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ローデ・シュワルツ オシロスコープ テクノロジー・ガイド
ローデ・シュワルツ オシロスコープ PD 5214.4436.62 V01.00 テクノロジー・ガイド ¸RTO オシロスコープ J J J J ハイパフォーマンス 帯域幅:1 GHz、2 GHz 入力チャネル:2または4 サンプリング・レート:10 Gサンプル/s 波形更新レート 高確度 業界最高の波形更新レートで、発生頻度の低い不具合信号を 低ノイズのフロントエンドとシングルコアADCによって、業 確実に捕捉することができます。また、ハードウェア処理に 界最高のENOB >7ビットを実現しています。 よって、高速な測定速度とスループットを提供します。 メモリ トリガ 最長メモリを使用しても、システムの応答性能は大きく変わ 革新的なデジタル・トリガ・システムを採用することで、性 りません。 能が向上するだけでなく、新機能の追加も実現しました。 ヒストリー・ビュー機能は、繰り返し信号の測定において さらに、業界最小のトリガ・ジッタと最高のトリガ感度を達 も、メモリ長の長さを生かした測定を行うことができます。 成しています。 操作性 R&S®スマートグリッド、信号アイコン、半透明のダイアログ などの新機能により、タッチスクリーン・ディスプレイの操 作性が飛躍的に向上します。 信号フローのダイヤグラム表示や関連する設定の相互リンク により、操作がシンプルになるだけでなく、作業効率が大幅 に向上します。 1. 製品概要 1. 製品概要 製品のポジショニング オシロスコープ 性能比較 オシロスコープのポジショニングは、主に最大帯域幅で決め 20 GHz られています。しかし、同じ帯域幅を持つオシロスコープで も、異なる性能や能力を持っています。 High Bandwith R&S®RTO R&S®RTOは、クラス最高の波形更新レート、トリガ性能、再 現性、測定速度、処理能力を備えたオシロスコープです。 R&S®RTMは、500 MHzの帯域幅、クラス最高のノイズ性能と 確度、高品位ディスプレイ、分かりやすいユーザ・インタフ 帯域幅 R&S®RTM 2 GHz 1 GHz ¸RTO 1024/1022 MidBandwith ¸RTO 1014/1012 500 MHz ¸RTM 1054/1052 ェースを備えた、手ごろな価格のオシロスコープです。 なお、このドキュメントは、R&S®RTOに焦点を当てて説明し ています。 LowBandwith 100 MHz basic mid 性能 high オプション、仕様 サンプリング・レート モデル一覧 モデル名 帯域幅 チャネル数 サンプリング・レート メモリ長 R&S®RTO1012 1 GHz 2 10 Gサンプル/s 20 / 200 Mサンプル R&S®RTO1014 1 GHz 4 10 Gサンプル/s 20 / 400 Mサンプル R&S®RTO1022 2 GHz 2 10 Gサンプル/s 20 / 200 Mサンプル R&S®RTO1024 2 GHz 4 10 Gサンプル/s 20 / 400 Mサンプル 1 GHzおよび2 GHzのモデルは、10 Gサンプル/sの A/Dコンバ ータを各チャネルに内蔵しています。このため、チャネル間 オプション でのインタリーブは発生しません。×5、×10のオーバーサ ハードウェア・オプション ンプリング係数で正確な結果を保証します。 R&S®RTO-B4 OCXO基準周波数(10 MHz) R&S®RTO-B10 GPIBインタフェース R&S®RTO-B19 交換用ハードディスク(ファームウェアをインストール済) R&S®RTO-B101 メモリ拡張:50 Mサンプル/チャネル R&S®RTO-B102 メモリ拡張:100 Mサンプル/チャネル メモリ長 R&S®RTOのメモリ長は、チャネル単位で仕様化しています。 また、使用していないチャネルのメモリは、他のチャネルの メモリ領域として利用することができます。たとえば、 R&S®RTO1024は、4つのチャネルそれぞれで20 Mサンプルの 基本メモリを同時に使用でき、1チャネルだけで測定を行う ソフトウェア・オプション R&S®RTO-K1 I2C/SPIシリアル・デコード R&S®RTO-K2 RS-232/URAT車載用トリガ/デコード R&S®RTO-K3 CAN/LIN車載用トリガ/デコード R&S®RTO-K4 FlexRay車載用トリガ/デコード 場合には、最大80 Mサンプル(20 × 4)のメモリとして使用 アクセサリ できます。 R&S®RTO-Z1 フロントカバー 1チャネルあたり100 Mサンプルのメモリ・オプションの場合 R&S®RTO-Z3 ソフト・キャリング・ケース には、最大400 Mサンプルのメモリ長を提供します。(詳細 R&S®ZZA-RTO ラックマウントキット については、7.[メモリ]タブを参照ください。) 2. オプション、 仕様 2. オプション、 仕様 主な仕様 R&S®RTO1012/1014 R&S®RTO1022/2024 垂直軸 入力チャネル数 2/4 2/4 -3 dB ハードウェア帯域幅(50Ω) 1 GHz 2 GHz 300 ps 175 ps 立ち上がり時間 有効ビット数 正弦波を入力して3dB減衰する周波数を測定 > 7 ビット(meas) 垂直レンジ 10Gサンプル/s(50Ω入力¦1MΩ入力) 1 mV/div 1 V/div ¦ 10 V/div 捕捉 サンプリング・レート メモリ長 更新レート デシメーション・モード 10 Gサンプル/s 標準:1チャネルあたり/1チャネル使用時 20Mポイント / 40 Mポイント(R&S®RTO1012, R&S®RTO1022), 80 Mポイント(R&S®RTO1014, R&S®RTO1024) オプションR&S®RTO-B102:1チャネルあたり/1チャネル使用時 100Mポイント / 200 Mポイント(R&S®RTO1012, R&S®RTO1022), 400 Mポイント(R&S®RTO1014, R&S®RTO1024) 標準モード、10Gサンプル/sにて1kサンプル > 1,000,000波形/s ウルトラ・セグメント・モード デッド・タイム< 200 ns 1つの波形に対して、3つのデシメーション・モードと波形表示の 設定ができます。 