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「新型の出生前診断」に関する医師調査結果
Press Release 2012 年 9 月 7 日 メドピゕ株式会社 メドピア、医師を対象に「新型の出生前診断」導入・普及の賛否を調査 ~ 2,353 名の医師が回答、約8割が導入・普及に肯定的な見解~ 医 師 約 5 万 人 が 参 加 す る 医 師 限 定 ソ ー シ ャ ル メ デ ゖ ゕ 「 MedPeer ( メ ド ピ ア )」 を 運 営 す る メドピゕ株式会社<東京都渋谷区、代表 石見陽(医師)>は、昨今の報道等で臨床研究として本年9月 にも国内で開始されると伝えられた妊婦の血液から胎児の染色体異常を判断する「新型の出生前診断」 に関する調査を、医師を対象として実施しました。 「新型の出生前診断」の国内への導入々普及について、 賛否を問うものです(MedPeer; https://medpeer.jp) 調査内容〆妊婦の血液から胎児の染色体異常を判断する「新型の出生前診断」に関する調査 調査期間〆2012年8月31日~2012年9月4日 有効サンプル数〆2,353サンプル 対象: 医師(全診療科目対象、MedPeer会員医師、全国の医師) 調査結果(要旨) 々 約 8 割は、国内導入・普及に肯定的な見解(「賛成」、「一定の条件を設けたうえで、賛成」) 々 約 4 割は、検査条件は可能な限り緩和されるべき等、積極的な賛成意見(「賛成」 ) 々 「反対」は5%未満に留まる (全体)医師対象調査 2,353サンプル 選択肢 件数 比率 賛成 (検査条件は可能な限り緩和されるべき、希望する妊婦は可能な限り検査 905 38.5% 951 40.4% 383 16.3% 114 4.8% 2,353 100.0% を受けられることが望ましい 等) 一定の条件を設けたうえで、賛成 (年齢設定や、カウンセリングの義務化など一定の受診条件を設けるべ き 等) 分からない、決めかねる 反対 (新型検査の導入は必要ない) 全体 1 5% 賛成 16% 一定の条件を設けたうえで、賛成 39% 分からない、決めかねる 40% 反対 【全体】MedPeer 調べ サンプル数=2,353 (産婦人科医のみ抜出) 々 90%(84 人)は、導入・普及に肯定的な見解( 「賛成」、「一定の条件を設けたうえで、賛成」) 々 44%(41 人)は、検査条件は可能な限り緩和されるべき等、積極的な賛成意見(「賛成」 ) 々 「分からない、きめかねる」 「反対」は 10%(9 名) 4% 6% 賛成 一定の条件を設けたうえで、賛成 44% 分からない、決めかねる 46% 反対 【産婦人科医のみ】MedPeer 調べ サンプル数=93 調査結果(詳細) (全体の回答について) 「新型の出生前診断の国内への導入・普及を、どのように考えますか?」という問いに対して、全体の 40%が「一定の条件を設けたうえで、賛成」と回答した。 「安易な堕胎手術が増えるかもしれない」と懸 2 念する声が多く、 「男女の産み分けに使用されてはならない」という意見もあった。 「賛成」と回答したのは、39%。 「羊水検査よりリスクが少ない」「障害児を育てるかどうかは、両親の 判断に委ねるべき」 「高齢出産が増えているので必要」 「綺麗事ではすまない。受けない選択はあるわけで、 希望すれば受ければ良い」といったコメントがみられた。 「分からない、決めかねる」は 16%、 「反対」は 5%だった。 「医療というよりも、倫理的な問題」 「神 の領域に踏み込みすぎ」 「明らかに中絶件数がふえる」という声がある。 (産婦人科医の回答について) 産婦人科医の中で、「一定の条件を設けたうえで、賛成」と回答したのは、46%。 「十分なカウンセリン グが必要」 「胎児選別のために用いられるのは危険」といったコメントがみられた。 産婦人科医の中で、「賛成」と回答した医師は 44%で、上記の回答と合わせると、産婦人科医の 9 割が 新型の出生前診断に賛成していることになる。 