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事例管理

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事例管理
事例
No.1
<目的>
方針・目的・目標が末端にまで浸透しており、推進組織も活発に機能して
いる。
方針・目的・目標
・推進組織
道具立て事例1 VM 活動推進ボード
VM推進のポイント
推進チーム会合の開催
−方針・目的・目標の浸透−
1.方針の策定
2.目的・目標の明確化
3.推進スローガンの掲載
4.推進期間の明確化
5.推進の組織化
6.推進委員会の開催
7.推進チーム会合の開催
スローガン
VM活動でムダを改善し、
利益の出る工場にしよう
使用目的
① VM 活動の方針・目的・目標を明確にして従業員全員に浸透させる。
②これから行う VM 活動を成功に導くように、全職場場のチーム単位で周知徹底させる。
③経営層の考え方を末端まで浸透させることにより、改善の推進力をつける。
運用のルール
① VM 活動の方針を策定する。同時に推進スローガンを玄関などの目立つところに掲示する。
②組織の目的・目標を明確にする。目的は、
「原価低減」
「品質改善」
「リードタイム短縮」な
どとなる。
③推進期間の明確化を行なう。VM 活動計画(5S・VM・FMS など)を作成して掲示する。
利用効果
① VM 活動が全社的に理解され、積極的に活動するようになる。
②組織の目的・目標の明確化、浸透化により、達成率が格段に向上する。
③コストダウン、品質向上、リードタイム短縮などが達成でき、企業の業績が向上する。
(山崎 康夫)
18
Vol.59 No.8 工場管理
特集 VM 手法で進める“見える”管理の道具立て事典
<主な現状の問題点>
①方針・目的・目標が不明確であり、まったく改善が進まない。
②方針・目的・目標が不備な面があり、かつ一部の人しか理解していない。
③ VM の推進組織体制も確立されておらず、組織的な行動につながっていない。
道具立て事例2 推進組織図
委員会
委員長
推進事務局
中産連コンサルタント
委員
リーダー リーダー
委員
リーダー リーダー リーダー
リーダー
→関係する各部門から管理者クラス
の方を選出
リーダー →リーダーは職場長または若手でやる気の
リーダー リーダー
∼
推進チーム
推進チーム
推進チーム
∼
→委員会で推進方針や計画
の立案・決定、進度状況
のチェックなどを実施
→管理者、リーダーの
中から指導力のある
方を事務局長に選出
委員
∼
推進チーム
推進チーム
導入時はトップダウ
ンで展開
(自ら率先垂範)
推進チーム
推進チーム
推進チーム
推進チーム
∼
→社長や役員、対象組織の
トップが就任
ある人を選出。推進状況によってはメン
バーチェンジするとよい
→どの部署が、どのフロア・場所を担当
するのかエリアと責任者を明確にする
必要がある
委員長は全体および各部門の、委員は
各チームのマネジメントの見える化に関心を持ち、
レビューとコーチングができるようにする
次第にチームメン
バー主体で進めら
れるようにする
使用目的
①推進組織を作成することにより、VM 活動が求心力を持って活動できる。
②推進委員会を開催することにより、VM 活動の進捗を確認する。
③推進チーム員に、それぞれの目的・目標を周知徹底させる。
運用のルール
① VM 活動の推進組織を作り、全員が立ち寄る場所に掲示する。
②推進組織の推進事務局は、管理者の中から指導力のある人を事務局長に選出し、2〜3名
の事務局を選定する。
③推進委員会は、毎月開催し、前月の目標達成や進捗状況を確認するとともに、当月の計画
を発表する。
④推進委員会のメンバーは毎年見直しし、必要に応じメンバーチェンジをする。
利用効果
① VM 活動の組織が明確になり、全員参加として活性化した活動になる。
