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Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
地震・津波観測監視システム : 尾鷲市古江
町陸上局の「防災教育・人材育成のための
地域拠点」としての基本構想策定に関する
共同研究
Earthquake and tsunami observation system : a joint study
about fundamental plan of Furue base in Owase city as
“local base for education for disaster prevention and
bringing up the able persons”
浅野, 聡; 松浦, 健治郎; 奥野, 真行
Asano, Satoshi; Matsuura, Kenjiro; Okuno, Naoyuki
三重大学社会連携研究センター研究報告. 2010, 18, p. 79-84.
http://hdl.handle.net/10076/11484
地震 ・津波観測監視システム 尾鷲市吉江町陸上局の 『
防災教百 ・
人材育成のための地域拠点』 としての基本構想策定に関する共同研究
- AA
joint
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Furue
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about
fundamental
System
study
Earthquake
and
Tsunami
Observation
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浅野 聡 1) 松浦 健治郎 2) 奥野 真行 3)
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目的 として設置)な どで構成 した観測点を 20
独 立 行 政 法 人 海 洋 研 究 開発 機 構 (以 下、
箇所設置 し、全ての観測点を海底ケーブルで面
J
AMS
TECと略す ことがある)によって、文部
的につな ぐとともに、給電 とデータ伝送はリア
科学省の受託研究 (
平成 18年度∼平成 21年
ルタイムで陸上局を介 して行われるもので、平
痩) として 「
地震 ・津波観測監視システムの構
成 22年度より連続観測を開始する予定である
築」プロジェク トが取 り組まれている。 これは、
(
図 1)。陸上局は、尾鷲市吉江町の旧吉江小学
海溝型巨大地震である東南海地震の観測体制の
校敷地内 (
講堂跡)に整備されることが決定 し
944年の
強化のためのプロジェク トであ り、 1
ている。
東南海地震の震源域に位置 している紀伊半島沖
東紀州地域は 「
防災教育 ・人材育成のための
熊野灘を中心に、微密なリアルタイム観測を行
地域拠点」の不在 とい う課題を抱えてお り、東
う 「
海底ネットワークシステム」を構築するこ
海 ・東南海 ・南海地震に対応するための人材育
とを目指 している。
成の一層の推進等が強 く求められている。もー
し
このシステムは、
高精度の地震計、
水圧計 (
津
陸上局を 「
防災教育 ・人材育成のための地域拠
波の早期検知や海底地殻変動のモニタリングを
点」 として活用することが可能であれば、課題
の一部が解決 され ることが期待 される ととも
に、その存在をひろく三重県内に PR L、また
施設を有効に活用 してい く上でも有効 と考えら
れる。
本研究は、文部科学省か らの受託研究 とし
て独立行政法人海洋研究開発機構が整備予定
の 「
地震 ・津波観測監視システム 尾鷲市吉江
町陸上局」を研究対象 として、同陸上局の 「
防