波形表示 サンプル、ピーク、高分解能、RMS オフ、エンベロープ、平均 水平軸 タイム・ベース 25ps / 50 ps チャネル・デスキュー ±100 ns (リアルタイム・デスキュー:デスキューを認識するステート・トリガのようなチャネル間トリガ) トリガ トリガ・モード 感度 トリガのヒステリシスで決定 エッジ、グリッチ、パルス幅、Runt、Window、タイムアウト、インターバル、スルーレート、Data2Clock、 パターン、ステート、シリアル・パターン、I2C、SPI (追加オプションにより、RS-232/UART、LIN、CAN、FlexRay) 自動または0.1 0.5 div ピーク検出 100ps カップリング カップリングは選択したチャネルに依存します。オプションで高周波成分をカットするユーザ定義(100kHz ~ ア ナログ帯域の50%まで)が可能なフィルタを設定できます。 ハードウェア・アクセレラレータによる解析機能 演算機能 +、-、*、1/x、¦x¦、dx/dt、log10、loge、log2、rescale、FIR、FFT 振幅 解析ツール スペクトラム、ヒストグラム、マスクテスト、カーソル 自動測定 振幅測定、時間測定 一般仕様 ディスプレイ 10,4インチ 高品位カラーLCD XGA(1024 × 768 ピクセル) 寸法(WxHxD) 427 mm × 249 mm × 204 mm 質量 9.6kg インタフェース 1GbpsLAN、4×USB2.0、GPIB(オプション)、DVI(ビデオ出力)、外部トリガ 推奨校正周期 1年 ¸RTO アーキテクチャ R&S®RTOの特長は、測定信号の経路に注目すると理解が深ま ります。 ¸RTO のアーキテクチャ チャプター 5: 信号の捕捉 フロントエンド CH VGA ADC CH VGA ADC ローパス ・フィルタ スキュー 捕捉 システム チャプター 4 : 高確度 デシメーション コンバイナ チャプター 7 : メモリ +, –, * (–1) 波形メモリ チャプター 6: トリガ コンバイナ 右のブロック・ダイヤグラムは、各機能が、RTC* ASIC、 FPGA、CPUのいずれで実行されるかを色分けで表示していま トリガ・イベント +, –, * (–1) す。RTC* ASICによる大規模な並列処理によって、高速処理が 行われています。 プロトコル・ トリガ * RTC:Recording Trigger Control(詳細は次ページを参照ください) チャプター 8 : 操作性 チャプター 5: 信号の捕捉 マスク テスト グラフィック機能 ディスプレイ 測定機能 基本的な測定 CPU FPGA RTC* ASIC 高速処理 3. R&S®RTO アーキテクチャ チャプター 5: 信号の捕捉 捕捉プロセス 測定と表示 ヒスト グラム カーソル 波形表示 演算 (エンベロープなど) 補間 (sin(x)/x など) + – * |x| dx/dt log In Id rescale FIR FFT FFT プロトコル・デコード 基本的な演算 3. R&S®RTO アーキテクチャ RTC ASIC ハードウェアによる高速処理 R&S®RTOは、既存のオシロスコープがソフトウェアで行う処 理のほとんどを、ハードウェアで処理します。その結果、処 理速度とスループットを大幅に改善することが可能になりま した。R&S®RTOには、その高い処理能力によって実現したユ ニークな機能が数多く搭載されています。 J 業界最高の波形更新レートと各種測定機能(マスクテス ト、ヒストグラム、カーソル測定など)を同時に使用 J ポスト処理不要の低いトリガ・ジッタ J 1つの波形に対して、3つのデシメーション・モードをリアル タイムに設定可能 J 従来は、専用スペクトラムアナライザでしか見られない画 面の更新レートを、FFTによって実現 J 高い波形更新レートを維持した状態で測定機能が使えるた め、短時間で信頼性の高い統計解析が可能 高い波形更新レートによって、マスクテストの時間を短縮し、結果を向上させます。 高確度 すべてのオシロスコープは、アナログのフロントエンドから デジタイザまでの信号パスで振幅ノイズが追加されます。 R&S®RTOは、低ノイズのフロントエンド、シングルコアの ADCなど、ノイズの影響を最小化し、信号を忠実に再現する 技術要素や設計を採用しています。 正確な結果を得るために、DUTとの接続やプローブの選択も 重要です。 最適化された信号パス DUT (被測定物) DUTの接続は測定確度に影響を与えます。再 現性の高い測定を行うためには、しっかりと 固定する必要があります。 必要な帯域幅を持ち、測定信号に負荷を与え プローブ ないプローブを選択する必要があります(詳 細は、プローブの項目を参照ください)。 低ノイズのフロントエンドが、全体の測定確 度に大きく影響を与えます。 RTO フロントエンド シングルコアADCによって、インタリーブ・サ RTO ADC ンプリングに起因する位相とタイミングの誤 差を排除し、最高の確度を提供します。 4. 高確度 低ノイズのフロントエンドとシングルコアADCによって、業界最高水準のENOB >7ビットを実現 4. 高確度 R&S®RTO の低ノイズのフロントエンド R&S®RTOは、業界最高の低ノイズ特性を実現しています。こ れにより、 J 測定確度を向上 J テスト・マージンを拡張 J 周波数領域で優れたダイナミックレンジ J 感度を向上し、微小振幅信号の詳細観察が可能 微小振幅信号も最大帯域幅で観測 R&S®RTOのフロントエンド・アンプは、振幅範囲10mV/divレ ベル以下の微小信号を最大帯域幅で測定できるよう設計され ています。したがって、ソフトウェアによる拡大機能を使用 せずに、微弱信号を正確に表示することができます。 R&S®RTO1024に、信号未入力かつプローブを接続しない状態での表示ノイズ。 50 mV/div、100kサンプル、100psの設定での<1mV Std dev インタリーブのモデル 従来のADCの設計:インタリーブ誤差 インタリーブは、複数のADCを並列で使用して、サンプリン 捕捉 ADC 1 グ・レートを向上させる手法として広く使用されています。 高解像度の波形を生成するために、ADCのサンプル・クロッ クに遅延を持たせてあります。位相遅延やADCの不整合によ クロック 入力 って、信号に歪みが生じます。 MUX 遅延 ADC 2 R&S®RTO - シングルコアADC:最小の歪み R&S®RTOはシングルコアADCを採用しています。これは、1つ のADC* を使用し、インタリーブは使用していないことを意 味しています。これによって、R&S®RTOの歪みを最小限に抑 え、ダイナミックレンジを向上します。 *あるオシロスコープでは、複数のADCをワンチップにまとめたACDを採用しています が、インタリーブ処理が行われていることに変わりはありません。R&S®RTOは、インタリ ーブによる誤差を完全に排除する、唯一の、真のシングルコア・オシロスコープです。 2個のADCを使用したインタリーブの概念モデル。 実際には、数百個のADCを使用している場合があります。 インタリーブ誤差の影響 インタリーブ誤差による波形の歪みは、立ち上がり時間やジ インタリーブ誤差による波形の歪み 周波数領域での歪みの影響 ッタ、FFTなどの測定にさまざまな悪影響をおよぼします。歪 んだ信号は、時間領域と周波数領域の両方で観測することが (dB) できます。インタリーブのプロセスは、FFT表示で観察すると 基本波 インタリーブ周波数でスプリアスとして現れます。R&S®RTO はシングルコアADCを使用しているので、これらのインタリ ーブによる影響は存在しません。 インタリーブ による影響 有効ビット数:信号忠実度の指標 Clock #1 有効ビット数(Effective Number of Bits, 以下、ENOBという) インタリーブ誤差が、時間ドメインと周波数ドメインに存在しています。 は、オシロスコープ全体の確度と信号再現性を定量化する際 に役立つ仕様です。デジタル・オシロスコープでは、8ビッ トADCが業界標準です。ノイズと歪みによって、” 有効な” シ Clock #2 高調波 有効ビット数と量子化誤差 ステムの分解能は8ビット未満に減少します。R&S®RTOは、低 有効ビット 数 (N) 量子化レベル 1ビットあたりの 最小分解能 ∆V SNR (dB) ノイズのフロントエンドとシングルコアADCを採用すること 4 16 62.5 mV 26.12 で、業界最高のENOB >7を提供します。(量子化デジタル化 5 32 31.3 mV 32.2 の詳細については、10.[オシロスコープの基本]タブを参照く 6 64 15.6 mV 38.28 ださい。) 7 128 7.8 mV 44.36 8 256 3.9 mV 50.44 マルチグリッド・ディスプレイ:ADCの垂直分解能 R&S®RTOは、複数のチャネルを一目で確認できる柔軟なマル チグリッド・ディスプレイを提供しています。それぞれの波 形を別々の画面に、ADCの最大垂直分解能で表示することが できます。 マルチグリッド・ディスプレイは、ADCの最大垂直分解能8ビット(256量子化レベル)で表示されます(左図)。2つの波形を1つの画面に表示した場合は、各波形は4 ビット(128量子化レベル)で表示されます(右図)。 サマリ: R&S®RTOの信号パス全体は、高い測定確度と再現性を達 成するように設計されています。 J 低ノイズのフロントエンド - このクラスでは最高 J 10 mV/div未満の微小な振幅信号も最大帯域幅で表示 J シングルコアADCで、最小の歪みで10Gサンプル/sを実現 J 業界最高のENOB >7ビット J マルチグリッド・ディスプレイにより、複数の波形をADC の最大垂直分解能で表示 信号の捕捉 現在市場にある多くのオシロスコープは、グリッチや発生頻 度の低いイベントを見つけるために、最大更新レートが8,000 250,000 波形/sの “高速捕捉 “モードを提供しています。カ ラー・グレーディングは、グリッチを見つける際に役立ちま す。残念なことに、多くのスコープの測定機能や解析機能 は、高速捕捉モードと同時に使用することができません。 R&S®RTOには、このような機能制限モードは存在しません。 波形の解析や測定機能は、常に使用することができます。ま た、最高更新レートは、1,000,000波形/sです。 R&S®RTOの高速更新レートは、信号の不具合を素早く見つけるに役立ちます。 5. 信号の捕捉 5. 信号の捕捉 デッド・タイムによる不具合信号の見逃し すべてのデジタル・オシロスコープは、信号をサンプリング した後、前処理、メモリへの書き込み、ポスト処理、表示機 デッド・タイム 能、トリガ・リアームのための時間が必要です。これらの一 部は時間固定ですが、その他は、メモリ長とデータ処理に依 存します。信号捕捉の動作を行っていないときは、オシロス 捕捉時間 1 コープは、まったく信号を取り込んでいません。サンプリン デッド・タイム グ・レートが高いほどデッド・タイムが増加します。なお、 捕捉時間 2 波形の捕捉サイクル 現在市場にあるオシロスコープのデッド・タイムは、> 99.55 %です。 R&S®RTO:高速デバッグのための高速な更新レート 波形の捕捉と補足の間には、デッド・タイムが 存在します。発生頻度の低い不具合やグリッチ (丸で囲った部分)がデッド・タイムの間に起 きた場合は、見逃してしまいます。 RTC ASICの並列処理は、最大サンプリング・レートでのデッ ド・タイムを約90%短縮します。高速更新レートの主な利点 は、発生頻度の低い信号イベントを発見し表示できることで す。高速な更新レートは、コンプライアンス・テストや特性テ グリッチの捕捉確率 (1) グリッチの捕捉確率 (2) 不具合信号の捕捉確率: 波形更新レートに依存 (10回/s, 1k RL, 10ns/div) 不具合信号の捕捉確率 (%) つけることができます。 不具合信号の捕捉確率: 波形更新レートに依存 (1回/10 s, 1k RL, 10ns/div) 波形更新 レート 1000000 250000 100000 50000 10000 100 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 0 20 40 60 80 測定時間 (s) 100 不具合信号の捕捉確率 (%) ストに十分なデータを取得することにも役立ちます。 デッド・タイムが短いほど、より高速で確実にグリッチを見 波形更新 レート 1000000 250000 100000 50000 10000 100 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 0 2000 4000 6000 8000 測定時間 (s) 10000 R&S®RTOは更新レートが高速なので、従来よりも短時間で、不具合信号を捕らえることができます。更新レートが低い場合、測定時間が大幅に増加します。 R&S®RTO:ハードウェアによる信号解析 R&S®RTOは、ヒストグラム、マスク、FFTなどの解析機能をハ ードウェアで処理します。これによって、複雑な信号解析中 であっても、最初に設定した更新レートを維持することがで きます。 