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一般演題(1) 座長 井川 修(鳥取大学循環器内科) 1. 埋込み型除細動
一般演題 ( 1) 座長 井川 修( 鳥取大 学循環 器内科 ) 1. 埋込み型 除細動 器 ポケッ ト部 の皮膚壊 死 に対 し、 左 腋窩部前 鋸筋筋 膜下 に除 細動器 を再 留置す るこ と により 対応 できた一 例 三重大学大学院医学系研究科 循環器内科学 杉浦伸也、藤井英太郎、千賀通晴、玉田浩也、中村真潮、伊藤正明 症例は 82 歳男性。陳旧性心筋梗塞に伴った持続性心室頻拍に対して、2007 年 4 月に埋込み型 除細動器(ICD)移植術が施行された。その後経過良好であったが、2008 年 1 月頃よりポケット外 側に掻痒感および発赤が出現し、ポケット部の腫脹も認めるようになり近医受診。ポケット部皮膚の 菲薄化およびポケット内部の fluid 貯留が認められ、精査・加療目的にて 3 月 25 日当科紹介入院 となった。発熱はなく、ポケット部下端外側部皮膚の菲薄化と色調変化を認めたが、熱感はなく、 WBC 4450/μl、CRP 0.03mg/dl と炎症所見はなく、血液培養も陰性であった。3 月 31 日にポケ ットを切開し内部を検索するに、淡黄色透明の滲出液貯留を認めた。塗抹・培養および PCR 検査 はいずれも陰性であったため、感染よりも ICD による物理的な圧迫が皮膚壊死を引き起こしたもの と判断した。ICDを取り出したのち、ポケット内をデブリードメントしてポケット内およびジェネレータ ーを生食で十分洗浄した。その後、ICD とリードの接続を一旦外した。ポケットとリード刺入部の間 を縫合しリードをポケットから隔離した。左腋窩の十分皮下組織の厚い部位に切開を加えて前鋸筋 の筋膜下にポケットを作成した。同ポケットからリード刺入部にかけて皮下トンネルを作成しリードを 腋窩のポケット内へ誘導し ICD と接続し留置した。透視でリードの走行異常がないことを確認しリ ードをスリーブを用いて胸壁に固定した。ICD チェックを施行し問題がないことを確認し、腋窩のポ ケットおよびリード刺入部の皮膚縫合を施行した。最後に左鎖骨下部のポケットの皮膚壊死部をデ ブリードメントし開放創として手技を終了した。術後、ICD 留置部位に明らかな感染徴候なく、開放 創もほぼ閉鎖した状態まで改善した。また再留置 1 週間後の ICD チェックに問題なく、除細動閾 値は 10J であった。 2. SVC 欠 損型 PL SVC の慢 性心房 細動合 併完 全房室 ブ ロック に対 し両 室ペー シング を 行った 1 例 荻窪病院 心臓血管センター 循環器科 遠田 賢治、辻 晋也、井上 康二、山田 綾子、石井 康宏、藤井 奨、澤 重治 症例は 77 歳男性。平成 7 年高度房室ブロックから完全房室ブロックとなり、平成 8 年より慢性心房 細動を合併、心不全に対し利尿剤投与されていた。平成 20 年に心不全悪化し当院入院となった。 心エコーにて心機能は正常であったが、冠静脈洞の拡大を認め、PLSVC が疑われた。ペースメ ーカー植え込み手術を行った。PLSVC を疑い、植え込みは右側より行ったが、ガイドワイヤーが 左上大静脈へしかいかなかった。造影を行うと右上大静脈欠損型であった。そのため、左側からの アプローチへ変更した。左側より左上大静脈 冠静脈洞経由で右室へリードを挿入した。ガイドワイ ヤーが冠静脈洞内で冠静脈側壁の枝に入るため、冠静脈側壁へ通常のリードの挿入を試みたとこ ろ、リードの挿入が可能であり、留置できた。そのため、通常のペースメーカーの心室、心房ポート を使用し両室ペーシングを行った。術後は利尿剤なしで心不全コントロール可能となった。 3.