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(1)農地の集積促進

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(1)農地の集積促進
【基本方針②】 「農地」の保全
食料の安定供給や農業・農村の持つ多面的機能を発揮する役割を持続的
に果たしていくため,その基盤となる「農地」を保全していきます。
【 基 本 施 策 】
(1)農地の集積促進
(2)農地の保全・確保
(3)農地の有効活用
◆基本施策(1) 農地の集積促進
大規模農業者等への効率的な*農地の集積・集約化を推進することにより,
耕作放棄地の解消を目指します。
【具体的施策】
①地域ぐるみの話し合いの推進
土地持ち非農家を含めた地域ぐるみの話し合いの活性化を図り,効率的
な農地の集積・集約化を促進します。
②グリーンバンク制度の活用
*グリーンバンク制度を活用し,耕作不能となった
農地の集積を図り,耕作放棄地の抑止と解消を目指
します。
③*農地中間管理事業の推進
農地中間管理機構と連携を図り,担い手となる
経営体が営農しやすい環境の整備を推進します。
グリーンバンク制度
PRパンフレット
◆基本施策(2) 農地の保全・確保
農業や農村が持つ多面的機能を発揮するため,基盤整備や農業用施設の維
持・整備等を推進するとともに,土地改良区や農業委員会等と連携し生産基
盤となる優良農地の保全・確保を目指します。
【具体的施策】
①基盤整備の推進
地域における合意形成を踏またうえで
未整備地区の整備や大規模区画等への
再整備など,生産性の向上を図るため
不可欠な基盤整備を促進しながら優良
農地を確保するとともに効率的な農地
の集積を促し,担い手が営農しやすい
環境づくりを目指します。
基盤整備後の畑地帯
②基幹水利施設等の整備
老朽化した基幹施設や用排水施設等の改修,修繕を促進するほか,農道
の改良整備を行い良好な営農条件の確保を図ります。
③小規模基盤整備の推進
効率的な農業経営や農地の集積が容易な環境づくりを推進するため,国,
県等の施策を活用した小規模基盤整備事業などを促進します。
④地域ぐるみの環境保全活動の推進
農業や農村が持つ多面的機能を発揮させる
ため,地域ぐるみで行う農道や水路などの清掃
活動など,地域の良好な環境を維持,保全する
活動の推進を図ります。
地域ぐるみの保全活動
⑤優良農地の保全
「*つくば農業振興地域整備計画」に基づき計画的に優良農地を保全・確保
します。
20
◆基本施策(3) 農地の有効活用
地域と連携した市民参加等による農地の有効活用を促進し,地域農業の振
興を図ります。
【具体的施策】
①市民農園等の支援
気兼ねなく農業を体験できる*市民農園や福祉的な意味合いを持つ*福祉
農園を支援するとともに,市民参加による地域ぐるみの交流を促しながら
地域農業の活性化と農地の利活用を図ります。
②市民ファーマー制度の活用促進
*市民ファーマー制度の活用を促進するとともに,
面積が小さく担い手が敬遠しがちな農地の利活用を
図ります。
③再生可能エネルギーを活用した農地利用
太陽光や風力などの環境にやさしい*再生可能
エネルギーを農業経営に対し効果的に結びつけ
ることにより,農業生産における省エネ化や省
コスト化による所得の向上と地域農業の活性化
を図ります。
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市民ファーマー制度
PRパンフレット
【基本方針③】 「地域」の活性化
「豊かな食」や「地域環境」の恩恵を受けるため,農業者をはじめ,市民
すべてが「農業・農村」に対する相互理解を深め,地域の活性化を図ります。
【 基 本 施 策 】
(1)地産地消の推進
(2)環境に配慮した農業の推進
(3)「農」と消費者のふれあい促進
◆基本施策(1) 地産地消の推進
学校給食や直売所等を通じて,新鮮で安全・安心な農作物を供給するなど
地産地消の取り組みを推進し,地元農産物の消費拡大を図ります。
【具体的施策】
①直売による顔の見える販売
市民や消費者が安心して地元農産物を消費できる
よう,対面販売による直売を促進するとともに直売
所マップの作成などPRを強化します。
また,新鮮で安全・安心な農作物を提供するため,
直売所等におけるGAPの認証取得やトレーサビリ
ティの導入などの取り組みを促進します。
農産物直売所ガイド
②地元農産物の積極的活用
地産地消を図るため,契約栽培等による
安定的な供給体制づくりを促進し,飲食店
やホテル,学校給食への供給を増やすとと
