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「外国語教育改革についての質問・回答」
外国語教育改革 外国語教育改革についての質問・回答 改革についての質問・回答 琉球大学の外国語教育の改革に関するいくつかの質問が寄せられました。質問に文書で回答 しましたが、一部だけ報道し誤解を招くような表現がありましたので、質問・回答の全文を 公開します。 1. 外国語教育改革の理由と背景、狙いについて、改めて教えてください。 本学の中期計画(平成 16 年度~21 年度)の 1 つは「国際社会で活躍する人材養成を目的 に英語力の強化を推進する」ですが、これまでの教育効果をはかるために実施した「卒業生 及び企業へのアンケート調査(平成 19 年 12 月実施) 」の結果、卒業生の語学力に対する評 価は予想外に低いものでした。これは共通教育(1・2 年次で履修)で学んだ語学力が卒業時 まで維持されていないことを意味しています。 今回のカリキュラム改革は、 「基礎学力を保証し、個を伸ばす英語教育」を理念とし、本学 の外国語教育の大きな柱である英語教育(学生の 9 割が受講)について、共通教育及び専門 教育での 4 年一貫教育を充実させ、学生の語学力向上を図るため、平成 21 年度新入生より実 施しました。 現時点での主な改革 ○ 学生の語学レベル・関心によって英語力を高めることが可能な実践的な科目提供 「大学英語(必修) 」及び「目的・到達目標レベル・能力に応じた多様な選択科目群」 ○1 年前期提供「大学英語」の評価の一部として統一テスト(GTEC)を実施し、その結果 に基づき 1 年後期以後、 「目的・到達目標レベル・能力に応じた多様な選択科目群」を 履修させる。 ○従前から導入していた e ラーニングシステムの ALC NetAcademy2を強化し、自主学習 環境の整備(3コースを5コースに強化、平成 21 年 10 月より WEB 上で自宅学習可能に した) 。 2.来年度も同じ方針で進めていくのでしょうか。それはどのように 2.来年度も同じ方針で進めていくのでしょうか。それはどのように決定されたのでし 来年度も同じ方針で進めていくのでしょうか。それはどのように決定されたのでし ょうか。5月の説明会後、学内でどんな議論がありましたか。 → 前学期の大学英語統一テスト(GTEC)の実施報告を全学教育委員会で行い、 来年度も同様の方針で実施することを確認されました。 3. 外国語教育の方針について、受験者や高校など関係者に広報する予定はありますか。も しくは既に知らせていますか。あれば、どのような形になりますか。 → 例年、すでに「大学案内」 「入学者募集要項」 (公式 HP でも公開)及びオープンキャ ンパスにおいて各学部毎に教育方針を公開しており、外国語教育についてはその中で広 報しています。 4.大学英語のトラブルについて 4.大学英語のトラブルについて 大学英語の統一テスト、GTECでトラブルが出ました。 300人に影響が出たとのことですが、700人に影響が出た、 という話も聞きました。実際は何人でしょうか。 →再受験者は412名でした。当日トラブルが発生した学生の他、念のため受験した い意向の学生についても配慮した結果の人数です。 その後、再受験の学生はどのようなテストを受けたのでしょうか。 不公平になるため、同じ問題ではないと思いますが、 どのような配慮があったのでしょうか。 →同じテストを受けました。GTEC の特徴は個別の問題にレベルが設定してあり、受 験時の解答内容で出題傾向がかわるため(同じ人が受けても同じ問題とはならないテス トですので)不公平はありません。 また、後期の授業登録はどのように進んだのでしょうか。 ウェブ登録できなかった学生もいたようですが、 どのように対応したのでしょうか。 →Web 登録できなかった学生については、教室登録に切り替え、適宜英語教育委員が 調整を行ったので混乱はありませんでした。 5. GTEC導入の経緯、特徴について GTEC導入の理由、背景を教えてください。 GTECでの評価を50%としたのはなぜですか。 GTE Cでの評価を50%としたのはなぜですか。 →「大学英語」の前身である「総合英語演習 I」および「同Ⅱ」において、同一科目間の 評価の均一化を図る統一テストとして、2003 年度より「到達度テスト」を実施してきま したが、以下の 3 つの問題がありました。 ①到達度テスト(学習した範囲の習熟度を測るテスト)にしたため、元々英語能力の 高いクラスでは、簡単にクリアでき、低いクラスでは、その範囲をこなすため授業 内容が薄くならざるを得ないといったように、各クラスの授業運営に支障が生じて いた。 ②到達度テストを実施するために教材の活用が制限されていた。特にリスニングの問 題が暗記の問題になってしまうため、スクリプトを学生に渡すことができないとい ったように、十全な形での教材運用ができなかった。 ③同じ教材から出題されるため、複数のバリエーションを作ってもカンニングが発生 した。地道に学習している学生からのクレームにより問題化された。 以上の問題を解決するための方策として、統一テストに実力型試験(学生の実力を客 観的なスケールで図る試験)GTEC が導入され、これによって以下のように解決されまし た。 ①実力型試験の導入により、各クラスはその学生のレベルに応じて柔軟な授業運営を 行えるようになった。 ②リスニングのスクリプトを学生が手にできることで、耳と目で充実した学習ができ る。リーディングの翻訳を先渡しするなど先進的な教育方法を取り入れることがで きる。 ③GTEC は学生のレベルに応じて出題が変化するので、カンニングができない。 これらが、これまでの統一テストの問題を解決するために GTEC を導入した理由ですが、 別途、以下の理由もあり、この評価の均一化によって現在厳格化しつつある成績評価お よび GPA 制度の厳格化により的確に対応できることになります。 