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おかやま新エネルギービジョン
おかやま新エネルギービジョン 《概要》 岡山県 H23.3 おかやま新エネルギービジョン おかやま新エネルギービジョン ■ 県内の状況と動き 新エネルギーに関連する岡山県内の主な事例 太陽光発電の導入状況 ○県企業局 ビジョン策定のねらい 新エネルギーの普及拡大を地球温暖化防止だけでなく産業振興や地域活性化に結びつけるため県民、 市町 村、 民間企業等の多様な主体の協働による取組を加速することを目的に、 全国に先駆けて策定するものです。 県は率先して導入を図り、県企業局が平成6年2月に庁舎 屋上にテスト発電設備設置。平成15年に本格的に設備設置 90,000 ●発電出力:1,514.5kW ●予想年間発電電力量:1,656,500kWh 70,000 公共施設 60,000 個人住宅用 ○非住宅用 1.地球温暖化防止 政策を図る視点 政 2.産業振興 岡山発の 新エネルギー政策 50,000 40,000 20,000 ●導入件数:18,191件 ●発電出力合計:67,825kW 10,000 0 西之浦浄水場太陽光発電システム (岡山県企業局) H15 H16 H17 H18 H19 ○太陽光発電分野 H21 H22 (4∼12月) ○その他の分野 ・太陽電池セルの封止材製造 ・ワイヤーソーによる太陽電池用 シリコンのスライス ・太陽電池モジュールあわせガラ スの製造 ・事業用太陽光発電システムの設置 ・太陽電池の冷却システムの実証 実験など 【太陽光発電のさらなる普及開発】 一般的な太陽電池の 2 倍以上の変換効率を有する集光型 太陽光発電システムの国際的な実証実験もはじまり、今後 の発展が期待されています。 写真: (独)産業技術総合研究所 提供 県 内の状況 ( 動き・強 み ) H20 中小企業の技術開発等 広く県民に示し 県民協働による 取組を加速 (国の動向) 30,000 ○個人住宅用 ビジョン策定の目的 ビ 目的 時代の潮流 民間施設 ※現状の数字は、いずれも平成22年12月末現在 3.地域活性化 情勢の変化を捉える (単位:kW、 年度) 非住宅用 80,000 ●導入件数:303件 ●発電出力合計:10,050kW 新エネルギービジョンのイメージ (方向性・具体的な方策) 岡山県内での太陽光発電導入状況の推移 ・風力発電用ローターヘッドの 製造加工(風力発電) ・水車を利用した小型水力発電 システム(小水力発電) ・蓄熱式太陽追尾型ソーラー システム(太陽熱利用) ・木質ペレットの製造 (バイオマス燃料製造) ※中国経済産業局の調査結果 (H22.3) を 参考に県においてとりまとめたものです 地域の動き 県内では、住民参加による新エネルギー導入の取組や、 新エネルギーをまちづ くりに生かす取組が進められており、先進的な事例として全国的にも高い評 価を得ています。 ○自治体との協働による市民共同発電所 市民から寄付を集め、保育園の屋根に太陽光パネルを設置。自然エネルギーの地産 地消を進めるとともに、園児の環境教育にも活用 保育園の屋根に設置された太陽光パネル ○市民ファンドによるオンサイト太陽光発電事業 ■ 新エネルギー政策の動向 全国から出資を募り、県内の公共施設等に太陽光パネルを設置。ビジネスの手法に より、 太陽光発電を普及 3つの広がり ○バイオマスタウン真庭 国の動向(基本法案・新成長戦略等) ・国内排出量取引制度の創設 ・環境税(地球温暖化対策税)の実施 ・全量固定価格買取制度の創設その他再生可能エネルギーの利用促進 ○新成長戦略(環境・エネルギー大国戦略) ・固定価格買取制度の導入等による再生可能エネルギー市場の急拡大 (2020年における再生可能エネルギー関連市場 10兆円) ○緑の分権改革 ・地域によるエネルギー普及・供給の取組の拡大等 2 3つの 広 が り ○地球温暖化対策基本法案での重要施策 市場規模と ビジネスチャンス 木質ペレットの製造、 バイオマス発電、新エネルギーの複合利用技術の開発などを実施 木質ペレット EVの普及等 新製品・新技術 に対するニーズ 供給者としての の 地域の役割 ○導入状況 ・平成21年4月に企業、 行政等で構成する岡山県電気自動車等普及推進協議会を設立 ・公用車として県及び県内9市町が29台を率先導入。