もに公共施設等においても積極的に活用す
るよう推進します。
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市内農産物を活用した学校給食
③事業者への啓発促進
市内のレストランやホテルなどの飲食
店,観光事業者に対し地元農産物を PRし,
その食材を使った料理や商品開発を促進
するなど地元農産物の積極的な活用と地
産地消の普及・啓発を図ります。
地元シェフを招いて開催した
市内農産物活用メニューの提案会
「農産物フェア」
④地産地消システムの検討
市内での流通システムを確立するため,生産者やJA等の農業団体や
関係機関と連携し生産及び集出荷体制を検討するほか,卸売業や小売業,
流通事業者等との連携を目指します。
⑤地産地消の普及・啓発活動の推進
生産者や団体が一体となって行う市の
イベント参加や自発的な活動を促進する
とともに,地元農産物を使った料理を提供
する飲食店等の情報収集や情報発信に努め
るなど市民や消費者に対して幅広くPR す
ることにより,地産地消の普及・啓発を図
ります。
市内最大の農産物販売イベント
「農産物フェア」
◆基本施策(2) 環境に配慮した農業の推進
*有機性資源を有効に活用し,環境と調和した持続性の高い農業生産を推進
し,安全・安心な農作物の提供と農村環境の保全に取り組みます。
【具体的施策】
①環境にやさしい農業生産の推進
有機性資源を堆肥化して有効活用し,化学肥料や農薬の削減など,環境
への負荷を軽減する自然生態系に調和した持続性の高い生産方式への取り
組みを推進します。
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このため,*エコファーマー認定制度を推進
するとともに,土づくりに必要な有機資材等の
導入また堆肥化やその利用に必要な機械の整備
など環境にやさしい生産方式の導入に向けた取
り組みを支援します。
「いばらきエコ農産物」
認証シール
「農産物フェア」
②*耕畜連携の推進
耕種農家と畜産農家との連携を図り,家畜のふん尿や稲わら・もみ殻等
を利用した良質な堆肥づくりとその利用促進を図ります。
③*循環型農業の検討
畜産農家や生産者等が連携して行う堆肥づくりと食物残渣や作物残渣な
どの有機性資源を活用した資源を循環する仕組みづくりについて,関係機
関とともに検討します。また,民間主導による循環システムの取り組み状
況も見据えながら自発的な活動や企業参入の促進を図ります。
④有機農業の推進
安全・安心を求める消費者ニーズに対応
するためには,*有機農業は重要な一つの
生産方式です。このため関係機関や先進
農家等と連携した栽培技術の助言や指導を
行うなど,積極的に有機農業に取り組む
農業者を支援するとともに*有機JAS認証
制度の普及啓発を促進するなど,生産者を
はじめ地域・消費者の理解促進を図ります。
有機にんじん収穫体験
⑤農業廃棄物の適正処理促進
農業用プラスチック製品など使用済みの廃棄物について,適正な処理を
啓発・指導し,リサイクルによる資源活用と農村環境の保全を図ります。
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◆基本施策(3) 「農」と消費者のふれあい促進
農業体験等を通じた「農」とのふれあいにより,市民や消費者との交流を
促進し,「農や食」に対する相互理解と地域農業の活性化を図ります。
【具体的施策】
①多様な交流機会の創出
市民や消費者との交流を促進し「農や食」に対する相互理解を深めるため,
気軽に「農」とふれあえる場として農業体験イベントの開催や*農作物オー
ナー制度の充実を図るなど,生産者や都市農村交流団体と連携し多様な交流
機会を創出します。
田植え体験
②農業サポーター制度の活用促進
*農業サポーター制度の活用を促進し,生産者の負担を軽減しつつ市民と
の交流を深め農業に対する相互理解を図ります。
③誘客促進
「農とのふれあい」に関し今後需要拡大が
見込まれる学校の修学旅行や外国人観光
客,留学生などのニーズに対応するため,
生産者や旅行業者と連携して農業体験の
場を提供するとともに,*アフターコン
ベンションへのPRや*ハラールなど
外国食文化に対する理解促進など誘客に
向けた取り組みを推進します。
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市内農業者によるインドネシア
人学生の農業体験受け入れ
④子ども達への食育
農業体験や学校への出前講座など生産
者との交流機会を創出することにより
「農や食」に対する学習の場を提供し,