災教百 ・人材育成のための地域拠点」 としての
活用方策に関する基本構想 として、普及啓発ス
図 1 :地震 ・津波観測監視システムのイメージ
ペースの活用計画 (
莱)を策定することを目的
(
出典 :地震 ・津波観測監視システム一乗南海地震の観測
体制の強化一
独立行政法人海洋研究開発機構)
としている。
1)三重大学大学院工学研究科建築学専攻 ・自然災害対策室
●
De
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2)三重大学大学院工学研究科建築学専攻 De
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3)三重県防災危機管理部地震対策室 De
- 7
9-
研究 成 果報 告
1.は じめに
2.「
地震 ・津波観測監視システム 尾鷲市古
分が地元住民のためのスペースに、南半分が し
江町陸上局」の概要
お学舎への来訪者のための駐車スペースになっ
(1)立地場所
ている。整備予定場所 は、海抜約 1
0m 程度の
尾 鷲市 吉江 町 は、 同市 中心部 よ り約 20km
場所 に位置 している。 これは、東海 ・東南海 ・
程度離れた場所にあ り、熊野灘沿岸特有の リア
南海地震発生時に想定される津波に対する陸上
ス式海岸沿いに点在する集落の一つである。 陸
局の安全性や利用継続を考慮 したものである。
上局 の建設予定場所 は、「
みえ尾鷲海洋深層水
三重県が平成 16年 3月に とりまとめた、東海 ・
アクアステーシ ョン」西側の高台に位置 してい
東南海 ・南海地震が同時発生 した場合における
る。
津波浸水予測結果 によると、防潮施設等を考慮
(
2)施設の概要
しない場合でも、同整備予定場所における津波
陸上局 の施設規模 (
予定) は、鉄骨造 ・平
浸水は予測されていない。
屋建 て、延床面積 は約 264Ⅰ
玉である。施設 は、
システム管理のための観測 ・機器室、研究室な
3.「
防災教育 ・人材 育成 のための地域拠点」
どか ら構成される。その他、普及啓発のための
と しての活用方策の検討
展示室 も併設 される予定 となっている。普及啓
(1)東紀州地域に特有の現状 と課題
発 のためのスペースは、約 1
00ni
程度が想定
尾鷲市古江町陸上局の 『
防災教育 ・人材育成
されている。陸上局舎は、平成 22年 3月末竣
のための地域拠点』 としての活用方策について
工(
予定)に向けて、
現在建設が進め られている。
検討する上で、東紀州地域特有の現状 と課題 に
(3)整備予定場所
ついて、い くつかの観点か ら考察を行 う
。
陸上局は、尾鷲市吉江町内の旧古江小学校敷
地内の南寄 りの部分 (
旧講堂跡)に整備される
1)被害想定 一大津波による甚大な人的被害
今後 30年以 内の地震発生確率が 87% (
政府
予定 とな ってい る (図 2)。整備予定場所 は、
地震調査委員会による平成 22年 1月 1日時点
国道 311号沿い にあ り、敷地 内へ は、国道 よ
での長期評価による)である東海地震をは じめ、
り進入するスロープが整備されている。同一敷
東南海 ・南海地震等の南海 トラフを震源 とする
地 内には、旧吉江小学校校舎を活用 した 「
おわ
海溝型 巨大地震は、将来必ず発生 し、三重県に
せ深層水
大きな影響を与える地震である。
株式会社モクモクしお学舎」がある。
旧校舎前のスペース (
旧校庭)は、現在、北半
三重県が平成 17年 3月に とりまとめた地震
による被害想定結果 による と、東海 ・東南海 ・
南海地震が同時発生 した場合、三重県内での人
的被害 (
死者) は、約 4,
800人 に及 ぶ と想定
され てい る。約 1
,
700人 は強震動 による死者
であ り、約 3,
100人 は津波 による死者 (
地震
が早朝 に発生 し、防潮施設等が機能する一方、
住民の津波避難意識が 「
