 1.162
<Specification>
1.163
新しい植物が他の植物と区別できるように特徴を記載する。
どのように無性生殖できるかを記載する。
新しく発見した植物である場合には、発見した場所等を記載する。
<クレーム> 1.164
1 つだけ記載する。
説明および図示によって植物の品種について記載する。
栽培方法のクレームは記載できない。
176
<図面> 1.165
植物の全ての特徴が分かるように記載する。
参照番号は、原則、使用できない。
カラーの図面も使用可能。カラーが植物の特徴である場合は、カラーの図面を用いなければ
ならない。
<Oath 等> 1.162(改正)
発明者は、新たな植物であれば、栽培の(cultivated)環境で発見されたこをと宣誓する必要
がある。
後は utility とほぼ同じ。
Joint inventor による出願も可能。
<審査> 1610
New and distinct variety of plant か否かが審査される。
New and distinct variety of flower や fluit ではない。(これらは plant の一部分)
<その他>
矛盾がなければ、出願時にない記載を追加しても良い。
特許を得るために、植物の預け入れ(deposit)が要求されることはない。
177
MPEP1700台
<職員> 1701
USPTO の職員は、いずれの者に対しても、特許に関して、有効性、特許性、行使可能性につ
いて説明してはいけない。
USPTO の職員は、携わっていた事件に関する企業等に就職することはできない。在職中及び
退職後1年は、特許に関する権利の譲渡を受けることができず、特許の手続きの代理もできな
い。
178
MPEP1800台
PCT
<提出手段>
Express mail は、USPTO への国際出願及びそれに関する手続き(おそらく、全て)に使用で
きる。
Certificate of Mailing (Transmission) (CFR 1.8)は国際出願に関する手続きでは一切使え
ない。
FAX は、国際出願(出願時)と国内移行の手続きでは使えない。その他の国際出願に関する
書類(例えば、Demand, 19 条 or34 条補正等、国際調査機関(以下、ISA)や国際予備審査機関(以
下、IPEA)に対する書類)は FAX で提出できる。1834.01
<国際公開しない場合> 1803
国際出願がアメリカのみを指定する場合には、国際公開は行われない。アメリカの国内の公
開が行われる(非公開の請求等の場合は非公開となる)。
<受理官庁> 1805
USPTO は、米国民、米国住民の受理官庁である。
出願人の少なくとも1人が米国民または米国住民であれば、USPTO に出せる。
上記要件を満たさない出願が USPTO に提出された場合は、USPTO では受理されずに国際事務
局に転送され、国際事務局で受理される。この場合、出願書類が適切であれば、USPTO への提
出日が国際出願日として認められる。
<代理人>
1807 1.455
米国代理人、出願人によって定められた代表者は受理官庁としての USPTO に対して手続きで
きる
出願人が複数で代表者が定められていない場合、最初に記載されている出願人が代表者とみ
179
なされる。
代理人、代表者の選任(applintment)は、願書(Requiest form)、
予備審査請求書(Demand form)、
または、別箇の委任状(power of attorney)で行う。必ずしも、別箇の委任状である必要はない。
国際出願の委任手続では、カスタマーナンバーは使えない。
General power of attorney も使用できる。
委任状またはその取下げは、国際調査報告の発行までに受理官庁である USPTO に提出されな
ければならない。委任の取下げは、委任した者全員によるサインが必要。
また、
代理人の辞任(Withdraw)は、応答期限から30日前までに承認されなければならない。
<国際出願日が認められるための要件> 1810 1.431
I.出願人の国籍、居住地の要件を満たすこと(し)
II.出願が英語によること(ご)
・出願が、以下を含むこと
(a)国際出願の意図の表示(い)
(b)少なくとも1つの指定国(て)
(c)出願人の名称(し)
(d)明細書(description)と認められる部分(め)
(e)請求の範囲と認められる部分(せ)
I、IIを満たさない場合は、国際出願は国際事務局(International Breau)に送付される。
国際事務職は、全ての出願人が PCT 締約国の国民であれば、USPTO の受理日を、国際出願日と
認定する。
(a)-(e)の要件を満たさない場合は、通知がされ、通知の指定期間(2月)内に追加の提出が
可能。その場合、追加提出した日が国際出願日。
手数料は、国際出願日の認定の要件ではない。
手数料には、国際出願手数料と、調査手数料がある。
これらの手数料は、出願と同時またはその後1月以内に支払う。
期限までに支払いがない場合は、通知が行われ、1月が与えられる。その期間の場合には、
上記手数料に加えて遅延手数料を支払う。
180
通知の期間内に手数料を納付しないと、出願取下げとみなされる。
<国際出願の Abstract> 1812
PCT で Abstract は、技術情報を提供する以外の目的で使用することが禁止されている。すな
わち、国際出願では、Abstract に基づいてクレームを解釈してはいけない。
<継続出願、CIP>
1817.02 PCT Rule 4.11(a)(ii)
国際出願の願書で、先願の US 出願に対する利益、
(仮出願に対する利益、継続出願、CIP)を
請求することができる。
<出願人・サイン>
1820
一応、願書に出願人全員のサインが必要。
但し、少なくとも1人の出願人のサインがあれば、国際出願は適切に処理される。
サインは、出願人の代理人が行ってもよい。
出願人が発明者であり、発明者死亡の場合は、法定代理人が出願人になれる。
Assignee も出願人になれる。Assignment は、国際段階では要求されないが、
国内段階で(issue
fee の支払いまでに)提出する必要がある。1.424(改正)
<図面> 1825
図面が必要と認められるときは、指定官庁は出願人に図面の提出を求めることができる。こ
の期間は 2 月を下回ってはいけない。
<Abstract> 1826
英語で、50-150 ワードで作成する。
181
出願に Abstract が含まれていないと、通知が出される。その通知の日から1月以内に
Abstract を提出しないと、出願が取下げとなる場合がある。
但し、この場合に、ISA が Abstract を作成する場合もある。
Abstract が適切でない場合は、ISA が勝手に Abstract を作成する。出願人は、国際調査報告
(以下、ISR)の日から 1 月以内に作成された Abstract に対して意見を述べる事ができる。
<fee> 1827
fee には、international filing fee, transmittal fee, search fee がある。
