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浦安市観光振興計画

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浦安市観光振興計画
「浦安市観光振興計画」の取りまとめにあたって
浦安市は東京に隣接する住宅都市として急速に発展してきました。恵まれた東
京への交通条件と海辺にひろがるリゾート的な立地環境とが相まって、浦安に
憧れる若いファミリー層も多いと聞きます。その一方で浦安という水辺のまち
に脈々と受け継がれてきた生活文化は次第に姿を消しつつありますが、新しい
住宅地に芽吹いた生活の風景と、古くからのまちなかに根を下ろしてきたどこ
か懐かしい生活の風景、両者が隣り合っていることが現在の浦安というまちの
大きな魅力の一つだと言えるのではないでしょうか。
しかし自分たちが暮らす地域に眠っている魅力に気がつくのはなかなか難し
いものです。それらの魅力が住民にとっては“あたりまえ”になっていること
が多いためです。
ここで目を転じると、国が「観光立国推進基本法」を制定し、それに基づく「観
光立国推進基本計画」が閣議決定されました。千葉県も「(仮称)千葉県観光立
県推進条例」の取りまとめを進めています。いわゆる観光地だけに限らず、
“観
光”を地域の活性化にうまく活用していこうという大きな流れが全国各地で生
まれているのです。
この「浦安市観光振興計画」は、このような社会的背景も鑑み、これからの浦
安のまちづくりにおいて観光という要素を活かしていく、大きな方向性(基本
計画)を示したものです。そのポイントは、境川を初めとする水辺の空間を活
かして住民にも来訪者にも魅力的なまちづくりを進めることと、
「まちづくりの
担い手」として、市民の皆様にも積極的に活躍していただこうという二点に集
約されます。
「水辺で輝く浦安の観光まちづくり −市民も楽しめる観光の実現
−」という当計画のサブタイトルも、この考え方を反映させたものです。
当計画の取りまとめに際しては、1年半の長きにわたって計 12 回の「計画策
定委員会」を開催し、「産業観光振興」「文化振興」の両分科会においても8回
ほどの会議を開き、具体的な取り組みのアイディアや浦安が長期的に目指すべ
き姿についても議論しました。また、市民の皆様からはパブリックコメントと
いう形でのご意見も頂戴しております。
委員の皆様それぞれが胸に思い描く浦安の将来像や、パブリックコメントをお
寄せ下さった市民の方々の観光振興に対する考え方と当計画の取りまとめ結果
との間には、いくばくかのギャップもございます。しかし当計画策定委員会と
しましては、このような計画策定の経緯や、貴重なご意見にも配慮しつつ、当
計画を最終的に取りまとめた次第です。
すでに当計画の提案内容のうち、一部については「うらやすの魅力発見! 観
光キャンペーン 2008」という形で実行に移されています。「水辺で輝く浦安の
観光まちづくり」を現実のものとしていくためには、個々の提案内容について
さらに吟味を重ね、個別の課題を解決して行かねばなりませんが、同キャンペ
ーンが一つのきっかけとなって、次のステップに進むことができるのではない
かと考えています。
最後になりましたが、計画取りまとめにご協力下さった計画策定委員の皆様方
に心より感謝申し上げるとともに、計画実現に向けて、あらためて市民の皆様
の声を受け止める場が設定されることを期待いたします。
浦安市観光振興計画策定委員会
内 苑
孝 美
委員長
浦安市観光振興計画
目
次
<本 編>
第1章
1−1
1−2
1−3
1−4
1−5
第2章
2−1
2−2
2−3
2−4
2−5
第3章
今なぜ観光なのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
計画策定のねらい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
地域社会・経済の活性化につながる観光振興・・・・・・・・・・・・・・・・3
国や県の観光振興の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
浦安市の観光振興の取り組みと当計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・6
浦安市が新たに観光振興に取り組む意義・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
浦安の観光を取り巻く現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・9
浦安の観光にとっての「強み」
(プラスとなる内的要因)
・・・・・・・・・・・ 10
浦安の観光にとっての「弱み」
(マイナスとなる内的要因)
・・・・・・・・・・14
浦安の観光にとっての「機会」
(プラスとなる外的要因)
・・・・・・・・・・・17
浦安の観光にとっての「脅威」
(マイナスとなる外的要因)
・・・・・・・・・・21
浦安の観光を取りまく環境(まとめ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
浦安市の観光振興の基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
3−1 浦安市の観光振興の基本的方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
3−2 浦安市の観光振興の目標像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
第4章
観光振興のための取り組み体系・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
4−1 3つの水辺空間の魅力アップと体験の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・33
4−2 生活文化の掘り起こしと観光面での活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
4−3 気軽に立ち寄り、めぐって楽しめる都市環境の整備・・・・・・・・・・・・・37
4−4 旬の情報発信と新しい都市イメージの定着・・・・・・・・・・・・・・・・・39
第5章
5−1
5−2
5−3
5−4
第6章
6−1
6−2
地域別の取り組みと活動のイメージ・・・・・・・・・・・・・・・ 41
浦安を輝かせる3つの「水辺の軸線」の計画・・・・・・・・・・・・・・・・42
市民が生活する3つの「まちなか」の計画・・・・・・・・・・・・・・・・・43
工業ゾーンとアーバンリゾートゾーンの計画・・・・・・・・・・・・・・・・44
浦安で観光を楽しむ方々の活動イメージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
計画推進の取り組み体制とスケジュール・・・・・・・・・・・・・ 49
計画の推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
計画の推進スケジュール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50
<付属資料編>
資料1
資料2
資料3
計画検討の経緯
「浦安」の観光地イメージアンケート結果
市民アンケート結果
■浦安市観光振興計画
<本
1
編>
2
第1章
今なぜ観光なのか
1−1 計画策定のねらい
浦安市で「観光」と言えば、全国及び海外から年間およそ 2,500 万人のお客
様が訪れる東京ディズニーリゾート(TDR)がまず思い浮かびます。「最も満足
した観光地」を調査した結果によると、著名な観光地や老舗の温泉地に混じっ
て「舞浜」が全国で第 13 位*にランキングされています。このように TDR に焦点
を当てて考えた場合、浦安市は観光の面でも十分に元気だと言えるでしょう。
しかし「(TDR に代表されるような)魅力的な特定の施設に多くのお客様がや
ってくる」ことだけが地域における観光のあり方ではありません。特に最近は
旅行者の指向性が多様化して、何げない“まちなか”の魅力に目を向ける人が
増え、これまで観光地だと思われていなかった地域にも訪れるようになってい
ます。地域側からしてみると、このような機運を捉え、住民自らが自分たちの
足元に眠っている魅力要素にあらためて注目すること、さらにそれらに磨きを
かけて活力ある地域づくりにつなげていくことが期待されます。
浦安市郷土博物館内の展示
東京メトロの鉄橋
浦安魚市場
浦安市でもすでに、市民を中心として“まちなか”の観光につながる様々な
取り組みがスタートしています。平成17年には、観光に携わる人材育成の取
り組みとして、約100名の市民が受講した「観光ボランティアガイド養成講
座」が開催され、翌年 4 月にはこの受講者を中心に本市初のボランティアガイ
ド団体である「ぶらり浦安ガイド」が発足しました。
また、ホテル情報や市内の歴史資源などの来訪者に対する観光情報の発信拠
点として、新浦安駅前に「浦安市観光インフォメーション マーレ」が「ぶら
り浦安ガイド」発足と時を同じくして開設されました。
外国からのお客様への取り組みとしましては、一昨年の10月に、外国から
の修学旅行受け入れ促進事業の一環として、シンガポールの小学生約200名
と浦安の小学生との交流が実施され、また、国土交通省の主催する「ビジット・
1
ジャパン・キャンペーン」の一環として通訳ボランティアガイドを養成するた
めの「訪日外国人受入接遇研修」が開催されたところです。この研修には、市
民ボランティアの方々を中心として約100名が受講されています。
また、昨年2月から4月にかけて、ジェイアールグループと連携した観光キ
ャンペーンの一環として「うらやすデスティネーションキャンペーン(DC)」
を実施し、参加された市民の間で来訪者との交流を楽しもうとする気運も高ま
っています。特に、ジェイアール主催の「駅からハイキング」は、本市を訪れ
た方と、ボランティアとして参加された市民の双方でたいへんに好評を博した
ため、ジェイアールとして異例ともいわれている昨年に引き続いての開催とな
りました。
これら、浦安市内での“まちなか”の観光に取り組もうとする様々な動きや
今日の社会背景を踏まえて新しい観光の姿を描くことは、地域資源の活用と住
民主体の地域づくりという2つの側面においてたいへん意義深いものであると
考えられることから、当計画を策定し、浦安という独自の風土を活かした、他
に例を見ないユニークな観光振興を図っていきたいと考えております。
*「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)調べ。調査時期は 2007 年7月。
ぶらり浦安ガイド
観光インフォメーションマーレ
2
昨年のDCの様子
1―2 地域社会・経済の活性化につながる観光振興
観光振興が地域に与える効果は、大きく経済的効果と社会的効果に分けるこ
とができます(図表−1)。
観光振興による経済的効果とは、既存産業の観光的な活用・観光に関連した
新規産業の立地や雇用機会の拡大、それに伴う住民所得の増大などに代表され
るものです。観光産業が世界経済に対しておよぼす影響は 2007 年度で世界の国
内総生産(GDP)のおよそ 10.4%*に、観光産業への就業人口は世界の全雇用者
のおよそ 8.3%*にそれぞれ相当すると言われます。
一方、観光振興が地域におよぼす社会的効果も大きなものです。定住人口の
増加が見込めない地域が多い中で、交流人口の拡大を目指す地域が増えている
背景には、観光による社会的な効果への期待もあります。具体的には、地域住
民と観光客が交流する機会の創出や、観光客・住民の双方にとって魅力的な地
域としての基盤整備(景観、交通網など)が促進されること、対外的な地域イ
メージの向上などがあげられます。
図表−1
観光振興が地域におよぼす効果
社会的効果
経済的効果
新規定住者
の増加
観光客との
交流
他産業への
波及
インフラ整備
進展
地域イメージ
の向上
雇用機会の
拡大
文化振興への寄与
地域文化の
伝承と保存
地域環境の
保全と創造
住民所得の
増大
産業振興への寄与
人材の育成
既存産業の
活性化
新規産業の
立地誘導
資料:(財)日本交通公社
*関連産業、関連投資、税収等を含む数値。世界旅行産業会議(World Travel & Tourism
Council)による。
3
1―3 国や県の観光振興の取り組み
以下に示すとおり、すでに国や千葉県も積極的に観光振興に取り組んでいま
す。浦安市において観光振興を進めるに当たっても、このような大きな社会的
潮流を踏まえておくことが大切です。
(1)「観光立国」を目指す国の取り組み
2002 年2月の小泉前首相による施策方針演説で観光振興が取り上げられ、こ
れ以後、国家をあげて観光振興に取り組む「観光立国」の大きな流れが形づく
られています。2006 年 12 月には「観光基本法」を全面改正した「観光立国推
進基本法」が成立し、2007 年 1 月より施行されました。
「観光立国推進基本法」には以下の基本理念と基本的施策が掲げられています。
<観光立国推進基本法の施策の基本理念>
① 地域における創意工夫を活かした主体的な取り組みによる
「住んでよし、訪れてよしの国づくり」が重要である
② 国民の観光旅行の促進が図られなければいけない
③ 国際的視点に立たなければならない
④ 行政・住民・事業者らの相互の連携確保が必要である
<観光立国推進基本法の基本的施策>
① 国際競争力の高い魅力ある観光地の形成
② 観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成
③ 国際観光の振興
④ 観光旅行の促進のための環境の整備
また、観光立国の実現に関する施策の総合的かつ、計画的な推進を図ること
を目的として「観光立国推進基本計画」が 2007 年6月に閣議決定され、以下の
項目が基本方針として掲げられています。
<観光立国推進基本計画の基本的な方針>
① 観光が有する意義を最大のものとするため、国民の国内旅行及び
外国人の訪日旅行を拡大させるとともに、国際相互理解の増進や
諸外国の期待に応えるため、国民の海外旅行を発展させていく
② 将来にわたる豊かな国民生活の実現のため、観光の持続的な発展を
推進していく
③ 観光の発展を通じ、地域住民が誇りと愛着を持つことのできる
活力に満ちた地域社会を実現していく
④ 観光の発展を通じ、国際社会における名誉ある地位の確立を図る
ため、平和国家日本のソフトパワーの強化に貢献していく
4
(2)千葉県の観光振興の取り組み
2004 年 3 月に千葉県の中長期的な県政の方針である「あすのちばを拓く 10
のちから(改訂版)」が示されました。ここでは「10 のちから」の 1 つとして、
「観光客を魅惑するちから(観光立県)
」が取り上げられています。また、同計
画に基づくアクションプランにおいて「観光立県千葉の実現」が戦略プロジェ