子ども達への食育の推進を図ります。
生産者による
小学校への出前授業
⑤農のある暮らしの創出
農や食,文化,歴史,伝統行事などの
地域資源を活用して,農家や地域が主体
的に行う農家民泊の活用や体験活動等に
よる「農のある暮らし」の場を創出する
ことにより農業・農村の活性化を図ります。
古民家で「しめ縄づくり」体験
⑥SNSを活用した身近なふれあいの促進
*ツイッターや*フェイスブックといった*ソーシャル・ネットワーキン
グ・サービス(SNS)を活用して,農業者が農業の楽しさや農産物のおい
しい食べ方などを消費者へ情報発信し,消費者も商品の感想や農業者への応
援メッセージを簡単に伝えられるような双方向のコミュニケーションの仕
組みを確立することにより,農業者と消費者の身近なふれあいを促進し相互
理解を図ります。
⑦農と福祉の連携推進
農業分野と福祉分野が連携し農作業活動などの取り組みを推進するため,
生産者と障害者施設や介護施設等との交流を促進します。
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【基本方針④】 「新技術」の導入
研究機関等と連携した新たな農業形態の導入を促進することにより,
魅力ある農業の実現を目指します。
【 基 本 施 策 】
(1)新たな農業形態の導入
(2)先端技術の導入促進
(3)新品種の導入促進
◆基本施策(1) 新たな農業形態の導入
魅力ある農業の実現を目指すため,農業者や農業団体,研究機関,大学,
県,民間企業等の「農や食」に関わる産学官の交流促進と連携を図ることによ
り,本市の新たな農業形態の導入に向けた取り組みを推進します。
【具体的施策】
①知識や技術の活用
研究機関や大学,県等が有する多様な知識や技術を活用するため,生産
者等との相互交流を図る機会を創出するなど,新たな農業振興に向けた取
り組みを推進します。
②新たな産地づくりに向けた調査・研究促進
生産者や団体,関係機関が連携し,新しい作物の導入や産地づくりに向
けた生産体制の確立など調査・研究を促進し,魅力ある農業の実現を目指
します。
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◆基本施策(2) 先端技術の導入促進
身近にある多くの研究機関や大学が有する先端技術を有効に活用して,新
たな農業振興に向けた取り組みを推進することにより,生産意欲や農業所得
の向上を目指します。
【具体的施策】
①ICT(情報通信技術)を活用した技術導入促進
ICTを活用した栽培技術や生産体系の確立により,労働時間の短縮に
よる省力化や作業の効率化,また施肥量の適正化などによる低コスト化や
高品質化を図るため,ICT技術の導入を促進します。
②農業生産支援ロボットの導入促進
収穫作業などを無人で行うロボットや,
農作業時の負担軽減を図るためのアシスト
ロボットなど先端技術の導入を促進するこ
とにより省力化や作業の効率化を図ります。
無人ロボットトラクター
による実証実験
③先端技術の導入に向けた実証実験の推進
先端技術の習得や導入を目指すため,実証実
験の場を提供するなど生産者や団体,関係機関が
連携した取り組みを推進します。
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◆基本施策(3) 新品種の導入促進
研究機関等と連携し,新品種の導入を促進することにより,生産性や品質
等の向上を図ります。
【具体的施策】
①新品種の導入促進
研究機関において開発された収益性が高く消費者
に望まれる新しい優良品種の導入を促進し,生産性
や品質の向上による所得の向上を図ります。
②新品種導入に向けた連携推進
新品種の導入や栽培技術の習得を目指すため,
実証研究の場を提供するなど研究機関や生産者,
団体が連携した取り組みを推進します。
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市内研究所で開発された
パン用小麦「ユメシホウ」
実証実験
第4章
重点プログラム
本計画の推進に向けては,4つの基本方針に基づき施策の推進を図ると
ともに,市政の重点的施策として位置づけられる「戦略プラン」と連携し
た,以下の4つの「重点プログラム」を位置づけし事業の展開を図ります。
◆「ひと」の育成・確保
重点プログラム① 活力ある農業の展開
意欲ある多様な農業者を支援し担い手の育成・確保を図るとと
もに,所得の向上と経営の安定化により,活力ある農業の展開を
図ります。
◆「農地」の保全
重点プログラム②
耕作放棄地の解消
