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高校生ものづくりコンテスト2016 秋田大会 兼 第16回高校生ものづくり
高校生ものづくりコンテスト2016 秋田大会 兼 第16回高校生ものづくりコンテスト全国大会予選 「化学分析部門」課題要項 [参考]日本工業化学教育研究会 高校生ものづくりコンテスト化学分析部門研究委員会発行 『高校生ものづくりコンテスト化学分析部門 ブロック大会標準テキスト2015版(キレート滴定)』 1 課題 キレート滴定法により試料水中のCa及びMgの定量を行うことにより試料水中の各硬度を求め、測定結果報告書(以下、報告 書とする)を提出する。 2 競技時間 2時間30分 3 (1) (2) (3) 実験概要 実験手法等は、高校生ものづくりコンテスト化学分析部門ブロック大会標準テキスト2015及びJISに準ずる。 妨害物質を含まない試料の全硬度・カルシウム硬度・マグネシウム硬度を求める。 全硬度及びカルシウム硬度は滴定法により求め、マグネシウム硬度は測定で得られた全硬度・カルシウム硬度を使用し、計 算によって算出する。 (4) 実験操作や器具の使用は、化学実験の基本的な操作法に従う。 (5) 課題を進める際には、化学反応式、化学計算を考慮して行う。 4 実験要件 (1) 実験手法等は、高校生ものづくりコンテスト化学分析部門ブロック大会標準テキスト2015及びJISに準ずる。 ただし、Fe(Ⅱ)、Niなどの妨害物質は含まないものとする。 硬度:水中のカルシウム塩やマグネシウム塩の含有率を示すものを硬度という。 水1000mL中に含まれる炭酸カルシウム(CaCO3)のmg数で表す。 (2) 実験操作や器具の選択については、準備された器具の容量や化学実験の基本的な操作法を考慮して行う。 ※今回の大会について、実験器具は持ち込みを可とする。(6.審査・採点基準(1)競技規定⑤参照) (3) 課題を進める際には、実験マナー・安全・分析技術・測定精度を考慮する。 (4) 実験器具は、準備されているものから適正な器具を使用すること。 ※今回の大会について、実験器具は持ち込みを可とする。(6.審査・採点基準(1)競技規定⑤参照) (5) 実験報告書は、時間内に必要事項を報告書に記載し提出すること。 (6) コンテスト当日に実験室の施設・設備の説明を受け、さらに各自の実験器具の準備及び操作の確認を行う。 5 注意事項 (1) 白衣(実習服)・電卓・保護メガネ・手拭きタオル・作業靴等は競技者が用意する。 電卓はプログラム付きでないものを使用する。関数電卓は使用できる。 ただし、ポケコンを使用する場合は、競技前にリセットする。 (2) 実験中は化学実験室でのマナーを遵守すること。 (3) 安全には十分配慮すること。(特に保護メガネと安全ピペッターを必ず使用すること。) (4) 筆記用具は、大会事務局が用意したボールペンとし、修正が必要な場合は2重線で行うこと。 6 (1) ① ② 審査・採点基準 競技規定 競技者は、実験を行い、後片付けを終了し、その後報告書を作成し提出する。競技時間は2時間30分とする。 ビュレットの測定値は、最小目盛りの1/10まで目分量で読み取る。(ただし、統一テキストにあるように滴定結果のデータ間の 誤差が0.03mL以内の誤差で3回以上の滴定回数の平均値を用いること。) ③ 測定値は含まれる誤差を考慮して確実な数字すべてと、いくらかの不確かさを持つ数字1つで示す。 ④ 数値の取り扱いについては、「(3) 報告書に記載すべきこと」に示した有効数字の桁数に丸める。また、丸め方については四 捨五入とする。 ⑤ 器具、薬品等は大会事務局で用意する。競技者は用意されたものの容量、濃度等を確認し、問題があれば申し出て交換する ことができる。ただし、原則として競技開始後の再支給は行わない。 ※今大会については、一部の器具の持ち込みを可とします。ただし、自動系のビュレットやマイクロピペッターについては、使 用を禁止します。持ち込みできる器具や使用する器具については器具・薬品等で確認して下さい。 (2) 配点 全国大会に準じ、作業態度2割、技術度3割、完成度・結果5割とする。 真の値との誤差 ± 0 %以上~ 1 %未満 ± 1 %以上~ 2 %未満 ± 2 %以上~ 3 %未満 ± 3 %以上~ 4 %未満 ± 4 %以上~ 5 %未満 ± 5 %以上~ 6 %未満 ± 6 %以上~ 7 %未満 ± 7 %以上~ 8 %未満 ± 8 %以上~ 9 %未満 ± 9 %以上~10 %未満 配点 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 備 考 <真の値> (全 硬 度: [mgCaCO3/L]) (カルシウム硬度: [mgCaCO3/L]) ※マグネシウム硬度については、報 告書では求めてもらうが、カルシウム 誤差は、絶対誤差とし、 |測定値―真の値|とする。 硬度とあわせて配点する。 真の値は、用意した検水をICP発 光分光分析法による計測結果を 参考にし、本大会の方法に則っ て測定し、その結果に基づいたも のを使用する。 ※ 基準値とは、本大会の方法に則って測定し、その結果に基づいて定めたものとする。 ±10%以上の場合は、配点は0点とする。 競技所要時間の配点 競 技 時 間 競技開始後 90分以内 競技開始後 95分以内 〃 100分以内 〃 105分以内 〃 110分以内 配点 10 9 8 7 6 競 技 時 間 競技開始後 115分以 内 〃 120分以内 〃 130分以内 〃 140分以内 〃 150分以内 配点 5 4 3 2 1 ※ 競技所要時間が150分を超えた場合は、配点は0点とする。 (3) ① ② ③ 報告書に記載すべきこと 計算式およびその式に関わる説明事項(EDTAのファクター、希釈判定、硬度) EDTA・2Na採取量(0.0001gまで) 0.01mol/L EDTA・2Na標準溶液のファクター(有効数字4桁) その内容をもとにラベルを作成し(溶液名、ファクター、調製年月日、調製者氏名を記入)、試薬ビン(ポリビン)に貼ること。 ④ 硬度の測定における0.01mol/L EDTA・2Na標準溶液滴下量 (0.01mLまで)と、滴下量平均値(0.01mLまで) 平均値の算出に用いた値(○印を記入) ⑤ 全硬度、カルシウム硬度、マグネシウム硬度の計算過程及びその結果(0.1mg-CaCO3/Lまで) ⑥ その他(ゼッケンNo、氏名、学校名等) 7 評価の観点 (1) 作業態度・技術度・完成度 詳細は(2)を参照のこと。 (2) 化学分析部門審査基準 評 価 項 目 評価の観点 実習服(白衣等)は正しく着ていますか。 作業靴は正しく履いていますか。 安 全 (5点) 実験用タオル(手拭き用)を用意していますか。 安全に考慮した身だしなみを整えていますか。 危険を予知した操作をしていますか。 必要に応じ保護具(メガネや手袋等)を着していますか。 廃液等の処理は正しく行っていますか。 実験環境 (5点) 作( 2 業 0 態 点 度 ) 実験台上は清潔に保っていますか。 雑巾で机上を拭いてから始めていますか。 使用する実験器具は指示に従って洗浄していますか。 整理整頓して実験器具は扱っていますか。 迷惑行為・危険行為はしていませんか。 水道水を出したままにしていませんか。 試薬等はこぼしていませんか。 こぼした時は試薬等は指示にしたがい後始末をしましたか。 実験マナー (10点) 器具を破損していませんか。 破損した器具は後始末をしましたか。 清掃(ごみ拾い等)をしましたか。ゴミの処理は指示にしたがい正しくしましたか。 使用した器具は十分に洗浄しましたか(器具は水をはじいていませんか)。 片づけ時、共栓はそのままキャップをしていませんか。 片づけ時、秤量ビンの共栓をそのままにしていませんか。 器具の片づけを指示にしたがい正しくしていますか。 メスフラスコを正しく持っていますか。 メスフラスコ の使用 メスフラスコへ溶液を正しく注いでますか。 標線合わせは正しくしていますか。 標線合わせをするときに標線下部を手で触っていませんか。 溶液は均一になるまで攪拌していますか。 共洗い処理操作は正しくしていますか. 