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GC/MS による生体試料中の モノフルオロ酢酸ナトリウム (Compound
長野県環境保全研究所研究報告 5:27―32(2009) 〈研究ノート〉 GC/MS による生体試料中の モノフルオロ酢酸ナトリウム (Compound 1080) の分析 月岡 忠 1 ・小山和志 1 ・宮澤正徳 1 モノフルオロ酢酸ナトリウム(MFA)の迅速分析法の開発を行った.試料から MFA を 1 N- 硫酸溶液で抽出し, 酢酸エチルで再抽出した. これに,1- ベンジル -3-p- トリルトリアゼンのジエチルエーテル溶液を加え, 還流 さ せ な が ら ベ ン ジ ル 化 し, シ リ カ ゲ ル カ ー ト リ ッ ジ カ ラ ム で 精 製 後,HCB-13C6 を 内 部 標 準 物 質 と し て GC/MSSIM で定量した. 本法の定量限界は 0.05μg/g で, 操作時間は短く, 溶媒の使用量も少なく, 選択性に優れて いる. 本法はその他のハロゲン化酢酸類にも応用が可能であり, 動物の斃死事故や食品苦情等の原因究明に十 分使用できる. キーワード:モノフルオロ酢酸ナトリウム, 殺鼠剤, 生体試料,GC/MS とジクロロアニリンを用いてジクロロアニリド誘導 1. はじめに 体 化 物 と し GC/MS で 定 量 し て い る. し か し, こ れ モノフルオロ酢酸ナトリウム (MFA) は殺鼠剤とし らの方法は緊急を要する事故の原因究明には操作 て, 使 用 さ れ て い る.MFA は 第 二 次 世 界 大 戦 中 に 性 の 面 で 問 題 が あ っ た.Yang ら ドイツの化学者によって植物中から発見され, オー に, 血液と食物試料からの抽出物をイオンクロマト ストラリア, ブラジル, アフリカ等の南半球の少な グラフィーで定量しているが, イオンクロマトグラ く と も 40 種 類 以 上 の 植 物 中 に 存 在 す る と 言 わ れ て フィーでは選択性に難点がある. いる .MFA の毒性はクエン酸回路阻害であり,ラッ 本 研 究 は 生 体 試 料 の 迅 速 分 析 に 対 応 で き る よ う, ト の LD50 は 1mg/kg で あ る. わ が 国 で は, 特 定 毒 操 作 時 間 が 短 く, 選 択 性 の 高 い MFA の 分 析 法 の 構 物に指定されており, 有資格者でないと毒餌の取扱 築 を 目 的 と し た. そ の 結 果,MFA を 生 体 試 料 や 胃 いができず, 屋内での使用は禁止されている. 内容物から硫酸溶液で抽出後, 更に酢酸エチルに抽 MFA の 微 量 分 析 法 に つ い て は 生 体 試 料 を 対 象 出 し,Bz 化 物 と し て GC/MS で 定 量 す る 方 法 を 構 築 と し た も の が 多 く 報 告 さ れ て い る.MFA は そ の した. 本法は操作時間が短く, 選択性に優れた方法 ま ま で は GC 分 析 で き な い た め, 誘 導 体 化 し た 後 で, 動物の斃死事故等の原因究明に使用できると考 に GC や GC/MS えられる. 1) 2) ~ 9) で 定 量 し て い る.Sporkert 10) は誘導体化せず ら 2 ) は 酸 性 に し た 生 体 試 料 か ら SPME(Solid Phase Micro Extraction) フ ァ イ バ ー で 抽 出 後, 2. 実験方法 1-pyrenyldiazomethan で エ ス テ ル 化 し GC/MS で 測 定 し て い る.Koryagina ら 3 ) は 水 と 生 物 試 料 か ら の 2.1 試薬 抽 出 物 を, エ タ ノ ー ル と 硫 酸 を 用 い て エ チ ル 化 し, モ ノ フ ル オ ロ 酢 酸 ナ ト リ ウ ム: 林 純 薬 工 業 ㈱ 製, GC-FID と GC/MS で定量している.Hoogenboom ら 4 ) 残留農薬測定用を精製水で希釈して用いた. は生体試料とエサからの抽出物をベンジルジメチル 酢酸エチル,n- ヘキサン,アセトン,ジエチルエー フ ェ ニ ル ア ン モ ニ ウ ム を 用 い て GC の 注 入 口 中 で ベ テル:残留農薬分析用を用いた. ン ジ ル 化 (Bz 化) し, 光 イ オ ン 化 検 出 器 (PID) と 1- ベ ン ジ ル -3-p- ト リ ル ト リ ア ゼ ン: 東 京 化 成 工 FID で 定 量 し て い る.Eichhold ら 業㈱製, 特殊用をジエチルエーテルで 1 w/v %濃度 5) はラット組織か ら の 抽 出 物 を ペ ン タ フ ル オ ロ ベ ン ジ ル 化 (PFB 化) に溶解した. し GC/MS で 定 量 し て い る.Ozawa ら 6 ) は 底 質 と 生 硫酸, 塩化ナトリウム:試薬特級を用いた. 