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1 化石燃料ゼロハウス「風の学舎」からのメッセージ
化石燃料ゼロハウス「風の学舎」からのメッセージ 2012.1.27 長野県温暖化対策戦略検討会プレゼン用 風の学舎より伊那谷を望む 1 2012/1/23 NPO法人 いいだ自然エネルギーネット山法師の活動目的 ●温暖化防止と地域活性化 ●主な活動 ・化石燃料ゼロハウス「風の学舎」の運営 ・エネルギーの地産地消の推進 研修・セミナー ・住の地産地建の推進 体験学習 イベント開催など ・スローライフの推進 ・遊休農地の活用した都市農村交流事業 「大豆人プロジェクト」 2 2012/1/23 風の学舎の建築 2004年6月~2008年5月 2003.11建設予定地 2005.10全ての壁を竹木舞で編む 会員の手作り 2005.1上棟 3 2005.12赤土壁の中塗り完了 2012/1/23 伝統工法と自然素材で作る 床の断熱「新聞古紙のリサイクル材」 窓枠、網戸も木製。ペアガラス 天井裏の断熱「麻の加工材」 お風呂、テーブル、椅子など全て木製手作り 4 2012/1/23 風の学舎(西面) 漆喰と無垢の木の家 2008.5オープン 5 2012/1/23 ●エネルギー施設「薪のエネルギー利用施設」(伝統技術) 薪ストーブ(オーブン付き) ウッドボイラー かまど 囲炉裏 6 2012/1/23 ●太陽、風、雨のエネルギー利用施設 風力発電(垂直軸型)1kW 太陽熱温水器200㍑ (現代技術) 太陽光発電3.3kW 7 太陽熱床暖房システム 2012/1/23 その他の施設 ピザカマド 雨水利用施設「タンク1300㍑」 炭焼き小屋 8 2012/1/23 風の学舎のエネルギー利用形態 (熱利用・・・化石燃料や電気に頼り過ぎない) 1動力 (1)冷蔵庫、浄化槽ブロア、電動工具など・・・電気 (2)車、作業用機械・・・軽油、ガソリン等 2照明・・・・・・・電気(太陽光発電、風力発電) 3熱利用 (1)炊事・・・薪類(竈、囲炉裏、薪ストーブ) (2)給湯・・・薪類(薪ボイラー)、太陽熱温水器 (3)暖房・・・薪ストーブ、ソーラーシステム、電気炬燵 (4)冷房・・・建物の作り方、樹木の配置(エアコン無し) 9 2012/1/23 利用者の様子 大阪王手前中学生体験学習 中央大学研修視察 立命館大学学生合宿 小学校カマド体験 10 2012/1/23 1エネルギーの地産地消と省エネ 風の学舎から伝えたい事 ・温暖化防止 ・資源制約への対応 2住の地産地建 ・省エネ、廃棄物の削減 ・自然・景観の保全 ・伝統文化の保持 ・地方の活性化 3スローライフ 半 農林 半 X を楽しむ ・ライフスタイルの転換 ・農林地の活用、自給率向上 ・消費者から生産者へ 11 2012/1/23 第一 エネルギーの地産地消と省エネの推進 電力の今後 火力発電 原子力発電 ●CO2の削減が必要 ●世界的需要増による価格リスク 長期的には増やせない ●災害列島(世界の自然災害の2割) 増やせない およそ40年で廃炉 災害時のリスクが大きい →減少→全廃 ●放射性廃棄物の処分先未定 処分技術の未確立 ●自然エネルギーの利用拡大 ●暮らしや経済活動の見直しによる省エネ省資源の推進 12 2012/1/23 中長期的な電源構成の目標(自然エネ白書参考) 「2050年の電力を全て再生可能エネルギーで賄うには」 消費電力は2010年の1/2(≒5000億kWh) 120 化石燃料と原 発からの脱却 100 80 60 50 40 20 0 石炭・石油 天然ガス 原子力 自然エネルギー 2010年 2020年 2050年 40 25 25 10 15 25 10 30 0 0 0 50 13 2012/1/23 長野県で主に利用可能な自然エネルギーと課題等 種類 利用形態 今後の動向、留意点 環境整備、技術的課題等 太陽光発電 電力 メガソーラーはいずれ不安 定対策要 家庭用は+スマートメーター で不安定の問題は少ない 小水力 電力 メンテに労力を要する 集落に近接設置し売電収入 