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2013年6月号
2013年6月19日 第276号 6月11日(火)全 国安全週間準備月 間の取り組みの一 環として2013年 連合愛知安全衛生 担当者研修会を開 催した。 主な研修内容は、①名古屋消防局特別消防隊(レスキュー 隊)による「消防における安全管理」②労働安全コンサル タントの「高齢労働者に配慮した労働安全対策」③「連合 労働安全衛生の取り組み指針」である。 そして、連合愛知労災防止キャンペーン活動の進め方に ついても説明し、6・7月のキャンペーンの推進を図り、 労災防止につなげることを目的に開催したものである。 研修内容については順次紹介していくが、今回は「連合 労働安全衛生の取り組み指針」について紹介する。 連合労働安全衛生の取り組み指針 本年から「第12次労災防止計画」が 実施される。連合本部はこの計画策定段 階で、連合の考え方のいくつかを盛り込 ませた。そして、今回の指針は構成組織・ 地方連合会で共通して取り組むべき重要 課題を軸に策定した。 〈指針の具体的内容の柱は7つ。その重 連合 向澤 茂 氏 点を編集部で抜粋〉 1.労働災害の防止に向けた対応 ①労働協約の協議事項に「安全衛生に関する事項」を明 記する。 ②構成組織が労災を把握し連合へ報告する仕組みの構 築。 ③2m未満であっても、高所作業に準じ落下防止の措置。 ④雇用形態に関わりなくすべての労働者に対し、雇入れ 時に安全衛生教育の徹底。 ⑤高齢者・障がいを有する労働者対策。 ⑥新型インフルエンザ等新興・再興感染症に対する労使 確認。 2.メンタルヘルス対策 ①自覚症状がない場合でも適切な措置が受けられる体制 整備。 ②すべての労働者に対するメンタルヘルス研修やメンタ ルヘルス対策の体制づくり。 ③職場復帰プログラムを労使で作成し確実な職場復帰の 実現。 ④パワハラに対する理解促進および相談窓口の強化。 全国安全週間 本 週 間 7/1∼ 7 準備期間 6/1∼30 仰凝凝凝凝凝凝暁 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 驚 饗凝凝凝凝凝凝尭 連合愛知安全衛生担当者研修会開催 愛知産業安全衛生大会 と き:2013年7月3日(水)13:00∼ と こ ろ:日本特殊陶業市民会館(金山) 3.過重労働対策 ①労使協議等でのすべての労働者の労働時間の実態把 握。 ②時間労働45時間を超える労働者に対する面接指導・ 事後措置の実施。 ③協力会社の労働者の過重労働・過度なストレスへの留 意。 4.健康管理の促進等 ①高齢期まで健康で働き続ける職場づくり、健康増進支 援策。 ②事業場における全面禁煙や空間分煙。接客業における 受動喫煙防止策。 5.労働安全衛生体制の強化と労働組合における人材 育成 ①50人未満の事業所の安全衛生委員会や協力会社安全 担当を含めた「合同安全衛生委員会」の設置。 ②地方連合は都道府県労働局安全衛生労使専門家会議の 安全衛生パトロールの実施、集団指導への参画。 ③各種団体の研修会の受講等による労働安全衛生に精通 した組合役職員育成。 6.情報発信・ネットワークの強化 ①連合セイフティネットワーク集会における最新情報や 各組織の取り組み事例・課題の共有化。 ②地方連合における労働組合相互の交流の場や職場点検 活動の実施。 ③産業保健推進センター・地域産業保健センターの活用。 ④連合・構成組織ホームページの活用による情報提供。 7.東日本大震災を受けた対応(略) 安全衛生 Q&A 第16 回 【Q】法定の安全衛生委員会について、不適切なのはどれか (イ)委員会は専門技術的な安全衛生の問題に対して、事業 場としての結論を出すために設けられている (ロ)委員会の委員の中には、安全管理者および衛生管理者 の中から事業者が指名した者がいる (ハ)委員会の議長には、総括安全衛生管理者が就いている 答えと解説は裏面 連合愛知労災キャンペーン 活動実施中 今度の22日から、はじめませんか? 受動喫煙防止対策推進フォーラム九州 大学大和教授講演続き。 (一部加筆編集)最終回 たばこ規制に関する世界の動向 「たばこ規制に関する世界保健機関 枠組条約」は(右表) 2005年2月に発 条約抜粋 効された。