a.学生が自己の英語能力を客観的に知り、大学の授業が英語能力の向上に確実に結び ついていることを認識でき、今後の学習の指標とすることができる。 b.TOEIC、TOEFL と異なり、学生のレベルに合わせて出題が変化するので、特に英語の 苦手な学生にとっても適正なスコアが得られる。GTEC を 50%導入したのではなくて、 絶対評価を目的として使用されていた統一テストを GTEC に切り替えました。 また、GTECの内容は、学生のレベルによって出題傾向が変わると聞きました。 GTECの特徴と、それを基にどのような評価を出したのかを教えてください。 →GTEC の特徴は個別の問題にレベルが設定してあり、個々の問題に答えられたか否 かによって、自動的に問題のレベルが変化し受験者の習熟度を判定していくという ところにあります。 統一テスト(GTEC)の評価について: 50 点への換算方法は 140 点(英検準 2 級と 3 級の中間点)を 30 点(通常の合否の基準 点)とし、340 点(英検準 1 級の上限)を 50 点(満点)として、その間を 20 点で割り、 140 点以下を 30 点で割るという形にしました。各点数の対応については裏面の相関表 を参照してください。 この換算の理念としましては、大学 1 年生の初年度の基本レベルとしては、英検 3 級 では甘すぎる一方で、英検準 2 級では厳しすぎるであろうということでその中間値を基 準点 30 点としました。満点の 50 点に関しては英検準 1 級の上限レベルであれば十分と いうことです。 6.大学英語テキストについて 6.大学英語テキストについて 大学英語では今回、テキストも新たになったと聞きました。 統一のテキストなのでしょうか。それはどんなテキストですか。 特徴と導入の経緯を教えてください。 → 大学英語の前身の総合英語の頃から教科書は統一ですが、新カリキュラム実施に伴い、 同レベルの 4 技能のバランスが取れた教科書を選びました。導入に当たっては多くの教科書 をネイティヴスピーカーも含めた専任の英語教員で精査した上で決定しました。 7.N 7.Net Academy( cademy(e-learning)について learning)について 学生の自習学習のため、e 学生の自習学習のため、e-learning が導入されたようですが、 学外からのアクセスがしにくいなど、問題もあったと聞きます。 導入の経緯と、問題の詳細についてお聞かせください。 → 本学における e-learning 英語学習システム「アルクネットアカデミー」の導入は平 成 14 年で、本学の学生および教職員の英語学習に資するため外国語センターにより運営され てきました。同システムは LAN 環境で使用するネットワーク型学習システムでありパソコン の利点をうまく活用すると共に、多彩なマルチメディア機能とインタラクティブ性を活かし、 効果的な語学学習を可能にしました。約 400 の教育機関で採用され、国立大学で約 76%の実 績があり、大学だけでなく、中高・教育委員会でも注目を集めています。 平成 19 年 4 月には、アルクネットアカデミー2 にバージョンアップし、その学習コースも 3 コースへと増強されました。 アルクネットアカデミー2 のアクセスに関しては、他の大学や県立高校における導入事例 同様、そのアクセスを琉球大学 学内からの端末に限り、自宅など学外からの利用においては VPN 接続形式で提供していました。学生のインターネット環境によってはその接続に安定性 を欠く場合があったため平成 21 年 10 月に同システムの発売元アルク社とライセンス契約を 見直し学外アクセス制限を撤廃し、より安定した学習環境を提供するに至りました。また同 時に、学習コースも 5 コースへと強化しました。 8.学生の 8.学生の変化について今回の改革で、不可になった学生は増えましたか、それとも減り 学生の変化について今回の改革で、不可になった学生は増えましたか、それとも減り ましたか。学生の変化を教えてください。 → 減りました。 昨年度の大学英語に対応する総合英語 I の不可の学生は 100 名、同時期の英語講読演習の 不可も 87 名でした。これまで一コ学期 3 コマ(総合英語 2 コマ、英語講読演習 1 コマ)の履 修が窮屈であったため学習に余裕が持てず、意欲をなくし不可となる学生が多く、また次の 年度も不可となるという悪循環でした。しかし、今回の大学英語は不可の者は 55 名で、実数 で不可人数が 3 分の 1 ということになります。これは今回の改革の最大の理由が当を得てい たという証拠です。 9.登録上限20単位について 9.登録上限20単位について 前期は、大学英語(4単位)と合わさり、上 前期は、大学英語(4単位)と合わさり、上限があると授業が取りにくいという学生がい ました。これをどう受け止め、どんな対応をしましたか。 →単位実質化の観点から1個学期20単位の上限設定は適切です。成績優秀者はさらに 単位を登録できます。なおかつ、各学部で20単位を基本にした履修モデルを作成し、指 導教員を中心に履修指導を行うという対応をとっています。 また、今回、関連規則を整備し、上限単位を明確にするとともに上限単位超過の条件 まで明確にしました。 10.講義削減で出た効果について 10.講義削減で出た効果について 今回の改革で、講義はどのくらい減ったのでしょうか。 非常勤講師は何人減りましたか。 財政的にはどんな影響がありましたか。 →昨年度 244 講義に対し今年度は 223 講義でした。 非常勤講師の採用減は、非常勤講師の採用減は、専任の職を持っている方、定年の方、 辞退者(病気)による 5 名のみです。 なお、今回の改革は語学教育の改革であり、財政削減が目的ではありません。 平成22年1月12日 琉球大学教育・学生・評価担当理事