による維持管理の仕組等要 地熱 電力 バイナリー発電の導入で コスト、温泉業との両立に 対応可能 バイオ 熱 農業廃棄物は石油系燃料代 替として農業利用 木材は搬出コストの低下が 鍵 ・将来の不安定緩和策 (揚水発電の活用、ガスによる新型 燃料電池の導入「SOFCなど」) ・EV充電は深夜電力を想定してい たが原発事故で今後は価格が上昇→ 太陽光や風力発電による供給へとシ フト(オフライン電力網必要か) ・供給効率の高度化 (幹線は直流電力網、交流変換は県 単位電力網へと転換) ・住宅団地への地域熱供給システム (木質バイオ)の導入 ・比較的安定型の小水力や地熱発電 の開発を急ぐ。長期間要するため。 ・自然エネを増やすと云うことは大 規模停電はないがある程度不安定な 電力利用を受け入れる社会へのシフ トが必要。末端で対応 ・森林資源の活用等は市民活動でカ バーできる分野もある。 (電気) 太陽熱 熱 エネルギー変換効率、コス トパフォーマンス共に良い ので積極的に導入 14 2012/1/23 2011風の学舎視察研修来館者アンケート結果 来館者導入希望施設 施設の種類 複数回答 自然エネ利用推進行政支援策 支援項目 カマド (研修後)から 複数回答 ④ 風力 ⑦ 囲炉裏 ⑥ 薪ボイラー ⑤ ソーラーシステム ③ 薪ストーブ 太陽熱 ② 太陽光 ① 0 10 20 30 希望者数 40 今後の自宅導入希望施設 自然エネルギーの利用を推進する ための行政支援策を尋ねたところ CO2削減に関する情報提供の希望 は少ない 50 0 10 20 30 40 50 希望者数 ① 設置補助 ② 電力買い取り制度の充実 ③ 最適な機器の組み合わせ等技術的助言 ④ メーカーの展示相談会 ⑤ 地域に適した施設などの情報 ⑥ 耐余年数やペイバックタイムの情報 ⑦ CO2削減に関する情報 15 2012/1/23 家庭の用途別エネルギー消費2008 ●熱としての利用が2/3を占める) ●エネルギーの消費の半分以上が電気 動力・照明 35.9% 熱利用64.1%(給湯29.5%、暖房24.3%、厨房8.1%、冷房2.1%) 16 2012/1/23 消費電力を1/2にする ・2050年CO2-80%にするためには、本来一人あたりの消費量を1/2 にする必要がある。 できることは何でもやるというくらいの覚悟でないと不可。 Ⅰ省エネ機器などの技術開発・・・これだけでは追いつかない Ⅱもっと大切なことは、暮らしや経済活動のあり方を見直 す。→GDP神話から脱却するとき (ブータンの考え方・・GNH、モンゴルの生き方・・必要最低限の所有) ○あれば便利程度の機器や施設を削減する (自販機、24時間営業、ビルのネオンなど) ○家庭生活や事業の見直し(ゴミの削減、待機電力の削減等) ○水や緑を活かす。家づくりやまちづくりを見直す ○電気による熱利用を見直す(暖房、給湯、煮炊き) 17 など 2012/1/23 第二 住の地産地建が環境を守り地域を甦らす 家づくりは多くの資源を必要とし、 ・エネルギー消費、温暖化 ・廃棄物 ・健康の保持 ・地域の活性化(地域内経済循環) ・伝統文化の継承、職人技術の継承 ・まちの美しさ、日本のアイデンティテイー などと深く結びついている。 18 2012/1/23 木材に較べてアルミ、セメントは 生産時エネルギーを大量に消費する 材料生産時のCO2排出量 人工乾燥製材100 鉄類 5320 アルミ 22000 (林野庁) 輸送エネルギーの削減 (ウッドマイレージCO2) 40坪(132.24㎡)の一般的な木造 戸建住宅の場合 ●全て地域材で建てた場合に対して、 一般住宅で約6倍、全て外国材住宅で 約13倍の輸送に係るCO2が出る。 (ウッドマイルズ研究会) 19 2012/1/23 ゴミの処理に費用をかけるより ゴミの出ない製品や家造りを!! 20年度 産業廃棄物の 処理 事業者責務 県の許認可 莫大(?兆) 8倍 21年度 一般廃棄物の処理 処理量 4億0366万t (内、建設廃材等 7,646万トン) 不法投棄の8割が 建設廃材 市町村の責務 処理量4625万t 1兆8,256億円 日本の社会は、生産時には効率化を図ったように見えて、廃棄時には処理経費や施設設置等に係る紛争処理等 に莫大なエネルギーを投じている。