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当日配布資料(1.54MB) - 新技術説明会
2015年2月6日 新技術説明会 ガラスの低温接合法による マイクロ化学チップの開発 馬渡 和真 東京大学工学系研究科 准教授 1 本研究分野の紹介 2 マイクロ化学チップ: 化学のデバイス さまざまな分析・医療診断にデバイスを提供 マイクロ/ナノ空間に化学操作(反応,分離,抽出,検出など)を集積化 革新性能: 微量試料(血液一滴),高速(時間→分),簡便,小型化が可能 1990年代にコンセプト提案 3 化学操作のマイクロ集積化 本方式 支配原理: 表面・界面張力 >> 重力 100mm マクロ単位操作 従来法 4 マイクロ基盤技術・方法論 ミクロ単位操作(MUO)の整理・体系化 相合流 相分離 混合・反応 分子輸送・溶媒抽出 連続流化学プロセス(CFCP) マイクロ多相流によるMUOの自由な組合せ 液液 相合流 気液 気液分離 気液反応 ガス吸収・濃縮 蒸留 固液 その他 蒸発・濃縮 カラム分離 加熱 気泡除去 凝縮 + 膜分離 分子捕捉・固相抽出 細胞培養 マイクロチップ さまざまなマイクロ化学プロセスの実現 ・医療・診断 ・医薬品合成 =化学CPU ・環境分析 ・化粧品合成 ・バイオ分析 ・微粒子合成 ・覚醒剤分析 5 マイクロ化学チップとシステム 溶媒抽出チップ 環境分析システム ELISAチップ 免疫分析システム ガス抽出チップ アンモニア分析システム 6 拡張ナノ空間化学 ~Å 1 ナノ空間 10 nm 100 1 拡張ナノ空間 対象 分子 ナノ粒子 過渡領域 量子効果 原理 (界面効果) 研究手法 CNT ナノポア 研究ツールなし 技術分野 ナノテク 新機能・デバイス 10 µm 100 マイクロ空間 連続流体 古典力学 マイクロ化学チップ マイクロ化学 1 mm 10 100 1 バルク空間 集積部品:マイクロ単位操作(MUO) バルクスケール単位操作 10cm ガラス器具 ガラス器具抽出 混合・反応 相合流 相分離 ミクロ単位操作 マイクロ化学チップ (デバイス) 100mm 回路:連続流化学プロセス(CFCP) 50 mm システム 500分割 拡張ナノ流路 7 拡張ナノ空間の特徴 拡張ナノ空間の特徴 表面支配空間 ・界面近傍の流体・熱伝導・反応制御 超微小空間(<フェムトリットル) ・単一細胞(ピコリットル)分析 ・単一分子分析 革新的な機能デバイス創成 単一分子免疫分析デバイス 超高速・超高分離 クロマトグラフィデバイス 燃料電池デバイス ヒートパイプデバイス 特異な物性の発現 ・水分子の構造化 ・粘度上昇(4倍) ・誘電率低下(1/7倍) ・プロトン移動度増大(20倍) ・100℃で水が凝縮 ・化学平衡の変化 8 必要な要素技術とアプリケーション ・・・・・・ 加工 ・・・・・・・・・ 細胞 流体制御 検出 プロセス制御 表面 センシング 反応 ・・・・・・ ・・・・・・ 技術的要素 システムインテグレーション アプリケーション ・・・・・・ 食品 プロセス分析 ・・・・・・ 医薬 化粧品 医療 化学 農業 環境 ・・・・・・ 法医学 ・・・・・・ 9 マイクロ分析装置の各要素技術とシステム ポンプ バルブ Motor Microvalve マイクロチップ&検出装置(TLM) TLM マイクロチップ(本発表) 流体インターフェー ス 試料/試薬溜め インジェクタ コネクタ 10 技術課題 マイクロ/拡張ナノ化学チップと 化学機能の付与 11 ガラス性マイクロ化学チップの特徴 【長所】 化学的に安定 耐熱性 再使用可 光学的に安定 多品種少量生産も可能 【短所】 プラスティックに比較して量産性が劣る 12 ガラス製マイクロ化学チップ 13 従来のガラス接合技術: 熱融着法 カバーガラス 接合 ・接着剤の使用 耐薬品性低 ・熱融着 溝 電気炉 ~16時間 おもり ホットプレス装置 1~2時間 14 従来技術(熱融着法)の課題 ガラス基板の低温接合方法の必要性 従来技術: 熱融着法 従来技術の課題 触媒 電極 生体分子 ①従来の熱融着法では、液漏れのないマイクロ流路 は得られるが、高温(1060℃)により修飾物が焼失 ②マイクロ/拡張ナノ流路のため、接合後の修飾 極めて困難 低温で高接着性のガラス接合技術が必要 熱融着 1060℃ 6時間 すべて焼失 15 課題を解決する手段 ガラス基板の接合方法 本発明: 低温接合法による化学機能の付与 基板表面処理 ①O2プラズマ表面活性化 (全面親水化) ②フッ素をプラズマに添加 (親水性調整) 触媒 電極 生体分子 効果 ①液漏れのないマイクロ流路 ②接合後も化学種(修飾物など)の機能保持 低温(25-100℃) 2時間 さまざまな化学機能を有するマイクロ化学チップを実現 16 拡張ナノ免疫分析デバイスの例 加工プロセス 1. NH2基のパターニング 作製したデバイス VUV O 活性酸素 NH2 真空紫外光(VUV) Si O O O SiO2 アミノプロピル フォトマスク トリエトキシシラン (パターン幅を制御) 親水表面 OH Si O O O SiO2 拡張ナノ流路 (深さ200nm) 2. 低温接合 マイクロ流路 拡張ナノ流路 抗体(蛍光標識で可視化) 低温接合(100℃) 3. 抗体修飾 抗体Yを導入 135mm(設計140mm) 反応場体積:83fL 拡張ナノ流路 抗体がNH2基と化学結合 ポリエチレングリコール (非特異吸着防止) 低温接合により官能基の化学機能を維持 特定の位置にフェムトリットルの分析場を構築可能 K.Shirai, T.Kitamori et al., Small, 10(8),1514-1522(2014) PCT/JP2013/076271 17 ナノ流体制御における耐圧性能の実証 蛍光溶液を用いた漏れ試験 結果 マイクロ流路 拡張ナノ流路 圧力コントローラ 拡張ナノ流路 蛍光溶液 明視野像 拡張ナノ流路 蛍光溶液 圧力駆動流 3.3 mm 10 mm 蛍光観察像 10 mm 蛍光顕微鏡 要求耐圧:数百kPa(流量~fL/秒) 2 MPaまで漏れはなし 要求耐圧を達成 マイクロ・ナノフルイディクスに必要な耐圧性能を実現 18 今後の展開 19 想定される用途 分析・診断・化学合成デバイスなどに幅広く展開可能 単一細胞ゲノミクス・プロテオミクス POC(Point of care)医療診断 デスクトッププラント 20 本技術に関する知的財産権 発明の名称 機能性デバイス及び機能性デバイスの製 造方法 出願番号 PCT/JP2013/076271 出願人 独立行政法人 科学技術振興機構 発明者 馬渡和真 北森武彦 21 本技術に関する問い合わせ先 技術問い合わせ: 馬渡 和真 東京大学大学院 工学系研究科 応用化学専攻 Email: [email protected] ライセンス問合せ: 桑島健 独立行政法人 科学技術振興機構(JST) Email: [email protected] TEL 03-5214 - 8486 FAX 03-5214 - 8417 22