解析機能 最大波形更新レート なし > 1,000,000 ヒストグラム > 1,000,000 マスク・テスト > 600,000 カーソルを使用した測定 > 1,000,000 遅延処理を用いた複数の捕捉サイクル 従来のスコープにセグメント化されたストレージ 発生頻度の低い複数のイベントを捕捉する場合、各波形を保 波形更新サイクル 遅延処理 存した後で、詳細を表示する方法が有効です。このために、 オシロスコープは、トリガ条件、捕捉時間の長さ、捕捉回数 を定義できるモードを持っています。この機能を使用する ••• と、メモリは、捕捉した波形だけで一杯になります。このモ ードでは、捕捉した波形をタイムスタンプ情報と共に確認す ることができます。 R&S®RTO: "常に有効"なヒストリ・ビュー ¸RTO の循環バッファのメモリ概念により、 ヒストリ・ ビューが"常に有効"です。 実際の信号 R&S®RTOは、複数の波形データを捕捉して、保存し、表示す るために特別なモードを必要としません。ヒストリ・ビュー は、連続動作中のオシロスコープを任意の時点で停止させ、 タイムスタンプを付加した “フレーム “として記録し、直近の 捕捉データを表示することができます。また、捕捉した波形 の履歴から不具合信号を切り分けるために、追加のトリガ条 6 7 t6 8 t7 t1 5 t2 6 t3 7 t4 8 t5 t6 1 t7 2 t8 3 メモリ長 t9 4 タイム スタンプ Start ! RTO:ヒストリの表示 す。 (詳細については、7.[メモリ]タブを参照ください) 9 End らに、捕捉後にもカーソル、測定、FFTなどの解析機能を使 プションを用いて、より長いデータを分析することができま t RTO の循環バッファに保存した” フレーム” 件を使用して捕捉したデータを検索することができます。さ 用して信号を解析することができます。大容量のメモリ・オ 9 t9 t8 1 t1 2 t2 3 t3 4 t4 5 t5 6 t6 7 t7 8 t8 9 t9 t サマリ: 1,000,000波形/秒の業界最速の更新レート。デバッグをよ り高速に確実に表示。 測定・解析処理を高い更新レートで実行。 ライブ・スペクトラムの印象を伝える、ハードウェア・ア クセラレータによるFFT処理と高い更新レート。 ヒストリ・ビューが"常に有効":直近に捕捉した波形を表 示するために全メモリ領域を使用。 デジタル・トリガ R&S®RTOは、業界初のデジタル・トリガ・システムを採用 し、リアルタイム・トリガリングを行います。既存のオシロ スコープは、いずれもアナログ・トリガを使用しています。 デジタル・トリガは、柔軟なトリガ・フィルタ、トリガのリ アーム時間の短縮などの新たなメリットを提供します。ま た、デジタル・トリガは、トリガ感度、トリガ・ジッタなど の主要スペックを向上させます。 デジタル・トリガは、高い更新レートを維持しながらトリガ・ジッタを最小限に抑えることができます。 6. デジタル・ト リガ 6. デジタル・ト リガ アナログ・トリガとデジタル・トリガの違い デジタルおよびアナログのトリガ・アーキテクチャの比較 アナログ・トリガ・システムでは、ADCの前段で主信号とト メモリ リガ信号が分割されます。この2つの信号パスは、位相と振幅 が一致していません。R&S®RTOのデジタル・トリガは、トリ ガと波形補足システムで共通の信号パスを使用します。この 技術によって、主要な性能が向上し、新しい機能を提供しま す。また、ポスト処理が不要なため、R&S®RTOは波形更新レ 入力チャネル 垂直軸システム ADC 波形捕捉 プロセッサ ートを最大に維持することができます。 アナログ・トリガ 業界最小のトリガ・ジッタ デジタル・ トリガ 表示されるトリガ点と実際に信号が交わる点の間にあるタイ ミングと、レベルのオフセットをトリガ・ジッタと呼びま す。R&S®RTOは、業界最小のトリガ・ジッタ<<1 psを実現し ています。 最大帯域幅で高いトリガ感度 デジタル・トリガ・システムは、すべてのサンプル・ポイン トを有効なトリガイベントとして評価することができます。 この方法では、従来のオシロスコープのようにトリガ感度に よる制限はありません。R&S®RTOは、微小振幅の信号でもト リガすることができ、 “見える現象すべてをトリガ “します。 信号のノイズに応じて、トリガ感度を調整することができま す。また、R&S®RTOは、10mV/div以下の信号を最大帯域幅で 観測できる唯一のオシロスコープです。 アナログ・トリガでは位相と振幅が一致していません(左図)。デジタル・トリガでは、トリガ・ジッタを最小限に抑えます(右図)。 トリガ・ヒステリシス トリガ感度の 調整が可能です。 R&S®RTOは、雑音を含んだ信号をト リガするためにトリガ感度の調整が 可能です。 ディスプレイ トリガ・フィルタ 従来のシステムでは、固定周波数(通常は50 80kHz)のア ¸RTO: ユーザ定義のローパス・フィルタ 測定信号に最適な ローパス・フィルタの ナログ・フィルタを使用しています。R&S®RTOは、デジタル カットオフ周波数を適用 化されたデータを直接トリガすることにより、ローパス・フ することができます。 ィルタのカットオフ周波数を任意に設定することができま す。フィルタは、トリガおよび波形捕捉に用いることができ ます。高周波ノイズはフィルタリングされるが、フィルタを 任意に設定 通過した信号のみを取得し表示することができます。 トリガのリアーム時間 アナログ・トリガでは、トリガ条件が満たされた後、次のト リガまでにトリガが行われない時間が存在します。この “リア ーム時間 “によって、重要なイベント信号を見落とす可能性が あります。R&S®RTOのデジタル・トリガには、リアーム時間 が存在しません。 組み合わせた信号でのトリガ R&S®RTOは、2つの入力信号の組み合わせ(加算、差分、反 転)をして、リアルタイムにトリガソースとして波形を使用 することができます。たとえば、シングルエンド・プローブ で取り込んだ2つの信号を ‘Ch1-Ch2 ‘の差分でトリガすること ができます。 周波数 測定信号に最適なローパス・フィルタのカットオフ周波数を適用することができ ます。 サマリ: デジタル・トリガはR&S®RTOにだけ搭載されています。 従来のアナログ・トリガに比べて多くの利点があります。 J 優れたトリガ感度:” 見える現象すべてをトリガ” J 業界最小のトリガ・ジッタ<<1ps rms J デジタル・アーキテクチャにより、トリガ・フィルタ、組 み合わせた信号でのトリガリングなどの新しい機能を提供 します。 