「おそらく、なし崩し的に全員検査することになるのでは」 と予測する声もあった。 産婦人科医の中で、「反対」は 6%。 「一般に普及させるのは時期尚早」「まだ社会が成熟していない」と いう意見があった。また、 「分からない、決めかねる」は 4%で、偽陽性の可能性を指摘する声があった。 【引用に際してのお願い】 々「メドピゕ調べ」であることの明記をお願い致します。 々web 上での引用に際しましては、「 MedPeer〆 https://medpeer.jp」へのリンクをお願い致します。 調査フォーム(設問文 抜粋) 新型の出生前診断」の国内への導入々普及を、どのようにお考えになりますか。診療科目を超えて、医師のお 立場として幅広いご意見をお寄せください。 以下の4つの選択肢より、ご意見をお寄せください。 「新型の出生前診断」の国内への導入々普及に… 1〄賛成(検査条件は可能な限り緩和されるべき、希望する妊婦は可能な限り検査を受けられることが望ま しい 等) 2. 一定の条件を設けたうえで、賛成(年齢設定や、カウンセリングの義務化など一定の受診条件を設ける べき 等) 3. 反対(新型検査の導入は必要ない) 4. 分からない、決めかねる 3 補足〆ポステゖング調査〆 ンターネット上のデゖスカッション機能を利用してリサーチを行うもので、通常の選択式のンターネットリサーチに加え、モニター 会員が自由にコメントを記入できる形式。通常のリサーチに比べ、対象モニターのンサト(意見、意識のような内面)をより反映し たコメントが得られるものとされている。MedPeerでは、質問に対する選択式の回答「クックリサーチ」と「コメント」を組み合わせ ての調査手法を導入している。 回答コメント(回答一部を抜粋) 「賛成」 905件 ・ 産むかどうかの判断は原則的に患者が決めることであり、意思決定に際して医療側が介入しなければ問題は ない。(40 代、産婦人科) ・ 今現在、実際、羊水検査という選択肢があって、堕胎も行われている。羊水検査を受けたい人が、検査のリ スクを減らすだけの事。 (40 代、産婦人科) ・ ダウン症の出産を 10 例以上経験しています。希望者全員でいいのでは。(60 代、産婦人科) ・ 羊水穿刺による合併症のリスクが減るので、これは患者にとっても医師にとってもメリットが大きいと思い ます。ただ、検査、結果説明、中絶を含め、自分たちの施設で完結していただくことが前提です。どこかに 負担の皺寄せが行ってはいけません。(40 代、産婦人科) ・ したいと思う人は、今までスクリーニングして陽性なら羊水穿刺までする。その負担を考えたら1回ですむ 方がよい。1人目に障害を持った子供ができて2人目もと考えたら、妊娠するのをやめてしまう夫婦もいる。 (50 代、産婦人科) ・ 当事者にとっては非常に悩ましい問題にはなると思いますが、産んでから判明して悲劇が起きたりすること や、事前に判っても覚悟したうえで出産するケースもあることから、検査した方が良いと思う。(50 代、循 環器内科) ・ 羊水検査ができるようになった時点で同様の問題は存在している。母体の負荷が軽減されるメリットが付加 されたとの認識。 (30 代、心療内科) ・ 賛成します。中高年の知的障害者施設の嘱託医をしていますが、福祉医療費の締め付けが厳しく現場は大変 です。現実をみると中絶につながってもやむを得ないと考えてしまいます。(50 代、一般内科) ・ 検査が出来ることは賛成です。その結果をどう判断するかは別の話と思います。(50 代、消化器内科) ・ 親の立場で考えると選択肢の一つとしてもっておきたい。 (20 代、眼科) ・ 医療技術の進歩に倫理観をあわせていってもいいと思います。(40 代、一般内科) ・ 問題が見つかっていない胎児の中絶が頻繁に行われているのに、 「異常が見つかった胎児の人工妊娠中絶への 動きを助長するから検査することを制限すべき」という意見は合理性が見出せません。(40 代、麻酔科) ・ 希望者は全員可能にするべき。