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JPPA - 農林水産省
地上防除の農薬飛散対策 社団法人日本植物防疫協会 農薬飛散(ドリフト)とは? • 散布された農薬(粒子)が、目標物以外に 飛散する現象 • ドリフトに伴う問題; ¾ 近隣の住民などとのトラブル ¾ 公共用水域への農薬混入など環境への影響 ¾ 近隣の農作物への影響 JPPA ポジティブリスト制で規制はどうなる? • 残留農薬基準:食品衛生法の食品規格であり、 基準値を超える農薬が検出された食品(農産 物)は流通が禁止 • これまでは基準の定められている農薬と食品 (農産物)の組合せにおいて適用されてきたが、 今後は実質的に全ての組合せが規制対象に • 登録が無い等により基準値が定められないもの には原則0.01ppmという一律基準が適用 • 平成18年5月末から施行 JPPA なぜドリフトが心配? 米(玄米) 1ppm ・・・・ ・・・・ りんご 2ppm ・・・・ ・・・・ ほうれんそう ・・・・ ・・・・ 空欄となっているところに は0.01ppmという一定量が 一律にあてはめられる (一律基準)! 0.01ppmは 超微量! もしも、水田に使用した際に、ほうれん そうにドリフトしてしまったら・・・・ JPPA 不慮の(未使用にもかかわらず)農薬 残留をもたらす要因(可能性) • • • • 隣接農地で散布した農薬がドリフトしてきた 別の農薬が残ったままの散布器具を使用した 農薬に触れた手指などで作物を扱った 栽培土壌中に残留していた別の農薬が影響し た? ・・・・etc JPPA ドリフトの実態 JPPA 散布法別のドリフトの実態(環境省調査) 散布法種別 のべ データ数 ブーム スプレーヤ 75 動噴手散布 6 畦畔ノズル パイプダスタ スピード スプレーヤ 圃場からの距離別の検出頻度 調査方向 5m 10m 20m 30m 40m 50m 風下 68/71 63/71 48/65 2/7 2/2 2/2 非風下 2/4 1/4 0/2 風下 5/6 3/5 1/4 風下 8/8 7/8 0/4 非風下 1/1 1/1 風下 1/1 1/1 1/1 風下 20/20 18/21 16/20 12/15 9/11 5/6 非風下 9/18 4/17 1/15 1/15 0/4 9 1 39 出所:環境省による委託調査結果(平成10∼16年度)から作成 検出頻度:検出データ数/調査データ数 JPPA 代表的な地上散布法のドリフト率 圃場からの距離別のドリフト率(%) ブームス プレーヤ スピード スプレーヤ 5m 10m 20m 95パーセンタイル・ワースト値 1.44 0.40 0.09 50パーセンタイル値 0.08 0.03 0.01 95パーセンタイル・ワースト値 15.67 6.32 50パーセンタイル値 1.07 0.39 0.13 0.05 0.02 0.02 1.33 30m 40m 50m 0.57 0.29 0.16 出所:環境省による委託調査結果(平成10∼16年度)から作成 ・ドリフト率とは1㎡当たりの理論散布量に対する各距離での1㎡当たりの落下量の割合 (%) ・風下側のみのデータを解析対象とし、平均風速が4m/sを超える事例は除いた。スピード スプレーヤの40m及び50mの50パーセンタイル値は推定値。 ・これらの調査の中には実際の農地よりもドリフトしやすい条件も含まれているため、幾 分割り引いて認識する必要があるかもしれない。 JPPA ドリフトの特徴1 風の影響を強く受ける • 試験例 距離別ドリフト率(%) 風速(m/s) Ⅰ 1.0 Ⅱ 4.6 Ⅱ/Ⅰ 3m 5m 10m 20m 0.077 0.030 0.013 0.005 3.709 0.607 0.134 0.046 48.2 20.2 10.3 9.2 (ブームスプレーヤ) JPPA ドリフトの特徴2 散布法によって異なる 実圃場での散布法別のドリフト(同一農薬) 飛散落下量(mg/㎡) 100 スピードスプレーヤ 10 1 0.1 ブームスプレーヤ 0.01 手散布 0.001 5m 10m 15m 20m 30m 40m 50m 