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全球モデル
第4章 温暖化予測の現状と海水温、海面上昇の設定 4.1 地球温暖化の影響評価に用いる予測データの考え方 地球温暖化に伴う海水温及び海面水位の上昇に関して、科学的にみて最も確度の高い報告書は、 IPCC 第 3 次報告書である。IPCC 第 3 次報告書によると、地表面の気温(世界全体平均)は 1,990 年から 2,100 年において最大 5.8℃上昇すると予測しており、これに伴って海水の表面水温は最大 で約 3℃上昇し、海水面も最大で 88cm 上昇するものと予想されている。但し、IPCC の予測は数 百 km 格子の全球規模の予測結果であるため、日本周辺の地域的な地球温暖化の影響を検討する には、空間的な分解能が相当粗い。一方、日本周辺を対象とした最新の地球温暖化予測結果(地 球温暖化予測情報第 5 巻、気象庁、平成 15 年 3 月)が公表されており、全球モデルでの空間分解 能は IPCC の予測と同程度であるが、日本周辺海域に限り NOAA の海表面水温データを用いて 20km 格子まで海表面水温予測値を補間したデータセットが作成されている。 「地球温暖化に対応した漁場、漁港漁村対策調査」では、地球温暖化による日本周辺の漁業に 及ぼす影響を検討することから、地域的な地球温暖化の影響の相違を検討することが可能な気象 庁の地球温暖化予測データを影響評価に用いる基本データセットとする。なお、地球温暖化の影 響は地球温暖化シナリオの違いによって、将来の予測結果も大きく異なることから、IPCC の予測 結果を参考にして、気象庁の予測結果にシナリオ毎の相違による変動幅を設定して評価するもの とする。 4.1.1 IPCCの知見 IPCC における温暖化シナリオは、416 個のシナリオを分析した上で、4 つの主要なストーリー ライン(A:経済成長を重視、B:環境を重視、1:世界化が進展する、2:地域主義が強まる) を定めた。人口、経済成長率、エネルギー消費量、技術進歩といったシナリオを決定付ける要因 について、それぞれ 4 つのストーリーラインの性格に 経済成長重視 相応した数字を与えて計算を行った結果、40 のシナリ オが作られた。各シナリオはストーリーライン毎に「フ ァミリー」と呼ばれる複数のシナリオ群、即ち A1 フ 主 義 ラインの中では最悪シナリオに近いものである。IPCC 域 採用した A2 シナリオファミリーは 4 つのストーリー 地 ァミリーに振り分けられている(図 4-1-1)。気象庁が 世界化の進展 ァミリー、A2 ファミリー、B1 ファミリー及び B2 フ の第 3 次報告書によると、気温上昇では全シナリオの 最大値が 5.8℃に対し、A2 シナリオの最大値は 2.8~ 4.8℃、海面水位上昇では全シナリオの最大値が 88cm に対し、A2 シナリオの最大値は 15~75cm である。 環境重視 図 4-1-1 温暖化シナリオファミリーの分類 4.1.2 気象庁の知見 (1)概要 気象庁の予測モデルは、①太陽からの放射をエネルギー源として大気・海洋・陸地・雪氷・生 物圏等の間での複雑な相互作用を物理法則に基づいて数式化モデル化した大気大循環モデルと、 4-1 ②大気との熱収支や淡水流入、風の接線応力等を物理法則に基づいて数式化・モデル化した海洋 大循環モデルを結合させた、全球大気・海洋結合モデル(MRI-CGCM)と呼ばれている。 (2)予測結果の空間分解能 予測結果の空間分解能は大気と海洋で異なり、日本周辺の海洋では経度方向 2.5 度、緯度方向 2 度、水深方向には 23 層に分割されている。なお、日本周辺の表層水温のみ NOAA の実測データ を参考に 20km 格子にダウンサイジングされた SST(Sea Surface Temperature)データが計算され ている。 (3)予測時期の取り扱い 気象庁の予測結果は日単位で出力されるが、長期的な変動の検討に用いる予測結果としては 30 年平均(WMO の平年値に準拠)で平滑処理*がなされている。基本の数値データは気象庁の予測 結果を用いることから、本調査においても同じ取り扱いとすることが適当である。 ※地球温暖化予測情報第 5 巻に掲載されている長期予測結果は、2,071 年から 2,100 年までの 30 年平均値。 ※特定年月日の予測結果を議論できるモデルではない。 ※中間時期(短期・中期)の資料作成は可能であるが、第 5 巻に掲載する予定は無い。 