逆に検査を受けることができる妊婦、受けることができない妊婦を分ける方 が問題だと思う。 (40 代、一般外科) 4 「一定の条件を設けたうえで、賛成」 951件 ・ クゕトロテストもそうでしたが、ちゃんと結果を患者さんに分かるように説明できて、かつその後の倫理的 対応もできる医者、あるいはカウンセラーがいる病院しか検査できないようにしないと患者が混乱するだけ です。(40 代、産婦人科) ・ 悪い結果が出た場合の対応まで、しっかりと覚悟出来た上で受けるべき検査だと思います。(40 代、産婦人 科) ・ 普及して欲しい検査ですが、カウンセリングなどのガドランを示して欲しい。説明のみで良いのなら導 入々普及しやすい。(50 代、産婦人科) ・ 検査の意味は事前にきちんと説明する必要あり。ただの希望は極力避けてほしいので、医学的必要ない方に は高額の自費請求したい気持ち。逆に必要ある方にはきちんと受けてほしい。(40 代、産婦人科) ・ 保険適応なしであれば、検査を受ける機会は与えられてもよいと思う。検査を勧めなかったとして、医師を 訴えるような間違いがないよう、厚労省と法務省で合意してもらいたい。(50 代、産婦人科) ・ 技術があれば、それを使うかどうかは個人の裁量に委ねるのが良いと思います。ただし、カウンセリングな どサポートなどを十分行うことと両輪だと思います。(40 代、呼吸器内科) ・ 催奇形性や異常を有した子供が生まれる可能性が高い条件にある場合にのみ可とした方が良い。(50 代、一 般内科) ・ 障害児を持つ親の負担を考えると、一律反対とはいえない、過去に子供が2人ともハンター病で、そのため〃 母親がひどいうつ病となり、治療に難渋した経験があります、そんな悲惨な例を見ると、出生診断は、条件 を決めれば、おこなってやむをえない気がします。 (60 代、精神科) ・ 異常があれば全て中絶というふうになってしまうのはどうかと思う。(40 代、一般内科) ・ 異常が見つかった場合どうするか、がきちんと対応できていれば賛成。検査すればわかることを「検査しな い」とすることはできない。(50 代、消化器外科) ・ 一人目がダウン症などであった場合や、高齢初産などでは、本人たちの希望あれば許容されると思う。(50 代、小児科) ・ 妊婦の年齢以外に、人工妊娠中絶につながらないように週数も制限を設けるべきだと思います。カウンセリ ング体制の強化も当然です。(40 代、健診々予防医学) ・ 家族それぞれに事情があるので、面倒でも厳しいルールを課した上で、賛成。でないと、性別が分かったら 中絶するなんてことにもなりそうです。人の命に「要る」 「要らない」を選択するのは医者のしごとではない です。(40 代、精神科) 「分からない、決めかねる」 383件 ・ 偽陽性の多さを皆さんがどれくらい認識して検査を希望するか、そこらが非常に危うい気がします。本当は 陰性なのに偽陽性だったと言うだけで中絶したりしそうで。(50 代、産婦人科) 5 ・ 精度が高いことは、本当は異常がないのに中絶されていたケースも多々あることを思うとよいと思います。 ただ、このような検査、異常のある場合の中絶が普通になっていくのがよいのかどうかはわかりません。 (30 代、産婦人科) ・ 医療というよりも、倫理的な問題だと思うので。(40 代、一般内科) ・ 染色体異常があれば人工流産させるということが、現在染色体異常で賢明に生きている、かつ介護している 家族に対する気持ちを考えると複雑である。したがって、どちらか決めがたい。(60 代、小児科) ・ 異常のない胎児が人工流産させられることが多くなると思います。信頼性は 100%ではないようですし、説 明をして本人たちに決めさせるというのも酷な話だと思います。(50 代、消化器外科) ・ 診断できる疾患が拡がるにつれ、堕胎される胎児が増えていくはずだが、その是非の線引きが誰にできるの か?(40 代、小児科) ・ 人の生命や人工中絶に係わる問題であり、単に医学的だけでなく、宗教的、倫理的に十分議論を重ねる必要 があります。