住宅を考えてみると、高度成長期に雨後の竹の子のように建設され、 日本中を席巻したハウスメーカーの新建材住宅は、耐余年数が30-40年とたった1世代で消耗するような 造りであり、膨大な量が今後廃棄物となっていく。これからが深刻化。 この処理のためにいかに莫大な事業費と人件費が社会的コストとして費やされるかを思うとき、今日も続く 新建材による工場製品の様な家造りを根本から見直す必要がある。地域の資源で造る自然素材住宅は、1世紀を 超えてその役目を終えるときでさえ、木材等はカスケード的に利用でき最終的には燃料としての利用価値がある。 行政も非生産的な後始末に税を投じるより、例えば山形県金山町のように地域資源で住宅を建てることに対し、 補助等の支援を行うことの方が遙かに社会的なコストは削減され、しかも多分野で生産的である。 20 2012/1/23 地域の資源と工法で建てる家は、地域の雇用の維持と 伝統技術の継承への最大貢献 (最近は不況で年500戸程度までに落ち込む。それでも大きい 住宅は人生の 最大投資物件 1戸あたり建築費 約3,000万 飯田下伊那60,000世帯 毎年1000戸が新築 300億円の 投資 飯田下伊那の高校卒業生徒数 1500人 地域内投資 300億円×2/3 地域の職人と 資材で建築 年収200万なら 年収250万なら 10,000人雇用 8,000人雇用 住宅は、人生の最大の投資物件。時期が来れば、誰もが家を建てる。飯田下伊那約6万世帯の内で持家、借家等 合わせて毎年およそ1000戸の住宅新築がある。1戸の平均建築費を3,000万円とすると年間の投資総額は300 億円。これが毎年投資されているが、その大部分は県外等のハウジングメーカーに吸収されている。 これらを地域の資源と伝統工法で造ることとなれば、一部資材費を除いても下伊那地域に投下される金額は、 200億となる。これを、仮に年収200万の職人給で割返せば1万人の雇用が生まれる。 もともと、左官、大工、林業家等は、農業も兼業していることが多く、農業収入と併せればそれなりの暮らしが 維持できる。また、山の手入れも継続でき、林業や製材施設での雇用の確保にも繋がる。 市街地の住人もこの点を理解し、全ての住宅や商店等を地域資源と伝統工法で建てることにより、今まさに消え ゆこうとしている中山間地の暮らしが維持されると共に、職人等の伝統技術も継承され当地の歴史文化も維持され ていくのである。中山間地の最大の活性化策であり、環境保全や地方らしい景観形成にも繋がる。住民への意識 啓発、推進制度、支援措置などのその取り組みへの行政の責任は大きいはずだが、ほとんど認識されてない。 2012/1/23 21 地域の資源と工法で建てる家は、 まちの矜持を保ち人を育てる 地域材と伝統工法 による家づくり 景観形成 歴史文化の継承 故郷らしい町並み 人々の矜持 まちの矜持 背中(姿勢)で 次世代に教える 観光振興 鮭のように帰省 欧州の地方都市を訪ね歩くと何処も本当に個性豊かで美しい。その外見の美しさに驚くこともさながら 町並み形成の根底に流れている、人々の矜持、哲学、意地というようなものに圧倒されるというのが正直 なところである。調和のとれた町並みの背景には、もちろん地域の資材で家を造り続けているという歴史 もあるが、もっと深い「どのように生きたいか」或いは「(自然や近隣等と)どのような関係の中で生き たいか」をいつも問い続ける姿勢があるのだと思う。 教育の危機が叫ばれ、さらなる知識の習得が大切だ、体験が大切だなど様々な論議がなされているが、 我が国では、地方も含めもっとも大切なことを忘れている。それは、「背中で教える」という教育だ。 家庭では親の地域では人々の、さらにはまちでは自治体の歩むべき背中「姿勢」をきちんと示せている のか。まちの歴史文化の尊重、誇り、さらには歩むべき道筋等、所謂アイデンティティーを示し伝えて いるその象徴が、個性豊かで自然と調和した美しい町並み群である。