クトの1つとして位置づけられ、同年 10 月には「観光立県ちば推進ビジョン」
が策定されました。さらにオール千葉県で観光振興に取り組んでいく道筋を明
らかにするため、現在「(仮称)千葉県観光立県推進条例」の策定作業が進めら
れています。
図表−2
千葉県の観光振興の取り組み
5
この他にも、2005 年 10 月には茨城県と共同で「外客来訪促進計画」を策定
しています。2007 年 2 月から 4 月にかけて、千葉県では初となる JR グループ
による「ちばデスティネーションキャンペーン」が開催されました。
1―4 浦安市の観光振興の取り組みと当計画の位置づけ
浦安市では 2004 年 3 月に「浦安市産業振興ビジョン」が策定されており、こ
のビジョンの一部門をなす「観光振興ビジョン」は、浦安固有の資源を活かし、
拠点の整備とネットワーク化を図ることにより、交流人口の増大に結びつける
ことを目的としています。
また、より上位のまちづくりの基本指針として「浦安市総合計画」を策定し
ています。この「総合計画」はまちづくりの将来目標と基本方針を示す「基本
構想」と基本構想実現のための具体的な施策の方向性を示す「基本計画」で構
成されます。現在、
「第2期基本計画」の策定作業が進められており、ここでは
「健康・福祉」「教育・生涯学習」「市民活動・交流」「暮らし・環境」「街づく
り」
「都市経営」の 6 テーマで検討が進められ、観光関連分野については「市民
活動・交流」分科会にて議論されています。
今回策定する「浦安市観光振興計画」は「浦安市産業振興ビジョン」を踏ま
え、また「第2期基本計画」とも整合性を取り、2008 年から 5 年間の観光振興
の方向性と、特に短期間(3 ヶ年を想定)に重点的に取り組むべき内容を示すも
のです。
図表−3
浦安市の観光振興の取り組み
総合計画
観光部門の
計画
浦安市の計画
基本構想
【まちづくりの基本目標】
人が輝き躍動するまち・浦安
基本計画
(第2期基本計画
を策定中)
浦安市
総合計画
浦安市産業振興ビジョン
(2004年3月)
観光振興ビジョン
実施計画
【観光振興の施策の体系】
①舞浜アーバンリゾートの振興
②観光漁業等の振興
③海辺・水辺の活用
④青べかのまち浦安再発見
⑤回遊ルート等の整備
6
(基本計画を
踏まえ策定)
浦安市
観光振興計画
1―5 浦安市が新たに観光振興に取り組む意義
市民の観光に対する意識と来訪者の指向性を踏まえ、浦安市が新たに観光振
興に取り組む意義は、大きく以下の5つの視点で整理することができます。
① 観光振興をきっかけとした地域の独自性・地域らしさの見直し
・自分たちが生活する浦安のまちを外部からの来訪者に訪れてもらうことが、
市民が今まで気づくことがなかった浦安の魅力をもう一度見直して磨き上げ
ることにつながります。
・特に浦安への居住歴や世代が異なる住民が、普段あまり触れることのない自
らの居住地以外の浦安の魅力を知るきっかけにもなります。
② 観光活用をとおした地域文化の継承
・日常の暮らしの中で積み重ねられてきた地域の生活文化は、生活様式の変化
や世代交代によって失われつつあります。観光には、経済性や利便性を重視
する日常生活の中だけでは支えることができなくなったこれらの生活文化の
要素を活用し、次の世代に継承していくという意義もあります。
・浦安では境川や元町地域を中心に地域の来歴と結びついた要素が多く残され
ています。これらの要素に対して観光的な価値付けを行うことで、次の世代
に伝えていくことも可能にもなります。
③ 観光振興をとおした地域産業の活性化
・観光は新たな地域産業の創出や活性化に寄与します。特に浦安のようなまち
なかでの観光は、食の魅力づくりや情報提供の面でそうした可能性を有して
います。
・東京湾からの新鮮な食材や地域に伝わる食文化を活用した名産品づくりをは
じめ、観光振興が既存の地域産業等の活性化につながります。
・まちなか観光にまつわる情報提供やガイドの実施など、新しいサービスの提
供を通して、観光振興が新たな産業の創出につながる可能性があります。
④ 観光まちづくりによる都市基盤の充実
・浦安のような都市を舞台とした観光では、住民の暮らす生活空間と、来訪者
が興味を持って訪れ楽しむ空間とが重複することになります。来訪者の視線
を意識したまちづくりを進めることで、住民が自分たちのまちを見直し、美
しく心地よい空間づくりにつながります。
・また、大きな方向性としてあらゆる人にとって“やさしい”まちづくり、例
えば土地に不慣れな人にも移動しやすいことや、自分が現在どこにいるのか
7
が容易に把握できることなどの実現にもつながります。このように、観光振
興は来訪者のためのみならず、住民にとっても暮らしやすい社会基盤を形成
することにつながります。
⑤ 多様な取り組み主体による市民活動の場を確保
・観光振興は様々な政策の中でも、住民によって支えられる部分が大きい分野
です。例えば、環境美化など来訪者を受け入れる舞台づくり、浦安の魅力の
発掘と情報発信、来訪者に対するおもてなしやガイドなど、住民が観光振興
に携わる場面は数多く考えられます。
・浦安のように住民の活力が高い都市部においては、様々な観光振興の取り組
みが市民活動の受け皿としても機能し、さらなる地域活性化に寄与しうるも
のと考えられます。
以上にあげた5つの観光振興の意義は、いずれも「観光まちづくり」の考え
方につながっていくものです(図表−4)。
「観光まちづくり」とは、来訪者(観
光客)の視点に立った「観光地づくり」と生活者(市民)の視点に立った「ま
ちづくり(地域づくり)」を融合させて捉えようとするものです。
観光振興策は、ともすると観光客や観光事業者のみを対象にした取り組みで、
一般的な市民生活との接点が少ない施策だと思われがちです。しかし実際には
まず市民が暮らす上で魅力的な地域を目指すことが大前提であり、その結果と
して観光客にとっても魅力的な地域を実現するという手順が大切です。このよ
うな意味において、観光振興策は市民生活の充実という観点からも重要な施策
であり、決して市民生活との関係性が希薄なものではありません。
図表−4
観光まちづくりの視点
地域らしさの
見直し
結果として、
来訪者にとっても
魅力的な地域へ
来訪者(観光客)の視点
観光地づくり
地域文化の
継承
地域産業の
活性化
生活者(市民)の視点
まちづくり
(地域づくり)
まずは、
生活者が楽しめる
地域を目指す
都市基盤の
充実
市民活動の
場の提供
資料:(財)日本交通公社
8
第2章
浦安の観光を取り巻く現状と課題
今後の浦安の観光振興の方向性を考えるにあたっては、浦安の観光がどのよ
うな状況に置かれているのか、客観的な観点から確認しておくことも大切です。
ここでは各種データをもとに、浦安の観光を取り巻く環境について、内的要因
(浦安が内部に抱えている「強み」と「弱み」
)と外的要因(浦安を取り巻く社
会的な状況に起因する「機会」と「脅威」)に分けて分析します。
<内的要因>
●「強み」とは…
目標を達成するために貢献しうる内部の要素のことを指します。ここでは、浦安
が地域内部に擁しており、観光振興に貢献しうるプラスの要素を指します。
●「弱み」とは…
目標を達成する上で障害となりうる内部の要素のことです。ここでは、浦安が内
部に抱えており、観光振興のために障害となりうるマイナスの要素を指します。
<外的要因>
●「機会」とは…
目標を達成するために貢献する外部の要素のことです。ここでは、浦安の観光振
興のためにプラスとなる要素のうち、社会条件や市場の指向性など、浦安だけで
はコントロールすることができない要素を指します。
●「脅威」とは…
目標を達成する上で障害となりうる外部の要素のことです。ここでは、浦安の観
光振興のマイナスとなるような要素のうち、社会の状況、市場の動向など、浦安
だけではコントロールできない要素を指します。
9
2−1
浦安の観光にとっての「強み」(プラスとなる外的要因)
(1)まちなかの魅力
① 都市と密接な関係にある多様な水辺空間の魅力
・かつては地域住民の生活や産業に密着していた境川や、漁船や遊漁船が係留
されている「堀江ドック」と旧江戸川、海辺の生き物や鳥類等の貴重な生息
地として「日本の重要湿地 500」(環境省)にも指定されている三番瀬など、
浦安には多様な水辺空間が存在しています。
・東京湾岸には水辺空間を擁する地域が多数ありますが、浦安の場合は市域の
三方を水辺空間で囲まれていること、そして各水辺空間がそれぞれ異なった
表情を持つことが特徴です。観光振興の面でも、それぞれの特性に応じた水
辺空間の魅力づくりが課題となります。
② 伝統的文化の要素が残る元町地域
・元町には堀江フラワー通りのように、旧大塚家住宅や旧宇田川家住宅などの
旧住宅や、銭湯や寺社など昔ながらの地域資源が残っているエリアがありま
す。浦安市では、埋め立て地を造成して新規宅地としたため、元町エリアに
は比較的まとまった形で生きたままの伝統的文化の要素が残っていることが
特徴です。
・市民アンケートの結果*からも、89.4%の人が元町の存在を「知っている」と答
えています。また、元町のイメージでは「浦安の昔ながらの生活文化が残っ
ている」や「寺社や歴史的建築が多く、浦安にとって大切な場所だ」との意
見が多く、浦安の伝統的文化の要素が残る地区として重要な地域であると市
民が認識していることがわかります。
・市民からも浦安の地域らしさを感じさせる重要なエリアとして認識されてい
る元町地域とそこに残された伝統的文化の要素の活用は、観光振興と市民活
動を有機的に結びつける上でも重要な課題です。
*付属資料編の資料3を参照。「行ったことがある」
「知っているが行ったことはない」と回答し
た人の合計。
10
図表5−1
図表5−2
元町地域の認知度と来訪経験
元町地域のイメージ
無回答
5.5%
47.3%
浦安の昔ながらの生活文化が残っている
知らない
5.1%
29.2%
寺社や歴史的建築が多く、浦安にとって大切な場所だ
知っているが行った
ことがない
5.8%
24.5%
フラワー通り(商店街)の活性化の必要を感じる
23.1%
銭湯や昔からの商店が多く懐かしい感じがする
20.2%
ぶらぶら散歩するのが楽しい場所である
4.7%
ぼったらや玉子フライなど浦安独自の食文化がある
行ったことがある
83.6%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
資料:浦安市の観光に関するアンケート調査(浦安市商工観光課)
③ 特徴的な顔を持つ5つのエリア
・浦安では昔ながらの漁師町の面影を残した「元町」、総合開発計画に基づいて
まちづくりが行われた「中町」、リゾート風のまち並みが広がる「新町」、鉄
鋼工場が広がる「工業ゾーン」
、東京ディズニーリゾートとホテル群を中心と
した「アーバン・リゾートゾーン」など市内のそれぞれのエリアが特徴的な
顔を持っています。
・また、各エリアの性格が明確なことも手伝って、これらの景観が映画やドラ
マのロケ地としても取り上げられ、全国に対して浦安の風景を情報発信する
ことにもつながっています。
(2)東京ディズニーリゾートの存在
① 国内随一のアーバンリゾートを形成する舞浜エリア
・「東京ディズニーランド・東京ディズニーシー」(以下、TDR)の年間総入場
者数は国内で年間 30 万人以上を集める 12 のテーマパーク全ての入場者数の
約 57%を占めています。このことから、TDR がいかに大規模な集客の核であ
るか、あらためてわかります。
・また TDR 周辺の舞浜エリアを中心として、多様で大容量の宿泊施設が整備さ
れており、TDR と合わせて国内随一のアーバンリゾートを形成しています。
・TDR を核とする舞浜エリアを訪れようとする人たちに対して浦安の情報をど
う伝えるかも、これからの浦安の観光の大きな課題です。
11
図表−6 年間 30 万人以上の来訪者があるテーマパークに占める TDR のシェア
倉敷チボリ公園
2.1%
ラグーナ蒲郡 ポルトヨーロッパ
ラグナシア
1.6%
1.7%
東映太秦映画村
2.3%
サンリオ
ピューロランド
3.1%
スペースワールド
3.4%
志摩スペイン村
パルケエスパーニャ
3.6%
野外民族博物館
リトルワールド
0.9%
博物館 明治村
0.9%
東京ディズニーラン
ド・
東京ディズニーシー
56.8%
ハウステンボス
4.5%
ユニバーサル・スタ
ジオ・ジャパン
19.1%
資料:総合ユニコム「2007 レジャーランド&レクパーク総覧」より(財)日本交通公社作成
(3)市民の活力
① 盛んな市民活動
・浦安では 2008 年2月現在、125 の団体が市民活動団体として登録されていま
す*。活動内容は多岐にわたりますが、このうち3割弱の団体は何らかの形で
「まちづくり・地域づくり」の活動に関わっていると見られます。
・代表的な活動例として、公園の花壇の整備や芝の手入れ、まちのゴミ拾いな
どがあげられます。このような活動も、観光振興にとって重要な都市基盤の
一つである景観の整備につながるものです。今後はこれら市民の活力を観光
振興の面でもより積極的に活かすことが課題です。
② 高齢化率が低く若いまち
・浦安の年齢別人口構成は 20∼30 歳代が最も多く、全体の約 37.0%を占めてい
ます。高齢化率(全人口に占める 65 歳以上の割合)は 10.1%で、全国 20.8%、
千葉県 17.5%(H19 高齢社会白書)と比較しても高齢化率は低く、
「若いまち」
であることが分かります。若い活力を観光振興の担い手として積極的に活か
すことが期待されます。
12
図表−7
80歳以上
1993
女性
浦安の人口
911
1134
1497
70歳
1972
男性
2052
3199
2955
3858
4032
60歳
5639
5533
4382
4329
4136
50歳
4858
6033
6861
40歳
8571
7947
7701
8012
30歳
7268
6828
5466
5354
20歳
3319
3789
3346
3757
10歳
4620
4321
9000
8000
7000
6000
5000
4535
4377
0歳
4000
3000
2000
1000
0
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
人
9000
人
資料:浦安市 HP (http://www.city.urayasu.chiba.jp)より(財)日本交通公社作成
(4)広域連携
① 「千葉ベイエリア観光連盟」による広域観光の推進
・浦安、市川、船橋、習志野、千葉、市原の6市でプロモーションツアーやパ
ンフレットの製作などの事業を展開し、ベイエリア地域の観光の連携を図って
います。
・広域連携によって情報発信力は着実に増すと考えられますが、この中で浦安
の特性を明確に打ち出していくことが課題になります。
13
2−2 浦安の観光に関する「弱み」(マイナスとなる内的要因)
(1)まちなかの魅力
① 活用の余地がある食の魅力
・浦安にも「ぼったら」や「玉子フライ」などなど、地域独自のメニューがあ
りますが、市民の間でもあまり知られておらず、外部には充分アピールしき
れていないと言えます。
・また、浦安魚市場では小売業者や地元客に新鮮な食材を提供しており、場内