低い」場合を想定)で
ある。 この うち、東紀州地域 (ここでは、紀北
町か ら紀宝町にかけての地域の ことを指す)に
おける被害の特徴は、地震発生後短時間の うち
に沿岸に来襲する大津波によって、甚大な被善
が想定 されていることである。東紀州地域にお
ける津波による死者 (1
,
738人)は、県内全体
図 2:尾鷲市古江町陸上局の整備予定場所
-8
0-
上述 したような、東海 ・東南海 ・南海地震の
ている。一方、住民による津波からの避難意識
発生により想定される甚大な被害を軽減するた
が高まれば、東紀州地域においては、それだけ
めには、住民 ・地域 レベルでの 「自助 ・共助」
で津波により想定される人的被害が約半分程度
による地震防災の取組が必要不可欠である。一
にまで軽減されることもあわせて提示されてい
方で、今後三重県全体が立ち向か うべきこれら
る。津波避難意識の向上による東紀州地域にお
の海溝型巨大地震は、今後ある一定期間内には
ける被害軽減 (
減災)分は、県内全域のそれの
必ず発生 し、三重県に大きな影響を与える地震
約半数程度を占めている。津波に関する啓発や
であるが、東海地震については、「
いつ起 こっ
意識向上が、被害軽減のためにいかに重要かを
てもおかしくない」 といわれつつ、東南海 ・南
示 している。
海地震等の発生可能性が確率的に最 も高 くなる
2)地域社会一過疎化 ・高齢社会の進行
のは、今から約 30年程度先であるともいわれ
ている。
地域社会の観点から、東紀州地域において現
今後、減災対策が推進、促進されてい くには、
状及び今後の課題 として考えられるのは、「
地
域全体で過疎化、高齢化が進行」 していること
住民 ・地域 レベルでの 「自助 ・共助」による地
である。国立社会保障 ・人口問題研究所による
震防災の取組が 「
持続可能」である必要がある。
「日本の市区町村別将来推計人 口 (
平成 20年
そして、その実現のためには、以下に例示する
12月推計 )」 によれば、東南海地震 の発生可
ように、「
複数の流れ」による地域防災力を継
能性が確率的に最も高 くなる 2035年頃、東紀
続的に向上させるための 「
異なる世代」での人
州地域の全体人 口は、現在の約 6割程度 にま
材の育成 ・確保が極めて重要である (
図 3)。
地域防災力を継続的に向上させるためには、
で減少する と推計されている。また、65歳以
上の高齢者が社会に占める割合は、2005年の
「ヒ ト」、「コ ト・モノ」の観点か らの取組が必
31.
2% か ら、30年後の 2035年には 45.
1
%に
要である。まず 「ヒト」の観点について、地域
まで上昇すると考えられ、社会の 「
約半数」を
における防災に関する人材育成や普及 ・啓発の
高齢者が占める状況 となる。すなわち、超高齢
現状について概略を把握す ることを 目的 とし
社会の状況の中で、大規模地震を迎える可能性
て、平成 21年 10月 26日に尾鷲市役所防災
が高 くなってお り、地域を復旧 ・復興させるこ
危機管理室からのヒアリングを実施 した。その
とが困難 となる可能性も指摘されている。
結果、地域住民への周知 ・啓発はもとより、特
3)立地条件 一様々な面で大きなハンディ
に児童への防災教育を重要視 してお り、学校現
以上のような課題のほか、地理的かつ根本的
場における防災教育を市 と県 との連携により実
な問題 として、三重県の県都である津市 と東紀
施 していること、今後の方向性 として、防災教
州地域 との間には、 100km を超える距離や複
育を継続的なもの として推進 してい くために、
数の峠が立 ちはだかっていることがあげ られ
る。同地域に至る主要幹線道路は国道 42号一
本のみである等、交通インフラの整備は大きく
遅れている。東紀州地域は、東京からの 「
時間
距離」が約 13時間であ り、「
情報収集」や 「
人