体 試 料 中 の MFA を シ ク ロ ヘ キ シ ル カ ル ボ ジ イ ミ ド ヘキサクロロベンゼン -13C6 (HCB-13C6):Cambridge 1 長野県環境保全研究所 保健衛生部 〒 380-0944 長野市安茂里米村 1978 27 Bull. Nagano Environ. Conserv. Res. Inst. No.5 (2009) Isotope Laboratories,Inc. を ベ ン ゼ ン に 溶 解 し, 2.5 検量線の作成 10μg/mL 溶液を作成した. 塩 化 ナ ト リ ウ ム 3.5g と 1 N- 硫 酸 溶 液 10mL を 入 シ リ カ ゲ ル カ ー ト リ ッ ジ: バ リ ア ン 製 BOND れ た 50mL 分 液 ロ ー ト に 0.1 ~ 1.0μg の MFA を 段 ELUT LRC-SI 500mg を用いた. 階 的 に 添 加 し,2.4 と 同 様 に 酢 酸 エ チ ル で 抽 出,Bz 化, シ リ カ ゲ ル カ ー ト リ ッ ジ に よ る ク リ ン ア ッ プ, 2.2 装置及び測定条件 HCB-13C6 を 添 加 後,GC/MS-SIM で 測 定 し, 内 部 標準 GC 条件 物質との面積比から検量線を作成する. GC:HP 製,5890 シリーズⅡ カ ラ ム:DB-5MS, 内 径 0.25mm × 長 さ 30m 3 結果と考察 ×膜厚 0.25μm カ ラ ム 温 度:60 ℃ (2min) - 15 ℃ /min - 3.1 試料からの抽出溶媒 150℃ - 5℃ /min - 220℃ - 20℃ /min - 300℃ 農産物の残留農薬一斉分析法 (5min) ア セ ト ニ ト リ ル を 採 用 し て い る が,MFA は ア セ ト 注入口温度:250℃ ニトリルでは抽出率が悪かったため, 硫酸溶液を用 キャリアーガス:He, 流速 1mL/min い て 抽 出 す る こ と に し た.MFA は 高 極 性 で 水 溶 性 MS 条件 が高く, ヘキサンのような非極性溶媒では抽出され MS:日本電子㈱,JMS GC-mate にくいと考えられたため, 塩化ナトリウムを飽和さ イオン化電圧:70V せ た 硫 酸 溶 液 か ら 酢 酸 エ チ ル を 用 い て 抽 出 し, 酸 イオン化電流:300 μ A 濃 度 と 回 収 率 の 関 係 を 検 討 し た. そ の 結 果, 酸 濃 イオン源温度:250℃ 度が 0.5 ~ 2 N の間では殆ど回収率に差は認められ モニターイオン (m/z):108,168,290 なかったがそれ以上酸濃度が高くなると回収率は低 12) では抽出溶媒に 下 し た た め, 硫 酸 濃 度 を 1 N と し た.Fig. 1 に 硫酸 2.3 試料 濃度と回収率の関係を示した. また, 試料から硫酸 生体試料として, 斃死した動物の筋肉, 胃内容物 溶液で MFA を抽出する際, 酸濃度が 0.5 N から 2 N を用いた. の間では殆ど抽出率に差は認められなかった. 㪈㪉㪇 ホ モ ジ ナ イ ズ し た 試 料 1 ~ 2 g を 15mL の ポ リ 㪈㪇㪇 プ ロ ピ レ ン 製 の 遠 心 分 離 管 に 量 り 採 り, こ れ に 1 㪏㪇 㪩㪼㪺㫆㫍㪼㫉㫐㩿㩼㪀 2.4 分析操作 N- 硫 酸 10mL を 加 え,10 分 間 超 音 波 抽 出 後, 毎 分 3000 回 転 で 10 分 間 遠 心 分 離 し 上 澄 み 液 を 50mL の 分 液 ロ ー ト に 移 す. こ れ に,3.5g の 塩 化 ナ ト リ 㪍㪇 㪋㪇 㪉㪇 ウムと酢酸エチル 10mL を加え,10 分間振とうする. 