には食堂もありますが、現状では地域外からの来訪者にはあまりアピールし
ていないと思われます。
・今後は場内で提供する新規メニューの開発などと合わせて、来訪者向けにア
ピールするなどさらに魚市場を活用することも課題の一つです。
② 環境改善の余地がある水辺空間
・浦安の豊富で多様な水辺空間は都市の魅力になるものですが、境川ではヘド
ロの沈殿やゴミの投げ捨てが見られます。また貴重な水辺である三番瀬につ
いては現状では触れあいにくい状況にあるなど、今後の課題も多いと言えま
す。
・市民アンケート結果からも境川は様々な形で市民に親しまれていると言えま
すが、
「水質浄化の必要性を感じる」という意見も多くあげられています。ま
ずは市民により一層親しまれる境川を目指し、さらに観光面でも活用するた
めに水質浄化や安心して水辺で遊べるような基盤整備などが必要です。
図表8−1
図表8−2
境川の認知度と来訪経験
境川のイメージ
知らない
5.8%
無回答
4.7%
41.2%
水質浄化の必要性を感じる
29.2%
散歩や休憩など市民の憩いの場になっている
知っているが行った
ことがない
10.8%
18.8%
安全に水辺に近づけるような環境が整備されている
18.1%
浦安の歴史や文化を感じることができる
14.1%
まちなかで手軽に釣りを楽しめる貴重な場所だ
9.7%
特に印象はない
9.0%
水辺の自然に触れることができる
行ったことがある
78.7%
1.8%
その他
0%
10%
20%
30%
40%
資料:浦安市の観光に関するアンケート調査(浦安市商工観光課)
14
50%
(2)交通網と情報提供
③ 来訪者にとってわかりづらい市内の公共交通体系
・「市街地情報環境ブック」(浦安市)によると、浦安駅や新浦安駅を中心に市
内を巡るバス路線があり、バス停から 300m の範囲内で市域の大部分はカバ
ーされています。しかし、浦安駅前のバス停がロータリーと離れていて分か
りづらい点や、バス停までの案内が不十分な点など、来訪者の視点から市内
交通の利便性を考えると使い勝手の面で改善の余地があると考えられます。
・郷土資料博物館など集客の可能性がある施設へのアクセスや案内機能の強化
とあわせて、今後は特に来訪客の利便性を考慮した公共交通の仕組みが必要
であると考えられます。
④ まだ弱い浦安駅周辺の観光案内機能
・JR 新浦安駅前には観光案内所「新浦安駅前プラザ(マーレ)」がありますが、
東京メトロ東西線浦安駅前で得られる情報はまちなか案内図や主要な見所ま
での時間表示等に限られています。
・境川周辺やフラワー通りなどには昔ながらの文化要素が存在しているため、
浦安駅付近での観光案内機能をより充実させることも今後の課題となります。
15
(3)観光実態・観光特性
① TDR客の浦安市内への回遊率の低さ
・
「浦安産業振興ビジョン」
(浦安市)によると、TDR 来園客のほとんど(94.7%)
は浦安市内の他エリアを訪問して 図表−9 東京ディズニーリゾート来訪客の浦安市内
の他エリアの訪問経験
いません。
・TDR への来園客を何らかの形で
浦安市内の他エリアへと回遊さ ある, 5.3%
ない, 94.7%
せる仕組みづくりを進めること
も今後の検討課題です。
0%
20%
40%
60%
80%
100%
資料:浦安市
「浦安市産業振興ビジョン」より
(財)日本交通公社作成
② TDRに代表される地域イメージ
・
(財)日本交通公社が「浦安」、
「舞浜」それぞれの観光地イメージを調査した
結果、
「にぎやかで楽しい」、
「みるものが多くバラエティに富んでいる」、
「そ
の地ならではの活動や楽しみがある」といった回答が両者に共通して上位に
並びました。これらはTDRの存在を念頭においた結果と考えられます。
・実際の空間のスケールとしては「浦安」>「舞浜」>「TDR」という包含
関係がありますが、イメージの上では「浦安」≒「舞浜」≒「TDR」とい
う関係性になっていると言えます。
・この結果はTDRの強い存在感を裏付ける一方で、TDRの他の様々な魅力
要素が浦安という地域のイメージとまだ結びついていないことも示していま
す。浦安というまちの姿を幅広く知っていただくことも、大きな課題です。
図表−10
「舞浜」と「浦安」のイメージ比較
自然や風景がすばらしい
3.6%
6.1%
1.0%
歴史や文化がすばらしい
7.0%
17.0%
17.4%
他にない見どころがある
みるものが多くバラエティに富んでいる
20.3%
26.5%
3.8%
2.8%
0.6%
1.0%
0.8%
0.4%
4.5%
3.3%
町並みがすばらしい
祭りや伝統芸能や特産品がある
いい温泉がある
おいしい食べ物がある
20.6%
22.4%
その地ならではの活動や楽しみがある
色々な活動や楽しみがある
いい宿泊施設がある
12.4%
17.1%
15.7%
18.8%
3.7%
1.8%
0.6%
1.1%
気候がよく居心地がよい
地域の人とのふれあいがある
32.2%
30.9%
にぎやかで楽しい
独特の雰囲気がある
8.6%
清潔さや美しさが保たれている
3.2%
11.9%
2001 舞浜
2007 浦安
6.5%
0%
10%
16
20%
30%
40%
出典:(財)日本交通公社「旅行者動向」
「浦安」は 2007 年、
「舞浜」は 2001 年調査
2−3
浦安の観光にとっての「機会」(プラスとなる外的要因)
(1)市場の動向
① まち歩きブーム
・
(財)社会経済生産性本部「レジャー白書 2005−特別レポート− インバウ
ンド 日本の魅力再生」によると、「新しいツーリズムへの参加率と参加希
望率」ではまち歩きに関連する旅も上位にランクインしています。
・このような動きも意識して、浦安では元町地域に残る文化的資源を保存す
るとともに、その価値を伝えることのできる「ぶらり浦安ガイド」のよう
な人材の育成や、まち歩きを楽しめるような仕組みづくりも課題です。
図表−11
新しいツーリズムへの参加率と参加希望率
0
10
20
お台場など大都市の新しい観光スポットの訪問
30
50
60
70
%
29.5
19.2
24.0
22.8
各地の伝統祭りや行事への参加・見学
世界遺産など日本を代表する文化財を訪れる旅
22.9
温泉で3日以上滞在してゆっくりする旅(湯治など)
22.9
酒蔵での酒づくり見学や試飲などを楽しむ旅
17.7
17.7
漆器・陶芸など職人による伝統工芸の見学
17.4
17.6
歌舞伎・能などの舞台鑑賞
17.4
大正ロマン、昭和レトロなどの雰囲気のあるまちなみ歩き
16.7
街道歩き(ウォーキング)を楽しむ旅
16.6
41.4
62.4
22.2
23.0
26.0
11.3
11.6
茶道・華道などの伝統文化の体験や講習参加
11.1
13.1
米作りや果物の収穫などの農業体験
ガイドとともに自然の魅力を体験する旅
10.8
七福神めぐりなど、地域周辺での行楽
9.5
10.8
9.0
地域の食材を活かした郷土料理を楽しむ旅
22.6
25.1
8.1
11.2
織物(おりもの)など、庶民の生活文化の見学・体験
7.3
9.2
「よさこいソーラン」など新しい地域イベントへの参加や見学
TVドラマや映画のロケ地を見学・訪問する旅
4.7
各地の礼状を巡礼する旅
4.6
農家などに滞在し、田園生活を楽しむ体験
3.3
里山保全、森林ボランティアなどの身近な環境や文化を守る運動
3.0
11.4
10.4
参加率
参加希望率
11.1
10.9
出典:(財)社会経済生産性本部
余暇創研
「レジャー白書 2005−特別レポート−
17
40
インバウンド
日本の魅力再生」
② 20 代∼40 代に支持されるロケ地めぐり
・(財)日本交通公社「旅行者動向」によると、ドラマや映画のロケ地を訪ねる
「ロケ地めぐり」は、まだ実施率は低いものの、40 代を中心に認知度が高ま
っており、今後の参加希望も高くなっています。
・すでに浦安は多くのドラマ・映画のロケ地として取り上げられています。旅
行者の参加希望も踏まえ、浦安市内のロケ地を訪れるような楽しみ方につい
て分かりやすく情報発信するとともに、ロケ地としてのさらなる魅力づくり
に取り組んでいくことも大切です。
図表−12―1
最近話題の旅行「ロケ地巡りツアー」
認知と経験(年代別)
0%
20%
40%
20代 1.8
60%
80%
図表−12−2
最近話題の旅行「ロケ地巡りツアー」
今後の参加意向(年代別)
0%
100%
75.1
23.1
20%
20代
12.3
27.4
28.5
30代 2.9
68.3
28.8
30代
12.7
40代 3.4
68.3
28.2
40代
12.8
50代 4.3
60代 3.2
70代
58.7
47.4
6.4
37.0
49.4
53.6
行ったことがある
知っているが行ったことはない
40.0
40%
50代 5.2
60%
37.5
21.3
16.5
40.6
30.1
44.4
25.3
50.5
70代 5.1
15.3
53.4
行ってみたい
24.9
28.2
16.8
ぜひ行ってみたい
100%
30.3
30.0
60代 4.5
知らない
80%
あまり行きたくない
26.3
全く行きたくない
出典:(財)日本交通公社「旅行者動向 2006」
③ 都市部における水辺空間の高い集客力
・お台場地区や豊洲のアーバンドックなどの商業空間、また、葛西臨海公園な
どのレクリエーション空間も含め、都市に近接する水辺空間は都市に潤いを
与え、その空間的な魅力を高めます。
・浦安にも境川や旧江戸川、三番瀬(東京湾)など多様な水辺空間が存在しま
す。都市部での「水辺志向」も意識して、水辺を擁するまちとしての浦安の
特徴を強くアピールすることも課題です。
④ 産業観光への注目
・近年、産業遺産や工場、産業製品等の見学や体験を目的とした「産業観光」
が新しい形の観光として注目されつつあり、観光立国推進基本計画も「産業
観光の推進」に触れています。
・浦安には水産品の加工技術の他、国内最大規模の鉄鋼流通基地である「鉄鋼
団地」も存在します。これら地域の産業に根ざした要素は、産業体験の素材
としてTDRを訪れる修学旅行生や、ものづくりに興味を持つ人へアピール
する可能性も考えられ、新たな観光活用の検討も今後の課題となります。
18
(2)東京ディズニーリゾート(TDR)の存在
① 世界規模で多様な顧客を抱えているTDR
・TDR は幅広い年齢層から支持され、全国及び海外から年間 2,500 万人規模の
来訪者があります。まちなかも含めて浦安の姿を知っていただく上でも、こ
れらの来訪者の存在は大きいと言えます。
図表−13 TDR来園ゲスト数の推移
1983年度
9,933,000
1984年度
10,013,000
1985年度
10,675,000
1986年度
10,665,000
1987年度
11,975,000
1988年度
13,382,000
1989年度
1990年度
TDL 開園(4月)
小人(4∼11歳),
20.0%
図表−14 TDR来園者の年代別比率
単位:人
大人(40歳以上),
16.2%
小人(4∼11歳),
20.0%
中人(12∼17歳),
11.8%
14,752,000
中人(12∼17歳),
15,876,000
11.8%
1991年度
16,139,000
1992年度
15,815,000
1993年度
16,030,000
1994年度
15,509,000
1995年度
16,986,000
1996年度
17,368,000
1997年度
16,686,000
1998年度
17,459,000
1999年度
16,507,000
2000年度
17,300,000
2001年度
22,047,000
2002年度
24,820,000
2003年度
25,473,000
2004年度
25,021,000
2005年度
24,766,000
2006年度
25,816,000
大人(40歳以上),
16.2%
大人(18∼39歳),
52.0%
大人(18∼39歳),
52.0%
図表−15 TDR来園者の地域別比率
海外, 3.6%
その他圏内, 6.7%
TDS 開園(9 月)
東北, 3.5%
近畿, 7.2%
中部・甲信越, 11.3%
関東, 67.7%
*2001 年度以降は東京ディズニーランド
(TDL)東京ディズニーシー(TDS)の 2 パー
ク合算データ
資料:オリエンタルランド HP(http://www.olc.co.jp)より(財)日本交通公社作成
② 話題提供につながるTDRの新規設備投資
・TDR では定期的な設備投資を行っており、2∼3年に1度新規アトラクショ
ンのオープン、リニューアルが行われています。また、シーズンに応じたイ
ベントも開催されます。TDR のこれらの動きは非常に注目度の高いニュース
と言えます。TDR と浦安のまちなかを直接結びつけて情報発信することは難
しい面もありますが、今後の重要な取り組み課題だと言えます。
19
③ 修学旅行によるTDR来訪
・2006 年度に修学旅行で TDR へ来園した児童・生徒数は 824,000 人、学校数
は 8,872 校に上ります*。1日平均して 24 校が利用している計算となります。
・これらの学校団体はTDRとその他の観光地あるいは観光要素を様々な形で
組み合わせて修学旅行を組み立てていると思われます。浦安としても、これ
らの児童・生徒を対象として、普段の学校教育だけでは触れることができな
い体験プログラム等を用意し、市内への回遊率を高めることも検討課題です。
*オリエンタルランド公式 HPhttp://www.olc.co.jp/company/guest/profile.html より
(3)交通条件による強み
① 京葉線、東西線を利用する多くの通勤・通学客による高い認知度
・浦安は都心部から近距離圏内にあり、特に千葉県住民が東京メトロ東西線や
JR京葉線を利用して都心部へ通勤・通学する径路上に位置しています。こ
のことから、浦安はこれらの人々から高い認知度を得ていると考えられます。
・今後はこれらの通勤・通学客に対して、駅名としての「浦安」「新浦安」「舞
浜」だけでなく、より具体的な浦安というまちの姿を知ってもらうための取
り組みを進めることが重要です。
② 羽田、成田空港や都心部からの至便な交通アクセス
・浦安は都心部まで 30 分圏内に位置するだけでなく、羽田、成田両空港へのア
クセスにも恵まれています。
・バスや電車を利用して1時間程度で両空港へ到達できる強みを生かし、日本
各地からの東京観光や海外からの日本観光の最後の宿泊拠点としてアピール
することも考えられます。
図表−16
浦安への交通アクセス
至大宮
都心部まで......30分以内
羽田空港まで...60分程度
成田空港まで...60分程度
至北千住
至和光市
池袋
JR山手線
成田空港
上野
日比谷線
至中野
至吉祥寺
JR中央線
飯田橋
新宿
大手町
渋谷
至新松戸
JR武蔵野線
有楽町線
東京
有楽町
茅場町
東西線
八丁堀 新木場
恵比寿
至千葉
西船橋
至海浜幕張
舞浜
至中目黒
浦安
新浦安
JR京葉線
浜松町 銀座
大崎
品川
りんかい線
20
東京モノレール
羽田空港第2ビル
資料:各種資料より(財)日本交通公社作成
