...

(2)三次元計測データ作成(GNSS/IMU 処理) レーザ計測時に取得した

by user

on
Category: Documents
13

views

Report

Comments

Transcript

(2)三次元計測データ作成(GNSS/IMU 処理) レーザ計測時に取得した
(2)三次元計測データ作成(GNSS/IMU 処理)
レーザ計測時に取得したデータのスキャン角度、距離、ジャイロ回転角、加速度、
空中 GNSS 情報と地上 GNSS 情報から、各レーザ点群の 3 成分(X,Y,Z)及び CCD カメ
ラ主点毎の撮影位置情報を算出した。
※GNSS:全地球航法衛星システム・・・三次元空間位置の計測
IMU:慣性計測装置・・・三軸方向の加速度及び三軸周りの角加速度の計測から、三次元空間位置
と三軸周りの回転角を算出
1)GNSS/IMU データ解析結果
飛行軌跡の解析は、地上側 GNSS 観測データと飛行機側 GNSS 観測データをキネ
マティック解析し、解析後の飛行軌跡を色表示されたものから、各レーザ計測コース
点での信頼性(解の決まり具合)を確認した。飛行軌跡の解析結果では、作業規程では
Quality1(精度が一番良い)~Quality 3 の範囲内であることが基準となる。飛行軌跡
の解析結果では、全てのデータが Quality 1 であり信頼性が高く良好であることを確
認した。
経度
信頼性
Quality1
Quality2
Quality3
緯度
図
Ⅱ-5-(2)-1 航跡図
107
2)人工衛星観測結果
GNSS 観測に使用したデータ取得時の GNSS 衛星の数は 5 個以上が基準となる。
本フライトでは、GNSS 衛星の数は常時 5 個以上であることを確認した。
衛
星
数
全地球航法時間
図
Ⅱ-5-(2)-2 人工衛星取得数確認図
全地球航法時間:日本の月曜 am9:00 を基準(0)として 1 秒毎増加する時間。GNSS(GPS)
に利用される時間である。
3)DOP(精度低下率)結果
衛星配置による測位精度の低下率を数字で表したものである。DOP は数値が大き
くなるほど精度が低くなる(測位誤差が大きくなる)ように表される。
GNSS 観測に使用した衛星の DOP は 3 以下が基準となる。本フライトでは、衛星
の DOP は 3 以下であることを確認した。
全地球航法時間
図
Ⅱ-5-(2)-3 PDOP 確認イメージ
108
4)欠測率
欠測率は、国土基本図単位で算出するものとし、1m メッシュに 1 点以上ポイント
があるかどうかの判定を行い、ポイントが無いメッシュ数が 15%以内であることが
基準となる。算出結果は下表の通りで、最大 0.02%、平均 0.00%となり、基準以内
であることを確認した。
表
全体平均
Ⅱ-5-(2)-1 欠測率
0.00
最小
109
0.00
最大
0.02
(3)調整用基準点計測
精度検証を行う調整用基準点は、図 Ⅰ-3-(4)-4に記載したとおり、対象範
囲内の道路等の平坦な場所に5か所設置したが、予定していた箇所については、取得し
た画像を確認した結果、
下図のように全て雪で覆われていたため、
改めてⅡ-5-
(3)
-2の様に周辺地区にて調整用基準点設置を行った。
GCP1
GCP3
GCP2
GCP1 GCP2
GCP3
GCP5
GCP4
GCP4
GCP5
図 Ⅱ-5-(3)-1 調整用基準点予定地
110
調整用基準点は周辺地区にて、積雪が少なく平坦な箇所を改めて選点を行い、下図の
ように 5 か所を選点した。実際の観測時の写真は次ページに掲載する位置にて観測を
実施した。
補備計測を行う際は、裸地にて積雪調査を実施している、既存のコース(C5)について
も同時にフライトし、積雪量を考慮した検証を実施する。
GCP1
GCP3
GCP5
GCP2
GCP4
図 Ⅱ-5-(3)-2 調整用基準点再設置箇所
111
GCP1
GCP2
GCP3
GCP4
GCP5
図 Ⅱ-5-(3)-3 調整用基準点の再設定場所
112
(4)調整用基準点とのデータ検証作業
航空レーザ測量の標高精度は、調整用基準点の成果と取得データとの比較検証を
行うことで精度管理とした。また、位置精度の検証については、取得データとの構造
物エッジの特定できる箇所を選定し、双方向のデータ比較を行った。
【留意事項・精度基準】
実測で求めた調整用基準点の標高値と、メッシュ間隔と同一半径の円又は概ね 2
倍の辺長の正方形内にあるレーザ計測点の標高値との較差を求め、標準偏差が 25cm
以内であること。
1.0m
+:実測点(調整用基準点)
+:レーザ計測点
図
Ⅱ-5-(4)-1 精度検証手法イメージ
観測結果との検証結果は下表の通りで、標準偏差が約 2cm であり十分な精度を保
っていることが分かった。
表
番号
計測範囲全域の
水準との差
Ⅱ-5-(4)-1 調整用基準点との較差
点
名
水準結果
レーザ成果
水準との差
1
No1
699.615
699.602
0.013
2
No2
769.164
769.167
-0.010
3
No3
818.652
818.674
-0.022
4
No4
878.537
878.505
0.032
5
No5
878.192
878.189
0.003
データ数
平均値(m)
最大値(m)
最小値(m)
5
0.003
0.032
-0.022
113
最大値-
標準偏差
最小値
(m)
0.054
0.021
なお、これらの結果を基に、既にレーザ計測済み(2/18)であるコース 5 の積雪量と
調整用基準点箇所を別途レーザ計測 (2/27)した時の積雪量とを比較し、検証及び補
正を実施した。
表
Ⅱ-5-(4)-2 宝川地区の積雪調査時点(2/19)の積雪量(裸地地点)
観測地点番号
1
2
3
4
5
6
平均
表
積雪深[cm]
67
77
78
76
78
80
76
密度[kg/m3]
287
274
297
319
281
285
291
Ⅱ-5-(4)-3 気象庁観測所による 2 月の積雪量グラフ
250
藤原
118
200
106
150
84
73
75
100
50
104
95
44 46
47
43 45
41 40 39
26 27 29 24 25 23
0
みなかみ
75 73
61
53
57
藤原
55 53
67
52
55
42
みなかみ
53 53
47
53
49
55
55
47
44
52 50
35 36
21 21
34 33
29 28 25 29 25 25
23 20
30
1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829
補備計測を実施した 2/27 は積雪深の現地観測を実施していないため、気象庁によ
る観測所のうち最近隣である「藤原」「みなかみ」の積雪量を参考とした。
その結果、
「藤原」は計測対象箇所に近く、2/19 の積雪量は 55cm であり、現地実
測の値(表Ⅱ-5-(4)-2)とより近い数値であることから「藤原」の値を参考に
補正量を算出した。積雪量の違いについては、2/19 が 55cm、2/27 が 47cm である
ため、この間に積雪量は 8cm 少なくなったことが分かる。しかし、2/18 と 2/27 の
レーザ計測データのコース 5 の裸地地点の積雪面標高は同じ値であった。表Ⅱ-5
-(4)-3の結果によると、2/18 時点の積雪面が 2/27 よりも 8cm 程度高いと考
えられるため、2/18 の計測データをプラス方向に 8cm 一律シフトを実施した。
114
Fly UP