㪇 静置し分離後, 水層をすて, 有機層を硫酸ナトリウ 㪇㪅㪇 㪇㪅㪌 㪈㪅㪇 㪈㪅㪌 㪉㪅㪇 㪉㪅㪌 㪊㪅㪇 㪊㪅㪌 㪚㫆㫅㪺㪼㫅㫋㫉㪸㫋㫀㫆㫅㩷㫆㪽㩷㪟 㪉㪪㪦㪋㩿㪥㪀 ム で 脱 水 し,100mL の ナ ス 型 フ ラ ス コ に 移 す. こ Fig.1 Relation between the concentration of sulfuric acid and the recovery. れ に,1 w/v % の 1- ベ ン ジ ル -3-p- ト リ ル ト リ ア ゼ ン の ジ エ チ ル エ - テ ル 溶 液 2mL を 加 え,60 分 間 還 流する. 反応液をロータリーエバポレータで乾固寸 3.2 Bz 化条件 前 ま で 濃 縮 し, こ れ に n- ヘ キ サ ン 5mL を 加 え て 溶 MFA はそのままでは GC 分析できないため, 低極 解 さ せ る. 予 め n- ヘ キ サ ン で 洗 浄 し た シ リ カ ゲ ル 性化と操作性を高めるために高質量化を目的とし カートリッジに反応液を負荷し, ヘキサン溶液はす て,Bz 化を検討した.Hoogenboom らはベンジルメ て,4 v/v %アセトン含有ヘキサン溶液 5mL で MFA チ ル フ ェ ニ ル ア ン モ ニ ウ ム を 用 い て Bz 化 し て い る の Bz 化物を溶出させ,これに 10μg/mL の HCB- C6 が, 本 法 で は, 著 者 溶 液 50μL を 加 え GC/MS-SIM で 測 定 し, 検 量 線 ンの分析法で報告した 1- ベンジル -3-p- トリルトリ から定量値を求める. アゼンの 1 w/v %のジエチルエーテル溶液を使用し 13 28 11) らがダラポンとテトラピオ 長野県環境保全研究所研究報告 5号 (2009) た. く, 使用溶媒をできるだけ少なくする目的で, シリ Fig. 2 に MFA を Bz 化 す る 際 の 反 応 時 間 と 収 率 に カゲルカートリッジを用いクリンアップ条件を検 ついて検討した結果を示した. 生成率は時間と共に 討した.MFA の Bz 化物は n- へキサンでは溶出して 増 加 し,60 分 以 上 で ほ ぼ 100% と な っ た た め,60 こ な か っ た が, ア セ ト ン を 加 え 極 性 を 高 め る こ と 分間還流させて Bz 化することにした. に よ っ て 溶 出 し た. 本 法 で は 4 v/v %の ア セ ト ン 含 有 ヘ キ サ ン で 1mL ず つ の フ ラ ク シ ョ ン を と り, 溶 3.3 シリカゲルカートリッジによるクリンアップ 出条件を検討した.Fig. 3に結果を示した.MFA の 生体試料は脂質等の妨害物質を多く含むため, ク Bz 化物は 3mL のフラクション部分に大半が溶出し, リンアップは必須である. 本法では, 操作時間を短 4mL の フ ラ ク シ ョ ン で ほ ぼ 100%が 溶 出 し て い る. そ こ で,4 v/v %の ア セ ト ン 含 有 ヘ キ サ ン 5mL で 溶 出させることにした. 㪈㪉㪇 㪩㪼㫃㪸㫋㫀㫍㪼㩷㫐㫀㪼㫃㪻㩿㩼㪀 㪈㪇㪇 3.4 GC/MS 条件 㪏㪇 㪍㪇 㪋㪇 Fig. 4 に MFA の Bz 化 物 の マ ス ス ペ ク ト ル を 示 し 㪉㪇 た. SIM の 定 量 用 イ オ ン と し て, 分 子 イ オ ン の m/ z=168, 確 認 用 に m/z= 108 を, ま た 内 部 標 準 物 質 㪇 㪇 㪉㪇 㪋㪇 㪍㪇 㪏㪇 㪈㪇㪇 HCB-13C6 の イ オ ン に m/z=290 を 用 い る こ と に し た. 㪩㪼㪸㪺㫋㫀㫆㫅㩷㫋㫀㫄㪼㩿㫄㫀㫅㪀 Fig.2 Relation between the reaction time and the relative yield. ベースイオンの m/z=91 は選択性に問題があり使用 で き な か っ た.Fig. 5 に MFA の Bz 化 物 の SIM ク ロ マトグラムを示した. 㪩㪼㪺㫆㫍㪼㫉㫐㩿㩼㪀 㪈㪉㪇 㪈㪇㪇 GC 用 カ ラ ム は 微 極 性 の DB-5MS を 用 い た. マ グ 㪏㪇 ロ 肉 1g に MFA を 0.1μg 添 加 し 回 収 実 験 を 行 っ た 㪍㪇 結 果, 回 収 率 の 平 均 は 86%, 回 収 率 の 変 動 係 数 は 㪋㪇 4.6%であった (n=5). 