冠静 脈洞左 房開口 に対し 心外膜 リード を挿 入し心室 再同期 を達成 した一 例 青梅市立総合病院 循環器科 中村知史、白井康大、鈴木麻美、大坂友美子、大西健太郎、栗原顕、小野裕一、澤田 三紀、清水茂雄、大友建一郎 症例は 80 歳女性、約半年の間に 4 回の非代償性心不全を繰り返し、その都度挿管管理をし た。状態改善後に施行した心電図では間欠性の完全左脚ブロックを呈しており、組織ドプ ラ心エコーでは左室のび慢性壁運動低下と左脚ブロック出現時の同期不全を認めた。冠動 脈造影では左回旋枝の側副血行路の発達が良好な慢性完全閉塞と、右冠動脈末梢の中等度 から高度の狭窄を認め、虚血性変化と、慢性的な高血圧による心筋障害が基礎にあり、左 室同期不全が病態を修飾していると考えられた。代償不全に陥るときは常に左脚ブロック 波形を呈していた。 積極的な薬物治療を継続しても代償不全に陥る心不全を繰り返すことを抑えることができ ず、心室再同期療法の適応と考えた。経静脈的アプローチによる左室リードの挿入を試み たが、冠状静脈洞に専用シースを挿入しえず、断念した。冠動脈造影の静脈相では冠静脈 の還流異常がみられた。 後日施行した冠静脈 CT では冠静脈の左房への還流を認めた。 左室リードは経胸腔鏡的に心外膜に留置し、右房リードと右室リードはその後経静脈的に 挿入し、心室再同期を達成した。QRS 幅の良好な短縮と心収縮力の改善を認めた。 患者はその後代償不全に陥ることなく安定して外来通院をされている。 検索の限りでは、左上大静脈遺残に合併する例や冠静脈天井部の形成不全により両房に開 口し、結果として心房中隔欠損症様の血行動態を示す例などの報告は散見されるが、他に 解剖学的異常を認めない冠静脈単独の開口異常として稀有な例であった。 また、間欠的左脚ブロックにて生ずる同期不全に対しても再同期療法が有効であった一例 であり報告する。 一般演題 ( 2) 座長 新田順 一( さいた ま赤十 字病院 ) 1. 心室中隔 ペー シン グ を試み たスクリ ュー インリ ード が右室自由 壁 を穿孔 した一 例 1) 群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学 2)老年病研究所附属病院 入江忠信 1)、金古善明 1)、中島忠 1)、齋藤章宏 1)、太田昌樹 1)、加藤寿光 1)、飯島貴史 1)、間仁田守 1)、伊藤敏夫 1)、秋山昌洋 1)、谷口靖広 1)、倉林正彦 1)、天野 晶夫 2)、高玉 真光 2) 84 歳、女性。主訴:労作時息切れ。既往歴:数十年前から高血圧にて加療中。現病歴:平成 20 年 5 月より労作時息切れを自覚し、完全房室ブロックの診断で近医より紹介された。心拍数 34/分の 房室接合部補充調律であった。同日、DDD ペースメーカーの植え込みを行った 。左鎖骨下静脈 を穿刺し、心室リードを右室中隔のスクリューインした(心室リード:Medtronic 社 CAPSURE FIX NOVUS 5076-52cm)。心室中隔へのスクリューインは、左前斜位にてリードが後方を向い ていることで確認した。術後 6 日の胸部 X-P にて心室リード先端が左側に変移しているように見え たが、ペースメーカチェックでは問題がなく、術後 11 日に退院した。同日、自宅にてこたつから立 ち上がろうとした際にブチッと音がして左前胸部の激痛が出現し、軽減しながら数日間持続した。 その3日後に近医を受診し、胸部 X-P にて心室リードが左肺野に突出しており、リード穿孔の診断 にて入院となった。胸部 CT では、心室リードが右室自由壁を穿孔し、先端は肋骨まで達していた が、リードは前縦隔内に限局しており肺の損傷はなかった。心エコーでは、心嚢液の貯留はなかっ た。この時に房室ブロックはなかったが、心室ペーシング不全を生じていた。緊急に一時的ペーシ ングを施行した。入院翌日に、開胸術の待機下に、経胸壁心エコーにて観察しながら非開胸下に 心室リードを用手的に引き抜いた。30 分間心嚢液の貯留がないことを確認後にタインドリードを右 室心尖部に留置した。