Comments
Transcript
Theories and Practices with Emphasis in Asia
D B S 日本語版 Global Marketing : Theories and Practices with Emphasis in Asia At Mitsubishi Research Institute HAYASHI Hiroshige Professor of Global Marketing Strategy Doshisha University Business School April 26, 2010 © 本書の一部または全部について、著者に無断で複写・複製することを禁じます。 Prof. Hiroshige HAYASHI 1 D B S Global Marketing : Theories and Practices with Emphasis in Asia 林廣茂 030210 1.グローバル・マーケティング:その概念とフレーム(3-24) ・企業のグローバリゼーション ・企業のマーケティング・グローバリゼーション マーケティング資源の移転の4Ps ・グローバリゼーションのバリアとオポチュニティー ・文明商品と文化商品 ・文化の類似性と受容性vs.文明商品と文化商品の移転 2.事例研究1:「日韓米欧発ブランドの中国市場への移転」(25-42) 資生堂、トヨタ、ホンダ、ソニー、パナソニックなど 3.事例研究2:「味の素のタイでのマーケティング」(43-55) タイの成功モデルのグローバルな横移転 4.事例研究3:「京都のイメージ戦略 in Asia」(56-84) Asiaの観光客を招き入れるために 5.最近3年間の事例集(85) 2 D B S The Concept and the Framework of Global Marketing Prof. Hiroshige HAYASHI 3 国際ビジネスの舞台で学んだこと D B S フランス・パリに本部のある世界トップ10のマーケティング・コンサルティング会社IPSOSNOVACTIONのアジア地区CEOとして約25年間(1978~2002)コンサルティングに従事。北 東アジア、東南アジア、南西アジアが主たる守備範囲。 約200 社の依頼で1500超件のプロジェクトを完了。テーマは国内外での商品・ブランド開発、 参入戦略、ブランド・マーケティング戦略構築が中心。 日本企業: 味の素、資生堂、トヨタ、ホンダ、JT、キリンビール、ヤクルトなど 欧米企業: コカ・コーラ、ペプシ、P&G、GM、ユニリーバ、ロレアル、ネスレ、ウエラ、 ファイザー、ノバルティス、アベンティスなど。 韓国企業: サムスン、LG、大宇、現代、CJ、アモレ・パシフィックなど。 グローバル・マーケティングはCross-Cultural Marketing(異文化間にビジネスの 橋をかける営み)であると学んだ。その経験をベースに、企業のグローバリゼーション のエンジンである、経営・マーケティング知識の国境・文化の違いを越える移転理論 を構築し、コンサルティングなどを通じて更に実証を積み上げてきた。 Prof. Hiroshige HAYASHI 4 企業のグローバリゼーション =国境・文化の違いを越えて経営・マーケティングを移転する D B S Strategic Analysis 戦略的分析 目標・目的を設 定する 経営・管理する 予算・実績対比 Strategy Planning & Decision 戦略立案・決定 Strategy Implementation 戦略実践 組織化する 資金・人材・SCN(調 達・生産・配送・販売) Prof. Hiroshige HAYASHI 5 D B S Scope of Domestic, International, and Global 世界をBird’s Eyesで眺め・展望し、単一市場と捉える。国や地域・所得やラ イフスタイルなどでGlobal Segmentation &Targeting のアプローチをする。 人のグローバル化が必須。自国・自分の文化という居心地のよい蛸壺から 出て広い海へ。 US Global International International China Japan Domestic UK International International Thailand Prof. Hiroshige HAYASHI 6 D B S 企業のMarketing Globalization =マーケティング知識・人材の国内外でのスパイラル移転(Hayashi Model, 1999) A. Transfer of 4P’s of Marketing Knowledge B. SA Transfer & AI Transfer Toyota, Ajinomoto (Japan) Product Product and/or Brand Strategy and its Technology Program Program of Promotion、Price、 and Distribution Strategies & Tactics Process Procedure & Methodology for developing marketing programs Internal Globalization AI Transfer External Globalization SA Transfer Transfer of 4P’s FROM Others Transfer of 4P’s TO Others People Transfer from People to People Toyota, Ajinomoto (Overseas) Prof. Hiroshige HAYASHI 7 企業のMarketing Globalization= マーケティング知識の国内外でのスパイラル移転(Hayashi Model, 1999) D B S Internal Globalization Japanese cos. competing with both Japanese In-coming or cos. and non-Japanese-global cos. in Japan Learn from others with strong local advantages in the mother =AI 移転 country. Out-going or Teach to others=SA 移転 External Globalization Japanese cos. in every corner of the globe competing with both local and global players with strong alien disadvantages in the host country. Prof. Hiroshige HAYASHI 8 企業のMarketing Globalization= マーケティング知識の国内外でのスパイラル移転(Hayashi Model, 1999) D B S 移転モデル マーケティング知識は、AI移転とSA移転を循環させながら発展する。国内でのグローバリ 発展する。 ゼーション(Internal Globalization)は日本企業のAI移転と海外の多国籍企業のSA移転 による競争、国外へのそれ(External Globalization)は日本を含む多国籍企業のSA移 転と現地企業のAI移転の競争である。 移転仮説 (1)マーケティング知識の移転の難易性は、ゲスト国とホスト国の経済・物質文化(EMC)より も社会・精神文化(SSC)の共通性(大小)と受容性(強弱)に一段と影響される。 共通性(大小)と受容性(強弱) (2)機能・性能製品(自動車、家電、医薬品など)の国家間での移転は、ホスト国のEMCの 一部である購買力に応じて原則として移転が容易である。他方、文化・心理製品(化粧品、 食品、ファッションなど)の国家間での移転は、ホスト国によるゲスト国のSSCの主として受 容性の強弱に左右される。 検証 国内外のマーケティング・エクセレンス・カンパニー23社の事例研究をして移転モデルと移 転仮説を検証した。 Prof. Hiroshige HAYASHI 9 AI Transfer of Marketing Knowledge ・人材 Mode Business Approach Adopt Knowledge Up-Spiral Evolution Adapt Knowledge Adept Knowledge Imitate Category Up-Spiral Evolution D B S Competitive Strength in Marketing Second-and-Cheaper Up-Spiral Innovate Category Evolution Second-but-Better Invent (Originate) Category Prof. Hiroshige HAYASHI First-and-Best 10 AI移転の実証:市場の変化と商品戦略 ~テレビのAI発展で韓国勢が優位にたった。なぜか?~ Adopt & Imitate 模倣・低価格 新市場 ③ ② CRTカラ―テレビ ① CRT 白黒テレビ Adapt & Innovate 二番手・改良 Adept & Invent 先発・ベスト 薄型テレビ 日本が先行 欧米が先行 欧米が先行 既技術 D B S ④ 3Dテレビ 韓国が先行 新技術 既市場 Adapt & Innovate 成熟期の革新・優位 11 企業のMarketing Globalization=マーケティング知識の国内外でのスパ イラル移転 , Mother CountryとHost CountryのMarketing Infrastructure を同心円的に分析する=従前の考え方。 自然条件 D B S マクロ環境 経済 政治 (法律) Uncontrollable 市場需要 Controllable 市場 特性 Product Process Program People Marketing文化 社会 & 文化 意思決定要因 ミクロ環境 Uncontrollable Prof. Hiroshige HAYASHI 12 Mother CountryとHost Countryの Marketing Infrastructure を4 階層で分析・理解する=Hayashi Model。 D B S Marketing Infrastructure の共通性と受容性が マーケティング移転の難易性を左右する。 4.ブランド・マーケティング文化の発展度合い(BMC):共通性と受容性 3.マーケティング文化の発展度合い(MKC):共通性と受容性 2.経済・物質文化の発展度合い(EMC):共通性と受容性 1.社会・精神文化の発展度合い(SSC):共通性と受容性 1. 2. 3. 