J 更新レートに影響をするリアーム時間は、存在しません。 メモリ 現在のオシロスコープは、高度なトリガシステムや高速な波 形更新レートを備え、単発イベントを発見し解析する役割を 担っています。この他にも、大容量メモリを必要とするアプ リケーションがあります。現在のオシロスコープのほとんど は、オプションとして大容量の波形記憶メモリを提供してい ます。 このセクションでは、大容量メモリを使用したアプリケーシ ョンについて説明します。 大容量メモリによって、十分なデータ長で正確な測定が可能です。 7. メモリ 7. メモリ 大容量メモリを使用するアプリケーション 多くのアプリケーションでは、高サンプリング・レートで長 時間の波形捕捉を行う必要があります。例:レーダ信号のパ ターン監視やデータ内容の解析、広帯域無線通信、高エネル ギー物理学、高解像度のFFT。 シングル・ショット ” シングル・ショット” では、オシロスコープは、一度だけトリガ を行い、1メモリ分の取り込みを行います。シングル・ショ ットの利点は、データの捕捉中にデッド・タイムがないこと です。信号の詳細情報を捕捉するためには適切なサンプリン グ・レートを設定するが必要です。右表にあるように、メモ リ長に応じて長時間の波形捕捉をすることができます。 ヒストリ・ビュー 大容量メモリは、シングル・ショット測定の他、メモリ長い っぱいに捕捉した波形データのヒストリ・ビューにも活用でき ます。オシロスコープがトリガをする度に、捕捉した波形に タイムスタンプを付与した “フレーム “としてメモリに記憶し ます。使用可能なフレームの数は、インストールされている メモリのオプションによって決まります。これによって、大 容量メモリの性能を活用することができます(ヒストリ・ビュ ーについては、5.[更新レート]の項目を参照してください)。 最高のサンプリング・レートで大容量メモリに波形を取り込み、波形を再取得す ることなく、ズーム倍率を上げて信号の詳細を観察することができます。 波形捕捉時間 (ms) メモリ長 20Mサンプル 50Mサンプル 100Mサンプル 200Mサンプル 400Mサンプル 10 Gサンプル/s 2 5 10 20 40 5 Gサンプル/s 4 10 20 40 80 1 Gサンプル/s 20 50 100 200 200 500 Mサンプル/s 40 100 200 400 800 100 Mサンプル/s 200 500 1,000 2,000 4,000 10 Mサンプル/s 2,000 5,000 10,000 20,000 40,000 FFTと大容量メモリ FFT動作時には、捕捉メモリとサンプリング・レートが、周波 数分解能と測定可能周波数範囲に影響を与えます。 大容量メモリを利用すると、高いサンプリング・レートを長 時間にわたって保持できるので測定分解能を向上させること ができます。また、ノイズフロアを下げる効果があります( 右のスクリーンショットを参照)。さらに、温度ドリフトな どの低周波信号成分を検出することもできます。 R&S®RTOのFFT機能の特長 R&S®RTOのFFTは非常に強力です: J 簡単な操作:2ステップ以内の操作でFFTの解析結果を表示 J ユーザ・インタフェースには、スペクトラム・アナライザと 共通のパラメータ( “スパン” や” RBW” など)を採用し、シン プルな操作を実現 J 高速測定、高速表示:信号の詳細を表示 J 低ノイズのフロントエンドとENOB > 7による優れたダイナ ミックレンジ J 隠れた” 微 残光モード:信号の変化、散発的なエラー信号、” 弱信号を可視化 J スペクトル表示に適用できる測定機能:ピークtoピークなど のカーソル表示、全高調波歪、パワースペクトル密度 J 大容量メモリでスペクトル解析 FFT波形:トップからボトムまでサンプル・サイズを大きくするにつれて、ノイズフロアが低くなり分解能が向上します。 残光モードによって、周波数ドメイン でもオーバーレイ信号の詳細を可視化 することができます。 R&S®RTOのメモリ・オプション メモリ・オプションは、 “チャネル毎のメモリ長 “で表します。 少ないチャネルを使用する場合、メモリを組み合わせること ができます。4チャネル・モデルでは、最大400Mサンプルの メモリ長で捕捉を行います。 最大メモリ長 (1ch / 2ch / 3ch / 4ch) モデル 標準 オプション ¸RTO-B101 オプション ¸RTO-B102 R&S®RTO1012 40/20/--/-- 100/50/--/-- 200/100/--/-- R&S®RTO1014 80/40/27/20 200/100/67/50 400/200/133/100 R&S®RTO1022 40/20/--/-- 100/50/--/-- 200/100/--/-- R&S®RTO1024 80/40/27/20 200/100/67/50 400/200/133/100 サマリ: 大容量メモリを使用すると、高いサンプリング・レートで 長時間にわたって信号の詳細を記憶することができます。 繰り返し信号の場合、ヒストリ・ビューによって捕捉した 波形にタイムスタンプを付与して波形を記憶します。 大容量メモリによって、FFTの分解能が改善します。 メモリはチャネルごとに設定します。アクティブなチャネ ルが、非アクティブなチャネルのメモリを使用することが できます。 操作性 オシロスコープのユーザ・インタフェースは、基本機能の操作 を妨げずに、高度な機能にも簡単にアクセスできる必要があ ります。 R&S®RTOは、直感的な操作性を残しつつ、よく使われる機能 ほど少ない操作で呼び出すことができるメニュー構造です。 新機能の半透明ダイアログと信号アイコンは、タッチスクリーンの操作性を最大限に引き出します。 8. 操作性 8. 操作性 タッチスクリーン、マウス操作、フロントパネル 任意の方法で測定器を操作することができます。 半透明ダイアログボックスは、信号の流れ を示しています。また、相互リンクによっ て、関連付けられている設定をすばやく取 得することができます。 色による識別 動作中のチャネルが一目で分かります。トリガやスケールの ノブの周りやトリガボタンが、アクティブなチャネルと同じ 色に点灯します。 4 信号アイコン 3 信号アイコンは、入力されている信号の様子をリアルタイム に表示する小さなウィンドウです。これによって、信号波形 を画面に表示していないときにも、信号の変化を確認するこ とができます。