的交流」等、立地条件に関する様々な面で大き
なハンディが存在 している。
図 3:
地域防災力を継続的に向上させるための 「
複数
(2) 東紀州地域における 「
防災教育 ・人材育
の流れ」による 「
異なる世代」での人材の育成 ・確保
成のための地域拠点」の現状と課題
のイメージ
-8
1-
研究成 果報 告
の津波による死者 (
3,
147人)の半数超を占め
上述の 「
海学」的な要素 も含めた定期的な総合
計画 (
秦)の提案
学習の場の実現について模索 していることがわ
(1)普及啓発スペースの活用計画 (
莱)の検討
かった。次に、「コ ト・モノ」に関して、現状
1)活用主体と活用テーマ
をみてみると、防災に関する人材育成のための
吉江町陸上局を活用する視点から活用主体 と
より多種多様なプログラムや地震防災啓発を目
活用テーマについてまとめると、まず活用主体
的としたイベント等は、県庁所在地である津市
としては「
吉江町地区住民 と自主防災組織」、「
尾
を中心 として展開されてお り、東紀州地域を基
鷲市民 (
東紀州地域県民を含む)」、「
尾鷲市内
準 とすれば、地理的 ・距離的なハンディがある
の小学校・
中学校・
高等学校の教員 と生徒」、「
観
と考えられる。さらに、これは、東紀州地域に
光客」が考えられる。
限ったことではないが、『
防災教育 ・人材育成
次にそれぞれの主体の活用テーマ としては、
のための地域拠点』は、同地域には不在である
「
吉江町地区住民 と自主防災組織」および 「
尾
のが現状である。
鷲市民 (
東紀州地域県民を含む)」 による 「自
以上のようなことを考慮すると、住民 ・地域
主防災組織の会議、防災に関する勉強会 ・講演
レベルでの 「自助 ・共助」による地震防災の取
会 ・ワークショップ」、「
尾鷲市内の小学校 ・中
組が 「
持続可能」であるとともに、地域防災力
学校 ・高等学校の教員 と生徒 (
東紀州地域の小
が継続的に向上 してい くためには、「ヒ ト」 と
学校 ・中学校 ・高等学校の教員 と生徒を含む)」
いう観点から、地域における取組が推進されて
による 「
防災学習」 (
小学校の場合は総合学習
い くとともに、その取組がより効果的に推進さ
の一環 として)等が考えられる。
れてい くための枠組みの一つ として、「コ ト・
また、陸上局には 「
海学」 という観点から共
モノ」 とい う観点から、『
防災教育 ・人材育成
おわせ深層水 株式会社モクモ
通する施設 (「
のための地域拠点』の存在が必要である。
クしお学舎」
「
みえ尾鷲海洋深層水アクアステー
(3) 古江町陸上局における 「
防災教育 ・人材
シ ョン」) が近接 して立地 してお り、 これ らの
育成のための地域拠点」としての活用の意義と
施設 とも連携 して活用をはかることにより、よ
可能性
り多 くの市民等が有効に活用することが可能 と
以上のように、東紀州地域に共通する課題 と
考えられる。J
AMS
TECは、地震や津波のみな
して 「
防災教育 ・人材育成のための地域拠点」
らず海洋生物や気候変動など 「
海学」全般につ
の不在があげ られる。「
地震 ・津波観測監視シ
いても幅広い研究成果を有 してお り、「
海洋深
ステム」によって得 られた成果等を活用 しなが
層水」 も含めて熊野灘の 「
海学」についても併
ら、吉江町陸上局を 「
防災教育 ・人材育成のた
せて情報提供することが可能 といえる。従って
めの地域拠点」 として活用することが可能であ
活用テーマの補足 として 「
吉江町地区住民 と自
れば、その意義は大変に大きく施設が有効に活
主防災組織」、「
尾鷲市民 (
東紀州地域県民を含
用されることが期待される。また 「
海学」の観
む)」、「
尾鷲市内の小学校 ・中学校 ・高等学校
点から 「
おわせ深層水 株式会社モクモクしお
の教員 と生徒 (
東紀州地域の小学校 ・中学校 ・
学舎」や「
みえ尾鷲海洋深層水アクアステーショ