4.2 シナリオの違いによる予測結果の振れ幅 4.2.1 IPCCシナリオ IPCC 第 3 次報告書によれば、温暖化の影響はシナリオの違いにより、将来の予測結果が大きく 異なる。図 4-2-1 に IPCC の予測結果(気温変化と海面水位上昇)を示す。海表面水温は気温変化 の半分程度とされていることに留意すると、2,100 年の海表面水温の予測値(全球平均)は A2 シ ナリオ最小値から、全シナリオ最大値まで 1.4℃~2.9℃の振れ幅を持つ。同様に、海面水位上昇 は 15cm~90cm の振れ幅を持つ。 考え方 全シナリオ最大値 A2 シナリオ最大値 A2 シナリオ平均値 A2 シナリオ最小値 気温(水温)上昇値(℃) 5.8(2.9) 4.8(2.4) 3.8(1.9) 2.8(1.4) 海面上昇(cm) 90 75 40 15 図 4-2-1 シナリオの違いによる予測結果の振れ幅 ※ IPCC 第 3 次報告書から、2,100 年の予測結果から読み取った数値。 ※ 水温上昇値は気温上昇値の 50%とされる。 4-2 4.2.2 気象庁の予測結果と IPCC の予測結果との比較 気象庁の予測は IPCC の A2 シナリオに準拠して実施されているが、その予測結果は海面水位と 海表面水温ともに、IPCC 予測結果の A2 シナリオ群の最小値と同等程度である。 2.6 ℃ 2.4 2.2 2 1.8 1.6 1.4 1.2 1 2070 2075 2080 2085 2090 2095 2100 図 4-2-2 気象庁の予測結果(左図:海面上昇量、右図:水温変動) ※ 図中、緑は日本周辺を含む 1/8 球の平均、黒は全球平均を示す。 図 4-2-3 将来の海面水位上昇の予測結果(図中の数値:cm) ※ :出典は地球温暖化予測情報第 5 巻、気象庁、平成 15 年 3 月 ※ :地球温暖化予測海面上昇量(2,071 年から 2,100 年の 30 年平均値) 日本周辺を含む 1/8 球の平均上昇量(図 4-2-2 の緑線)は、全球平均(図 4-2-2 の黒線)よりや や大きいものの、その予測結果は、海面水位上昇・水温上昇とも IPCC の予測結果と比較すると A2 シナリオ群の最小値と同等程度である。また、21 世紀末(厳密には 2,071 年から 2,100 年まで の 30 年平均)の日本周辺海域の海面上昇量予測結果は図4-2-3に示すとおりであり、沿岸域 の海面上昇量はほぼ 14~16cm 程度と、IPCC の予測結果による A2 シナリオ群の最小値と同等程 度であるとともに、地域別の差は数 cm 程度と大きな差は見られない。 4-3 4.3 水温鉛直分布の検討 気象庁の予測結果のうち、20km 格子の水温分布がデータセットとして用意されているのは海 表面水温のみである。本調査では海洋の中層や底層に生息するスケトウダラやズワイガニへの地 球温暖化の影響について、海表面付近の浮魚と同様に検討するために、所定の水深帯の水温分布 を概算する必要がある。スケトウダラやズワイガニへの水温影響を推定する際の水深帯は、主な 漁場が北緯 36 度以北の大陸棚周辺に集中していることから水深 200m を指標とした。 4.3.1 既往の水温実測データによる水温鉛直分布 既往の水温実測データによれば水温 鉛直分布は、月別・海区別にかなりの変 Ⅰ 動があることから、予測された海表面 Ⅰ 水温から想定水深の水温分布を推定す るにあたり、海流の影響、水塊構造を 考慮して、図 4-3-1 に示すように、オ Ⅲ ホーツク海(Ⅰ)、太平洋(Ⅱ)、日本 Ⅱ 海(Ⅲ)の 3 つの領域に区分した。ま Ⅲ た、各領域の四季の水温鉛直分布の一 例を図4-3-3に示す。 Ⅱ 図 4-3-1 海域の領域区分 4.3.2 水温鉛直分布の仮定 過去の観測された水温鉛直分布によれば、一般に水温躍層は比較的浅く表層~海面下 300m 程 度で 500m 以深では余り変化は見られない。したがって、本調査では、既往実測値(表層、水深 200m)と気象庁予測結果(表層)を用いて、温暖化後の所定水深の水温を推定した。例えば、ス ケトウダラおよびズワイガニの場合、生息水深を 200m とすると、水深 200m の水温は海表面と の水温比を各海域について求めておき、表層水温予測値(20km 格子)を用いて算出した。 TIJ 200 = T0 + 0℃ (Tk 200 − T0 ) × (TIJS − T0 ) (TkS − T0 ) Tks TIJS Tk200 ここに、 TIJ 200 :20km 格子データの格子番号 TIJ200 (I、J)の 200m 水深の水温 :20km 格子データの海表面水温 T k 200 :領域 k の実測データの 200m 水深の水温 TkS :領域 k の実測データの表層の 水温 T0 :水温が鉛直方向にほぼ一定と なる水深(500m)の水温 T IJS T0 図4-3-2 水温鉛直方向の推定のイメージ 4-4 領域Ⅰ オホーツ ク海側 領域Ⅱ 太平洋側 領域Ⅲ 日本海側 図4-3-3 四季別水温鉛直分布 ※ 赤は実測値、黒は実測値の平均値を示す。 