これらの fee を誤って納付した場合は、その納付日から2年以内に返金の請求が可能。
<優先権>
1828
優先権を主張するときは、国名、出願日、出願番号によって先願を特定する。
出願人は、優先日から16月以内、または、国際出願日から4月以内に、優先権の修正、追
加を受理官庁または国際事務局に対してすることができる。
優先日から16月以内に、優先権証明書を、受理官庁又は国際事務局に提出できる。国際事
務局は、優先権証明書のコピーを各指定官庁に送付する。
先願が USPTO に出されている場合は、優先権証明書の電気的な転送を請求できる。
<優先権の回復> 1828.01
国際事務局に直接出願する場合は、先願から12月を超えて国際出願がされた場合でも、そ
の期限から 2 月以内に国際出願がされていれば、
正当理由があれば優先権の回復が認められる。
優先権の回復の請求は、前記2月の期間内に行う。
但し、国際段階で優先権の回復が認められても、所定の指定国(US 含む)の国内段階では認
められない。
また、
12月を超える無効な優先権の主張がされている場合でも、
30月の国内移行期限は、
その優先日に基づいて計算される。
182
<外国出願の権利(lisence
for foreign filing)> 1832
USPTO を受理官庁とする国際出願を提出する際には、外国出願の許可は不要。但し、国際出
願で秘密保持命令がでると、国際出願は国際事務局、指定官庁に送付されない。
<国際出願の誤記の訂正>
国際段階でも、明らかな誤記(例えば、car を ccar と記載した場合)の訂正を ISA に請求す
ることが可能。
<International search> 1843
PCT 17
PCT Rule 43bis.1
対象が調査を必要としないものとして定められている場合、または
明細書、クレームが不明瞭な場合、
ISA は国際調査を行わない旨を出願人と事務局に通知する。
部分的に調査しない場合は、
一部について調査をしなかったとの内容の国際調査報告
(以下、
ISR)を作成する場合もある。
調査を要さない分野は、以下(1843.02 PCT Rule 39.1)
Scientific or mathmatical theories (化学・数学の理論)
Plant or animal varieties (植物・動物の品種)
Bussines method
Method of treatment by surgery
Mera presentation of information
(情報の単なる提示)
Computer program
ISR と共に、見解書を作成する。見解書では、新規性、進歩性、工業上利用可能性(industrially
applicable)、PCT の要件を満たすかについての見解が示される。
ISA による見解書は、国際予備審査報告(以下、IPER)の請求があった場合には、IPEA によ
183
る見解書とみなされる場合がある。
国際調査では、単一性も判断される。単一性がない場合、通知がされ、1 月以内に追加 fee
の納付が可能。この通知は、
電話で行われる場合もある。これに対し反論(protest)もできるが、
追加 fee は納付する必要がある。反論が認められると、追加 fee が返還される。
(1850
1.477)
追加手数料が支払われない場合は、最初のクレームについて調査がされる。
出願人は、既に行われた他の調査について願書で表示することができる。この場合、その調
査も考慮して調査報告が作成される。 1852
ISR(または、17条の報告)は、優先日から16月または国際出願日から9月(優先権なし
の場合)までに作成する。1843.05
ISR は国際公開される。見解書はされない。1844
<19条補正>
1853
19条補正は、ISR から2月と優先日から16月の遅い方。
国際事務局に提出する。
19条補正は、国際公開される。
<国際公開> 1857
優先日から18月後に行う。
早期公開の請求もできる。
事務局が行う。
<国際出願・指定国・優先権の取下げ> 1859
PCT Rule90bis.1-6
184
優先日から30月まで国際出願の取下げができる。
手続きは、受理官庁、事務局、予備審査機関のいずれかに対して行う。
指定国の取下げもできる。全ての指定国の取下げは、出願の取下げになる。
十分早く出願が取り下げられれば、国際公開は行われない。
優先権の取下げも同じ期間に可能。
優先権の取下げにより優先日が変動する場合には、まだ満了していない期間は、新たな優先
日に基づいて計算される。但し、優先権の取下げが遅かった場合には、優先日が変動しても、
元の優先日に基づいて国際公開が行われる。
Demand、選択国の取下げも同様にできる。この場合、IPEA か事務局に提出する。
取下げの請求書には、出願人全員がサインする。代理人、代表者もサインできる。
移行済みの国については、国際出願の取下げの効果は生じない。
<IPER> 1860
IPEA に対して Demand することで、IPER が作成される。Demand の期限は、ISR の発行から3
月と優先日から22月の遅い方。
受理官庁が USPOT の場合、EPO または韓国特許庁が ISA であれば、EPO または韓国特許庁を
IPEA として指定することもできる。
受理官庁が USPTO または事務局で、ISA が EPO または韓国特許庁の場合、USPTO を IPEA とし
て選択されることができる。但し、この場合、出願人の少なくとも1人が、米国の国民または
居住者である必要がある。
受理官庁が他国で、ISA が USPTO だった場合、USPTO が IPEA になれる。但し、出願人がブラ
ジル、エジプト等の国民または住民に限る。
電子手続で Demand を行うこともできる。
Express Mail, Fax でも OK。
Certificatio of Mailing
(or Transmission)は使えない。
USPTO は、EPO、韓国特許庁で ISR が作成された場合でも、当該 ISA を IPEA による最初の見
解書とみなす。
但し、ISA の見解書に対する出願人の応答によりその見解書が誤りであると認められる場合
には、IPEA が再度見解書を出す。
185
fee の支払いが必要。fee は、Demand から 1 月以内または優先日から22月以内の遅い方ま
でに払う。fee の支払いが遅れると、通知により期間が指定され、割増 fee と共に払う必要が
ある。fee の支払いがないと、Demand は取下げとみなされる。
優先権を考慮してもらう場合には、優先権証明書と翻訳の提出が必要。
国際予備審査では、単一性も判断される。単一性がない場合、通知がされ、1 月以内に追加
fee の納付またはクレームの選択が可能。この通知は、電話で行われる場合もある。これに対
し反論(protest)もできるが、追加 fee は納付する必要がある。反論が認められると、追加 fee
