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ハマのアメ横(洪福寺松原商店街)の賑わいの要因

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ハマのアメ横(洪福寺松原商店街)の賑わいの要因
ハマのアメ横(洪福寺松原商店街)の賑わいの要因に関する研究
BR12028 菅晃太朗
指導教員 中野恒明
1 研究背景と目的
商店街はまちの大切な要素であり、地域の人が何を
望み、何を好み、どんな暮らしをしているのかがわか
る場所であり、大型店にはない地域の文化を感じるこ
とが出来る。そんな商店街の衰退が進む現代は危機感
を持つべき時代にあると言える。
本研究では、年間を通じて賑わっている商店街の魅
力の要因について洪福寺松原商店街を対象として探り
、これからの時代において商店街の保存や活性化を推
進する為に商店街の持つ要素とその及ぼす効果の相関
関係を明らかにする事を目的とする。
2 研究方法
本研究では、横浜三大商店街といわれる横浜橋商店
街、六角橋商店街(洪福寺松原商店街もその一つ)と
の比較研究を行う。比較項目は店舗割合、取り組み、
外観、道路幅の4つとする。
研究方法は①洪福寺松原商店街の現状把握と歴史、
②比較対象である商店街についての概要、③ヒアリン
グや現地調査、④比較項目について 以上の4 調査を
行い、商店街の成り立ちと現状を考察し、対象とした
商店街の賑わいの要因を明らかにする。
3 数字で見る三商店街
松原商店街
(表 1 松原商店街概要)
施設名
歩行者天国
(写真①)
数量
12時-18時
東西248m
商店街の長さ 南北189m
8m
道路幅
アーケード
無し
展示灯
無し
飲食サービス業
生鮮食品
16
その他食品 その他物品販売 小計
28
27
71
横浜橋通り商店街
飲食店 サービス業 合計
8
14
施設名
数量
カラー塗装 437m
街路灯
38基
看板
1基
アーチ
4基
設置年
昭和53年
平成1 年
平成4 年
平成2 年
トイレ
放送設備
駐車場
有り
有り
53台
不明
昭和3 8年
平成1 2年
駐輪場
有り
その他食品 その他物品販売 小計
34
49
106
六角橋商店街
飲食店 サービス業 合計
13
7
駐輪場
昭和 40 年
昭和 40 年
有り
(表 3 六角橋商店街概要)
その他食品 その他物品販売 小計
10
設置年
不明
平成
不明
不明
(2015年1 0月)
施設名
数量
13時-20時 カラー塗装
街路灯
商店街の長さ 300m四方 看板
アーチ
5-6m
道路幅
トイレ
無し
アーケード
有り
放送設備
(写真③)展示灯
駐車場
飲食サービス業
4
数量
353m
有り
不明
6基
有り
有り
有り
126
施設名
歩行者天国
生鮮食品
57
71
飲食店 サービス業 合計
52
54
・・・住宅
・・・銀行
8
16
28
15
12
14
0
93
・・・飲食店舗
・・・食料品販売
・・・医療、床屋、接骨院
・・・精肉、青果、鮮魚
・・・雑貨小売店
・・・複数混合
N
・・・駐車場
0m
(図 1 店舗割合①)
100m (図 2 店舗分布①)
4.2 取り組みについて 昭和27年に任意団体で始まり、昭和51年に法人「洪
福寺松原商店街」となった。その間、歩行者天国、事
務所設置に伴い放送施設完備、会報まつばら発行、松
原音頭レコーディング、シールスタンプ事業、買い物
送迎ツアーの実施など商圏を拡大すべく活動に努め現
在まで引き続き行われている取り組みも多い。
シールサービス会 買い物カート
の貸し出し
歩行者天国
来街者駐車場の設置
(2007年 4月 )
(表 2 横浜橋通り商店街概要)
施設名
数量
13時-20時 カラー塗装
街路灯
商店街の長さ 353m
看板
4.5-5m アーチ
道路幅
アーケード
全蓋アーケード トイレ
(写真②)展示灯
有り
放送設備
駐車場
飲食サービス業
23
(表 4 凡例①)
飲食店舗
生鮮三品
食料品販売
衣料品販売
雑貨品販売
医療・生活サービス
娯楽
93
施設名
歩行者天国
生鮮食品
4 洪福寺松原商店街の概要 松原商店街は横浜駅西口より直線で約2kmの南西に位
置し保土ヶ谷区と西区にまたがり、東側には環状1 号
線・南側には国道16号線と幹線道路に挟まれた所で、
最寄り駅は国道を渡り徒歩5分相模鉄道天王町駅であ
る。業種は最寄品中心の商店街であり、広い商圏から
来街者を吸収し、横浜市内でも特異な商店街である事
から「ハマのアメ横」と呼ばれる。
4.1 店舗割合について
全 93 店舗中最も多いものは小売業で