2 回目の手術後 11 日目に経過良好にて退院となった。本例は、心室中隔 ペーシングを試みるも、実際には右室自由壁にスクリューインされていたことが一因でリード穿孔を 生じた稀な症例である。心室中隔への留置の確認をいかにおこなうか、を問題提起する症例と考 え報告する。 2. 右室スク リュー インリ ード による胸膜 炎と考 えら れた 1 例 荻窪病院 心臓血管センター 循環器科 心臓血管外科 遠田 賢治、辻 晋也、井上 康二、山田 綾子、石井 康宏、藤井 奨、澤 重治 症例は 74 歳女性。近医より平成 20 年 4 月完全房室ブロックのため、当院紹介受診となる。4 月 7 日 DDD ペースメーカー植え込みを行った。右室リードは中隔にスクリューインした。閾値が 2.0V と やや高かったものの、QRS が narrow であったため留置した。術後特に問題なく退院となったが、 5 月 1 日徐脈のため来院となった。ペースメーカチェックにて閾値の上昇、胸部レントゲンにて左側 胸水を認めた。リードのトラブルと考え、入院の上再手術を行うこととした。胸痛、呼吸苦などの症状 は認められなかったが、採血にて CRP13 と高値であり、37.3 度の微熱も認めたため、胸膜炎と考 えられた。抗生剤投与を行ったところ、熱も改善し、CRP も低下した。そのため、5 月 19 日リードの 再挿入術を行った。RV リードが右室自由壁からスクリュー部分が穿孔している可能性を考え、抜 去も検討したが、タンポナーデの危険も考えられたため、スクリュー部を収容するのみとし、新たに リード挿入を行った。その後は胸水も減少し、微熱も認められなくなったため、退院となった。 3. ショックリ ード が関与 した縦隔 洞炎 に対し レー ザ ーシース によるペー スメー カー リード抜 去術 をお こ なった 1 例 1)山田赤十字病院 循環器科、2)山田赤十字病院 臨床検査室、3)東京女子医科大学 循 環器内科、4)東京女子医科大学 心臓血管外科 1)坂部 茂俊、1)笠井 篤信、1)佐藤 雄一、1)大村 崇、1)山中 崇、1)説田 守道、2)戸 上奈央、3)真中 哲之、3)庄田 守男、3)萩原 誠久、4)斎藤 聡、4)東 隆、4)黒澤 博身 症例 40 歳台男性。既往歴:高度肥満、2 型糖尿病。2007 年 1 月に肺水腫で A 病院に入院。慢性 心房細動、拡張型心筋症と診断され薬物コントロールをうけたが改善に乏しいため CRT 目的に当 院に紹介された。2007 年 6 月に CRT-D 移植(GUIDANT CONTAK RENEWAL4)をおこなった。経過は良 好でエコーの計測でも左室機能に改善が認められたが 2008 年 1 月にペースメーカポケット感染を 発症した。高熱を伴い、血液培養では Staphylococcus epidermidis が検出されたが、デバイス本体 抜去、心房リード、左室リード抜去および抗生剤投与で治癒した。しかし右室リード(ENDOTAK ENDURANCE EZREF:0154)はショックコイルが上大静脈に強固に癒着し抜去できなかった。左室が reverse remodeling され、さらにアミオダロン投与により洞調律を保っていたためデバイスの再埋 込はせず経過をみた。しかし 6 ヵ月後に発熱と前胸部痛を訴え外来受診した。CT 上胸骨裏の脂肪 組織に炎症所見を認め縦隔洞炎と診断した。病変はショックコイルが上大静脈に癒着した部位とも 一致した。血液培養では前回同様に Staphylococcus epidermidis が検出された。抗生剤を投与し 解熱したがこの残存リードを抜去する必要があり東京女子医大に依頼した。2008 年 9 月 4 日に全 身麻酔下に DVX 社のエキシマレーザ心内リード抜去システムを用い手術を施行、無事リードは抜 去された。