が返還される。(1875 1.488)追加手数料が支払われない場合は、主発明のクレーム(先に記
載されているクレームであり ISA で調査されたクレーム)について調査がされる。
Demand の後であって、見解書に対する応答期間内に、審査官とのインタビューが可能。出願
人の権利としてできるのは1回だけ。
IPER は、優先日から28月、IPE の開始から6月に作成する。
<34条補正>
1864
出願人は、Demand と同時、ISA の見解書に対する応答期間内、または、IPEA の見解書に対す
る応答期間内にに提出できる。
186
○国内移行手続 1893
371(f)
1.9(a)(1)-(3)
<提出物>
・国内手数料(basic national fee, search fee, examination fee, applicatgion size fee)
・国際出願のコピー(事務局から送達された場合を除く)
・国際出願の翻訳文
・19条補正及び翻訳文
・Oath 等
・予備審査報告の添付書類(34条補正)の翻訳文
1.必ず30月までに提出するもの
・basic national fee
・国際出願のコピー(事務局から送達された場合を除く)
これらを提出できない場合は、取下げ。但し、Unintentional 等の場合は、revive 可能。
・19条補正及びその翻訳文
19条補正とその翻訳文を提出できない場合は、補正がされなかったものとみなされる。
2.できれば30月までに提出するもの
・search fee, examination fee, applicatgion size fee
・国際出願の翻訳文
・Oath 等
これらを提出できない場合は、期間指定の通知が来て、期間内(通常2月、延長可能)に提出
しなければ取下げ。30月より後の翻訳文の提出は、処理手数料が必要。30月より後の fee、
Oath 等の提出には surcharge が必要。
・予備審査報告の添付書類(34条補正)の翻訳文
これを提出できない場合は、期間指定の通知が来て、その期間内に手数料と共に提出しなけれ
ば、補正がなかったものとみなされる。
※これらの場合の指定期間は延長可能。
187
3.改正
1.495
Oath 等は、場合によっては、出願人による substitute statement であってもよい。
Oath 等の提出は、以下の場合、特許が許可可能となるまで延期できる。
・Oath 等が提出されていない旨の通知で指定された期間の満了前に ADS を提出するこ
と
・ADS で各発明者の氏名、メーリングアドレス、住所を特定すること
・Notice of Allowability で指定された期間(延長不可)の満了までに Oath 等を提出
すること
4.国内移行日の認定要件
・basic national fee
・国際出願のコピー
・非英語出願の場合は、翻訳文
・Oath 等(改正により不要になった)
※したがって、翻訳文が30月より後に提出された場合は、30月より後の日が国内移行日
となる。2000/11/29 よりも前の国際出願に対して発行された特許の102(e)の他の出願とし
ての有効出願日は、国内移行日であるので(102(e)参照)、国内移行日を正確に理解する必要が
ある。
<移行後>
1893.03
移行後は、以下を除き、通常の出願と同様に扱われる。
・出願日は、国際出願日
・restriction requirement ではなく、単一性の基準が採用される。
、
<優先権の主張> 1893.03
国際段階で優先権を主張と手続きをしなければ、国内段階でも主張できない。
国際段階で優先権を適切に主張すれば、国内段階での手続きは特に不要。
188
<IDS> 1893.03g
IDS は、通常出願と同様に義務がある。
但し、ISR に記載の文献は、IDS を提出しなくても考慮される。
(但し、国内移行手続きで移
行した場合。バイパスの場合は考慮されない。)
但し、IPER に記載の文献は、IDS を提出しなければ考慮されない。
<バイパス出願> 1895
US を指定する国際出願の係属中であれば、
その国際出願に基づく Divisional, Continuation,
CIP が可能。
<バイパス出願の留意点>
外国出願への優先権を主張するためには、通常出願と同様の手続き(出願日から 4 月または
先願から16月までに主張し、issue fee の支払い期限までに優先権証明書を提出)が必要。
単一性ではなく、restriction の基準が適用される。
filing fee が国内移行とは異なる。
189
MPEP1900台
Protest
第三者が特許を拒絶に導くための情報を提供するための手続。
<主体>
誰でも(法人も)可能(したがって、匿名(代理人の名前で手続)も可能)
<理由>
prior art 以外の証拠も可能。IDS違反とかでもよい。
<時期>
出願人の同意を得た場合を除いて、出願公開、または、Notice of allowance よりも前に提
出する。
<提出物>
証拠のリスト
各証拠の関係についての concise explanation
各証拠のコピー(US特許、US出願公開はコピー不要 1.291(c)(3)(改正))
非英語文献の証拠の英語翻訳
2 回目の protest である場合には、1回目と争点が異なることの理由と1回目に提出できな
かった理由
※原則 protest は1回しかできない。
※fraud, inequitable conduct, IDS 違反は、主張できるが、file に入れられるだけで考慮さ
れない。
190
<その他>
・プロテストの提出者(protester)は、提出後に審査官と何のコンタクトも取ることはできない。
審査官からプロテストの提出者にコンタクトすることもできない。1907
・証拠の特定の仕方
US特許
:特許番号、最初の発明者、発効日
US出願公開
:公開番号、最初の発明者、公開日
外国特許または出願公開
:国、文献番号、出願人(特許権者)
、最初の発明者、公開(発
行)日
他の文献
:著者、タイトル、ページ、出版日、出版場所
191
MPEP2000台
IDS
<義務を有する者>
2001.01 1.56
以下の個人の全て
・発明者
・代理人
・その他、出願またはプロセキューションに実質的に係った人(Assignee 関連の個人)
※typist, clerk 等は含まれない。
※法人は、法人が義務を有するのではなく、法人に属する個人のうち出願に関わった者が義務
を有する。
<義務の内容>
1.56a
material な情報が、
・審査官によって引用された、または
・IDS として提出された
場合に、義務は果たされたものとされる。
<情報の内容>
文献に限られない。prior art に限られない。enablement, public uses, sales, offers to
sell, derived knowledge 等、特許性に係るすべての情報。特許性を肯定する情報は不要。
出願人が、出願時に気づいているか、プロセキューション中に気づいた情報。
<IDS 違反>
IDS に違反すると、”inequitable conduct”と認定され、全てのクレームが権利行使不可能