このまち自身の背中(姿勢)を子供達 に見せなくて、地域を担いたいとする次世代が育つのだろうか。職があるから帰るのではない! 。誇りある まちだからこそ自身で切り開いてでも故郷で暮らしを紡いでいくのだという、帰巣本能が働くようなまち づくりこそが大切で、その根本かつ基盤となる取り組みが、地域の歴史文化を踏まえた町並みの再構築である。 住の地産地建は地域雇用を確保し中山間地を活性化することはもちろんであるが、豊かな森を育てると 共に、まちの矜持や次世代の教育にも繋がる最重要な取り組みであることを当地域でも再認識すべきである。 22 2012/1/23 地域の自然素材(木材や土等)で建てる 家は、健康な体と心を育てる。 良き子供は良き家庭に育つ 家・・・house マイホーム(家庭)の意味を考えよ! 庭・・・garden 家庭・・home (家と庭「土や緑」が在ってはじめてマイ ホームと呼べる。公園でその日暮らしの人々を 家族・・family ホームレスと呼んでも、彼らには庭が在る。 マンション暮らしの人には確かに家は在る、 しかし庭はどうだ? 同じくホームレスなの である。) コンクリートとプラスチック で囲まれた住空間やまち並が 人の精神を蝕む。(特に子供達 への影響大) Return to forever 無機 乾 有機 湿 ディスモンド・モリス著 (イギリスの動物行動学者) 著書「人間動物園」の警鐘 自然界の野生動物を動物園(コンクリと 鉄の檻)で長期飼育すると、自虐行為、同性 愛、虐待、精神不安等の症状が見られるよう になる。自然界では決してあり得ない行動。 人間も動物である。都市のようなコンク リートとプラスチックに囲まれた無機質な 環境に長く暮らしていると、少なからず精神 や肉体への影響が考えられる。 都会の人々は、まさに無機質な壁に囲まれ て暮らしている。マンションは典型例。 都会を称してコンクリートジャングルは 正しい表現でなく、それは正に「人間動物園」 なのである。 23 2012/1/23 地域の自然の恵みを最大限活用した家づくり (無垢の木と漆喰、自然エネルギー利用、水と緑の活用) 温暖化は避けられない 夏に涼しい家づくり「夏を旨とすべし・・吉田兼行」 第一・・・ 雇用確保、林業の再生、伝統技術の継承 中山間地の活性化、調和のあるまち並形成 第二・・・ 二酸化炭素の削減、資源制約への対応 廃棄物の削減、夏に涼しい家 生態系の保全、人の健康保護 第三・・・ 歴史文化の継承、観光振興 人々やまちの矜持を保つ 次世代の愛着心醸成、定住促進 究極は・・・・ 日本のアイデンティティーの保持 「和の暮らし、木の文化」 24 2012/1/23 秋から冬 体験イベントの様子 2010.10薪割りとピザ作り 2010.12薪の切り出しとチェーンソー講習会 26 2012/1/23 冬期 体験イベントの様子 2011.12キャンドルナイト 竹宵と蜜蝋ロウソクづくり 2011.1豆腐作り 27 2012/1/23 都市と農村の元気を養う 大豆人プロジェクト(遊休農地活用) 2011スタート 日 本 の 食 文 化 の 根 幹 を な す 大 豆 自 給 率 5 % 2011.6種まき 2011.8草取り 2011.12脱穀 2011.5味噌造り 28 味 噌 ・ 醤 油 ・ 豆 腐 2012/1/23 都市農村交流事業 環境ツアー(人気コース) お日様進歩エネ(株) 市民共同発電 メガワットソーラー 生ごみ堆肥化施設 ー ア ツ 境 環 風の学舎 棚田100選 よこね田んぼ 環境研修 体験学習 南信バイオマスペレット工場 29 2012/1/23 都市農村交流事業 環境フォーラム グループ討議 エネルギーについて研修 翌日グループのまとめ発表 30 2012/1/23 持続可能な地域社会の創造 ・ライフスタイル ・経済産業構造 ・都市構造 これまでの延長では実現不可 欧州のまちづくりの例から 同じ先進国でもいまだ海外から学ぶことはたく さんある。 31 2012/1/23 ゴミを減らす 車を減らす 節電 都市部では新しい交通体系を構築 無秩序な開発制限。