2−4
浦安の観光にとっての「脅威」(マイナスとなる外的要因)
(1)市場の動向
①若い世代の旅行離れ
・
(社)日本観光協会「平成 18 年度版 観光の実態と志向」によると、宿泊観光
レクリエーションの参加回数で見ると、1994 年度では 20∼29 歳の男性の参
加率が 2.54 回であるのに対し、2005 年度では 1.75 回となっています。
・また、女性の場合も 1994 年度では 3.09 回であるのに対し、2005 年度では
1.95 回となっており、若者の旅行回数は年々減少傾向にあると言えます。
図表-17 宿泊観光レクリエーションの推移 参加回数(参加者平均)20∼29 歳の男女
単位:回
3.5
3
2.5
男性
3.09
2.54
女性
2.53
2.46
2.45
2.19
2.53
2.49
2.35
2.24
2
2.20
2.10
2.28
2.21
1.94
1.91
2.14
1.99
1.95
1.75
1.5
1
0.5
0
1994
1996
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
出典:(社)日本観光協会「平成 18 年度版
観光の実態と志向」
②国内宿泊旅行市場の全体的な落ち込み
・国土交通省「平成 18 年度 観光白書」によると、国民の宿泊観光旅行回数、
宿泊数はバブルの崩壊と共に減少したことをきっかけにその後も減少し続け
ています。
・また、余暇時間の過ごし方の選択肢が広がる中、宿泊観光旅行は選ばれにく
くなっています。
21
図表−18
国民一人あたりの宿泊観光旅行回数
(千人)
(回)
2
20000
1.8
1.6
1.4
1.57
1.54
16000
10997
14000
13296
1.28
1.1812000
11791 11934
1.18
1
16831
16216 16523
1.42 1.41
13579
1.28 1.26
1.2
16695 16803
1.63 1.62 16358
15806 1.55
15298 1.51
1.52
1.49
1.64 1.62
1.41
1.35
18000
17819
1.73
10634
10000
9663
8427
0.8
8000
6829
0.6
4948
6138
6000
5516
0.4
0.2
2327 2062 2155 2355
2835
3536 3533 3582 3410 3468 3345 3837
4218 4106 4438
4757 4772
5238 5212
4000
2000
0
0
1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004
国民1人当たりの宿泊観光旅行回数(回)
訪日外国人旅行者数(千人)
日本人海外旅行者数(千人)
(回、泊)
3
2.89
2.81
2.78
2.77
(暫定値)
2.5
*国民の国内宿泊観光旅行については、2003 年
度か
ら TSA に基づく統計となったため、上図での同数値は
2004 年度までの表記となっている。
出典:国土交通省
2
1.71
1.7
1.77
1.73
(暫定値)
1.5
2003
2004
2005
2006
国民1人当たりの国内宿泊観光旅行回数(回)
国民1人当たりの国内宿泊観光旅行宿泊数(泊)
22
「平成 17 年度
観光白書」
(2)地域間競争の激化
①都心部の再開発・新規開発による競合目的地の増加
・
「旅行者動向 2006」
(前出)によると、都市観光(街や都市で楽しむ旅行)で
行ってみたい旅行先では東京都が圧倒的なシェアを占め1位であり、ここ数
年、このシェアは増加傾向にあります。背景には近年の相次ぐ再開発による
都心部の魅力増大があげられます。
・再開発地域(表参道ヒルズ、東京ミッドタウン、丸の内地区など)を中心と
した都心と近距離圏にある浦安は、互いに競合する目的地であると考えられ
ます。
図表−19
都市観光で行ってみたい旅行先
0
10
20
30 (%)
27.6
22.0
東京都
20.9
16.8
11.9
米国
12.6
6.0
8.4
フランス
3.8
5.5
大阪府
7.5
8.8
2006
5.0
イタリア
2004
6.5
4.5
2002
出典:(財)日本交通公社「旅行者動向 2006」
②下町的情緒を残す近隣エリアの観光振興
・東京 23 区内でも観光振興の取り組みが活発化しており、台東区、葛飾区、品
川区などが近年観光振興計画を策定するなどしています。
・ここにあげた各地域はそれぞれ下町の雰囲気をもっており、それらの魅力を
アピールしています。都心部からの距離も似通っていることから、週末の余
暇時間を過ごす目的地として浦安と競合すると考えられます。
23
2−5
浦安の観光を取り巻く環境(まとめ)
以上の分析結果より、浦安の観光を取り巻く環境について、以下の図のよう
に整理することができます。次ページに示すように、
「強み」や「機会」を活か
し、同時に「弱み」を克服すること、
「脅威」をカバーすることが今後の浦安の
観光振興の基本的な取り組みの方向性につながります。
図表−20
浦安の観光を取り巻く環境分析
24
環境分析を踏まえた浦安の観光振興の考え方
【強み×機会】…機会をとらえて強みをさらに活かす
浦安の観光を取り巻く環境分析にあてはめると…
・多様な水辺空間の魅力(浦安の強み)と都市部の水辺への注目(浦安にとっての機会)を活
かす。
(あわせて水質悪化や親水空間の不足(弱み)を克服する)
・各エリアが持っている特徴的な顔(浦安市の強み)とまち歩きのブーム(浦安市にとっての
機会)を結びつける。
【強み×脅威】…強みによって脅威をカバーする
浦安の観光を取り巻く環境分析にあてはめると…
・高い知名度(浦安の強み)を活かして、競合する目的地の存在(浦安にとっての脅威)に対
応する。
【弱み×機会】…機会を活かして弱みを克服する
浦安の観光を取り巻く環境分析にあてはめると…
・分かりづらい公共交通体系(浦安の弱み)を克服し、まち歩きのブーム(浦安にとっての機
会)に対応する。
・まち歩きのブーム(浦安市にとっての機会)、多数の通勤・通学客の存在(浦安にとっての
機会)を活かし、画一的な地域イメージ(浦安の弱み)を克服する。
【弱み×強み】…強みを活かして弱みを克服する
浦安の観光を取り巻く環境分析にあてはめると…
・地域づくりに関わる市民の活力(浦安の強み)と若いまちとしての活力(浦安の強み)を活
かす。
・舞浜のイメージ≒浦安のイメージとなってしまっている(浦安の弱み)ので5つの特徴的な
エリア(浦安の強み)についてさらに情報発信することによって、浦安独自のイメージを確
立する。
25
26
第3章
浦安市の観光振興の基本方針
「浦安市が観光振興に取り組む意義」
(第1章)と「浦安の観光を取りまく環
境」
(第2章)を踏まえ、これからの浦安市の観光振興の基本的な方向性と将来
的な目標像について整理します。
3−1
浦安市の観光振興の基本方針
浦安市が観光に取り組む意義、浦安の観光を取りまく環境を踏まえ、浦安市
の観光振興の基本方針として、あらためて以下の5点に整理することとします。
図表−21
浦安市の観光振興の基本方針
特に関連が強いもの
関連が強いもの
27
① 市民が主役となって推進する観光振興
宿泊施設や立ち寄り型の観光施設など、いわゆる観光産業が主要産業ではな
い浦安のような地域で観光振興に取り組む際には、取り組みの中心となる推進
役の“顔”が見えにくいことがしばしばあります。
浦安においては、観光振興が自らの地域の魅力を見直す取り組みであること、
来訪者だけでなく市民にとっても魅力的な地域を目指すものであること等を意
識して、まずは市民自身が楽しみながら、主役となって観光振興を推進するこ
とを目指します。同時に行政や観光関連団体の役割を明確にし、市民活動を強
力にバックアップする姿勢も必要になります。
「ちばデスティネーションキャンペーン」の盛り上がりから観光に対する浦
安市民の意識も変化し、
「観光立国推進基本法」でも市民が主体となって観光振
興を担うことが観光立国実現のために重要であると触れられていることも踏ま
え、まずは市民が「できること」から始め、市民ひとりひとりが観光振興の担
い手になることが期待されます。特に市民の活力が高い浦安市においては、市
民活動団体の活動を中心として何らかの形で観光振興に携わることが可能です。
② 住民のよりよい生活環境の実現につながる観光振興
何げないまち並みの魅力が多様化する観光客の価値観とマッチしていること
から、浦安の観光でも“まちなか”と呼ばれる空間の活用が1つのポイントに
なると考えられます。しかし観光振興は来訪者のための取り組み、あるいは観
光事業者のための取り組みにとどまるものではありません。さらに“まちなか”
は浦安市民が日常生活を営む大切な空間であることに十分な配慮をする必要が
あります。
そのために、まずは市民が暮らす上での魅力につながる取り組みを観光の視
点からも探っていくことが大切です。特に快適な環境づくりや景観形成、移動
の利便性の向上などは観光客と市民のニーズが一致する部分です。
市民が自信と誇りを持って暮らしている地域こそ、来訪者にとっても魅力的
であるという考え方にたち、浦安では市民のよりよい生活環境の実現につなが
る観光振興を目指します。
③ 既存の生活文化とまちなかの空間を大切にする観光振興
浦安では元町地域、なかでも境川沿いのエリアを中心として、地域の記憶を
現在に伝える生活文化がところどころに残されています。このような地域資源
は、まちなかの何げない魅力に着目し始めるなど、興味対象が多様化している
観光客の指向性ともうまくかみ合うものだと言えます。
しかし、こうした生活に根ざした魅力要素は、生活者の世代交代や都市空間
28
の近代化に伴って時代とともに失われてしまう可能性も高いものです。浦安で
は、こうしたまちなかの地域資源を観光面でも積極的に活用することによって、
そこに息づく歴史や文化を保存し、次の世代へと継承することを目指します。
④ 文化や産業に寄与して地域活性化につながる観光振興
観光振興は地域にとって社会的効果(地域の文化面への寄与)と経済的効果
(地域の産業面への寄与)をもたらします。浦安市の観光振興は、市民生活に
対して直接的に影響をおよぼす社会的効果と、様々な産業に波及する経済的効
果の双方を視野に入れ、文化、産業両面への振興につなげていきます。
⑤ 浦安市全体の地域イメージ・都市イメージの定着につながる観光振興
「訪れてみたい」地域として、あるいは「住んでみたい・暮らしてみたい」
地域として対外的にアピールし、地域活性化につなげるためには、浦安という
地域の姿を継続的に情報発信していくことが欠かせません。特に TDR を中心と
する舞浜地区以外にも様々な魅力があるということを全国に対して発信・定着
させていくことは、浦安という地域の存在を様々な側面で高めていく上でとて
も重要だと考えられます。浦安市では観光振興を通じて浦安のイメージを明確
に打ち出していきます。
29
3−2 浦安市の観光振興の目標像
前節で示した基本方針に基づき、浦安市の観光振興の目標像を以下のように
設定します。
『水辺で輝く浦安の観光まちづくり』
−市民も楽しめる観光の実現−
この目標像にこめたのは、境川、旧江戸川、三番瀬(東京湾)という3つの
水辺に囲まれていることが浦安という地域の大きな特性であり、これらの水辺
に育まれた浦安の独自性∼古くからのまち並みとその中に息づく生活文化、あ
るいは新しく生まれたまち並みとそこで展開されるフレッシュな生活∼を大切
に活かして、まずは市民が楽しめるような「観光まちづくり」を進めていこう
というメッセージです。
第1章で触れたとおり「観光まちづくり」とは、住民が中心的な役割を果た
しながら魅力的な地域づくりを進めるものです。必ずしも来訪者を特別にもて
なすことだけ意識する必要はありません。市民が自身の足元に眠る地域の魅力
を発見・創出することを基本に、それらにひと手間加えて磨きをかけた浦安と
いう地域が来訪者にも魅力的になることを目指します。
図表−22
目標像実現の考え方
また、来訪者に対するキャッチフレーズとしては、2007 年春の「ちばデステ
ィネーションキャンペーン」を踏襲し、
「こっちこーまうらやす ∼会いに来て
あなたの知らない浦安に∼」を活用していきます。
30
第4章
観光振興のための取り組み体系
この計画は、2008 年度から 2012 年度までの 5 年間を対象とします。なかで
も 2008 年度から 2010 年度までの短期 3 ヶ年を中心としてどのような取り組み
を進めるか(=短期重点プロジェクト)を中心に、第3章で設定した目標像達
成のため、浦安市が取り組む観光振興策の体系を以下に示します。
(中期・長期
の取り組みについては、当計画では大きな方向性のみ示しています)
観光振興の4つの柱については、これまでの分析結果(第2章)及び基本方
針(第3章)を踏まえ、以下のように考えます。また、それぞれの柱のもとに
取り組む短期重点プロジェクトの体系について次ページに示します。
図表−23
浦安市の観光振興の
ための4つの柱
1
3つの水辺空間の
魅力アップと体験の充実
2
生活文化の掘り起こしと
観光面での充実
浦安市の観光振興のための4つの柱
以下に示す分析結果(第2章参照)を踏ま
え、それぞれの柱を設定しています
<根拠となる分析結果>
●多様な水辺空間の魅力(浦安市の強
み)と都市部の水辺への注目(浦安市
にとっての機会)を活かし、水質悪化や
親水空間の不足(浦安市の弱み)をカ
バーする
<対応する基本方針>
●住民のより良い生活環境の実現
につながる観光振興
●既存の生活文化とまちなかの空
間を大切にする観光振興
●文化振興、産業振興の双方で地
域活性化につながる観光振興
<根拠となる分析結果>
●弱い食の魅力(浦安市の弱み)を克
服し、他都市での観光振興の動き(浦
安市にとっての脅威)に対応する
●各エリアが持っている特徴的な顔(浦
安市の強み)とまち歩きブーム(浦安市
にとっての機会)を結びつける
●高い知名度(浦安市の強み)を活かし
て、競合する目的地の存在(浦安市に
とっての脅威)に対応する
<対応する基本方針>
●市民が主役となって推進する観光
振興
●既存の生活文化とまちなかの空
間を大切にする観光振興
●文化振興、産業振興の双方で地
域活性化につながる観光振興
<根拠となる分析結果>
●分かりづらい公共交通体系(浦安市
の弱み)を克服し、まち歩きのブーム
(浦安市にとっての機会)に対応する
<対応する基本方針>
●住民のより良い生活環境の実現
につながる観光振興
●既存の生活文化とまちなかの空
間を大切にする観光振興
<根拠となる分析結果>
●地域づくりに関わる市民の活力(浦安
市の強み)と若いまちとしての活力(浦
安市の強み)を活かす
●まちあるきのブーム(浦安市にとって
の機会)、多数の通勤・通学客の存在
(浦安市にとっての機会)を活かし、画
一的な地域イメージ(浦安市の弱み)を
克服する
<対応する基本方針>
●市民が主役となって推進する観光
振興
●浦安市全体の地域イメージ・都市
イメージの定着につながる観光振興
3
気軽に立ち寄り、
めぐって楽しめる