となる。IDS 違反に関係ないクレームも行使不可能になる。
192
IDS 違反は、審査、Reissue の審査では調査されない。インターフェアレンスでは、その旨の
主張がなされれば、調査される。
<Therasense 判決>
不公正行為(Inequidable Conduct)が認められるための要件は、「欺く意図(deceptive intent)」
と「重要性(materiality)」。
(1) 「意図」と「重要性」は個別に判断されなければならない。
(意図の証明レベルの低さ
を重要性の証明レベルの高さで補うことはできない(Sliding scale の禁止)
。
(2) 意図の証明には騙す「特別の意図」が明白且つ説得性の証拠レベルで立証されなけれ
ばならない。 つまり、出願人が引用文献を知っており、その文献の関連性が重要であることを
知っており、情報を開示しないという決定を意図的にしたことを立証する。
(3) 但し、「騙す意図」は状況証拠によって立証することは可能である;
(4) 被疑侵害者が不公正行為の要素を立証する責任を負うので、
「意図」を証明できない限
りは特許権者に善意の立証責任は生じない。
(5) 「重要性」の要件を立証するには「BUT-FOR テスト」を用いること、即ち、PTO に提出
されなかった情報が PTO に提出されていたらクレームが許可されなかったであろうと判断され
る場合には「BUT-FOR テスト」を満たす(37 CFR 1.56 (b)の prima facie 基準は否定された)
。
(6) 但し、
「甚だしく不誠実な行為」があった場合には「BUT-FOR テスト」を経ることなく
「重要性の要件」を満たすと判断しても良い。
193
MPEP2200台
○Citation of prior art 301 2200
1.501 (改正)
特許になった後に、特許性に関する文献を提出する手続き。
<主体>
any person (特許権者、第三者)2203
匿名で請求もできる。
<時期>
period of enforability (特許権消滅から6年まで) 2204
<提出物>
・文献
(a)Prior art of patents or printed publications(特許または印刷刊行物からなる先行技術)
2205
または
(b)クレームの解釈に関して特許権者が特許庁あるいは連邦裁判所に対して述べた意見
・説明書
第三者が先行技術を出す場合は、先行技術とクレームの関係の説明も提出する。
特許権者が行う場合は、クレームが文献からどのように異なるのかを説明する。
<手続>
194
・提出する文献の写しを特許権者の correspondance address に送付したことを示すか、または、
その送付が不可能な場合にはUSPTOに写しを提出する 2208 1.501(c)
提出された書類は、file に入れられる(審査官に考慮はされない)
。
(a),(b)の情報は、Ex parte Reexam, Inter Partes Review, Post Grant Review で利用でき
る。他人が出した情報を利用して、別人が Ex parte reexamination 等を行うことができる。
195
○Ex parte Reexamination 2209<主体>
any person (特許権者、第三者)2212
匿名で(代理人等の名前を使って)請求できる。
<時期>
period of enforability (特許権消滅から6年まで) 2204
侵害訴訟や他の手続きの有無にかかわらず、いつでも可能。
<提出物>
1.510
・fee
・substantial new question についての statement
・対象のクレームと文献との関係の説明書
※各文献と各対象クレームとの関係及び new question を説明する。
※特許権者が請求する場合は、各文献とクレームとの違いを説明できる。
・各文献のコピーと翻訳文
※102、103、Double patent に関する文献に限られる。
※US特許、US出願公開については、コピーの提出は不要。
・特許全体のコピー(関連書類(disclaimer, certificate of correction 等)も)
※(
「特許全体」には ADS は含まれない)
・特許権者に請求書全体を送付したことの証明書
※送付する際には、請求人の名前を記載しておく必要がある。匿名での送付は認められない。
※送付できない場合は、送付すべき書類のコピーをUSPTOに提出し、理由を説明する。
196
・補正書(特許権者の場合)
※reexamination の請求と同時に補正書の提出が可能。
※この場合、クレームを追加する場合は、追加 fee が必要。
<その他>
ex parte reexamination は、FAXでは請求できない。
電子手続なら、請求、その後の書類手続きの全てができる。
certificate of mailing and transmission は、請求には使えないが、その後の手続きには
使える。
express mail は、全ての手続きに使える。
Ex parte reexamination の公開という制度はない。
但し、公衆は、reexamination 手続きの全内容を閲覧することができる。
○ex parte examination の請求後の手続き
<不適法な請求>
・提出物が不足している場合には、請求人に通知が出され、指定期間内に請求が完成されない
と、請求日が認められない。請求が後から完成された場合には、請求が完成された日が請求日
と認められる。
<reexamination の開始の決定>
substantial new questio の有無が請求された各クレームに対して検討される。いずれかの
クレームについてそれが有る場合には、USPTO が reexamination を開始することを決定する。
IPR, PGR と違い、exparete reexamination の手続では、原則、この決定前に特許権者及び第
三者請求人が意見を述べる機会はない。
この決定は、請求書の提出から 3 月以内に行われる。
※審理を開始しないとの決定に対する不服申立は、petition により行う。
(開始するとの決定
197
に対しては不服申立は認められない)。
<Statement の提出>
Reexamination の開始の命令の日から2月(延長可能)以内に、特許権者は、statement を
提出することができる(304)。statement には、新規性、非自明性についての主張を記載する。
必要であれば、statement の提出と共に、補正をすることができる。第三者が reexamination
を請求した場合は、この statement は第三者にも送付される。
※ex parte reexamination での応答期限はほとんどが2月。そのうち、通常の延長が可能なの
は、おそらく、上記特許権者の statement を提出する期間のみ。但し、その他の期間でも、遅
