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アルマイト印刷の基礎知識 第1回

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アルマイト印刷の基礎知識 第1回
銘鈑などに用いられているアルマイト印刷についての基礎知識を
第1回
ご紹介いたします。技術情報としてお役立て下さい。
アルマイト加工は、1924(大
「アルマイト」とは「アルミニウムの陽極酸化法による表面処理」のこと
をいいます。
正 13)年に、日本の理化学研
究所の植木栄、宮田聡の両氏
により発明されました。
アルミニウムは、そのままの状態でも表面に薄い酸
化皮膜を生成するので、一般的に錆びにくいと言わ
れています。しかし、傷つきやすく、環境の変化にも
弱い金属です。
そのため、表面を保護するために「アルマイト」加工が必要となり、アルミニウムを陽極(+極)で電解
処理して人工的に酸化皮膜を生成させます。この処理によって表面に形成された酸化皮膜は、硬
度、耐磨耗性、耐食性が非常に高くなり、生地とは全く異なり優れた性質を有するようになります。
アルマイト印刷とは、アルマイト皮膜上に感光剤を塗布し、印刷
部分以外の所を感光させ感光していない部分にインクを刷り込
む印刷方法です。
■ メッキとアルマイトの違い■
電気メッキは金属を陰極で電解し、表面を電解液中の金属イオンで還元析出させる処理方法です。
アルマイトはアルミニウムを陽極で電解し、酸化させます。
■ 使用用途■
デジタルカメラ、モバイルプレーヤー、等の外装ボディーパネル。デジタル家電、銘鈑、やかん、弁
当箱等。
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iPodnano のボディーもアルマイト
加工が施されています
アルミ A1050P を使用。サイズ 400W×1200L(標準)をカットして使用します。
※板金使用の A5052P は変色するため、使用不可能です。また、使用できる素材はアルミのみで銅
や鉄は使用できません。アルミニウム以外の金属(鉄、真鍮、ステンレス、etc)は電解液中で溶解し
てしまいます。
アルマイト印刷の特徴は下記の通りです。
フィルムと 1 対 1 のため、原稿そのもので上がってきます。よって、印刷ズレはありませ
ん。
材料の上にインキを載せる印刷方法ではないので、こすったり、溶剤が付着しても印刷
剥がれがありません。
完全に素材の下地が消えないため、アルミの質感が保たれ、高級感がでます。
仕上がりは、「透明水彩絵の具で金属を染めた」ような仕上がりです。
硬度の向上。
耐食性の向上。
さまざまな色に染色可能です。
種 類
特 徴
板地
アルミ素材のままのツヤで仕上がります。
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化学梨地
ツヤを薬品で落としたもの(半ツヤ)程度
ヘヤーライン
板全体に髪の毛のような細いラインを入れたもの
ラインリリーフ
アルマイトエッチングともいいます(凹凸があります)
一般的なエッチングに比べ、アルマイト特有で凹凸どちらにも色を入れる
ことができます。
メリット
1.
2.
デメリット
アルミ材に色素が含浸しているため、イン 1.
アルミ材のみの印刷で、加工後の印刷が出
キがはがれ落ちることがない。
来ない。
写真(原稿)がそのまま印刷出来るため、文
字がつぶれたりかすれたりすることが無く、
2.
色の濃淡を安定させることが難しい。
3.
多色に向いていない。
寸法も狂わない。
3.
写真が版となる為、版代が安価。
4.
金属(アルミ)の光沢を生かした美しい印刷
が出来る。
次回はアルマイト印刷の作
業工程についてご紹介
いたします!
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