抜本的な都市計画の見直し 近郊部にまとまりのある住宅地 まちを造りを 見直す 中心市街地への乗り入れ制限 住居から歩いて10分以内の公共交通乗車場所 環境定期券 P&Rの導入 自転車道の整備 等 -CO2 自動販売機はほとんど設置されていない。 パリなど街の中心部でもビルのネオンは少ない 小売店の夜間営業時間制限。日曜休(ドイツバイエルン州など) 32 2012/1/23 野菜、果物のはかり売り(パックに包まない) 「ドイツ フライブルク市内の スーパー」 果物の量り売り 飲み物・・・瓶による再利用 33 2012/1/23 最少の包装 文具などのプラスチックカバー無し フライブルグの店 厚紙にはさむだけ プラスチックカバー(日本) 購入した途端にゴミに 34 2012/1/23 都市部の交通は市電など公共交通機関や自 転車が中心(一般車乗り入れ規制) 「ドイツ フライブルク中心街」 パークアンドライド 駐車場は公営 環境定期券 域内のバス電車共通チケット 約4000円/月乗り放題 35 2012/1/23 ビル街の袖看板・ネオン無し 「スイス チューリッヒ」 パリ中心部の夕暮れ ネオンは薬局のみ「青十字」 36 2012/1/23 風、緑、水を活かした街をつくる (自然の恵みで暑さをしのぐ) 街路樹を増やす 小川を取り入れる 緑の公園を作る 地域の風の流れ知り家に街に取り入れる 建物のコンクリート・プラスチック化から の転換。 中心部へ一般車乗り入れ禁止など 街が涼しく暑くならない エアコンも少なくてすむ 37 2012/1/23 通りの街路樹とベッヒレ(水路) ドイツフライブルク ウィーン中心部 (世界の都市で最も緑被率が高い) リンク・シュトラーセ 浅い水路 ベッヒレ 緑に囲まれた環状道路 道路より歩道・自転車道が巾広い 38 2012/1/23 ウイーンの中心街を流れる ドナウ川 緑豊かな岸辺 イギリス 「チェルトナム」の 中央公園・・・植物で演出する 39 2012/1/23 地域の資材で家やまちをつくる コンクリート、アルミ、プラスチックの家は素 材生産時に大量の石油や電気を消費する 資材の輸入は運搬のエネルギーを多く消費する コンクリートやプラスチックの家は解体時に自 然に還らないゴミが大量に出る 木の家は涼しい。健康的。木材は再生可能。 それぞれの地域らしい美しい街ができる 40 2012/1/23 チェスター(イギリスの古都) 漆喰と木組みの家 イギリス湖水地方石壁の家 (ウィンダミア、グラスミア 41 2012/1/23 シエナ(イタリア) ブロア(フランスロワール地方) 42 2012/1/23 グラナダ(スペイン) ブルージュ(ベルギー) 白壁は石灰石・・・その利用は5000年の歴史がある 43 2012/1/23 日本中のこの有様! 僕らはどんなまちを創りたいのか コンクリとプラスチックで覆われる無機質な街 (石油資源がなければ成り立たない) 45 2012/1/23 僕らはどんなまちを創りたいのか コンクリとプラスチックで覆われる無機質な街 日本らしい歴史文化は積み重なっていくのか? 46 2012/1/23 目覚めた自治体の取り組み 地域の資材にこだわる住宅例 大工の棟梁達が提案 富山市八尾ウッドタウン 地域の資材にこだわる住宅例 まち並みづくり100年運動山形金山町 日本らしい良い家は、本物の木と漆喰で建てる。 地域材で建てる家はヒューマンスケール →自身或いは地域の職人で補修維持できる。 47 2012/1/23 下伊那伝統民家 本棟づくり 現代風民家 漆喰塗り 和洋折衷 飯田市 滝澤家 48 2012/1/23 資源もエネルギーも基本は地産地消 地域で調達可能なモノはできる限り利用する。 9.資源・エネルギーをムダにしない社会を 自然の恵み(太陽、雨、風、水、緑、土など)を暮らしに活かす。 築く(きずく)ヒント 日本の伝統的な暮らし、歴史に学ぶ 「木の文化、和の暮らしの」良さを見直す 資源やエネルギーの消費も少ない。 ゴミがたくさんでない。 美しいまちができる。地域を大切にする心が育つ。 健康にも良い。 