都市環境の整備
4
旬の情報発信と
新しい都市イメージの
定着
それぞれの柱に沿って取り組みを進め
ることは、以下の基本方針(第3章参
照)に適うものです
31
浦安市観光振興計画 取り組みの体系
32
32
4−1 3つの水辺空間の魅力アップと体験の充実
3つの水辺∼旧江戸川・境川・東京湾∼に囲まれて発展してきた浦安では、
食材の供給や交通路としての機能、あるいは心のやすらぎを与える景観の創出
など、様々な面で市民の生活と水辺空間が密接に結びついていました。食材供
給や交通路としての機能は現在衰退しつつありますが、これらの水辺空間が浦
安にとって「顔」となっていることは相違ありません。また、都市部における
水辺空間の存在は来訪者にとっても大きな魅力となります。浦安市の観光振興
では、こうした水辺空間に着目し、その魅力づくりを進めていきます。
●短期重点プロジェクト
短期重点プロジェクトとしては、
「境川の活用」と「東京湾と旧江戸川の魅力
づくり」の2点に取り組みます。
【1−1】境川の活用
まちなかを横切って流れる境川は、浦安を特徴づける3つの水辺空間の中でも、
特に市民の日常生活との関わりが深い空間だと言えます。境川との関係性の中
で培われてきた生活文化を市民があらためて見直して次の世代に伝えていくこ
とを狙いとして、空間としての魅力アップ(水質浄化、親水空間の整備)と体
験の魅力アップ(多様な体験要素の創出)の双方に取り組みます。
まずは、クリーンアップ運動等を推進しつつ、市民が境川に親しむ機会を増や
していきます。また、来訪者にも境川の魅力を楽しんでもらうための取り組み
を進めます。
【具体的な取り組み案】
・境川まつりの実施検討
・境川での乗船体験の充実
・べか舟レースの実施
・精霊流しや流しびな等文化的イベントの実施
・境川での水上交通実現に向けた検討
…など
【1−2】東京湾と旧江戸川の魅力づくり
埋め立てによって海岸線がまちなかから沖合へと遠のいたこともあり、浦安の
海辺は境川に比べると、市民の日常生活からやや離れた存在になっています。
しかし、東京湾の最奥部の貴重な自然環境として「三番瀬」への社会的注目が
高まっていることや、海辺の空間がレクリエーションの場としての高い可能性
を秘めていること等から、市民、来訪者双方が楽しむことのできる海辺の魅力
づくりを進めます。また、旧江戸川についても同様の観点から注目していきま
す。
現状では水辺に近づくことも難しく、市民や来訪者にとって開かれた場として
いくためには時間を要します。そのため、まずは海に触れあうための場の整備
などについて、基礎的な調査・検討を進めていきます。
33
【具体的な取り組み案】
・三番瀬の活用
・旧江戸川沿いの距離標識設置検討
・水上バス導入の可能性検討
・海岸部への観光拠点施設の設置可能性検討
(飲食・物販など)
・大型バスも利用可能な観光立ち寄り施設の設置検討
…など
●中長期的展開のイメージ
「3つの水辺空間の魅力アップと体験の充実」に関する中長期的な取り組み
としては、短期に引き続き境川周辺の空間としての魅力アップ、体験の魅力ア
ップに取り組むことが考えられます。また、短期で着手した基礎的な調査・検
討の結果を踏まえ、水辺空間まわりの施設整備について、実現に向けたより具
体的な検討段階に進むことが考えられます。
水辺空間との関連が深い施設である浦安魚市場についても来訪者が利用しや
すいあり方の検討を行うことや、水質浄化が実現することを前提として、水辺
での様々なレクリエーション活動が楽しめる場を提供することも考えられます。
3つの水辺空間の
魅力アップと
体験の充実
1
境川の河口部
短期の取り組みの考え方
●境川に親しむ機会の創出
●境川での体験の多様化
●水辺への施設導入に関する
基礎的な調査・検討
堀江ドック
中長期の取り組みの考え方
●水辺の魅力づくりの
さらなる推進
●施設導入に向けた
具体的な検討
境川しおかぜ歩道橋
34
4−2 生活文化の掘り起こしと観光面での活用
埋め立てによって市域を拡大してきた浦安市では、古くからのまち割りやま
ち並みが比較的損なわれることなく今日に至っています。特に元町地域ではそ
れらの空間と生活文化がセットで息づいています。また、郷土博物館ではそう
したまち並みや生活文化を保存しており、いつでも手軽に触れることができま
す。地元の方にとっては本当に「何げないもの」
「何げないこと」ですが、市内
でも新町地域の住民や、外部からの来訪者にとっては新しい発見に満ちていま
す。これらの要素は住民の代替わりや都市の再開発等によって生活の利便性と
引き替えに失われていくものですが、市民共通の宝として大切にし、観光面で
も活用することをすすめていきます。
●短期重点プロジェクト
短期重点プロジェクトとしては、「生活文化の継承」と「浦安の名産品創出」
の2点に取り組みます。
【2−1】生活文化の継承
このままでは風化して失われていく様々な生活文化を、まずは市民の手で掘
り起こすことに取り組みます。例えば、お祭りとして残っているものの、その
歴史的背景などが忘れられつつある三社祭について、今一度地域における意味
を知ってもらうために情報発信することなどが考えられます。
さらに郷土博物館を拠点に活動する「もやいの会」メンバーや郷土史研究家
等の協力も得つつ、それらの生活文化を体験プログラム化することで文化の保
存・継承を図ります。これらのプログラムは、各種イベントやお祭りなどで試
行的に提供し、順次改良・改善を図って魅力的なものにしていきます。
また、生活文化の継承者については「浦安マイスター*」等の認定制度の創設
を検討します。市民や来訪者を対象としたご当地検定の浦安版「浦安検定」を
創設し、その中の実技部門として「海苔すき検定」「べか舟漕ぎ検定」「貝むき
検定」などを組み込むことも考えられます。
*マイスター:ドイツ語で「職人」のこと。ここでは「海苔すきのことなら何でも知っている」
「べか舟のことなら何でも知っている」というように、ある特定の分野の事柄について幅広い
知識や技能を持っている人をイメージしています。
【具体的な取り組み案】
・浦安マイスター認定制度の創設
・浦安検定(ご当地検定)の実施
・神社等での「市(いち)
」の復活・開催
…など
35
【2−2】浦安の名産品創出
自然環境、社会環境が大きく変化した結果、浦安の海から江戸前の食材は得
られなくなりましたが、今でも市内には寿司屋が多く、海苔や貝類の加工・販
売業者も多数立地しています。また、浦安駅前という都市の真ん中に魚市場が
残っている他、
「ぼったら焼き」や「玉子フライ」など浦安ならではの食文化も
見られます。このように、浦安はまだまだ「食」をイメージさせる要素が残さ
れた地域です。また、
「食」以外でも、べか舟をはじめとする漁具製造の技術が
継承されています。
このように浦安の産業由来の技術や生活に根づいた文化を活かして名産品の
開発(「ぼったら焼き」や「玉子フライ」のアレンジ、新しいメニューや土産品
の開発など)に取り組み、地域産業の活性化につなげるとともに、ホテルや大
型商店への販路拡大を図り、新しい浦安の名物としてアピールしていきます。
【具体的な取り組み案】
・浦安名物のメニュー開発コンテスト等の実施
・土産品のアイディア募集・商品化
・まち歩きイベントにあわせた特別メニューの提供 ・浦安ブランドの名産品開発・普及
…など
●中長期展開のイメージ
「生活文化の掘り起こしと観光面での活用」に関する中長期的な取り組みと
しては、短期で取り組んだ市民からのアイディア募集を基本としたメニュー開
発の成果を活かして新たな地域産業の育成につなげ、地域経済へ寄与すること
も視野に入れます。また、
「浦安マイスター」制度を発展させ、失われた生活文
化の復活や、失われつつある生活文化の保存・継承を図る仕組みづくりに取り
組みます。こちらに関しても、ミニチュアのべか舟作成など、新たな地域産業
としての展開の可能性を検討します。
短期の取り組みの考え方
中長期の取り組みの考え方
●埋もれつつある生活文化の
掘り起こし
●市民の発意による名物開発
●事業者による名物の商品化
●生活文化を継承する
仕組みづくり
●浦安名物の市場への定着
●浦安名物の新たな
地場産業としての展開
2
生活文化の
掘り起こしと
観光面での活用
郷土博物館内の乗船体験
のり簀作り
あさりめし
36
4−3 気軽に立ち寄り、めぐって楽しめる都市環境の整備
浦安市には東西線と京葉線という2つの鉄道路線があり、東京都心方面との
アクセスはきわめて良好です。しかし一方で、浦安駅前のターミナルの分かり
にくさや地名案内の少なさなど、市外からの来訪者にとっては移動しにくい面
も見られます。
「まち歩き」のような楽しみ方、つまり、来訪者が自分たちの力
でまちを楽しんで廻ろうとする際には、
「まちの分かりやすさ」も重要な要素に
なります。また、このような分かりやすさに配慮してまちづくりを進めること
は、外から訪れる方だけでなく、市民の方々にとっても暮らしやすく魅力的な
地域を築くことにつながります。
●短期重点プロジェクト
短期重点プロジェクトとしては、
「新しい都市観光の魅力創出」と「まちなか
回遊の仕組みづくり」の2点に取り組みます。
【3−1】新しい都市観光の魅力創出
浦安市は、水辺の空間やそこで育まれた生活文化以外にも様々な魅力を持っ
ています。これまでとは異なる観点から新しい都市観光の魅力を発掘・活用し
ていきます。
具体的には、鉄鋼団地の工場見学や水産加工の現場の見学、あるいはリサイ
クル関連施設の見学など、「産業観光*1」といわれる観光スタイルの素材を発掘
し、それらを修学旅行向けに活用していくことなどが考えられます。また、近
年注目されるフィルム・コミッション*2の推進とあわせて、ロケ地となった浦安
のまち並みに関して情報提供を行うことも考えられます。
*1産業観光:歴史的・文化的価値のある産業文化財、生産現場、産業製品等を観光資源として
活用すること。
*2フィルム・コミッション:映画や TV ドラマ等の映像作品の制作に際して、撮影場所(ロケ
地)の誘致や撮影に関する支援を行う機関。
【具体的な取り組み案】
・映画・ドラマのロケ地に関する情報提供
・修学旅行向け体験プログラムの開発
・アニメ・マンガを活用したまち歩きイベント等の実施 ・産業観光の素材発掘と受け入れ体制の整備
…など
【3−2】まち歩きの仕組みづくり
主要な道路や交差点に名称(愛称)をつけることや標識類の整備をすすめ、
来訪者も迷いにくく廻りやすい都市基盤づくりに取り組みます。交通機関の一
日乗車券の発行、レンタサイクルの導入など、移動しやすい仕組みづくりをす
すめます。
37
【具体的な取り組み案】
・一日乗車券の導入検討
・主要な通り・交差点の命名検討
・魅力的な散策コースの整備
・LRT 構想の実現に向けた基礎的調査
…など
●中長期的展開のイメージ
「気軽に立ち寄り、めぐって楽しめる都市環境の整備」に関する中長期的な
取り組みとしては、短期的な取り組みを経て、新しい浦安観光の魅力が修学旅
行のメニューとして定着するよう、積極的に情報発信していきます。また、2006
年に策定済みの「浦安市景観マスタープラン」に基づいて創出された景観を観
光面でもアピールしていくことを想定します。さらに「ガーデンシティ浦安構
想*1」の実現に向けた具体的な検討や、水運の復活や LRT*2の導入など、まち
歩きを充実させる新しい移動手段のあり方についても具体的な検討を行います。
*1ガーデンシティ浦安構想:市民が季節の花々で街中を庭園のようにするまちづくり
*2LRT:Light Rail Transit。ここでは次世代型の路面電車のこと。
気軽に立ち寄り、
めぐって楽しめる
都市環境の整備
3
おさんぽバス
短期の取り組みの考え方
●まちなか回遊につながる
魅力づくりと情報提供
●まち歩きの仕組みづくり
●まち歩きに必要な新しい交通
手段の実現に向けた基礎的
調査・検討
屋形船
中長期の取り組みの考え方
●まち歩きに必要な
新しい交通手段の実現に
向けた具体的な検討
境川(新橋付近)
38
4−4 旬の情報発信と新しい都市イメージの定着
浦安は TDR の存在によって非常に高い知名度を誇っています。一方、実際の
浦安には多様な水辺の空間やまちなかの生活文化、新しく開発された住宅地な
ど様々な要素が同居していますが、これらについては十分に知られていない状
況で、これらを高い知名度と結びつけていくことも重要です。浦安では市民活
動が非常に盛んで、様々な形でまちづくりや地域の活性化に取り組んでいるこ
とから、これら市民の活力も積極的に活用し、浦安の旬の情報発信と都市イメ
ージの定着を進めていきます。
●短期重点プロジェクト
短期重点プロジェクトとしては、「交流型イベントの創出」「市民によるおも
てなしの充実」「旬の浦安の情報発信」の3点に取り組みます。
【4−1】交流型イベントの創出
既存の「三社祭」や「市民まつり」の場において、前述の「3つの水辺空間
の魅力アップと体験の充実」や「生活文化の掘り起こしと観光面での活用」で
創出した浦安ならではの魅力を試行的に提供し、市内外への情報発信や市民同
士、来訪者と市民の交流をより強く意識したイベントとしていきます。
【具体的な取り組み案】
・新町での国際フェスティバルの開催
・観光キャンペーンの実施
…など
【4−2】市民によるおもてなしの充実
「ぶらり浦安ガイド」や「もやいの会」等をはじめとする既存組織の活動支
援を図り、各種視察や修学旅行等いっそう幅広く活躍できる体制を整えるとと
もに、前述の「生活文化の掘り起こしと観光面での活用」で触れた「浦安マイ
スター」と連携を図る仕組みを検討します。また、こうしたユニークな人材を
観光大使として任命し、市民の視点から浦安の観光を情報発信することにも取
り組みます。
【具体的な取り組み案】
・通訳ボランティア養成講座の実施
・観光ボランティア組織の充実
・観光大使の任命
…など
【4−3】旬の浦安の情報発信
交通事業者や旅行事業者に対して浦安の魅力を的確に伝えるためのプロモー
ションツール作成、一般の来訪者に対して情報発信するためのガイドブック作
成等に取り組みます。また、2007 年度の「ちばデスティネーションキャンペー
ン」を足がかりに、前述の「3つの水辺空間の魅力アップと体験の充実」や「生
活文化の掘り起こしと観光面での活用」で創出した新しい浦安の魅力を織り込
39
んだ日帰りまち歩き型の旅行商品づくりにも取り組みます。
【具体的な取り組み案】
・市内の鉄道駅での観光情報提供
・首都圏の鉄道駅での観光情報発信
・地区別情報の定期的発信
・外国語併記ガイドブックの充実
…など
●中長期的展開のイメージ
情報発信・交流型イベントの開催を積み重ねる中で、一般市民の方々につい
ても来訪者に対するおもてなしの意識や、自らの地域を知ることに対する意識
を高めていきます。
また、地域外に対しては、これらイベントの開催と情報発信を通じて、浦安
の都市イメージを明確に伝えていきます。
4
短期の取り組みの考え方
旬の情報発信と
新しい都市
イメージの定着
●情報発信型イベントの創出
●観光振興に携わる人材の拡充
●地域内外への情報発信の充実
40
中長期の取り組みの考え方
●観光まちづくりに携わる
体制の充実
第5章
地域別の取り組みと
