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ヘッドマウントディスプレイを使用した

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ヘッドマウントディスプレイを使用した
ヘッドマウントディスプレイを使用した、
ヒューマン・ナビゲーションシステムの研究・評価
上妻亜里沙,
東明佐久良、 山際純子、 池田麻千子
The Development and Assessment of the Human Navigation System
via Head Mount Display
Arisa KOZUMA ・Sakura SHINOAKI・Jyunko YAMAGIWA・Machiko IKEDA
Abstract:
A Head Mount Display is a one-eyed glasses which contains liquid screen
displays the pictures in spaces.
This paper describes the development
and
and
assessment of Human Navigation System using Head Mount Display(HMD) .in case
of
applying this equipment to Navigation Services in Disney Sea Park.
Keyword:GIS,GPS, Head Mount Display(HMD)
1.
はじめに
ため、アトラクションの場所などを把握している
本論文は、GPS の機能を使い、ヘッドマウン
人が少ないということと、地域が広範囲のため、
トディスプレイを使用した、ヒューマン・ナビゲ
自己の場所の特定が困難なことなどにの理由によ
ーションシステムの研究開発について述べたもの
り、東京ディズニーシーを選定した。本論文にお
である。ヘッドマウントディスプレイを使用する
いては、まだ開設されて新しいディズニーシーの
ことにより、両手で地図を持たなくても、歩きな
地図上に GPS を利用した、位置情報、アトラクシ
がら随時、現在地、目的地などを見たり、夜の暗
ョン情報をヘッドマウントディスプレイに表示す
い時でも地図を見ることができ、ナビゲーション
る、すなわちディズニーシーのナビゲーションシ
として非常に便利と考えられる。ヘッドマウント
ステムを構築し、評価することを目的としている。
ディスプレイ(HMD)とは、メガネ型のパーツの中
2.ウエラブル・コンピュータ と
に小型液晶ディスプレイを内蔵したもので、装着
ヘッドマウントディスプレイ
した人の目の前に映像を映し出すことができる。
本研究で使用したヘッドマウントディスプレイ
研究開発の地区として、開設されて、日が浅い
は、一般的にウェアラブルコンピュータと呼ばれ
上妻
亜里沙
住生コンピュータ(株)サービス情報ビジネス開発部 Tel:047-395-1706
ている。ウェアラブルコンピュータとは、身に着
外の様子と画面の両方を見ることができ、したが
けて常時利用できるようにした小型のコンピュー
って、何かの作業を行いながら画面を見ることが
タで、服、腕時計、メガネなどのように身につけ
可能である。
ることで、いつでもどこでも活用できるようにし
ようにしたものである。基本的な構成として、小
型のコンピュータとディスプレイからなり、 デ
ィスプレイの種類としては、①頭からかぶって装
着するヘッドマウント型②メガネのように花と耳
にかけるフェイスマウント型③片方の目の前方少
し横に置くスカウタ型などがある。コンピュータ
本体の装着方法としては、ズボンのベルトに装着
したりポケットにいれたりすることが自然な装着
HMD 本体
図1
方法であるが、さらに小型のものなら、腕時計型
図 1 からも明らかのように本研究で使用したヘッ
やペンダント型、指輪型など普段の生活でジャマ
ドマウントディスプレイは、小型の液晶を持つ軽
にならない装着方法が可能である。以上のような
量のヘッドマウントディスプレイで、装着したま
特徴から、ウェアラブルコンピュータは場所を選
までも外の様子を見ることができるシースルー機
ばずどこでも利用でき、両手が自由になることか
能をしており、ディスプレイ部にはコンピュータ
らオフィス内外の保守・整備作業などにきわめて
からのビデオ信号に対応した高解像度の画像を表
適応性が高いといえる。具体的には、①自動車や
示できる。
航空機などの修理工場において、装着したディス
しナビゲーションを行っている状況は次の図2に
プレイで修理対象に関する図面や修理のマニュア
示すとおりである。
ヘッドマウントディスプレイを装着
ルの検索や、② 旅行ガイドや道案内において、
旅行先で電子的なガイドブックを見ながら観光し
たり、地図を見ながら道を歩いたりということが