㪉㪇 3.5 類似物質と実試料への応用 㪇 㪇 㪈 㪉 㪊 㪋 㪌 㪍 㪎 㪏 㪄㪉㪇 MFA と 性 質 が 類 似 し て い る と 考 え ら れ る, ジ フ 㪭㫆㫃㫌㫄㪼㩷㫆㪽㩷㪼㫃㫌㫋㫀㫆㫅㩷㫊㫆㫃㫍㪼㫅㫋㩿㫄㪣㪀 ルオロ酢酸,トリフルオロ酢酸,モノクロロ酢酸 13), Fig.3 Relation between the volume of elution solvent and the recovery from silicagel cartridge ジクロロ酢酸 Fig.4 Mass spectrum of benzylated MFA. 29 ,トリクロロ酢酸 13) ,モノブロモ 13) Bull. Nagano Environ. Conserv. Res. Inst. No.5 (2009) Fig.5 SIM chromatogram of benzylated MFA. Fig.6 SIM chromatogram of a stomach content from a dead cat. 酢酸, ジブロモ酢酸, トリブロモ酢酸, 酢酸, プロ こ れ に,1- ベ ン ジ ル -3-p- ト リ ル ト リ ア ゼ ン の ジ エ ピ オ ン 酸 に つ い て 2.4 と 同 様 に 操 作 し, そ れ ぞ れ の チルエーテル溶液を加え, 還流させながら Bz 化し, 分子イオンを用いて測定した結果, 感度や回収率の シ リ カ ゲ ル カ ー ト リ ッ ジ で 精 製 後,HCB-13C6 を 内 部 低いものもあったが, 動物の斃死や食品苦情の原因 標 準 物 質 と し て GC/MS-SIM で 定 量 し た. 本 法 の 定 物質の同定に十分使用できると思われた. また, 本 量限界は 0.05μg/g で, 操作時間は短く, 溶媒の使 法を県内で発生した鳥や犬, 猫等の斃死試料に応用 用 量 も 少 な く, 選 択 性 に 優 れ て い る. 本 法 は ま た, した. しかし,実試料からは MFA は検出されなかっ ハロゲン化酢酸類にも応用が可能であると考えられ た.Fig.6 に 斃 死 し た 猫 試 料 の SIM ク ロ マ ト グ ラ ム る. 例を示した. 文 献 4. まとめ 1)Marais JCS.,(1944)Monofluoroacetic acid, the 動 物 の 斃 死 事 故 等 の 原 因 究 明 に 使 用 で き る MFA toxic principle of “ gifblaar ” Dichapetalum の 迅 速 分 析 法 の 開 発 を 行 っ た. 試 料 か ら MFA を 1 cymosum, Onderstepoort Jour. Vet. Ind., 20, 67 N- 硫 酸 溶 液 で 抽 出 し, 酢 酸 エ チ ル で 再 抽 出 し た. 2)Sporkert, F., Pragst, F., Hubner, S., mills, G.,(2002) 30 長野県環境保全研究所研究報告 5号 (2009) Headspace solid-phase microextraction with GC and GC-MS determination of fluoroacetic 1-pyrenyldiazomethane on-fiber derivatisation for acid and phenoxy acid herbicides via triphasal analysis of fluoroacetic acid in biological samples, extractive pentafluorobenzylation using a polymer- J. Chromatogr. B analyt. Technol. Biomed. life sci., bound phase-transfer catalyst, J. Anal. Toxicol., 25; 772(1), 45-51. 22(3), 237-245. 3 )Koryagina, N.L., Savelieva, E.I., Khlebnikova, N.S., 8)Allender, W.J.,(1990)Determination of sodium Goncharov, N.V., Jenkins, R.O., Radilov, A.S.,(2006) fluoroacetate(compound 1080) in biological Determination of fluoroacetic acid in water and tissues, J. Anal. 