49 2012/1/23 長野県温暖化防止対策への提言 50 2012/1/23 ~本気でやるなら~ 総合計画のグリーン化と理念共有 飯田市の例・・掲げるまでに各方面で激しい議論有り 平成8年4月1日スタートの第4次基本構想において 「環境文化都市」を将来像に掲げる。 環境文化都市とは、環境が美しく文化の香り高い都市と いう意味ではなく、「日々の暮らしや経済活動が環境に 配慮され或いは自然と調和されるように行われることが、 当たり前のようになる、つまり習慣のように・・・いずれ は文化の域まで達する社会。「環境文化」というスタイ ルが定着する社会。 ++長期計画を実現するためには担当者を数年で人事異動させていてはダメ 51 2012/1/23 飯田市の例: 市の各部局のみならず市民の間に共有化 環境基本計画(平成6年~8年)を策定 市の総合計画との関係明記。 数値による環境目標の導入。年次環境レポート公表 ●平成9年度から短期間に実施に移された主な施策 ゴミの有料化 太陽光発電設置者借入金に対する全額利子補給 環境チェッカー制度、環境アドバイザー制度 庁内エコオフィス推進本部の設置 市の事業について環境調整会議の設置 小学校への学友林整備(一学校一里山制度) 市公共施設の地元材利用などの建築指針策定 環境産業公園の整備 など 比較的各部や市民の協力が得やすかった。 52 2012/1/23 計画目標設定・・・CO2の削減目標に拘らない。 ●CO2を削減する方策は明確 自然エネルギーの拡大、省エネ・省資源の推進、エネルギー効率の向上、吸収源確保 これらに関わる具体的な目標値を掲げるべき。結果として削減に繋がる。 ●自然エネルギーの導入量、世帯や事業所単位面積あたりの電力使用量、エ コカー普及台数、市街地の緑被率など (2050年に自然エネで電力100%のシナリオは最低入れるべき) e.g.「欧州では2050年に全てのエネルギーを再生可能エネルギーで賄うこ とが議論され報告書が出ている。SRU(ドイツ環境諮問委員会)、ECF (ヨーロッパ気候財団)、WWF(世界自然保護基金)」 個々のレベルで削減しても残念ながら大気中のCO2は増加し平均気温も上 昇する。努力結果に対する実感が持てない。 県民に対しては、資源少国の日本ゆえ、省エネ省資源、エネルギー効率の 向上、石油・原子力代替エネルギーの確保の必要性等を説いた方がよい。 世界の排出量の4%が日本、これに占める長野県の排出量1.6%→目標 管理をしても余り意味がない 3年遅れのCO2排出量の把握では、次年度の施策に活かせない。施策の PDCAは廻っていない。 CO2の排出量の把握のために職員が大きなエネルギーを割いている。 →分野別課題の推進にチームワークで力を傾注すべき。並行して各部の施策 転換のためにタスクフォースを回し続ける。 53 2012/1/23 普及啓発や細かな事業は市町村や市民活動団体が中心に (県のスタンスは、情報提供や資金援助など後方支援) 市町村 ・各自治会組織との密な連絡網を有しており肌理細かな対応が可能。 ・過疎高齢化地域は省エネなどの取り組みを重要視する必要なし。 (そのような地域は概して山を育て守ってきた。CO2排出は森林の 吸収量と相殺と考えて良い。普及啓発にエネルギーを割く必要な し。一方公共交通、医療福祉政策等は必要) 市街地、都市化進行地域、事業所、交通分野を中心にCO2削減の 施策を打つ。 NPO団体等 ・体験・参加型の企画が実施しやすい。半農林半Xの普及 ・多様な人材が参加していることなどから機動力がある ・コストが安い e.g.(ドイツでは市民団体ブントが中心に普及啓発。農園付きエコハ ウスの運営、人材育成、パンフの作成、セミナー開催など実施、 行政、大学との人事交流もある) 54 2012/1/23 県主導で行う普及啓発、人材育成事業等(例 全県的な環境技術展・見本市「エコメッセ」を信州ドー ムあたりで毎年行う。技術開発の促進、異業種交流。県 民にとって利用しやすい環境機器等を知る。導入相談会。 併せて参考になる家庭での省エネ取り組み事例発表会、 市民団体の事例発表等 メディア等を活用した全県的情報提供 地域毎住宅毎の自然エネ導入可能量検索システム構築 市町村のレベル向上に係る研修 レベルの高い職人養成大学校の運営「マイスター養成」 (e.g.