れることに理由がある場合であって、期限前に理由説明した場合に、
延長を認める制度がある。
また、unintentional 等の場合に revive が認められる場合がある。
※Supplemental examination の後の Reexamination では、上記太字部の sutatement の提出機
会は与えられない。
・第三者が ex parte reexamination を請求した場合には、第三者は特許権者の statement に対
する reply を提出することができる。statement の提出日から2月(延長できない)以内に提
出する。
reply は特許権者にも送付される。
第三者が審理に関わることができるのは、
この reply
のみ。特許権者が statement を提出しなかった場合は、reply は提出できない。
<Reexamination>
・その後は、special dispatch(急ぎ)で審査が行われる。特許権者とUSPTOとの間でや
り取りが行われ、第三者請求人は関与できない。OAは通常2回目で Final となる。OAの応
答期間は通常 2 月。
・reexamination でも審査官インタビューが可能。この場合、特許権者は、インタビュー後に、
インタビューの内容を説明する statement を提出する必要がある。この statement は、OA に対
する reply とは別の書類である。つまり、特許権者は、インタビューの statement と OA に対す
る reply とを提出する必要がある。
198
・一旦 Reexamination が開始されると、USPTOは、Reexamination が請求されていないク
レームについても特許性を審査できる。
・以前の審査で既に考慮された文献に基づく拒絶も可能。
・拒絶は、刊行物に基づく102、103、Double patent のみ。但し、新たに追加されたり
補正されたりしたクレームについては、112条も適用可能。
・OA後には補正ができる。FinalOA後は、通常の審査と同じ制限 1.116(b)が課される。
Reexamination においても、FinalOAが不適法、FinalOA後の補正の却下が不適法等につ
いての不服申立は、petition で行う。Appeal ではない。
FinalOAの中の rejection についての不服申立は、Appeal。Appeal 先は、CAFC のみ。
・ex parte reexamination は、reexamination certificate の発行により終了する。
<reexamination における補正の形式>
明細書、クレーム、図面の補正が可能。
補正は、特許(訂正等が事前に行われている場合には、Reexamination 請求時の特許)に対
して行う。複数回補正をする場合でも、補正箇所は、特許に対しての補正箇所を示す。
削除は、シングルカッコにより行う。
New クレームを追加した場合は、クレーム全体にアンダーラインを書く。
但し、明細書のパラグラフまるごと削除する場合は、その旨を記載するのみ。
クレームの削除も、その旨を記載するのみ。
クレームを削除等する場合でも、クレーム番号の変更(つけ直し)はできない。
従属クレームの拡大は、独立クレームの範囲内であれば拡大にならない。
新たなカテゴリ(devicei に対して method 等)のクレームの追加は、クレームの拡大とみなさ
れる。
<reexamination における発明者の修正>
2250.02 1.530(L)
199
発明者の修正は、petition により行うことができる。
petition には、Assignee 全員と、追加される発明者と、現在記載されている発明者全員がサ
インする。
<他の手続きとの関係>
特許権者は、裁判等、reexamination に係る特許に関する手続きがほかにある場合は、USPTO
に通知しなければならない。
Federal Court による特許無効または行使不能の判決は、reexamination の手続きを中止
(bind)させる。
Federal Court による特許有効の判決は、reexamination の手続きを中止させない。
<その他>
侵害訴訟が起きると、その旨の通知が特許庁に送られ、特許庁は通知を file に入れる。2207
290
Reexamination 中は、IDS義務がある(1.555)。
200
Supplemental Examination (改正)
<主体>
特許権者
<提出できる情報>
特許に関連する情報の検討、再検討、訂正。情報の種類に特に制限はなく、先行技術情報(文
献、その他)
、各種の宣誓書等、様々な情報を提出できる。
<時期>
特許が enforcable な時期(特許の満了から6年以内)1.601
<手続>
以下を記載した request を提出する。1.610
・情報のリスト
・対象のクレーム
・情報とクレームの関係の説明
・情報に関する書類のコピーと翻訳文
・クレームが情報から区別されること等の説明
最大12個の情報を1つの請求に含めることができる。1.605
以下の fee を支払う。1.605
・Supplemental Examination の fee
・Reexamination の fee
・application size fee
201
<請求の取下げ>1.610
請求が要件違反の場合は、期間が指定され、指定期間内に適切に処置しないと出願日が認め
られず取下げとなる。
<Director による決定> 257a,b
USPTO の Director は、Supplemaental Examination の請求から3月以内に、少なくとも1つ
の文献について実質的に新しい問題(substantial new queston)が提起されているか否かを示す
Certificate を発行する。
実質的に新しい問題が提起されている場合には、Director は、Reexamination の開始を命令
する。
これにより開始される Reexamination では、特許権者は 304 条の statement を提出すること
ができない。Reexamination のその他の点は、Ex parte reexamination と同様。
<返金>1.26c3
Reexamination が開始されない場合には、Reexamination の fee が返金される。
<効果> 257c
Supplemental Examination において適切に考慮された情報に基づいて、特許が行使不可能と
されることはない。
(例外)257c
①Supplemental Examination の請求日よりも前に提起された民事訴訟(典型的には、被疑侵害
者による DJ アクション)で行われた主張に対しては、上記効果は適用されない(つまり、被疑
侵 害 者 が 先 に DJ ア ク シ ョ ン に よ り inequitable conduct を 主 張 し た ら 、 Supplemental
rxamination は効果がない。
)
。