その中身 第6条 タバコの課税及び価格政 は、 「 禁 煙・ 受 動 喫 策の実施(1箱1,000円) 煙が、世界的規模で 第8条 受動喫煙からの保護(喫 健康、社会、経済及 煙室を設けず屋内100%禁煙化) び環境に及ぼす破壊 第11条 タバコ製品の包装とラベ 的な影響について… ルにリスクを明記 中略・死亡、疾病及 第12条 教育、情報の伝達、訓練、 び障害を引き起こす 啓発 ことが科学的証拠に 第13条 タバコの広告禁止、販売 より明白にされ…」 促進、スポンサーシップの禁止 となっており、海外 第14条 禁煙治療の普及 においては受動喫煙 は防止できない。100%禁煙が求められている。 な措置を講ずるよう努め 喫煙室から出る人の歩行と 一緒に煙がついてくる なければならない」とし ている。 喫煙室や空気清浄機で は対策を取ったことには ならない。増進法を満足 させる方法は全面禁煙だ けである。 そして、室内全 面 禁 煙 にした場合、喫煙場所は出入り口から極力遠ざけるなどの 措置が必要である。喫煙室があると禁煙できない。最低で も建物内禁煙、できれば施設内禁煙で禁煙の効果が上がる。 わが国の受動喫煙対策 社員の健康を守るための対策 2010年 2 月 よく見かける光景でタバコを吸いながら携帯をかける。 デスクではできないから喫煙室でかける。喫煙室の往復 で1回7分、1日5回として35分、年間240日、時間給 2, 200円で年間30万円強の賃金ロスが発生する。離席す ることで吸わない人が電話に出てメモを取るなど周りの人 に業務負担が発生する。そして、チーム全体のパフォーマ ンスが下がる。 「社員の健康は会社の財産」ということで、ある会社で は禁煙宣言者に支度金で10万円、他の会社では会社負担 で禁煙外来を受けさせる。また、他の会社では社長から家 族に対し禁煙の取り組みに家族の協力を訴え、かつ、成功 したら成功報酬も出すという手紙を出した。これらの会社 では禁煙効果があった。 喫煙対策は労働衛生の3管理(作業環境管理・作業管理・ 健康管理)として、また、会社の経営の問題として取り組 んでいくことが必要だと思う。 (了) 厚労省 健康局長通知「受動喫煙防止対策に ついて」少なくとも官公庁、病院は全面禁煙 2010年 6 月 閣議決定 新成長戦略 2020年までに受動喫煙の無い職場の実現 2011年12月 閣議決定 労働安全衛生法の改正案 健康面、安全配慮義務、受動喫煙対策の義務化 2012年 6 月 閣議決定 がん対策基本計画 喫煙率を12%に、飲食店の受動喫煙を15%に 2012年12月 内閣総辞職、労働安全衛生法改正案が廃案 法案は廃案になったが新内閣も国会 提出を予定しているし、全面禁煙の 方向性は間違いない。 日本産業衛生学会は、 2010年「許 容濃度等の勧告」でタバコ煙を「人 体に明らかな発がん性」=第1群に 追加した。第1群にはアスベストも 含まれる。2007年にアスベストは 工場から全て撤去した。これと同じ 発想をすると工場内から灰皿を撤去 ■日本禁煙学会作成のポスター するしかない。 それでも煙の漏れは防止できない! 喫煙室の空気清浄機を粉塵計で測定したところ、フィル ターを交換した翌日に3割、11日目には7割集じん効果が 落ちた。このような喫煙室は非常に過酷で劣悪な環境であ る。劣悪だということは、何といっても喫煙者に気の毒で ある。外で吸った方が本人のためである。 ある市役所では大型の換気扇を付けたがそれでも漏れ た。また、ドアが吹子のように作用し外へ漏れる。 健康増進法第25条には「学校、 病院、 事務所、 官公庁施設、 飲食店その他多数が利用する施設を管理するものは、これ らを利用するものについて受動喫煙を防止するために必要 【答え】 (イ) 《解説》安全衛生委員会は、労働者の危険や健康障害 を防止するための基本となるべき対策や労働災害の原 因および再発防止対策など、安全衛生に関する重要事 項を調査審議し、事業者に対し意見を述べるために設 けられるものです。 委員会は、総括安全衛生管理者または事業場の事業 の実施を統括管理する者、もしくはこれに準ずる者の うちから事業者が指名した者(議長) 、安全管理者およ び衛生管理者のうちから事業者が指名した者、産業医 のうちから事業者が指名した者、安全に関し経験を有 する労働者のうちから事業者が指名した者、衛生に関 し経験を有する労働者のうちから事業者が指名した者 で構成されます。