浦安の楽しみ方のイメージ
第4章では観光振興の取り組み体系を4つの柱(テーマ)に沿って示しまし
た。ここではそれらの取り組み内容を再整理し、各地域別の取り組みイメージ
として提示します。その前提となる地域区分については、
「浦安市総合計画」に
準じた5つの地域区分に加え、浦安を特徴づける3つの水辺の軸線(図表−24)
を設定するものとします。
図表−24
5つの地域と3つの水辺の軸線
41
41
5−1 浦安を輝かせる3つの「水辺の軸線」の計画
(1)水辺の軸線① 境川
・地理的にも歴史的にも浦安市の中心軸の1つである境川は、沿岸部の整備等
も行われ、市民の憩いの場として活用されています。しかしかつてに比べる
と、市民生活との結びつきは低下していると考えられます。
・境川が元町、中町、新町の各地域を結びつける重要な軸線であることと、都
市に潤いをもたらす貴重な空間でもあることから、当計画では境川に関連す
る各種取り組みを重点的に推進することとして、都市の顔としての境川の復
活と、境川を舞台とした観光まちづくり運動の積極的な推進を図ります。
・特に水辺へのアプローチを含む魅力的な空間づくり、水辺の特性を活かした
体験プログラムの創出、それらを組み込んだ市民主体のイベント実施等に取
り組みます。
*関連する短期重点プロジェクト…境川の活用、生活文化の継承、まち歩きの仕組みづく
り、交流型イベントの創出 など
(2)水辺の軸線② 旧江戸川
・旧江戸川は、境川とは河川の規模が異なり、水辺へ手軽に近づくことができ
る場所も限定されています。一方、旧江戸川沿いの堤防は自動車等に煩わさ
れることなく歩くことのできる空間として機能していると同時に、大河川の
河口部ならではの景観を楽しむことができます。
・このような空間特性を活かし、歩いて楽しめる空間としての魅力を更に高め
るための取り組みを進めます。
*関連する短期重点プロジェクト…東京湾と旧江戸川の魅力づくり、浦安の名産品創出、
まち歩きの仕組みづくり など
(3)水辺の軸線③ 東京湾・三番瀬
・水辺の軸線の3つ目は、東京湾・三番瀬の沿岸部です。東京湾の再奥部に残
された貴重な干潟として注目度の高いエリアであり、三番瀬そのものの扱い
に関しては慎重さが求められます。
・一方、沿岸部(特に陸域)については、旧江戸川と同様に水辺の楽しみを提
供する空間として、さらなる取り組みの余地も残されています。このことか
ら、利用の拠点づくりなど中長期的なハード整備も視野に入れた取り組みを
進めていきます。
*関連する短期重点プロジェクト…東京湾と旧江戸川の魅力づくり、浦安の名産品創出、
新しい都市観光の魅力創出、まち歩きの仕組みづくり など
42
5−2 市民が生活する3つの「まちなか」の計画
(1)まちなか① 元町地域
・元町地域は、浦安が歩んできた歴史が色濃く刻まれた地区で、今後の観光振
興の中核的エリアとして位置づけます。必ずしも元町の歴史的資産が中町、
新町を含めた市民に共有されているとは言えないことから、これらの掘り起
こしを市民自身の手で行うことが有効活用を図るための第一歩となります。
・また、基本的には歩いてまわるエリアであることから、そのための情報提供
ツールの開発や、まち歩きを容易にする環境づくりにも取り組みます。
・まち歩きの魅力を高めるためには歴史的景観の保存や創出も考えられますが、
その際には、生活者の住環境の向上にも配慮することが前提となります。
*関連する短期重点プロジェクト…生活文化の継承、浦安の名産品創出、まち歩きの仕組
みづくり、市民によるおもてなしの充実、旬の浦安の情報発信 など
(2)まちなか② 中町地域
・中町地域は、都市計画に基づいて住宅開発が進められた地域です。景観整備
など、生活環境の充実につながる取り組みが中心となります。
・また、境川及び境川沿いの空間については元町地域、新町地域と一体的に取
り扱い、浦安市の顔となる空間としての魅力向上策を実施します。
・浦安に関する情報発信や来訪者へのガイド、あるいは環境整備活動など、観
光まちづくりに関する住民の活躍を支援します。
*関連する短期重点プロジェクト…新しい都市観光の魅力創出、まち歩きの仕組みづくり、
交流型イベントの創出、市民によるおもてなしの充実、旬の浦安の情報発信など
(3)まちなか③ 新町地域
・新町地域は、東京から至近の海に面した住宅地として注目を集め、ドラマの
ロケ地等として各種メディアに登場する機会も増えています。新しい浦安の
イメージを情報発信する役割を担っており、今後もそのような機能強化を推
進します。
・市外から移り住んだ若い家族が多いことも踏まえ、元町・中町地域との交流
を意識したイベント創出に取り組みます。また、中町地域と同様、景観への
配慮など生活環境の魅力向上に関する取り組み、境川周辺の魅力づくり、住
民の観光まちづくりに関する取り組みへの支援を行います。
*関連する短期重点プロジェクト…旬の浦安の情報発信、交流型イベントの創出、新しい
都市観光の魅力創出、まち歩きの仕組みづくり、市民によるおもてなしの充実など
43
5−3 工業ゾーンとアーバンリゾートゾーンの計画
(1)工業ゾーン
・この地域は3つのまちなかともアーバンリゾートゾーンとも性格の異なる空
間です。これまではその土地利用の性格上、住民も来訪者も足を向けること
の少ない地域だったと言えます。
・産業観光への注目が高まっている社会的背景も踏まえ、まずは体験観光の素
材探しなど、新しい観光の魅力を発掘することに取り組みます。また、それ
らを修学旅行向けのプログラム等として商品化します。
*関連する短期重点プロジェクト…新しい都市観光の魅力創出、旬の浦安の情報発信 な
ど
(2)アーバンリゾートゾーン
・TDR を中心とするアーバンリゾートゾーンについては、来訪者が明確な目的
意識を持っています。そのため、1回の来訪で TDR と浦安のまちなかの双方
を楽しむというスタイルは短期的には実現しにくいと考えられます。
・別の機会に浦安のまちなかを訪れてもらう可能性や、将来的に宿泊旅行の泊
数が増えるような状況下で TDR とまちなかの双方を楽しんでもらう可能性を
想定し、まちなかについての情報提供等に取り組んでいきます。
*関連する短期重点プロジェクト…新しい都市観光の魅力創出、交流型イベントの創出、
旬の浦安の情報発信 など
*各地域別の取り組み以外にも、浦安市全エリアで共通して取り組む事柄として、
景観形成、人材育成、情報発信など、観光につながる魅力的なまちの実現に
向けた共通基盤づくりに関するものを想定します。
44
図表−25
地域別の取り組みイメージ
45
45
5−4
浦安で観光を楽しむ方々の活動イメージ
当計画を推進することで実現すると考えられる今後の観光活動については、
以下の①∼⑤に示すとおり、様々なタイプが想定されます。しかしここまで繰
り返し述べてきたとおり、当計画では、まずは浦安市民が自分たちの地域の魅
力をあらためて発見し、楽しむことを狙いとしています。
従って、これら様々な観光活動タイプの中でも、まず第1に、市民が相互に
往き来して、「地元・浦安」の魅力を楽しむことを念頭におきます。
<まず、第1番目に意識する観光活動>
① 市民が相互に往き来して、「地元・浦安」の魅力を楽しむ
東京湾の埋め立てにより市域を拡大してきた浦
安市では、市民の方々も含めて市内各地区間での相
互の往き来が比較的少ない状況にあります。中町や
新町の住民が元町を訪れて自分たちの暮らす地域
の歴史に触れる、逆に元町の住民が新町を訪れて交
流を楽しむなど、まずは市民が自分たちの住む浦安
という地域の魅力に気づくことが、当計画において
1番に意識する観光活動のイメージです。
<市民が楽しむことと並行して意識する観光活動>
② 外部からの少人数グループが「知らないまち・浦安」でまち歩きを楽しむ
市民がいきいきと生活している地域は、外部の
人間が訪れても楽しいものです。近年、ちょっと
気になる景色やまち並み、お店を巡って「まち歩
き」を楽しむ方々がますます増えてきましたが、
これは、そこで暮らしている人たちの生活に触れ
る楽しみだと言い換えることができるでしょう。
まずは市民の方々が自分たちのまちを楽しむ
ことが第一ですが、少しずつ外部からの来訪に対
してもアピールしていくことも考えます。これら
の客層に関しては、公共交通を利用して、あるい
は徒歩によって少人数グループで気軽に楽しむと
いう活動イメージです。
46
③ 修学旅行生が浦安に息づく歴史文化や新しい産業を「体験」する
修学旅行の内容も多様化していますが、「体験」
要素を重視する傾向がますます強くなっています。
浦安ではまちなかでの生活文化の体験、鉄鋼団地
での産業の見学という要素が存在します。これら
の体験性が強い要素を TDR 等と結びつけること
で、修学旅行先としてより強くアピールすること
が考えられます。
④ 鉄道を利用する通勤客が週末「途中下車」してリフレッシュする
普段東西線や京葉線を利用して通勤する車窓
から浦安のまちを眺めている方はたくさんいら
っしゃいます。江戸川に浮かぶ釣り船や、境川沿
いのまち並みが気になっている方もおられるこ
とでしょう。このような人たちが、週末にはちょ
っと「途中下車」して浦安の魅力を楽しむ、そん
な観光も視野に入れます。
⑤ TDR来訪者が「次の機会」にはまちなかを訪れる
TDR への来訪者は年間で約 2,500 万人。滞在日
数も限られている中で、何よりも TDR を楽しみた
いというこれらの来訪者は、なかなか浦安のまち
なかには目を向けにくいでしょう。しかし、これ
らの方々に対しても積極的に浦安のまちなかに関
する情報を提供し、
「次の機会には、ちょっと浦安
のまちなかに出かけてみよう」と考えるきっかけ
を与えることが重要です。
また、海外から TDR を訪れる方々も意識する必
要があるでしょう。浦安としてこれらの方々に提
供可能な楽しみ方(グルメ、ショッピングなど)も
検討していく必要があります。
47
48
第6章
計画推進の取り組み体制とスケジュール
6−1 計画の推進体制
これまで多くの観光地で取り組まれてきた観光振興策では、行政、事業者(観
光関連の事業者)および経済・業界団体、観光協会などの観光関連団体が主役
でした。しかし自分たちの地域の持っている魅力を理解して誇りを持ち、その
魅力を外部の方にも楽しんでいただくという観点からすると、観光振興の推進
役として、もっと多様な主体が関わるべきだと言えます。
従来からの典型的な観光地では観光客を直接の顧客とする産業が成立してお
り、自ずと観光振興面で大きな役割を果たすことになります。しかし浦安では
このような産業が一部に限られることから、市民の活力がいっそう重要になり
ます。浦安では活力あふれる市民を観光振興の中心的役割を担う“主役”とし
て位置づけます。一方、事業者や経済・業界団体も産業振興を通じた地域活性
化の観点から市民中心の取り組みを積極的に支援していくものとします。また、
行政や観光協会は、市民の活動を適切にサポートするとともに、都市基盤の整
備や周辺地域との連携による情報発信など、市民主体の活動ではカバーできな
い領域を中心に取り組むこととします(図表−26)。
図表−26
当計画の推進体制
49
6−2 計画の推進スケジュール
前述の通り、この計画は、2008 年度から 2012 年度までの 5 年間を対象とし
て、2008 年度から 2010 年度までの 3 ヶ年を中心とする短期重点プロジェクト
について記したものです。
その中でも、すでに着手済みのプロジェクトと、それに続く取り組みについ
ては次ページに示しました(図表−28)。2008 年2月から3月にかけては、当
計画策定段階での議論経過も踏まえて「うらやすの魅力発見!観光キャンペー
ン 2008」が実施され、あわせてご当地検定や境川でのイベント、ガイドブック
の作成・配布などに取り組んだところです。これらの取り組みは、当計画のキ
ックオフ・プロジェクトとして位置づけられるものです。これ以降の取り組み
の詳細については、当計画取りまとめに際しての検討経緯や、千葉県の「観光
立県ちば推進ビジョン」に基づく取り組み、
「(仮称)千葉県観光立県推進条例」
の策定状況なども踏まえ、具体化することとします。
また、中期(2011、2012 年度)長期(2013 年度以降)の取り組みについて
は、当計画において大きな方向性のみ示しています。その内容については短期 3
ヶ年の取り組みの進捗状況や社会動向等を踏まえ、また計画の検討経緯にも留
意して適宜見直しと詳細な検討を行うこととします(図表 27)。
図表−27
当計画の推進スケジュール
50
51
51
(2008年2月∼3月実施)
(2008年2月∼3月実施)
観光立県の実現に向けたプログラム「歴史と文化散歩プロジェク
ト」による事業。地域の生活文化を象徴する存在でありながら、現
在は隠れてしまっている資源や人材に光を当てる
(※浦安市は君津市久留里地区とともに対象地区に指定)
歴史文化資源の観光活用推進事業(千葉県事業)
<当計画のキックオフ・プロジェクト>
(2008年3月実施)
「カフェテラスin境川」実施
短期重点プロジェクト①
境川の活用
「うらやすの魅力発見!
観光キャンペーン2008」
ガイドブックの作成・配布
短期重点プロジェクト⑨
旬の浦安の情報発信
「うらやすの魅力発見!
観光キャンペーン2008」
開催
短期重点プロジェクト⑦
交流型のイベント創出
(2008年2月∼3月実施)
「ご当地検定 浦安観光
マイスター」の認定
短期重点プロジェクト③
生活文化の継承
市民参加による境川の
クリーンアップ作戦
短期重点プロジェクト①
境川の活用
(2008年実施予定)
「観光おもてなし
マイスター」養成講座の
開催と認定
短期重点プロジェクト⑧
市民によるおもてなしの充実
伝統的な食文化を
アレンジした新しい
浦安名物の開発
短期重点プロジェクト④
浦安の名産品創出
※太枠で囲ったプロジェクトは、
2008年度中に稼働済みもしくは
予定のもの。
境川と旧江戸川・
三番瀬を活用した
体験プログラムの開発
短期重点プロジェクト②
東京湾と旧江戸川の魅力づくり
ガーデンCITY構想に
向けた美化運動の展開
短期重点プロジェクト⑤
新しい都市観光の魅力創出
魅力的なまちなか
散策コースの整備
短期重点プロジェクト⑥
まちあるきの仕組みづくり
次
の
ス
テ
ッ
プ
へ
図表−28
着手予定プロジェクトと次につながる取り組みのイメージ
図表−29
「うらやすの魅力発見!観光キャンペーン 2008」ガイドブック
資料:浦安市
*図表−28 で紹介した「うらやすの魅力発見!観光キャンペーン 2008」ガイド
ブックは、当計画策定の経緯で議論されたアイディアが反映されたものです。
「キャンペーンやイベント情報」として、以下のようなプログラムを紹介し
ています。
うらやす観光マイスターの認定
●以下の各プログラム参加者を対象とした認定制度
−ご当地検定(物知り編)
−体験プラン(技あり編)…海苔巻き体験、細川流投網体験、ベーゴマ体験、貝ムキ
体験、さかなのさばき方&おろし方体験
−スタンプラリー(まち歩き編)
カフェテラス in 境川
∼桜まつりでひとときを∼
●浦安市のシンボルでもある境川周辺を主会場として、各種イベントを開催
−水辺のカフェテラスでおいしいホテルスイーツを!