担い手への農地の集積や,農地所有者や市民参加による農地の
活用を促進することにより,耕作放棄地の抑止・解消を目指しま
す。
◆「地域」の活性化
重点プログラム③
農村環境の保全・活性化
地産地消の推進や環境保全型農業の推進など,安全・安心な農
作物の生産・販売の取り組みを促進するとともに,都市農村交流
事業による市民・消費者との交流促進により,農村環境の保全と
活性化を図ります。
◆「新技術」の導入
重点プログラム④
新技術の導入促進
身近にある多くの研究機関や大学が有する知識や技術を有効に
活用し,生産意欲や農業所得の向上を図ることにより,魅力ある
農業の実現を目指します。
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◆重点プログラム①
活力ある農業の展開
意欲ある多様な農業者を支援し,担い手の育成・確保を図るとともに,
所得の向上と経営の安定化により,活力ある農業の展開を図ります。
(1)意欲ある農業者の育成・確保
担い手を育成・確保するため,意欲ある農業者や新規参入者を支援し,法
人化等による経営力や生産力を強化することにより,所得の向上と営農意欲
の高揚を図り,農業経営の安定に取り組みます。
①担い手育成総合支援事業(認定農業者・新規就農者の育成・確保)
②新規就農者支援事業(就農直後の経営支援)
③家族経営協定推進事業
(2)多様な農業生産の振興
地域の特性を活かした基幹作物等の生産振興を図るとともに,ブランド化
や6次産業化など高付加価値化を目指した多様な農業生産の取り組みを支援
します。
①6 次産業化支援事業(農業者の育成と加工品等の開発支援)
(3)都市近郊型農業の推進
消費地に近郊した立地条件を活かし,多様な消費者ニーズに対応した販路
の拡大や安全・安心な農作物の供給による消費者との信頼構築を図ります。
また,生産・販売・流通の円滑化を図るための取り組みを支援します。
①販路拡大事業(東京事務所と連携した販売PR活動)
②販売事業者等との交流機会の創出
◆重点プログラム②
耕作放棄地の解消
担い手への農地の集積,また,農地所有者や市民参加による農地の活用を
促進することにより,耕作放棄地の抑止・解消を目指します。
(1)農地の集積促進
大規模農業者等への効率的な農地の集積・集約化を推進することにより,
耕作放棄地の解消を目指します。
①グリーンバンク制度の推進
②農地中間管理事業の推進
③*利用権設定の普及促進
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(2)農地の有効活用
地域と連携した市民参加等による農地の有効活用を促進し,地域農業の振
興を図ります。
①市民ファーマー制度の推進
◆重点プログラム③
農村環境の保全・活性化
地産地消の推進や環境保全型農業の推進など,安全・安全な農作物の生産・
販売の取り組みを促進するとともに,都市農村交流事業による市民・消費者
との交流促進により,農村環境の保全と活性化を図ります。
(1)地産地消の推進
学校給食や直売所等を通じて,新鮮で安全・安心な農作物を供給するなど
地産地消の取り組みを推進し,地元農産物の消費拡大を図ります。
①学校給食への地元農産物の導入促進事業
②パン用小麦粉(ユメシホウ)の普及促進事業
③直売所マップの作成及びPR事業
(2)環境に配慮した農業の推進
有機性資源を有効に活用し,環境と調和した持続性の高い農業生産を推進
し,安全・安心な農作物の提供と農村環境の保全に取り組みます。
①*特別栽培推進事業
②*カバークロップ(被覆植物)推進事業
③有機資材導入推進事業
(3)「農」と消費者のふれあい促進
農業体験等を通じた「農」とのふれあいにより,市民や消費者との交流を
促進し,「農や食」に対する相互理解と地域農業の活性化を図ります。
①都市農村交流(*グリーン・ツーリズム)イベントの推進
②農産物オーナー制度の普及促進
③農業サポーター制度の普及促進
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◆重点プログラム④
新技術の導入促進
身近にある多くの研究機関や大学が有する知識や技術を有効に活用し,生
産意欲や農業所得の向上を図ることにより,魅力ある農業の実現を目指しま
す。
(1)新たな農業形態の導入
魅力ある農業の実現を目指すため,農業者や農業団体,研究機関,大学,
県,民間企業等の「農や食」に関わる産学官の交流促進と連携を図ることによ
り,本市の新たな農業形態の導入に向けた取り組みを推進します。
①産学官の交流機会の創出
(2)先端技術の導入促進