高等学校の教員 と生徒を含む)」 による 「
海学
ン」 と連携することにより、より多 くの市民等
に関する勉強会 ・講演会 ・ワー クシ ョップ」、
によって有効に活用される地域拠点にもな りう
また 「
観光客」による 「
海洋深層水イベン ト」
ると考えられる。
。なお災害時においては、
が考えられる (
表 1)
「
吉江町地区住民 ・吉江町地区施設の従業員 ・
4.「
地震 ・津波観測監視システム 尾鷲市古
観光客」が 「
一時避難場所」 として活用するこ
江町陸上局」における普及啓発スペースの活用
とが考えられる。
- 8
2-
設計 されている。天井高 は 3000mm で、一部
2)提供主体 と提供 テーマ
次 に提供す る視点か ら提供主体 と提供テーマ
3500mm とな ってい る。 開口部 は東面 :4カ
につ い て ま とめ る と、 まず提供主体 として は
所、南面 :4カ所、西面 :2カ所 であ り、全 て
「
J
AMS
T
E
C
J「三重県」「尾鷲市」「
(
樵)モ クモ
60mm であ る。展示 室 と
幅 800mm、高 さ 21
クしお学舎 」「
三重大学」が考 えられる。
玄関ホールは連続的に空間が続 くよ うに設計 さ
J
AMS
T
E
C・三重
次 に提供 テーマ としては、 「
れている
。
④活用のイメージ
県 ・尾鷲市 ・三重大学」による 「自然災害 (
也
J
AMS
T
E
C・三重大学」
震 ・津波)系 テーマ」、 「
展示室の活用イメージについて、大 き く 3つ
の使い方を想定する。
学舎 ・
みえ尾鷲海洋深層水アクアステーシ ョン・
a)活用案 1:2室利用 (
展示 +講座)
まず、 2つの可動間仕切 り壁を設置すること
尾鷲市 ・三重県 ・三重大学」による 「
海洋深層
水系テーマ」が考 えられる (
表 1)。
以上のよ うに提供テーマは 3テーマにまとめ
によって、2室空間 とする使い方が考 えられる。
玄 関ホール と隣接す る手前 の空 間を展示空 間、
る こ とが 出来、 これ らのテーマが活用主体 に
奥の空間を講座ができるような空間 として レイ
よって適宜選択 出来 るように提供することが出
アウ トを検討 した (
図 4)
。
手前の展示空間の壁面には展示ケース と展示
来れば、陸上局が有効に活用されるもの と考 え
られ る。
パネルを置 くことができる。 また、展示室の中
3)活用のイメージ
央部 には大 きな展示ケースの設置が効果的であ
①展示室の平面計画
る。展示空間の奥には液晶テ レビとDVDプ レー
現在の展示室の平面計画案について、整理す
る。展示室 は大 き く 2つに分割ができるように
ヤーを設置 し、防災や海に関する多 くの映像 ラ
イブラ リーを 自由に視聴できるように した。
表 1:「
地震 ・津波観測監視システム 尾鷲市古江町陸上局」における普及啓発スペースの活用計画 (
寡)
活用蓋体
・
富江町機区住 民鳩 立筋栄組織
活用テ-マヰ痢密
未活用立錐によって.適宜.以下のテ
鳩 蓋防教組塞義務
・
防災勉強会 ・
講演会・
ワ- -マが選択できるよ部二様快する瀞
ウシヨッブ
-
升席管市民も
兼紅顔地域県民を禽むき
提携蓋鉢
援焼李-常幸内容
-
・
簿撃勉強会・
添演轟 i
ワ- _
藍
塾 配 慮 濃主
義藍霊芝
摘 虚患温室_
クショップ
>異学
・
地雷津波観謝 監視・
宅
磯 濁 魔巣の寧産鞄魯魚 等)
事
新鋭p
或濃密襲恵投
鳩 蓋駐米リ-ダ-愈練
・
防災勉強幾枚
緋涙金ガ
ワー
タショップ
温さ
海字義1
.
%
L
=7,
大気循環顎
褒殊変動・
環壌変動
・
海草勉強会・
講演会・
り- 等
・
海洋生物q
鍵生物 等
クショップ
如
.
J
AはS
T
芭
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繁
・
巌 華
・
三重県
・
三藍大学
◆
-
.