②Supplemental Examination よりも前に行われた Federal Food Drug and Cosmetic Act にお
いて説明した場合。
202
③Supplemtental Examination またはそれに続く Reexamination の終結前に、
(特許権者によ
り)侵害訴訟やITC手続きが提起された場合、その訴訟において上記効果は適用されない(つ
まり、特許権者は、Supplemental Examination(または、その後の Reexamination)が終結す
るまで、侵害訴訟を起こすことができない。
)
。
<著しく不公正な行為> 257e
著しく不公正な行為(fraud)が、Supplemental Examination またはその後の Reexamination
において発見された場合には、特許のキャンセル等の制裁が科される。
<その他> 1.620
Supplemental Examination の請求後に、USPTOへの他の手続きを始めた場合には、US
PTOに連絡する。
インタビューは禁止。(Reexamination 開始後は Reexamination のルールによる)
補正はできない。(Reexamination 開始後は Reexamination のルールによる)
203
MPEP2300台
Interference Prceddedngs
<Count>
Count とは、Board によってまとめられたクレーム群のこと。インターフェアレンスでは、
Count 毎に発明日の先後を争う。2301.02
<出願人によるインターフェアレンスの提案> 2304.02 41.202
出願人(再発行出願の出願人を含む)は、インターフェアレンスを提案できる。
出願人は、少なくとも1つの特許可能なカウントを特定する。
<審査官によるインターフェアレンスの提案> 2304.04
41.202
審査官は、出願人に対して、他の特許または出願に対してインターフェアレンスを生じさせ
るクレームを追加することを出願人に要求できる。そのようなクレームが追加されなかった場
合には、クレーム発明の優先権の譲歩(つまり、発明日の譲歩)と取り扱われる。
(すでに、そのようなクレームが存在する場合は、要求はされない。)
インターフェアレンスは、所有者が同一の出願(特許)の間では生じない。
インターフェアレンスの手続きが終わると、審査は審査官に戻される。
発明の先後については、102g を参照。
204
MPEP2400台
Biotechnology
特になし
205
MPEP2500台
○Maintenance fee 2501
<対象>
・Utility 特許が対象。
・植物特許、デザイン特許は、meintenance fee は不要。
<支払期限 2506>
カッコ内は、サーチャージと共にであれば支払える期限
第 1fee:特許発行日から3年後~3年6月後の期間内(+6月)
第2fee:特許発行日から7年後~7年6月後の期間内(+6月)
第3fee:特許発行日から11年後~11年6月後の期間内(+6月)
※最終日が土日祝日の場合は、翌営業日まで支払い可能
※第3fee の支払いで、出願から20年まで存続する。
<支払い方法>
EFS-Webでは不可。その他の電子的・非電子的支払いは可能。
特許権者のみならず、だれでも代理権なく支払いが可能。
特許番号と出願番号を特定して支払う。特許番号または出願番号の何れか一方のみの特定の
場合は、支払いが受け入れられるか、または、支払いが返金される。特許番号と出願番号が異
なる場合は、特許番号に対する支払いとなるか、返金される。
特許番号と出願番号の少なくとも一方が誤りで支払いを適切にできなかった場合には、その
通知後2月以内に支払いを受け入れることを請求する petition を提出することができる。この
場合、最初の支払い時に少なくとも1つの正しい番号が特定されている必要がある。1.377
Unintentional 等により遅れた場合は、
petition 提出により revive される場合がある(2590,
206
1.378)。
207
MPEP2600台
Inter Parte Reexamination
2600
(改正により廃止)
1999 年 11 月 29 日以前に発行された特許には、
Inter partes reexamination は使えない。
(1999
年 11 月 29 日以前に発行され、その後再発行された特許にも使えない(再発行の有無は関係な
い))
Inter parte では、審査官インタビューはできない。
Reexamination 中は、IDS 義務あり(1.555)
Director による申請の却下に対する不服申立は、petition による。
審 査 の 開 始 の 通 知 と 共 に 、 1 s t O A ( 拒 絶 が な い 場 合 は 、 Action Closing
Prosecution:ACP(審査終了の通知))が発行される。このOAは、請求人(requester)にも送付
される。
特許権者は、1stOAに対して応答する。補正も可能(ex parte と違い、1st OA より前に
は、補正はできない)。応答書類は、請求人にも送付される。
請求人は、特許権者の応答に対して必ず反論の機会が与えられる。新たな証拠の提出は、審
査官の見解に反証する場合、特許権者の見解に反証する場合、inter partes の請求後に知った
場合にのみ認められる。
(応答しない場合の効果)
特許権者がOAに応答しない場合は、そのOAに関するクレームはキャンセルされたとみな
される。特許可能なクレームが残っている場合には、そのクレームについてのみ審理が継続す
る。ない場合は、審理が終了する。
208
請求人が特許権者の応答に対して反論しない場合は、その応答に対する反論のみが禁止され
る。
その後に新たな特許権者の応答がされた場合には、
新たな応答に対する反論は認められる。
(OA後の手続き) 2671
特許権者の応答、請求人の反論が終わると、審査官は、ACP を出すか否かを判定する。
補正によって生じたものでない新たな拒絶理由がある場合は、再度のOAが出される。
補正によって拒絶理由が生じた場合や、元の拒絶理由が維持される場合は、ACP が出される。
(ACP を出すか否かの基準は、FinalOAと同じ)ACP そのものに対する Appeal は不可能。
(ACP後の手続き)1.951 2672
特許権者は、1度だけ、審理された事項に関するコメント補正の提出が許される。この補正
は、FinalOA後の基準に従う。
特許権者がコメントを提出した場合は、請求人は、1度だけ、特許権者のコメントに対する
反論を提出できる。特許権者がコメントを提出しない場合は、請求人は反論を提出できない。
(ACPに対する応答等の後の手続き)1.953 2673
(1)Right of Appeal NoticeRAN または
(2)Office action reopening of prosecution
が出される。
RAN は、審理の最終結論である。
ACPの後の手続きで、審査官の考えが変わった場合には、
