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「地域のために、子供や孫のために、そして自分のために」(住民主導の
地方経済 トピック 「地域のために、子供や孫のために、そして自分のために」(住民主導の地域活性化) ~宮崎県日南市「酒谷地区むらおこし推進協議会」~ 九州財務局 宮崎財務事務所 「酒谷地区むらおこし推進協議会」(宮崎県日南市)は、元消防署職員の日高会長が中心となり、「地域のために、子供や孫のために、そして 自分のために」を基調に住民主導での地域活性化に取組む任意団体として、平成5年に設立。 同協議会は、地区を足元から見直し、新たに光を当てた地域資源の掘り起しにより、地域おこしにつなげる「足元学」等を理念に掲げ、地域 活性化を実践。「全国棚田サミット」や「道の駅・酒谷」の誘致等により、地域への集客や雇用等に寄与。 宮崎財務事務所では、同協議会が抱える課題に対し、交付金の活用について日南市に情報提供しており、今後もフォローしていく。また、 ネットワークを活用し、同協議会の取組みを情報発信するとともに、同協議会が展望する「交流拡大・連携」を支援していく。 1.取組みの概要及び特色等 2.これまでの取組みの成果等 ○ 平成11年、「坂元棚田」が日本の棚田百選に認定され、 同18年「全国棚田サミット」の誘致に成功。同25年『坂 元棚田及び山村景観』が国の重要文化的景観に選定。 ○ 日南市酒谷地区の少子高齢化の進展や若者 の地区外への流出に危機感を覚えた日高会長 (元消防署職員)は、平成5年、地区約450戸の 全世帯が参加する「酒谷地区むらおこし推進 協議会」(任意団体)を設立。 (文化的景観のうち、特に重要なものとして文科大臣が選定する文化財) 【参考】酒谷地区 人口:約1,100人、高齢化率:約49% ○ 同9年、同協議会の活動により「道の駅・酒谷」を誘致。 道の駅の指定管理者「酒谷ふるさと特産品センター管理 運営協議会」を同23年に株式会社化(地域住民が1口5万 円出資)。活動基盤を強化し、年間約1億5千万円を売り 上げ、酒谷地区から20名を雇用。同26年から、一人暮ら し高齢者の見守りを兼ねた弁当宅配サービスも開始。 (1食400円、配達50円) 日高会長 ○「地域のために、子供や孫のために、そして 自分のために」を基調に、観光名所「小布施 の滝」ライトアップのほか、「坂元棚田保存 会」発足、「道の駅・酒谷」誘致など、住民 主導での地域活性化に取組む。そこには、 「やっちみろかい=日南地方の方言で、何事 にも挑戦するの意)」の精神が息づく。 ( 自治会長会 会長 副会長(2名) や 総務活性化部会 神 楽 保 存 会 親 子 会 消 防 団 P T A (足元学)地元資源を活かした地域おこし 課 長 生活環境部会 青 少 協 民 生 委 員 公 民 館 館 長 会 自 治 会 そ の 他 十 四 団 体 ) ち み ろ 会 酒 谷 棚 田 保 存 会 小 村 長 さ な 副村長 自 治 ( 道 の 駅 酒 谷 議 会 ) 役員会 安全安心部会 道の駅・酒谷 ○ 地元資源を活用した観光地づくりのほか、道の駅の名物料理(「草だんご」は 年間1,700万円の売上)や新鮮な野菜が人気を博し、県内外から年間20万人の集 客につながっている。 酒谷地区むらおこし推進協議会 事務局 っ ○ 同協議会は、地 区をひとつの自治 区として考え、住民 一人一人が役割を担 う「小さな自治」 と、地区を足元から 見直し、新たに光を 当てた地域資源の掘 り起しにより、地域 おこしにつなげる 「足元学」を理念に 掲げ、地域活性化を 実践。 坂元棚田 職 員 当 地 区 を ひ と つ の 自 治 区 と す る 考 え 3.今後の課題と宮崎財務事務所の対応 ≪事例が抱える課題≫ ○ これからの地域づくりを支える後継者育成と人材を活用する体制作りが課題。 ○ 幅広い世代や他の地域おこしグループとの交流拡大・連携を図り、新鮮な目で地 域を見つめ直すことによる更なる地域活性化。 ≪今後の宮崎財務事務所の対応等≫ ○ 人材育成等に係る活動資金交付等の支援要望の聴取を踏まえ、地方創生先行型交 付金の活用について日南市に情報提供(市補正予算で採択済)しており、今後も フォローしていく。なお、当協議会主催の地区行事へ当所職員が自主参加するなど 信頼関係の構築に努めているところ。 ○ 当所の有するネットワークを活用し、当所を起点に同協議会の取組みを情報発信。 また、同協議会が展望する「交流拡大・連携」を支援していく。 78