−美味しかった鍋に一票を!鍋合戦
−昔遊びなどを体験!レトロ祭り in フラワー通り
浦安青べか物語ハイキング
●浦安市内の約 10km を歩くウォーキングイベント
5252
…など
■浦安市観光振興計画
<付属資料編>
資料1
浦安市観光振興計画策定委員会会議開催の経緯
●平成 18 年
10 月 7 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会 第 1 回会議
〈場所〉:健康センター第 1 会議室〈時間〉13 時∼14 時
11 月 18 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会 第2回会議
〈場所〉:浦安商工会議所 4F 会議室〈時間〉10 時∼12 時
12 月 16 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会 第3回会議
〈場所〉:浦安商工会議所 4F 会議室〈時間〉10 時∼15 時
● 平成 19 年
3 月 17 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会 第4回会議
〈場所〉:浦安商工会議所 4F会議室〈時間〉10 時∼正午頃
4 月 28 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会 第5回会議
〈場所〉:浦安商工会議所 4F 会議室〈時間〉10 時∼12 時
6 月 9 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会 第6回会議
〈場所〉:浦安商工会議所 3F 会議室〈時間〉9 時∼12 時
7 月8日(日)
浦安市観光振興計画策定委員会 第7回会議
〈場所〉:浦安市文化会館 3F 中会議室〈時間〉10 時∼12 時
8 月 11 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会 第8回会議
〈場所〉:浦安市文化会館 3F 中会議室〈時間〉10 時∼12 時
8 月 26 日(日)
浦安市観光振興計画策定委員会 第9回会議
〈場所〉:浦安市健康センター〈時間〉10 時∼12 時
9月 22 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会 第 10 回会議
〈場所〉:浦安市役所第3庁舎 2F 会議室〈時間〉10 時∼12 時
10 月 15 日(月)∼11 月 5 日(月) 浦安市観光振興計画(案)パブリックコメント募集
・ 「広報うらやす 10 月 15 日号パブリックコメント特集号」に計画(案)の概要を掲載。
・ 計画(案)全文を市 HP 及び情報公開コーナー(文化会館 2 階)・市役所商工観光課にて
公開。
・ 書面にまとめた意見を直接・郵送・ファクス・e メールのいずれかで提出。
11 月 24 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会
資料-1
第 11 回会議
〈場所〉:浦安市役所第3庁舎 2F 会議室〈時間〉10 時∼12 時
12 月 21 日(金)10 時∼16 時 「浦安市の観光に関するアンケート」実施
・ 調査対象者:浦安市民
・ 調査地点:A. 清瀧神社・旧宇田川家・旧大塚家周辺
B
郷土資料博物館・市役所 1 階・市民ホール
C
新浦安駅周辺
D
若潮/交通公園・高洲海浜公園・総合公園
● 平成 20 年
2 月 24 日(土)
浦安市観光振興計画策定委員会 第 12 回会議
〈場所〉:浦安市文化会館 3F 中会議室〈時間〉10 時∼12 時
※その他分科会(産業観光振興グループ、文化振興グループ)開催
資料-2
浦安市観光振興計画策定委員会
明
海
大
学
うち
う
浦 安 市 自 治 会 連 合 会
宇
浦 安 市 商 店 会 連 合 会
鈴
株式会社オリエンタルランド
鐘
浦
小
安
市
観
光
協
会
ぞの
だ
市
安
商
工
民
会
委
議
き
が
充
たい
江
泰
じ
兒
のり
お
がわ
かず
ひろ
づ
たか
ひさ
山
員
宇
う
さ
すず
鈴
裕
隆
久
み
佐
あきら
見
彰
むら
ひろし
村
にし
しん
則
和
津
弘
わき
西
進
武
川
みや
宮
やす
脇
ゆき
保
幸
どう
つよし
き
さとし
藤
剛
木
聡
にし
かわ
まさ
正
樹
は
やま
たん
せい
川
西
葉
山
ふじ
田
た
かん
みや
ざわ
きみ
やま
ざき
かつ
商
じ
爾
こ
君
崎
工
青
莞
澤
山
き
丹
藤
宮
資料-3
みつる
え
ヶ
お
夫
たけ
所
局
秀
やま
き
務
ひで
川
こ
木
事
美
木
小
浦
み
孝
がわ
田
すず
かね
たか
苑
内
名簿
子
や
勝
観
哉
光
課
資料2
「浦安」の観光地イメージアンケートの概要
○
調査対象:全国の 18 歳以上の男女(調査会社のモニターより抽出)
○
調査日時:2007 年 10 月(「浦安」について調査)および 2001 年 10 月(「舞浜」について調査)
○
調査方法:郵送による調査票の配布・回収
○
調査数:各回とも 4,000 票(有効回答数は 2007 年調査 2,172 票、2001 年調査 2,317 票)
○
回答者属性
〈男女別割合〉
−2007 年調査:男性
991 名(45.6%)、女性
1,181 名(54.4%)
−2001 年調査:男性
1,087 名(46.9%)、女性
1,230 名(53.1%)
〈居住地別割合〉
−2007 年調査:北海道 102 名(4.7%)、北東北 54 名(2.5%)、南東北 109 名(5.0%)、
北関東 102 名(4.7%)、南関東 741 名(34.1%)、甲信越 88 名(4.1%)、
東海 253 名(11.6%)、北陸 61 名(2.8%)、近畿 327 名(15.1%)
、中国 119 名(5.5%)、
四国 52 名(2.4%)、北九州 115 名(5.3%)、南九州 49 名(2.3%)
−2001 年調査:北海道 149 名(6.4%)、北東北 70 名(3.0%)、南東北 100 名(4.3%)、
北関東 128 名(5.5%)、南関東 611 名(26.4%)、甲信越 137 名(5.9%)、
東海 283 名(12.2%)、北陸 73 名(3.2%)、近畿 319 名(13.8%)、中国 147 名(6.3%)、
四国 83 名(3.6%)、北九州 156 名(6.7%)、南九州 61 名(2.6%)
○
調査項目
・全国 30 箇所の観光地名(2007 年調査は「浦安」、2001 年調査は「舞浜」をそれぞれ含む)を提示
し、認知度と来訪経験、観光地のイメージ、今後の来訪希望を尋ねた。
・観光地のイメージ及び今後の来訪希望については、各観光地に「行ったことがある」あるいは「行
ったことはないが知っている」と回答した回答者のみを対象とした。
資料-4
○
「浦安」と「舞浜」の来訪経験と認知度
30.9%
行ったことがある
55.3%
17.0%
行ったことはないが
知っている
22.1%
34.5%
知らない
7.6%
0%
舞浜(2001年)
浦安(2007年)
10%
20%
30%
40%
50%
60%
資料:「旅行者動向調査」(財)日本交通公社
「行ったことはないが知ってい
・ 「浦安」について尋ねた結果では、
「行ったことがある」が 55.3%、
る」が 22.1%であった。半数以上という極めて高い比率の回答者が来訪経験を持っていることにな
る。具体的な数字は不明だが、このうち大半は東京ディズニーリゾートへの来訪経験者だと思われ、
なおかつ東京ディズニーリゾートと「浦安」という地名を結びつけて捉えていると考えられる。
・ 「舞浜」について尋ねた結果では、
「行ったことがある」が 30.9%、
「行ったことはないが知ってい
る」が 17.0%であった。調査年が異なるため単純な比較はできないが、「浦安」の地名をあげて尋
ねた結果に比べるといずれも低い数値となっている。このことから、東京ディズニーリゾートのイ
メージと「舞浜」という地名との結びつきは、東京ディズニーリゾートのイメージと「浦安」とい
う地名の結びつきに比べて相対的に低い可能性も考えられる。
○「浦安」と「舞浜」の今後の来訪希望
30.4%
ぜひ行ってみたい
19.8%
34.2%
行ってみたい
29.6%
18.4%
あまり行きたくない
15.2%
3.5%
行きたくない
舞浜(2001年)
浦安(2007年)
3.9%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
資料:「旅行者動向調査」(財)日本交通公社
資料-5
・ 「浦安」について「行ったことがある」あるいは「行ったことはないが知っている」とした回答者
を対象に今後の来訪希望を尋ねた結果では、「ぜひ行ってみたい」が 19.8%、「行ってみたい」が
29.6%であった。あわせて5割以上が再来訪の希望を示している。
・ 一方、「舞浜」について同様に尋ねた結果では、
「ぜひ行ってみたい」が 30.4%、「行ってみたい」
が 34.2%であった。6割を超す高率で来訪希望が示されており、中でも「ぜひ」という強い来訪希
望を抱いている層が3割以上と高いのが特徴である。
○
「浦安」と「舞浜」のイメージ
自然や風景がすばらしい
6.1%
3.6%
1.0%
歴史や文化がすばらしい
7.0%
17.0%
17.4%
他にない見どころがある
みるものが多くバラエティに富んでいる
20.3%
26.5%
3.8%
2.8%
町並みがすばらしい
0.6%
1.0%
0.8%
0.4%
祭りや伝統芸能や特産品がある
いい温泉がある
4.5%
3.3%
おいしい食べ物がある
20.6%
22.4%
その地ならではの活動や楽しみがある
色々な活動や楽しみがある
いい宿泊施設がある
12.4%
17.1%
15.7%
18.8%
3.7%
1.8%
0.6%
1.1%
気候がよく居心地がよい
地域の人とのふれあいがある
32.2%
30.9%
にぎやかで楽しい
独特の雰囲気がある
8.6%
清潔さや美しさが保たれている
3.2%
0%
11.9%
2001 舞浜
2007 浦安
6.5%
10%
20%
30%
40%
資料:「旅行者動向調査」(財)日本交通公社
・ 「浦安」について「行ったことがある」あるいは「行ったことはないが知っている」とした回答者
を対象にそのイメージを尋ねた結果では、「にぎやかで楽しい」30.9%、「その地ならではの活動や
楽しみがある」22.4%、
「みるものが多くバラエティに富んでいる」20.3%が目立っている。
・ 「舞浜」について同様に尋ねた結果でも大きな傾向は変わらず、「にぎやかで楽しい」32.2%、「み
るものが多くバラエティに富んでいる」26.5%、
「その地ならではの活動や楽しみがある」20.6%が
上位3位に並んだ。
「浦安」
・ どちらの調査においても、浦安のまちなかと強く結びつく選択肢は目立ってあがっておらず、
に行ったことがある、あるいは知っているとしている層も、
「浦安≒東京ディズニーリゾート」と捉
えて回答していることが考えられる。
・ 「浦安」、「舞浜」ともにこれらのイメージは男女間では際だった傾向の違いがみられないものの、
「にぎやかで楽しい」というイメージは男性よりも女性においてより多くみられている。また年齢
層別に見ると概ね 20 歳代から 40 歳代前半の若者、子連れファミリー層において明確な印象を与え
ていると考えられる。
資料-6
ィ
し 自 し 歴 あ他 エみ
い然 い史 る に テ る
も
な
や
や
い にの
文
風
見 富が
化
景
ど ん多
が
が
こ で く
す
す
ろ いバ
ば
ば
が るラ
ら
ら
「浦安」のイメージ
年
齢
層
別
性
別
(18∼19歳)
(20∼24歳)
(25∼29歳)
(30∼34歳)
(35∼39歳)
(40∼44歳)
(45∼49歳)
(50∼54歳)
(55∼59歳)
(60∼64歳)
(65∼69歳)
(70∼99歳)
(男性)
(女性)
3.6
6.3
5.2
3.8
3.3
2.6
3.8
2.9
1.0
6.6
3.1
4.9
4.5
3.8
3.5
0.7
0.0
1.0
2.3
0.0
0.0
0.5
0.5
0.0
0.0
0.6
1.0
3.4
0.4
0.9
17.4
31.3
16.7
19.5
17.0
21.9
17.6
19.0
16.7
12.7
18.6
8.8
18.0
15.9
18.6
20.3
18.8
22.9
24.1
23.5
20.8
18.1
18.5
18.7
24.9
17.8
18.6
14.6
18.3
22.0
町
並
み
が
す
ば
ら
し
い
産祭
品り
がや
あ伝
る統
芸
能
や
特
い
い
温
泉
が
あ
る
るお
い
し
い
食
べ
物
が
あ
2.8
0.0
3.1
5.3
6.5
0.5
2.7
1.5
3.0
2.2
0.8
2.0
5.6
2.8
2.8
1.0
0.0
1.0
0.0
1.3
1.6
0.5
0.0
1.0
0.6
2.3
0.0
4.5
1.2
0.9
0.4
0.0
1.0
0.0
0.0
1.0
0.5
0.0
0.0
0.0
0.8
1.0
1.1
0.3
0.5
3.3
6.3
4.2
1.5
3.9
2.6
2.7
2.0
2.0
4.4
4.7
2.9
9.0
2.6
3.9
動 そ が色
やの あ々
楽地 る な
活
しな
動
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や
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楽
あは
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み
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22.4
25.0
21.9
31.6
28.8
37.0
29.7
21.0
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14.4
16.3
5.9
10.1
20.3
24.1
15.7
18.8
19.8
17.3
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21.4
19.2
18.5
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い候
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心
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が
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ふ
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独
特
の
雰
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気
が
あ
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てさ
いや
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が
保
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12.5
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13.2
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2.1
0.0
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3.4
2.2
3.9
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0.0
2.4
3.7
資料:「旅行者動向調査」(財)日本交通公社
町
並
み
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産祭
品り
がや
あ伝
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芸
能
や
特
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泉
が
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6.1
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3.0
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0.0
0.0
0.0
0.6
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0.0
0.4