また、信号が画面に表示されているときは、 5 2 1 2 信号アイコンには設定の詳細が表示されます。 3 ツールバー、十分なUndo/Redo回数 6 ツールバーを使用して、ズーム、カーソル、FFTなど頻繁に使 用する機能を容易に呼び出すことができます。また、十分な Undo/Redo回数を備えているので、簡単に設定手順のステッ コンパクト プを戻ったり進めたりすることができます。 R&S®RTOは、10.4インチの高解像度タッチスクリーン・ディ メニュー、ダイアログボックス R&S®スマート・グリッド セットアップ・ダイアログボックスは、パラメータや機能、 R&S®スマート・グリッドは、信号アイコンを使用して簡単に 内部での信号処理に関する情報を一目で確認することができ ます。また、関連する項目が同時に変更されるように、ダイ アログ同士が相互にリンクしています。このダイアログは、 半透明に表示されるので、波形表示を完全に隠してしまうこ とはありません。 スプレイを搭載しています。重さは、わずか9.6kgです。 波形表示の操作設定を行うことができる機能です。信号アイ コンを画面上にドラッグすると、設定画面が表示されます。 アイコンがドロップされた位置に応じて、自動的に画面レイ アウトが決められます。波形表示は、表示画面の大きさに関 係なく、常に最高の垂直分解能が適用されます。 R&S®スマート・グリッドによる画面の分割: 1 セットアップ・ダイアログ(半透明表示) 2 縦に並べて新しいダイアログを表示 3 横に並べて新しいダイアログを表示 4 新しいタブを表示 5 xy-ダイアログ 6 yx-ダイアログ サマリ: 見やすい大画面と持ち運びのしやすさを両立しています。 ツールバーと相互リンクによって、機能や設定にすばやく アクセスできます。 波形やフロントパネルを統一カラーで表示し、一目で識別 することができます。 信号波形を常に確認できるようにダイアログボックスを半 透明で表示します。 R&S®スマート・グリッドによって、信号アイコンを使用し て波形表示を簡単に調整することができます。 信号の流れの表示とアイコンによって、パラメータや設定 のステータスを一目で確認することができます。 プローブ、 アクセサリ パッシブ・プローブ パッシブ・プローブは、信号線、接続部、抵抗とコンデンで 構成されています。また、アンプやトランジスタなどのアク ティブ・デバイスが含まれていないので、電力供給は必要あ りません。パッシブ・プローブは一般的に、低コストで入力電 500 MHz パッシブ・プローブ --- R&S®RT-ZP10 圧範囲が広く堅牢です。 シングルエンド・アクティブ・プローブ アクティブ・プローブは、非常に低い入力容量を実現するた めにトランジスタ(電界効果トランジスタやFET)を使用して います。低入力容量と高い入力インピーダンスによって、高 い周波数応答と最小信号負荷を実現しています。電源は、プ ローブのコネクタ・インタフェースにあるピンを経由してオ シロスコープから供給されます。 モデル一覧 R&S®RT-ZP10 パッシブ 500 MHz シングルエンド R&S®RT-ZS20 アクティブ 1.5 GHz シングルエンド R&S®RT-ZS30 アクティブ 3.0 GHz シングルエンド 1.5GHz/3 GHz シングルエンド・アクティブ・プローブ --- R&S®RT-ZS20/30 9. プローブ、 アクセサリ 9. プローブ、 アクセサリ プローブの選択 プローブ ¸RT-ZS20 ¸RT-ZS30 アクティブ、 シングルエンド ¸RT-ZP10 パッシブ 帯域幅は、測定に適したプローブを選択する際の重要な基準 プローブ帯域幅 の1つです。一般的に、オシロスコープの帯域幅の1.5倍以上 1.5 GHz 3.0 GHz 500 MHz 入力インピーダンス 1 MΩ 1 MΩ 10 MΩ の帯域幅を持つプローブを使用することが望ましいです。他 入力キャパシタンス 0.8 pF 0.8 pF 10 pF に考慮するべきプローブのパラメータは、インピーダンス ダイナミックレンジ ±8 V ±8 V (抵抗と容量性負荷)、動作範囲、測定確度です。 優れた仕様 ¸RT-ZS20/30 の入力インピーダンス アクティブ・プローブには、測定ポイントでの信号源の負荷 1 Meg す。垂直ダイナミックレンジが大きく、1GHzで16V(Vpp)の信 号など高い周波数でも信号の歪みを防ぎます。ローデ・シュ ワルツのアクティブ・プローブのもう一つの利点は、オフセ ットと利得の誤差が、温度にほとんど依存しないことです (ゼロエラーは< 90μV/℃です)。これによって、テストを インピーダンス (Ω) を最小限にするために1MΩの入力インピーダンスがありま 100 k 10 k 1k 中断して再校正を行う必要がなくなります。 100 高速で低振幅な信号の評価 一般的な10:1アクティブ・プローブは、入力信号を10分の 1に減衰させます。振幅が350mVから35mVまで変動する 高速LVDS信号を、最適な分解能で信号を表示するために は、4mV/divの垂直軸スケールが必要です。 J R&S®RTOは、1mV/divまでハードウェアによる垂直軸スケー ルを提供します。他社製品では、ソフトウェアによるズー ム機能を使用しますが、R&S®RTOは高確度な専用アンプを使 用しています。 J 従来のオシロスコープでは、<10mV/divの垂直軸スケーリン グを選択した場合、帯域幅が減少してしまいます。これは、 低振幅と高速信号のトレードオフによるものです。これに対 して、R&S®RTOは、1mV/divまでの垂直軸スケールで最大帯 域幅を完全にサポートしています。 10 1 kHz 10 kHz 100 kHz 1 MHz 10 MHz 100 MHz 1 GHz 周波数 400 V (Ueff) R&S®マイクロ・ボタン プローブの先端に、 “Run single “や “Auto set “などのさまざま な機能をアサインして実行することができるボタンを装備し ています。これは、スコープの操作中に手が離せない場合に 便利です。 R&S®プローブ・メータ 各プローブの先端には、チャネルのインピーダンスでテスト 信号のDC電圧を測定するDC電圧計を内蔵しています。この正 R&S®プローブ・メータ 表示画面 1. シグナル・ソケット、 2. グランド・ソケット、 3. R&S®マイクロ・ボタン R&S®マイクロ・ボタン セットアップ画面 確な電圧計(±750μVの読み値で±0.1%の測定誤差)は、電 源電圧、信号とトリガのレベルの高速制御だけでなく、プロ ーブの自動オフセット補償を高速に制御できます。 