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デジタル/アナログ/RF混在デバイスの デバッグ
デジタル/アナログ/RF混在デバイスの デバッグ 入門書 入門書 はじめに 一般的なIoT組込みモジュールのブロック図 と共通の問題点 従来、ほとんどのアプリケーションにおける無線デ バイスは、十分に経験のあるRF設計エンジニアによっ て設計されてきました。アプリケーションによっては、 今でもこれが当てはまります。しかし、今ではRF設 計の十分な経験がない設計エンジニアでもハード ウェアの一部として設計できる無線モジュールが数 限りなくあります。これらのモジュールはIoTデバイ ス普及に貢献しています。設計するデバイスの機能 によっては、デジタルとアナログの回路を含み、無 図1は 一 般 的なIoTデ バ イスを 示しており、Wi-Fiモ ジュール、DC電源モジュール、独自の機能を実現す るためのハードウェアも含んでいます。起こりうる問 題点が示されていますが、これらの問題は簡単にテ スト、デバッグすることができます。 次ページでその問題点を確認してみましょう。 >> 線モジュールが期待通りに機能することを確認しな ければなりません。 この入門書では、設計のデバッグに関する問題点に ついて説明します。 “2020年までには50億人以上が、 モノとしては500億個以上が 接続されることになる。 ” – 世界経済フォーラム 2 jp.tektronix.com/IoT “アナログ/デジタル/RFの設計をデバッグする 適切なツールをお持ちですか?” 無線が期待通りに 出力されていることを どのように確認するか? クロック信号の 放射による Wi-Fi出力への影響 電源投入時の問題/ 電源品質問題 DC電源 アンテナ 水晶 モノリシック Wi-Fiモジュール(*) RFフロント・ ベースバンド/ エンド MAC層 インタフェースの バースト信号に 起因する システム・ノイズ 電圧 レギュレータ カストマ・ アプリケーション マイクロ コントローラ クロック I/Oポート アンテナの ミスマッチ問題 メモリ/DSP (ASIC, FPGA) インタフェース・バス (USB, SATA, DDR, etc.) SW 制御信号が正しく 機能していることを どのように確認するか? インタフェース内の ソフトウェアとハードウェアの 統合性をどのように 検証するか? 図1. IoTデバイスのブロック図の例 jp.tektronix.com/IoT 3 入門書 “無線トランスミッタは、 数多くのテスト要件に 適合する必要があります。 ” IoTデバイスの送信確認 デバイスに電源を入れ、デバイスが送信していることを確認し ます。信号が確認できたならば、次はその信号の周波数が予定 されている値になっているか、また信号パワー・レベルが正し いことを確認します。そのどれもが期待通りの結果でない場合 は、そのデバイスは正しく機能していないことになります。 最も簡単なテスト方法は、スペクトラム・アナライザを使 用することです。スペクトラム・アナライザを使用するこ とで、信号の周波数とパワー・レベルが測定できます。 当然、信号の有無も確認できます。 信号からデジタル・データを抽出するなど、信号をデコー ドする必要があるかもしれません。このような場合は、 ベクトル・シグナル・アナライザ(VSA)を使用します。 (注 - 市場には数多くの種類のVSAがあり、テスト機能も 異なるため、価格も広範囲に及びます。 ) ? 図2. テクトロニクスRSA306型USBリア ルタイム・スペクトラム・アナライザ によるIoTデバイスのモニタリング 4 jp.tektronix.com/IoT 当然、無線は必要なときにのみ送信されます。先の図で 示した “カスタマ・アプリケーション” モジュールはデバ イスの中枢部であり、無線を含むすべてのモジュールを 制御するようにプログラムされています。 無線が期待通りに送信されていない場合、その理由を調 べます。正しくない制御信号が送信されたためか?正し くないバス・コマンドが送られたからか?電源に問題があ るのでしょうか? 時間ドメイン 周波数ドメイン RF入力 4/ SPIバス Ch1 電圧 Ch4 電流 無線テスト・モジュール基板 電源 または バッテリ + + - - 無線モジュール MCU テスト基板の 電源 レギュレータ 4 + - SPIバス 図3. ミックスド・ドメイン・オシロスコープ (MDO) によるRF/アナログ/デジタル・チャン ネルの同時測定 RS-232 PC コントローラ RF + - 設計のRF、アナログ、デジタル部のデバッグでは、時間ドメイン(従来のオ シロスコープ機能)と周波数ドメイン(従来のスペクトラム・アナライザ機能) RF信号のeガイド の両方で、すべての信号を同時に取込めるオシロスコープがあると非常に便 使用する信号、規格、その他有用な情報が用意されています。 利です。 (www.tek.com/document/how-guide/eguide-rf-signals) 最新のMDO(ミックスド・ドメイン・オシロスコープ)には専用のスペクト ラム・アナライザ・チャンネルがあり、これらのすべての信号を同時に取込 むことができます。すべての信号を、時間的に相関をとることで、問題の相 のダウン 関性がわかります。例えば、設計通りに送信できない場合は、送られる制御 「無線機能を搭載した組込みシステムの設計と検証」 ロード。 バス・コマンドとRF信号を同時にモニタすることで、問題だけでなく、実際 MDOを使用したIoT無線デバイスのデバッグ方法について説 の原因までも知ることができます。 明しています。 (注 - 規制とコンプライアンス要件など、調べなければならない無線送信問 http://jp.tek.com/document/1126106 題は数多くあります。詳細については、Trouble-shooting Radio Links in Unlicensed Frequency Bands(入門書)をご覧ください。 ) >> jp.tektronix.com/IoT 5 入門書 “IoTデバイスのレシーバ・テストには、 ベクトル・シグナル・ジェネレータが必要です。 ” IoTデバイスの受信機能の確認 IoT無線モジュールのレシーバが、RF信号を実際に取込んでいることをテストする ことも必要になります。また、不要なRF信号を除去できているかを確認する必要も あります。 受信感度テストはすべての無線レシーバに共通の要件 (注 - 市場には数多くの種類のVSGがあり、テスト機 であり、デバイスが正しい信号を受信し、デコードす 能も異なるため、価格も広範囲に及びます。高性能機 ることを確認します。多くの場合、まず妥当なパワー・ 種のほとんどの機能は、多くのIoTタイプのデバイス レベルの信号を出力し、レシーバがその信号を取込み、 には必要ありません。 ) デコードできることを確認します。次に、デバイスが レシーバが不要なRF信号をブロックしながら、同時に 信号を受信、デコードできないポイントまで徐々にパ 目的の信号を正しく受信、デコードできることを確認 ワーを下げます。測定された信号強度がレシーバ感度 する必要もあります。このためには、同じ仕様のもう 要件より小さい場合、デバイスは合格となります。 1つのデバイスから別チャンネルの信号を出力する必 適切な無線規格に対応したRF信号を生成する最も簡 要があります(図5を参照) 。 単な方法は、ベクトル信号発生器(VSG)を使用する これを実行するのがレシーバ・ブロック・テストであ ことです。VSGは、 変調 (デジタル情報を信号に符号化) り、2台のVSGと1台のRFコンバイナが必要になります。 されたRF信号を出力し、さまざまな無線信号を生成、 送信することができます(図4) 6 jp.tektronix.com/IoT テクトロニクスのベクトル信号発 生器TSG4000シリーズの詳細につ いては、当社ウェブ・サイト(jp. tektronix.com/rf-vector-signalgenerator)をご覧ください。 図4. レシーバ感度テストの ためのセットアップ RFベクトル信号発生器 IoTの無線モジュール テクトロニクスTSG4100Aシリーズ レシーバ アッテネータ ミキサ LNA ADC IF フィルタ フィルタ プリセレクション・ フィルタ ローカル・ オシレータ DSP PA DAC トランスミッタ ミキサ 図5. レシーバ・ブロック・ テストのセットアップ RFベクトル信号発生器 No.1 (インチャンネル信号) アッテネータ テクトロニクスTSG4100Aシリーズ + IoTの無線モジュール レシーバ ミキサ RFコンバイナ LNA RFベクトル信号発生器 No.2 (アウトオブチャンネル信号) ADC IF フィルタ フィルタ プリセレクション・ フィルタ ローカル・ オシレータ DSP PA トランスミッタ DAC ミキサ テクトロニクスTSG4100Aシリーズ jp.tektronix.com/IoT 7 お問い合わせ先: ASEAN/オーストラリア・ニュージーランドと付近の諸島 (65) 6356 3900 オーストリア 00800 2255 4835 バルカン諸国、イスラエル、南アフリカ、その他ISE諸国 +41 52 675 3777 ベルギー 00800 2255 4835 ブラジル +55 (11) 3759 7627 カナダ 1 800 833 9200 中央/東ヨーロッパ、バルト海諸国 +41 52 675 3777 中央ヨーロッパ/ギリシャ +41 52 675 3777 デンマーク +45 80 88 1401 フィンランド +41 52 675 3777 フランス 00800 2255 4835 ドイツ 00800 2255 4835 参考資料 香港 400 820 5835 インド 000 800 650 1835 イタリア 00800 2255 4835 日本 81 (3) 6714 3010 ルクセンブルク +41 52 675 3777 > テクトロニクスのスペクトラム・アナライザ jp.tek.com/spectrum-analyzer jp.tek.com/spectrum-analyzer/rsa306-0 > TSG4000シリーズ・ベクトル信号発生器の詳細 jp.tek.com/rf-vector-signal-generator > Bluetoothトランスミッタのテスト www.tek.com/dl/37W-60017-0_Bluetooth%2520Site%2520Sel ler%2520flyer.pdf ノルウェー 800 16098 中国 400 820 5835 ポーランド +41 52 675 3777 ポルトガル 80 08 12370 韓国 001 800 8255 2835 ロシア +7 (495) 6647564 南アフリカ +41 52 675 3777 スペイン 00800 2255 4835 スウェーデン 00800 2255 4835 スイス 00800 2255 4835 > MDO4000シリーズの詳細 中東、アジア、北アフリカ +41 52 675 3777 オランダ 00800 2255 4835 > RSA306型USBスペクトラム・アナライザの詳細 メキシコ、中央/南アメリカ、カリブ海諸国 52 (55) 56 04 50 90 jp.tek.com/oscilloscope/mdo4000-mixed-domain-oscilloscope 台湾 886 (2) 2656 6688 イギリス、アイルランド 00800 2255 4835 アメリカ 1 800 833 9200 2015年4月現在 jp.tek.com テクトロニクス/ケースレーインスツルメンツ お客様コールセンター ヨッ!良 い オ シ ロ TEL: 0120-441-046 電話受付時間/9:00~12:00・13:00~18:00 (土・日・祝・弊社休業日を除く) 〒108-6106 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟6階 記載内容は予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。 Copyright © 2015, Tektronix. 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