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1.5
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風
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ば
が るラ
ら
ら
「舞浜」のイメージ
年
齢
層
別
性
別
(18∼19歳)
(20∼24歳)
(25∼29歳)
(30∼34歳)
(35∼39歳)
(40∼44歳)
(45∼49歳)
(50∼54歳)
(55∼59歳)
(60∼64歳)
(65∼69歳)
(70∼99歳)
(男性)
(女性)
1.0
0.0
0.0
0.0
0.7
0.0
1.3
1.8
1.1
2.9
3.3
0.0
2.9
1.1
0.9
17.7
26.1
18.2
17.9
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15.5
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12.1
18.6
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27.6
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活
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19.6
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宿
泊
施
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心
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が
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4.7
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1.9
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3.5
4.4
2.9
4.9
8.0
2.9
4.5
7.9
資料:「旅行者動向調査」(財)日本交通公社
・ 以上の結果より、①「浦安」も「舞浜」も東京ディズニーリゾートと結びつけてイメージされてい
ること、②中でも「浦安」という地名についてその傾向が顕著であること、③一方で浦安のまちな
かに関する情報は対外的に浸透していないことなどが確認できる。
資料-7
資料3
浦安市の観光に関するアンケート調査の概要
○
調査対象:浦安市民(基本的には成人が対象。ただし大学生の場合は未成年でも対象とした。)
○
調査日時:2007 年 12 月 21 日(金)10:00∼16:00
○
調査方法:回答者に調査票を手渡し、回答者本人が記入し、その場で回収した。
○
調査地点
以下のとおり調査地点を設けた。
A 地点(清瀧神社・旧宇田川家・旧大塚家周辺を中心とする元町エリア)
B 地点(郷土資料博物館・市役所 1 階・市民ホールを中心とする市役所エリア)
C 地点(新浦安駅周辺)
D 地点(D-1 若潮/交通公園・D-2 高潮海浜公園/総合公園)
○
回答数:277 名
男性
37.2%
〈男女別割合〉
−男性
102 名
(36.8%)
−女性
172 名
(62.1%)
女性
62.8%
A地点
10.5%
不明
19.1%
〈調査地点別割合〉
−A 地点…29 名(10.5%)
−B 地点…84 名(30.3%)
−C 地点…62 名(22.4%)
−D 地点…49 名(17.7%)
−不明
B地点
30.3%
D地点
17.7%
…53 名(19.1%)
C地点
22.4%
○
調査項目
基本属性(性別・年齢・職業・市内における居住地域・居住年数)、元町地区に関する設問(認知度、
来訪経験、来訪目的、イメージ、将来像)、境川に関する設問(認知度、来訪経験、来訪目的、イメー
ジ、将来像)浦安市の観光資源に関する経験と認知度
資料-8
○
元町地区に関する設問
〈元町の認知度と来訪経験〉
知らない
5.1%
無回答
5.5%
元町を訪れたことのある人は全体の約 8 割
知っているが行っ
たことがない
5.8%
にのぼる。元町の認知度は「行ったことが
ある」(83.6%)と「知っているが行ったこ
とがない」
(5.8%)を合わせて 89.4%であり、
約 9 割の人が元町を知っていると考えられ
る。
行ったことがある
83.6%
〈元町への来訪目的〉
その他
19.8%
元町地区に住んでい
る
28.6%
実家に帰るため
1.8%
業務のため
3.2%
飲食のため
6.5%
地区への主な来訪目的は、「買い物のため」
(23.7%)であり、次いで「その他」という
友人・知人を訪問す
るため
3.7%
交通の乗換による通
過のため
9.2%
元町地区に住んでいる人を除いては、元町
回答が目立った。
「その他」の具体的な内容
通勤の経路であるた
め
2.8%
通学の経路であるた
め
0.9%
買い物のため
23.5%
資料-9
としては、「銀行利用のため」「用事ができ
たとき」など必要に迫られて元町を訪問す
るという理由が見受けられた。
〈元町地区のイメージ※〉※複数回答
浦安の昔ながらの生活文化が残っている
47.3%
寺社や歴史的建築が多く、浦安にとって大切な場所だ
29.2%
フラワー通り(商店街)の活性化の必要を感じる
24.5%
銭湯や昔からの商店が多く懐かしい感じがする
23.1%
ぶらぶら散歩するのが楽しい場所である
20.2%
ぼったらや玉子フライなど浦安独自の食文化がある
4.7%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
元町地区のイメージは「浦安の昔ながらの生活文化が残っている」が最も多く、次いで「寺社や歴史
的建築が多く、浦安にとって大切な場所だ」という結果となった。このことから、元町は浦安に古くか
ら伝わる文化を感じられる場所として認識されていることが分かる。また「フラワー通りの活性化の必
要を感じる」との意見も多いことから、今後の元町の課題として意識されていると考えられる。
〈元町地区の将来像※〉※複数回答
境川を中心に魅力的な空間にすべき
20.2%
市民が昔ながらの生活文化と興味深さに気づくことが
大切
14.8%
新町や中町の住民と交流する場面を増やし活性化を
図るべき
13.0%
昔ながらの生活文化を、観光客にとってもアピールす
べき
9.0%
フラワー通り商店街の活性化を図るべき
6.9%
生活文化などに関する情報提供を細やかに行うべき
3.2%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
「境川を中心に魅力的な空間にすべき」との意見が最も多く、元町活性化の核となると考えている市
民が多いことがわかる。一方で、「市民が昔ながらの生活文化と興味深さに気づくことが大切」という
意見や「新町や中町の住民と交流する場面を増やし活性化を図るべき」との意見も多いことから、元町
と新町・中町の住民同士が交流し、新町・中町の住民も元町に残る文化に対して理解を深めていくこと
が今後の課題と考えられる。
資料-10
○
境川に関する設問
〈境川の認知度と来訪経験〉
無回答
4.7%
知らない
5.8%
境川に「行ったことがある」と答えた人は
全体の約 8 割にのぼる。境川を認知してい
知っているが行っ
たことがない
10.8%
る人は「行ったことがある」
(78.7%)と「知
っているが行ったことがない」(10.8%)を
合わせて全体の 89.5%となり、9 割程度の人
が境川を知っていると考えられる。
行ったことがある
78.7%
〈境川への来訪目的〉
境川への来訪目的は「散歩・ウォーキング
水質浄化やゴミ拾い
などボランティア活動
のため
0.5%
のため」が全体の約半数を占め、市民にと
その他
26.0%
って散歩コースとして定着していることが
分かる。その他以外の主な来訪目的として
は、
「お花見や夕涼み、花火などの季節ごと
お花見や夕涼み、
花火など季節ごとの
楽しみのため
8.7%
散歩・ウォーキング
のため
53.4%
サイクリング
・ジョギングなどのため
4.8%
節ごとの楽しみを見出している市民がいる
ことがわかる。
魚等の
自然観察のため
1.9%
子どもを水辺で
遊ばせるため
1.9%
の楽しみのため」が 8.7%を占め、境川に季
釣りなどの
レクリエーションのため
2.9%
資料-11
〈境川のイメージ〉
41.2%
水質浄化の必要性を感じる
29.2%
散歩や休憩など市民の憩いの場になっている
18.8%
安全に水辺に近づけるような環境が整備されている
18.1%
浦安の歴史や文化を感じることができる
14.1%
まちなかで手軽に釣りを楽しめる貴重な場所だ
9.7%
特に印象はない
9.0%
水辺の自然に触れることができる
1.8%
その他
0%
10%
20%
30%
40%
50%
境川のイメージは「水質浄化の必要性を感じる」が最も多かった。一方で、「散歩や休憩など市民
の憩いの場になっている」「安全に水辺に近づけるような環境が整備されている」との意見も多いこ
とから、境川が市民にとって親しみがあり、親水性の高い環境にあると認識されていることが分かる。
〈境川の将来像〉
43.0%
散歩休憩ができ、やすらぐことのできる空間
30.7%
子どもたちも安全に水辺で遊べるような空間
28.9%
並木などの緑が充実し、心地よく過ごせる空間
21.7%
釣りなど水辺のレクリエーションが充実した空間
浦安のまちなかで自然に触れられる貴重な空間
19.5%
動物や植物が生息することのできる水質環境
19.1%
9.7%
浦安の歴史的な経緯に触れられる貴重な空間
3.2%
その他
0%
10%
20%
30%
40%
50%
境川の将来像では「散歩・休憩ができ、やすらぐことのできる空間」「並木などの緑が充実し、心地
よく過ごせる空間」が多いことから、市民の憩いの場としての役割を期待している意見が多いと考えら
れる。
資料-12
○
浦安の各観光資源に対する認知度と(来訪)経験
〈三番瀬〉
無回答
11.6%
三番瀬の認知度は「知っていて体験・
訪問したことがある」と「知っている
知っていて体験・訪
問したことがある
30.7%
知らない
17.0%
が体験・訪問したことはない」を合わ
せて 71.5%となっている。また「知っ
ているが体験・訪問したことがない」
と答えた人は、三番瀬を認知している
人の中で 57.1%を占めており、約 6 割
の人三番瀬を知っているが体験・訪問
したことがないことが分かる。この理
由には、三番瀬に接近することが難し
知っているが体験・
訪問したことはない
40.8%
い状況が考えられる。
〈堀江フラワー通り〉
知らない
14.9%
無回答
5.1%
堀江フラワー通りの認知度は「知って
いて体験・訪問したことがある」と「知
っているが体験・訪問したことはな
い」を合わせて 80.0%となっている。
知っているが体験・
訪問したことはない
18.8%
知っていて体験・訪
問したことがある
61.2%
また、堀江フラワー通りを認知してい
る人の中で訪問したことがある人は
76.5%となっている。
〈境川と遊歩道(境川テラス)〉
無回答
7.6%
境川と遊歩道(境川テラス)の認知度
知らない
11.6%
は「知っていて体験・訪問したことが
ある」と「知っているが体験・訪問し
たことはない」を合わせて 80.9%とな
知っているが体験・
訪問したことはない
14.1%
っている。境川と遊歩道を認知してい
る人の中で訪問したことがある人は
知っていて体験・訪
問したことがある
66.8%
資料-13
82.6%であり、認知度と訪問率の乖離
が少ない。
〈屋形船〉
知らない
8.3%
無回答
5.8%
屋形船の認知度は「知っていて体験・
訪問したことがある」と「知っている
が体験・訪問したことはない」を合わ
知っているが体験・
訪問したことはない
24.5%
せて 85.9%となっている。屋形船を認
知っていて体験・訪
問したことがある
61.4%
知している人の中での屋形船を体験
したことがある人は 71.4%となって
いる。
〈ぼったら〉
ぼったらの認知度は「知っていて体
無回答
知らない 4.7%
7.6%
験・訪問したことがある」と「知って
いるが体験・訪問したことはない」を
知っていて体験・訪
問したことがある
36.8%
合わせて 87.7%であり、高く認知され
ていることが分かる。しかし、ぼった
らを認知している人の中で「体験した
ことがある」と答えた人は 42.0%、
「体
験したことがない」と答えた人は
58.0%となっており、高く認知されて
知っているが体験・
訪問したことはない
50.9%
いる一方で、体験したことがない人の
方が多いことが特徴である。
〈玉子フライ〉
無回答
7.9%
知っていて体験・訪
問したことがある
15.5%
玉子フライの認知度は「知っていて体
験・訪問したことがある」と「知って
いるが体験・訪問したことはない」を
合わせて 32.8%となっている。また、
知っているが体験・
訪問したことはない
17.3%
実際に体験したことがある(食べたこ
とがある)人は全体の 15.5%であるこ
とから、他の観光資源と比較して市民
の認知度が低いと考えられる。
知らない
59.2%
資料-14
〈三八の市〉
無回答
7.2%
三八の市の認知度は「知っていて体
知っていて体験・訪
問したことがある
12.3%
験・訪問したことがある」と「知って
知っているが体験・
訪問したことはない
10.5%
いるが体験・訪問したことはない」を
合わせて 22.8%となっており、約 7 割
のが「知らない」と回答している。玉
子フライと共に、市民の認知度が低い
観光資源であると考えられる。
知らない
70.0%
〈三社祭〉
三社祭の認知度は「知っていて体験・
無回答
6.1%
訪問したことがある」と「知っている
が体験・訪問したことはない」を合わ
知らない
22.0%
せて 71.8%となっており、三社祭を認
知っていて体験・訪
問したことがある
44.0%
知している人の中で「体験したことが
ある」と答えている人は 61.3%であ
る。
知っているが体験・
訪問したことはない
27.8%
〈貝むき〉
無回答
6.1%
貝むきの認知度は「知っていて体験・
知っていて体験・訪
問したことがある
24.2%
訪問したことがある」と「知っている
が体験・訪問したことはない」を合わ
せて 65.7%となっている。貝むきを認
知らない
28.2%
知している人の中で体験したことが
ある人は 36.8%となっている。
知っているが体験・
訪問したことはない
41.5%
資料-15
〈べか舟〉
無回答
5.8%
べか舟の認知度は「知っていて体験・
知っていて体験・訪
問したことがある
31.4%
知らない
23.5%
訪問したことがある」と「知っている
が体験・訪問したことはない」を合わ
せて 70.8%となっており、べか舟を認
知している人の中で体験したことが
ある人は 44.4%となっている。
知っているが体験・
訪問したことはない
39.4%
〈ぶらり浦安ガイド〉
ぶらり浦安ガイドの認知度は「知って
無回答
7.2%
知っていて体験・訪
問したことがある
18.4%
いて体験・訪問したことがある」と「知
っているが体験・訪問したことはな
い」を合わせて 49.4%となっており、
全体の約半数の人が認知しているこ
とがわかる。ぶらり浦安ガイドを認知
している人の中で、体験したことがあ
知らない
43.3%
知っているが体験・
訪問したことはない
31.0%
る人は 37.2%となっている。
〈浦安市郷土資料博物館〉
浦安市郷土資料博物館の認知度は「知
無回答
11.2%
っていて体験・訪問したことがある」
と「知っているが体験・訪問したこと
知らない
13.4%
はない」を合わせて 75.5%となってお
知っていて体験・訪
問したことがある
48.4%
知っているが体験・
訪問したことはない
27.1%
資料-16
り、浦安市郷土資料博物館を認知して
いる人の中で、体験したことがある人
は 64.1%となっている。
〈マーレ〉
マーレの認知度は「知っていて体験・
無回答
6.9%
訪問したことがある」と「知っている
知らない
17.0%
が体験・訪問したことはない」を合わ
せて 76.2%となっており、マーレを認
知している人の中で体験したことが
知っていて体験・訪
問したことがある
52.7%
知っているが体験・
訪問したことはない
23.5%
資料-17
ある人は 69.2%となっている。
浦 安 市 観 光 振 興 計 画
発行 浦安市市民経済部商工観光課
〒279-8501 浦安市猫実一丁目1−1
℡:047-351-1111 Fax:047-351-8600
http://www.city.urayasu.chiba.jp
調査・編集 財団法人日本交通公社
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