身近にある多くの研究機関や大学が有する先端技術を有効に活用して,新
たな農業振興に向けた取り組みを推進することにより,生産意欲や農業所得
の向上を目指します。
①実証実験のためのモデル事業の促進
(3)新品種の導入促進
研究機関等と連携し,新品種の導入を促進することにより,生産性や品質
等の向上を図ります。
①国や県の研究機関との情報交換の場の提供
②実証栽培による研究活動の促進
33
第5章
計画の推進
1 各主体の基本的な役割
本計画を推進するためには,行政をはじめ,農業者やJA等の関係団体,
さらに多くの市民や企業,また大学や研究機関など,さまざまな主体が協力,
連携していく必要があります。
そのため,本計画の前提として,農業者や農業団体,企業,研究機関,市
民及び市の各主体の基本的な役割(基本的な姿勢)を次のように設定します。
(1)農業者・農地所有者の役割
農業者は,安全・安心な農産物を安定的に生産・供給するとともに,地域
の環境資源や景観資源など多面的機能を有する農地や農村環境を持続的に保
全していく主体となります。市民や行政等と協力・連携しながら農業振興に
努めるとともに,自ら所有している農地やその周辺環境を保全し,豊かで美
しい農村環境の形成に寄与する役割を担います。
(2)農業団体の役割
農業団体は,農業者に対し総合的な支援を行い,農業者や関係機関,市民
等と連携し,本計画の実現に主体的に取り組むとともに,市の事業に積極的
に参加し協力する役割を担います。
(3)企業の役割
農作物などの食品に関連した事業に携わる企業は,市内で生産された農産
物を積極的に活用するよう努めるとともに,本市が推進する地産地消や安
全・安心な食の提供に貢献する役割を担います。また,環境への負荷を軽減
するため,有機性資源が循環する仕組みづくりに協力する役割を担います。
(4)研究機関等の役割
大学や研究機関は,農業生産における新たな技術の開発や普及促進に努め
るとともに,農業者や関係機関と連携し,本市農業の持続的発展に協力する
役割を担います。
(5)市民の役割
市民は,市内で生産された農産物を積極的に消費するよう努めるとともに,
農業体験や保全活動など「農」に積極的に関わりを持つことにより,国土の
34
保全や水源の涵養(かんよう),自然環境の保全,良好な景観の形成など,農
業・農村の持つ多面的機能への理解を深め,様々な形で本市の農業・農村を
支えていく役割を担います。
(6)市の役割
市は,市民や企業,農業者,関係機関など,市内すべての「ひと」との連
携を図り,社会情勢の変化に的確に対応しつつ,本計画の達成に必要な施策
を展開し,本市農業の持続的な発展と豊かで魅力のある農業・農村の実現に
向けてリーダーシップを発揮する役割を担います。
2 計画の推進体制
各主体の基本的な役割を踏まえ,行政をはじめ,農業者や関係機関・団体,
大学,研究機関,さらに多くの市民や企業など,さまざまな主体が協力・連
携し,計画の着実な推進を図ります。
つくば市
茨城県
市民・
消費者
土地
大学・
改良区
つくば市の
農業
農業
研究機関
JA
委員会
商工業者
農業者
観光業者
35
3 計画の達成目標
本計画の最終年度となる平成 31 年度までの達成目標として,次のとおり
設定します。
目標①
担い手を 30%以上増やします。
目標②
直売所の売上げを 50%以上増やします。
目標③
耕作放棄地を年間 10ha 以上解消します。
目標④
都市農村交流体験者を2万人以上にします。
目標⑤
産学官が連携した新しい農業の構築を目指します。
4 目標の検証
PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)のもと,設定した目標の達
成状況を評価・検証し,着実な計画の達成に向けた施策に反映できるよう進
行管理を行います。
目標設定,目標
計画の実行
実現のための計
画の決定
Plan
Do
(計画)
(実行)
Action
Check
(改善)
(評価)
計画の継続の判
断・改善措置
事業の進捗の評
36
価,成果の分析
資
料
編
1 策定委員会委員と策定経過
(1)つくば市農業基本計画策定委員会名簿
役職
委員長
氏
堀江
名
所
属
武
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構特別顧問
副委員長 須藤
光明
つくば市議会議員
市川
一隆
株式会社ホテルグランド東雲取締役社長
稲葉
恒男
農業経営士
大曽根
京子
農業生産法人有限会社武平ファーム代表取締役
大和田
一郎
JA つくば市谷田部産直部会副部会長
岡本
秀男