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Pu., 22(2), 177-180. 5)Eichhold, T.H., Hookfin, E.B., Taiwo, Y.O., Wehmeyer, 11)Tsukioka, T., Shimizu, S., Murakami, T.,(1985) K.R., (1997) Isolation and quantification of Determination of the Herbicides Frenock and fluoroacetate in rat tissues, following dosing of D a l a p o n i n S o i l a n d R i ve r Wa t e r b y M a s s Z-Phe-Ala-CH2F, a peptidyl fluoromethyl ketone Fragmentography, 1985, Analyst, 110, 39-42. protease inhibitor, Pharm. Biomed. Anal., 16(3), 12)厚 生 労 働 省 医 薬 品 食 品 局 」 食 品 安 全 部 長 通 知 459-467. ( 平 成 17 年 11 月 29 日 )「 食 品 に 残 留 す る 農 6)Hideaki, O., Tsukioka, T.,(1989)Determination 薬、 飼料添加物又は動物用医薬品の成分である of sodium monofluoroacetate in soil and biological 物 質 の 試 験 法 に つ い て ( 一 部 改 正 )」 の 別 紙 4 samples as the dichloroanilide derivative, J. 「GC/MS による農薬等の一斉分析 ( 農産物 )」 Chromatogr., 473, 251-259. 13)環 境 庁 環 境 保 健 部 保 健 調 査 室 (1985) 昭 和 59 7)Miki, A., Tsuchihashi, H., Yamashita, M.,(1998) 年度化学物質環境分析手法 , 64-70 31 Bull. Nagano Environ. Conserv. Res. Inst. No.5 (2009) Determination of sodium monofluoroacetate(Compound 1080) in biological samples by GC/MS Tadashi TSUKIOKA, Kazushi KOYAMA and Masanori MIYAZAWA Nagano Environmental Conservation Research Institute, Public Health Division, 1978 Komemura Amori, Nagano 380-0944, Japan Abstract A rapid analytical method for sodium monofluoracetate (MFA) has been developed. The MFA was extracted from a sample with 1 N sulfuric acid and re-extracted with ethyl acetate. A solution of 1-benzyl-3-p-tolyltriazene in diethyl ether was added to the extract. The mixture was benzylated under reflux, purified with a silica-gel cartridge and subjected to a determination by GC/MS using HCB-13C6 as an internal standard substance. This method is also applicable to other halogenated acetates, and is excellent for inquiry into cases of death of animals and complaints about foods. Key Words:sodium monofluoroacetate,rodenticide,biological sample,GC/MS 32