溶液を吸うときは安全ピペッターを使用していますか。 ホールピペット 溶液は吸い込み口まで吸い上げていませんか。 の使用 標線合わせは正しくしていますか。 標線合わせをするときに標線下部を手で触っていませんか。 最後の1滴まで正しく落としていますか。 ( 技3 術0 度点 ) 器 具( 1 ・ 5 機 点 器 類) 液の排出は正しくしていますか。 ビュレットが実験机に対して垂直にセットされていますか。 共洗い処理操作は正しくしていますか。 先端の気泡抜きをしていますか。 ビュレット の使用 ビュレット操作は正しくしていますか。 ビュレット先端の液滴処理をしましたか。 試薬が入った状態では下に受ける容器をおいていますか。 正しく目盛りを読んでいますか。 ビュレットに試薬を入れるときは目線より下で行っていますか。 各器具は正しく取り扱っていますか。 溶液をこぼすおそれのある時はロートを使用していますか。 かきまぜ棒を溶液のついた状態で机等に直接置いていませんか。 その他の器具 同じ実験用ワイパー(キムワイプ等)で何度も拭いていませんか。 や試薬の使用 器具の汚染防止に配慮していますか(器具の先端は廃液ビーカーに触れていませんか)。 洗ビンの先端は器具の壁に付いていませんか。 かくはん棒やピペット、ロート等は転がらないよう配慮していますか。 試薬の計量 取りすぎた(こばした)試薬は指示にしたがい、適切に処理していますか。 電子天秤の扉は閉じた状態で測定していますか。 表示の値が安定してから読み取っていますか。 秤 量( 4 ・ 点 計 量) 秤量ビンは皿の中央に置いていますか。 天秤測定 上皿天秤使用時は薬包紙を敷いて測定していますか。 使用前に天秤のゼロ点等の確認をしましたか。 精秤時に皿の上に薬包紙等をのせて天秤操作をしていませんか。 電子天秤使用前に天秤の水平や扉の開閉等の確認をしましたか。 ( 技3 術0 度点 ) EDTA試薬の 上皿天秤ではかる時にこぼしていませんか。 秤量 一度採取した試薬は試薬ビンにもどしていませんか(指示された容器に戻すのは可)。 試 薬( ・ 3 薬点 品) 類 秤量ビンの試薬はビーカーへ完全に洗い落としましたか。 EDTA粉末試薬は完全に溶解しましたか。 EDTAの調製 ビーカーに付着した溶液はメスフラスコへ洗い落としましたか。 調製後は試薬ビンに移しましたか。 EDTA溶液の濃度変化がないよう配慮していますか。 Ca、Mgの合量は定量範囲に入っていますか。 滴 定 ・( 8 終 点 点 操) 作 全硬度測定 の操作 半滴処理を行っていますか。 測定操作は正しく行っていますか。 終点の色は正しく確認しましたか。 Ca量は定量範囲に入っていますか。 カルシウム硬度 測定の操作 半滴処理を行っていますか。 測定操作は正しく行っていますか(KOH溶液を加えた後、5分置いた後滴定しましたか)。 終点の色は正しく確認しましたか。 EDTAの秤量結果は正しく記入されていますか。 予備試験の結果は記入されていますか。 希釈倍率を求める計算及びその結果は記入されていますか(希釈を要しない場合は結果のみ記入)。 報 告 書 硬度の結果は、全硬度・カルシウム硬度・マグネシウム硬度すべて求めてありますか。 計算結果に単位が記入されていますか。 報告書は見栄えよく記入されていますか。 報告書にその他必要事項が記入されていますか。 完 成( 5 度 0 ・ 点 結 果) ( 完2 成0 度点 ) EDTAの理論採取量は、正しく計算されていますか。 反応式・計算 EDTAのファクターは、正しく計算されていますか。 金属イオンとEDTAの量的関係が記入されていますか。 硬度は正しく計算されていますか。 EDTAの理論採取量や濃度・ファクターは正しい有効数字で表されていますか。 誤差考慮 滴定の平均値は、有効となる3つ以上の滴定の値を使い、正しく計算されていますか。 硬度は正しい有効数字で求められていますか。 試薬の濃度及び名称(化学式)は記入されていますか。 試薬ラベル ファクターは記入されていますか。 調製年月日は記入されていますか。 調製者氏名は記入されていますか。 ( 3 結 0 果 点 ) 測 定 値 所要時間 値が適切か (採点基準表による) 全硬度 カルシウム硬度 マグネシウム硬度 実験は正確かつ迅速であったか ※ 同点の場合は結果が基準値に近い者を上位とする。 それでも決着が付かない場合は競技所要時間のより短い者を上位とする。 ※基準値とは、本大会の方法に則って測定し、その結果に基づいて定め、公表した値とする。 8 <高校生ものづくりコンテスト2016 東北大会(化学分析):競技者用> 試料溶液中の硬度の測定操作方法 高校生ものづくりコンテスト化学分析部門 ブロック大会標準テキスト2015版(キレート滴定法)参照のこと < 操 作 法 > 1 0.01mol/L-EDTA標準溶液の調製 (1) 秤量ビンを精秤する。 (2) EDTA・2Na・2H2Oを約1.0〔g〕を上皿天秤で採取し、その後精秤する。 (3) はかりとったEDTA・2Na・2H2Oをビーカーに移し、秤量ビンに付いたEDTAを純水で完全に洗い落とした後、適量の純水を加え 溶解する。 (4) 250mLメスフラスコに(3)の溶液を全て移し、標線まで純水を加えてキャップをし、溶液が均一になるまで反転する。 (5) 調製した0.01mol/L-EDTA標準溶液を試薬ビン(ポリビン)に移し、ラベルを書く。(調製溶液の名称、濃度、ファクター、調製年 月日及び調製者氏名等) 2 試料溶液の予備試験 (1) ビュレットを0.01mol/L-EDTA標準溶液で共洗いした後、目盛りを0.00mLに合わせる。 (目盛りの最終合わせは、統一テキストに準じ、約30~60秒後に読むこと) (2) 試料溶液5mLを駒込ピペットでコニカルビーカーに採取する。 (3) メスシリンダーを用いて純水を加え、全量を50mLにする。 (4) 塩化ヒドロキシアンモニウム0.5mL、塩化アンモニウム-アンモニア緩衝溶液を1mLおよびEBT指示薬を適量加え、攪拌した 後、0.01mol/L-EDTA標準溶液で滴定をする。試料溶液の色が青になったところを終点とする。 (塩化ヒドロキシアンモニウムの添加は、JISに準ずる。目盛りの最終合わせは、統一テキストに準じ、約30~60秒後に読むこ と) (5) 全硬度を計算により求め、定量範囲に入るよう希釈倍率を決定する。 3 希釈操作 (1) ホールピペットを用いて試料溶液を250mLメスフラスコに採取し、純水を標線まで加えてキャップをし、溶液が均一になるまで 反転する。 4 全硬度の測定 (1) 試料溶液を25mLホールピペットでコニカルビーカーに採取する。 (完全排出は、統一テキストに準じ、試料の排出約15秒後に内部空気の膨張によって行うこと) (2) メスシリンダーを用いて純水を加え、全量を50mLにする。 (3) 塩化ヒドロキシアンモニウム0.5mL、塩化アンモニウム-アンモニア緩衝溶液を1mLおよびEBT指示薬を適量加え、攪拌した 後、0.01mol/L-EDTA標準溶液で滴定をする。試料溶液の色が青になったところを終点とする。 (塩化ヒドロキシアンモニウムの添加は、JISに準ずる。目盛りの最終合わせは、統一テキストに準じ、約30~60秒後に読むこ と) 5 カルシウム硬度の測定 (1) 試料溶液を25mLホールピペットでコニカルビーカーに採取する。 (完全排出は、統一テキストに準じ、試料の排出約15秒後に内部空気の膨張によって行うこと) (2) メスシリンダーを用いて純水を加え、全量を50mLにする。 (3) 8mol/L-KOH溶液4mLを加え振り混ぜた後、5分間放置する。 (4) 塩化ヒドロキシアンモニウム0.5mLを加えて振り混ぜる。 (塩化ヒドロキシアンモニウムの添加は、JISに準ずる。) (5) HSNN指示薬を適量加え、よく攪拌する。 (HSNN指示薬は、時間がたつと終点の変色が不明瞭となる。試料に添加後ただちに滴定を行う) (NN溶液は、添加後1~3分間十分に振り混ぜた後、滴定すること。) (6) 0.01mol/L-EDTA標準溶液で滴定をする。試料溶液の色が青になったところを終点とする。 (目盛りの最終合わせは、統一テキストに準じ、約30~60秒後に読むこと)