パーフェクト処理:堅牢で人間工学に基づいたデザイン 優れた仕様や新しい革新的な機能に加えて、ローデ・シュワ ルツのプローブは、機械的耐久性、電気的信頼性、測定ポイ ントを確実にとらえる豊富なアクセサリ・セットを提供しま す。 R&S®RT-ZP10 パッシブ・プローブ用アクセサリ(標準付属) R&S®RT-ZS20/30 パッシブ・プローブ用アクセサリ(標準付属) プローブ・アクセサリ R&S®RT-ZP10 パッシブ・プローブ用アクセサリ・キット R&S®RT-ZA1 R&S®RT-ZS20/30用スペア・アクセサリ R&S®RT-ZA2 R&S®RT-ZS20/30用プローブ・ピン R&S®RT-ZA3 ミニクリップ R&S®RT-ZA4 マイクロクリップ R&S®RT-ZA5 ケーブル・セット R&S®RT-ZA6 サマリ: 信頼性の高い測定結果を得るためプレミアム仕様 J 最小負荷の1MΩ J 1GHzで16V (Vpp) の信号など高い周波数でも信号の歪みを防 ぐ、大きな垂直ダイナミックレンジ J オフセットと利得の誤差が、ほとんど温度に依存しない ため、テストを中断して再校正を行う必要がなくなります。 プローブのマイクロ・ボタンで、本体を制御(スタート/ ストップなど) 内蔵電圧計で高確度なDC測定(確度:読み値の± 0.1%) 堅牢で人間工学に基づいたデザイン 豊富なアクセサリ・セットを標準付属 オシロスコープを頻繁に使用している方も、この” オシロスコ ープの基本” をご一読ください。以下に、オシロスコープの重 要な性能特性を紹介します。 J 帯域幅 J 信号高調波 J 測定器のステップ応答 J ナイキスト・サンプリング J 量子化エラー J サンプリング方法 Headline 帯域幅に対する測定確度 測定確度 (%) オシロスコープ の基本 100.0 97.5 95.0 92.5 90.0 87.5 85.0 82.5 80.0 77.5 75.0 72.5 70.7 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 帯域幅 (GHz) 帯域幅 帯域幅は、オシロスコープが対応できる周波数の範囲の指標 であり、最も重要な特性です。帯域幅が不十分な場合、オシ ロスコープは、信号の振幅や立ち上がり時間を正確に測定す ることができません。また、信号の詳細を表示する性能に影 響を与えることがあります。オシロスコープの最大帯域幅 は、正弦波を入力して信号の振幅が3dB減衰する最も周波数 として定義されます。 オシロスコープの多くは、徐々にロールオフする周波数応答 を持っています。実際のオシロスコープの周波数応答の特性 は、モデルやメーカによって異なります。ただし、 “3dBポイ ント “での測定誤差は29%を超えていることに注意が必要です (右グラフ)。95%の測定確度を得るには、測定信号の約2倍 の帯域幅を備えたオシロスコープが必要になります。 10. オシロスコー プの基本 10. オシロスコー プの基本 J オシロスコープは、2次、3次の高調波を測定する必要があ ります。 J 帯域幅と立ち上がり時間には、相関関係があります。 J オシロスコープを選択する際には、” 5倍ルール” が重要で す。 J ナイキストの定理を満たし、エリアシングを避けるために少 なくとも帯域幅の2倍のサンプリング・レートが必要です。 実際には、正弦波だけを測定するのではありません。最新の 通信規格では、高速エッジや信号のデータレートよりもはる "方形波"の高調波成分 基本波 (Fundamental) 3次高調波 (3rd) 5次高調波 (5th) フーリエ変換による方形波 (1st – 5th) 振幅 信号高調波 かに高い周波数成分を含んでいます。オシロスコープに方形 波を入力すると、入力信号の基本周波数と同じ帯域幅の正弦 波信号が表示される場合があります。方形波信号が奇数次の fFundamental 正弦波の総計で構成されているため、多くの規格では、信号 f3rd harm. f5th harm. 周波数 の3次、5次あるいは7次高調波まで検討する必要があります。 このため、どのオシロスコープの帯域幅が用途に適している のかを検討しなければなりません。基本周波数の5倍の帯域幅 フィルタリングによる立ち上がり時間への影響 フィルタリングによる帯域幅への影響 を備えたオシロスコープを選択する必要があるという “5倍ル ール “があります。これは、振幅の測定確度、信号の立ち上が り時間や信号の詳細観測の性能を向上します。 h(t) h(f) 90% ステップ応答 ほとんどの通信規格では、信号の立ち上がり時間について最 リンギングを最小限に抑える ことによって、立ち上がり時間 が遅くなる場合があります。 小および最大値が規定されているため、信号が規格に準拠し ているかどうかを確認する必要があります。 信号に含まれる高い周波数成分は、フィルタリングによって リンギングを最小に抑えることができます。これは、測定器 の帯域幅と立ち上がり時間の性能に影響を与えます。 10% リンギングを最小限に抑え ることによって、3dB帯域幅 が減少する場合があります。 trise t f 帯域幅と立ち上がり 帯域幅が不十分なオシロスコープで立ち上がり時間を測定し 帯域幅と立ち上がり時間 た場合、実際の信号よりも大きな値が表示されます。オシロ モデル BW 10-90 立ち 20-80 立ち 最大データ 上がり時間 上がり時間 (5倍ルール) R&S®RTO1012 1 GHz 350 ps 220 ps 400 Mビット R&S®RTO1014 1 GHz 350 ps 220 ps 400 Mビット R&S®RTO1022 2 GHz 175 ps 110 ps 800 Mビット R&S®RTO1024 2 GHz 175 ps 110 ps 800 Mビット 使ってきれいなパルスを入力し、立ち上がり時間だけでな く、オーバーシュート、リンギング、ドループ、プリシュー トを測定します。 帯域幅と立ち上がり時間の計算 ¸RT-ZS20/30 - 周波数特性 -15 オシロスコープのユーザは、必要となる帯域幅の検討はしま す。10-90%のしきい値に基づいた立ち上がり時間特性を持っ た信号では、0.35の係数が最も一般的に使用されます。20-80 減衰量 (dB) 上がり時間は、簡単な計算式を使って計算することができま 0.22 BW = f = –––––– trise_10-90 trise_10-80 ¸RT-ZS20/30 - ステップ応答 350 -20 -3 dB -25 %のしきい値に基づいた立ち上がり時間特性を持った信号で は、0.22の係数が使用されます。 