②進捗の遅れが明確になり、組織としてのフォローアップがタイムリーに実施される。
(山崎 康夫)
工場管理 2013/06
19
No.2
<目的>
経営トップから担当者まで連鎖した目標値が設定され、目標達成するため
の PDCA の管理サイクルが確実に回る見える目標管理の仕組みが確立さ
れ、実行されている。
目標管理
道具立て事例1 目標管理連鎖体系図
経営方針・目標書
方針・目標展開表
XX年 度 作成 XX年 X月 X日
社
長
社
経営方針
目標
(前年比 20 %増)
XX億円
営業利益
利益率1 5 %確保
重要クレーム件数
0件
不良率
3 %以下
ロスコスト
XXXX万円以下
世界に通用する
高品質の実現
2
XXX億円
売上金額
グルーバル展開に
よる新規市場拡大と
新製品開発で売上・
利益目標達成
1
経営方針
グルーバル展開に
よる新規市場拡大と
新製品開発で売上・
利益目標達成
世界に通用する
高品質の実現
目標
売上金額
営業利益
XXX億円
(前年比20%増)
XX億円
利益率15%確保
重要クレーム件数
0件
不良率
3%以下
ロスコスト
XXXX万円以下
営業部
開発部
XXX億円
XX億円
(新製品)
部門展開
製造部 生産管理部
目標達成状況総括表
…
…
XX億円
XX億円
XX億円
XX億円
(VE・VA)(加工原価低減) (在庫削減) (材料費低減)
…
0件
0件
0件
0件
0件
(営業クレーム)(設計クレーム)(製造クレーム)(外注クレーム)(購入品クレーム)
…
3%
3%
3%
100%以上
達成度
購買部
3%
(設計不良) (工程内不良) (外注不良) (購入品不良)
XXX万円以下 XXX万円以下 XXX万円以下 XXX万円以下 XXX万円以下
経営方針
グルーバル展開に
よる新規市場拡大と
新製品開発で売上・
利益目標達成
…
……
……
……
……
…
売上金額
営業利益
重要クレーム件数
…
世界に通用する
高品質の実現
90%~99%
4月
目標
5月
達成度
達成度
…
90%以下
6月
達成度
XXX億円
目標
XX億円
XX億円
XX億円
(前年比20%増)
実績
XX億円
XX億円
XX億円
XX億円
目標
X億円
X億円
利益率15%確保
実績
X億円
X億円
目標
0件
0件
0件
不良率
3%以下
ロスコスト
XXXX万円以下
X億円
X億円
0件
実績
1件
0件
0件
目標
3%以下
3%以下
3%以下
実績
3.5%
2.8%
2.5%
目標
…
…
…
実績
…
…
…
…
経営方針・目標
を達成するため
に各部門が果た
す役割と達成状
況が体系的に管
理できる
……
営業部長方針・目標管理表
達成度
部長方針
施策
目標
100%以上
主管
(1)中国市場・内需拡大
(2)インド市場進出
1.グルーバル展開に
よる新規市場拡大
(3)国内市場拡大
2.新製品売上目標達成
2.国内既存顧客深耕営業展開
XX億円
X億円
〇
〇
〇
〇
X億円
XX億円
〇
〇
〇
X億円
〇
〇
〇
達成度
XX億 円
…
達成度
X億円
X億 円
X億円
X億円
X億 円
X億 円
X億円
X億 円
XX億円
XX億 円
XX億円
XX億 円
目標
XX億円
XX億 円
実績
XX億円
実績
XX億円
XX億円
XX億円
XX億 円
XX億円
0.X億
0.X億
0.X億
0.X億
0.X億
0.X億
円
円
円
第三営業課長方針目標管理表
X億円
X億円
X億円
目標
実績
目標
…
X億円
X億 円
X億円
第二営業課長方針目標管理表
80%以下
6月
XX億円
X億 円
X億円
製造部長方針・目標管理表
XX億円
XX億 円
X億円
X億円
目標
新製品売上高
4.新製品の重点営業
XX億円
目標
実績
実績
〇
XX億円
XX億円
実績
実績
〇
深耕売上高
5月
達成度
目標
目標
〇
XX億円
ベース売上高
3.既存顧客との密着営業
80%~99%
4月