4. Socio-Spiritual Culture (SSC) People’s socio-spiritual life in a country affects the ease and speed of marketing transfer from outside. Economic-Materialistic Culture (EMC) The level of development in economy, science and technology of a country determines the degree of development and evolution of marketing techniques. Marketing Culture (MKC) The availability of various social institutions that support marketing activities is a key for marketing efficiency and effectiveness. Brand Marketing Culture (BMC) The brand is a cultural asset of the country that gave birth to it, and will be transferred across frontiers to every corner of the globe where people accept it. Prof. Hiroshige HAYASHI 13 D B S 文明商品と文化商品 文明商品と文化商品:商品のグローバル競争力の次元が異なる。 文明 文化 思想、哲学、科学技術のように国境 (異文化)を越える普遍的な価値やシ ステム。 その国、その国の人々に特有なWay of Lifeの体系。ならでは、らしい、目 に見える衣食住と目に見えない価値、 規範、宗教など。 文化の違いにあまり関係ない (Culture-free)価値。 文化の違いに特有な(Culturebound)価値。 普遍性 発展段階的、相対的な優劣の競争。 特殊性 選好的、選択的な受容性の競争。 文明商品:科学技術の発展、獲得に 応じた競争力。機能・性能の優位性 を造り込む。自動車、家電、精密機器 など。価格競争力。 文化商品:文化の受容度合に応じた 競争力。化粧品、美術工芸品、音楽、 映画、食品など。心理・情緒価値を創 造する。非価格競争力。 Prof. Hiroshige HAYASHI 14 D B S 文明商品と文化商品 文化商品は、グローバル市場で大なり小なりCultural Conflictは避けられない。 文明商品 文化商品 欧米市場の日常生活に Convenienceを提供 日本発 文明商品。 欧米人の精神文 化の中でクール・ ジャパン現象 バリア・コンフリクト 生活価値 生活 価値 日本発 文化商品。 情緒 ベネフィット 情緒ベネフィット 機能 ベネフィット 機能ベネフィット 技術・ 原材料 技術・原材料 性能・機能・コスト が主な競争次元。 生活価値、情緒価値 が主な競争次元。 Prof. Hiroshige HAYASHI 15 D B S 文化の類似性と受容性: マーケティング知識の移転の難易性は、Mother国とHost国の経済・物質文化(EMC)よ りも社会・精神文化(SSC)の共通性(大小)と受容性(強弱)に一段と影響される。 共通性、親近性、類似性(Commonality、Affinity、Similarity)の大小。 受容性(Acceptance)の強弱。Assimilation(同化)との違い。 文化的適応(Cultural Adaptation)⇒文化を実体験すること。 identify → ある国の文化を身に付けること exoticism → 他の文化を経験すること 国内でも国外でも通じる態度である。 1.Cultural Affinity Zones in Europe Anglo Saxon Europe UK Ireland 言語、宗教、家族生活パターン 仕事のやり方、消費行動パターン などを基準 Nordic Europe Sweden, Norway Denmark, Finland Iceland The Netherlands Germany Germany Central Luxen- “Lotharingian” Europe burg Austria Belgium Switzerland France France, Italy 2.Cultural Affinity Classes 年令、階級、人種、専門事業など による態度、選好、ライフ・スタイル の親近性 Prof. Hiroshige HAYASHI Mediterranean Europe Spain Portugal Greece 16 D B S 文化の類似性と受容性: マーケティング知識の移転の難易性は、Mother国とHost国の経済・物質文化(EMC)よ りも社会・精神文化(SSC)の共通性(大小)と受容性(強弱)に一段と影響される。 3.アジアでのCultural Affinity Zone 北東アジア(日本、韓国、中国、台湾)を除いて、Affinityの考え方を適応しづらい。 アジアはむしろCultural Diversity。だからEuropeと違いアジアは地理的な概念のみ。 →アジアはOne-by-Oneだから、共通性よりも受容性が大切ではないか。 韓国 例えば… ① 日本とASEAN(フィリピン、タイ、マレーシア、インドネシア、SGなど)。 日本企業によるマーケティングが活発。日本との文化的Affinityは 弱いが、日本文化の Acceptanceは強い ② 日本と韓国の文化的Affinityは強いが、両国で日本・韓国企 業いずれも活発にマーケティングを展開しているとは言えない。 お互いのAcceptanceが低い。韓流・日流は強いが。 中国 日本 台湾 ③ 中国の反日感情は大変強いが、一方では日本企業やそのブランド 商品への選考度・重要度は大変高い。 Prof. Hiroshige HAYASHI 17 D B S 文化の類似性と受容性 4.文化への感受性・態度。あなた自身をどこにPositioningしますか? パラダイムの分水界(Paradigmatic Divide)の左ですか、右ですか? -Milton J. Bennet (1986) 否定 防衛 最小化 受容 適応 統合 自分の中に第三文化が生まれる。 異文化間の違いに自己を適応させ、他 文化の枠組みで考える。 Prof. Hiroshige HAYASHI 文化相対主義 (ethno-relativism) 異文化間の違いを理解し、対処可能で あると受け入れる。 文化が違っても、人は皆自分と同じと考 える。 自己文化との違いが大きいほど、好まし くないもの、劣っているものと考える。 異文化間の違いを認めない、知覚しない。 パラダイムの分水界 自己文化中心主義 (ethnocentrism) 18 D B S 文化の類似性と受容性 5.見れば分かるではなく、分かるように説明する。 文化の型 日本文化は 高コンテクスト 人間の型 日本人は アナログ 欧米人は デジタル 欧米文化は 低コンテクスト 「日本文化をアナログ 的に(暗示的に、全体 的に)理解しなさい」 は、欧米人には無理 である 他方では日本文化を アナログ的に理解 する人を増やす 第三文化体 としての人々 (日本人と欧米人)を 増やす= 文化ビジネスの市場 が拡大する 気づき、知識、 経験(実践) グローバルな文化 ビジネスへ 「日本文化をデジタル的に (明示的に、順序立って) 伝える」訓練が必要である Prof. Hiroshige HAYASHI 19 D B S 文明商品と文化商品 日本企業のアジア戦略は、国・地域別,商品累計別に構築・実践する必要がある。 文化の類似性・共通性 強 弱 アメリカ ⇔ 欧州 大 文化の受容性 小 日本発商品に対す る強いNegative COOがある。 ○文明商品 ○文化商品 日本 ⇔ 韓国 日本 ⇔ 中国 韓△/中○文明商品 韓・中△文化商品 欧米 ⇒ 日本 ○文明商品 ○文化商品 日本 ⇒ ASEAN ○文明商品 ○文化商品 日本 ⇒ 欧米 ○文明商品 ×→△文化商品 日本文化のそこでの受容性が先ず不可欠だ。欧米には、日本発の文化商品に対する強い反発と しての消費者愛国主義(CP)と強いネガティブな原産国評価(COO)はないが、日本文化の受容と いうインフラがまだまだ不足している。 Prof. Hiroshige HAYASHI 20 D B S 文明商品と文化商品 日本人の商品造り・創りの特質を自覚して海外向けの適応化に取り組む。 「さまざまな人々の能力(機能)が協力し、すり合わせて(Integral)造る・創る」 これが日本人の独創・得意分野である。 美しさをめでる心で、繊 細さ、緻密さを創りこむ = ていねいさ、相互信頼と科 学技術をメタ統合して向上 = 心を造りこむ 日本の 文化力 ⇒ 日本の 文明力 ⇒ 文化商品 (文化・心理ベネフィット) = コト >モノ 文明商品 (機能・性能ベネフィット) = モノ >コト これまで日本は、文明ビジネスのグローバル化で大きく成功したが、文化ビジネスでの成功は少ない。 コトは眼には見えないが知覚で受け取る付加価値、モノは眼に見えて五感で受け取る付加価値。 20世紀の後半、日本人は文明商品(家電、自動車、精密機器、工作機械など)で世界をリードし ている。他方、文化商品のグローバリゼーションは殆ど皆無。工業商品としては、資生堂や味の 素などほんのわずかな企業が依然として発展途上・・・。 Prof. Hiroshige HAYASHI 21 D B S 文明商品と文化商品 ~ローカル対応で日本勢が後退している。自動車・家電~ SA Transfer: Own Knowledge of 4Ps TO Others AI Transfer: Other’s Knowledge of 4Ps FROM Others Think Global Global Global Standardization to Local Adaptation (SA) Act Local Global (SA) Local Loglobal Local Standardization to Global Adaptation (AI) (AI) Glocal (SA) ローカルのニーズ・ウォンツ を造りこんだセカンド・アンド ・チーパー商品、セカンド・バ ット・ベター商品で新興国・ 途上国市場で韓国勢に遅れ をとっている。 Local (AI) GlobalGlocal Adaptation (SA Transfer) Civilization products (culture-free) follow this path of SA (orange). Autos, Electronics, etc. LocalLoglocal Adaptation (AI Transfer) Culture products (culture-bound)) follow this path of AI (blue). Foods, Cosmetics, etc. In the 21st century, Civilization products also need to be AI transferred in emerging and developing countries. Prof. Hiroshige HAYASHI 22 D B S 文明商品と文化商品 ~海外での日本食の浸透~ 日本人は寿司にこだわり、 中国・韓国系はSushi 中国・韓国系はSushi や SUSHIへの変化を仕掛け SUSHIへの変化を仕掛け て欧米・中国・アジアなど で成功した。 