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貝藻くんによる藻場保全の取り組み事例
貝藻くんによる藻場保全の取り組み事例 ①対象海藻 ・ホンダワラ類(アカモク、ヒジキなど) ・アラメ・カジメ類、ワカメ ②海藻胞子の供給方法 ・母藻の取り付け(例:クロメ、ワカメ、ホンダワラ類、ヒジキ) ・種苗の取り付け(例:クロメ、アラメ、ツルアラメ、ヒジキ ) ・天然藻場からの供給 ③設置場所(※波浪、潮流の影響が少ない場所を推奨) ・潮間帯(ヒジキ) ・水深5∼10m程度の潮下帯 ・漁港・港湾 ①ヒジキの種苗投入(愛媛県 漁協が事業主体) 陸上水槽内で受精卵を散布・付着させ、1ヵ月後に海域に設置 設置5ヵ月後 受精卵散布から44日後 主に上面に着生(最大600個体/基) 設置8ヵ月後 1m程度に生長(150個体/基程度) 根がメッシュや貝殻にしっかり固着 ②ヒジキの母藻設置(長崎県 水産多面的機能発揮対策等) ヒジキ母藻を挟み込んだロープを設置 11月 ヒジキ母藻(ロープ) ヒジキ母藻(ロープ)の取り付け 5ヵ月後(大きく生長) 仮根は貝殻やメッシュに絡んでいた 4月 ③ロープ取り付け法による効果事例(長崎県) ロープ取り付けから5ヵ月後 根はメッシュに絡んでいた 根は貝殻に付着していた ④アラメ種苗、ホンダワラ類母藻の設置(山口県) 水産多面的機能発揮対策 アラメ種糸の取付 ホンダワラ類の母藻取付 設置海域(静穏域) 吊り具 クレーンを使用 海士による誘導・設置 貝藻くん効果 沈設4ヵ月後 アラメが7cm程に生長 ホンダワラ類の種が確認された 基質内の貝殻上面 底板コンクリート上面 ⑤クロメ種苗の投入(福岡県 水産多面的機能発揮対策) クロメの種糸をφ約20mmのロープに巻きインシュロックで固定 藻長1cmの種苗は最大17cmに成長 周囲の石に取り付けた種苗は消失 ⑥ホンダワラ類の着生事例(愛媛県) 天然藻場から胞子が供給され設置から1年未満で効果が発現 天然藻場の周囲に設置 設置11ヵ月後(シダモク着生) ⑦ホンダワラ類の着生事例(島根県) 天然藻場の直近に設置 1年後(幼体が着生) 1年7ヶ月後(大きく生長) ヤツマタモクなど ⑧食害防止ネット付き貝藻くんによる種苗投入 (長崎県 水産多面的機能発揮対策) 丸鋼による枠にトリカルネットを取り付け 漁業者と水産高校生が実施したクロメ種苗の投入 クロメ種苗 種糸の取り付け ネットの固定 設置 種糸、母藻の取り付け状況 種糸の取り付け状況 インシュロックで 簡単に固定できる 母藻の取り付け状況 ⑨スポアバック法による母藻の設置(高知県) (水産多面的機能発揮対策) マメタワラ、マジリモク母藻 ⑩漁港内における効果事例(佐賀県) (離島漁業再生支援交付金 ) 水深 1.5∼8.4m 沈設1年8ヵ月後 水深により様々な海藻が着生 スロープ部(-1.5m) ワカメ クロメ種糸の取り付け 法面(-4.6m) アカモク ⑪漁港・港湾における事例 ケーソンのフーチング部に設置 山口県 (離島漁業再生支援交付金 ) 石川県 (港湾工事のイメージアップ ) 貝藻くんによる魚介類増殖の取り組み事例 ①対象 ・キジハタ種苗等の幼稚魚 ・マダコ ・マナマコ ・アワビ・サザエ など オプション取り付け用のレールを 付けたタイプ ①幼稚魚保護育成の事例(香川県、山口県) 香川県 隠れ場補強タイプ 隠れるキジハタ種苗 貝藻くんに寄り添うキジハタ ケース内に隠れるカサゴ 山口県 ②マダコの事例(香川県) 漁港内に設置 タコツボ取り付けタイプ 親ダコの放流 産卵保護(イメージ) ③マナマコの事例(広島県 市単事業) 設置場所(漁港内) 1年1ヵ月後(マナマコ) 護岸から移動式クレーンで設置 稚ナマコ(体長2cm) ④マナマコの事例(北海道 町補助事業) 漁港内(目的:稚ナマコの受け皿) 漁船のクレーンで設置 貝藻くん トラックのクレーンにより陸上から設置 ⑤アワビ、サザエ等の事例 クロアワビ(島根県) サザエ(福岡県) サザエ(山口県) サザエ(広島県) 環境学習やイベントへの活用 貝藻くんは比較的引き上げが簡単であるため、学校の環境学習や一般向けのイベント などにおける生物観察などに活用できる。 貝殻をばらして中の生き物を観察