(2)が発行されて、再度審理が
再開される。
(RAN後の手続き) 2674
特許権者または請求人は、RANに対して Board に Notice of Appeal をすることができる。
一方の当事者が Appeal した場合、他方の当事者はそれから14日以内に Notice of cross
appeal をすることができる。これにより、Appeal の審理に参加することができる。
(Notice of appeal (cross appeal)の後)
209
appealant は、所定期間内に appeal berief と fee の支払いをする。これらを適切にしない
と、Inter Partes Reexamination Certificate が発行されて、審理が終了する。appealant brief
が提出されると、相手方に respondent brief の提出機会が与えられる。
(Examiner’s Answer) 2677
審査官は、appealant brief, respnodant brief に対する examiner’s answer を両者に提供
する(いずれかが brief を提出していなくても両者に提供する)。
appealant は、examiner’s answer 及び respondent brief に対して、rebuttal brief を提
出することができる。
oral hearing も可能。
(Appeal における決定)
Appeal において決定がされると、関係者はそれに対して rehearing の請求ができる。
Appeal の決定において新たな拒絶理由が示された場合は、
特許権者は、
rehearing の請求か、
補正、新たな証拠の提出が可能。
Appeal の決定に対する不服申立は、CAFC に Appeal できる。相手方はクロス Appeal も可能。
(Appeal がない等、結論が確定した場合)
Inter Partes Reexamination Certificate が発行されて、審理が終了する。
210
Post Grant Review / Inter partes Review (改正)
Post Grant Review
Inter Partes Review
(主体)321
(主体)311
***(右に同じの意)
(考慮される理由)321
ベストモード以外全て
特許権者以外が可能。
(考慮される理由)311
特許または印刷刊行物による10
2、103の無効理由を請求できる。
(時期)321
始期は、特許の発行(又は再発行)。
(時期)311
始期は、特許の発行または再発行か
ら9月、または、PGR の終了の日の何
れか遅い方。
終期は、特許の発行(又は再発行)
から9月
終期は、特許が unenforcable になる
日(満了から6年)
。
※但し、再発行は、元の特許よりも広
いクレームが再発行された場合に限
る。325f
(手続)322
***
(手続)312
特許権者と、無効にすべきクレーム
と、その証拠(引用文献、affidavit
等)と、そのた必要書類を記載した
petition を提出する。
fee と上記必要書類のコピーを提出
する。
211
上記 petition と必要書類は、特許権
者にも送付する。42.105
手続きの流れ
手続きの流れ
(書類の不備がある場合)42.206
(書類の不備がある場合)42.106
***
notice がされて1月以内に修正しな
いと、却下される。
(Preliminary response)323 42.207
***
(Preliminary response)313
petition の請求日が認められると、
その旨の通知がされ、通知から3月以
内に特許権者は preliminary response
を提出できる。ここでは、レビューを
開始すべきでない旨の主張とその証拠
の提出が可能。42.107
ここでは、クレームの放棄を同時に
することができる。42.107
(開始の決定)324
***
(開始の決定)312、314
Preliminary response を 受 領 す る
と、Director は、IPR を開始するか否
かを決定する。
決定の基準は、以下のいずれか。
決定の基準は、以下。
・少なくとも1つのクレームが、どち ・少なくとも1つのクレームについて
ら か と い う と 特 許 性 が な い (more reasonable likelihood があるか否か。
likely than not)場合。
・新しいまたは未決着の法律問題を含
む場合。
212
***
決定は Preliminary response の受領
日 、ま た は 、 (Preliminary response
が提出されなかった場合は)その提出
期限から 3 月以内にされる。
この決定に対して appeal(たぶん、
不服申し立て自体)ができない。
(PGR の開始)326a8
***
(IPR の開始)316a8
IPR は 、 Patent Trial and Appeal
Board により扱われる。
開始の決定がされると、その開始の
決定の日から3月以内に、特許権者は
response を提出することができる。
affidavit 等 の 証 拠 の 提 出 も 可 能 。
42.220
42.120 316a8
(補正)326d
(補正)316d
***
response の提出までに、補正を提出
できる。42.121
316a9
クレームの削除、または、代替補正
案の提案が可能。
補正は、IPR の理由に対応するもの
でなければならない。
クレームの拡大は不可。
補正は1回のみ認められ、その後は、
board の許可がないとできない。
(追加の情報)42.223
***
(追加の情報)42.123
両者は、審理の開始から1月以内に
213
追加の情報を提出できる。1月経過後
でも、許可があれば出せる。追加の情
報は、対象のクレームに関わるものに
限る。
(petitioner(請求人))316a12
***
(petitioner(請求人))316a13
petition の提出機会が少なくとも一
回与えられる。
(その他手続き)
(その他手続き)
・以下のディスカバリがある 326a5
・以下のディスカバリがある 316a5
事実に直接関連する場合
証人に対するデポジション
正義の観点から必要な場合
***326a7
・ 秘 密 保 持 請 求 可 能 (protective
order) 316a7
***326a10
・oral hearing が可能 316a10
(最終決定)328
(最終決定)318
***326a11
director が IPR の開始の通知をして
から1年(または1年6月)以内に最
終決定をする。316a11
最終決定の後に、certificate を発
行する。
certificate では、
unpatentabl
なクレームはキャンセルされ、
patentable なクレームは patentable
とされる。