圃場境界からの風下側の距離 日植防研,1999 JPPA 散布法でドリフトが異なる理由 散布位置・方向 到達力 散布量 上方に 水平に 風 下方に① 下方に② JPPA ドリフトの特徴3 同じ散布法でも場所ごとに毎回異なる ブームスプレーヤ/風下5m地点でのドリフト率の分布 1%∼10%未満 0.1%∼1%未満 0.01∼0.1%未満 0.01%未満 0 環境省調査結果から作成 5 10 15 20 25 30 例 JPPA ドリフトの特徴4 ドリフトは不均一である JPPA 散布法とドリフト 10m 20m 50m JPPA ドリフトに関与する要因 風 速 風速が強いほどドリフトは大きくな り、遠くまで到達する 散布法の種類 ・小規模な手散布<効率的な手散布<大型 散布機 ・下に向けた散布<上に向けた散布 ・粒剤<微粒剤<液剤<粉剤 散布粒子の大きさ 散布量 粒径が小さいほどドリフトしやすい ・除草剤<<殺菌剤・殺虫剤 散布量が多いほどドリフト量は多く なりやすい ・水稲<野菜<果樹 JPPA ドリフトによる近接作物残留の事例 JPPA 風下に設置した作物からの農薬の検出事例 散布法 作物 経過日数 圃場からの距離別の作物残留濃度(ppm) 2m 0.31 (0.10%) 0.16 0.04 2.56 (9.65%) 1.06 0.52 0.64 (2.13%) 0.39 0.19 5m 0.19 (0.04%) 0.10 0.02 0.22 (0.15%) 0.32 0.02 10m 20m 50m 散布直後 0.13 (0.02%) ブームスプ ほうれんそ レーヤ う 1日後 0.04 2日後 0.01 散布直後 0.14 (<0.13%) ブームスプ こまつな レーヤ 1日後 0.16 3日後 0.01 散布直後 0.36 0.24 (0.77%) (0.21%) ブームスプ こまつな レーヤ 1日後 0.10 0.06 3日後 0.06 0.02 散布直後 0.79 0.04 <0.01 (1.38%) (0.17%) (<0.002%) スピードス こまつな プレーヤ 1日後 0.74 0.03 3日後 0.70 0.03 出所:環境省による委託調査結果(平成15年度)から作成。 ( )はドリフト率を示す。 JPPA 手散布のドリフトによる作物検出事例 作物 ドリフト元 5m、風上 こまつな (全農2005) 17m、風上 経過日数と検出濃度 1.06ppm 翌日 7日後 0.06ppm 翌日 0.03ppm 7日後 <0.01ppm もも 4.5m、隣接樹 直後 0.6ppm(外皮) うめ 9m、近隣樹 翌日 0.1ppm きゃべつ 3m、近隣区 0.1ppm 茶 隣接畝 翌日 7日後 0.2ppm(荒茶) JPPA 2種類の葉菜類におけるドリフト程度別の作物残留 チンゲンサイ ドリフト の程度 A農薬 キャベツ B農薬 A農薬 B農薬 1日後 7日後 1日後 7日後 1日後 1日後 多 0.47 0.06 1.95 1.23 0.08 0.24 少 0.02 <0.01 0.09 0.04 <0.01 0.01 極少 <0.01 <0.01 0.01 <0.01 <0.01 <0.01 日植防研(2005)。単位はppm。ゆるやかな気流のもとでA剤とB剤を混用散布 し、風下側の同一距離に2種類の作物と感水紙を設置して調査。B剤はA剤の4 倍の有効成分量である。表中の「多量のドリフト」は散布区域内に近い状態、 「少量のドリフト」とは散布圃場近隣でかなり一般的にみられる状態、である。 JPPA 残留濃度の影響要因 ドリフト量が多いほど濃度は高くなる 残留濃度(ppm); 時間経過とともに分解・消失 →収穫に近い時期ほど濃度は高くなる 農薬量(mg) 作物(可食部)の重量(kg) 重量が軽いほど濃度は高くなる 成長して重量が増加するほど濃度は低くなる 可食部に直接ドリフトが及ぶものほど濃度は高くなる JPPA 検出されやすい 軽量な葉菜類 こまつな、葉ねぎ、等 根菜類の葉 だいこんの葉、等 さやも食べる豆類 えだまめ、さやえんどう等 軽量・小型の果実 うめ、すもも等 ピーマン、ししとう等 果菜類 検出されにくい なす、きゅうり等 皮も分析する果実 