上大静脈での癒着があるリード抜去は外科的手技が困難で、レーザーシースによるペ ースメーカーリード抜去術は有効な治療法と考えられた。 一般演題 ( 3) 座長 須賀 幾( 自治医 科大学 付属 さいた ま医療 セ ンター) 1. IC D 本体 交換時 にリー ド接続 部 の取 り外 し に難渋 した症例 ∼ IC D 本体とリ ード は 同 一メー カー を使用する 必要 があ る のか?∼ 国立循環器病センター 心臓血管内科 岡村英夫、山形研一郎、河田宏、野田崇、里見和浩、須山和弘、清水渉、栗田隆志、相原直 彦、鎌倉史郎 【症例】59 歳男性。拡張型心筋症に伴う低心機能と持続性心室頻拍により 2006 年 7 月に dual chamber ICD の植込みが行われた。(ICD: SJM V-243, V lead: Medtronic 6949, A lead: SJM 1642)。2007 年 7 月に心室頻拍による ICD の頻回作動で緊急入院となった。入院後も心室 頻拍のコントロールに難渋し、ICD の頻回作動を繰り返した。7 月 21 日に 3.15V であった電池電 圧は 8 月 20 日には 2.7V へ低下し、9 月 3 日には ERI である 2.45V を下回り電池電圧の計測は 不可能となった。同日緊急に本体交換を施行したが、RV IS-1 ポートからリードを取り外す際に異 常な抵抗があり、ドライバーピンのシリコンシールドを抜去して直接リードを押し出しながらリードを 引き抜くことで、かろうじてリードを取り外すことが可能であった。新しい本体へのリード装着時も RV IS-1 ポートへのリード挿入は硬く、ICD 本体のポート径とリード径のわずかな違いが背景にあるも のと考えられた。 【考察】現在のリードは IS-1 規格として定められた国際規格に則り設計されている。しかし、規格内 誤差やシリコン素材の違いなどによりメーカー間でわずかな相違が存在する可能性がある。ICD リ ードは最近でも不具合報告が散見され、ICD 本体とは異なるメーカーのリードを組み合わせること は珍しいことではない。本症例の ICD 本体とリードの組み合わせで交換を行ったのは我々にとっ て1例目であったが、今後同様の問題が発覚する恐れがある。各社 ICD 本体とリードの組み合わ せにおけるリード装着時の抵抗について、我々の経験をふまえ報告する。 2. Op en he ar t CR T D, CAB G 術後 、Vf stor m により急速 電池消 耗 をきた し救命 出来 なか った 虚血性 心筋症 の一例 北里大学医学部心臓血管外科学 井上 信幸、 須藤 恭一、 入澤 友輔、 田中 佑貴、 板谷 慶一、 友保 貴博、 柴田 講、 鳥井 晋三、 宮地 鑑、 小原 邦義 症例は 65 歳女性。25 歳時に SLE に罹患しステロイド療法を開始した。平成 17 年 9 月に心電図 異常および低心機能(LVEF23%)を指摘され、心不全症状が出現したため心臓カテーテル検査 を施行したところ、二枝病変を認め PCI を施行した。平成 20 年 8 月 12 日突然意識消失し、救急 隊要請したところ Vf を認めたため、除細動を行い当院搬送となった。 緊急心臓カテーテル検査 にて三枝病変を認め、低心機能より虚血性心筋症と診断された。低体温療法の後に待機的手術 の方針とするも、経過中再度 Vf を生じたため虚血解除が必要と判断し、準緊急 CABG および Open heart CRTD を施行した。人工心肺からの離脱が困難であったため、IABP を挿入し離脱 を図った。離脱後血行動態は何とか維持されるも頻回な Vf を生じ、CRTD による除細動が繰り返 し行われた。術後造影にてバイパスは問題なく、冠動脈残存狭窄に対し PCI を施行するも Vf storm は続いた。CRTD は作動し続け、急速に電池消耗をきたし、術後 8 日目に永眠された。 