(40 代、呼吸器内科) ・ 一概にあるいは一般論として意見を述べることができない深い問題だと思う。基本的に命の選別にあたると の考えから反対ではあるが、患者さんとの対話の中で、持論をもってしてすべてをはねのける自信はない。 (40 代、一般内科) ・ 命の誕生と、元気な成長を考え、個々人が考える流れになると思うが、自分が当事者になった場合は結論が 出ていない。また、完璧な検査は無いので、検査で陰性だったけれども、結果が異なった場合の取り扱いが 不明でこの点は懸念が残る。(40 代、循環器内科) 「反対」 114件 ・ 出生前診断はやむを得ないが、今回のターゲットはダウンと他 2 種類のみで、意図するかは別であっても明 らかにダウンがメンターゲットになってしまうから。 (50 代、産婦人科) ・ 料金が高すぎるし、3種だけで良いとは思えない。 (50 代、産婦人科) ・ 反対です。生まれてくる子がどんな子であろうが、親は子に責任を持つべきだと考えます。(30 代、血液内 科) ・ 遺伝子操作とほぼ同義と考えられるので、反対です。(40 代、放射線科) ・ ダウン症等の患者が中絶される可能性が高くなる。いろいろな考えはあるかと思うが、やはり生まれてくる 権利を重視したい。(50 代、一般内科) ・ 診断した結果、その後の対応のバックゕップ体制ができていないのに、検査だけ先走っても、悩む夫婦が増 えるだけだと思う。(30 代、血液内科) ・ 医療の進歩に倫理が追いつかないことを懸念します。(60 代、放射線科) ・ 出産を前提とした検査であればよいが、中絶が回避できないのなら反対。(50 代、神経内科) 6 MedPeer(メドピア)とは メドピア株式会社 法人沿革: 2003 年、現メドピゕ代表取締役である石見陽が中心となり有志団体「ネット医局」を組織、医師向けの 情報交換サービスを開始しました。同組織を発展させるかたちで、石見 陽が 2004 年にメデゖカル々オ ブリージュ」 (現 メドピゕ株式会社)を設立。事業準備期間を経て、2007 年に医師専用の質問回答コミ ュニテゖサト「Next Doctors」 (ネクスト々ドクターズ)のサービスを開始。2009 年に、薬剤評価掲 示板を開始。また同時期に運営サービス名を「MedPeer」 (メドピゕ)に改称、さらに 2010 年にメドピ ゕ株式会社に法人名を改称し、現在に至ります。 会社名 〆メドピゕ株式会社 運営サービス 〆MedPeer(メドピゕ) 医師専用コミュニテゖサト(https://medpeer.jp) 設立 〆2004 年 12 月 資本金 〆2 億 2,985 万円(資本準備金 1 億 130 万円含む) 代表取締役 〆石見 陽 (医師々医学博士) 医学顧問 〆名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学教授 室原 豊明 ** 「MedPeer」サービス概要: 「MedPeer(メドピゕ) 」は、医師専用のコミュニテゖサト(SNS)です。 MedPeer 医師会員同士による掲示板サービス「薬剤評価掲示板」や、特定疾患治療に関するエキスパー ト医師による情報提供「Meet the Experts (MTE)」、有名臨床指定病院の所属医師参加のオンラン症 例検討会「ンタラクテゖブ々ケース々カンフゔレンス(iCC)」など、医師専用のコミュニテゖサトな らではの医療専門情報共有スペースとして、多くの医師が利用をしています。 現在の医師会員は、約 5 万人で、日本の医師の約 5 人に 1 人が利用するコミュニテゖに発展しています。 「薬剤評価掲示板」では、約 1,400 の医療用医薬品に対して、20 万件以上の医師会員による処方実感、 クチコミ評価が投稿されています。 広報窓口(発表内容問合せ、取材申し込み等) : メドピゕ株式会社 経営企画室(広報担当) 高田 電話; 03-6805-0345 メール; [email protected] 本項の情報は、2012 年 8 月末時点のものです 7