可能になる。本研究においては、②の旅行ガイド
や道案内における「電子的なガイドブックを見な
がらの観光へのヘッドマウントディスプレイの適
用性」について検討・評価を行った。
3.HMD を利用したヒューマンナビゲーションシス
テムの開発
3.1
ヘッドマウントディスプレイの概要
本研究で用いたディスプレイは、頭に装着して使
用するヘッドマウントディスプレイ表示装置であ
り、片目で見るタイプのもの(片目用)である。
片目用は、図 1 に示すようにメガネ形状をして、
左右のどちらかの目の前に B5 サイズの画面を
60cm 離れて、片目で見るのと同様に表示すること
ができる。画面はシースルーになっているため、
図2
HMD によるナビゲーション
3.2 システム全体の構成
3.3 システム全体フロー
本研究で構築したヒューマン・ナビゲーション
システムの全体フローを図4に示す。
システムは、携帯電話、PDS、HMD から構成され、
図4に示すとおり、システムは最初のコース選択
全体的構成図を次の図3に示すとおりである。
の TOPP画面から、検索コースに応じて、4の画
面から構成されている。
衛星
『
携帯電話
サーバー
③
① <TOP ページ>
HMD
PDA
図3
全体構成図
④
本研究においては、図2に示すように、東京ディ
ズニーシーにおいて、ウェアラブルコンピュータ
としての PDA と、頭に装着した HMD を使用し、ナ
ビゲーションを行うものである。本システムは、
GPS データを取得することにより、HMD 上に自分の
位置を表示し、自己位置を確認するとともに、ア
トラクションなどがある建物の近傍に位置した場
合は、自動的にアトラクションの内容を表示し、
情報のプッシュサービスを行う。
本システムの構成における、位置座標の取得に
ついては、GPS 受信機を直接使用せず、補正を行
っているより精度の高い携帯電話による位置デー
タを使用した。そのため携帯電話のデータをサー
バーに送りそれを PDA から取得するという構成と
図4システムの全体フロー
なっている。
図5は、位置検索のボタンを押すことにより、
自分の現在地が赤い点で表示され、それと同時に
もっとも近い場所にあるアトラクションが自動的
に表示されている例である。
(1) リアルタイムに、自分のいる位置座標がヘッ
ドマウントディスプレイ上に 表示されるの
で大変便利であり、LBS には必要不可欠である
と考える。
したがって、商品として利用できる可能性も
高いのではないかと考える。
(2) PDAを持ち歩くのは不便なので、携帯電話
にこの機能を入れてヘッドマウントディスプ
レイと接続できればより便利になる。
(3) デザイン的には、サングラスタイプのヘッド
マウントディスプレイであれば、目立つこと
もなく今まで以上に自然に装着できる。
図5 位置座標の表示例
4.評価と考察
ここでは、ヘッドマウントディスプレイの機能
などである。
ヘッドマウントディスプレイが登場してから、
数年経過しているが、現状のヘッドマウントディ
と利便性についてディズニシーという現場を通し
スプレイの形態、重量などを改善することにより、
行った評価ならびに考察について述べる。
LBS に有効に利用されることが考えられる。
ヘッドマウントディスプレイを学内で装着し、
参考文献
実験したところ、以下のような評価が、得られた。
①ヘッドマウントディスプレイを装着することに
より、ハンドフリーになるので、便利である。
②表示される画面が B5 サイズであり、携帯電話の
画面では見づらい地図も十分見ることができる。
③画面が目の位置よりも少し離れているので、長
時間使用しても目が疲れにくい。
・ 東 明 佐 久 良 (2004) 「 完 全 図 解 ビ ジ ュ ア ル
GIS]
,オーム社
・ ユニゾン「図解雑学 GPS のしくみ」 ,ナツ
メ社
参考ホームページ
しかしながら、
①カバーをつけても周りの光の明るさによって、
画面が見にくくなったりする。
http://www.tanomi.com/metoo/limited_naiyou.h
tml?kid=37510
②装着しづらい。
③かなり重量があるので、軽量化する必要がある。
http://www.mikimoto-japan.com/beans/beans_hm
④片目式より、両目式の方が使いやすい。
d/next/products/cv3/cv3_case.htm
⑤ヘッドマウントディスプレイを装着して歩くと、
少し恥ずかしさを感じる。
http://www-nishio.ise.eng.osaka-u.ac.jp/tres
これらをふまえてディズニーシーで実際にこの
earch/wearable/wearable.html
システムを装着して実験を行ったところ、さらに
以下のような評価が得られた。
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