Culture (*1) Commonality Big Standardized Transfer No change of FORM (2*) No change of SPRIT (3*) Culture Acceptance Strong TRANSFER TO THIRD COUNTRIES 寿司 Sushi Adapted Transfer Change of FORM Little Change of SPRIT Adapted Transfer SUSHI AI Transfer Weak Change of FORM Change of SPRIT AI Transfer Small (1) Socio-Spiritual Culture (2) FORM: Taste, Fragrance, Product Form, Package, etc. (3) SPRIT: Intrinsic Japaneseness Prof. Hiroshige HAYASHI 23 Marketing 知識移転のTrigger変数: 商品戦略への普遍化 1. 経済の発展段階格差 ・ 発展度合の高い国から低い国へ 2. 共通のニーズ ・ Globalなニーズ・セグメント(Needs Segment) 3. 商品のタイプやポジショニング D B S ・ 耐久消費財、機能・性能商品、文明商品 ・ 非耐久消費財、情緒・心理商品、文化商品 4. 原産国効果 ・ 常に自国及び自国商品へのPreferenceが強い 消費者民族主義(Ethnocentrism)、消費者愛国主義(Patriotism) ・ 国 (State )とその国発(COO)に対するPositive or Negativeなイ メージ Prof. Hiroshige HAYASHI 24 D B S DBS Doshisha Business School 2007年秋 第82回日本マーケティング・サイエンス学会 比較研究: “日韓米欧”発ブランドの中国市場への移転 同志社大学大学院ビジネス研究科 林 廣茂 ヤフーバリューインサイト株式会社 本間大一 Prof. Hiroshige HAYASHI 25 D B S A. アブストラクト 中国市場で、ブランド・マーケティングが盛んになりつつある。 本研究は、乗用車(自家用車)・薄型テレビ・スキンケア化粧品の三製品分 野について、1)製品分野-freeの「国家」、2)製品分野-boundの「原産 国」、それぞれへの選好度(好ましさの度合い)が、「企業・ラインブランド」 のイメージや選好度形成に直接・間接効果をもたらすかを、多国間の比較 研究と構造方程式モデルによって検証した。 また「国家」および「原産国」にも増して、各々の「企業・ラインブランド」の知 覚が、その選好度形成に多大な効果を持つことが検証された。 研究の動機:中国での日本発企業ブランド・商品ブランドの人気が高い。日 本はアメリカと並んで嫌いな国であるのに、なぜ日本発ブランドの人気が高 いのか。 Prof. Hiroshige HAYASHI 26 D B S B. 研究の目的 The study was conducted as a multi-country comparative analysis through the use of the SEM methodology, thus achieving the THREE objectives. 1. 「国家ブランド」の「好ましさの度合い」が、「企業・ラインブランド」の「好ましさの度合 い」に及ぼす総合効果を発見する。 総合効果 = 直接効果 + 間接効果 国家ブランド: 製品カテゴリーの影響を受けない日本、中国、アメリカ、韓国、フ ランスなど。 企業・ラインブランド: トヨタ、サムスン、奇端、大宝など。 2. 「原産国ブランド」の「好ましさの度合い」が「企業・ラインブランド」の「好ましさの度合 い」に及ぼす総合効果」を発見する。 原産国ブランド: スキンケア化粧品、自動車、薄型テレビの原産国としての日 本、中国、韓国、ドイツなど。 3. 「企業・ラインブランド」が、「国家ブランド」や「原産国ブランド」の影響を受けないで、 独自に持つ「知覚(イメージ)」が「企業・ラインブランド」の「好ましさの度合い」に及ぼ す間接効果を発見する。 Prof. Hiroshige HAYASHI 27 D B S C. SEMの概念モデル SEMの概念モデルを以下のように構築した。 国家ブランド の好ましさ ダミー 企業・ラインブランド 原産国ブランド の好ましさ ブランドの知覚 次元1 ブランドの 好ましさ ブランドの知覚 次元N (1) 林 廣茂(2003)「“自国発”ブランドの海外移転に伴う機会とリスクの研究」『彦根論叢』第342号 Prof. Hiroshige HAYASHI 28 D B S D. 消費者調査 調査デザイン <1> スキンケア化粧品 国家ブランドの好ましさと知覚 1. 日韓中米仏を5段階尺度で評価(5点大変好ましい~1点全然好ましくない)。 2. 当該国を7イメージ属性について5段階尺度で評価(5点全くその通りだと思う~1 点全然そう思わない)。 原産国ブランドの好ましさと知覚 3. 原産国としての日韓中米仏を5段階尺度で評価。 4. 当該国を7イージ属性について5段階尺度で評価。 企業・ラインブランドの好ましさと知覚 5. 企業・ラインブランドである大宝、Loreal、Laneige、Lancome、Aupres、Olay、 資生堂、SK-II、小護士の好ましさを5段階尺度で評価。 6. 当該ブランドを7イメージ属性について5段階尺度で評価。 Prof. Hiroshige HAYASHI 29 D B S D. CONSUMER MEASUREMENT 調査デザイン <2> スキンケア化粧品と同じ測定方法で、自動車と薄型テレビ分野でも測定した。 自動車 国家ブランド 原産国ブランド 企業・ライン ブランド 薄型テレビ アメリカ、中国、ドイツ、 日本、韓国 中国、日本、韓国 アメリカ、中国、ドイツ、日 本、韓国 中国、日本、韓国 Chery(奇瑞QQ)、Ford、 Geely(吉利), GM, Honda, BMW, Hyundai, Nissan, Mercedes-Benz, Toyota, VW Changhong(長虹)、Hitachi, Hisense (海信), LG, Panasonic, Samsung, Sony, Skyworth(創維), Sharp Prof. Hiroshige HAYASHI 30 D. CONSUMER MEASUREMENT 調査デザイン <2> 時期: 2006年12月~2007年1月 方法: ウェブ・リサーチ D B S 都市・サンプル数: 北京、上海、広州、各都市600名の対象者、合計1800名。 対 象者は全員サーチナ社のモニターからリクルートした。 対象者: スキンケア化粧品 18才~48才の女性で自分が使用するスキンケア化粧品を買 う人。各都市200名、3都市合計で600名。 自動車 20才~49才の男女で自家用車を持っている人(62%)か、2年 以内に買う意向を持っている人(48%)。各都市200名、3都市 合計で600名。 薄型テレビ 20才~49才の男女で、家に薄型テレビを持っている人。各都 市200名、3都市合計で600名。 Prof. Hiroshige HAYASHI 31 D B S E. FINDINGS AND DISCUSSIONS <Skincare Cosmetics> Average of 3 Cities 08_Shiseido Shiseido 06_Aupres Aupres US CN Average Average Avon 01_Avon 05_Lancome Lancome Loreal 03_Loreal 04_Laneige Laneige KR Mininurse 10_Mininurse Average of 3 Cities Average of 3 Cities US CN 07_Olay 07_Olay 0.40 FR Olay 06_Aupres Aupres Lancome 05_Lancome 05_Lancome Shiseido 08_Shiseido 08_Shiseido Avon 01_Avon Average Average Average Dabao Mininurse 02_Davao 02_Davao 10_Mininurse Perception 04_Laneige Laneige 0.20 Loreal 03_Loreal 0.00 KR -0.20 JP JP -0.40 SK-II -0.60 09_SK-II 09_SK-II SK-II 09_SK-II State Effect COO Effect se inur Min II SK- o eid Shis Olay r es Aup e com Lan eige Lan al Lore ao Dab n Avo Dabao 02_Davao Brand Perception Effect FR Olay 07_Olay Brand Indirect Effect (Av=0) Brand Perception Effect Effect and Perception ~Skincare Cosmetics~ -0.80 -1.00 Advanced / Intellectual Sincere Aupres and Shiseido are positioned among the top five brands and strong on both dimensions. Aupres is slightly stronger than Shiseido. Prof. Hiroshige HAYASHI 32 D B S E. FINDINGS AND DISCUSSIONS <Skincare Cosmetics> State and COO Perception ~Skincare Cosmetics~ State COO D1: Hard Strength 0.6 0.4 D2: Soft Strength 0.2 0 Factor Score D3: Reasonable Price -0.2 -0.4 0.4 0.2 D1: Soft Strength 0 -0.2 D2: Fits Me -0.4 -0.6 -0.6 A US U K Fr an ce G er m an y Ja pa n K or ea C hi na -0.8 U SA 0.6 Factor Score 0.8 Factor Loading a in Ch ce an Fr n pa Ja K e or a Factor Loading Fact Analysis (Varimax Rotation) D1 D2 D3 Fact Analysis (Varimax Rotation) D1 D2 Technological Strength 0.78 0.11 0.15 High Class/Sophisticated 0.75 0.28 Economic Strength 0.70 0.21 0.05 Trustworthy 0.68 0.40 High-touch Products 0.62 0.41 0.03 Makes Me Beautiful 0.59 0.46 High Quality/Trustworthy Products 0.58 0.42 0.03 