富山国際職芸学院) エコロジカル・プランニングを担う人材育成 等 55 2012/1/23 持続可能な美しい県土づくり 県レベルで取り組む施策① 経済的手法 (排出量取引、金融政策、課徴金。相乗効果のある支援策・・・ 県産材利用住宅への自然エネルギー施設設置補助等) 規制的手法 (建物設置に対する自然エネルギー熱の利用義務付け、自販機の野 天設置規制「経過措置により既存も3年で撤去」、市街地は小規 模開発でも多様性のある緑地の確保義務、袖看板やネオンの規制、 24時間営業の規制など) 基盤的な環境整備(制度緩和、インフラ、広域利害調整) 土地利用計画、都市計画の抜本的見直し。まちづくりのやり直し。 市町村が2050年に向け地域特性に適したエコロジカルな長期 土地利用計画を策定するように大枠を定める。 自然エネ、省エネ関係技術開発支援 金融機関との連携による長野エコバンクの立ち上げ (県民参加による温暖化防止に資する企業の取り組みに融資、地 域住民による発電事業に融資) 等 56 2012/1/23 ②地域特性に応じた低炭素モデル地区創造 県民にインセンティブを与えるモデル地区の整備(市町村や民 間との連携、県住の活用) 市街地、近郊、中山間地毎にモデル住宅地を創造し入居者募集 2050年を先取りした暮らしを一般に見せる、体験させる 2020年完成を目指す ●近郊住宅地域の例(未来のスマートタウン) ・木材供給施設に近接整備 ・木質バイオによる熱供給システム ・自然エネルギーで自立。スマートメーター ・地域材による日本美を備えた住宅群 ・新しいライフスタイル (カーシェアリング、カーポートフリー、公共交通近接、共同農 園併設、緑地の確保、エコショップ併設等) e.g. フライブルクの「ヴォーバン住宅地」の例 57 2012/1/23 ③自然エネ・省エネ施策の県事業への積極的導入 新たな公共事業整備指針、施設・組織運営指針を制定 ●知事又は副知事が先頭に立ち推進本部を設置し推進 公共工事や調達への環境配慮。・・・施工方法は当然ながら、 入札制度に請負業者の環境マネジメントへの取り組み度合い を加味 道路・・・地域植生緑化、ソーラー(ハイ)ウェイの整備、 自転車道路整備、ランナバウトの導入、市街地に雨水等を利 用したベッヒレ導入 河川・・・近自然工法で特に都市部の水辺を復元 小水力の利用環境整備 公共施設・・・自然エネルギー(電気及び熱) 及び地域材の利用は必須、緑地、雨 水利用、 ・昼間の照明極力不要構造 ・施設南西側に落葉樹(夏の涼の確保)等 ・屋根貸しによる市民共同発電への協力 58 2012/1/23 ④エコモービルシティー構築への取り組み 比較的平地、渋滞の酷さからして長野市か松本市に導入。 まずは、善光寺などへの参拝客の多い県庁所在地から 長野市役所との連携必須 住民参加10年計画(2020目途)でスタート 車に頼らないまちづくり 中心市街地への一般車乗り入れ制限。同駐車料金課税 EVバス路線、LRT・リニモなどの環状線導入 P&Rのシステム整備 自転車道整備、自然エネ利用充電スタンド整備 59 2012/1/23 ⑤都道府県の連携による国への働きかけ ・自然エネルギー一つとっても、普及拡大のためには技術面以上に社会の 仕組みを転換(既得権益を打破)することが重要で、国の役割は大きい。 必要な制度改正や組織体制の変革などを国に求めて行く。(発送電分離等) ・自然エネも大規模事業者が発電事業を独占するようになってはダメ。 地域住民が発電事業を立ち上げ生み出された売電収入を当地域に再投資 することにより、地域経済が廻ることが持続可能な地域づくりに重要で それを後押しするような支援策の樹立を求めていく。 等 ⑥温暖化適応策 温暖化は避けられない。長期には冬の寒さより夏の暑さ対策が 必要になる。 ・クールシティー、緑の中に都市を (都市計画は風の通り道の確保から) ・夏に涼しい建物・家づくり、風土に適した家 ・暑さに強い農業作物の研究。種子の確保 ・山岳、森林地帯への対応 ・医療、保健、福祉、衛生における対応 ・自然災害激化への対応 60 2012/1/23