つくば市農業協同組合代表理事組合長
木村
誠
株式会社TKF代表取締役
栗山
光子
つくば市食生活改善推進員協議会会長
小辻
孝輔
つくば 4Hクラブ会長
鈴木
尚枝
元市政モニター
髙谷
榮司
つくば市農業委員会会長
塚田
浩一
農業経営士
中島
昭夫
つくば・いなか体験応援隊会長
根本
善仁門
有限会社根本農場代表取締役
塙
久美子
日本野菜ソムリエ協会認定シニア野菜ソムリエ
松下
秀介
筑波大学生命環境系教授
横田
伊佐夫
つくば市谷田部農業協同組合代表理事組合長
渡辺
和彦
茨城県県南農林事務所つくば地域農業改良普及センター長
石濱
光輝
つくば市経済部長
(敬称略:五十音順)
37
(市役所関係)
直江
常夫
農業委員会事務局長
〃
岡野
好雄
経済部次長
〃
福田
滋
経済部土地改良課長
事務局
寺田
好二
経済部農業課長
〃
稲川
正明
経済部農業課課長補佐
〃
松浦
智恵子
経済部農業課課長補佐
〃
垣内
伸之
経済部農業課係長
〃
石塚
正巳
経済部農業課係長
〃
森田
幸一
経済部農業課係長
〃
藤田
希美
経済部農業課主任
オブザーバー
(2)策定経過(策定委員会の開催内容及びパブリックコメント)
●平成 25 年8月~9月
●平成 26 年 7 月 1 日
●平成 26 年 7 月 22 日
●平成 26 年 8 月 19 日
●平成 26 年9月 26 日
●平成 26 年 10 月 22 日
●平成 26 年 12 月1日
~平成 27 年 1 月5日
●平成 27 年2月6日
●平成 27 年2月 27 日
農家意向調査の実施
第1回つくば市農業基本計画策定委員会
・計画策定の趣旨
・本市農業の問題点及び課題
・今後の進め方
第 2 回つくば市農業基本計画策定委員会
・基本方針の検討
第3回つくば市農業基本計画策定委員会
・計画素案の検討
第4回つくば市農業基本計画策定委員会
・計画素案の検討
第5回つくば市農業基本計画策定委員会
・計画案の決定
パブリックコメントの実施
第6回つくば市農業基本計画策定委員会
・市民の意見に基づく最終案の決定
計画の決定
38
2 用語解説
【あ行】
アフターコンベンション
博覧会や見本市,会議といった大規模な催しの後に開かれる催しや懇親会
を指す。例えば国際会議場での研究発表後に研究者自身が農業体験を行った
り,会議中における研究者の家族が農業体験を行うことなどが考えられる。
インショップ(in shop)
「店の中にある店」という意味で,デパートやショッピングセンターなどの
大型店舗の中に,比較的小規模で,専門店としての機能を持つ売場を設置する
こと。スーパーなどの量販店の中に入っている直売所もこれにあたる。
エコファーマー
「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(平成 11 年 7 月 28
日法律第 110 号)」
(いわゆる「持続農業法」)に基づき,
「持続性の高い農業生
産方式」を導入する計画を作成し,県知事の認定を受けた農業者の「愛称」。認
定計画に基づいた農産物には,「エコファーマーマーク」を付けられる。
【か行】
家族経営協定
家族農業経営にたずさわる各世帯員が,意欲とやりがいを持って経営参画で
きる魅力的な農業経営を目指し,経営方針や役割分担,休日,報酬等の就業条
件,経営の移譲や日常生活について話し合い,文書として取り決めるもの。
カバークロップ
農作物を栽培していない時期に,露出する地表面を覆い,土壌浸食防止,景
観の向上,雑草抑制などを目的に作付けされる植物。ライグラスなどの牧草類,
大麦などの麦類,れんげなどのマメ科植物が活用されている。
GAP(農業生産工程管理)
Good Agricultural Practice(農業生産工程管理)の略称で,
「ギャップ」
と読む。農産物の生産の各段階において,生産者が守るべき管理基準とその取
り組みのことで「農産物の安全」
「環境への配慮」
「作業者の安全と福祉」
「農場
経営と販売管理」などの点から適切な農場管理のあり方が示されている。
39
グリーン・ツーリズム
農山漁村地域において自然,文化,人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動
のこと。欧州では,農村に滞在しバカンスを過ごすという余暇の過ごし方が普
及し,英国ではルーラル・ツーリズム,グリーン・ツーリズム,フランスでは
ツーリズム・ベール(緑の旅行)と呼ばれている。
グリーンバンク制度
耕作放棄地の抑止・解消を目的に,耕作不能な農地を市へ登録してもらい,
耕作地を増やしたい農家へ紹介を行う,つくば市独自の農地仲介制度。