Proud of Using 0.54 0.49 Anxious for Environment Protection 0.46 0.37 0.17 Natural Ingredients are used 0.49 0.47 Feel friendly toward the Country 0.16 0.65 0.24 Fits My Skin Condition 0.29 0.76 0.58 0.15 Fits My Personality 0.46 0.60 Having Cultural Influence 0.36 Reasonably Priced Products 0.11 0.26 0.96 % Contribution 31.3 26.4 % Contribution 27.5 17.0 13.2 % Cumulative contribution 31.3 57.7 % Cumulative contribution 27.5 44.4 57.6 Regression of State by Factor Scores R-squared: 0.26 Standardized Coefficient D1 (Hard Strength): 0.18 D2 (Soft Strength): 0.43 D3 (Reasonable Price): 0.03 Regression of COO by Factor Scores R-squared: 0.37 Standardized Coefficient D1 (Soft Strength): 0.42 D2 (Fits Me): 0.33 Prof. Hiroshige HAYASHI 33 D B S F. FINDINGS AND DISCUSSIONS <Passenger Cars> Effect and Perception ~Passenger Cars~ Average of 3 Cities Average of 3 Cities Mercedes-Benz 09_Mercedes Benz Mercedes-Benz 05_Honda Honda Hyundai 07_Hyundai JP Nissan 08_Nissan Ford 02_Ford GR Average Average KR GM 04_GM Chery CN Geely State Effect 11_VW VW 06_BMW Brand Perception Effect US BMW 0.40 JP Toyota US 10_Toyota Honda Hyundai 07_Hyundai 05_Honda KR Ford 02_Ford GR 0.20 0.00 -0.20 Averagel Average Nissan 08_Nissan VW ota Toy es ced Mer an Niss i nda Hyu BMW da Hon GM ly Gee Ford ry Che Brand Perception Effect 06_BMW BMW Toyota 10_Toyota Perception -0.40 GM 04_GM 01_奇瑞 (Chery) Chery CN VW 11_VW -0.60 -0.80 03_吉利 (Geely) Geely COO Effect -1.00 Trustworthy / Advanced Sophisticated The brand perceptions of Toyota and Honda are high on both dimensions only next to those of Mercedes and BMW 34 D B S F. FINDINGS AND DISCUSSIONS <Passenger Cars> State and COO Perception ~Passenger Cars~ State COO 0.8 0.6 D1: Hard Strength 0.4 0.2 D2: Soft Strength 0 -0.2 Factor Score D3: Reasonable Price -0.4 -0.6 -0.8 0.6 D1: Hard Strength 0.4 0.2 D2: Reasonable Price 0 D3: Originality Factor Score 0.8 -0.2 -0.4 Factor Loading Fact Analysis (Varimax Rotation) D1 D2 D3 Technological Strength 0.72 0.14 0.12 Economic Strength 0.71 0.21 0.07 High Quality/ High Performance/ Trustworthy Products 0.67 0.28 0.03 High-touch Products 0.62 0.38 0.01 Anxious for Environment Protection 0.40 0.38 0.17 Having Cultural Influence 0.27 0.69 0.10 Feel friendly toward the Country 0.19 0.54 0.23 Reasonably Priced Products 0.08 0.24 0.97 % Contribution 26.6 15.8 13.0 % Cumulative contribution 26.6 42.4 55.4 Regression of State by Factor Scores R-squared: 0.26 Standardized Coefficient D1 (Hard Strength): 0.22 D2 (Soft Strength): 0.39 D3 (Reasonable Price): 0.09 a or e K Ja pa n an y G er m Fr an ce hi na C U SA K or ea Ja pa n y G er m an Fr an ce U K a hi n C U SA -0.6 Factor Loading Fact Analysis (Varimax Rotation) D1 D2 D2 Durability 0.78 0.13 0.16 High Performance 0.71 0.08 0.21 Trustworthy 0.66 0.18 0.28 Anxious to Environmental Protection 0.49 0.21 0.28 Reasonable Price 0.02 0.99 0.13 Feel familiar with the car 0.24 0.44 0.01 Originality 0.43 0.08 0.90 % Contribution 29.1 18.4 14.9 % Cumulative contribution 29.1 47.4 62.4 Regression of COO by Factor Scores R-squared: 0.30 Standardized Coefficient D1 (Hard Strength): 0.50 D2 (Reasonable Price): 0.16 D3 (Originality): 0.12 Prof. Hiroshige HAYASHI 35 D B S F. FINDINGS AND DISCUSSIONS <FDP TVs> 08_Sony) Sony 07_Samsung Sumsung KR 05_Panasonic Panasonic Hitachi 02_Hitachi 01_Changhong) Changhong Skyworth Skyworth CN 10_Sharp Sharp Sony Hisense 03_Hisense) JP Sumsung 07_Samsung KR 0.40 0.20 05_Panasonic Panasonic 0.00 Average Average LG 04_LG 01_Changhong) Changhong Hitachi -0.20 02_Hitachi Hisense 03_Hisense) rp Sh a th wor Sk y y So n su ng Sam nic aso Pan LG n ce H ise c hi H ita ng ngh o 04_LG LG 08_Sony) Perception Cha Average Average JP Average of Average of3 3Cities Cities Brand Perception Effect Average Cities Average of of 33Cities Brand Indirect Effect (Av=0) Brand Perception Effect Effect and Perception ~FPD TVs~ -0.40 10_Sharp Sharp CN -0.60 Skyworth Skyworth -0.80 State Effect COO Effect -1.00 Advanced Sincere Sony enjoys the highest image closely followed by Samsung. Panasonic comes third. 36 D B S F. FINDINGS AND DISCUSSIONS <FDP TVs> State and COO Perception ~FPD TVs~ State COO 0.8 D1: Hard Strength 0.6 0.4 D2: Friendliness/ Reasonable Price D3: Cultural Influence 0.2 0 Factor Score -0.2 D1: Originality/ Trustworthines s 0.6 0.4 D2: Familiarity/ Reasonable Price 0.2 0 Factor Score 0.8 D3: High Performance -0.2 -0.4 -0.4 -0.6 -0.8 n pa Ja a re Ko Factor Loading a y an rm e G or e ce an Fr K UK C hi na a in Ch Ja pa n -0.6 A US Factor Loading D3 Fact Analysis (Varimax Rotation) D1 D2 D2 0.03 0.13 Originality 0.71 0.06 0.21 0.08 0.08 Trustworthy 0.68 0.25 0.16 0.18 0.07 Durability 0.59 0.16 0.33 0.61 0.13 0.29 Anxious to Environmental Protection 0.53 0.18 0.14 0.48 0.13 0.27 Reasonable Price 0.16 0.67 -0.05 Fact Analysis (Varimax Rotation) D1 Technological Strength 0.72 Economic Strength 0.70 High Quality/ High Performance/ Trustworthy Products 0.65 High-touch Products