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基調講演「ワーク・ライフ・バランスの推進 ~欧州から学ぶ~」

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基調講演「ワーク・ライフ・バランスの推進 ~欧州から学ぶ~」
ワーク・ライフ・バランスの推進
~欧州から学ぶ~
2008.10.10 「官民連携子育て支援推進フォーラム」
神奈川県大会
慶應義塾大学 樋口美雄
1.ワーク・ライフ・バランスとは何か
†
†
†
†
「仕事と生活の調和」
働き方の見直しにより個人が私的生活を
充実させることのできる環境を
仕事の進め方・中身の見直しにより
時間当たり付加価値生産性の向上を
柔軟で多様な働き方により多様な
人材の活用を
憲章・行動指針の策定を求めた三つの検討会
①子供と家族を応援する日本重点戦略会議
②男女共同参画会議
③経済財政諮問会議
2.ワーク・ライフ・バランスはなぜ必要か
(1)労働市場の二極化
†
非正規労働者の増加
図表1 正規・非正規雇用者数の推移
4000
(万 人)
1800
(万人)
左目盛
3800
1600
3600
1400
3400
1200
3200
1000
右目盛
3000
800
正規の職員・従業員
2800
600
非正規の職員・従業員
2008
2006
2007
2005
2003
2004
2001
2002
2000
1998
1999
1996
1997
1995
1993
1994
1991
1992
1990
1988
1989
1986
1987
1985
400
1984
2600
(年)
出所:2001年以前は「労働力調査特別調査」、2002年以降は「労働力調査詳細集計」
注:2001年以前は2月の値、2002年以降は1~3月平均値
所得格差の拡大(ジニ係数)
(千人)
男女計における給与階級別給与所得者数
(200万円以下)
男女計における給与階級別給与所得者数
(2000万円超)
10500
(千人)
240
10000
220
9500
200
180
9000
160
8500
140
8000
120
7500
100
2002
2003
2004
2005
出所:国税庁「民間給与実態統計調査」
2006年
2002
2003
2004
2005
2006年
所得格差の拡大(ジニ係数)
1990年 0.4334
2005年 0.5263
厚生労働省『所得再分配調査』
各国のジニ係数の推移
米国
1987年 0.335
1997年 0.372
カナダ
0.283
0.291
ドイツ
0.248
0.261
長時間労働者の増加
図表2 非農林雇用者における雇用者数の推移(全年齢・男女計)
300
1992-1997年の推移
1998-2005年の推移
(万人)
200
100
0
-100
-200
-300
35時間未満
35時間~59時間
出所:総務省統計局『労働力調査』
60時間以上
各国の長時間労働者割合
1987年
2000年
日本
26.8
28.1
ニュージーランド
18.0
21.3
アメリカ
15.4
20.0
オーストラリア
15.3
20.0
イギリス
13.2
15.5
アイルランド
7.9
6.2
ギリシャ
4.6
6.2
スペイン
5.4
5.8
フランス
5.9
5.7
ポルトガル
4.3
5.3
ドイツ
5.0
5.3
デンマーク
3.7
5.1
フィンランド
2.3
4.5
イタリア
2.4
4.2
ベルギー
2.0
3.8
オーストリア
2.9
2.7
スウェーデン
1.6
1.9
オランダ
2.5
1.4
出所:Jon C. Messenger(2004) Working Time and Workers' Preferences in Industrialized Countries、Fig.2.5
(2)出生率の低下
図表3 先進各国における合計特殊出生率の推移
(1980~2004年)
日本
アメリカ合衆国
フランス
イタリア
ドイツ
2.2
2.0
(
合
計
特 1.8
殊
出
1.6
生
率
1.4
)
%
1.2
19
80
19
85
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
1.0
注:UN,Dem ographic Yearbookによる。ただし日本は国立社会保障・人口問題研究所の算出による。 1)5歳階級の年齢別出生率に基づくため年齢各歳で計算した値とは異なることがある。 E=Council of
Europe, Recent Dem ographic Developments in Europe, 2004 による。U=U.S. Department of Health and Hum an Services, National Vital Statistics Report,Vol.54, №2 およびPreliminary Births for 2004
(http://www.cdc.gov/nchs/) による。S=Eurostat, Eurostat Statistics in Focus: Population and Social Conditions (http://europa.eu.int/index_en.htm )。*暫定値による。
出所:社会保障・人口問題研究所『人口統計資料集』
(年)
図表4 女子労働力率(年齢計)と合計特殊出生率
(1980年)
(2000年)
2.8
2.2
高
い
2.6
高
い
アイルラン
2.4
合 2.2
計
特 2
殊
出 1.8
生
率 1.6
ギリシャ
スペイ
オラン
イタリア
フィンラン
スイス
1.4
ルクセンブルグ
ニュージーランド
デンマーク
オーストラリア
ルクセンブルグ フィンランド
フランス
ベルギー
35
40
45
低い
50
55
労働力率(%)
60
65
70
高い
注:デンマーク労働力率は、1980年のデータがないため1979年のデータ、ギリシャ労働力率は、2000年のデータがないため1999年の
データを使用。
対象国は、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、アイルラン
75
カナダ
オランダ
スウェーデン
日本
ポルトガル
オーストリ
ギリシャ
イタリア
低
い
30
デンマーク
イギリス
1.2
1
ノルウェイ
アイルランド
スウェーデ
西ドイ
1.2
低
い
アメリカ
合 1.8
計
特
殊 1.6
出
生
率 1.4
ニュージーラン
オーストラリ
ポルトガル
日本
フラン イギリス
アメリ
ノルウェ
カナダ
ベルギー オーストリ
2
スイス
ドイツ
スペイン
1
45
50
55低
60
65
労働力率(%)
高
70
75
注:デンマーク労働力率は、1980年のデータがないため1979年のデータ、ギリシャ労働力率は、2000年のデータがないため1999年のデータを使
用。
対象国は、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、アイルランド、日本、ルク
センブルク、ノルウェー、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカの22カ国。
80
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