0.35 BW = f = –––––– Vout RT-ZS30 Vout RT-ZS20 すが、正確に評価する必要がある最も速い立ち上がり時間に ついて検討することは、あまりありません。 帯域幅と立ち 帯域幅と立ち上がり時間には、以下の関係式が成り立ちます。 入力/出力 (mV) スコープの性能を評価するには、ステップ・ジェネレータを プローブなし 300 RT- ZS30 RT- ZS20 250 200 150 100 -30 50 プローブ帯域幅 オシロスコープの帯域幅と同様に、プローブにも帯域幅が存 在します。 プローブで信号を3 dB減衰する周波数を “3 dBポイ ント “と定義します。 この帯域幅は、プローブのステップ応答 を理解するのに便利です。プローブの性能よりも高速なエッ ジが存在する場合、信号測定に対するプローブの実力を見る ことができます。 ナイキストのサンプリング定理、エイリアジング 信号を正しくデジタル化するには、少なくとも波形に含まれ る最大周波数成分の2倍以上のサンプリング周波数が必要で す。サンプリングが不十分な場合には、誤解を招く波形情報 (エリアジング)が表示される可能性があります。 -35 10 MHz 100 MHz 1 GHz 周波数 10 GHz 0 0 100 200 300 400 500 600 700 800 時間 (ps) サンプリング周波数の不足によるエリアジング 900 1000 デジタル化の基礎と量子化エラー 量子化エラー ほぼすべてのリアルタイム・スコープでは、ADCの定格分解 能は8ビットですが、有効ビット数は機種によって大きく異な ります。 ADCは、指定された電圧範囲で、サンプリング・ポイントに おける電圧値を割り当てます。標準的なリアルタイム・スコ ープは、8ビットのADCで 256の量子化レベルがあります。 右図は、3ビットのデジタイザのモデルです。この場合、ADC は8の電圧レベルを割り当てることができます。時間=tでの実 際の電圧値とADCによって割り当てられた値の差は、量子化 誤差と呼ばれます。 サンプリングとリアルタイム この文書に記載されている内容は、 “Real-Time, Digital Oscilloscopes” を参照しています。入力信号を “サンプル “するデジタ ル・オシロスコープは “サンプリング・スコープ “と呼ばれ、 “リア ルタイム “スコープとは別の製品として説明します。サンプリ ング・スコープは、 “等価時間 “で動作し ナイキストをはる かに下回る周波数でサンプリングを行います。 入力信号を繰 り返しサンプリングし、トリガ(主にエッジトリガ)との相 対的なサンプリング位置を計算して、波形を組み立てます。 サンプリング・スコープは、高帯域幅信号のコンプライアン ス試験のための経済的な選択肢ですが、グリッチやその他の 発生頻度の低いイベントを捕捉することはできません。現 在、ローデ・シュワルツは、サンプリング・スコープを販売 していません。 111 110 101 100 011 010 001 000 1 0.75 0.5 0.25 0 -0.25 -0.5 -0.75 -1 信号 量子化後 元の信号 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 35 40 45 50 量子化エラー 0 5 10 15 20 25 30 ローデ・シュワルツ について J 独立系企業 (GmbH & Co. KG) J 世界中の70以上の拠点からなるネットワーク J 売上高:12億ユーロ (会計年度2008.07 J 輸出比率:80%以上 J 従業員数:約7400人 (2010年3月時点) 2009.06) 事業分野: J 電子計測: ローデ・シュワルツの電子計測器、計測システムは世界中の 研究、開発、生産、サービス業務に携わる多くのお客様から 高い評価を受けています。 J 放送: ローデ・シュワルツの放送用送信機は、アナログとデジタル の両方式をサポートし、世界中のテレビ/ラジオのインフラ の構築に欠かせない存在となっています。 J 機密通信: ローデ・シュワルツの測定器は航空交通完成システムが正 常に機能し、航空機の航行の安全と効率が維持できるよう支 援しています。 JJ 無線モニタリング/無線ロケーション・システム: ローデ・シュワルツは、外交および安全保障上必要とされる 無線信号の検出、位置特定、解析を行うシステムや測定ソリ ューションを提供しています。 11. ローデ・シュ ワルツについて 11. ローデ・シュ ワルツについて 高品質に裏打ちされたサービス J 70カ国に広がるサービス網 J 顔の見えるサービス お問い合わせは J 個別の要望に応える柔軟性 ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社 本社/東京オフィス 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-20-1 住友不動産西新宿ビル27階 TEL:03-5925-1288/1287 FAX:03-5925-1290/1285 神奈川オフィス 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-13-13 KM第一ビルディング 8階 TEL:045-477-3570(代) FAX:045-471-7678 大阪オフィス 〒564-0063 大阪府吹田市江坂町1-23-20 TEK第2ビル 8階 TEL:06-6310-9651(代) FAX:06-6330-9651 サービスセンター 〒330-0075 埼玉県さいたま市浦和区針ヶ谷4-2-20 浦和テクノシティビル 3階 TEL:048-829-8061 FAX:048-822-3156 サービス受付 0120-138-065 E-mail: [email protected] E-mail: [email protected] http://www.rohde-schwarz.co.jp R&S®は、 ドイツRohde & Schwarz社の商標または登録商標です。 PD 4431.00412 | Version 01.00 | JP 1.0 | Jun.2010 | R&S® Scope Guide 掲載されている記事・図表などの無断転載を禁止します。 おことわりなしに掲載内容の一部を変更させていただくことがあります。 あらかじめご了承ください。