Anxious for Environment Protection D2 Feel friendly toward the Country 0.09 0.98 0.16 Feel familiar with the TV 0.14 0.66 0.20 Reasonably Priced Products 0.12 0.33 0.22 High Performance 0.49 0.10 0.81 Having Cultural Influence 0.23 0.33 0.66 % Contribution 26.9 14.6 12.8 % Contribution 26.2 15.7 8.7 % Cumulative contribution 26.9 41.6 54.3 % Cumulative contribution 26.2 41.9 50.6 Regression of State by Factor Scores R-squared: 0.25 Standardized Coeffficient D1 (Hard Strength): D2 (Friendliness/ Reasonable Price): D3 (Cultural Influence): 0.17 0.40 0.18 Regression of COO by Factor Scores R-squared: 0.27 Standardized Coefficient D1 (Originality/ Trustworthiness): D2 (Friendliness/ Reasonable Price): D3 (High Performance): Prof. Hiroshige HAYASHI 0.34 0.24 0.20 37 G.TOTAL EFFECT MAP OF STATE/COO PREFERENCE VS. BRAND PREFERENCE 1 D B S スキンケア化粧品 1. 日本は国家ブランドとして、 「日本発化粧品ブランドの好ましさ」にかなり ネガティブな効果を与える。 2. 日本は原産国ブランドとして、中国とアメリカと同等の第3グループで、 日本発化粧品ブランドの好ましさにややネガティブな効果を与える。 3. しかし、 資生堂とオプレという「企業・ラインブランド知覚(イメージ)」は トップグループと評価され、日本という国家/原産国のネガティブ効果に もかかわらず、その好ましさに対して強い間接効果を与える。 4. 今後の資生堂とオプレのIMC戦略として、「誠実である」「信頼できる」とう イメージを中国人消費者の知覚として高めることができれば、当該ブラ ンドへの好ましさを一段と強くすることができる。 Prof. Hiroshige HAYASHI 38 H. TOTAL EFFECT MAP OF STATE/COO PREFERENCE VS. BRAND PREFERENCE 2 D B S 自動車 1. 日本は国家ブランドとして、 「自国発自動車ブランドの好ましさ」に、かなりネ ガティブな効果を与える。 2. 日本は原産国ブランドとして、「自国発自動車ブランドの好ましさ」に、ネガティ ブな効果を与える。 3. しかし、日本発ブランドであるトヨタやホンダの知覚(イメージ)評価が高く、メ ルセデスやBMWに次いでいる。当該ブランドの好ましさへ強いポジティブ効 果を持つ。 4. 今後のトヨタやホンダのIMC戦略として、「洗練されている/ダイナミックであ る」というイメージを一段と高めることができれば、当該ブランドの好ましさへ の効果が更に高まることだろう。日産ブランドのIMC戦略は、根本的な改善が 必要ではないか。 Prof. Hiroshige HAYASHI 39 I. TOTAL EFFECT MAP OF STATE/COO PREFERENCE VS. BRAND PREFERENCE 3 D B S 薄型テレビ 1. 日本は国家ブランドとして、 「自国発薄型テレビ・ブランドの好ましさ」に、ネガ ティブな効果を与える。 2. しかし、薄型テレビの原産国としての日本は、「自国発薄型テレビ・ブランドの 好ましさ」にポジディブな効果を与える。韓国が薄型テレビの原産国として最 も好まれている。 3. ソニーの知覚評価が最も高く、その高さがソニーの好ましさに強い間接効果 を与えている。サムスンがソニーに肉薄している。パナソニックは3位である。 Prof. Hiroshige HAYASHI 40 D B S J. IMPLICATIONS FOR BRAND STRATEGY IN CHINA Share State COO Brand Skincare USA China France Korea Japan + + + + + + - - - - - - - + + + + - - + + + - + + + ± (+++) ~ (++) Car + + ± - - + + + - ± + + + - (- -) ~ (- - -) (+) ~ (-) (++) ~ (-) (+++) ~ (- -) + China USA Japan Germany Korea Premium Cosmetics (value)Q3/07 CD 18.36% Shiseido 12.98% Chanel 9.84% Lancome 6.13% 31% 13% 26% 18% 8% (Unit) FPDTV China Japan Korea + + + - - ± - - + + + + + (±) ~ (- - -) (+++) ~ (--) (+++) ~ (+) 60.2% 21.3% 12.1% 93.6% Source: 自動車:蓋世汽車網(071707)、薄型テレビ:Display Search、 化粧品:百度数据研究中心 Prof. Hiroshige HAYASHI First Half of 07 % Share Whole Year at 8.5M units(P) (Value) 48.0% 0.80 29.2% 1.37 15.9% 1.31 93.1% First Half of 07. % Share Whole Year at 8.1M units vs. Japan’s 8M units (P) 41 K. IMPLICATIONS FOR BRAND STRATEGY IN CHINA D B S 中国市場でも、ブランド力が有効なマーケティング競争次元である。 Prof. Hiroshige HAYASHI 42 D B S DBS Doshisha Business School DBS-Thammasat U. Seminar Exchange Global Marketing of Ajinomoto Co., Inc. ~with Focus on Thailand/ASEAN~ Never-ending Quest for Credence, Safety and Assurance of Foods Hiroshige HAYASHI Professor of Global Marketing Graduate School of Business Doshisha University Kyoto, Japan 043009 Prof. Hiroshige HAYASHI 43 D B S 1. Company Profile: AJINOMOTO Co., Inc. Started on May 20 in 1909, or 100 years ago. Japan’s largest diversified foods corporation consisting of 133 companies in Japan and overseas, operating in 22 countries with 102 plants in 14 countries, and employing 27,000 people worldwide (as of March, 09). Annual sales turnover at ¥1216.6 Billion (07) or $12.2 Billion worldwide, of which 68% in Japan and 32% overseas. Operating profit is split into 51% in Japan and 49% overseas. Overseas business grew +67.5% between 03 and 07 (4 years). Sales $12.2B Operating Income $610M Domestic 68% Domestic 51% Overseas 32% Overseas 49% A wide range of products including seasonings, processed foods, edible oils, beverages, sweeteners, feed-use amino acids, pharmaceuticals, medical supplies, etc. Prof. Hiroshige HAYASHI 44 D B S 2. Global Operations: Corporate Governance Structure Ajinomoto Co., Inc. Corporate Functions Food Company Amino acid Company Pharmaceutical Company (65%) (24%) (11%) Non-core Business Major subsidiaries Domestic N/A Thailand, Philippines, Vietnam, Malaysia, Singapore, Indonesia, India N/A USA L. America HQ (14%) (Sau Paulo, Brazil) N/A Brazil, Peru Europe/Africa HQ (30%) (Paris, France) N/A France, Germany China HQ (7%) (Shanghai, Tokyo) N/A China, Hong Kong ASEAN HQ (36%) (Bangkok, Thailand) Overseas (=100%) Core Business N. America HQ (13%) (NJ, USA) Prof. Hiroshige HAYASHI 45 3. ASEAN Operations Total Employees of 13,000 (March, 08) A. Sales Turnover Estimate (07) D B S B. Governance Structure Ajinomoto Co., Inc. Feed-use Amino Acids, etc. 25% 95% Ajinomoto Philippines (58) 80% ASEAN HQ & Ajinomoto Thailand (60) 50.1% $1.4 Billion 50% Seasonings, Processed Foods, Beverages 75% 100% 1. 2. 3. 