4-5 4.4 海水温予測値と海面上昇シナリオの設定 4.4.1 基本的な考え方 本調査で検討を行う海水温の予測値は、地球温暖化が我が国周辺水域内の生態系や漁場に及ぼ す影響を評価可能な時空間分解能を有する定量的予測結果として、気象庁が実施した最新の温暖 化予測結果(地球温暖化予測情報第 5 巻,気象庁,平成 15 年 3 月発行)に基づき検討を行う。し かしながら、気象庁の予測結果では長期予測(2,071 年~2,100 年までの 30 年平均)は示されて いるものの中期及び短期の予測結果は示されていない。 地球温暖化が我が国周辺水域内の生態系や漁場に及ぼす影響を評価するに当たっては、地球温 暖化の進行に応じて長期的(概ね 100 年後)、中期的(概ね 40 年~60 年後)そして短期的(10 年~30 年後)な評価時期を設定し、水産物安定供給上の影響、地域経済等への影響、対策に要す る時間と経費等を検討することが重要となる。本調査においては、IPCC 第 3 次報告書における 2100 年までの水温上昇・海面水位の時間変化が概ね線形に変化していることを参考にして現実的 な範囲内で短期と中期の設定を行うこととした。 一方、海水面の上昇については、気象庁の予測結果が IPCC での A2 シナリオ群の最小値と同等 であることから、気象庁での予測結果のみを用いることは、今後の予測値の見直しに対応できな い。このため、本調査の検討結果が予測値の見直しにも対応できるように、IPCC 予測の海面上昇 最大値(約 90cm)まで検討を行うものとした。 なお、地球温暖化による気候変化(気温上昇、水温上昇)は、同時に沿岸域における来襲波浪、 潮汐、流れの変化や、来襲台風の強大化による高波浪や高潮頻度の増大の可能性が指摘されてい る。このことから、長期的な漁港や漁場施設への影響を検討しようとする場合、危険側で考えて それら全てを重ね合わせて検討することが必要である。従って、それぞれがある仮定をおいた上 での長期間の不確実な予測で、かつ、その予測値も大きな幅を持つと考えられることから、来襲 波浪などの増大を考慮した予測を行うことは困難である。このため、本調査においては、予測値 の幅は大きいが上昇量が定量的に予測されている海水面の上昇のみを主要な指標とした。 4.4.2 水温予測値の設定 本調査では、水温予測値を次のように設定した。 (1) 現状予測値としては、気象庁の現状予測値(図 4-4-2、現状予測)とする。 (2) 将来予測値(中期)としては、気象庁の将来予測値(図 4-4-2、将来予測(中期)、気象庁 100 年後予測値)とする。なお、気象庁の将来予測値は IPCC における最も温暖化影響が 大きい A2 シナリオ群の最小値に概ね相当する。 (3) 将来予測値(長期)としては、地球温暖化影響が最大となる IPCC シナリオを想定する。 水温上昇値に関して、IPCC 全シナリオ最大値と、A2 シナリオ最小値の差は 1.5℃である ことから(図 4-2-1 参照)、想定シナリオにおける 21 世紀末に相当する水温分布として, 将来予測(中期)に 1.5℃を一律に加算したものとする(図 4-4-2、将来予測(長期)、中 期+1.5℃)。 (4) 将来予測値(短期)としては,現状予測値から水温が一律 1℃上昇した場合を想定する(図 4-4-2、将来予測(短期) 、現状+1℃)。なお,この水温設定は図 4-4-1 に示すように、IPCC 最大シナリオで想定した場合は約 34.5 年後(短期~中期),気象庁シナリオで想定した場 合は約 71.4 年後(中期~長期)の水温上昇値に相当する。現状より 1.4℃上昇する設定で 4-6 は、IPCC 最大シナリオで想定した場合、約 48.3 年後(中期)に相当する。 (5) 海面下 200m 水深の水温分布は、(1)~(4)で想定した海表面水温を用いて、4.3.2節で 示した水温算定式を用いて推定した。 地球温暖化の影響を検討する際に使用した、日本周辺海域の海表面の水温分布(2、8 月)を図 4-4-2、図 4-4-3 に示す。さらに、海面下 200m の水温分布図(2、8 月)を図 4-4-4、図 4-4-5 に示す。 なお、海面下 200m の水温分布は漁場の形成位置から概ね北緯 36 度以北の海域について推定した。 