民間事業者、 個人分を合わせ 県内では約200台が導入済 ○EV・PHVタウン 平成 22 年12 月に、岡山県が、 「EV・PHVタウン」 に選定(経済産業省) 3 おかやま新エネルギービジョン ■ 目指すべき姿 本県の新おかやま夢づくりプランの長期構想、国の新成長戦略の目標年次等を踏まえ、 ビジョン の目標年次を 2020 年とします。 目標年次における産業と地域の姿 豊富な自然エネルギーの有効活用 産業 木質 ペレット ボイラ 1 2 3 4 数多くの県内企業が、太陽光、小水力、バイオマス等による発電や熱利用の分野に参入 し、新エネルギー産業が成長分野として確立しています。 新エネルギーに関連する岡山発の新技術や新製品が、産学官の連携によって数多く 生み出されています。 多くの企業が新エネルギーの導入に積極的となり、市場がさらに拡大しています。 太陽光発電分野をはじめ新エネルギーに関連する企業が多数立地し、 本県が新エネルギ ー産業のメッカとして全国的に注目されています。 ペレット ペレット ストーブ 地域 発電 木質バイオマスの利活用 メガソーラー発電 小水力発電 大規模発電所 高度な利用技術の開発・普及 1 2 3 4 県内各地でメガソーラー等による大規模な太陽光発電が行われ、本県が全国有数の メガソーラー先進県となっています。 市民発電所の設置など県民参加によるさまざまな取組が広がり、県下全域で新エネル ギーの重要性への理解が浸透しています。 太陽光発電や、森林や河川など県内の豊かな自然を新エネルギーとして活用する取 組が、中山間地域をはじめ県下で幅広く展開されています。 スマートグリッドも活用した太陽光発電や EV(電気自動車)、ペレットストーブ 等の利用による地球に優しいライフスタイルが全国に先駆けて普及しています。 エコハウス コントロール センター 地域発電 省エネ工場 W 3.8-k1.2kW EVの普及と技術開発 EVと充電設備 ※EV(電気自動車) 搭載されている電池とモーターにより駆動する自動車。動力源となる 電力は、車の外部から専用の充電ケーブルによって、車の電池に充電 されます。 ■ 重点分野 新エネルギーの普及拡大を 産業振興や地域の活性化に! ※スマートグリッド 情報通信技術を活用して効率的に需給のバランスをとり、生活の快適 さと電力の安定供給を実現する電力送配電網 多くの分野がある新エネルギーに関する施策・事業を効果的かつ効率的に実施するためには、 選択と集中の 観点から分野を絞ることが不可欠となることから、 このビジョンでは次の 4 つの分野を重点分野とします。 重点分野 4 太陽光発電 ・日照時間が長いことなど「晴れの国」の特長を生かすことができます。 ・全国的にも評価を得ている市民共同発電所など住民参加の取組実績が あります。 木質バイオマスの利活用 ・自然資源を活用でき、賦存量が多くあります。 ・真庭市、津山市等におけるバイオマスタウン構想での取組実績などを踏まえ ながら、 さらなる利活用に取り組みます。 小水力発電 ・豊かな自然資源を活用してエネルギーを生み出すことはエネルギーの地産 という面から重要です。 ・中山間地域等の活性化にも結びつけられます。 EVの普及と技術開発 ・新エネルギーの高度利用につながるとともに、 身近な生活シーンで使用でき ます。 ・新エネルギーの意義であるCO2削減効果などの理解にも役立ちます。 5 おかやま新エネルギービジョン ■ 戦略別重点プロジェクト 産業と地域それぞれの目指すべき姿を実現するため、 本県の強みや県内の動きを最大限に生かしながら、 次の 3 つ の戦略を掲げ、県民協働の下、重点プロジェクトを推進します。 また、 目指すべき姿の実現に向けた取組がどの程度 進んだかをわかりやすく表すための指標と、 目標年次において達成の目安となる目標数値を設定します。 ➊市場獲得戦略 ➌ イメージアップ戦略 戦略の概要 「晴れの国」の特長を生かしたメガソーラーの立地やEVの普及、身近な生活シーンでの 新エネルギーの活用等を通じて新エネルギーに対する県民の理解を深めるとともに、全国 に向けて強力に情報発信します。 