BID 効果(米国の事例) - Urban Structure Research Center, Inc.
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BID 効果(米国の事例) - Urban Structure Research Center, Inc.
『US-STYLE “BIDS” Launched with 22 Pilot towns and cities selected for National Pilot Project/ATCM』より BID 効果(米国の事例) 訳/株式会社都市構造研究センター 中澤容子 米国には 1,300 地区以上の BID があり、主要プロジェクトとサービス提供に関し、確実に年間総額 10 億ドル以上を生み出している。 ブライアント・パーク(ニューヨーク) ブライアント・パーク地区は、40th と 42nd、5ave.と 6ave.の間にあるミッドタウン・マンハッタンでも有名な場所の 中央に位置する活気の失われた地域であった。BID を活用することでブライアント・パーク地域のイベントや改善プ ログラムを管理するための資金を調達し、問題のある公益的施設をコミュニティ資源へと変化させ、今では自らの 資金とスポンサーシップによって年間 500 万ドルを生み出している。ブライアント・パーク BID は、グレース・ビル ディングの価値を 7,220 万ドル増加させることとなった。 ダウンタウン・ニューヨーク ニューヨーク市の各地で、Downtown Alliance(ダウンタウンのビジネス復興を目的とした団体)の活動により、2000 年までの 5 年間で商業空店舗率が 18.3%から 8.9%まで減少したことが分かっている。さらにその地域におけるハイテ ク産業は 300 社から 700 社に増加した。広範囲に及ぶ落書き問題も新たにデザイン化を行い、街路清掃に対する評価 は平均 9%上昇した。一方で、115 店もの既存店舗の外観を一新、住居施設を 1,800 戸から 6,900 戸まで増やすととも に改造を行い、ホテルも 2,000 室から 3,500 室に増加させ、以前は存在しなかった地区に 3 つのスーパーマーケット を誘致、労働人口を 360,000 人から 400,000 人へと増加させている。 ワシントン DC ワシントン DC の BID であるダウンタウン DC は、1997 年から 2000 年の 4 年間の経済変化を測定し、その結果、空 き店舗が 50%減少、ホテル稼働率が 6%増加、イベントによる来街者は毎年 3 倍増の 890 万人となったことを証明し ている。1996 年∼2000 年の間に、コミュニティ安全プログラムによって、深刻な犯罪を 28.1%減少させ、車上荒し が 71.6%、スリは 50%減少しているとしている。 センターシティ・ディストリクト BID(フィラデルフィア) シティーセンター・ディストリクト BID の目的は、地域の中心ビジネス街としての国際的競争を増加させ、芸術、文化、 食事、娯楽、買物のための目的地としてシティ・センターの地位を向上すること、さらに生活の重要な場所としてセン ターシティを強化することである。このエリアには 9,000 以上の企業と 2,400 もの小売店が存在する。2001 年だけで、 BID はエリア内サービス提供と改善のために 1,130 万ドルの収入を生み出した。また、補償プログラムにより、安全と 感じる居住者が 20%増加した。成功したサービスとプログラムには以下が含まれている。 • 清掃とメンテナンス(夜間清掃、歩道清掃、落書き除去) • 安全と犯罪防止(コンピュータでリンクされた犯罪追跡や地図のインストールと警察駐在所増加の運営経費を含む) • マーケティングとコミュニケーション(娯楽、フェスティバル、情報イベントの創出、スポンサーシップを含む) (c) 2000 Urban Structure Research Center, Inc. All rights reserved. Updated Feb 2003