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A
MST
E
C
・
三豊大挙
整礎内容
E
董内薫頒3
・
軌イ ス・
ソファ
・
演台
・
パソコン
・
ブnジェクタ・
スクリーン
・
ホワイトポ-ド
覗
スピー尭・
溢晶テレビ
・
DVDプレイヤー
、
、
・
上映用 DVD
・
根満蒙禎システムデー
ミ
輩教頭地区内桝・
率x
姦境の教農・
隻磯を禽むき
・
防災学習
・
海草学習
用も
学校犠鋸歯学習の-壌)
t
観光客
・
海洋深層水イベント
・
尾鷲市内小・
中・
高校の教員L
生徒 -
山
■
;
讃)海洋深層漉義子-守
・
深潜水の灘遮方法・
製品敬
一
深磨凍愛塵'琴
一
・
おわせ深耕水
線或轟社モク
モクしお学舎
・み 免尾鷲海洋
深層水アクア
ステーション
A 鷲帯
・
三重県
E
摩外整備3
・
案内サイン
・
芝藍東撃
・
バ-キング(
アクアステ
ーションのバーキシグ利
捕)
尾
・
音法野地済健 箆
・-
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晴渡艶c
数塊登簿き
・
音圧野地済施汝の凍寒最
・
おわせ深層水
錬成轟敏モク
モクしお琴舎
・
尾鷲番
・
吸盤審
- 8
3-
タ簿の轟禾モニターと
説明パネル
・
テレビ会漣システム
・
展示ケ-ス
・
展示パネル
研 究 成 果報 告
(
秩)モ クモ ク しお
による 「
海学系 テーマ」、 「
1) 「(
仮)尾鷲市古江町陸上局運営協議会」の
準備 と立ち上げ
莱)を実現するた
表 1にまとめた活用計画 (
めには、まず関係者 (
J
AMS
TEC・
尾鷲市 ・
三重県・
三重大学等)で準備会を設け、検討することが
必要である。準備会における検討を通 じて、活
用計画 (
莱)実施の見通 しがたった後には、準
備会を
「
(
仮)尾鷲市吉江町陸上局運営協議会」
として発展的に解消 し、同協議会における検討
を通 じて、年度 ごとの活用計画の策定、活用事
業の実施、活用結果の振 り返 り (
成果 と課題の
平
面
図
S
:
1
/
1
2
0
洗い出 し)な どに取 り組むことが必要である。
また地域住民 とは、 日常時および災害時の陸上
局の活用や管理に関する協力体制づ くりを構築
することも必要 と考えられる。
2)段階的な充実と展開
活用計画の内容は、表 1に示 した内容につい
断
面
図S
:
1
/
1
2
0
図4:
展示室の平面図 ・断面図 (
2重糾用 億示+講郵)
ては短期的 (1-3年)あるいは中期的 (
35年)的には概ね一通 り整備されることを目指
0年)には内容が
す とともに、長期的 (5- 1
奥の講座ができる空間には、36名程度が収
より深化するように、段階的に充実、展開させ
容できる椅子 とテーブルを設置 した。プロジェ
るように配慮することが必要である。なお長期
クターによる講義を想定 して、天井据え付けの
的には、
和歌山県沖(
紀伊半島潮岬西方)にも「
地
プロジェクター、スクリーン、スピーカー、操
震 ・津波観測監視システム」が整備される予定
作盤を設置 した。 TV会議システム等の機能拡
であ り、両システムの連携による提供内容の充
充も考えられる。
実化をはかることも可能 と考えられる。
b)活用案 2:2重利用 (
展示 +ワークショップ)
2室利用 (
講座+展示)と基本的には同じで、
玄関ホール と展示空間の間の間仕切 り壁をな く
謝辞
し、一体の空間 とした。また、奥の空間を講座
研究を進めるにあた り、独立行政法人海洋研究開発
ではな く、ワークシ ョップができるようなレイ
機構地震津波 ・防災研究プロジェク トプロジェク ト
2人グループ
アウ トを検討 した。具体的には 1
で議論ができるように、テーブル、椅子、ホワ
リーダー ・
金田義行氏、尾鷲市防災危機管理室室長 ・
川口明則氏に貴重など助言を頂いた。 ここに記 し、
感謝申し上げる。
イ トボー ドを 2組 レイアウ トした。
⊂)活用案 3 :1室利用 (
展示 +α)
参考文献
間仕切 り壁を取 り払えば、 1室 としても活用
できる。例えば、壁面に展示物を配置すれば、
広い空間ができるため、講座・
ワークショップ
・
イベン ト等の多目的な利用が可能 となる。
(
2)実現に向けて
-8
4-
1)三重大学・
三重県防災危機管理部地震対策室 :
「
地
震・
津波観測監視システム尾鷲市吉江町陸上局の 『
防
災教育 ・人材育成のための地域拠点』 としての活用
方策に関する基本構想策定」報告書 (
201
0)
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