戦略の概要 飛躍的に拡大する新エネルギー関連市場とビジネスチャンスをいち早く県内の産業振興に 生かすため、 メガソーラーや新エネルギー関連企業の誘致を図るとともに、 県内企業の技術 開発、 販路開拓等を支援します。 重点プロジェクト ■ 晴れの国の特長を生かしたメガソーラーの戦略的誘致 【指標】県内に設置されたメガソーラーの数 : 目標10 施設 ■ 新エネルギー関連等をターゲットとする戦略的企業誘致 【指標】新エネルギー関連企業の立地件数 (県内企業の関連分野への展開を含む) :目標 30 件 ■ 県内企業における新技術・新製品の開発と販路開拓の支援 【指標】きらめき岡山創成ファンド支援事業等で支援した 新エネルギー関連の新技術・新製品の数(累計) :目標 30 件 重点プロジェクト ■新エネルギー関連施設等を活用した環境学習の推進 【指標】 移動環境学習車の活用による環境学習の実施回数 (累計):目標 500 回 ■新エネルギー活用による地球に優しいライフスタイルの普及 【指標】 住宅用太陽光発電設備の総設備容量 : 目標 300,000kW ■EVの普及 【指標】 EV の普及台数:目標 2,000 台 ■地域のイメージアップに結びつく新エネルギー導入の支援 【指標】 地域のイメージアップに結びつく 新エネルギー導入を実施した地域の数:目標 20 地域 ■認証制度や融資等による民間企業の取組の促進 【指標】 民間太陽光発電設備としての認証件数:目標 100 件 ■ 新エネルギー等に関する岡山発の新技術開発の促進 【指標】国等の競争的資金を獲得した新エネルギー関係の研究件数(累計) :目標 6 件 ➋地産拡大戦略 戦略の概要 県民が自発的に行う市民共同発電所等の取組や太陽光発電設備の設置等の普及を図ると ともに、 中山間地域等の森林、 河川や農業用水を新エネルギーとして活用する取組を促進し ます。 重点プロジェクト ビジョン推進のために 1. ビジョンの推進主体 戦略ごとに示している役割分担に沿って、 県、 市町村、 民間企業、 NPO、 県民等の多様な 主体が、 様々な場面で、 主体的に役割を果たしていくこととします。 ■ 地域における太陽光発電など新エネルギー導入の支援 【指標】新エネルギー関係セミナーへの参加者数(累計) :目標 1,000 人 ■ 県民参加による市民共同発電所等の取組の普及 【指標】県民参加の取組で設置された発電施設の数:目標 60 施設 ■ 多様な水資源を活用する小水力発電の普及 【指標】河川や農業用水等を活用し、市町村やNPO等が整備した 2. 県庁内の推進体制 関係部局が適切な役割分担の下で施策・事業を推進するとともに、 全庁が一丸となって ビジョンを推進する体制を整備します。 小水力発電の数:目標 27 件 ■ バイオマスタウンとの連携等によるエネルギーの地産拡大 【指標】木質バイオマスを新エネルギーとして利活用している 地域の数:目標 10 地域 ■ 野菜・花き栽培など農業分野での新エネルギーの利用拡大 【指標】太陽光発電による自動かん水システムを導入した施設の数 : 目標 56 箇所 6 3. 時代の変化等への柔軟な対応 技術革新や国の政策動向など、新エネルギーを巡る社会環境の変化等に関する適切 な情報収集を図り、その動向や変化等に即時に対応できるよう、重点プロジェクト等を 柔軟に見直します。 7 戦略的重点プロジェクトの目標値の見直しについて(H24.5.18) ビジョン策定後の状況に合わせて、以下の指標については目標数値を改訂しました。 戦 略 指 標 目標年次:平成32(2020)年 (策定時) 市場 ① 獲得 戦略 地産 ② 拡大 戦略 イメ-ジ ③ アップ 戦略 (見直し後) 県内に設置されたメガソーラーの数 10 施設 25 施設 県民参加の取組で設置された発電施設 の数 60 施設 80 施設 河川や農業用水等を活用し、市町村やN PO等が整備した小水力発電の数 27 件 40 件 太陽光発電による自動かん水システムを 導入した施設の数 56 箇所 75 箇所 2,000 台 2,500 台 EVの普及台数