patantable なクレームについて、中
用権(252)が認められる場合がある。
IPR の決定が確定すると、estoppel
214
が生じる。315e
(和解(settlement))327
***
(最終決定に対する不服申立)329
***
(和解(settlement))317
和解による解決も可能。
(最終決定に対する不服申立)319
CAFC に Appeal 可能。141-144
その他
その他
(他の手続きとの関係)42.222, 325c
(他の手続きとの関係)42.122, 315c
***
他の IPR がある場合には、特許権者
または請求人の請求により併合が可
能。
IPR の係属中に USPTO での他の手続
がある場合、IPR または他の手続きを
stay, transfer, consolidation( 合
併), termination することができる。
(時期の例外)325a,b
特許発行から3月以内に提起された
(時期の例外)315a,b
侵害訴訟を訴えられてから1年が経
侵害訴訟の差止の仮処分の手続きは、 過した後は、IPRはできない。
PGR によって停止されることはない。
***
特許有効性の確認訴訟(特許権者ま
たは第三者の何れが請求したものでも
よい/侵害訴訟での無効の抗弁は「確認
訴訟」ではない)が既に提起されてい
る場合は、IPRはできない(特許無効
を争う手続が重複するため)。
IPRと同時またはその後に確認訴
215
訟が起こった場合は、確認訴訟は以下
の時まで stay する。
(1)特許権者が stay の撤回
を求めた
(2)特許権者が侵害訴訟を起
こした
(3)確認訴訟の請求人が、確
認訴訟を取り下げた
CBM(Covered busines model)は、侵害を訴えられた者が請求できる。この請求は特許の発行
後9月移行でも可能。無効理由は、ベストモード以外何でもよい。あとは、PGRと同じ。
(適用時期)
Inter Partes Reexamination、Inter Partes Review の適用時期は、その請求の時期によっ
て決まる。対象の特許の出願日、発効日等は関係ない。
・2011/9/16 より前に請求:SNQP を開始の基準とする Inter Partes Reexamination
・2011/9/16 以後、かつ、2012/9/16 より前に請求:Reasonable Likelyhood を開始の基準とす
る Inter Partes Reexamination
・2012/9/16 以後に請求:Inter Partes Review
Post Grant Review は、FITF(First Inventor to File)の下で審査を受けた特許に対して請求
可能。2013/3/16 以後の有効出願日を有する特許出願は、原則、FITF の下で審査を受けるが、
CIP 等の場合に特殊ルールがある。
216
MPEP2700台
Patent term
<Patent term>
utility patent と植物特許は、出願日から20年(design patent は、発効日から14年)
<Patent term extension>
1995 年6月8日以後に出願され、2000年5月29日より前に出願された特許(utility,
plant を含む、design は含まない)は、特許期間延長(patent term extension)の対象である。
<Patent term adjustment>
2000年5月29日以後に出願された特許は、patent term adjustment の対象である。
Utility patent と Plant patent が対象。Design patent は対象ではない(おそらく、発効日
から Patent term が計算されるので、審査に要した時間に応じて調節する必要がないため)。
当該日後に出された CPA(Continued Patent Application)は出願(Application)なので patent
term adjustment の対象。当該日後に出された RCE(Request for Continued Examination)は、
出願(Applicatoin)ではないので patent term adjustment の対象ではない。
Patent term が増える場合
・最初の OA または Notice of Allowance が出願日(移行日)から14月より後に出された場合
はその超えた期間。
・特許可能なクレームに対してアピールで消費した期間。
・インターフェアレンスで消費した期間。
・issue fee の支払いから4月より後に特許が発行された場合はその超えた期間
・以下の期間を除き、出願から3年より後に特許が発行された場合はその超えた期間
RCE 後の期間
インターフェアレンスの期間
217
アピールの期間
秘密保持命令が出されていた期間
審査の suspention がされていた期間
Patent term が減る場合
出願人の倦怠があった場合には、Patent term adjustment の期間が減算される。但し、元の
期間である20年より短くなることはない。また、倦怠があったからといって、Patent term
adjustment 自体の適用が無くなることはない。
・OA 等に対する応答が3月より後に行われた場合はその超えた期間が減算される。
・重要な情報を知ってから30日より後に IDS を提出した場合はその超えた期間が減算される。
218
その他
・代理人は、解決のためにクライアントに相手方と話し合うように提案してもよい。
・代理人は、配偶者、親戚等の出願を代理することもできる。
・クライアントが破産した場合は、何もしないのが正解。
・審査官の手書きによる修正等は、必ず、”clean red ink”で行う。
・特許庁職員は、雇用中及び雇用後1年間は、特許出願をすることができない。309
・特許庁職員は、雇用中及び雇用後1年間は、特許出願の譲渡(相続を除く)を受けることが
できない。309
<日付関係>
1999/11/29 より前に発行された特許には、Inter Partes Reexamination は使えない。
2000/5/29 より前の utility 出願には CPA が可能。以後は不可能(時期的要件を満たさない CPA
は RCE とみなされる)
。
2000/5/29 以後の出願日を有する特許(utility, plant)は、Patent term adjustment の対象。
2000/11/29 PCT 出願の他の出願としての 102(e)の適用基準が変わる日。
2011/9/16 以降に請求された Inter Partes Reexamination では、reasonable likelihood の基
準で開始が決定される(それより前は SNQP 基準)
。
2012/9/16 以降は、Inter Partes Review が適用。
219
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