かんきつ、ぶどう等 皮を分析しない果実 みかん、もも、すいか等 外皮に覆われた作物 稲、麦、大豆等 地下部にある作物 いも類、根菜類の根部等 JPPA ドリフト量と作物のタイプによる基準値超過のイ メージ(収穫に近い時期にドリフト受けた時) 感水紙の付着 イメージ 検出されにくい作物 有効成分が 多い農薬 有効成分が 少ない農薬 検出されやすい作物 有効成分が 多い農薬 有効成分が 少ない農薬 × ▲ × × ○ ○ × ▲ ○ ○ ○ ○ ケース・バイ・ケースなので一概に言えないが・・・・ わずかでもドリフトしたらアウトという訳でもない JPPA 位置による ばらつき ドリフト 収穫物。色は残留レベルのばら つきを示す(イメージ) ドリフト 近接圃場全てが 同等に汚染され る訳ではない JPPA 近接作物残留リスクを高める主な要因 要因 位置 条件 主なポイント 散布圃場に近い 散布圃場に近づくほどドリ フトを受ける確率・量は大 きくなる 近接作物の 残留農薬が検出さ 種類 れやすい 軽量である、可食部に直接 ドリフトが及ぶ、など 近接作物の収穫に タイミング 近い時期に散布 収穫までの間に残留濃度の 十分な減衰が期待できない 残留農薬として検 出されやすい 有効成分投下量が多い、近 接作物における基準値が低 い。 農薬の種類 JPPA 何日経過したら安全になる? 残留濃度 グラフの傾き=残留濃度の減衰速度 傾きは、農薬・作物・気象条件に よって大きく異なる 初期値=ドリフト量 結 論 何日経過したら安全 になるかは判断でき ない! ドリフト量は圃場・風 速条件・距離等によっ て千差万別であり、し かも確認手段が無い 0.01ppm 日数 しかし、ドリフト量が 少なければ、葉菜類で は1週間あれば安全圏 になる場合が多いので はないか? さて・・・対策をどう考えるか 対策を考えるに当たって • • • • • 散布法によってドリフト・リスクは異なる ドリフト発生は毎回異なる 近接作物の種類や時期によってリスクは異なる それぞれの現地で状況は異なる ゼロ水準まで至らなくとも済む場合も 対策の必要度や方策は画一的ではない JPPA 対策の必要度の判断 散布法 近接作物 タイプ 位置 タイプ 収穫時期 検出され やすい 検出されに くい 近い 遠い 軽度の対策 で十分 積極的な対 策が必要 農薬の「基準設定内 容」や「検出されやす さ」も影響 ドリフト小 遠い 徹底した対 策が必要 対策の必要度 ドリフト大 近い JPPA 対策のイメージ① 果樹Aの近接圃場で葉菜類Yが栽培されている・・・・・ 葉菜類Y 収穫 果樹A 2週間 2週間 2週間 2週間 2週間 レベルⅠ:基本に留意して散布 レベルⅡ:積極的にドリフト低減に留意 レベルⅢ:徹底したドリフト対策に留意 収穫期を知る 上でも近接作 物栽培者との 連携が必要! JPPA 対策のイメージ② 葉菜類Xの近接圃場で葉菜類Yが栽培されている・・・・・ 葉菜類Y 葉菜類X 収穫 収穫 レベルⅠ:基本に留意して散布 相互に対策を共有 するためにも近接 栽培者同士の連携 が必要! レベルⅡ:積極的にドリフト低減に留意 レベルⅢ:徹底したドリフト対策に留意 JPPA 対策の概要 ドリフトを減らす対策(散布法の改善) • 基本的な散布操作の励行 • より積極的なドリフト低減散布法 補完的な対策(散布法以外の対応) JPPA ドリフトを減らす対策(散布法の改善) 基本的な散布操作の励行 • • • • 風が弱い時に風向に気を付けて散布する 散布の位置や方向に注意する 適切なノズルを用いて適正な圧力で散布する 適正な散布量で散布する 積極的なドリフト低減散布法の採用 • ドリフト低減ノズルの使用、など JPPA 基本的な散布操作 ① 風が弱い時に風向に気を付けて散布する 2.0 m/s 1.0 m/s 0.5 m/s 1分間噴霧 3m風下地点 JPPA 基本的な散布操作 ② 散布の方向や位置に注意する 作物を飛び越えたり、 突き抜けを少なく × × 圃場の端部での 散布操作にとく に注意する! ○ ○ 風向 散布は作物 の近くから 正確に! 