4. (Sales) (Sales & Production) Ajinomoto Malaysia (61) (Sales & Production) Ajinomoto Indonesia (69) (Sales & Production) Ajinomoto Singapore (73) (Sales) 100% Ajinomoto Vietnam (91) (Sales & Production) 100% Ajinomoto India (93) (Sales & Production) 100% 4 others (below) Indonesia Ajinex International (89) Ajinomoto Frozen Foods (Thailand) (90) Ajinomoto Betagro Frozen Foods (Thailand) (95) Ajinomoto Calpis Beverage (Thailand) (97) Prof. Hiroshige HAYASHI 46 D B S 4. ASEAN Operations: Thai Success Model C. History in Thailand 1. Ajinomoto Co., Inc. started its business in Thailand in 1948 through the export of AJI-NO-MOTO (product brand). Ajinomoto (Thailand) was established in 1960 and eventually developed “ the Thai Success Model.” 2. The model was then transferred and applied throughout the ASEAN countries. The success was described as, “it sold so fast, it was like water soaking into the desert.” 3. The Thai success model: Sales Split (5) Soft Drinks 30% Birdy (93)(03), CALPICO (98) (4) Sweetener 7% Lite Suger (03) (3) Processed Foods 13% Yum Yum (73), Frozen Foods (91), VONO (04) (2) Seasonings for various flavors, dishes 20% ROSDEE (79)(03)(04), Takumi-aji (05) (1) Umami Seasonings Then the model was transferred to Philippines (58) Malaysia (61) Indonesia (69) Singapore (73) Vietnam (91) India (03) and adapted to Brazil (56) Peru (68) 30% AJI-NO-MOTO (48)(62), AJI-NO-MOTO Plus (84) Prof. Hiroshige HAYASHI 47 5. ASEAN Operations: Thai Success Model Prof. Hiroshige HAYASHI D B S 48 6. ASEAN Operations: Thai Success Model Prof. Hiroshige HAYASHI D B S 49 7. ASEAN Operations: Thai Success Model Prof. Hiroshige HAYASHI D B S 50 8. ASEAN Operations: Thai Success Model Prof. Hiroshige HAYASHI D B S 51 9. ASEAN Operations: Thai Success Model D B S D. Thai Success Model was Repeated Across ASEAN Countries 1. The major success of AJI-NO-MOTO paid for the establishment of the management and infrastructure needed for further growth. 2. The product name AJI-NO-MOTO became a household word, helping to establish the equity of Ajinomoto Co., Inc. as a reliable, safe, and trustworthy company. The company eventually upgraded its logistics and retail network. 3. Based on this infrastructure, the company proceeded to create a succession of new markets from the 1970’s, leading to successful brand proliferation and becoming one of Thailand’s largest food manufacturers. 4. The Thai success model was successfully repeated in the other countries. Prof. Hiroshige HAYASHI 52 10. ASEAN Operations: Product/Brand Proliferation in Line with Thai Success Model D B Main Product Brands in ASEAN Countries & Latin America Date Established Product Line Thailand Philippines Malaysia/ Singapore Indonesia Vietnam India Brazil Peru 1960 1958 1961/1973 1969 1991 2003 1956 1968 Birdy ( 03) CALPICO (98) FRES-C(03) Sweetener Lite Sugar (03) PAL SWEET (99) PAL SWEET (89) SLIM UP (00) Processed Foods Yum Yum (73) Frozen foods (91) VONO (04) CRISPY FRY ( 03) VONO (05) Seasonings for various flavors, dishes. ROSDEE (79)(03)(04) Takumi-aji (05) Ginisa (91) Sabaw (03) AJI-MIX (94) SERI-AJI (96) TUMIX (03) Umami seasoning, etc AJI-NOMOTO (62) AJI-NOMOTO Plus (85) AJI-NOMOTO (62) AJI-SAL (99) Soft Drinks (Inluding powdered) (including soup,/Iinstant noodles/frozoen foods, etc) S CALPICO (95) CALPICO SODA (96) Birdy (97) CALPICO Water(99 CALPICO MINI(06) AJI-NOMOTO (62) AJI-EKI (71) AJI-SAL (78) Prof. Hiroshige MID Refresco (00) FIT DIET (05) MID Sugar (99) LISA Vinegar (04) LISA Mayonnais e (05) CUP NOODLE (75) (JV with Nissin Foods) VONO (05) Aji-nomen (02) (04) Masako( 89) Sajiku (99) Saori (05) Aji-ngon (00) Hat Thit Heo (04) HON-DASHI (78) Tempero Sazon (88) Receita de Casa (99) Caldo Sazon (01) AJI-NOSILLAO (79) Doña Gusta (01) AJI-NO-MOTO (70) AJI-PLUS (86) AJI-NOAJI-NO-MOTO AJI-NOAJI-NOMOTO (78) MOTO MOTO (03) AJI-SAL (82) (69) (93) 53 Sabor ami (87) AJI-PLUS Source: Ajinomoto 2008 Corporate Brochure, etc. (97) HAYASHI D B S 11. Combination of SA and AI Transfer in Thailand – The Hayashi Model at Work Culture Commonality Culture (*1) Commonality Big AJI-NO-MOTO (62) AJI-NO-MOTO Plus (84) VONO (04) (35% of total business) ① Standardization Transfer No change of FORM (*1) No change of SPRIT (*2) Culture Acceptance Strong TRANSFER TO THIRD COUNTRIES 寿司 Sushi Adapted Transfer Change of FORM No change of SPRIT Big Transfer from Thailand to Others (Yum Yum to JPN, EU, USA ?) ④? Culture Acceptance SUSHI AI Transfer Weak Strong Change of FORM Change of SPRIT Adapted Transfer AI Transfer ② Birdy (93) CALPICO (98) Lite Sugar (03) (37% of total b.) ROSDEE (79) Takumi-aji(05) Yum Yum (73) (28% of total b.) ③ Small Small • FORM: Taste, Fragrance, Product Form, Package, etc. (1) SPRIT: Intrinsic Japaneseness ①Standardization,②AI transfer, Prof. Hiroshige HAYASHI Weak ③ Adaptation 54 12. Global Supply Chain Network ( AJI-NO-MOTO and Processed Foods) Global Optimization of Product Transfer via SA or AI Transfer AJI-NO-MOTO Europe (10%) AJI-NO-MOTO USA (10%) (including Hong Kong) Processed