...

PowerPoint プレゼンテーション - 公益社団法人 日本放射線技術学会 第

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

PowerPoint プレゼンテーション - 公益社団法人 日本放射線技術学会 第
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
模擬静脈を増設した循環ファントムによる
最適な生理食塩水後押しに関する検討
埼玉医科大学総合医療センター 中央放射線部
○長谷川彩香、松澤 浩紀、中根 淳、小林 芳春
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
この研究発表の内容に関する利益相反事項は、
☑ ありません
公益社団法人
日本放射線技術学会(JSRT)
第61回関東部会研究発表大会
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
背景
臨床にて、生理食塩水後押し(以下、生食後押し)は、
造影効果の向上・造影剤量の減量・アーチファクト低減
に有用と報告[1-2]がされている。
1) D. Utsunomiya, etc “16-MDCT aortography with a low-dose contrast material protocol.,” AJR. Am. J. Roentgenol., vol. 186, no. 2, pp.
374–8, Feb. 2006.
2) F. Orlandini etc, “Assessment of the use of a saline chaser to reduce the volume of contrast medium in abdominal CT.,” AJR. Am. J.
Roentgenol., vol. 187, no. 2, pp. 511–5, Aug. 2006.
循環ファントムで最適な生食後押しの注入条件や注入
手法に関する検討も報告[3-5]されているが、上肢静脈が
模擬されてない。
3) 室賀 浩二 他 “造影剤注入持続時間および生理食塩水後押し方法の違いにおける生理食塩水後押し効果の検討,” 日本放射線技術學會雜誌, vol. 68,
no. 6, pp. 711–719, 2012.
4) F. F. Behrendt,etc, “Effect of different saline chaser volumes and flow rates on intravascular contrast enhancement in CT using a
circulation phantom.,” Eur. J. Radiol., vol. 73, no. 3, pp. 688–93, Mar. 2010.
5) S. T. Schindera etc, “Effect of varying injection rates of a saline chaser on aortic enhancement in CT angiography: phantom study.,”
Eur. Radiol., vol. 18, no. 8, pp. 1683–9, Aug. 2008.
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
背景
臨床にて、生理食塩水後押し(以下、生食後押し)は、
造影効果の向上・造影剤量の減量・アーチファクト低減
に有用と報告[1-2]がされている。
1) D. Utsunomiya, etc “16-MDCT aortography with a low-dose contrast material protocol.,” AJR. Am. J. Roentgenol., vol. 186, no. 2, pp.
374–8, Feb. 2006.
2) F. Orlandini etc, “Assessment of the use of a saline chaser to reduce the volume of contrast medium in abdominal CT.,” AJR. Am. J.
Roentgenol., vol. 187, no. 2, pp. 511–5, Aug. 2006.
ファントムの妥当性に問題がある可能性
循環ファントムで最適な生食後押しの注入条件や注入
[3-5]されているが、上肢静脈が
手法に関する検討も報告
生食後押しについて、再検討の余地がある。
模擬されてない。
3) 室賀 浩二 他 “造影剤注入持続時間および生理食塩水後押し方法の違いにおける生理食塩水後押し効果の検討,” 日本放射線技術學會雜誌, vol. 68,
no. 6, pp. 711–719, 2012.
4) F. F. Behrendt,etc, “Effect of different saline chaser volumes and flow rates on intravascular contrast enhancement in CT using a
circulation phantom.,” Eur. J. Radiol., vol. 73, no. 3, pp. 688–93, Mar. 2010.
5) S. T. Schindera etc, “Effect of varying injection rates of a saline chaser on aortic enhancement in CT angiography: phantom study.,”
Eur. Radiol., vol. 18, no. 8, pp. 1683–9, Aug. 2008.
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
目的
模擬上肢静脈を増設した循環ファントムを用いて、
最適な生食後押しに関する検討を行った。
 生食注入条件
速度・容量
 生食後押し手法
生食単独注入・混合注入・クロス注入
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
使用機器・薬剤