3.0 2.9 2.8 IPCC最大シナリオ 2.9℃ 2.6 2.4 気象庁予測シナリオ 1.4℃ 2.2 長期 2.0 1.8 1.6 1.4 ( 水 温 上 昇 値 短期 1.2 ) ℃ 1.0 0.8 中期 0.6 48.3 0.4 34.5 0.2 現状 71.4 0.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 予測年(年後) 図4-4-1 水温上昇のシナリオ ※ ●は実際に水温水平分布図を作成する。 ※ ○はシナリオの違いによる予測年の読み替えとする。 従って、影響評価に用いる海表面水温の水平分布として、以下に示す①~④の4種類を設定 した。 ① 気象庁の現状予測結果 (現状) ② ①の水温分布に一律 1.0℃加算したもの (短期) ③ 気象庁の将来予測結果 (中期) ④ ③の水温分布に一律 1.5℃加算したもの (長期) 4-7 水温 単位:℃ 1 2 1 10 0 1 1 3 4 4 46 7 5 1 7 8 4 98 9 10 3 24 3 5 7 6 9 10 11 12 8 5 9 13 14 14 15 15 7 10 16 15 15 17 12 16 18 13 19 14 17 20 19 21 21 20 21 22 20 21 22 23 21 23 22 22 23 23 23 18 4 2 13 18 24 22 23 将来予測(中期)※気象庁 2 8 9 55 10 4 35 5 6 12 13 9 6 10 11 8 7 10 11 12 16 19 14 8 10 11 15 10 15 16 16 16 16 18 12 17 14 20 20 15 18 21 21 23 24 22 22 22 22 23 23 24 24 24 17 17 19 20 4 7 65 11 10 11 12 12 13 16 14 10 19 19 20 20 7 7 97 6 9 3 3 3 2 2 5 6 4 11 6 14 19 76 8 7 10 11 9 12 17 5 9 8 14 14 15 17 17 17 18 18 15 16 18 20 21 23 25 21 9 7 13 19 4 4 4 3 21 6 58 10 12 13 14 19 21 19 8 22 22 23 23 99 8 10 8 11 7 7 8 9 12 7 7 5 6 9 9 8 12 12 14 13 13 14 16 17 19 18 18 20 19 18 18 19 20 21 21 21 21 21 21 20 21 22 21 21 22 14 22 22 24 8 8 6 18 16 19 7 8 23 23 24 22 23 25 24 3 1 2 3 2 4 5 4 7 5 8 6 5 67 45 5 7 10 9 10 22 23 24 24 現状予測 2 5 3 6 7 8 24 23 6 3 11 4 4 7 5 5 56 10 12 9 7 12 13 11 14 6 13 12 6 12 11 12 68 13 13 9 14 16 18 16 16 17 18 15 10 10 17 19 19 15 16 16 17 17 11 19 17 17 12 18 19 18 20 19 13 19 18 20 20 21 20 14 21 16 19 21 21 21 21 21 20 21 21 23 21 21 21 16 18 19 19 19 3 4 10 10 11 11 12 15 13 6 77 2 4 5 46 78 9 15 18 16 3 3 11 9 9 2 2 4 5 6 5 8 4 2 23 24 26 25 将来予測(短期)※現状+1℃ 26 25 26 27 27 将来予測(長期)※中期+1.5℃ 0 250 500 水温分布 2月 図4-4-2 日本周辺海域の海表面水温水平分布(2 月) 図 日本周辺海域の海表面水温水平分布(2 月) 4-8 1,000 km 水温 単位:℃ 18 18 11 13 12 14 15 16 17 18 21 26 21 23 22 23 25 26 25 20 25 26 27 27 27 28 29 29 29 29 28 29 29 29 29 29 29 29 29 20 20 21 22 24 26 27 26 26 26 27 28 28 23 23 25 26 12 14 13 18 15 16 17 18 19 21 20 26 27 28 28 29 30 29 30 30 30 23 24 29 28 25 