Foods Supply & Foods Supply within region S. Asia Near & Mid-East JAPAN From Brazil West AJI-NO-MOTO Raw Materials • ASEAN: Sugarcane & Tapioca • S. America: Sugarcane • USA: Corn & Sugar Beet • Europe: Corn & Sugar Beet China within region East Africa From Brazil AJI-NO-MOTO L. America(30%) AJI-NO-MOTO ASEAN(50%) To Europe within region & Processed Foods Supply within region Foods Supply (Adapted Transfer) China: Frozen Foods Thailand: Frozen Foods USA: Corn Powder, etc. D B S To W. Africa AJI-NO-MOTO Supply (Standardized Transfer) Ajinomoto shares 30% of global MSG production or 600kton Prof. Hiroshige HAYASHI 55 D B S The Image of Kyoto in East Asia ~ for effective communications of the Kyoto Brand~ At MXJ, Xi’an Jiaotong University, Xi’an, China Hiroshige HAYASHI Professor of Brand Strategy & Global Marketing Graduate School of Business Doshisha University, Kyoto, JAPAN November 28, 2008 56 D B S 調査の目的・概要 東アジアにおける「京都」の現在のブランド・イメージを測り、課題を把握し、今 後「京都ブランド」を一段と有効に発信するための基礎データの収集とその分析 をすること。 特に、東アジアの「成長著しいダイナミズム」の流れを京都に呼び込むことを目 指し、観光マーケティングのための「京都ブランド」の発信に焦点を絞った調査を 実施した。 京都・東京・ソウル・北京・上海・台北の6都市でアンケートを実施した。対象者 数は各都市150名×6都市=900名である。年齢は20代から60代の5区分。男女 比は半々である。 データを収集した対象都市は、京都・東京・ソウル・北京・上海・台北・香港・、 ニューヨーク・パリの計9都市である。 57 京都ブランドの3つの課題 D B S 調査・分析結果から、「京都へ東アジアから一段と多くの観光客を呼び込むため に、京都ブランド発信を京都自らが発信する」必要性が浮かびあがってきた。「京 都ブランド」の観光マーケティング上の課題は以下の三点である。 課題に取り組み解決することで、東アジアの人たちの京都への訪問意向を高め たい。 1.京都の認知を高める。 2.京都のイメージを一段と改善する。 3.京都自身の魅力を一段と高める。 58 D B S 1.認知を高める、初回訪問を増やす 「京都ブランド」の東アジアへの強力かつ有効な発信が必要である。まず認知を高めること。また 伝えるメッセージは、京都の強みと、課題に取り組んでいる姿を具体的に見せる・視覚化する。 東アジアでの京都の認知率は20%台でまだまだ低く、訪問経験率も低い。一度訪問したらリピート する率が高い。だから、認知を高め、京都の魅力を認識してもらい、初回訪問者を大いに増やした い。 居住都市 認知率 ベース:全対象者 京都 東京 ソウル 北京 上海 台北 150 150 150 150 150 150 (%) (%) (%) (%) (%) (%) 京都 100.0 98.0 70.0 22.0 22.7 34.0 東京 98.0 100.0 94.0 47.3 49.3 62.0 ソウル 92.7 93.3 100.0 35.3 34.7 34.0 北京 92.0 94.0 82.7 100.0 82.0 40.0 香港 94.0 94.0 85.3 69.3 74.0 68.0 上海 91.3 93.3 75.3 80.0 100.0 46.7 台北 89.3 90.0 64.7 32.7 32.0 100.0 ニューヨーク 93.3 94.7 84.0 46.7 44.0 41.3 パリ 94.7 95.3 83.3 50.0 51.3 34.0 >60% 網掛け 59 D B S 1.認知度を高める、初回訪問を増やす 訪問経験率 居住都市 ベース:全対象者 京都 東京 ソウル 北京 上海 台北 150 150 150 150 150 150 (%) (%) (%) (%) (%) (%) 90.0 21.3 7.3 12.7 21.3 60.0 26.0 25.3 42.7 18.7 16.0 21.3 75.3 24.7 56.7 52.0 京都 東京 94.0 ソウル 25.3 32.0 北京 13.3 19.3 28.7 香港 34.0 36.7 31.3 52.7 上海 15.3 22.0 18.7 72.7 台北 16.0 23.3 10.7 10.7 9.3 ニューヨーク 16.0 27.3 26.0 22.0 20.7 18.0 パリ 29.3 30.0 26.7 24.7 24.0 13.3 23.3 >30% 網掛け 60 D B S 2.京都への訪問意向はまだ低い ソウルで5位、北京7位、上海7位、台北6位、そして東京で1位。 居住都市 京都 全対象者 東京 ソウル 北京 上海 台北 150 150 150 150 150 150 % % % % % % 京都 1 6.18 5 5.69 7 5.45 7 5.57 6 5.63 3 5.89 5 5.59 6 5.85 2 5.85 6 5.48 8 5.49 5 4.69 4 5.89 4 4.78 2 6.10 7 5.43 8 5.19 東京 2 5.38 ソウル 6 4.41 6 4.49 北京 8 3.77 8 3.78 8 4.97 香港 4 4.91 4 4.97 4 5.85 2 6.12 上海 7 4.36 7 4.32 6 5.24 8 5.33 台北 5 4.6 5 4.79 7 5.1 4 5.83 5 5.86 ニューヨーク 3 5.36 3 5.37 2 5.91 3 5.96 3 6.07 3 5.66 パリ 1 5.85 2 5.63 1 6.19 1 6.24 1 6.23 1 5.88 京都 東京 ソウル 北京 上海 台北 No.1 パリ 京都 パリ パリ パリ パリ No.2 東京 パリ ニューヨーク 香港 香港 東京 No.3 ニューヨーク ニューヨーク 東京 ニューヨーク ニューヨーク ニューヨーク 61 D B S 3.京都イメージを一段と高め・改善する、すると訪問意向が高まる イメージを構成する 5つの要因 歴史・品格 華やか アジア体験 成熟 もてなし 歴史・伝統がある 0.87 -0.13 0.17 0.02 -0.05 人類の遺産である 0.72 -0.03 -0.04 0.07 0.15 文化が豊かである 0.71 0.14 0.00 0.01 0.04 最先端である -0.05 0.75 0.00 -0.05 0.13 買い物が楽しめる -0.07 0.69 0.24 0.01 -0.05 夢とときめきを感じる 0.25 0.52 -0.10 0.06 0.16 アジアの人々との交流が活発で ある 0.00 -0.02 0.68 -0.02 0.22 名物の食事が楽しめる 0.25 0.19 0.49 0.03 -0.09 自然環境に恵まれている 0.18 -0.16 0.06 0.67 0.13 芸術の街である 0.25 0.19 -0.11 0.59 -0.04 -0.06 0.12 0.33 0.46 0.02 美しい街並みを持っている 0.31 0.26 0.00 0.33 0.00 世界中の人をもてなしてくれる 0.10 0.26 0.18 0.00 0.47 安全である 0.13 0.05 0.19 0.16 0.36 住んでみたい 0.03 0.29 -0.03 0.25 0.34 祭りやパレードが盛んである 62 D B S 3.京都イメージを一段と高め・改善する、すると訪問意向が高まる 各居住都市から見た現在の京都のイメージ 1.5 訪問意向 歴史・品格 (歴史・文化) 1 成熟 (自然・芸術・祭り) 0.5 もてなし (もてなし・安全) アジア体験 v (アジアとの交流・食事) 0 華やか (夢・先進性・買い物) -0.5 -1 評価軸の重要度 51% 42% 38% 27% 26% 17% 11% 7% 京都 47% 39% 30% 24% 18% 18% 14% 6% 東京 9% 22% 13% 15% 22% 16% 18% 13% 8% 3% ソウル 北京 ~居住都市~ 25% 6% 上海 8% 6% 台北 63 3.京都のイメージを一段と高め・改善する、すると訪問意向が高まる D B S 各イメージ次元で、京都の強さと課題を見つけ出し、強さを強め、課題を改善する。 京都の最大の強みは、「長い歴史と伝統文化に裏打ちされた品格の高さ」にある。 1200年の歴史を持つ古都。 17箇所の歴史遺産を含む神社・仏閣・庭園。 茶道・華道・禅などの伝統文化。 続いて、「都市の成熟度が深い」ことも強みである。 四季折々の美しい自然 日本最大級の祭りやパレード 京都議定書・環境に優しい都市 そして、日本式旅館での「もてなし」や「京料理の体験」がつづく。 中国人にとっては、「ゲーム・コミックが生み出されている都市」も魅力である。 これらの京都イメージを効果的に視覚化して、東アジアに伝えたい。 64 3.京都のイメージを一段と改善する、すると訪問意向が高まる D B S 京都ブランドの最大の課題は、「都市の華やかさ」が不足していることである。 「都市の華やかさ」には二通りある。 ニューヨークや東京には、「現代的なビルが林立し、ネオンやイルミネーションが輝く」 先進的な華やかさがある。 パリには、「大人の夢やときめき」を誘う「艶とか優雅さ」がある華やぎがある。 いづれの都市にも「買い物の楽しみ」が一杯ある。 京都が参考にできるのはパリの「華やぎ」で、「大人の夢やときめき」を「京都らし さ・京都ならでは」の「華やぎ」に翻訳することだろう。そして、世界に誇れる京都の 「新しい優雅な華やかさ」創造したい。 「買い物の楽しみ」は、観光土産の買い物、とは別の「買い物の楽しみ」である。 東アジアから、京都に観光客を呼び込むためには、とりわけ「都市の華やかさ」の 創造・演出が必要だ。京都より一段と長い歴史を誇る東アジアの人たちにとって、 「京都の歴史・品格」は認めるが、京都への訪問動機としては相対的に弱い。 逆に欧米人にとっては、文字通り「歴史・品格」が京都を訪問する最大の動機で ある。 65 4.京都が大好きな人たちが最も大切なターゲットである D B S 各都市に京都が大好きで京都を訪問したい人たちがいる。 東京人は100%京都が好きである。訪問したい。京都の最大のパトロンであ り、東アジアの観光客を呼び込む場合の最大のライバルでもある。 