圃場中央部か らのドリフト 圃場端部から のドリフト JPPA 基本的な散布操作 ③ 適切なノズルを用いて適正な圧力で散布する 平均粒径 ドリフト大 50μm 100μm 粒径が小さいほどド リフトしやすくなる ドリフト小 慣行ノズルも様々。 細かすぎるノズルは なるべく使用しない。 ノズルA 1.5 80 1 60 40 0.5 20 0 流量(L/分) 平均粒径(μm) 100 散布圧力を高 めるほど微細 になる! 0 0.5 1 1.5 2 圧力(MPa) 3 JPPA 基本的な散布操作 ④ 適正な散布量で散布する ドリフト量は散布量にほぼ正比例する! 適正散布量を超えた散布は無意味! 防除効果 この部分はほとんど 付着に寄与しない 散布量 適正散布量 JPPA 基本的散布操作の励行によるドリフト低減・例 ドリフトに配慮しない手散布 背負い動噴・環 状3頭口ノズル ドリフトに配慮した手散布 低圧、作物体の近くか ら慎重に散布、端部で はとくに注意して散布 高圧・フルスロットル、 作物体から少し離れた 位置から無造作に散布 ●3m ●2m ●1m ●1m ●2m ●3m 平均風速 0.7m/s 平均風速 0.9m/s ●1m ●2m ●3m JPPA ドリフトとは違うが・・・・ 散布機具の洗浄 も重要! A農薬が1%残ったまま・・・・ タンク B農薬を調製して別の作物に散布した タンク内 の残液 A農薬の1%ドリフトを受けた場合と同じ ホース内の残液 次回散布開始時に そのまま散布! JPPA 積極的なドリフト低減散布法 ドリフト低減ノズルを使用する 粗大粒径ノズルのドリフト低減効果(日植防研2005) 450 600 ドリフト指数 平均粒径 ドリフト指数 350 500 300 400 250 300 200 150 200 100 100 50 0 0 粗 粗 粗 粗 慣 慣 大 大 大 大 行 行 ル ノズ ル ノズ ル ノズ ル ノズ ル ノズ ル ノズ D C B A B A 空気を混入したタイプが主流。 海外でも同様。 平均粒径(μm) 400 ドリフト指数:風下一定範囲へのドリフト量の相対比。慣行ノズルBを100として表示。 JPPA 慣行ノズル ドリフト低減ノズル 散布粒子を大きくすると・・・・ 粒子数 平均粒径 微細 粒径 粗大 噴霧液が直接当たる部位には十 分な付着 噴霧液が届きにくい部位には付 着むらが起きやすい 噴霧液が届かない部位(葉裏な ど)にはわずかしか付着しない 病害虫によっては、これまでより効果が落ちる可能性も? JPPA 粗大粒子の防除効果/手散布 ◆野菜に対する防除効果(日植防研2004) ノズル きゅうりワタアブラムシ 平均粒径 A農薬 タマネギべと病 C農薬+展着剤 B農薬 (μm) 3日後 6日後 12日後 3日後 6日後 12日後 無し 加用 慣行 117 3.7 1.4 1.6 0.0 0.0 0.8 52.1 59.5 粗大 320 13.3 7.0 3.9 0.0 0.0 0.5 78.5 67.8 浸達性:A農薬<B農薬 散布量は同等 数値は補正密度指数(無処理区100) 散布量は同等 数値は 防除価(無処理区0) ◆果樹に対する防除効果(日植防研2004) 平均粒径 ノズル (μm) りんご すす点・ すす斑病 キンモン ホソガ 慣行 58 100 87.5 粗大A 210 100 89.3 粗大B 474 100 85.7 散布量は同等 数値は防除価(無処理区0) 手散布では、ていねいな散布を行えば、 付着ムラをカバーでき、遜色ない効果 浸達性にすぐれる農薬を使用すればさ らに効果は安定 展着剤を無闇に使用すると、逆効果に なることも JPPA 粗大粒子の防除効果/ブームスプレーヤ 作物 粒径 病害虫 アオムシ 粗大A 粗大B 粗大C 粗大D 140-170 210-280 270-330 320 △∼○ △∼○ ○ ブロッコリー○ △∼○ ○ △∼○ ▲∼△ キャベツ コナガ △∼◎ △∼○ △∼○ △∼○ ○ ブロッコリー△ ○ ウワバ ○ ○ ブロッコリー△ ハスモンヨトウ ▲ ▲ ▲ ネギ アザミウマ △ △ タマネギ アザミウマ ○ △ バレイショ アブラムシ 慣行より △∼○ ▲劣る、△やや劣る、○同等、◎優る 画一的な散布となるブームスプレーヤでは、効果が劣ることも 