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No.17 – 2015年 1月
January, 2015 Vol.3 No.17 HAWAIIMONTHLY アメリカでは年越し の瞬間に各地で花火 が打ち上げられま す。 2015年の住宅市場の展望 2015年に入りました。今年のアメリカ における住宅市場はどのように推移してい くでしょうか。10のポイントにまとめて みました。なお、ここではハワイでなくア メリカ全般の市場について書いています。 1. ミレニアル世代(Millennial Generation)の台頭: 雇用の回復により、 一次取得者層へ参入してくる可能性が大き いでしょう。 2. 不動産価格の安定: 2013年の2桁上 昇からスローダウンしてきた2014年、市 場が安定感を取り戻して来ています。 2015年も価格上昇が4 5%範囲で予測さ れています。 3. 住宅ローン利率の上昇: アメリカの 中央銀行に当たるFRB (連邦準備制度理事 会: Federal Reserve Board) が金融緩和 策を終了したことにより、今年後半は利率 の上昇が予想されます。現在30年ローン の利率は3.75%前後ですが、年末までには 5%になるのではとの予想もあり今後の動 きが注目されます。 4. 頭金の減額: 昨年12月に政府の連邦 住宅抵当公社ファニーメイ(Fannie Mae) とフレディマック(Freddie Mac)が以前の ように3%の頭金で住宅ローンを組めるよ うになりました。 5. 住宅購買指数の低下: 住宅購買指数 (Housing Affordability Index)が不動産価 格の上昇によって低くなり、買い難くなる 傾向が予想されますが、雇用の上昇やエネ ルギーコストの減少などである程度は緩和 されるかもしれません。 6. 新規住宅着工件数の増加: 通常の100 万戸レベルには及びませんが雇用状況のプ ラスにより着工件数の増加が見込まれるこ と。80万戸までは回復するだろうと予測 されています。 7. 抵当物件の減少: 金融機関が抵当権 を回収した物件数が景気後退前の状況に戻 ることが予想されます。これは住宅ローン 査定基準の厳格化によるプラス面が影響し ていますが、不動産価格の上昇によりエク イティー (純資産)が回復してきたことが大 きく挙げられます。 モーゲッジ (住宅ロー ン)を持っている家庭の物件価格がローン 残高を上回って来ていることが理由です。 8. 石油価格の下落が消費を助ける: 昨 年6月時から価格が45%も下落。住宅関係 リサーチの大手コアロジック社によると一 般の家庭では年間平均1800ドルの高熱費 用を使っており、その内22%は住宅から出 ています。 9. 賃貸の上昇が住宅価格の上昇率を上 回る: リーマンショック後には多くの人が 物件購入から賃貸へ移った経緯があり、以 降賃貸物件は上昇しています。2014年は この7年間で最高を記録し今年も賃貸市場 は上がることが予測されています。従って マイホーム取得へと移動していく可能性は 大きいでしょう。 10. 経済回復への期待: 失業率が5%台 に回復し雇用が促進されてきたことで経済 安定が見られます。アメリカ国内での雇用 増加と失業率の減少、エネルギーコストの 減少などが経済回復を後押しして住宅市場 へ繋がって行くでしょう。 ハワイ・マンスリー 2015年1月号 第17号 2015年の住宅市場 4つの挑戦 今年の不動産市場は明るい話題が多いです が、ここでは反対にチャレンジになる点を挙げ てみました。 1 9 8 2 10 7 4 6 5 3 1. 2016年初旬に完成予定のコンド シンフォニーホノルルの建設現場 2. 弊社代 表 Dr. キャサリン・カガワ女史 3. 4. 5. TVドラマ・ハワイ5-0に出演したマイク君 が住むお城で行われた晩餐会 6. アラモアナショッピングセンター内に進出する高 級デパートグルーミングデールの建設現場 7. 8. 毎年訪れるハワイの出雲大社で 新年の祈祷参拝 9.10. 今月12日から居住用販売が開始されたウルトラ ラグジュ アリーコンド・パークレーンアラモアナのレンダリング。アラモアナショッピングセ ンターの海側の白い一帯に完成予定 右下:ニューイヤー演奏会でピアニストのジ ニー・ティウ女史と 編集後記: 今年の元旦はハワイに居ながらお雑煮とおせち料理、おまけにスキヤキま で堪能した豪華なお正月でしたが、如何せん運動不足のこの頃です。年末に誓った整 理整頓がせめてものエクササイズ(?)と気休めではありますが体を動かすようにし ています。この時期は日本とハワイの気温差が 一番大きいですね。ハワイは建物内のエアコ ンが強いのと外の暑さのギャップに要注意。 2015年もどうぞ宜しくお願い致します。 1. 機関投資家の流出: 昨年1月に20%を占めて いた機関投資家の比率が10月時は15%に減っ て来ています。これは住宅価格の高騰が招いた もので、景気後退時には既存住宅を大量購入し て市場を支えていましたが、今後の物件価格が さらに上昇することを考えると、購入より維持 するか売却することが予想されます。 2. 住宅ローン査定基準の厳格化: NARのアン ケート調査では査定基準が徐々に緩和されてき ていることに伴い多くの人が住宅購入を希望し ていると回答が出ています。政府系連邦金融機 関のファニーメイ(Fannie Mae)とフレディ マック(Freddie Mac) は第2次金融抵当権市場 で購入する債券の基準を緩和することに加えて 3%の頭金を認めると既に発表していますが、 一次取得者層へのローン査定を行っている大手 金融機関によっては基準の緩和を行わないとこ ろもあり、どれくらいの速さで普及されるかが 注目されます。 3. 住宅ローン金利の上昇: 日本と比べて高い金 利率ですが、アメリカでは歴史的にみて低い時 期に入ります。FRB (連邦準備制度理事会)は 金融緩和策を昨年で終了しており、今年は下半 期あたりから金利が上昇すると予想されていま す。 4. 海外の投資家数: 近年は海外からの投資家に より既存住宅市場が活性化されていることは事 実ですが、今後はドル高が影響してきます。 特にヨーロッパ、ロシア、中南米など各地経済 の鈍化により海外からの投資購入で好まれてい るカリフォルニアは既に昨年比で25%減少し ました。 これら4つのポイントが今年のアメリカ経済の 発展にどのように関わってくるかを追っていき たいと思います。