あり全体の 75%を占めた。食料品や日
用品を扱う店舗が多くあり、集客圏か
ら分類すると近隣型商店街である。
177
駐輪場
数量
353m
有り
不明
6基
有り
有り
有り
設置年
不明
平成
不明
不明
不明
昭和 40 年
有り
(2015年11月)
商店街の長さは約 350mで共通しており、二つの商店
街では歩行者天国を実施している。六角橋商店街では
歩行者天国の実施はされていないが、車輌は一方通行
となっており、昼過ぎから夕方には歩行者が多く車輌
が入り辛く、歩行者中心の通りとなっている。
道路幅では実際に訪れた際にはどの商店街も同じよ
うな印象を受けたが、数字で見ると松原商店街のみ広
いことが明らかとなった。この違いはどのような事な
のかこれ以降述べていく事とする。
(写真④)
(写真⑤)
毎日12時から18時の シールを溜める事
間で車両の通行を止 で割引券や商品券
めている
と引き換えられる
(写真⑥)
(写真⑦)
買い物カートのレン 大型ショッピングモールに対抗
タルが商店街利用の するために建設された。最大53
方に限り可能
台まで収容可能
4.3 外観について
松原商店街のにじみ出しに
ついての調査を行った。にじ
み出しのある店舗は49店舗、
半分以上の店舗で確認できた。
最大連続店舗数は5店舗、最大 ▲写真⑧-⑩ 商店街のにじみ出しの様子(商品、パラソルなど)
幅420cm店舗にじみ出しの構成は商品・のぼり・机・椅
子・看板・棚・日除けなどが主であった。にじみ出し
によって通路に立体感が生まれている。
表5 洪福寺松原商店街のにじみ出しの内訳表(2014年9月)
ショッピング
ダイソー
巻島生花店
布屋
京町屋 雑貨
京町屋 食料品
靴 カメヤ
青果 エビスヤ
銘茶 身成園
ハマの肉や
いのまた陶器
あまぐり
カーテンカーペット
婦人服 カランドリエ 京町 食品
魚幸水産
丸秀園 食品
幅(cm)
30
110
40
180
30
40
195
40
100
20
20
70
50
80
15
100
丸秀園
萩原商店 食品
清水青果
青果 三増屋 練り物
立ち食い 焼き鳥
お菓子の泉や
食品
五十貝商店 青果
ファッションの勉強堂
ギョーザ専門店
アクセサリー
衣料のマルヨシ
60
30
130
130
45
100
80
100
150
35
40
60
60
中華 華園
衣料のマルヨシ
衣料のマルヨシ
だるま薬局
イソガイ青果
衣料 柳屋
婦人服 かつらや
青果 戸川商店
幅(cm)
80
180
65
50
160
130
160
420
菓子のさいとう
ふるさと弁当
だんご濱っこ
松原歯科
韓国料理専門店
婦人服 つるや
衣料品 Wan
幅(cm)
80
110
80
120
110
190
80
飲食
幅(cm)
立ち食い 焼き鳥
100
中華 華園
80
だんご濱っこ
80
コーヒーたいむ
60
中華 龍鳳軒
60
コーヒーたいむ
接骨院 oasis
リサイクルショップ
衣料 しむら
中華 龍鳳軒
幅(cm)
60
40
110
115
60
医療
接骨院 oasis
松原歯科
だるま薬局
幅(cm)
40
120
50
5 横浜橋通り商店街の概要
横浜橋通り商店街は横浜駅まで約3km、JR黄金町駅か
ら徒歩6分、阪東橋駅より徒歩4分に位置し、周辺は大
型スーパーであるサミット曙町店まで170m、イセザキ
モールまで200mと競争の激しい立地である。
業種は松原商店街と同様に最寄品中心の生活必需品
のマーケットとなっており、高い人口密度の地域に密
着した、下町的な粋な賑わいを持って地域住民の台所
と親しまれる。
5.1 店舗割合について
横浜橋通り商店街は最寄品中
心を扱う。全店舗126の中で最
も多い業種は小売業であり全体
の75%を占めた。生鮮三品を扱
う店舗は18店舗。続いて多い業
種は飲食店舗であった。
(表 6 凡例②)
飲食店舗
生鮮三品
食料品販売
衣料品販売
雑貨品販売
医療・生活サービス
娯楽
13
23
34
28
21
7
4
126
・・・住宅
・・・銀行
・・・飲食店舗
・・・食料品販売
・・・医療、床屋、接骨院
N
・・・精肉、青果、鮮魚
・・・雑貨小売店
・・・複数混合
(図 3 店舗割合②) 0m
・・・駐車場
100m
(図 4 店舗分布②)
5.2 取り組みについて 雨の日の買い物も不便しないように1968年に全蓋ア
ーケードが設置された。商店街内のイベントは季節ご
とのものが企画されているのに加え、商店街隣の大鷲
神社のお祭り「酉の市」が開催されており、毎年11月
には大変賑わう。歩行者天国が1953年に横浜市内で初
めて実施され成功を収めた。