第一課 第二課 第三課
新規売上高
1.新規市場・顧客拡大
開発部長方針・目標管理表
各部門の目標を
達成するための
具体的施策と達
成状況が体系的
に管理できる
円
円
円
……
第一営業課長方針目標管理表
部門: 営業部 第一課
実施
テーマ
達成
状況
達成率
100 %以上
達成率
達成率
99∼80%
80%以下
目標値
新規売上高 XX億円
承認
照査
担当
印
印
印
実績
月 度
プ
ラP
ン
進捗欄 ◎:完了 ○:予定通り △:少し遅れ気味 ×:大幅な遅れ、未実施 中国市場・内需拡大に伴う売上増大
目標
4月
5月
6月
当初計画
計画の修正
第
1
週
第
ド
2
D
実施 週
結果 第
3
週
第
4
週
参照データ
チ
反省・
C
問題点
ク
ア
ク
課題対
シA
策
ン
進捗
状況
自部門の目標を
達成するために
PDCAのサイ
クルを回すこと
ができる
当月
累計
部長コメント
……
担当者別目標管理表
担当者別目標管理表
担当者別目標管理表
使用目的
①経営方針・目標を達成するために、各部門の責任分担を明確にし、各部門の各階層の管理
者、監督者および担当者の行動計画に落とし込めるように連鎖体系図で明確にする。
②目標達成のための計画の立案、実施結果の確認、課題の明確化、追加対策など PDCA のサ
イクルを回す仕組みと進捗状況を定期的にチェックする体制を確立する。
運用のルール
①社長経営方針・目標書、方針目標展開表…経営目標と各部門の目標数値が連鎖されている
ことを確認する。
②目標達成状況総括表…毎月5日までに実績を記入し、達成状況を評価、対策をとる。
③部長 / 課長方針目標管理表…毎月4日までに達成状況を評価し、未達成原因を明確にし追
加対策を立て経営者に報告する。
④担当者別目標管理表…計画通りに確実に実行し、毎月達成状況および行動の振返りを行う。
利用効果
①各部門が一丸となって目標を達成させなければ経営方針・目標は達成できないことを、全
社員に周知することができる。
(小林 啓子)
20
Vol.59 No.8 工場管理
特集 VM 手法で進める“見える”管理の道具立て事典
<主な現状の問題点>
①目標管理の仕組みがなく、業績や品質、納期などを評価ができない。
②目標値に対する実績値の管理しかなされていないため具体的な施策が立てられていない。
③目標を達成するため PDCA を回す間隔が長く、いつも目標は未達成である。
道具立て事例2 VM ボードによる目標管理表
目標テーマ/目標値/担当者
3ヵ月の目標値に対する
達成推移グラフ
達成状況評価カラー顔マーク
青…100%以上 達成
黄…99%∼80%やや達成
赤…80%以下 未達成
P記入欄
当初計画と計画変更(修
正/追加対策)を記入
D記入欄
実施した都度実施結果
を記入
四半期毎に目標達成状況と進
め方について振り返りをし、
次の四半期に向けて強化する
ことを明確にする
C記入欄
行動の反省、良かった点
の理由/原因を振返る
A記入欄
今月のやり残し内容、追
加実施事項など来月に持
ち越す実施内容を明確に
する
重要性が高いテーマ、遅れ気
味なテーマについて重点マー
クをつけて関心度を高める
上長のコメント欄
目標達成するための対
策/計画の妥当性、
進め
方、実施結果について
レビューし、アドバイ
スをする
使用目的
①結果の管理だけではなく、確実に目標を達成するためのプロセスを管理する目標管理の仕
組みを標準化する。
②目標管理表を VM ボードに貼って実施状況をチェックすることにより、実行力が高まるこ
とと目標管理の育成の場にする。
運用のルール
①目標管理表は方針・目標連鎖体系図に基づき VM ボードに貼って PDCA のサイクルを回す。
②目標管理の記入方法
目標値…先3カ月の目標を設定する。
P 欄…目標を達成するための3カ月先の計画を立てる(パソコン入力 OK)。
D 欄、C 欄、A 欄、上長コメント欄……実施したら、気づいたら、直ちに手書きする。