ソウル人の55%が、京都への高い訪問意向を抱いている。 北京人の23%が、京都を訪問したいと思っている。 上海人の21%が、京都を訪問したい。 台北人の15%が、京都ファンである。 先ずこれらの人たちを京都に呼び込みたい。 66 5.京都好きな人たちに「インターネット」を利用したコミュニケーションが最も有効だ D B S これらの人たちの最大の情報源は、「インターネット」であることが判明している。 韓国語・中国語など多言語で、官民挙げて京都ブランドを発信したい・そして個別 企業にもリンクを張って欲しい。 続いて旅行案内書、旅行代理店のスタッフを通じた発信だ。 「京都の歴史・品格」「京都の都市としての成熟」「もてなし」と言った従前からの京 都の強みの他に、「京都らしい・ならではの華やかさ」を創造して、それを発信した い。「華やぎ創り」が京都ブランドの「新たな強み創り」である。 67 D B S アジアから観る京都・東京 Data分析編 68 D東京B S ソウル人 ⇒ 京都 & 各都市 1 .5 京都 1 S2 0 .5 合計 0 S1 - 0.5 ニューヨーク -1 - 1.5 好ましさ 訪問意向 サイズ 歴史・ 品格 華やかさ 歴史・品格 アジア体験 成熟 もてな し 華やかさ アジア体験 成熟 もてなし ソウルS1 55% 17% 39% 7% 29% 8% ソウルS2 45% 16% 38% 9% 14% 23% 1.5 1.5 ソウル 1 パリ 1 0.5 0.5 0 0 -0.5 -0.5 -1 -1 -1.5 -1.5 好ましさ 訪問意向 歴史・品格 華やかさ アジア体験 成熟 もてなし 好ま し さ 訪 問 意 向 歴 史 ・ 品格 華やかさ アジ ア体 験 成熟 もてなし 69 D B S ソウル人 ⇒ 京都 & 各都市 北京 京都 S2 合計 S1 上海 香港 台北 70 日本式のおもてなしや心配りを味わうこ とができる 茶道や華道、禅、舞妓の舞などの伝統文 化を楽しめる 京都議定書が締結された環境にやさしい 都市 日本食を代表する京料理や日本式旅館 での宿泊が味わえる ゲームや漫画、映画などのポップ・ カル チャーが生み出されてる 日本特有の寺院・ 神社・ 庭園や 箇所の 世界遺産などの景観が多くある 日本最大級の祭りやパレードが年に 回 ( 春、夏、秋) 催される 17 桜や紅葉など、四季折々の豊かな自然を 堪能できる 3 ノーベル賞学者を輩出している大学・ 先端 企業が集まっている 千二百年の歴史を持つ古都 4 D B S 京都の特徴についての好ましさの程度 :セグメント別 ~ソウル~ 7 S1 サイズ:55% 6.5 6 S2 5.5 サイズ:45% 5 4.5 合計 71 D B S 北京人 ⇒ 京都 & 各都市 東京 京都 S3 S2 合計 S1 サイズ 歴史・ 品格 華やかさ アジア体 験 成熟 もてなし 北京S1 46% 19% 39% 23% 14% -4% 北京S2 23% -29% 25% -22% -3% -22% 北京S3 31% 3% 23% -23% 20% 31% 北京 ニューヨーク パリ 72 D B S 北京人 ⇒ 京都 & 各都市 ソウル 京都 S3 S2 合計 S1 上海 香港 台北 73 日本式のおもてなしや心配りを味わうこ とができる 茶道や華道、禅、舞妓の舞などの伝統文 化を楽しめる 京都議定書が締結された環境にやさしい 都市 日本食を代表する京料理や日本式旅館 での宿泊が味わえる ゲームや漫画、映画などのポップ・ カル チャーが生み出されてる 日本特有の寺院・ 神社・ 庭園や 箇所の 世界遺産などの景観が多くある 日本最大級の祭りやパレードが年に 回 ( 春、夏、秋) 催される 17 桜や紅葉など、四季折々の豊かな自然を 堪能できる 3 ノーベル賞学者を輩出している大学・ 先端 企業が集まっている 千二百年の歴史を持つ古都 4 D B S 京都の特徴についての好ましさの程度 :セグメント別 ~北京~ 7 S1 6.5 サイズ:46% S2 6 サイズ:23% 5.5 S3 サイズ:31% 5 合計 4.5 74 D B S 上海人 ⇒ 京都 & 各都市 東京 京都 S3 S2 合計 S1 サイズ 歴史・品格 華やかさ アジア体験 成熟 もてなし 上海S1 28% 2% 38% -18% -5% 37% 上海S2 53% 24% 46% 3% 10% 17% 上海S3 21% 7% 35% 27% 8% 23% 上海 ニューヨーク パリ 75 D B S 上海人 ⇒ 京都 & 各都市 ソウル 京都 S3 S2 合計 S1 北京 香港 台北 76 日本式のおもてなしや心配りを味わうこ とができる 茶道や華道、禅、舞妓の舞などの伝統文 化を楽しめる 京都議定書が締結された環境にやさしい 都市 日本食を代表する京料理や日本式旅館 での宿泊が味わえる ゲームや漫画、映画などのポップ・ カル チャーが生み出されてる 日本特有の寺院・ 神社・ 庭園や 箇所の 世界遺産などの景観が多くある 日本最大級の祭りやパレードが年に 回 ( 春、夏、秋) 催される 17 桜や紅葉など、四季折々の豊かな自然を 堪能できる 3 ノーベル賞学者を輩出している大学・ 先端 企業が集まっている 千二百年の歴史を持つ古都 4 D B S 京都の特徴についての好ましさの程度 :セグメント別 ~上海~ 7 S1 6.5 サイズ:28% S2 6 サイズ:53% 5.5 S3 サイズ:21% 5 合計 4.5 77 D B S 台北人 ⇒ 京都 & 各都市 東京 京都 S3 S2 合計 S1 ニューヨーク アジア体 験 サイズ 歴史・品格 華やかさ 台北S1 61% 2% 38% -18% -5% 37% 台北S2 24% 24% 46% 3% 10% 17% 台北S3 15% 7% 35% 27% 8% 23% 成熟 台北 もてなし -1.84 -1.73 パリ 78 D B S 台北人 ⇒ 京都 & 各都市 ソウル 京都 S3 S2 合計 S1 北京 香港 -1.52 上海 79 日本式のおもてなしや心配りを味わうこ とができる 茶道や華道、禅、舞妓の舞などの伝統文 化を楽しめる 京都議定書が締結された環境にやさしい 都市 日本食を代表する京料理や日本式旅館 での宿泊が味わえる ゲームや漫画、映画などのポップ・ カル チャーが生み出されてる 日本特有の寺院・ 神社・ 庭園や 箇所の 世界遺産などの景観が多くある 日本最大級の祭りやパレードが年に 回 ( 春、夏、秋) 催される 17 桜や紅葉など、四季折々の豊かな自然を 堪能できる 3 ノーベル賞学者を輩出している大学・ 先端 企業が集まっている 千二百年の歴史を持つ古都 4 D B S 京都の特徴についての好ましさの程度 :セグメント別 ~台北~ 7 S1 6.5 サイズ:61% S2 6 サイズ:24% 5.5 S3 サイズ:15% 5 合計 4.5 80 D B S 東京人 ⇒ 京都 & 各都市 ニューヨーク 京都 S3 S2 合計 S1 パリ サイズ 東京S1 東京S2 東京S3 歴史・品格 8% 73% 19% 61% 19% 10% 華やかさ -17% 31% 21% アジア体験 成熟 10% 10% -12% もてなし 0% 12% 37% 東京 -12% 28% 20% ソウル 81 D B S 東京人 ⇒ 京都 & 各都市 京都 北京 S3 S2 合計 S1 上海 香港 台北 82 日本式のおもてなしや心配りを味わうこ とができる 茶道や華道、禅、舞妓の舞などの伝統文 化を楽しめる 京都議定書が締結された環境にやさしい 都市 日本食を代表する京料理や日本式旅館 での宿泊が味わえる ゲームや漫画、映画などのポップ・ カル チャーが生み出されてる 日本特有の寺院・ 神社・ 庭園や 箇所の 世界遺産などの景観が多くある 日本最大級の祭りやパレードが年に 回 ( 春、夏、秋) 催される 17 桜や紅葉など、四季折々の豊かな自然を 堪能できる 3 ノーベル賞学者を輩出している大学・ 先端 企業が集まっている 千二百年の歴史を持つ古都 4 D B S 京都の特徴についての好ましさの程度 :セグメント別 ~東京~ 7 S1 6.5 サイズ:8% S2 6 サイズ:73% 5.5 S3 サイズ:19% 5 合計 4.5 83 京都への評価点の寄与度 京都の強みで ある「歴史・品 格」「成熟」のイ メージを強めな がら、パリのよう な「華やかさ」も 打ち出すことが 必要。 中でも訪問意向 を高めるのに最 大のインセン ティブである「買 い物」の楽しみ が不足している。 東京 ~居住都市~ ソウル 北京 上海 D 台北 B S 歴史・品格 歴史・伝統 +++ ++ + + ++ (歴史・遺産・文化) 人類の遺産 ++ + + + + 豊かな文化 ++ + + + + 評価点 1.04 0.39 0.32 0.37 0.68 訪問意向への重要度 26 18 15 18 25 華やか 最先端 - -- - - ± (夢・先進性・買い物) 買い物 ± -- - - - 夢・ときめき + + ± - + 0.21 -0.49 -0.49 -0.44 -0.23 訪問意向への重要度 30 42 39 51 47 エンタメ アジア ± ± ± ± + (アジア・食事) 食事 + ± ± ± ± 0.15 -0.05 0.00 -0.06 0.00 14 9 8 3 8 評価点 評価点 訪問意向への重要度 成熟 自然 +++ ± ++ + ++ (自然・芸術・祭り) 芸術 ++ + + ± ++ 祭り + ± ± ± ± 街並み + ± ± ± + 評価点 0.77 0.36 0.35 0.09 0.31 6 18 22 6 6 訪問意向への重要度 もてなし もてなす ++ + ± ± + (もてなし・安全) 安全 ++ + + ± + + ± ± ± ± 0.42 0.30 (0.04) 0.05 0.24 24 13 16 22 13 住みたい 評価点 訪問意向への重要度 84 中国・ロシア・タイなどでの個別事例研究の蓄積 DBSのMBA(修了生と現役生)たちとの研究事例 1.日本発アニメ(「聖闘士星矢」「Afro Samurai」「 ONE Piece」)の受容性(中国・上海、西安)。日 本文化の受容性セグメントとアニメの受容性の 関連付け。 2.資生堂「Pure & Mild」のブランド戦略(主として 上海)とSTP。資生堂の企業ブランド効果の検 証。 3.「チュチュアンナ」の出店戦略(上海、香港、台北 )とSTP。日本のファッションの受容性との関連 付け。 D B S 6.ソフト・ドリンク市場での有望セグメント(商品カテゴリ ー)の発見(北京、上海、広州、深圳ほか)。 7.日本料理の受容性の内陸部への拡大(北京・上海 →西安、成都など)。内陸部の所得水準の上昇と日 本食の人気度の高まり。 8.タイ(バンコク)とシンガポールでの日本発アニメの 受容性。日本への憧れ・日本発ポップカルチャの受 容性とアニメの人気度上昇が同時進行。 4.サンスター「Ora2」「GUM」のSTP別の受容性( 9.ロシアでの日本料理の受容性(モスクワ、サンクト・ 上海、広州)。医療系歯磨き商品の参入には多 ペテルスブルグ)。日本文化の受容性セグメントと 大なマーケティング投資が必要。 日本料理へ選好度とのリンク。 5.日本発ゴルフ練習場コンセプトのSTP別の移転 可能性(北京)。日本発商品・サービスへの態 度セグメントとゴルフ練習場の受容性の関連付 け。 10.タイでの日本料理の受容性(バンコク)。 85