6.2 取り組みについて 六角橋商業協同組合、六角橋中央商店会、六角橋興
和、六角橋商和会の4商店会で連合会を構成し、売出し
等販売促進の他、数々のイベントを企画・運営する商
店街であり、商店街内で行うプロレスイベントや第三
土曜日の「ドッキリ闇市」は名物となっている。
▲全日プロレスのイベントの様子
▲チャリティイベントの様子
▲ドッキリ闇市当日の様子 ( 写真⑲-㉑)
6.3 外観について
歩行者天国ではないが車両は一方通行となっており
夕方はほとんど歩行者のみの状態となっている。
大通り側ににじみ出しはほとんど確認されなかった
が、仲見世通りでは青果店や食料品販売店などでにじ
み出しが確
認され闇市
の名残を醸
していた。
▲商店街入口アーチ
▲仲見世通り入口の様子
▲仲見世通りの様子 ( 写真㉒-㉔)
7 比較分析 7.1 規模と歩行時間について 三商店街の長さを比較したものが右
の図である。図7は時速 5kmで歩い
た場合にかかる時間の目安となり、そ
れぞれ 437m、353m、330mとなって
いる。いずれの商店街においても 5-6
分以内で歩けるという事がわかる。
( 松原商店街の十字路部分の幅員は省
いた形で図にしている)
7.2 にじみ出しについて にじみ出しのもたらす
効果についてまとめたも
のが右図である。
松原商店街 ( 図 8) で
は道路幅員が 8mであるが
1.5m
5m
1.5m
道路の両側 1.5mは商品陳
列や看板、パラソルなどの
にじみ出しによって人が滞
welcome
留する空間となっている。
このことから人の滞留する
空間は対象とした三商店街
では共通して約 5mとなって
5m
いる事が判明した。
8 結論
今回対象とした三商店街は横浜三大商店街と称され
る場所であり、共通している要素は賑わいの要因であ
ると言える。
商店街の賑わいの重要な要素の一つとして、スケー
ルが重要であると考察できる。対象とした商店街はい
ずれも300m-400mの規模の中に収まっており、また道
路幅においては交通規制により相違はあるものの、5m
程度が歩行者の目線や感覚により親密さを感じさせ、
商店街では最適であると考えられる。松原商店街では8
mと広過ぎるが、にじみ出しによってそれを感じさせ
ないスケールへと自然に近づいていた。
また商店街活動のイベントや販売促進のための取り
組みを定期的に行い、盛り上がりをつけていく事も商
店街の活性化に大切な要素と言える。
6分
5分
4分
3分
2分
1分
0分
0m
100m
▲左から松原商店街、横浜橋通り商店
街、六角橋商店街。目盛は分速 80m
で歩いた場合の時間を示す。
(図 7 長さの比較)
▲(写真⑪)酉の市当日の様子
▲(写真⑫)夏のイベントの様子
▲写真⑬歩行者
天国の看板
▲写真⑭
全蓋アーケード
5.3 外観について
松原商店街同様に
じみ出しについての
調査を行ったところ
全126店舗の中、29
▲青果店のにじみ出しの様子(左)
▲対面販売の店舗 ▲外国人専門の不動産
(写真⑮-⑱)
店舗で確認された。 店の前に停めた自転車(右)
最大幅は青果店の1m60㎝、最小幅は30㎝であった。
生鮮食品を扱う店舗や小売業の店舗がほとんどであ
りにじみ出した商品や看板、のぼりが主な構成物であっ
た。国際色豊かな商店街であり看板に外国の文字が使
われているものが印象的である。
6 六角橋商店街の概要
六角橋商店街は東急東横線白楽駅より徒歩2分、駅沿
いの旧綱島街道に架かる大通り約300mの両側と、並行
する通りにある店舗で成り立つ。戦後すぐに闇市とし
て発展し、現在の昭和の面影を残すレトロな商店街の
姿となった。
6.1 店舗割合について
全177店舗では飲食店舗が最も多く、
約3割を占めた。次に多い業種は日用
品を扱う店舗や医療・生活サービス
の店舗であった。
・・・住宅
(表 7 凡例③)
飲食店舗
生鮮三品
食料品販売
衣料品販売
雑貨品販売
医療・生活サービス
娯楽
52
4
10
11
46
51
3
177
・・・銀行
・・・飲食店舗
・・・食料品販売
・・・医療、床屋、接骨院
・・・精肉、青果、鮮魚
・・・雑貨小売店
・・・複数混合
N
・・・駐車場
0m
(図 5 店舗割合③)
100m ▲大通りと並行する通りに広がる商店街
(図 6 店舗分布③)
(図 8 松原商店街断面図)
(図 9 比較対象商店街断面図)
参考文献 「横濱」YOKOHAMA2013 年秋号、平成 24 年度商店街実態調査報告書、
消費者購買行動意識調査、商店街 HP、はまれぽ、商店街資料各種など
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