X線CT装置
SIEMENS社製 SOMATOM Emotion16

自動注入器
根本杏林堂 Dual Shot GX

非イオン性ヨード造影剤
イオヘキソール・イオメプロール・イオパミドール

自作循環ファントム
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
自作循環ファントム
循環ファントムの基本データ
大循環量:4L
小循環容量:500mL
心拍数:60 count/min
上肢静脈路模擬部
直径 10mm
容量 20mL[6]
平均流速 1.5 mL/s
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
自作循環ファントム
上肢静脈の流速が時間濃度曲線(TDC)に与える影響
(第59回 関東部会研究発表大会にて報告)
11.9mL/s
6,4mL/s
1.5mL/s
流速が1.5mL/s以上の場合
TDCに影響はない。
6)Yamaguchi, I.etc. Evaluation of required saline volume in dynamic contrast-enhanced computed tomography using saline flush technique. Computerized
Medical Imaging and Graphics : The Official Journal of the Computerized Medical Imaging Society, 33(1), 23–8. doi:10.1016/j.compmedimag.2008.09.005
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
方法
 模擬上肢静脈がTDCに与える影響について検討
模擬上肢静脈を増設したファントムを用いてTDCを取得し
最大CT値・最大CT値到達時間について比較
 生食後押し速度
0・3・5mL/s (造影剤注入条件:3mL/s ,15s)
 生食後押し容量
0・10・20・30・40・50mL (造影剤注入条件:3mL/s ,15s)
 生食後押し手法
生食単独注入・混合注入・クロス注入
(造影剤注入条件:50mL,15s)
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
生食後押し手法
生食単独注入
Injection Rate(mL/s)
5
造影剤
注入容量 : 50mL
注入時間 : 15s
4
3
2
生食
造影剤注入開始15秒後
生食に切り替え
1
0
0
5
10
15
20
25
入れ終わり時間を27秒で統一
Time(s)
混合注入
クロス注入
5
4
3
2
造影剤注入開始10~15秒の間
造影剤と生食を同速・同量で混合
1
0
Injection Rate(mL/s)
Injection Rate(mL/s)
5
4
3
2
造影剤注入開始10~15秒の間
造影剤と生食を徐々に切り替える
1
0
0
5
10
15
Time(s)
20
25
0
5
10
15
20
25
Time(s)
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
結果①
模擬上肢静脈がTDCに与える影響
300
Enhancement Unit (HU)
250
模擬静脈“あり”
200
模擬静脈“なし”
150
100
50
0
0
10
20
30
40
50
Time (s)
模擬静脈
最大CT値(HU)
最大CT値到達時間(s)
あり
269
14
なし
283
14
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
結果②
生食後押し速度の違いがTDCに与える影響
Enhancement Unit (HU)
300
280
260
240
220
200
0
1
2
3
4
5
Injection Rate (mL/s)
後押し速度
最大CT値(HU)
最大CT値到達時間(s)
0mL/s
3mL/s
5mL/s
239
269
277
14
16
14
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
結果③
生食後押し容量の違いがTDCに与える影響
Enhancement Unit (HU)
350
340
330
320
310
300
0
10
20
Saline flash (mL)
30
40
最大CT値(HU)
最大CT値到達時間(s)
0mL
308
16
10mL
310
16
20mL
325
16
30mL
337
16
40mL
337
16
生食容量
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
結果④
生食後押し手法の違いがTDCに与える影響
300
生食単独注入
Enhancement Unit (HU)
250
混合注入
200
150
クロス注入
100
50
0
0
10
20
30
Time (s)
40
50
最大CT値(HU)
最大CT値到達時間(s)
生食単独注入
268
14
混合注入
273
14
クロス注入
277
14
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
考察①
 模擬上肢静脈がTDCに与える影響について
 TDCのY軸(CT値)が変化した
→静脈に流れがある場合、注入と同時に造影剤が
希釈されるため、CT値が低くなったと考えられる。
 TDCのX軸(時間)は変化しなかった
→最大CT値到達時間に影響を及ぼす注入時間は
変化しないためと考えられる。
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
考察②
 生食後押し速度・容量がTDCに与える影響について
 生食後押し速度が速くなるほどCT値が上昇した
 生食後押し容量が多いほどCT値が上昇した
→先行研究と同様の傾向を示した。
静脈の流速や容量によりCT値が上昇する割合
は異なると考えられる。
臨床において静脈の流速と容量を、事前に把握する
ことは困難である。
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
考察②
 生食後押し速度・容量がTDCに与える影響について
 生食後押し速度が速くなるほどCT値が上昇した
 生食後押し容量が多いほどCT値が上昇した
循環ファントムを用いた検討をする場合
→先行研究と同様の傾向を示した。
静脈の環境も考慮する必要性が示唆された。
静脈の流速や容量によりCT値が上昇する割合
は異なると考えられる。
臨床において静脈の流速と容量を、事前に把握する
ことは困難である。
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
考察③
 生食後押し手法がTDCに与える影響について
 模擬上肢静脈を増設した循環ファントムでは、生食
後押し手法の結果が先行研究と異なった。
→静脈に流れが存在する場合、層流や注入された
造影剤が後押しされるため、模擬上肢静脈では
手法によるTDCの変化がなかったと考える。
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
2014年12月14日 日本放射線技術学会 第61回関東部会研究発表大会
結論
 模擬上肢静脈が生食後押し効果に影響を与えることを
明らかにした。
 造影効果の向上を目的とした場合、
最適な生食後押しの条件は、以下の通りであった。
 生食後押し条件
速度 : 造影剤と同速
容量 : 20mL以上
 生食後押し手法 : 生食単独注入
Department of Radiology, Saitama Medical University Saitama Medical Center
Fly UP