③毎週もしくは毎月定期的に上長が中心になってレビュー会を実施する。
利用効果
①全員が目標達成するための仕組みが標準化され、目標管理がしやすくなる。
②目標達成するためのプロセスが明確になるとともに未達成の原因が究明しやすくなる。
③目標達成度が高まる。
(小林 啓子)
工場管理 2013/06
21
No.3
成 果
<目的>
活動の目的・目標に対して、定量的成果および定性的成果を定期的に把握
することにより活動の有効性や進捗状況を評価し、活動をさらに活性化さ
せて確実に目的・目標を達成する。
道具立て事例1 定性的成果進捗管理表
職場:XX 部
評価項目
職場の明るさ
定性的成果進捗管理表
評価 ◎ 大変良い 〇 良い △ まあまあ × 悪い
時期
評価日
評価者
キックオフ時
(〇月〇日)
□□部長
3ヵ月後
(〇月〇日)
□□部長
評 価
半年後
(〇月〇日)
□□部長
活性化
意識改革
×
△
〇
職場の綺麗さ
×
△
◎
提案・意見
×
△
◎
部署内コミュニケーション
△
△
〇
部門間コミュニケーション
×
×
△
問題意識
×
△
〇
改善意識
×
△
△
能率意識
△
〇
〇
コスト意識
△
〇
〇
品質意識
△
△
△
安全意識
△
〇
〇
規律意識
△
△
〇
組織/マネジメント
リーダーシップ
×
△
〇
チームワーク
△
△
◎
情報・ノウハウの共有化
×
△
〇
標準化
△
△
〇
回答・提出期限スピード
×
△
△
問題解決対応力
×
△
△
…
課題
所感
VM活動開始から半年経過し、5Sが推進され製造現場、事務
所が広々と整然となり、従業員の顔つきが明るくなったように
思える。また、すこしづつ意識が変わり始め、部署内のチーム
ワークが良くなり助け合い精神が出てきたように思える。
1年後
…
職場の明るさ・綺麗さ
チームワーク
意識改革
職場の問題点が見え
るようになってきま
たし。改善して生産
量をあげるように努
力していきたいです。
標準化、平準化が進み
つつあり作業性がよく
なってきていると感じて
います。
工程内のチームワー
クが良くなった。部
品見本を作り直し、
もっと分かりやすく
したい。
お客様に「キレイになっ
たね」や「すっきりして
見やすくなったね」と声
をかけてもらい、5Sを始
めて良かったと感じます。
ミーティングで「こういっ
たことを実践したら良かっ
た」と全員が売上アップに
繋がる意見交換が活発にな
り、売上アップに繋がって
大変自信がつきました。
最初は大変でしたが、
毎日の積み重ねで、
成果が出てきて嬉し
いです。どんどん新し
い仕組みにチャレンジ
したいです。
①他部門との連携強化が必要
②5S活動を仕事の進め方に展開する
必要あり
使用目的
職場の雰囲気、従業員の意識状況、マネジメントのやり方などの定性的な面について、改善
活動スタート時からの変化や進化を、活動ステップや時期ごとに評価することにより、VM
活動の成果を全員で客観的に確認でき、弱い点、強化すべき点、改善すべき点について課題
が明確になり全員参加の VM 活動をさらに促進することができる。
運用のルール
① VM 活動を推進することによって変えていきたい点(体質、コミュニケーション…)を評価
項目として設定する。
②評価するタイミングと評価者を明確にする。
③評価者は評価項目について職場内および日常業務の遂行状況を観て評価する。
④評価表は、全員で確認できるようにボードに貼って、朝礼で発表する。
利用効果
①全員が VM 活動の目的を理解することができる。
②活動の停滞、マンネリ化を防止することができる。
③全員が目標を持つことができ、各自のモチベーションアップと良好なチームワークづくり
に役立てることができる。
(小林 啓子)
22
Vol.59 No.8 工場管理
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