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「感謝の心」忘れぬ文化 金 香梅

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「感謝の心」忘れぬ文化 金 香梅
「感謝の心」忘れぬ文化
金
和歌山大学大学院
香梅
教育研究科
私は中国の吉林省出身です。中国の東北地方(昔の満州)に位置し、面積は43000
平方キロ(九州とほぼ同じ面積)、総人口は200万人です。気候的には温帯性気候に属
していますが、大陸のため冬の寒さは厳しいです。冬はマイナス20度にもなります。と
ても、寒く感じられますが、和歌山の寒さと少し違います。和歌山の冬はマイナスになる
ことはとてもめずらしく、我々にとって暖かいイメージがありますが、実は中国の北のほ
うから来た留学生にとってはとても慣れない寒さです。中国の北の場合は外はとても寒い
けれど、部屋の中はとても暖かいです。部屋の中で半袖だけでも十分いけます。日本は海
に囲まれているから冬になると寒気が骨の奥まで染みて来るように感じられ、とても耐え
られないです。
私は2006年中国の吉林大学から推薦されて、交換留学生として日本(和歌山)に来
ました。日本に来る前に何度も和歌山は田舎だと聞きました。関西空港から和歌山に向か
う車に乗って外の風景を眺めたら山と山が連なっている景色ばかりで、不安の気持ちでい
っぱいでした。まさか、本当の田舎?全部畑ばかり?正直和歌山に向かう道で少しがっか
りしました。でも、市内に近づくにつれビルも見えはじめ、少しにぎやかでほっとしまし
た。でも、今考えたら私は日本での留学先として和歌山に来たのをとてもありがたく思っ
ています。和歌山大学の先生方はとても優しくて、いつも助けていただきました。また、
WINコンコードをはじめ、たくさんのボランティアの支えがあり、留学生生活はとても充実
して、一生忘れられない思い出をいっぱい作ることができました。和歌山で私は勉強に励
みながら実際に日本人と触れ合い、日本文化を肌で感じました。和歌山は交通網があまり
発達していないし、とても静かな町です。しかし、どこにでも人情が溢れている町です。
交換留学生活で、日本のことが更に好きになり、中国の大学を卒業した後も日本の大学院
に入って語学力を向上させ、日本の社会についての認識を深めようと決心しました。それ
で、去年2009年9月に再び日本に戻って来て大学院に進学しました。
日本人は一年中楽しめることがあっていいなあと思ったことは何度もあります。春は花
見、夏は祭り、秋は紅葉、冬はスキーと次々と楽しんでいます。花見のときみんな約束し
たようにお城などに集まって、桜を見ながらお弁当を食べたり、夏は祭りでみんなの協力
で町がにぎやかであり、紅葉の季節とスキーの季節になったらみんな出かけて、観光地は
とてもにぎやかです。日本全国各地が幸せで、楽しい雰囲気に浸かっているように感じら
れます。日本人は礼儀正しいイメージがあります。お互いの気持ちを大切にし、一言でも
気を使って話します。常に感謝の気持ちを持って挨拶をします。今日お世話になった人に
その場で感謝の気持ちを伝えて終わる国も結構多いですが、日本人は常に自分が受けた恩
を忘れずに感謝の気持ちを相手に伝えます。
もし、昨日何かでお世話になった場合、「昨
日はどうもお世話になりました。」と言い、
また時間が経ったら「先日はどうも」と言い、
年が明けたら「昨年はどうもありがとうござ
いました。」など常々感謝します。日本の暮
らしの中でよく聞こえてくる言葉は「すみま
せん」と「ありがとうございました。」など
です。とてもいい文化であると思います。最
初はあまり「すみません」という言葉が口か
ら自然に出ませんでしたが、いつの間にか私
も習慣のように言っています。最初は一種の
礼儀として「すみません」という言葉をよく
使い、実は心では本当に悪かったとまでは思
いませんでしたが、だんだん使っているうち
にこの文化が染みてきて、不思議に口と心が
同時に動き始めました。私はこの文化がとて
も大切であると思います。日本人は仕事場で
責任感がとても求められています。どこでも責任感が求められますが、特に日本の場合、
「適当」、「大まか」はとても許されないように感じます。何でも、自ら自覚性を持って、
しっかりときちんとしないと、この社会では生きられないように思います。
日本で中国と中国語に興味と関心を持っている方が多く、大変嬉しいです。私はできる
だけ多くの中国の情報を伝えたいと考えています。中国に帰った後も日本の文化、生活習
慣などを中国人に伝え、日中友好のために力を尽くして貢献したいと思います。
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