29 27 31 28 30 30 32 32 32 32 32 32 29 29 30 31 30 30 30 30 30 30 30 30 22 23 24 26 27 29 30 31 31 30 29 30 30 30 30 31 16 22 17 20 23 21 18 20 19 20 20 22 21 28 28 28 30 32 30 30 30 30 30 30 30 31 26 25 27 28 30 30 30 30 26 30 29 29 29 29 29 30 30 30 31 31 31 31 31 22 22 24 27 29 30 31 31 31 29 29 29 30 17 28 29 29 29 将来予測(中期)※気象庁 19 23 26 27 30 30 30 30 30 30 3030 30 30 30 30 30 30 現状予測 27 29 24 28 28 28 29 31 31 19 29 30 29 29 29 29 29 29 29 29 23 28 28 29 30 29 21 26 29 29 29 29 29 24 26 27 20 22 27 27 26 29 25 26 26 28 28 28 28 26 27 28 26 26 27 25 28 28 28 27 24 25 27 28 27 14 19 16 15 20 17 19 19 18 19 23 24 28 21 26 21 22 19 24 25 25 21 17 19 20 21 19 20 16 18 30 30 31 30 31 31 31 32 32 32 32 32 32 32 32 32 32 32 32 32 32 32 32 将来予測(短期)※現状+1℃ 将来予測(長期)※中期+1.5℃ 0 250 500 水温分布 8月 図4−4−4 日本周辺海域の海表面水温水平分布(8 図4-4-3 日本周辺海域の海表面水温水平分布(8 月) 月) 4-9 1,000 km 水温 単位:℃ 1 1 4 2 1 3 3 2 1 3 4 3 4 4 1 4 5 5 5 2 3 4 5 2 5 6 3 3 6 3 34 6 6 3 7 7 現状予測 7 7 将来予測(中期)※気象庁 1 3 24 2 2 2 1 1 2 34 5 5 4 1 4 2 4 5 6 6 7 5 3 6 3 4 5 7 7 4 将来予測(短期)※現状+1℃ 7 4 7 6 7 6 6 7 7 将来予測(長期)※中期+1.5℃ 0 250 500 図4-4-4 日本周辺海域の海面下 200mの水温水平分布(2 月) 4-10 1,000 km 水温 単位:℃ 3 3 4 4 5 5 4 4 46 45 7 7 5 6 6 8 6 8 8 6 9 9 6 9 9 現状予測 将来予測(中期)※気象庁 4 4 4 5 3 5 47 5 5 6 7 5 5 5 7 6 8 6 8 8 8 9 6 9 10 7 将来予測(短期)※現状+1℃ 将来予測(長期)※中期+1.5℃ 0 250 500 図4-4-5 日本周辺海域の海面下 200mの水温水平分布(8 月) 4-11 1,000 km 4.4.3 海面上昇シナリオの設定 海面上昇については IPCC や気象庁などにより予測が行われているが、地球温暖化の現象が社 会情勢や抑制策の実行レベル等、多くの不確定要素を含んでおり、予測結果に大きなバラツキが ある。また、図 4-2-3 に示す気象庁の予測結果から、日本近海における海面上昇の地域的な違い は顕著に認められない。従って、本調査では最小のシナリオから最大のシナリオまで対応できる ように、図 4-4-6 に示す 2,100 年までに全国一律に 90cm 海面が上昇する場合を仮定し、併せて、 最小値の 15cm、中間値の 50cm について検討を行うものとした。 1.00 海面上昇量:90cm 予測年次 :2100年 0.90 0.80 最大のシナリオ (全ての予測へ対処可能) 予 測 に よ る バ ラ ツ キ が 大 き い 海面上昇量(m) 0.70 0.60 海面上昇量:50cm 予測年次 :2068∼2069年 0.50 0.40 0.30 海面上昇量:15cm 予測年次 :2027∼2028年 最小のシナリオ 0.20 モ ニ タ リ ン グ に よ り 適 宜 修 正 0.10 0.00 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 予測によるバラツキが大き モニタリングにより適宜修正 図4-4-6 海面上昇のシナリオ 4-12 2090 2100 2110 (年)