3. AF su p pre ssion 機能 の作 動 により 誘発 された P M T の1例 産業医科大学 循環器・腎臓内科 河野律子、安部治彦、長友敏寿、近藤承一、尾辻 豊 【背景】ペースメーカには高率に心房ペーシングを行ない、発作性心房細動を予防する機能があ る。AF suppression も同機能の1つであるが、その作動によって引き起こされたペースメーカ起因 性頻拍(pacemaker mediated tachycardia: PMT)が確認できた症例を報告する。 【症例】77 歳、男性。高度房室ブロックのためペースメーカ植込み後である。設定は、DDD, LRL 50ppm, URL 110ppm, AVI 250ms, PVARP 250ms, PVAB 165ms, AF suppression ON, PMT option OFF の状態であった。安静時に室房伝導は認められなかった。AT/AF detection にて Atrial High Rate Episode として記録された心内心電図記録では、心房性期外収縮により AF suppression が作動し、心房ペーシングレートが上昇し上限レートに至っていた。同時に、心 室ペーシングが行われ、室房逆伝導が認められるようになった。逆伝導した P 波は、初め PVARP 内に収まっていたが、徐々に室房伝導時間が延長し、PMT に至っていた。 【考察】AF suppression によるレート上昇の影響により、逆伝導時間が延長し、PVARP を脱した ため PMT となった稀な症例である。今回は、自己脈の出現により自然停止したが、レート上昇時 に延長した室房伝導時間よりも更に長い PVARP の設定や、あるいは安静時に室房伝導がなくて も PMT option を予め入れておくことが必要と考えられた。 4. ありふ れた不 整脈記 録と思 われ る心内 心電図 を解 析した結 果、 設定変 更 を必要 とし た 2症例 1)日本ライフライン㈱ 浦和営業所、2)日本ライフライン㈱ CRM事業部 1)伊藤孝志、2) 柴崎幸治、矢澤弘康 現在承認されている大半のペースメーカー(以下PM)に、不整脈発生時のホルター機能が搭載さ れている。ありふれた不整脈記録と思われる中に、心内電位の詳細検討をすると、設定変更、解釈 の変更・追加の必要も出てくる記録も存在する。今回PMによる不整脈記録を解析した結果、実は 設定変更を必要とすることが判明した 2 症例を経験したので報告する。 症例① センシング不全 本年9月にDDD植え込み。植え込み後、3日経過後のチェックにて不自然なモード切替(AAI→ DDD)のイベントが認識された。PM内部の心内心電図を検討したところ、上室性の不整脈ではな くセンシングフェイラーであることが確認できた。本来であれば見逃されている可能性のあるセンシ ングフェイラーだが、PMの警告メッセージならびに、心内心電図の解析にて設定変更が可能であ った。 症例② ペーシング不全 本年9月にDDD植え込み。植え込み後1週間経過後のチェックにて、心房不整脈として取り込ま れた心電図が、実際はペーシング不全であったことが確認された。持続的な閾値上昇はなく薬剤 の影響ではないと考えられ、原因は特定できていない。また同日のチェックでは心房閾値0.75v /設定出力2.5vと、特に問題を認めなかった。 結語:PM機能の向上により、PMフォローアップはより簡易になってきているが、このような症例は 見逃される可能性が多いと推察される。PMホルター機能の活用により、より詳しい情報を得ること も可能になっていているが、どのような場合に不整脈心電図として認識・記録されるのか、そのアル ゴリズムを理解していないと情報を活かし切れない事も多い。今後、積極的にPMホルター機能を 活用、詳細検討をすることで、今まで見つからなかった不整脈・ペーシング不全・センシング不全 等も把握できる可能性は高いと考えられた。