効果の高い農薬を使用する、慣行ノズルと使い分ける、などの工夫 JPPA 粗大粒子の防除効果/スピードスプレーヤ • 数種類の粗大粒径ノズルをりんご、なし で検討中 • 送風量との関係もあり、ノズルの防除効 果の評価は簡単ではない • ハダニなどで効果得にくい傾向だが、他 の病害虫では、付着ムラが少なければ遜 色ない防除効果が得られる傾向 • 的確なノズル配列に留意 • 効果低下を補う対策:補完手散布、慣行 ノズルとの使い分け、etc JPPA 対応可能な対策レベル レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ 基本的散布操作の励行 ドリフト低減ノズルの使用 別の対策 で補完! さらなる散布法 の改善も必要 JPPA SSはセッティングの見直しから 送風量の違いと散布液の舞い上がり(なしSS) 465 260 0 上方への舞い上がりは 風下遠方まで到達 2.5m 3.5m 4.5m 5.5m 水平方向への強い 噴霧は樹間を突き 抜けて近接作物に 大量に付着 ノズルの配列と送風量 が重要! JPPA 積極的なドリフト低減散布法 スピードスプレーヤの場合 端列散布にはとくに注意し、送風 を停止することも考える ノズルの適正な配列に留意 ドリフト低減ノズルも検討 旋回時に外側噴霧 を確実に止める 送風量を減らせば危険域は減る! JPPA 補完する対策が必要な場合とは 果樹Aの近接圃場で葉菜類Yが栽培されている・・・・・ 葉菜類Y 収穫 果樹A 2週間 2週間 2週間 2週間 2週間 レベルⅠ:基本に留意して散布 レベルⅡ:積極的にドリフト低減に留意 レベルⅢ:徹底したドリフト対策に留意 JPPA 補完対策-1• 近接作物の収穫を先に行う • 農薬散布を遅らせる 収穫 JPPA 補完対策-2• 散布農薬を変更する・・・・近接作物にも登録 (基準値)のあるものを使用する 栽培全期間を通じた対策としては無理 • ドリフトしにくい剤型の農薬を使用する JPPA ネットの使用 補完対策-3ドリフト低減率 低減率(%) 被覆面積率29% 被覆面積率42% 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 風速1.5m 風速3.0m 4mm目 2mm目 1mm目 支柱設置コスト大きい 被覆面積率65% 通気性のよいネットは注意 十分な高さを確保する JPPA 補完対策-4• 一時的にシートなどで覆う • 最低限の緩衝区域を作る • 境界近くは散布しない JPPA 粉剤(DLを含む)対策は? ●弱い風でもドリフトする。 ●二次的なドリフトも。 風の無い早朝に散布する。流し散布は行わない。パイプ ダスタの取扱はことさら慎重に。飛散粒子の行方を確認 JPPA 粒剤を導入するなどし、粉剤の使用頻度を減らすことも。 水田の防除対策 水稲農薬は他作物への登録は少ない・・・・ 葉菜類 収穫 水田 このような時期 には粉剤はなる べく使用しない 使用する場合は補完対策 も含めて十分な注意を! JPPA 粉剤のドリフト低減の試み カーテン付きパイプダスタ試作 JPPA 無人ヘリのドリフトと対策 1滴中の農薬量 は地上防除の約 100倍! ◆地域の連携:散布圃場周辺の近接作物マップの作成など ◆基本を守ったオペーレション(風速・風向に注意、低空 飛行、フレア低減、平行散布など) ◆オペレーターの研修 日植防シンポジウムにおける農林水産航空協会の発表を要約 JPPA 対策推進に何が重要か? • 個々の散布者にドリフト・リスクを伝え、 • 使用している散布法のドリフトを実感し、 • ドリフトを減らす散布のコツを伝え、実践 研修会やデモ散布 • ドリフト・リスクの一層の低減策・回避策を比 較検討し、必要度に応じ、可能かつ適当な方策 を併用 JPPA おわりに ◆ポジリスト制に対する不安 多くの生産物が一律基準に抵触するのではないか これまでの検査結果では、農薬が検出され る割合は非常に低い ドリフトは完全に防止できないし不可抗力も起き得る 対策の必要度を整理し、講じるべき対策を冷 静に整理 ◆ドリフトの少ない散布への転換は社会的な要請 ◆安心して散布できる散布技術の開発も必要 JPPA