耕作放棄地
農林水産省が実施する統計調査(農林業センサス)において「以前耕地であ
ったもので,1年以上作付けせず,しかもこの数年の間に再び耕作する考えの
ない土地」と定義される。
耕畜連携
米や野菜などを生産している耕種農家へ畜産農家から堆肥を供給したり,逆
に転作田などで飼料作物を生産し,畜産農家への家畜飼料として供給するなど,
耕種農家と畜産農家との連携を図ること。
【さ行】
再生可能エネルギー
「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギ
ー原料の有効な利用の促進に関する法律」で「エネルギー源として永続的に利
用することができると認められるもの」として,太陽光・風力・水力・地熱・
太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが規定されている。
これらのエネルギーは,資源が枯渇せず繰り返し使え発電時や熱利用時に地球
温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しない,優れたエネルギーとし
て注目されている。
市民農園
都市の住民がレクリエーション,自家消費用野菜・花の生産.高齢者の生き
がいづくり等の多様な目的で,小面積の農地を利用して野菜などを育てるため
の農園。
市民ファーマー制度
年間 150 日間以上農業に従事できる人であれば誰でも利用することができ
る,つくば市独自の制度。市に登録されている 1,000 ㎡未満の農地を最大3年
間契約し農業を行うことができる。
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女性農業士
農業三士のひとつ。農業経営と農家生活の向上に意欲的に取り組む女性農業
者で,地域のリーダーとしての活動が期待され県の認定を受けた者。
循環型農業
地域で発生する有機性資源の堆肥などへの循環利用,農業用資材の循環利用
を行うことにより,化学肥料や農薬の使用量を低減し,環境への負荷低減を図
る農業。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)
インターネット上での日記の公開やメッセージの交換などを通じて,友人や
知人,共通の趣味を持つ人達と幅広くコミュニケーションを取り合うことを目
的とした,会員制のウェブサイトのこと。
【た行】
多面的機能
農業・農村の多面的機能とは,「国土の保全,水源の涵養(かんよう),自
然環境の保全,良好な景観の形成,文化の伝承等,農村で農業生産活動が行わ
れることにより生ずる,食料その他の農産物の供給の機能以外の多面にわたる
機能」のこと。
地産地消
地域で生産された農林産物をその地域で消費すること。
ツイッター(Twitter)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のひとつで,140 文字以
内の「ツイート」と称される短文を投稿し,友達と共有できる情報サービス。
サービス名の「twitter(ツイッター)」は日本語で「つぶやき」と訳される。
つくば農業振興地域整備計画
「農業振興地域の整備に関する法律(農振法)」に基づき,優良な農地を保全
するとともに,農業振興のための各種施策を計画的に実施するため市町村が定
める総合的な農業振興の計画のこと。この計画の中で,将来にわたって農業の
ために利用していくべき土地を「農用地区域」として定めている。
特別栽培(農産物)
農産物の生産過程等における化学肥料の窒素成分量及び節減対象農薬の使用
回数が,茨城県が定める基準以下で生産された農産物のこと。
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トレーサビリティシステム
食品がどのように作られ,加工されたかなど生産・流通過程の情報の追跡を
可能とする仕組みのこと。これにより,事故発生時の原因究明や食品回収,品
質管理の向上や効率化など,消費者に伝える各種情報の充実等が図られる。
【な行】
認定新規就農者
農業経営基盤強化促進法に基づき,新たに農業経営を営もうとする青年等が
作成した青年等就農計画について,市町村の認定を受けた者。認定を受けると,
金融措置などの支援や国等の施策を活用することができる。
認定農業者
農業経営基盤強化促進法に基づく農業経営改善計画の市町村の認定を受けた
個人の農業者(経営者と共同申請した配偶者・後継者を含む)や農業法人のこ
と。認定を受けると,金融措置などの支援や国等の施策を活用することができ
る。
農業サポーター制度
「農業サポーター」として登録した方に,人手不足に悩む農家のところで簡
単な農作業の手伝い(ボランティア)をしてもらう制度。
農業三士
県の認定を受けた「農業経営士」
「女性農業士」
「青年農業士」の三士をいう。
担い手の育成や地域農業の振興をすすめる地域のリーダー的役割を果たす農業
者や農業経営に意欲的に取り組む女性農業者,また将来の担い手で人格見識に
優れた青年農業者である。
農産物オーナー制度
「年間オーナー」となった農産物の種まきから収穫までを通して体験したり,
収穫祭などで生産者との交流を楽しむ制度。
農地の集積・集約化
担い手農家が一連の農作業を効率的に行うため,担い手が耕作する農地の隣
接地に集積したり,地域内で分散した農地をまとまりのある形で利用できるよ
うにすること。
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農地中間管理事業
「農地中間管理事業の推進に関する法律」に基づき,農地の有効利用の継続
や農業経営の効率化を進め,担い手への農地集積・集約化を推進するため,
「農
地中間管理機構」
(都道府県ごとに設置)が農地所有者と担い手との間に介在し,
農地の借受・貸付を促進する事業。平成 26 年度から開始された新しい仕組み
である。
【は行】
ハラール
イスラムの教え(シャリーア法とイスラム原理)で許された「健全な商品や
活動」全般を意味し,その反対である「ノン・ハラール」あるいは 「ハラム」
と呼ばれる,イスラム教徒にとっては有害で,中毒性のある食べ物・飲み物な
どを避け,安全な生活を送るためのガイドラインを指す。イスラム法のもとで
は,豚肉やアルコールなどの摂取が禁じられていることがよく知られているが,
それらの飲食料品だけでなく,化粧品や医薬品、介護用品,金融など様々なサ
ービスに関しても,一定の作法が要求される。
フェイスブック(Facebook)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のひとつで,友達を見つ
けたり,自分の近況を書きこんだり,いいね!ボタンで共感を伝えたり,共通
の興味を持った人が集まるコミュニティーを作ったり,気軽な交流ができる情
報サービス。
福祉農園
高齢者や障害者に自然にふれあってもらい,精神的または身体的に安らいで
もらうための介護・福祉等を目的とした市民農園。
【ま行】
マルシェ
フランス語で「市場」を意味する。採れたての新鮮な農産物や農産加工品を
生産者が直接販売し,消費者は作り手との交流や会話をしながら買い物を楽し
む,「産直朝市」などもこれにあたる.
43
【や行】
有機JAS認証制度
「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS 法)」に基づ
く有機食品の認証制度のこと。有機農産物や有機加工食品などの生産方法につ
いての基準を定め,この基準を満たすものだけを「有機」と表示できるように
したもので,農林水産省の登録認定機関が認証する。認証された有機食品には,
有機 JAS マークが付けられる。
有機性資源
生物(動植物(人を含む)や微生物)に由来する資源で,生物学的分解によ
って,環境中に安全に還元が可能であり,かつ,再生利用が可能な資源。家畜
ふん尿,作物残渣,木質材料,食品加工残渣などをいう。
有機農業
平成 18 年 12 月に制定された「有機農業の推進に関する法律」第 2 条によ
り,
「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技
術を利用しないことを基本として,農業生産に由来する環境への負荷をできる
限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう」と定義されている。
【ら行】
利用権設定
農業経営基盤強化促進法(基盤法)に基づき,農地に貸借権等の権利(利用
権)の設定を行うこと。基盤法に基づく利用権設定を行った場合,貸借期間の
満了時には,離作料等を支払うことなく,必ず貸し手に農地が返還されるため,
安心して農地の貸し借りが行える。
6次産業化
農林漁業者(1次産業従事者)が生産者としてだけではなく,自ら,または
連携して,食品加工(2 次産業)や流通・販売 (3 次産業)に取り組むことで,
高付加価値化・経営の多角化を目指し,所得の向上や地域の活性化につなげて
いこうという取り組みのこと。
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